説明

アプリケーションプログラム削除方法

【課題】 非接触IC機能付き携帯電話機のアプリケーションプログラムが、間違えによる操作での削除防止を施したアプリケーションプログラム削除方法を提供する。
【解決手段】 携帯電話機から管理サーバに固有情報を送信し、管理サーバで受信した固有情報から第1の値を生成し、管理サーバから携帯電話機に第1の値を送信し、携帯電話機側で第2の値を生成し、携帯電話機に第1の値を表示し、携帯電話機に第1の値を入力し、その入力された第1の値と前記第2の値を照合し、一致した場合に携帯電話機から管理サーバに対し固有情報と登録削除申請情報とを送信し、管理サーバで登録者情報から受信した固有情報に関係付けられた登録者情報を削除し、管理サーバから携帯電話機に固有情報と登録者情報の削除情報を送信し、携帯電話機の登録者情報を削除し、携帯電話機のアプリケーションプログラムの削除を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触IC機能付き携帯電話機のICメモリに記憶されたアプリケーションプログラムを削除するためのアプリケーションプログラム削除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機で使用する機能プログラムを、必要に応じて機能プログラム管理サイトから携帯電話機のメモリにダウンロードしたり、既に不必要となった機能プログラムについて、使用者自身が携帯電話機の操作部を操作することにより、機能プログラムの削除を行なうことができる技術が知られている。(例えば、特許文献1、参照)
【特許文献1】特開2003−188946号公報
【0003】
上記の技術は、携帯電話機の使用者自身が、不必要となった機能プログラムを削除することができるので、メモリ容量を有効に活用することができ便利であるが、携帯電話機の操作部を操作するだけで簡単に機能プログラムが削除されてしまうために、うっかり操作を間違た場合には、本来必要である機能プログラムまで削除してしまうという危険性もある。
【0004】
近年、非接触IC機能付き携帯電話機が開発されて、携帯電話機に搭載された非接触IC機能を用いての種々のサービスの提供が行なわれている。
非接触IC機能付き携帯電話機は、携帯電話機に装着した非接触IC媒体に種々のアプリケーションプログラムをダウンロードさせることで、電話機能とは別に種々のサービスが受けられるようにしたもので、例えば、非接触IC機能付き携帯電話機のICメモリに、クレジット用のアプリケーションプログラムなどの会員用アプリケーションプログラムを記憶させることで、非接触な通信によりクレジット処理が行なえるようにしたり、会員へのサービス提供が受けられるようにしてある。
【0005】
しかしながら、非接触IC機能付き携帯電話機に装着された非接触IC媒体にダウンロードされたアプリケーションプログラムについては、携帯電話機の使用者自身の操作により簡単に削除できてしまうために、操作部のボタンをうっかり間違えて押してしまうことで、重要なアプリケーションプログラムの削除を行なってしまうこともあるという問題がある。
例えば、クレジット用のアプリケーションプログラムを非接触IC機能付き携帯電話機で削除した場合には、自動的に退会したとみなされる場合もあり、一旦退会してしまうと、再度入会手続きを行なうために手間や時間がかかるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、非接触IC機能付き携帯電話機にダウンロードされたアプリケーションプログラムが、使用者の間違えによる操作などで簡単に削除されることを防止したアプリケーションプログラム削除方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアプリケーションプログラム削除方法は、非接触IC機能付き携帯電話機に記憶されたアプリケーションプログラムを削除するためのアプリケーションプログラム削除方法であって、前記携帯電話機からアプリケーション管理サーバに対して、前記携帯電話機に記憶された固有情報を送信するステップと、前記アプリケーション管理サーバにおいて、前記携帯電話機から受信した固有情報から、乱数を生成する演算手法にて第1の値を生成するステップと、前記アプリケーション管理サーバから前記携帯電話機に対して、前記第1の値を送信するステップと、前記携帯電話機に記憶されている固有情報から、乱数を生成する演算手法にて第2の値を生成するステップと、前記携帯電話機の表示手段に第1の値を表示するステップと、前記携帯電話機の入力手段から、前記携帯電話機の表示手段に表示された前記第1の値を入力するステップと、前記携帯電話機の入力手段から入力された前記第1の値と、前記第2の値とを照合処理するステップと、前記照合処理において、その照合結果が一致した場合に、前記携帯電話機から前記アプリケーション管理サーバに対して、前記固有情報と、登録削除申請情報を送信するステップと、前記アプリケーション管理サーバにおいて、登録された登録者情報の中から、受信した固有情報に関係付けられた登録者情報の削除処理を行うステップと、前記アプリケーション管理サーバから前記携帯電話機に、前記固有情報と、前記登録者情報の削除情報を送信するステップと、 前記携帯電話機に記憶されている登録者情報の削除処理を行うステップと、前記携帯電話機に記憶されているアプリケーションプログラムの削除処理を行うステップと、からなることを特徴とする。
【0008】
本発明のアプリケーションプログラム削除方法は、前記アプリケーションプログラムが、特定の会員に対して前記非接触IC機能付き携帯電話機を利用したサービスを提供するためのアプリケーションプログラムであり、また、前記固有情報が、会員番号であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアプリケーションプログラム削除方法は、非接触IC機能付き携帯電話機にダウンロードされたアプリケーションプログラムの削除処理を行なう場合に、非接触IC機能付き携帯電話機が、アプリケーション管理サーバで生成されたパスワードなどの数値を受信して、その数値の入力を行なう必要があるので、使用者の操作間違えにより簡単にアプリケーションプログラムの削除がされることを防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステム構成の概要を説明する図、図2は、本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムのシステムブロック図、図3は、本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムにおける画面表示内容を示す図、図4及び図5は、本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムに基づく処理手順を示すフローチャート図である。
【0011】
まず、本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法の概要を図1に基づいて説明する。
携帯電話機1は、非接触ICカード2を装着して使用する構造を有し、この非接触ICカード2に種々のアプリケーションプログラムや固有情報などを記憶させることで、携帯電話機1を用いて種々のアプリケーションシステムに適応できるようにしてある。
携帯電話機1に装着された非接触ICカード2に記憶するアプリケーションプログラムは、携帯電話通信網3及びインターネット4を介して、カスタマーセンター5に設置されたアプリケーション管理サーバ6において管理される。
また、アプリケーション管理サーバ6には、そのアプリケーションプログラムを利用して処理を行なえる者を会員などとして登録しておくことで、アプリケーションプログラムを用いたシステムの利用が行なえるようにしてある。
【0012】
図2に示すように、携帯電話機1には、表示手段7、ハッシュ値生成手段8、入力手段9、記憶手段10、ICカード読取書込手段11、通信手段12、受信情報照合手段13、入力情報照合手段14、登録削除申請情報送信手段15、アプリケーションプログラム削除手段16、制御手段17、とが設けられていると共に、ICカード読取書込手段11により読み取り及び書込みが行なえる状態で非接触ICカード2が装着されている。
また、記憶手段10には、制御プログラム17が記憶されている。
【0013】
非接触ICカード2には、インターフェース36、送受信手段37、記憶手段38、制御手段39などが備えられている。
そして、記憶手段38には、アプリケーションプログラム40と、登録情報である会員番号41とが記憶されている。
送受信手段37は、非接触により種々の処理装置との間でデータの送受信を行なえるようにアンテナコイルなどで構成されている。
【0014】
携帯電話機1に備えられているハッシュ値生成手段8は、会員番号などの固有情報をハッシュ関数により演算することでハッシュ値を生成する機能を有している。
受信情報照合手段13は、携帯電話機1がアプリケーション管理サーバ6から受信したハッシュ値と、携帯電話機1側で生成されたハッシュ値との間での照合処理を行なう機能を有している。
入力情報照合手段14は、携帯電話機1の入力手段9から入力したパスワードと、携帯電話機1がアプリケーション管理サーバ6から受信したハッシュ値からなるパスワードとを照合処理する機能を有している。
【0015】
登録削除申請情報送信手段15は、携帯電話機1からアプリケーション管理サーバ6に対して、自分が会員であることをやめて退会することを申し出でると共に、これに伴って会員登録の削除の申請を行なうことを示す情報を送信する機能を有している。
アプリケーションプログラム削除手段16は、非接触ICカード2に記憶されているアプリケーションプログラムと、登録情報である会員番号とを削除する機能を有している。
【0016】
また、アプリケーション管理サーバ6には、表示手段21、通信手段22、ハッシュ値生成手段23、登録者情報削除手段24、記憶手段25、入力手段26、制御手段27、会員情報データベース28、などが備えられている。
記憶手段25には、制御プログラム29が記憶されている。
登録者情報削除手段24は、会員情報データベース28に登録されている会員情報の中から、会員登録の削除の申請が届いた会員の会員情報を削除する機能を有している。
【0017】
次に、図3及び図4に基づいて、本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法を、適応するシステムに基づく処理手順に基づいて説明する。
尚、図3において、画面30,31,32,33,34は、携帯電話機1の表示手段7のディスプレイに表示される画像内容を示し、また画面35は、カスタマーセンター5に設置されたアプリケーション管理サーバ6側の表示手段21のディスプレイに表示される画像内容を示している。
【0018】
この処理手順の説明では、一例として、携帯電話機1に装着されている非接触ICカード2に、携帯電話機1を用いて種々の会員サービスを受けることができるアプリケーションプログラムが既にダウンロードされており、更に携帯電話機1の所持者が、会員としてカスタマーセンター5に設置されたアプリケーション管理サーバ6に登録されている場合であって、今回の処理で、携帯電話機1の所持者が、その会員であることやめて退会し、携帯電話機1に装着されている非接触ICカード2に記憶されているアプリケーションプログラムの削除処理を行なう場合に関して説明する。
【0019】
まず、携帯電話機1の所持者は、携帯電話機1の入力手段9から指示コマンドを入力することで、携帯電話機1の表示手段7に、画面30に示すアプリケーションプログラムのメインメニュー36を表示させる。(ステップS1)
メインメニュー36の中には、会員登録削除37の選択枝が用意されており、携帯電話機1の所持者は、この会員登録削除37の選択枝をクリックすることで画面31の表示に切り替わると共に、会員登録削除用プログラムが起動する。(ステップS2)
この会員登録削除用プログラムが起動すると、携帯電話機1からアプリケーション管理サーバ6に対して、携帯電話機1に記憶されている固有情報である会員番号が自動的に送信される。(ステップS3)
【0020】
次に、画面35に示すように、固有情報である会員番号を受信したアプリケーション管理サーバ6では、ハッシュ値生成手段23により受信した会員番号をハッシュ関数により演算して、第1の値であるハッシュ値の生成が行なわれる。(ステップS4)
そして、アプリケーション管理サーバ6から携帯電話機1に対して、そのハッシュ値の送信が行なわれる。(ステップS5)
【0021】
また、携帯電話機1では、ハッシュ値生成手段8により非接触ICカード2に記憶されている会員番号をハッシュ関数により演算して、第2の値であるハッシュ値の生成が行なわれる。(ステップS6)
次に、携帯電話機1の受信情報照合手段13により、アプリケーション管理サーバ6から携帯電話機1が受信した第1の値であるハッシュ値と、携帯電話機1で生成された第2の値であるハッシュ値との照合処理が行なわれる。(ステップS7)
そして、このハッシュ値の照合処理の結果が一致した場合に、携帯電話機1の表示手段7でメール画面32に示すように、一致したハッシュ値の表示が行なわれる。(ステップS8)
尚、このハッシュ値は、一時的に記憶手段10に記憶される。
そして、ハッシュ値は、会員登録を削除する際に用いるパスワードともなる。
【0022】
次に、メール画面32から画面33に切り替えて、会員登録削除用の画面33におけるパスワード入力用欄に、パスワードとしてメール画面32に表示されたハッシュ値の入力を行なう。(ステップS9)
この入力されたハッシュ値と、一時的に記憶手段10に記憶されているハッシュ値との照合処理が行なわれる。(ステップS10)
この照合処理の結果で一致した場合に、携帯電話機1からアプリケーション管理サーバ6に対して、会員番号と、登録削除申請情報が送信される。(ステップS11)
【0023】
そして、会員番号と、登録削除申請情報とを受信したアプリケーション管理サーバ6では、会員情報データベース28に登録されている会員情報の中から受信した会員番号の会員が退会したことによる会員情報の削除処理が行なわれる。(ステップS12)
次に、アプリケーション管理サーバ6から携帯電話機1に、退会した会員の会員番号と、登録情報を削除したことを示す削除情報が送信される。(ステップS13)
【0024】
携帯電話機1は、アプリケーション管理サーバ6から退会した会員の会員番号と、登録情報を削除したことを示す削除情報を受信したことを受けて、非接触ICカード2に記憶されているアプリケーションプログラムと、会員番号との削除処理を行なう。(ステップS14)
以上の処理により、携帯電話機1の所持者は、退会手続きを行なうと共に、携帯電話機1の非接触ICカード2に記憶されているアプリケーションプログラムの削除処理を行なうことができる。
【0025】
尚、上記の処理手順において、ステップS7によるアプリケーション管理サーバ6から携帯電話機1が受信した第1の値であるハッシュ値と、携帯電話機1で生成された第2の値であるハッシュ値との照合処理を行なわないで、ステップS6の処理の後にステップS8の処理を行なうようにしてもよい。
【0026】
また、上記の実施形態では、固有情報として会員番号を用いたが、固有情報としては、会員番号に限定せずにID番号などを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステム構成の概要を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムのシステムブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムにおける画面表示内容を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムに基づく処理手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の実施形態に係るアプリケーションプログラム削除方法に適応するシステムに基づく処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0028】
1 携帯電話機
2 非接触ICカード
3 携帯電話通信網
4 インターネット
5 カスタマーセンター
6 アプリケーション管理サーバ
7,21 表示手段
8,23 ハッシュ値生成手段
9,26 入力手段
10,25,38 記憶手段
11 ICカード読取書込手段
12,22 通信手段
13 受信情報照合手段
14 入力情報照合手段
15 登録削除申請情報送信手段
16 アプリケーションプログラム削除手段
17,27,39 制御手段
24 登録者情報削除手段
28 会員情報データベース
36 インターフェース(I/F)
37 送受信手段
40 アプリケーションプログラム
41 会員番号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触IC機能付き携帯電話機に記憶されたアプリケーションプログラムを削除するためのアプリケーションプログラム削除方法であって、
前記携帯電話機からアプリケーション管理サーバに対して、前記携帯電話機に記憶された固有情報を送信するステップと、
前記アプリケーション管理サーバにおいて、前記携帯電話機から受信した固有情報から、乱数を生成する演算手法にて第1の値を生成するステップと、
前記アプリケーション管理サーバから前記携帯電話機に対して、前記第1の値を送信するステップと、
前記携帯電話機に記憶されている固有情報から、乱数を生成する演算手法にて第2の値を生成するステップと、
前記携帯電話機の表示手段に第1の値を表示するステップと、
前記携帯電話機の入力手段から、前記携帯電話機の表示手段に表示された前記第1の値を入力するステップと、
前記携帯電話機の入力手段から入力された前記第1の値と、前記第2の値とを照合処理するステップと、
前記照合処理において、その照合結果が一致した場合に、前記携帯電話機から前記アプリケーション管理サーバに対して、前記固有情報と、登録削除申請情報を送信するステップと、
前記アプリケーション管理サーバにおいて、登録された登録者情報の中から、受信した固有情報に関係付けられた登録者情報の削除処理を行うステップと、
前記アプリケーション管理サーバから前記携帯電話機に、前記固有情報と、前記登録者情報の削除情報を送信するステップと、
前記携帯電話機に記憶されている登録者情報の削除処理を行うステップと、
前記携帯電話機に記憶されているアプリケーションプログラムの削除処理を行うステップと、
からなることを特徴とするアプリケーションプログラム削除方法。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラムが、特定の会員に対して前記非接触IC機能付き携帯電話機を利用したサービスを提供するためのアプリケーションプログラムであり、また、前記固有情報が、会員番号であることを特徴とする請求項1記載のアプリケーションプログラム削除方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−210977(P2006−210977A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16347(P2005−16347)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】