説明

アリスキレン及びアボセンタンを使用する医薬組成物

本発明は、(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせ及び(iii)医薬的に許容される担体を使用する、動物、好ましくはヒト対象を含む哺乳類における高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置を非限定的に含む治療効果を達成する、医薬組成物及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(i)アリスキレン(SPP100)又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)アボセンタン(SPP301)又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせ、及び(iii)医薬的に許容される担体を使用する、動物、好ましくは、ヒト対象を含む哺乳類における、高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置を非限定的に含む治療効果を達成する医薬組成物及び方法に関するものである。
【0002】
[発明の詳細な説明]
したがって、レニン阻害剤SPP100/アリスキレンとエンドセリン受容体拮抗薬SPP301/アボセンタンとの組み合わせ投与の本発明はまた、病因が明確又は不明確な高血圧症(本態性、腎血管性、腎硬化性、悪性高血圧症)及びその腎臓合併症(血管病変、微小血管症性溶血性貧血、慢性および急性腎不全の形態(非限定的に、糸球体腎炎、腎盂腎炎、尿細管間質性腎炎又は腎炎症候群等に基づく))、さらにその心臓合併症(慢性心不全、虚血再かん流傷害及び心筋梗塞の形態)からなる群より選択される疾患又は病状の予防、進行の遅延及び治療のための方法に関する。
【0003】
より具体的には、SPP100/アリスキレンは、化学式:
【化1】


及び医薬的に許容されるその塩、特にそのヘミフマル酸塩に相当する。
【0004】
SPP100/アリスキレンは、レニン阻害剤として知られており、調製方法は、EP678503に開示されている。
【0005】
より具体的には、SPP301/アボセンタンは、化学式:
【化2】


(式中、Rは、C1−8アルキルで置換されたピリジルであり;
は、メトキシであり、nは、ゼロである)及び医薬的に許容されるその塩に相当する。
【0006】
SPP301/アボセンタンは、エンドセリン受容体の阻害剤として知られており、調製方法は、WO00/52007に開示されている。
【0007】
最も好ましいSPP301/アボセンタンは、5−メチル−ピリジン−2−スルホン酸[6−メトキシ−5−(2−メトキシ−フェノキシ)−2−ピリジン−4−イル−ピリミジン−4−イル]−アミド、及び医薬的に許容されるその塩である。
【0008】
ヒトにおける、高血圧症誘発性腎臓損傷及び腎障害の1つの初期の兆候は、尿中へのアルブミン排せつの増加であり、腎炎領域のタンパク尿症(nephritic-range proteinuria)に進行することがある。このような糸球体ろ過装置の機能的異常の形態学的下地には、糸球体肥大、糸球体基底膜厚の増大、有足細胞の喪失及びメサンギウム細胞外マトリックスの膨張が含まれる。さらに、限外ろ過タンパク質は、炎症過程を経て、糸球体ろ過能力の進行性劣化を促進する。
【0009】
したがって、タンパク質に対する腎臓障壁の選択透過性機能を回復することは、糸球体ろ過の低下を制限し、延いては腎臓機能の喪失を防止する。さらに、尿中アルブミン排せつの減少は、心臓血管の予後の改善と関連することが示唆されている。
【0010】
高血圧症との関連における、尿タンパク排せつの進行に作用する薬又は組み合わせ薬の薬理作用は、腎不全の予防に対する薬物療法の利点を臨床的に評価する代理マーカーとして使用される。
【0011】
このため、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、カルシウムチャンネル遮断薬を使った臨床研究は、腎臓の合併症予防のための、血圧管理及びアルブミン尿削減の利点を立証した。特に、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系の阻害剤は、血圧を低下させるだけで、尿中アルブミン排せつの予想以上の削減を実現している(Van de WaI and Gansevoort, Expert Opinion Pharmacotherapies 2006; 7:2505-2520)。
【0012】
本明細書に記載の発明は、潜在する高血圧症との関連におけるアルブミン尿症の進行に対する、レニン阻害剤SPP100/アリスキレンと選択的エンドセリン受容体A拮抗薬SPP301/アボセンタンとからなる2剤組み合わせの相乗的な効能を示す。この薬剤組み合わせの効能は、高血圧性の腎臓の合併症をもつ前臨床動物モデルにおいて確立されている。このモデルは、悪性高血圧症を発症し、尿中のアルブミンの排せつが顕著に増し、最終的には腎不全に至った。したがって、このモデルは、臨床的に観察された、腎臓の合併症を伴う高血圧症の症状を忠実に反映している。
【0013】
レニン阻害剤SPP100/アリスキレンと選択的エンドセリン受容体拮抗薬SPP301/アボセンタンとを、腎臓の合併症を伴う高血圧症を特徴とする病状に組み合わせ投与することは、次のような相乗的利点を提供するであろう:
【0014】
(i)タンパク質、特にアルブミンの尿への減少に伴って観察される、糸球体圧力上昇、炎症反応、糸球体基底膜の変性又は有足細胞及びメサンギウム細胞の機能変化によって引き起こされる全身性高血圧及びその結果としての腎臓病理から腎臓を保護する効率の増大、(ii)2つの相補的な薬物クラスを、相当する治療効果を達成するために、それぞれより低量で投与できることによる、安全性プロフィールの向上。特に、より優れた腎臓保護効果を達成するために、高用量のSPP100/アリスキレンの適用は必要ではなく、同様に、血圧を大幅に低下させるために、高用量のSPP301/アボセンタンも必要でない。
【0015】
本発明の記載全体にわたって使用される用語「組み合わせ」は、別個の又は固定された組み合わせによる、同時又は任意の順序による連続投与を含むことを意味する。
【0016】
塩形成基を有する化合物の医薬的に許容される塩とは、特に酸付加塩及び塩基との塩である。
【0017】
本発明の記載全体にわたって使用される用語「医薬的に許容される塩」は、例えば、式(I)又は(II)の化合物から、酸基、例えばカルボキシル基又はスルホニル基とで形成される塩、及び、例えば、適切な塩基とのそれらの塩、例えば、元素周期表のIa、Ib、IIa及びIIIb族の金属からの非毒性金属塩、例えば、アルカリ金属塩、特にリチウム、ナトリウム、又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、マグネシウム又はカルシウム塩、及び亜鉛塩及びアンモニウム塩であり、有機アミン類と形成される塩、例えば、場合により、ヒドロキシ置換モノ−、ジ−もしくはトリアルキルアミン、特にモノ−、ジ−もしくはトリ(低級アルキル)アミン、又は第4級アンモニウム塩基、例えば、メチル−、エチル−、ジエチル−もしくはトリエチルアミン、モノ−、ビス−もしくはトリス(2−ヒドロキシ(低級アルキル))アミン、例えば、エタノール−、ジエタノール−又はトリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシ−メチル)メチルアミン又は2−ヒドロキシ−t−ブチルアミン、N、N−ジ(低級アルキル)−N−(ヒドロキシ(低級アルキル))アミン、例えば、N、N−ジ−N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、又はN−メチル−D−グルカミン、あるいは第4級水酸化アンモニウム、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等で形成される塩を含む。本発明の記載全体にわたって使用される用語「医薬的に許容される塩」も、例えば、適切な無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、1つ又は両プロトンが置き換えられている硫酸、1つ以上のプロトン置き換えられているリン酸、例えば、オルトリン酸又はメタリン酸、又は1つ以上のプロトン置き換えられているピロリン酸と共に、又は有機カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸又はN−置換スルファミン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、エンボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、そして、アミノ酸、例えば、上記のアルファ−アミノ酸、そして、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1、2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2−もしくは3−ホスホグリセリン酸塩、グルコース6−リン酸塩、N−シクロヘキシルスルファミン酸(シクラミン酸塩の形成を伴う)と共に、あるいはアスコルビン酸のような他の酸性の有機化合物と共に酸付加塩を形成する、塩基、例えばアミノ基を有する式(I)又は(II)の化合物を意味する。
【0018】
式(I)の化合物の医薬的に許容される塩は、特に、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような、無機又は有機の酸を有する塩を包含する。
【0019】
本発明の記載全体にわたって使用される用語「相乗的」は、本発明の方法及び組成物によって達成される効果が、本発明の活性成分を別個に含む方法及び組成物から得られる効果の合計よりも大きいことを意味する。
【0020】
本発明の記載全体にわたって使用される用語「処置」は、「予防」及び「進行の遅延」をも含むことを意味する。特に、用語「処置」は、死亡率の低下を含む。
【0021】
本発明は、医薬、特に高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置用医薬の製造のための(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせの使用に関する。
【0022】
本発明は、また、ヒト対象又は哺乳動物用薬剤、特に高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置用薬剤としての、(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせに関する。
【0023】
さらに、本発明は、高血圧症、腎臓病又は心臓病処置の有効量の(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせを、好ましくは、ヒト対象又は哺乳動物に投与することを含む、高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置方法に関する。該方法は、また、(i)及び(ii)を、一定の期間投与すること、その後(i)及び(ii)のいずれか一方もしくは両方の投与を削減又は停止すること、並びに最終的に、(i)及び(ii)の投与を再開することも含む。
【0024】
医薬組成物は、例えば、錠剤、コート錠剤、糖衣錠、ハード又はソフトゼラチンカプセル、溶液、エマルション又は懸濁液の形態で経口投与されてよい。投与は、また例えば、坐薬を用いて直腸内に;軟膏、クリーム、ジェルもしくは溶液を用いて局所的又は経皮的に;あるいは、例えば注射剤を用いて、非経口的に、例えば、静脈内投与、筋肉注射、皮下投与、髄腔内投与又は経皮投与で実施することができる。さらに、投与は、舌下に、又は眼科用製剤として、あるいは噴霧器の形態で、例えばスプレーとして実施することができる。
【0025】
錠剤、コート錠剤、糖衣錠、ハードゼラチンカプセルの調製のために、本発明の化合物は、医薬的に不活性な無機又は有機の賦形剤と混合されてよい。錠剤、糖衣錠又はハードゼラチンカプセル用の適切な賦形剤の例には、乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク又はステアリン酸又はそれらの塩が含まれる。
【0026】
ソフトゼラチンカプセルと一緒に使用するのに適切な賦形剤には、例えば、植物油、ロウ、油脂、半固体又は液体のポリオール等が含まれるであろう。
【0027】
溶液及びシロップの調製のために使用してよい賦形剤には、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖及びブドウ糖が含まれる。
【0028】
注射剤のために使用してよい賦形剤には、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、及び植物油が含まれる。
【0029】
坐薬用、及び局所もしくは経皮適用に使用してよい賦形剤には、例えば、天然油又は硬化油、ロウ、油脂及び半固体又は液体のポリオールが含まれる。
【0030】
本医薬組成物は、また、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、着臭剤、浸透圧を変える塩、緩衝剤、コーティング剤又は酸化防止剤も含有してよい。前述のように、治療上有益な他の薬剤も含んでよい。
【0031】
本製剤の製造において使用される全てのアジュバントが、一般に安全であると認識されていることが、前提条件である。
【0032】
使用の好ましい形態は、静脈内、筋肉内又は経口投与であり、最も好ましいのは、経口投与である。式(I)及び(II)の化合物が有効量で投与される投薬量は、特定の活性成分の性質、患者の年齢及び必要条件、並びに適用方式に依存する。一般に、1日当たり約0.01−10mg/体重kgの投薬量が考えられる。
【0033】
上記化合物に関して、市販の化合物又は保健衛生局の承認を得た化合物が好ましい。
【0034】
本発明の更なる目的は、a)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩の第1単位剤形の量;b)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩の第2単位剤形の量;及びc)該第1及び第2単位剤形を含有する容器を含む、高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置のためのキットである。
【0035】
その変更例において、本発明は、同様に、本発明にしたがって組み合わされる成分が、単独で投与されることができ、又はそれらの成分の明確な量を有する異なる一定の組み合わせ、即ち、同時又は異なる時点での投与が可能であるという意味においての「キットオブパーツ」に関する。
【実施例】
【0036】
本発明の有益な効果は、例えば、以下のような前臨床試験モデルにおいて示される。
【0037】
方法
腎臓の合併症を伴う自然発生的悪性高血圧症の動物モデルは、ヒトレニン遺伝子及びヒトアンギオテンシノーゲン遺伝子の両方を過剰発現しているダブルトランスジェニックラットに代表される。このダブルトランスジェニックラット系は、1つは、内在性プロモーターを有するヒトアンギオテンシノーゲン用、及び1つは、内在性プロモーターを有するヒトレニン用である、2つの形質転換系を異種交配することにより産生する。いずれの単独形質転換系も高血圧性ではない。ダブルトランスジェニックラットは、雌雄両者ともに、重度の高血圧症(平均収縮期圧、約200mmHg)を発症し、処置しない場合、平均55日後に死亡(Luft et al., Hypertension 1999; 33:212-218)した。ヒトレニンをラット体内で研究できることが、このモデル独特の特徴であり、臨床的高レニン性高血圧への外挿を可能にする。
【0038】
レニン阻害剤SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と、選択的エンドセリン受容体拮抗薬SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩とを一緒に含む、本発明による組み合わせは、様々な投与経路で投与することができるが、本実施例では、強制経口投与により試験した。各薬剤を、広範囲の投薬量にわたって試験し、最大効果を引き出すための、組み合わせにおける各剤の最適濃度を決定した。組み合わせ処置グループの効果を判定した各調査グループが、最も有効であり、対比として個々の成分としての効果を評価した。
【0039】
短期処置においても薬効は観察されるであろうが、以下に示すような慢性期の設定(実験を3〜7週観察期間にわたって実施)における反応を観察することが好ましい。長期間の研究とは、代償性反応の完全な進行を許す十分な期間であり、したがって、観察された効果は、持続的又は継続的効果を示す試験系の、おそらくは実際の反応を写し出すことになるであろう。
【0040】
統計分析
所定の日における24時間の尿タンパク量の最大変化を測定することにより、組み合わせ療法を、各々の単剤療法のそれと比較した。全ての値は、グループ平均±標準誤差(SEM)として示した。統計的有意差は、p<0.05であるときに得られた。処置グループ各々のアルブミン尿値は、一方向の分散分析(ANOVA)と、その後の適切な事後解析、例えばBonferoni試験を実施することにより、統計的に比較することができた。
【0041】
研究設計
4週齢のダブルトランスジェニックラットを、毎日、SPP100/アリスキレン(投与量10mg/kg)、SPP301/アボセンタン(投与量10mg/kg及び30mg/kg)、及びSPP100/アリスキレンとSPP301/アボセンタンとの組み合わせ(単剤と同じ投与量)の強制経口投与により処置した。薬物処置の3、5及び7週間後、24時間の尿サンプルを代謝ケージを使用して回収した。尿アルブミン量を、市販のキット(Celltrend GmbH, Luckenwalde, Germany)を使用してELISAで測定した。
【0042】
結果
レニン阻害剤SPP100/アリスキレンの投与は、処置7週間後に、平均尿中アルブミン排せつ量が最大22.3mgという結果を示した。これに対し、SPP301/アボセンタンの投与(1日当たり10又は30mg/kgの投与量)では、尿アルブミン量39mgが観察された。SPP100/アリスキレンとSPP301/アボセンタンとの組み合わせでは、いずれの単剤に比べても、はるかに優れた抗アルブミン効果があった。組み合わせ薬は、投与7週間後に、尿アルブミン量が、3.2mg(SPP301/アボセンタン投与量10mg/kgの場合)及び2.8mg(SPP301/アボセンタン投与量30mg/kgの場合)であった。組み合わせ療法は、統計的に、一方向のANOVAおよびBonferoni試験を使用したp<0.5の確率水準で、各々の単剤療法よりも優れていた。このため、薬の個別投与に比べ、腎臓の合併症を伴う悪性高血圧症の動物モデルにおける、アルブミン尿症の進行に対する相乗的効果が、SPP100/アリスキレン及びSPP301/アボセンタンの組み合わせ投与によって示された。
【0043】
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩、(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩及び(iii)医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項2】
(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩及び(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩の、高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置用医薬の製造のための使用。
【請求項3】
高血圧症、腎臓病又は心臓病処置の有効量の(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせを、好ましくは、ヒト対象又は哺乳動物に投与することを含む、高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置方法。
【請求項4】
(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との、ヒト対象又は哺乳動物用の医薬としての組み合わせ。
【請求項5】
高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置のための、(i)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩と(ii)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩との組み合わせ。
【請求項6】
a)SPP100/アリスキレン又はそれらの医薬的に許容される塩の第1単位剤形の量;
b)SPP301/アボセンタン又はそれらの医薬的に許容される塩の第2単位剤形の量;及び
c)該第1及び第2単位剤形を含有する容器
を含む、高血圧症、腎臓病又は心臓病の処置のためのキット。
【請求項7】
SPP100/アリスキレンが、化学式:
【化3】


又はそれらの医薬的に許容される塩、特にそのヘミフマル酸塩に相当する、請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物、使用、方法又はキット。
【請求項8】
SPP301/アボセンタンが、5−メチル−ピリジン−2−スルホン酸[6−メトキシ−5−(2−メトキシ−フェノキシ)−2−ピリジン−4−イル]−ピリミジン−4−イル−アミド又はそれらの医薬的に許容される塩である、請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物、使用、方法又はキット。

【公表番号】特表2010−513414(P2010−513414A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542084(P2009−542084)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064404
【国際公開番号】WO2008/077916
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】