説明

アルコキシル化ポリアルキレンイミン類を有する洗浄組成物

内側のポリエチレンオキシドブロックと外側のポリプロピレンブロックとを有する、両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン類を含む洗浄組成物類。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本特許出願は、2005年4月15日に出願された米国仮出願番号60/671,493の利益を主張する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、内側のポリエチレンオキシドブロックと外側のポリプロピレンオキシドブロックとを有する両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン類を含有する洗濯組成物類及び洗浄組成物類を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
次の一般式Iの両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン:
【化1】

(前記式中、変数記号はそれぞれ次のように定義される:
Rは、同一の又は異なる、直鎖又は分枝C〜C−アルキレンラジカルであり;Bは分枝であり;
Eは、次の式のアルキレンオキシ単位である
【化2】

は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び/又は1,2−イソブチレンであり;Rは、エチレンであり;Rは、1,2−プロピレンであり;Rは、同一の、又は異なるラジカル:水素;C〜C−アルキルであり;X、Y、Zはそれぞれ、2〜150であって、x+y+zの和は、アルコキシル化前のポリアルキレンイミンの平均分子量M300〜10000に相当するアルキレンイミン単位の数を表し;mは、0〜2までの有理数であり;nは、6〜18までの有理数であり;pは、3〜12までの有理数であり、0.8≦n/p≦1.0(x+y+z)1/2である;及びこれらの四級化生成物を含む、洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明は、次の一般式Iの新規の両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン類:
【化3】

前記式中、変数記号はそれぞれ次のように定義される:
Rは、同一の又は異なる、直鎖又は分枝C〜C−アルキレンラジカルであり;
Bは、分枝であり;
Eは、次の式のアルキレンオキシ単位である
【化4】

は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び/又は1,2−イソブチレンであり;
は、エチレンであり;
は、1,2−プロピレンであり;
は、同一の又は異なるラジカル:水素;C〜C−アルキル(-alkcyl)であり;
X、Y、Zはそれぞれ、2〜150であって、x+y+zの和は、アルコキシル化前のポリアルキレンイミンの平均分子量M300〜10000に相当するアルキレンイミン単位の数を表し;
mは、0〜2までの有理数であり;
nは、6〜18までの有理数であり;
pは、3〜12までの有理数であり、0.8≦n/p≦1.0(x+y+z)1/2である;
及びこれらの四級化生成物に関する。
【0005】
本発明は、更に、洗濯洗剤類及び洗浄組成物類への汚れ放出促進添加物としてのこれらアルコキシル化ポリアルキレンイミン類の使用、並びに前記アルコキシル化ポリアルキレンイミン類を含む洗濯洗剤類及び洗浄組成物類にも関する。
【0006】
界面活性剤類に加えて、ポリマー類も、洗濯洗剤類及び洗浄組成物類用の汚れ放出促進添加物として使用される。既知のポリマー類は、例えば粘土鉱物類、又はすすなどの汚れ色素類の分散剤類として、また既に分離した汚れが再付着するのを防止する添加物として非常に適している。だが、かかる分散剤類は、特に低温では油汚れを表面から除去するのにほぼ無力である。
【0007】
PCT国際公開特許WO99/67352号には、過酸化漂白剤類と相溶する疎水性汚れ用の分散剤類が記載されており、これらは、洗浄した布地に洗浄過程で分離した油汚れが再付着するのを防止するとされており、そして内側のポリプロピレンオキシドブロックと外側の明らかにより大きなポリエチレンオキシドブロックとを有する、アルコキシル化ポリエチレンイミン類をベースとする。
【0008】
米国特許第5,565,145号には、非極性粒子状汚れ用の分散剤類として、窒素原子に直接結合した活性なNH基につきプロピレンオキシド単位を4個まで含有していてよい非荷電のアルコキシル化ポリエチレンイミン類が紹介されている。また一方、専らエトキシル化されるか又は多くても初期にプロポキシル化される、すなわち、NH基につき1モル以下のプロピレンオキシド、ポリエチレンイミン類が好ましく、そして例として示されている。
【0009】
これらアルコキシル化ポリエチレンイミン類はまた、親水性の汚れ色素類には良好な分散剤類であるが、油シミの場合には満足のいく洗浄結果を示さない。
【0010】
内側のポリエチレンオキシドブロックと外側のポリプロピレンオキシドブロックとを有するポリエチレンイミン類も、洗濯洗剤類又は洗浄組成物類において使用されている。
【0011】
米国特許第4,076,497号には、初めにエトキシル化し、そして次にプロポキシル化したポリエチレンイミン類であって、活性なNH基1モルにつき少なくとも15モルのプロピレンオキシドを包含する合計30モルのアルキレンオキシドと反応させたポリエチレンイミン類の、分散染料によるポリエステル及びセルロース線維の染色用の助剤としての使用が開示されている。しかしながら、本発明のポリアルキレンイミン類のアルキレンオキシ鎖は多くても12個のプロピレンオキシ単位を含有する。
【0012】
ドイツ特許第2,227,546号には、前記とは逆のアルキレンオキシド配列を有するポリエチレンイミン類に加えて、初めにエトキシル化し、そして次にプロポキシル化したポリエチレンイミン類も、原油エマルション用のブレーカーとして記載されている。しかしながら、本発明のポリアルキレンイミン類と比較すると、これらポリエチレンイミン類は、アルコキシル化可能なNH基1モルにつき少なくとも105モルのアルキレンオキシドという高すぎる合計アルコキシル化度と、プロピレンオキシド対エチレンオキシドが1.9〜4:1の高すぎるモル比(又は逆にエチレンオキシド対プロピレンオキシドが0.53〜0.25までの小さすぎるモル比)を有する。
【0013】
特開2003−020585には、脱インキプロセスにおけるアルコキシル化ポリエチレンイミン類の使用が記載されている。好ましくは専らエトキシル化されるか、あるいは最初にエトキシル化された後でエチレンオキシド/プロピレンオキシド混合物で無作為にアルコキシル化されるポリエチレンイミン類に加えて、平均分子量M600のポリエチレンイミンをベースとする生成物であって、アルコキシル化可能なNH基1モルにつき、最初に100モルのエチレンオキシドと、そして次に100モルのプロピレンオキシドと反応させ、それ故に前記発明のポリエチレンイミン類の場合よりも非常に大量のアルキレンオキシドと同様に反応させた生成物も開示されている。
【0014】
最後に、欧州特許第359034号には、ポリアルキレンオキシドブロック類を含む少なくとも2個のポリエチレンイミン類をベースとする非水性顔料分散体類を調製及び安定化するための助剤類が開示されている。高級アルキレンオキシドの外側ブロックを有するポリエチレンイミン類を使用する場合、それらは、常に最初にエトキシル化し、そして次にブトキシル化した化合物類であって、それらのうち幾つかは、小さな中間体ポリプロピレンオキシドブロックを含有する。内側のポリエチレンオキシドブロックと外側のポリプロピレンオキシドブロックとを有するポリエチレンイミン類は、必ず付加的に、活性なNH基1モルにつき少なくとも1モルのα−オレフム(a-olefm)オキシド(α−C12/C14−、C16/C18−、又はC20〜C28−オレフィンオキシド)と反応させる。
【0015】
本発明の目的は、油汚れを布地や硬質表面類から除去するための洗濯洗剤類及び洗浄組成物類への添加剤として好適なポリマー類を提供することである。特に、前記ポリマー類はまた、低い洗浄温度でも良好な油汚れ分離作用を示さねばならない。
【0016】
従って、次の一般式Iの両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン類:
【化5】

前記式中、変数記号はそれぞれ次のように定義される:
Rは、同一の、又は異なる直鎖、又は分枝C〜C−アルキレンラジカルであり;
Bは分枝であり;
Eは、次の式のアルキレンオキシ単位である
【化6】

は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び/又は1,2−イソブチレンであり;
は、エチレンであり;
は、1,2−プロピレンであり;
は、同一の又は異なるラジカル:水素;C〜C−アルキルであり;
X、Y、Zはそれぞれ、2〜150であって、x+y+zの和は、アルコキシル化前のポリアルキレンイミンの平均分子量M300〜10000に相当するアルキレンイミン単位の数を表し;
mは、0〜2までの有理数であり;
nは、6〜18までの有理数であり;
pは、3〜12までの有理数であって、0.8≦n/p≦1.0(x+y+z)1/2である;
及びこれらの四級化生成物が見出された。
【0017】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類の重要な特性は、その両親媒性であり、すなわちそれらは、疎水性構造要素と親水性構造要素とのバランスの取れた比を有し、それ故に、第一に、油汚れを吸着し、並びにそれらを界面活性剤、洗濯洗剤類及び洗浄組成物類の残りの洗浄構成成分と合わせて除去するのに十分に疎水性であるが、第二に、分離した油汚れを洗濯及び洗浄液内に閉じ込めて、表面に再付着するのを防止するのに十分に親水性でもある。
【0018】
この効果は、内側のポリエチレンオキシドブロックと外側のポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミン類によって達成され、エトキシル化度及びプロポキシル化度は、特定の限界値よりも高くも低くもなく、そしてそれらの比は少なくとも0.8、及び経験的に見出された関係式n/p≦1.0(x+y+z)1/2による上限が、使用されるポリアルキレンイミンの分子量で決定される範囲内である。
【0019】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類は、アルキレンラジカルRで結合され、かつランダムに配置された次の部分の形態である第一級、第二級、及び第三級アミンの窒素原子を含む基本骨格を有する:
−基本骨格の主鎖及び側鎖の末端にあり、かつその水素原子がその後、アルキレンオキシ単位で置換される、第一級アミノ部分:
【化7】

−その水素原子が、その後、アルキレンオキシ単位で置換される、第二級アミノ部分:
【化8】

−主鎖及び側鎖を分枝する第三級アミノ部分:
【化9】

【0020】
アルキル化前の、ポリアルキレンイミンの平均分子量Mは300〜10000である。第一級、第二級及び第三級アミノ部分の繰り返し単位の和x+y+zは、前記分子量に相当するアルキレンイミン単位の総数を表す。
【0021】
ポリアルキレンイミンの分子量Mは、好ましくは500〜7500、より好ましくは1000〜6000である。
【0022】
アミンの窒素原子に結合するRラジカルは、同一の、又は異なる直鎖又は分枝C〜C−アルキレンラジカルであってよい。好ましい分枝アルキレンは、1,2−プロピレンである。特に好ましいアルキレンラジカルRはエチレンである。
【0023】
ポリアルキレンイミン基本骨格の形成中に環化が起こり得るため、環状アミノ部分が基本骨格内に少しばかり存在することも可能であり、そしてそれらは当然、非環状第一級及び第二級アミノ部分と同じ方法でアルコキシル化される。
【0024】
ポリアルキレンイミン基本骨格の第一級及び第二級アミノ基の水素原子は、次の式のアルキレンオキシ単位で置換される
【化10】

【0025】
この式において、変数記号はそれぞれ次のように定義される:
は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン又は1,2−イソブチレン、好ましくは1,2−プロピレンであり;
は、エチレンであり;
は、1,2−プロピレンであり;
は、水素又はC〜C−アルキル、好ましくは水素であり;
mは、0〜2までの有理数であり;mは、0でないときは、好ましくは約1であり;
nは、6〜18までの有理数であり;
pは、3〜12までの有理数であり、0.8≦n/p≦1.0(x+y+z)1/2である。
【0026】
n及びpは、好ましくは次のように定義される:
nは、7〜15までの有理数であり;
pは、4〜10までの有理数であって、0.9≦n/p≦0.8(x+y+z)1/2である。
【0027】
n及びpはそれぞれ、より好ましくは次のように定義される:
nは、8〜12までの有理数であり;
pは、5〜8までの有理数であり、1.0≦n/p≦0.6(x+y+z)1/2である。
【0028】
これらアルキレンオキシ単位の本質的な部分は、エチレンオキシ単位−(R−O)−及びプロピレンオキシ単位−(R−O)−から形成される。
【0029】
アルキレンオキシ単位は、更に、プロピレンオキシ又はブチレンオキシ単位−(R−O)−を少ない割合で有していてもよく、すなわち、ポリアルキレンイミンは、最初に、存在するNH部分1モルにつき2モルまで、特に0.5〜1.5モルまで、とりわけ0.8〜1.2モルまでの少量のプロピレンオキシド又はブチレンオキシドと反応させてもよい、すなわち、初期アルコキシル化。
【0030】
ポリアルキレンイミンのこの変性は、必要ならば、アルコキシル化中の反応混合物の粘度を低下させることができる。しかしながら、前記変性は、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの性能特性には影響を及ぼさず、従って、好ましい基準を構成するものではない。
【0031】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類は、また、四級化されてもよい。好適な四級化度は、50%まで、特に5〜40%までである。四級化は、C〜C−アルキル基の導入によって好ましく達成され、また対応するアルキルハライド類及びジアルキルスルフェート類との反応によって慣例通り行われてもよい。
【0032】
四級化は、アルコキシル化ポリアルキレンイミン類を、利用しようとする洗濯洗剤及び洗浄組成物の特定の組成に調節するため、及び処方のより良好な相溶性及び/又は相安定性を達成するために有利である場合がある。アルコキシル化ポリアルキレンイミン類は好ましくは四級化されない。
【0033】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類は、既知の方法で調製されてよい。
【0034】
1つの好ましい手順は、第1段階において、ポリアルキレンイミンの初期アルコキシル化のみを最初に行うことから成る。
【0035】
この第一段階では、ポリアルキレンイミンは、使用されるエチレンオキシドの総量の一部とのみ反応し、これは、NH部分1モルにつき約1モルのエチレンオキシドに相当し、又はポリアルキレンイミンが最初に、NH部分1モルにつき2モルまでのプロピレンオキシド又はブチレンオキシドで変性されるときは、最初にここで1モルまでのこのアルキレンオキシドとのみ反応する。
【0036】
この反応は、一般に、水溶液中に触媒が存在しないときに、70〜200℃まで、好ましくは80〜160℃までにおいて、1MPa(10bar)まで、特に0.8MPa(8bar)までの圧力下で行われる。
【0037】
第二段階では、更なるアルコキシル化は、次いで、i)残りの量のエチレンオキシドと、又は第一段階で高級アルキレンオキシドによって変性する場合は、全エチレンオキシドと、並びにii)プロピレンオキシドとの後続の反応により達成される。
【0038】
更なるアルコキシル化は、典型的には、塩基性触媒の存在下で行われる。好適な触媒類の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムなどのアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド類、特にナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及びカリウムt−ブトキシドなどのナトリウム及びカリウムC〜C−アルコキシド、水素化ナトリウム及び水素化カルシウムなどのアルカリ金属水素化物及びアルカリ土類金属水素化物、並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩である。アルカリ金属水酸化物類及びアルカリ金属アルコキシド類が好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが特に好ましい。前記塩基に関する典型的な使用量は、ポリアルキレンイミン及びアルキレンオキシドの総量に対して0.05〜10重量%、特に0.5〜2重量%である。
【0039】
更なるアルコキシル化は、本質的に(変異型a)又は有機溶媒中で(変異型b)行われてよい。以下に詳述される前記プロセス条件は、エトキシル化及びそれに続くプロポキシル化の両方に使用されてもよい。
【0040】
変異型a)では、第一段階で得られた初期アルコキシル化ポリアルキレンイミンの水溶液を、触媒を添加した後で、先ず脱水する。これは、80〜150℃まで加熱して、0.001MPa(0.01bar)〜0.05MPa(0.5bar)までの減圧下で水を留去することにより簡単な方法で行うことができる。アルキレンオキシドとの後続の反応は、典型的に、70〜200℃、好ましくは100〜180℃において1MPa(10bar)まで、特に0.8MPa(8bar)までの圧力で達成され、いずれの場合にも、約100〜160℃まで及び一定圧力において約0.5〜4時間までの連続した攪拌時間が次に続く。
【0041】
変異型b)に関する好適な反応媒体は、特に非極性及び極性の非プロトン性有機溶媒である。特に好適な非極性の非プロトン性溶媒類の例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、及びキシレンなどの脂肪族及び芳香族炭化水素類が挙げられる。特に好適な極性の非プロトン性溶媒類の例は、エーテル類、特にテトラヒドロフラン及びジオキサンなどの環状エーテル類、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドなどのN,N−ジアルキルアミド類、並びにN−メチルピロリドンなどのN−アルキルラクタム類である。当然、これら非プロトン性溶媒類の混合物を使用することも可能である。好ましい溶媒類は、キシレン及びトルエンである。
【0042】
変異型b)でも、第一段階で得られた溶液は、触媒及び溶媒を添加した後、先ずは脱水される。これは、120〜180℃の温度で水を分離することにより有利に行われ、好ましくは穏やかな窒素流を供給する。アルキレンオキシドとの後続反応は、変異型a)と同様に達成されてよい。
【0043】
変異型a)では、アルコキシル化ポリアルキレンイミンが本質的に直接得られ、また所望により、水溶液に転化されてよい。変異型b)では、有機溶媒は典型的に除去されて水に置き換えられる。生成物もまた、当然、本質的に単離されてもよい。
【0044】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類は、蒸留水中1重量%溶液の場合、一般に≦70℃、好ましくは≦65℃の曇点を有する。曇点は、より好ましくは25〜55℃までの範囲である。
【0045】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類は、洗濯洗剤類及び洗浄組成物類用の汚れ放出促進添加物として非常に適している。これらは、特に油汚れの場合に高い溶解力を発現する。これらは、低い洗浄温度でも汚れ放出力を示すことが特に有利である。
【0046】
同様の本発明の洗濯洗剤類及び洗浄組成物類は、一般に、特に組成物全体を基準として0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、そしてより好ましくは0.25〜2.5重量%の本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類を含む。
【0047】
加えて、洗濯洗剤類及び洗浄組成物類は、一般に、界面活性剤類を含み、適切な場合は、更に洗浄物質としてのポリマー類、ビルダー類、及び更に慣習的な成分、例えば補助ビルダー類、錯化剤類、漂白剤類、標準化剤類、灰色化抑制剤類、移染防止剤類、酵素類、及び香料類も含む。
【0048】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類は、C10〜C15アルキルベンゼンスルホネート類(LAS)、及び非イオン性、カチオン性、アニオン性、又はこれらの混合物から選択される1つ以上の補助界面活性剤類から構成される界面活性剤系を含む洗濯洗剤類又は洗浄組成物類に利用されてよい。補助界面活性剤の選択は、所望の利益に左右され得る。一実施形態において、補助界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましくはC12‐C18アルキルエトキシラート類として選択される。他の実施形態において、補助界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシスルフェート(AES)(式中、xは1〜30である)として選択される。別の実施形態において、補助界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネート類(LAS)を含む場合、LASは、組成物の約9重量%〜約25重量%、又は約13重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約23重量%までの範囲の濃度で使用される。
【0049】
界面活性剤系は、組成物の0重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の、非イオン性補助界面活性剤、カチオン性補助界面活性剤、アニオン性補助界面活性剤、及びこれらのあらゆる混合物から選択される補助界面活性剤を含んでいてよい。
【0050】
非イオン性補助界面活性剤類の非限定例としては、シェル(Shell)からのネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤類等のC12〜C18アルキルエトキシラート類;C〜C12アルキルフェノールアルコキシラート類(式中、アルコキシラート単位は、エチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物である);バスフ(BASF)からのプルロニック(PLURONIC)(登録商標)等のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシラート類とのC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体類;米国特許第6,150,322号に記載されているようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、米国特許第6,020,303号及び米国特許第6,093,856号に記載されているようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシラート類、BAE(式中、xは1〜30である);米国特許第4,565,647号(レナド(Llenado)1986年1月26日発行)に記載されているようなアルキル多糖類;具体的には米国特許第4,483,780号及び米国特許第4,483,779号に記載されているようなアルキルポリグリコシド類;米国特許第5,332,528号に記載されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類;並びに米国特許第6,482,994号及びPCT国際公開特許WO01/42408に記載されているようなエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤類が挙げられる。
【0051】
半極性非イオン性補助界面活性剤類の非限定例としては、炭素原子数約10〜約18の1つのアルキル部分と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群より選択される2つの部分とを含有する水溶性アミンオキシド類;炭素原子数約10〜約18の1つのアルキル部分と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群より選択される2つの部分とを含有する水溶性ホスフィンオキシド類;並びに炭素原子数約10〜約18の1つのアルキル部分と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群より選択される1つの部分とを含有する水溶性スルホキシド類が挙げられる。PCT国際公開特許WO01/32816、米国特許第4,681,704号及び米国特許第4,133,779号を参照のこと。
【0052】
カチオン性補助界面活性剤類の非限定例には、26個までの炭素原子を有することができる四級アンモニウム界面活性剤類が包含され、米国特許第6,136,769号に記載されているようなアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤類;米国特許第6,004,922号に記載されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;PCT国際公開特許WO98/35002、PCT国際公開特許WO98/35003、PCT国際公開特許WO98/35004、PCT国際公開特許WO98/35005、及びPCT国際公開特許WO98/35006に記載されているようなポリアミンカチオン性界面活性剤類;米国特許第4,228,042号、米国特許第4,239,660号、米国特許第4,260,529号、及び米国特許第6,022,844号に記載されているようなカチオン性エステル界面活性剤類;並びに米国特許第6,221,825号及びPCT国際公開特許WO 00/47708に記載されているようなアミノ界面活性剤類、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0053】
本明細書で有用なアニオン性補助界面活性剤類の非限定例としては、C10〜C20第一級の分枝鎖及びランダムアルキルスルフェート類(AS);C10〜C18第二級(2,3)アルキルスルフェート類;C10〜C18アルキルアルコキシスルフェート類(AES)(式中、xは1〜30である);1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート類;米国特許第6,020,303号及び米国特許第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝状アルキルスルフェート類;米国特許第6,008,181号及び米国特許第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシスルフェート類;PCT国際公開特許WO99/05243、PCT国際公開特許WO99/05242及びPCT国際公開特許WO99/05244に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフム(alpha-olefm)スルホネート(AOS)が挙げられる。
【0054】
本発明は、本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類と、C〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤及び補助界面活性剤を含む界面活性剤系とを含む組成物に関する。前記組成物は、任意の形態、すなわち液体;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、小袋、棒、ジェル等の固体;エマルション;二区画容器類に入った種類;飛沫又は泡状洗剤;予め湿らせた拭取り布類(すなわち、米国特許第6,121,165号(マッケイ(Mackey)ら)に記載されているもののような、不織布材と組み合わせた洗浄組成物);消費者により水で活性化される乾燥拭取り布類(すなわち、米国特許第5,980,931号(ファウラー(Fowler)ら)に記載されているもののような、不織布材と組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質な又は多相の消費者洗浄製品の形態であり得る。
【0055】
一実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体の洗濯洗剤組成物である。別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸しているものである。本明細書で使用するとき、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。洗浄組成物はまた、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラスなど、様々な表面を洗浄するための、カーケア組成物に利用されてもよい。又、この洗浄組成物は、シャンプー組成物、ボディソープ、液体又は固体石鹸、及び界面活性剤が自由な硬度と遭遇する他の洗浄組成物のようなパーソナルケア及びペットケア組成物、並びに石油掘削組成物類のように、硬度耐性のある界面活性剤系を必要とするすべての組成物に使用されるように設計することができる。
【0056】
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い組成物類、固体自動食器洗い組成物類、液体自動食器洗い組成物類、及びタブ(tab)/一回用量(unit does)型の自動食器洗い組成物などの食器洗浄組成物である。
【0057】
実に典型的には、本明細書中の洗浄組成物類、例えば、洗濯洗剤類、洗濯洗剤添加物類、硬質表面クリーナー類、合成及び石鹸ベースの洗濯バー類、柔軟仕上げ剤類及び布地処理液類、あらゆる種類の固体類及び処理物品類は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤類のようにある種の単純に配合された製品類は、例えば、酸素漂白剤と、本明細書中に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。適した洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、PCT国際公開特許WO99/05242に見出すことができる。
【0058】
通常の洗浄補助剤類としては、ビルダー類、酵素類、上述されていないポリマー類、漂白剤類、漂白活性化剤類、触媒物質類等が挙げられ、本明細書に既に定義された物質を除く。本明細書における他の洗浄補助剤類としては、起泡促進剤類、抑泡剤類(消泡剤類)など、様々な活性成分類若しくは特殊な物質類、例えば、前述したもの以外の分散性ポリマー類(例えば、BASF社(BASF Corp.)若しくはローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)製)、カラースペックル類(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、変色防止剤及び/又はさび止め剤、染料類、フィラー類、殺菌剤類、アルカリ源類、ヒドロトロープ類、酸化防止剤類、酵素安定化剤類、プロ香料類、香料類、可溶化剤類、キャリア類、加工助剤類、顔料類が挙げられ、並びに液体製剤の場合は、溶媒類、キレート剤類、移染防止剤類、分散剤類、増白剤類、抑泡剤類、染料類、構造弾性化剤類(structure elasticizing agents)、柔軟仕上げ剤類、磨耗防止剤類、ヒドロトロープ類、加工助剤類、並びに他の布地ケア剤類、表面及び皮膚ケア剤を挙げることができる。このような他の洗浄補助剤類の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812B1号、及び米国特許第6,326,348B1号に見出される。
【0059】
使用方法
本発明は、対象とする表面を洗浄する方法を包含する。本明細書で使用するとき、「対象とする表面」には、布地、食器、ガラス、及びその他の調理用表面類、硬質表面類、毛髪又は皮膚等のような表面が包含されてよい。本明細書で使用するとき、「硬質表面」としては、広葉樹、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラス等の典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。かかる方法には、変性ポリオール化合物を含む組成物をストレートの(neat)形態で又は洗浄溶液で希釈して、対象とする表面の少なくとも一部と接触させた後、任意に、対象とする表面を濯ぐ工程が包含される。好ましくは、対象とする表面は、前述の任意の濯ぎ工程の前に洗浄工程に付される。本発明の目的上、洗浄には、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌が包含されるが、これらに限定されない。
【0060】
当業者には自明であるように、本発明の洗浄組成物類は、理想的には、ホームケア(硬質表面洗浄組成物類)、パーソナルケア、及び/又は洗濯用途で使用するのに適している。
【0061】
組成物溶液のpHは、pH約5〜約11の広い範囲にわたって洗浄される対象表面に対して最も好意的となるように選択される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、そのような組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物類の場合、pH約8〜約10である。組成物類は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃までの範囲である。
【0062】
洗濯洗浄(laundry cleaning)組成物類で使用される場合、組成物類は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜約10000ppmの濃度で用いられる。水温は好ましくは約5℃〜約60℃までの範囲である。水対布地の比率は、好ましくは、約1:1〜約20:1である。
【0063】
前記方法には、含浸される不織布基材を、本発明の組成物のある実施形態と接触させる工程が包含されていてよい。本明細書で使用するとき、「不織布基材」は、適した坪量、キャリパー(厚さ)、吸収力及び強度特性を有するあらゆる従来の方法で作られた不織布シート又はウェブを含むことができる。好適な市販の不織布基材の例としては、デュポン(DuPont)より商標名ソンタラ(SONT ARA)(登録商標)として販売されているもの、及びジェームス・リバー社(James River Corp.)より商標名ポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)として販売されるものが挙げられる。
【0064】
当業者には自明であるように、本発明の洗浄組成物類は、理想的には、液体食器洗浄組成物類での使用に適している。本発明の液体食器組成物(liquid dish composition)を使用する方法には、汚れた皿類を有効量、典型的には(処理される皿25枚につき)約0.5mL〜約20mLの、水で希釈した本発明の液体食器洗浄組成物と接触させる工程が含まれる。
【実施例】
【0065】
本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類の調製
(実施例1)
初期エトキシル化
2lのオートクレーブ内で、ポリエチレンイミン5000(平均分子量M5000)の50重量%水溶液900gを80℃まで加熱し、0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素で3回パージした。温度を90℃まで上げた後、エチレンオキシド461gを0.5MPa(5bar)となるまで計量して入れた。この混合物を90℃において0.5MPa(5bar)の一定圧力下で更に1時間攪拌した。揮発性留分を窒素と共に抜いて除去した。
【0066】
NH結合1モルにつき1モルのエチレンオキシドを含有するポリエチレンイミン5000の68重量%水溶液1345gが得られた。
【0067】
a)本質的なエトキシル化及びプロポキシル化
2lのオートクレーブ内で、初期エトキシル化で得られた水溶液163gと40重量%水酸化カリウム水溶液13.9gとの混合物を70℃まで加熱した。0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素で3回パージした後、この混合物を120℃及び0.001MPa(10mbar)の減圧下において4時間脱水した。次いで、エチレンオキシド506gを120℃で0.8MPa(8bar)の圧力となるまで計量して入れた。混合物を120℃及び0.8MPa(8bar)において4時間攪拌した。分解及び窒素パージの後で、プロピレンオキシド519gを120℃で0.8MPa(8bar)の圧力となるまで計量して入れた。混合物を、120℃及び0.8Mpa(8bar)において更に4時間再度攪拌した。揮発性留分を窒素と共に抜いて除去した。
【0068】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド10モル及びプロピレンオキシド7モルを含有するポリエチレンイミン5000 1178gが、淡褐色の粘稠液の形態で得られた(アミン滴定量:0.9276ミリモル/g;1重量%水溶液のpH:10.67)。
【0069】
b)キシレン中でのエトキシル化及びプロポキシル化
2lのオートクレーブ内で、初期エトキシル化で得られた水溶液137gと、40重量%水酸化カリウム水溶液11.8gと、キシレン300gとの混合物を0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素で3回パージした。ジャケット温度175℃において、存在する水を、穏やかな窒素流を供給した水分離器を用いて4時間で分離した。次いで、エチレンオキシド428gを120℃で0.3MPa(3bar)の圧力となるまで計量して入れた。この混合物を120℃において0.3MPa(3bar)の一定圧力下で更に2時間攪拌した。その後、プロピレンオキシド439gを120℃において0.3MPa(3bar)の圧力となるまで計量して入れた。混合物を120℃及び0.3MPa(3bar)において更に3時間攪拌した。溶媒を0.001MPa(10mbar)の減圧下で除去した後、アルコキシル化生成物を0.4MPa(4bar)の流れと共に120℃において3時間で抜き取った。
【0070】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド10モル及びプロピレンオキシド7モルを含有するポリエチレンイミン5000 956gが、淡褐色の粘稠液の形態で得られた(アミン滴定量:0.9672ミリモル/g;1重量%水溶液のpH:10.69)。
【0071】
(実施例2)
2lのオートクレーブ内で、実施例1と同様に初期エトキシル化で得られたポリエチレンイミン5000(NH結合1モルにつき1モルのエチレンオキシド)の69.2重量%水溶液321gと、40重量%水酸化カリウム水溶液28gとの混合物を80℃まで加熱した。0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素で3回パージした後、混合物を120℃において0.001MPa(10mbar)の真空で3時間脱水した。次いで、エチレンオキシド1020gを120℃で0.8MPa(8bar)の圧力となるまで計量して入れた。その後、混合物を120℃及び0.8MPa(8bar)において更に4時間攪拌した。揮発性留分を窒素と共に抜いて除去した。
【0072】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド9.9モルを含有するポリエチレンイミン5000 1240gが、褐色の粘稠溶液の形態で得られた(アミン滴定量:1.7763ミリモル/g;1重量%水溶液のpH:11.3)。
【0073】
その後、エトキシル化生成物239gを、0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素で3回パージした後、プロピレンオキシド約87g(測定精度+/−15g)と0.8MPa(8bar)の圧力となるまで120℃で反応させた。次いで、混合物を120℃及び0.8MPa(8bar)において4時間攪拌した。揮発性留分を窒素と共に抜くか又は0.05MPa(500mbar)の弱い真空によって80℃で除去した。
【0074】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド9.9モル及びプロピレンオキシド3.5モルを含有するポリエチレンイミン5000 340gが、淡褐色の粘稠液の形態で得られた(アミン滴定量:1.2199ミリモル/g;1重量%水溶液のpH:11.05)。
【0075】
(実施例3)
初期エトキシル化
2lのオートクレーブ内で、ポリエチレンイミン600(平均分子量M600)516gと水10.3gの混合物を、0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素を3回流して、90℃まで加熱した。次いで、エチレンオキシド528gを90℃で計量して入れた。この混合物を90℃において0.5MPa(5bar)の一定圧力下で更に1時間攪拌した。揮発性留分(特に、水)を窒素と共に抜いて除去した。
【0076】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド1モルを含有するポリエチレンイミン600 1040gが、褐色液の形態で得られた。
【0077】
本質的なエトキシル化及びプロポキシル化
2lのオートクレーブ内で、初期エトキシル化ポリエチレンイミン600 86gと40重量%水酸化カリウム水溶液10.8gの混合物を80℃まで加熱した。0.5MPa(5bar)の圧力となるまで窒素で3回パージした後、混合物を120℃及び0.001MPa(10mbar)の真空において2.5時間脱水した。窒素を加えて真空を破った後、エチレンオキシド384gを120℃で計量して入れた。混合物を120℃で更に2時間攪拌した。分解及び窒素パージの後で、プロピレンオキシド393gを120℃で計量して入れた。混合物を120℃において更に2時間再度攪拌した。揮発性留分を窒素と共に抜いて除去した。
【0078】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド10モル及びプロピレンオキシド7モルを含有するポリエチレンイミン600 865gが、淡褐色の粘稠液の形態で得られた(アミン滴定量:1.0137ミリモル/g;1重量%水溶液のpH:11.15)。
【0079】
(実施例4)
ジメチルスルフェート7.3gを、実施例1b)で得られたアルコキシル化ポリエチレンイミン5000 300gに滴下して、窒素下、60℃で攪拌した。この過程で、温度が70℃まで上がった。混合物を70℃で更に3時間攪拌した後、混合物を室温まで冷却させた。
【0080】
NH結合1モルにつきエチレンオキシド10モル及びプロピレンオキシド7モルを含有し、かつ4級化度が22%であるポリエチレンイミン5000 307gが、褐色の粘稠液の形態で得られた(アミン滴定量:0.7514ミリモル/g)。
【0081】
組成物の配合
(実施例5)
【表1】

アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、又は実施例1、2、3又は4のいずれかに記載のポリマー類の任意の混合物。
【0082】
(実施例6)
【表2】

アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、又は実施例1、2、3又は4のいずれかに記載のポリマー類の任意の混合物。
ジエチレントリアミン五酢酸、ナトリウム塩
ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホン酸(diethylenetriaminepentakismethylenephosphonic acid)、ナトリウム塩
エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム塩
アキュソル(Acusol)OP 301
【0083】
(実施例7)
【表3】

アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、又は実施例1、2、3又は4のいずれかに記載のポリマー類の任意の混合物。
非イオン性は、9個のエトキシ基を含有するC11アルキルエトキシ化界面活性剤のいずれかであってもよい。
1,3BACは、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
【0084】
(実施例8)
【表4】

アルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー、又は実施例1、2、3又は4のいずれかに記載のポリマー類の任意の混合物。
例えば、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から入手可能なアキュソル(ACUSOL)(登録商標)445N又はアルコ(Alco)から入手可能なアルコスパース(ALCOSPERSE)(登録商標)。
例えば、オリオン社(Olin Corporation)製SLF−18ポリタージェント(SLF- 18 POLY TERGENT)。
【0085】
(実施例9)−洗濯における本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類の利用
汚れ放出性能を試験するために、アルコキシル化ポリアルキレンイミン類を3連続の実験において洗浄液に、表1に挙げる界面活性剤類及びビルダーと合わせて洗濯洗剤類モデルとして、又は市販の洗濯洗剤と合わせて添加した。次に、表2に挙げる検査布を表3a、4a及び5aに挙げる洗浄条件下で洗浄した。
【0086】
検査布からの汚れ放出は、洗浄前後のこれら検査布の460nmでの反射率を測定することにより求めた。汚れ除去は、洗浄前後の反射率Rと、白色の対照木綿布地の反射率とから次の式により計算した(%):
【数1】

【0087】
洗浄はいずれも2回行った。表3b、4b及び5bの洗浄結果において報告する汚れ除去値は、同じ条件下で得られた測定値の平均に相当する。ポリマーを添加せずに得られた値をそれぞれ、比較のために報告した。
【0088】
使用した量はいずれも、100%活性物質に基づいている。
【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【0089】
洗浄試験の結果は、本発明のアルコキシル化ポリアルキレンイミン類を添加することで、木綿布地からの脂肪及び油ジミに関する汚れ放出が著しく向上することを示している。
【0090】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、前記構成成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源類に存在し得る不純物類、例えば残留溶媒類又は副生成物類は除外される。
【0091】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0092】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数値限定は、それよりも小さいあらゆる数値限定を、あたかもこうしたより小さい数値限定が本明細書に明確に書かれているかのように包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それよりも大きいあらゆる数値限定を、あたかもこうしたより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、こうしたより広い数値範囲内に入る、それよりも狭いあらゆる数値範囲を、あたかもこうしたより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0093】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参照として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0094】
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤又は洗浄組成物であって、次の一般式Iの両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン:
【化1】

前記式中、変数記号はそれぞれ次のように定義される:
Rは、同一の、又は異なる直鎖、又は分枝C〜C−アルキレンラジカルであり、好ましくはRエチレンであり;
Bは、分枝であり;
Eは、次の式のアルキレンオキシ単位である
【化2】

は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び/又は1,2−イソブチレンであり;
は、エチレンであり;
は、1,2−プロピレンであり;
は、水素又はC〜C−アルキルのいずれかから選択される同一の又は異なるラジカルであって、好ましくはRは水素であり;
X、Y、Zはそれぞれ、2〜150であって、x+y+zの和は、アルコキシル化前のポリアルキレンイミンの平均分子量M300〜10,000、好ましくは500〜7500に相当するアルキレンイミン単位の数を表し;
mは、0〜2までの有理数、好ましくは0であり;
nは、6〜18までの有理数、好ましくは7〜15であり;
pは、3〜12までの有理数、好ましくは4〜10であり、0.8≦n/p≦1.0(x+y+z)1/2、好ましくは0.9≦n/p≦0.8(x+y+z)1/2である;
及びこれらの四級化生成物を含む、洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項2】
前記洗濯洗剤、又は洗浄組成物が、液体洗濯洗剤組成物類、固形洗濯洗剤組成物類、硬質表面洗浄組成物類、液体食器手洗い組成物類、固形自動食器洗い組成物類、液体自動食器洗い及びタブ/一回用量型の自動食器洗い組成物類から成る群より選択される、請求項1に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項3】
前記洗剤又は組成物が、当該洗剤、又は組成物の0.05〜10重量%の両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含む、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項4】
前記洗剤又は組成物が界面活性剤系を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネート類を含む、請求項4に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤系がC〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤を含む、請求項4に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤類、カチオン性界面活性剤類、アニオン性界面活性剤類、並びにこれらの混合物から成る群より選択される1つ以上の補助界面活性剤を更に含む、請求項5又は6に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項8】
前記洗剤、又は組成物が洗浄補助添加物類を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物。
【請求項9】
不織布基材と、請求項1〜8のいずれか1項に記載の洗濯洗剤、又は洗浄組成物とを含む、洗浄用具。
【請求項10】
次の一般式Iの両親媒性の水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン:
【化3】

前記式中、変数記号はそれぞれ次のように定義される:
Rは、同一の、又は異なる直鎖、又は分枝C〜C−アルキレンラジカルであり、好ましくは、Rはエチレンであり;
Bは分枝であり;
Eは、次の式のアルキレンオキシ単位である
【化4】

は、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び/又は1,2−イソブチレンであり;
は、エチレンであり;
は、1,2−プロピレンであり;
は、水素、又はC〜C−アルキルのいずれかから選択される同一の、又は異なるラジカルであって、好ましくはRは水素であり;
X、Y、Zはそれぞれ、2〜150であって;x+y+zの和は、アルコキシル化前のポリアルキレンイミンの平均分子量M300〜10,000、好ましくは500〜7500に相当するアルキレンイミン単位の数を表し;
mは、0〜2までの有理数、好ましくは0であり;
nは、6〜18までの有理数、好ましくは7〜15であり;
pは、3〜12までの有理数、好ましくは4〜10であり;0.8≦n/p≦1.0(x+y+z)1/2、好ましくは0.9≦n/p≦0.8(x+y+z)1/2である;
及びこれらの四級化生成物の、
洗濯洗剤類、及び洗浄組成物類への汚れ放出促進添加物としての使用。

【公表番号】特表2008−534727(P2008−534727A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503534(P2008−503534)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061553
【国際公開番号】WO2006/108857
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】