説明

アンチエイジング作用を有するスキンケア複合体を含む化粧製剤

本発明は、アンチエイジング作用を有するスキンケア複合体を含む化粧製剤に関する。この複合体は、化粧オイルの混合物、プルケネティア・ボルビリスの種子の抽出物、シナラ・スコリムスの葉の抽出物及び水添レチノールを含むリポソームにより構成される。このリポソームは、水及びゲル化剤から成るゲルネットワーク中に均質に分散している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンチエイジング作用を示すスキンケア複合体を含む化粧製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アンチエイジング作用を有する多くの化粧品が既に知られている。多くのよく知られた製品の主な成分は、レチノール若しくはその誘導体、レチノイン酸、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸トコフェロール、レチノールのC2−C5−エステルなどである。しかしながら、しばしば安定性が充分ではなく、それによって効能が素早く低下し、その上肌への刺激が発生し得るために、これらの製品の効果は常に満足できるものではない。
【0003】
欧州特許第826366号は、水系においてルリチシャ種子油を添加することによるヒドロキシ酸又はレチノールないしレチノイドの刺激作用の減少を記述している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アンチエイジング作用を有するスキンケア化粧品を提供するという課題に基づくものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の化粧品は、長期間に亘り作用を保持し、肌への刺激の副作用の無い素早い効能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
アンチエイジング作用を有するスキンケア複合体を含む化粧製剤が本発明によって提供され、この複合体は、化粧オイルの混合物、プルケネティア・ボルビリスの種子の抽出物、シナラ・スコリムスの葉の抽出物及び水添レチノールを含むリポソームにより構成され、このリポソームは、水及びゲル化剤から成るゲルネットワーク中に均質に分散していて、ゲルの形のこの複合体は、0.1〜11重量%の濃度で、慣例の美容添加剤、補助物質、作用物質及びそれらの混合物と共に化粧製剤中に含まれる。濃度の記述は、製剤の総重量に対するものである。
【0007】
製剤中1〜6重量%の範囲のゲルの、則ち複合体の濃度が特に好ましい。
【0008】
インカインチの種子の抽出物(プルケネティア・ボルビリス)、アーティチョークの葉の抽出物(シナラ・スコリムス)及び水添レチノールの組合せは、特に素早く有効となるだけではなく、アンチエイジング作用が長期間に亘り保持されることが判明した。その場合に、迅速で高い初期効能に関しては、ゲルネットワーク中へのリポソームの埋込が重要であり、その中で互いに隔離しているリポソームは、肌と接触して初めて肌/リポソームの電荷が異なるために分解され、作用物質が遊離して、これがその全効能を即座に発揮できる。
【0009】
持続する効能に関するメカニズムはまだ解明されていないが、おそらく両植物抽出物の水添レチノールとの相乗作用によるものであろう。この効能は、50歳を超える使用者の成熟した肌の場合に、特に著しい。この肌では特に、実施例に示したように、皺の数と皺の深さが明らかに減少したことが判明した。
【0010】
水及び使用されたオイルで形成されたリポソームは、特に従来技術から周知のリン脂質リポソームである。その場合に、完全に閉鎖された脂質二重層膜が重要であり、これは水性容量を閉鎖して含んでいる。リポソームは、(単膜二重層を含む)単層ベシクル又は多重層ベシクル(それぞれ水性膜によって隣と分けられている多重膜二重層を特徴とするタマネギ状構造)であり得る。二重層は、疎水性の「尾部」領域と親水性の「頭部」領域を有する二つの脂質単層により構成される。膜二重層の構造は、脂質単層の疎水性(無極性)の「尾部」が二重層の中心方向へ向けられ、一方親水性の「頭部」が水相方向へ向けられるようになっている。
【0011】
飽和及び不飽和脂質からのリポソームの製造は、その輸送系としての使用など非常に多くの特許に記述されている。本発明のスキンケア複合体の組入れは、慣例の方法で行うことができる。
【0012】
リン脂質としては、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸及びリゾレシチン並びにそれらの混合物を使用することができる。よく知られている製品は、Phoslipon(商標)又はNAT(商標)などである。
【0013】
リポソームを受け入れるゲルは、好ましくはアクリル酸エステル重合体から成る、Pemulen TR1(商標)重合エマルション(INCI:アクリル酸エステル/C10-30 アクリル酸アルキル橋架け重合体)などであり、これは、ここではゲル化剤として働く。則ち水と共に高い効果の水性マイクロゲルを形成し、このゲルは油滴を互いに隔離して保持する。その場合に重合体の疎水部は油相内に固定される。
【0014】
スキンケア複合体に使用されたインカインチ(プルケネティア・ボルビリス)の種子の抽出物は、種子をコールドプレスし、続いてデカンテーション及び濾過により洗浄して製造された生成物である。
【0015】
インカインチ抽出物の割合は、複合体の組成に対して1.0〜3重量%である。
【0016】
スキンケア複合体に使用されたアーティチョークの葉(シナラ・スコリムス)の抽出物は、周囲の温度(15〜25℃)で得られたプロピレングリコールを含む抽出物である。アーティチョークの葉は、これまで食品にのみ広範に使用されてきたが、一部その他の植物製品と共に美容のヘアケア製品にも使用されている。
【0017】
国際公開第99/61035号に記述されているアーティチョーク植物の使用は、脂肪過剰血症を治療するための経口服用の薬剤に関する。
【0018】
アーティチョークの葉の抽出物の割合は、複合体の組成に対して2〜4重量%である。
【0019】
使用された水添レチノールは、全ての二重結合が水素化によって飽和されたレチノールである。この製品は、改良された光及び熱安定性並びに天然レチノールより小さい肌刺激を示す。これは、好ましくはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを含む10%の製剤で存在し、この形で使用される。
【0020】
好ましい製剤中の水添レチノールの割合は、複合体の組成に対して0.1〜1重量%である。
【0021】
この複合体は、一般に水、3〜10重量%のリン脂質、0.3〜1重量%のゲル化剤、3〜10重量%の一価アルコール(エタノールなど)、5〜12重量%の多価アルコール(グリセリンなど)、作用物質であるインカインチ抽出物1〜3重量%、アーティチョーク抽出物2〜4重量%、水添レチノール0.1〜1重量%、並びに、保存料、TEA、オイルなどのその他の補助物質により構成される。
【0022】
スキンケア化粧品は、製剤として更に、通常そのような製剤に使用される周知の補助物質及び担持物質を含むことができ、例えばそれらは、水、保存料、色素、着色作用を有する顔料、増粘剤、香料、アルコール、ポリオール、オイル、エステル、電解質、ゲル化剤、共重合体、シリコーン乳化剤、ワックス、安定剤及びそれらの混合物である。
【0023】
本発明に使用されたオイルは、鉱物油、水素化ポリイソブテン、合成品の若しくは天然品から製造されたスクワラン、分岐若しくは非分岐、飽和若しくは不飽和であり得る美容エステル若しくはエーテル、植物油脂、又は、それら2若しくはそれ以上の混合物などの慣例の化粧オイルである。
【0024】
特に適切なオイルは、例えばヘーゼルナッツ油などのクルミ油であるオメガ−3−及びオメガ−6−脂肪酸を高い割合で含む植物オイルである。キンセンカ油、ホホバ油、アボカド油、マカデミアナッツ油、トウゴマ油、カカオ脂、ココナッツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム核油、なたね油、サフラワー油、ゴマ種子油、大豆油、ヒマワリ種子油、小麦胚芽油、ブドウ種子油、ハワイアブラギリ油、アザミ油及びそれらの混合物などのその他の植物オイルも使用することができる。しかしながら、これらのその他のオイルは、目標とされた効能にはそれほど寄与しない。
【0025】
この化粧品は、その他の作用物質も含むことができる。それには、無機及び有機光防御剤、自己日焼け剤、ラジカルスカベンジャー、ビタミン、酵素、植物性作用物質、重合体、酸化防止剤、並びに、オメガ−3−/6−脂肪酸などが属する。
【0026】
酸化防止剤には、ビタミンCなどのビタミン及びその誘導体、例えば酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビル及びパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウムなど;ビタミンA及びその誘導体;葉酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、例えば酢酸トコフェリルなど;フラボン若しくはフラボノイド;ヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファンなどのアミノ酸及びその誘導体;cis−若しくはtrans−ウロカニン酸などのイミダゾール及びその誘導体;D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチド及びその誘導体;カロテノイド及びα−カロテン、β−カロテン、リコペンなどのカロテン;尿酸及びその誘導体;クエン酸、乳酸、リンゴ酸などのα−ヒドロキシ酸;パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリンなどのα−ヒドロキシ脂肪酸;スチルベン及びその誘導体;マンノース及びその誘導体;リポ酸及びその誘導体、例えばジヒドロリポ酸など;フェルラ酸及びその誘導体;グルタチオン、システイン、シスチンなどのチオール及びそのエステル;葉酸及びその誘導体が属する。
【0027】
好ましい酸化防止剤ないしラジカルスカベンジャーは、特にアンゲリカ・アルカンゲリカ、アルニカ・モンタナ、カメリア・シネンシス、Cupressus semper、コーヒー・アラビカ、Polygonatum multiflorum、ポンガミア・ピンナタ、ロスマリナス・オフィシナリス、Evernia fufuracea、Evernia prunastri、Aventa sativa及びそれらの混合物から成るグループから選択された植物抽出物である。
【0028】
ラジカルスカベンジャーとしては、ビタミンA、ビタミンE、ペプチド、フラボン、フラボノール並びに植物抽出物が特に好ましい。特に好ましい植物抽出物は、一価アルコール中のアンゲリカ・アルカンゲリカ、カメリア・シネンシス、コーヒー・アラビカ及びポンガミア・ピンナタの乾燥抽出物からのものである。
【0029】
本発明の化粧品に、相当する水溶性及び/又は油溶性UVA−若しくはUVB−フィルタ又はその両方を添加することもできるが、もっともサンケア指数SPF8に達するまでの添加が好ましい[コリパ(Colipa:欧州化粧品工業会)−スタンダード(Colipa−Ref.:94/289(1994年))に従って確定]。好ましい油溶性UVB−フィルタには、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−(2−エチルヘキシル)エステルなどの4−アミノ安息香酸誘導体;4−メトキシケイ皮酸(2−エチルヘキシル)エステルなどのケイ皮酸のエステル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;3−ベンジリデンカンファーなどの3−ベンジリデンカンファー誘導体が属する。
【0030】
好ましい油溶性UVフィルタは、ベンゾフェノン−3、ブチル−メトキシベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、4−メチルベンジリデンカンファー、ホモサレート及びオクチルジメチルPABAである。
【0031】
水溶性UVB−フィルタは、例えばベンゾフェノン若しくは3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、又は、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸のNa−若しくはK−塩などの塩である。
【0032】
UVA−フィルタには、1−フェニル−4−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、ブチルメトキシベンゾイルメタン又はアントラニル酸メンチルなどのジベンゾイルメタン誘導体が属する。
【0033】
特に好ましくは、ベンゾフェノン−3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、4−メチルベンジリデンカンファー、ホモサレート、オクトクリレン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸イソアミル、オクチルジメチルPABA、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、サリチル酸エチルヘキシル、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンである。
【0034】
更に、ビス−レゾルシニルトリアジン誘導体などの広帯域フィルタ又はベンゾオキサゾールも使用可能である。
【0035】
化粧品に添加した顔料、顔料混合物又はパール光沢効果とも理解される顔料のような効果をもつ粉末は、例えば酸化鉄、オーカーなどの天然ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、雲母、カオリン、マンガン含有粘土、炭酸カルシウム、タルカム、雲母−酸化チタン、雲母−酸化チタン−酸化鉄、ナイロン小球体、セラミックス小球体、膨張及び非膨張合成ポリマー粉末、粉砕固形藻類、粉砕植物部分、カプセル化及び非カプセル化穀物澱粉などの粉末状天然有機化合物を含むことができる。
【0036】
その他の作用物質として適する物質は、例えばイサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセリンアルデヒド、メソ−ワイン酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、ピラゾリン−4,5−ジオン誘導体、ジヒドロキシアセトン(DHA)、4,4−ジヒドロキシピラゾリン−5−ジオン誘導体などの自己日焼け剤である。
【0037】
本発明の化粧品のためのその他の添加剤は、国際公開第99/66881号による高いラジカル保護指数を有する作用物質調合品である。この作用物質調合品は、シロケブラコの樹皮を抽出し、続いて酵素加水分解することによって得られる生成物を含む。この生成物は、少なくとも90重量%のプロアントシアニジンオリゴマー及び高々10重量%の没食子酸をマイクロカプセル内に含む。上記作用物質調合品は、抽出によって得られるカイコ抽出物であって、ペプチドセクロピン、アミノ酸及びビタミン混合物を含むカイコ抽出物を含有する。上記作用物質調合品は、非イオン性、カチオン若しくはアニオンヒドロゲル又はヒドロゲルの混合物、1つ若しくは複数のリン脂質、並びに、水を含有する。
【0038】
国際公開第2004/105704号によるアルコールベースの植物抽出物を含む製剤も、追加の作用物質として特に好ましく、これは、0.1〜2重量%のグリーンコーヒーノキの種子の抽出物、0.1〜2重量%のカメリア・シネンシスの葉の抽出物、0.1〜2重量%のポンガミア・ピンナタの抽出物、0.1〜2重量%のアンゲリカ・アルカンゲリカの根の抽出物及び100重量%までの残りの一価C2−C5−アルコールから成り、その場合にラジカル保護指数は、mg当たり1400〜2900×1014の範囲にある。
【0039】
更に、オメガ−3−脂肪酸、オメガ−6−脂肪酸又はその混合物が追加の作用物質として好ましい。オメガ−3−脂肪酸には、アルファ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸が属する。オメガ−6−脂肪酸には、リノール酸、アラキドン酸及びガンマ−リノレン酸が属する。これらの脂肪酸は、ヒトに栄養を補給するための所謂必須脂肪酸であるが、本発明の作用物質と協働で、肌へのアンチエイジング作用を更に改良することができる。1〜6重量%、特に2〜4.5重量%の含有量が好ましい。
【0040】
本発明は、特殊なスキンケア複合体及びそれによる製剤の製造方法にも関する。本発明によると、
a) 1つ又は複数のオイル並びに作用物質インカインチ抽出物、アーティチョーク抽出物及び水添レチノールを、15〜25℃でアルコール及び水と混合して第1混合物にし、続いて
b) a) で製造された第1混合物を、別に製造された第2混合物に加え、その場合にこの第2混合物は、リン脂質及び場合によってはその他の補助物質及び作用物質から構成され、添加速度は1000〜3000U/minで10g/minを超えないようにし、
c) その場合に生じた第3混合物を、リポソームが形成されるまで600〜800U/minで攪拌し、
d) 水及びゲル化剤を共に加え、1200U/minを超えないようにしながらゲルネットワークが形成されるまで攪拌し、及び
e) この第3混合物を、700U/min未満で15〜40分の時間に亘ってステップd)のゲル内に入れ、
f) e) で得られるゲルを、25〜35℃及び700U/min未満で美容補助物質、作用物質又はその混合物と混合する。
【0041】
本発明の製剤は、全ての慣例の美容形態、例えば昼用クリーム、ナイトクリーム、サンジェル、マスク、ボディーローション、クレンジング乳液、メークアップ、クレンジングクリーム、口紅、ボディーパウダー、アイメークアップ、ヘアパック、ヘアリンス、ヘアシャンプー、シャワージェル、シャワーオイル、バスオイル、デオドラントスティック、香水スティック、クールロール、デオドラントロール、場合によっては塗布具付きのコンパクトパウダー又はコンパクトワックス、ルージュ、ファンデーション、UVケア製剤(サンケア又はアフターサン)を有することができる。
【0042】
以下に、実施例によって本発明を詳しく説明する。全ての値は、特記されていない限り重量パーセントで与えられている。
【実施例】
【0043】
実施例1
スキンケア複合体50+の製造
相A %
レシチン 5−8
グリセリン 8−10
コムギ麦芽オイル 1−3

相B
水 40
アルコール 5−7
ヘーゼルナッツオイル 2−5
インカインチ種子抽出物 1−3
アーティチョークの葉の抽出物(PPG中) 2−4
水添レチノール 0.1−1
保存料 0.5−1

相D
水 加えて100
アクリル酸エステル/C10−C30 アクリル酸アルキル橋架けポリマー
0.3−0.5
トリエタノールアミン 0.3−0.5
保存料 0.5

相Aは、全成分を添加後に少なくとも2000U/minで約40〜60分間20〜40℃で均質化する。別に相の成分を500〜600U/minで合わせ、20分間攪拌する。約3000U/minで40℃未満の温度で攪拌しながら相Bを相Aにゆっくり加え(合計1kgの混合物に対して約1時間)、両相は相Cのリポソームを形成し、これを約600〜800U/minで攪拌する。
【0044】
別に相Dのゲル化剤を水に加え、ゲルネットワークが形成されるまで約1000U/minで10分間攪拌する。その後約600U/minで30分間かけて相Cを相Dに加え、約1kgの生成物(複合体50+)を得る。
【0045】
実施例2
昼用クリームとしての化粧製剤
相A
水 加えて100
EDTA二ナトリウム 0.1
プロピレングリコール 2
グリセリン 5

相B
クロロフェネジン 0.5
セバシン酸ジイソプロピル 9
セテアリールアルコール(75℃) 2
シクロヘキサシロキサン&シクロペンタシロキサン 3

相C
相Cは、相A及び相Bを75℃で合わせ、5分間約3000U/minで均質化して、35℃に冷却することによって形成される

相D
均質化剤 0.3
香料 0.5
実施例1の複合体50+ 10
(複合体の総重量に対してインカインチ1.5%、アーティチョーク2.5%、水添レチノール0.4%)
20〜35℃で、1000U/min未満で相Dを相Cに混合する。
【0046】
実施例3
眼のクリームとしての化粧製剤
相A
水 加えて100
EDTA 0.3
グリセリン 5

相B
ステアリン酸PEG−100ステアリン酸グリエリル 4
シア脂 2
セテアリールアルコール(70℃) 3.5
シクロペンタシロキサン&ジメチコノール 5

相C
相Cは、相A及び相Bを75℃で合わせ、5分間約3000U/minで均質化して、35℃に冷却することによって形成される

相D
香料 0.5
RPF−複合体*
実施例1及び2の複合体50+ 5
保存料 0.3
実施例2と同様に製造した。
【0047】
実施例4
クレンジングクリームとしての化粧製剤
相A
水 加えて100
EDTA 0.1
プロピレングリコール 3.5
グリセリン 3

相B
Steareth−2 2.5
Steareth−21 2
ステアリン酸グリセリル 2
ジメチコン 5

相C
相Cは、相A及び相Bを75℃で合わせ、5分間約3000U/minで均質化して、35℃に冷却することによって形成される

相D
香料 0.3
RPF−複合体* 0.1
実施例1及び2の複合体50+ 0.1
保存料 0.3
*WO WO2004/105706の実施例1に従って、
実施例2と同様に製造した。
【0048】
実施例5
適用試験
実施例2に従って、ある薬方を製造した(A)。アーティチョーク抽出物とレチノールが欠けている、実施例2に従った別の薬方を(B)で表した。
【0049】
慣例のレチノールを含み、アーティチョーク抽出物とインカインチが欠けている、実施例2に従った別の薬方を(C)で表した。
【0050】
インカインチとレチノールが欠けている、実施例2に従った別の薬方を(D)で表した。
【0051】
試験は、52歳から66歳の年齢の15名の参加者で実施された。参加者は、クリームA、B、C及びDを日に2回、左右の前腕の4つのマークした面積に塗布した。2週間の所定間隔で、このマークされた位置をディジタル撮影し、コンピュータプログラムを介して皺の数と皺の深さを評価した。
【0052】
結果を表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
表1は、製剤Aを用いた、相乗作用を推論させる卓越した効果を示す。レチノールの単独使用(製剤C)に対しても、その効果は明らかに改良されている。更に本発明の製剤Aにおける効果は、長期間(12週間)に亘り持続する。
【0055】
実施例6
実施例2に従って昼用クリームを製造し、その場合に相Bは、追加で3%のオメガ−3−/6−脂肪酸(アルファ−リノレン酸、リノール酸及びアラキドン酸から成る混合物)を含む。実施例5による適用試験では、皺の減少は、8週間後には42%を、12週間後には43.5%を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合体が、化粧オイルの混合物、プルケネティア・ボルビリスの種子の抽出物、シナラ・スコリムスの葉の抽出物及び水添レチノールを含むリポソームにより構成され、このリポソームは、水及びゲル化剤から成るゲルネットワーク中に均質に分散していて、このゲルは、製剤総重量に対して0.1〜11重量%の濃度で、慣例の美容添加剤、補助物質、作用物質及びそれらの混合物と共に化粧製剤中に含まれることを特徴とする、アンチエイジング作用を有するスキンケア複合体を含む化粧製剤。
【請求項2】
プルケネティア・ボルビリスの種子の抽出物が、複合体総重量に対して1〜3重量%の範囲にある、請求項1記載の化粧製剤。
【請求項3】
シナラ・スコリムスの葉の抽出物が、複合体総重量に対して2〜4重量%の範囲にある、請求項1記載の化粧製剤。
【請求項4】
水添レチノールの割合が、複合体総重量に対して0.1〜1重量%の範囲にある、請求項1記載の化粧製剤。
【請求項5】
複合体の割合が、製剤総重量に対して1〜6重量%の範囲にある、請求項1記載の化粧製剤。
【請求項6】
その他の作用物質として、オメガ−3−/6−脂肪酸を含むことを特徴とする、請求項1記載の化粧製剤。
【請求項7】
a) 1つ又は複数のオイル並びに作用物質インカインチ抽出物、アーティチョーク抽出物及び水添レチノールを、15〜25℃でアルコール及び水と混合して第1混合物にし、続いて
b) a)で製造された第1混合物を、別に製造された第2混合物に加え、その場合にこの第2混合物は、リン脂質及びその他の補助物質及び作用物質から構成され、添加速度は1000〜3000U/minで10g/minを超えないようにし、
c) その場合に生じた第3混合物を、リポソームが形成されるまで600〜800U/minで攪拌し、
d) 水及びゲル化剤を共に加え、1200U/minを超えないようにしながらゲルネットワークが形成されるまで攪拌し、及び
e) この第3混合物を、700U/min未満で15〜40分の時間に亘ってステップd)のゲル内に入れ、
f) e)で得られる生成物を、25〜35℃及び700U/min未満で慣例の美容補助物質、作用物質又はその混合物と混合することを特徴とする、アンチエイジング作用を有するスキンケア複合体を含む化粧製剤の製造方法。

【公表番号】特表2009−541450(P2009−541450A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517209(P2009−517209)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056494
【国際公開番号】WO2008/003638
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(508377565)コティ プレスティゲ ランカスター グループ ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】