説明

アンテナモジュールハイブリッド回路

一体アンテナモジュールを有するハイブリッド回路は、回路素子を含む電子回路と、誘電体物質であって、該誘電体物質により包囲された空洞を形成する形状とされた誘電体物質及び前記誘電体物質の一方の側の導電パッチを含むアンテナモジュールとを含む。そこでは、前記回路素子は、前記誘電体物質により包囲されており、前記回路の素子は、前記誘電体物質により形成された前記空洞の内側に配置されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナモジュールハイブリッド回路に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人々は、多くの電子装置、例えば、携帯電話、GPSナビゲーションシステム、ラジオ、MP3プレーヤー、PDA、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、移動TV及びその他の多くの装置を、日常的に使用している。製造者にとって共通の関心は、それら装置を制御する回路のサイズを減少させることである。何故ならば、ユーザの関心が、容易に持ち回れるような小型で軽量な装置にあるからである。それに加えて、複数の装置を単一の装置に置き換えることができるように、それら装置を組み合わせることにも関心がある。こうすれば、ユーザは、以前に持ち回っていた複数の装置の機能を遂行する単一の軽量な装置を、持ち運ぶだけでよくなる。
【0003】
それら装置を小型化するために、製造者は、単一チップ又は小型化パッケージにおいてその装置の完全な機能を与えるハイブリッド回路又はマルチチップモジュールを製造している。一般的に、全装置を単一チップ又はパッケージへと集積すると、コスト、サイズ、重量、電力消費及びその他のファクタの点で効果的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全ワイヤレスシステム(例えば、Wi−Fi、ブルーツース、携帯電話)を単一ハイブリッド回路パッケージへと集積する上で製造者が直面している1つの問題がある。一般的に、製造者は、アンテナを除いて、装置の全ての回路素子を、単一チップ又はハイブリッド回路カプセル内へと集積するようにしている。アンテナは、満足な性能を与えるためにサイズの制約を受けるので、アンテナが除外されるのが一般的である。その上、アンテナは、その回路からの干渉を受け、又、その回路及びパッケージングのため低利得となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の態様は、電子回路及びアンテナモジュールの包囲体から電子回路の素子が突出しないようにして、その電子回路の素子を取り囲む包囲体を形成するような形状とされたアンテナモジュールを含むハイブリッド回路に関する。任意であるが、前記アンテナモジュールは、パッチ導電層及び接地層を含み、これら2つの層の間に誘電体物質が配置される。本発明の幾つかの実施形態では、前記接地層は省略される。前記誘電体物質は、アンテナの包囲体の内側に電子素子を収容するための空洞を前記接地層の下に有するような包囲体を形成するような形状とされる。本発明の幾つかの実施形態では、前記誘電体物質は、長方形又は正方形形状のフットプリントを有するボックスを形成している。別の仕方として、前記フットプリントは、他の形状、例えば、円形又は楕円形とすることができる。
【0006】
本発明の幾つかの実施形態では、前記電子素子は、基板、例えば、PCB(印刷回路板)上に配設され、前記アンテナは、前記基板から突出した前記電子素子をカバーし、前記基板が前記アンテナにより形成された前記包囲体のための蓋として作用するようにしている。別の仕方として、前記電子素子は、前記アンテナの包囲体の内側の相互接続層上に配設され、ある表面上に取り付けられるとき、前記回路が完全に包囲されるようにしている。本発明の幾つかの実施形態では、前記相互接続層は、前記アンテナの前記接地層の背面に配設される。別の仕方として、前記相互接続層は、前記アンテナの前記接地層としても作用する。
【0007】
本発明の典型的な実施形態では、前記パッチ導電層は、前記誘電体物質の上に印刷される。別の仕方として、前記パッチ導電層は、前記誘電体層に取り付けられる薄い金属層である。
【0008】
本発明の典型的な実施形態では、前記アンテナの内部空洞、例えば、前記回路と前記接地プレートとの間の空間又は前記接地プレートと前記誘電体物質の端部までとの間の空間は、充填物質で満たされる。前記充填物質は、例えば、外部圧力に耐えることのできる頑丈な中実ユニットを形成するようにエポキシ樹脂で形成される。本発明の幾つかの実施形態では、前記パッチアンテナ及び回路は、前記充填物質により、その固化後に一緒に保持される。本発明の幾つかの実施形態では、前記パッチアンテナ及び回路は、付加的な包装体により取り囲まれ、頑丈なモノリシックパッケージを形成するように前記充填物質で満たされる。別の仕方として、前記パッチアンテナ及び回路は、中実モノリシックパッケージを形成するように充填物質を注入し固化したときに、モールド内に配設される。
【0009】
本発明の典型的な実施形態では、前記回路と前記パッチアンテナとの間の距離を短くすることにより、ノイズを減少させ、前記アンテナから前記回路により受け取られる信号の減衰を防止するようにしている。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態では、複数の機能のための回路を提供するため、例えば、GPS用及びGPRS用アンテナを提供するため、2つ以上のアンテナを前記回路に一体化する。
【0011】
任意であるが、単一物理装置のフットプリントは、100mmx100mm、20mmx20mm、又は更に10mmx10mmより小さい。本発明の典型的な実施形態では、単一物理装置のフットプリントの幅及び長さは、各々、その単一物理装置の厚さのサイズの少なくとも2倍である。
【0012】
従って、本発明の典型的な実施形態によれば、一体アンテナモジュールを有するハイブリッド回路において、
回路素子を含む電子回路と、
アンテナモジュールと、
を含み、前記アンテナモジュールは、
誘電体物質であって、該誘電体物質により包囲された空洞を形成するような形状とされた誘電体物質と、
前記誘電体物質の一方の側にある導電パッチと、
を備えており、
前記回路素子は、前記誘電体物質により包囲されており、前記回路の前記素子は、前記誘電体物質により形成された前記空洞の内側に配置されているようなハイブリッド回路が提供される。
【0013】
本発明の典型的な実施形態では、前記ハイブリッド回路は、更に、前記空洞に面した前記誘電体物質の他方の側に接地パッチを含む。任意であるが、前記ハイブリッド回路は、更に、前記誘電体物質により形成された前記空洞に対するカバーとして作用する基板を含み、そして、前記回路素子は、該素子が前記空洞へと延長するようにして、前記基板に埋め込まれている。本発明の典型的な実施形態では、前記回路素子は、該素子が前記空洞へと延長するようにして、前記接地パッチに隣接した相互接続層に埋め込まれている。任意であるが、前記相互接続層は、前記アンテナの接地として作用する。本発明の典型的な実施形態では、前記相互接続層は、前記アンテナの接地に結合される。任意であるが、前記アンテナは、GPSアンテナ又は携帯電話アンテナとして作用するように適応される。本発明の典型的な実施形態では、前記空洞は、前記回路素子を取り囲む充填物質で満たされる。任意であるが、前記充填物質は、中実ハイブリッド回路を形成するように固化される。本発明の典型的な実施形態では、前記ハイブリッド回路の幅及び長さは、各々、前記ハイブリッド回路の厚さのサイズの少なくとも2倍である。任意であるが、前記導電パッチ及び前記接地パッチは、同じサイズ及び形状を有する。本発明の典型的な実施形態では、前記導電パッチ及び前記接地パッチは、サイズが異なっている。任意であるが、前記導電パッチ及び前記接地パッチは、形状が異なっている。本発明の典型的な実施形態では、前記電子回路は、前記誘電体物質を通して前記導電プレートに接続される。任意であるが、前記電子回路は、前記誘電体物質の周りに延びる接続でもって前記導電プレートに接続される。
【0014】
本発明は、添付図面に関連して以下になされる詳細な説明からより良く理解されよう。2つ以上の図に現れている同一の構造体、素子又は部分は、一般的に、それらが現れる全ての図において同じ又は同様の参照番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の典型的な実施形態による、電子回路と、前記電子回路を包囲する一体パッチアンテナと、を含むハイブリッド回路の横断面の概略図である。
【図2】本発明の典型的な実施形態による一体パッチアンテナの上面の概略図である。
【図3A】本発明の典型的な実施形態による一体パッチアンテナの底面の概略図である。
【図3B】本発明の典型的な実施形態による一体パッチアンテナの別の底面の概略図である。
【図3C】本発明の典型的な実施形態による一体パッチアンテナの更に別の底面の概略図である。
【図4】本発明の典型的な実施形態による、電子回路及び一体パッチアンテナを含む別のハイブリッド回路の横断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の典型的な実施形態による、電子回路180及び一体平面パッチアンテナ150を含むハイブリッド回路100の横断面の概略図である。本発明の典型的な実施形態では、基板110(例えば、PCB−印刷回路板)が、回路100を準備するためのベースとして使用される。別の仕方として、回路100のためのベースとして作用するための他の物質又は構成を使用することができる。本発明の典型的な実施形態では、回路100を構成するため、種々なタイプの回路素子125が使用され、例えば、回路素子125は、
1.受動デバイス(例えば、抵抗、キャパシタ)
2.動作するのに電源を必要とする能動デバイス(例えば、集積回路、トランジスタ)、又は
3.他の素子、例えば、個別素子(例えば、ダイオード)
を含むことができる。
【0017】
任意であるが、ある素子は、基板110に埋め込まれ、ある素子は、基板110上にサーフェスマウントされ、そして、あるものは、基板110の孔へはめ込まれてそこに半田付けされ、又は、当業者に知られた他の方法により基板110へ接続される。任意であるが、基板110は、種々な物質、例えば、ガラスエポキシ、アルミナ、テフロン又は他のタイプのセラミック、ガラスセラミック、ポリマーで与えられても良いし、又は、金属リードフレームとして与えられても良い、本発明の典型的な実施形態では、回路100には、ハイブリッド回路100により形成されたモジュールと他の回路又は装置との間の接続を行うための1つ以上のコンタクト115が設けられる。本発明の幾つかの実施形態では、コンタクト115は、ボールグリッドアレイコンタクト(BGA)、ランドグリッドアレイ(LGA)又は他のタイプのコンタクトである。任意であるが、これらコンタクトは、回路の隅部にあっても、中央部にあっても、周辺部にあってもよく、又は、基板110の下の他の任意の位置にあってもよい。
【0018】
本発明の典型的な実施形態では、回路100は、GPS(グローバルポジショニングシステム)装置、携帯電話(例えば、GPRS/GSM)装置、ワイヤレスネットワーク(Wi−Fi)装置又は他のタイプの装置のための機能を与えるように実施され、これら装置は、0.01GHzと100GHzとの間に亘る周波数での通信を必要とするものであり、例えば、無線周波数では、約80MHz、GPSでは、約1.5GHz、Wi−Fiでは、約2.4GHz、レーダーでは、約70GHzである。本発明の典型的な実施形態では、パッチアンテナ150は、ハイブリッド回路100の一体部分として送受信を行う能力を与えるように、ルーフオーバー素子125として取り付けられる。本発明の典型的な実施形態では、パッチアンテナ150は、導体プレート155、及び任意であるが平行接地プレート140で形成される。任意であるが、フィードライン160は、アンテナ150により与えられる信号を取り扱うため、導体パッチプレート155と電子回路180との間の導電接続として作用する。本発明の典型的な実施形態では、導体プレート155は、単一平面に配設されたワイヤフレームを含み、正方形、平行四辺形、台形、四辺形、円形、楕円形、又は他の平面形状とされている。任意であるが、接地プレート140は、導体プレート155と同様の形状である。本発明の典型的な実施形態では、誘電体物質145は、使用される誘電体物質の組成に依存して、プレート(140、155)に対して必要とされるサイズを減少させるように、それらプレートの間に配設される。本発明の幾つかの実施形態では、接地プレート140、導体プレート155は、等しいサイズである。別の仕方として、一方の層の方が、他方の層より大きくてもよく、又は両方の層のサイズが異なってもよい。本発明の幾つかの実施形態では、接地プレート140は省略される。本発明の典型的な実施形態では、誘電体層は、電子回路180の電子素子を収容するための空洞を有する包装体を形成するように、導体プレート155及び接地プレート140のサイズを越えて延長している。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態では、パッチアンテナ150は、誘電体アンテナとして与えることができ、ここで、導体プレート155は、接地プレートに比してより小さく、又は、導体プレート155は、誘電体145又は接地プレート140に比して無視できる程のサイズのポイントであり、誘電体145は、本質的にアンテナレセプタとして作用する。
【0020】
典型的に、プレートの間に真空を有するパッチアンテナは、使用される送信信号の波長のサイズの約半分の長さを有する導体プレート155を必要とするのが一般的であり、例えば、ほぼ1.5から1.6GHzの周波数を使用するGPSの場合には、半波長は、約95mmであり、これは、ハイブリッド回路におけるパッチアンテナ150として実施するには僅かに大きい。誘電体物質145、高kテープCT765(米国ペンシルバニア州のヘレウス社により製造)、又はシリーズ412XXからの低温度キャパシタテープ(米国ペンシルバニア州のESLエレクトロサイエンスにより製造)、又は他の誘電体物質の組合せを使用することにより、その最適サイズを、10倍までも減少させることができる。かくして、パッチアンテナ150のために、約10mmx10mmのサイズは、GPSアンテナとして作用するに十分であろう。次の式は、誘電率に基づくパッチアンテナのための必要長さを決定するための一般的計算式である。
L=C/2f(ε)1/2
ここで、L=パッチサイズ長さ、C=光の速度、f=考察中の波周波数、εは、誘電率である。
【0021】
本発明の典型的な実施形態では、パッチアンテナ150の厚さは、送信周波数に依存している。何故ならば、その厚さは、必要とされるサイズ減少の量に関連しているからである。任意であるが、もし、サイズ減少の必要がより小さい場合には、より薄い誘電体物質で十分であろう。これに加えて、パッチアンテナ150の厚さは、使用される物質にも依存しており、ある物質では、より薄いプレート及び誘電体物質145のより薄い層で機能し、例えば、導体プレート155は、Cu(銅)、Au(金)、Ag(銀)、AgPd(銀パラジウム)又は他の金属で形成された薄い(例えば、1ミクロンから1ミリメートル)プレートで与えられ、接地プレート140は、薄い(例えば、1ミクロンから1ミリメートル)Cu、Au、Ag又はAgPdプレートで与えられることもできる。同様に、誘電体物質の厚さは、使用される誘電体物質のタイプに依存しており、例えば、0.1mmから2mmまでの間又は5mm又は10mmの厚さでさえ必要とされる。本発明の幾つかの実施形態では、導体プレート155及び接地プレート140は、導体アンテナ150の厚さを減少するため、誘電体物質上の金属コーティング(例えば、1から100ミクロンの厚さを有する)として与えられる。任意であるが、ハイブリッド回路100のパッケージングは、他の回路において容易に実施できるように、当業分野において利用できるモジュラーパッケージに適合すべく選択される。本発明の典型的な実施形態では、典型的なハイブリッド回路100のフットプリントのサイズは、約5mmx5mmから約100mmx100mmまで変えることができ、その厚さは、約1mmから約10mmまで変えることができる。本発明の幾つかの実施形態では、ハイブリッド回路100は、種々な形状のフットプリント、例えば、長方形、台形、円形、楕円形又は他の形状としてパッケージされる。任意であるが、パッチアンテナ150のサイズは、電子回路180のサイズとほぼ同じであるように設計され、又、その逆であるようにも設計され、例えば、電子回路180は、パッチアンテナ150とほぼ同じサイズとなるように拡大され、又は、パッチアンテナ150のサイズは、電子回路180のサイズとほぼ同じとなるように拡大される。本発明の典型的な実施形態では、ハイブリッド回路100のフットプリントの幅及び長さは、ハイブリッド回路100の厚さの少なくとも2倍である。
【0022】
任意であるが、ハイブリッド回路100は、パッチアンテナ150と電子回路180との間に接続120を有しており、この接続120により、電子回路180からパッチアンテナ150へと信号を与えることができ、且つパッチアンテナ150からの信号をフィードライン160を介して電子回路180へと受信できるようにしている。任意であるが、接地プレート140は、接続130により基板110へ接続される。
【0023】
図2は、本発明の典型的な実施形態によるパッチアンテナ150の上面の概略図である。
【0024】
図3Aは、本発明の典型的な実施形態によるパッチアンテナ150の底面の概略図である。本発明の典型的な実施形態では、パッチアンテナ150は、パッチアンテナ150の底部の周辺のまわりに接地コネクタ310を含む。これら接地コネクタ310により、接続130を介して電子回路180を接地プレート140へ接続することができる。任意であるが、フィードライン160は、電子回路180をパッチアンテナ150の導体プレート155へ接続できるようにしている。本発明のいくつかの実施形態では、接地プレート140が省略されていて、接地コネクタ310は、誘電体物質145へ直接に接続される。本発明の典型的な実施形態では、接地プレート140が省略されるとき、電子回路180の接地は、そのアンテナの利得を改善するように、アンテナ接地としても作用する。
【0025】
図3Bは、パッチアンテナ150の別の底面の概略図であり、図3Cは、本発明の典型的な実施形態による一体パッチアンテナの更に別の底面の概略図である。本発明の典型的な実施形態では、フィードライン160は、接地プレート140の表面上(図3B)又は誘電体物質145の表面上においてパッチアンテナと平行に延長しており、そこでは、接地プレートのラインを除去することにより、パスが排除されている。フィードラインは、誘電体物質145の底部にてパッチコネクタ320を形成しており、電子回路180が、接地コネクタ310と同様に、パッチアンテナ150の中央における接続120を使用せずに、導体プレート155に接触できるようにしている。本発明の幾つかの実施形態では、導体プレート155と電子回路180との間の接続が、任意の他の位置にてなされるように設計することができる。本発明の幾つかの実施形態では、接地プレート140は、図3Cに示されるように、パッチコネクタ320の下に位置される。
【0026】
図4は、本発明の典型的な実施形態による一体パッチアンテナを有する別のハイブリッド回路101の横断面の概略図である。本発明の典型的な実施形態では、ハイブリッド回路101は、導体パッチ155、接地プレート140及び誘電体物質145を含むハイブリッド回路100と同様である。しかしながら、このハイブリッド回路101では、電子回路420は、電子回路180の場合のように接地プレート140によりカバーされる代わりに、接地プレート140の背面に配設されている。任意であるが、相互接続層410が接地プレート140に結合され、回路素子125は、その相互接続層に配設される。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態では、接地プレート140は、電子回路420の相互接続層として作用する。別の仕方として、接地プレート140が省略され、相互接続層410は、誘電体物質145に直接に配設される。任意であるが、相互接続層410は、基板として作用するに適した物質(例えば、ヘレウスにより製造されるCT765及びCT707の如き物質の混合物又はFR4等)で形成される。
【0028】
ハイブリッド回路100と同様に、ハイブリッド回路101においても、種々なタイプの回路素子125が使用され、例えば、回路素子125は、
1.受動デバイス(例えば、抵抗、キャパシタ)
2.動作するのに電力源を必要とする能動デバイス(例えば、集積回路、トランジスタ)、又は
3.他の素子、例えば、個別素子(例えば、ダイオード)
を含むことができる。
【0029】
任意であるが、ある素子は、相互接続層410に埋め込まれ、ある素子は、相互接続層410上にサーフェスマウントされ、そして、あるものは、相互接続層410の孔へはめ込まれてそこに半田付けされ、又は、当業者に知られた他の方法により相互接続層410へ接続される。本発明の典型的な実施形態では、回路101には、ハイブリッド回路101により形成されたモジュールと他の回路又は装置との間の接続を行うための1つ以上のコンタクト115が設けられる。本発明の幾つかの実施形態では、コンタクト115は、ボールグリッドアレイコンタクト(BGA)、ランドグリッドアレイ(LGA)又は他のタイプのコンタクトである。任意であるが、これらコンタクトは、回路の隅部にあっても、中央部にあっても、又は、ハイブリッド回路101の下の他の任意の位置にあってもよい。
【0030】
本発明の典型的な実施形態では、ハイブリッド回路101は、GPS(グローバルポジショニングシステム)装置、携帯電話(例えば、GPRS/GSM)装置、ワイヤレスネットワーク(Wi−Fi)装置又は他のタイプの装置のための機能を与えるように実施され、これら装置は、0.01GHzと100GHzとの間に亘る周波数での通信を必要とするものであり、例えば、無線周波数では、約80MHz、GPSでは、約1.5GHz、Wi−Fiでは、約2.4GHz、レーダーでは、約70GHzである。本発明の典型的な実施形態では、パッチアンテナ150は、導体プレート155及び平行接地プレート140で形成される。任意であるが、フィードライン160は、アンテナ150により与えられる信号を取り扱うため、導体パッチプレート155と電子回路420との間の導電接続として作用する。本発明の典型的な実施形態では、導体プレート155は、単一平面に配設されたワイヤフレームを含み、正方形、平行四辺形、台形、四辺形、円形、楕円形、又は他の平面形状とされている。任意であるが、接地プレート140は、導体プレート155と同様の形状である。本発明の典型的な実施形態では、誘電体物質145は、使用される誘電体物質の組成に依存して、プレート(140、155)に対して必要とされるサイズを減少させるように、それらプレートの間に配設される。本発明の幾つかの実施形態では、接地プレート140、導体プレート155及び誘電体145は、全て等しいサイズである。別の仕方として、一方の層の方が、他方の層より大きくてもよく、又は全ての層のサイズが異なってもよい。
【0031】
任意であるが、ハイブリッド回路101は、アンテナ誘電体を通して接地プレート140と外部装置との間の接続を許すような接続130を有する。
【0032】
前述した方法及び装置は、ステップを省略したり追加したり、ステップの順序及び使用される装置のタイプを変えたりすることを含めて多くの仕方において変更することができることは理解されよう。異なる特徴を異なる仕方にて組み合わせることができることも理解されたい。特に、特定の実施形態において前述した特徴のどれもが、本発明のどの実施形態においても、必ず必要というものではない。前述の特徴の更なる組合せも、本発明の幾つかの実施形態の範囲内に入るものと考えられる。
【0033】
本発明は、特定的に示し前述したようなもの限定されるものではないことは、当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0034】
100・・・ハイブリッド回路、101・・・ハイブリッド回路、110・・・基板、115・・・コンタクト、120・・・接続、125・・・回路素子(ルーフオーバー素子)、130・・・接続、140・・・平行接地プレート、145・・・誘電体物質、150・・・一体平面パッチアンテナ(導体アンテナ)、155・・・導体プレート(導体パッチプレート)、160・・・フィードライン、180・・・電子回路、310・・・接地コネクタ、320・・・パッチコネクタ、410・・・相互接続層、420・・・電子回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体アンテナモジュールを有するハイブリッド回路であって、
回路素子を含む電子回路と、
アンテナモジュールと、
を含み、前記アンテナモジュールは、
誘電体物質であって、該誘電体物質により包囲された空洞を形成するような形状とされた誘電体物質と、
前記誘電体物質の一方の側にある導電パッチと、
を備えており、
前記回路素子は、前記誘電体物質により包囲されており、前記回路の前記素子は、前記誘電体物質により形成された前記空洞の内側に配置されている、ハイブリッド回路。
【請求項2】
前記空洞に面した前記誘電体物質の他方の側に接地パッチを更に備える、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項3】
前記誘電体物質により形成された前記空洞に対するカバーとして作用する基板を更に備えており、前記回路素子は、該素子が前記空洞へと延長するようにして、前記基板に埋め込まれている、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項4】
前記回路素子は、該素子が前記空洞へと延長するようにして、前記接地パッチに隣接した相互接続層に埋め込まれている、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項5】
前記相互接続層は、前記アンテナの接地として作用する、請求項4に記載のハイブリッド回路。
【請求項6】
前記相互接続層は、前記アンテナの接地に結合される、請求項4に記載のハイブリッド回路。
【請求項7】
前記アンテナは、GPSアンテナ又は携帯電話アンテナとして作用するように適応される、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項8】
前記空洞は、前記回路素子を取り囲む充填物質で満たされる、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項9】
前記充填物質は、中実ハイブリッド回路を形成するように固化される、請求項8に記載のハイブリッド回路。
【請求項10】
前記ハイブリッド回路の幅及び長さは、各々、前記ハイブリッド回路の厚さのサイズの少なくとも2倍である、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項11】
前記導電パッチ及び前記接地パッチは、同じサイズ及び形状を有する、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項12】
前記導電パッチ及び前記接地パッチは、サイズが異なっている、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項13】
前記導電パッチ及び前記接地パッチは、形状が異なっている、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項14】
前記電子回路は、前記誘電体物質を通して前記導電プレートに接続される、請求項1に記載のハイブリッド回路。
【請求項15】
前記電子回路は、前記誘電体物質の周りに延びる接続でもって前記導電プレートに接続される、請求項1に記載のハイブリッド回路。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−517759(P2012−517759A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549731(P2011−549731)
【出願日】平成22年2月14日(2010.2.14)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000132
【国際公開番号】WO2010/092582
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.GSM
【出願人】(511198070)
【出願人】(508258334)オリジン・ジーピーエス・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】ORIGIN GPS LTD
【住所又は居所原語表記】High−tech Village,Givat Ram Campus,Hebrew University,P.O. Box 39158,91391 Jerusalem,Israel
【Fターム(参考)】