説明

アンテナリフレクタの製造方法及びアンテナリフレクタ

【課題】製造工程が少ないアンテナリフレクタの製造方法及びアンテナリフレクタを提供する。
【解決手段】ヤーン又はクロスの状態の繊維に金属皮膜を形成する金属皮膜形成ステップと、金属蒸着クロス1、ガラスクロス2、ピールプライ3、樹脂拡散ネット4、及びバギングフィルム5を成型型8の上に順に設置する設置ステップと、成型型8とバギングフィルム5とを、チューブ6を間に挟み、隙間なく接着する接着ステップと、チューブ6を介して空気を外部に排出する排気ステップと、樹脂を注入する注入ステップと、注入ステップにて注入された樹脂の硬化後に、硬化後の金属蒸着クロス1及びガラスクロス2を取り外す取り外しステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アンテナリフレクタの製造方法及びアンテナリフレクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンテナリフレクタは、電波を反射させるために表面の鏡面精度と導電性とが求められる。そのため金属板の板金加工又は絞り加工等を用いて製造されることが多い。
繊維強化プラスチック(FRP)は比強度が高いため軽量化を目的として使用されることもある。繊維強化プラスチックを用いたアンテナリフレクタに関して、特許文献1には、反射面に導電性織布(6)を形成した繊維強化プラスチック反射鏡アンテナが記載されている。また、プリプレグを用いた繊維強化プラスチック成形体に関して、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−205005
【特許文献2】特開平6−8240
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているFRP反射鏡アンテナでは、反射面側の導電層、中間の電波吸収体、及び反射面とは反対側の導電性塗料等で塗装した導電層の3層から構成されており、反射面とは反対側の面では導電性塗料での塗装が必要となるなど製造工程が多くなるという課題があった。
また、特許文献2に記載されている繊維強化プラスチック成形体は、プリプレグの作製工程、プリプレグの貼り付け工程、金型中での加熱硬化工程、バリ取り工程、研磨工程、及びクリヤー塗装工程など製造工程が多くなるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、製造工程が少ないアンテナリフレクタの製造方法及びアンテナリフレクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るアンテナリフレクタの製造方法は、ヤーン又はクロスの状態の繊維に金属皮膜を形成する金属皮膜形成ステップと、金属皮膜形成ステップにて金属皮膜が形成された第1の繊維、金属皮膜が形成されていない第2の繊維、樹脂が透過可能であって硬化後の樹脂に対する剥離性を有する剥離シート、樹脂の流動を促進するための空隙を備える拡散ネット、及び通気性のないフィルムを成型型の上に順に設置する設置ステップと、成型型とフィルムとを、チューブを間に挟み、隙間なく接着することでチューブの貫通孔以外を密閉する接着ステップと、貫通孔を介してフィルムと成型型とで囲まれた空間内の空気を外部に排出する排気ステップと、排気ステップにて空気が排出された空間内に貫通孔を介して樹脂を注入する注入ステップと、注入ステップにて注入された樹脂の硬化後に、フィルム、拡散ネット、剥離シート及びチューブを取り外し、硬化後の第1の繊維及び第2の繊維を成型型から取り外す取り外しステップと、を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、プリプレグは用いずに、ヤーン(糸)又はクロスの状態で金属皮膜が形成された第1の繊維と、金属皮膜が形成されていない第2の繊維と、副資材とを設置し、樹脂の注入及び硬化を行っているために、製造工程の少ないアンテナリフレクタの製造方法及びアンテナリフレクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1のアンテナリフレクタの層構成を示す図である。
【図2】この発明のアンテナリフレクタの製造方法を説明するための図である。
【図3】実施の形態2のアンテナリフレクタの層構成を示す図である。
【図4】実施の形態3のアンテナリフレクタの層構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、この発明のアンテナリフレクタ10の層構成を示す図である。
この図に示すように、この実施の形態のアンテナリフレクタ10は、金属蒸着クロス(第1の繊維)1とガラスクロス2(第2の繊維)とに樹脂を浸透させ、当該浸透された樹脂を金属蒸着クロス1とガラスクロス2と共に硬化されることで製造される、40GHzまでの周波数で使用されるアンテナのアンテナリフレクタである。
【0010】
金属蒸着クロス1は、ヤーン(糸)の状態又はクロス(織物)の状態でCu-Niの金属蒸着、金属メッキ、又は、金属蒸着と金属メッキとの両方を用いて金属皮膜を施した補強部材(繊維)としてのクロスである。金属蒸着クロス1は、アンテナリフレクタ10のうちの反射面側表面の少なくとも一層を構成する。金属皮膜の厚さは、0.1マイクロメートル以上且つ30マイクロメートル以下が好適である。金属皮膜は、具体的にアルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ及びニッケルの内の少なくとも1つを用いることが可能である。
【0011】
金属蒸着クロス1の主原料は、ガラス、樹脂材料、又は炭素繊維材料とすることが可能である。樹脂材料の例としてPET(Polyethylene terephthalate)、ポリエチレン(polyethylene)及びポリエステル(polyester)等があげられる。金属蒸着クロス1は、織物(クロス)状態とすることが好適であるがマット状態としてもよい。
金属蒸着クロス1は、電気的に最適な枚数を必要であれば角度をずらして、即ち繊維の方向が互いに異なる(繊維の方向に依存しない)状態で積層してもよい。反射面の構成に関して、金属蒸着クロス1の枚数を多くして、更に角度をずらすことで反射効率を上げているため、製造工程を減らすことができるという効果がある。
【0012】
ガラスクロス2は、金属蒸着クロス1の反射面とは反対側に積層された金属蒸着及び金属メッキを施していないクロス又はマットである。ガラスクロス2の主原料は、ガラス、樹脂材料、又は炭素繊維材料とすることが可能である。樹脂材料の例としてPET(Polyethylene terephthalate)、ポリエチレン(polyethylene)及びポリエステル(polyester)等があげられる。
【0013】
ガラスクロス2は、層状に複数枚重ねてもよい。ガラスクロス2の枚数は、アンテナリフレクタ10に必要な強度等に基づいて決められる枚数とすることが可能である。
【0014】
次に、図2を参照してこの実施の形態1に係る、VaRTM法を用いたアンテナリフレクタ10の製造方法について説明する。
ガラス又は樹脂材料を主原料とする繊維に対して、ヤーン又はクロスの状態で金属蒸着、金属メッキ、又は、金属蒸着と金属メッキとの両方を施して金属皮膜を形成することで金属蒸着クロス1を作成する(金属皮膜形成ステップ)。
【0015】
凸型の成型型8上に型面側から、金属蒸着クロス1を電気的に最適な枚数だけ、必要であれば角度をずらし、一番下に設置する。設置した金属蒸着クロス1の上に、強度的に必要な厚さに金属蒸着及び金属メッキを施していないガラスクロス2を設置する。設置したガラスクロス2の上にピールプライ(剥離シート)3、樹脂拡散ネット(拡散ネット)4、バギングフィルム(フィルム)5等の副資材を設置する(設置ステップ)。
【0016】
成型型8とバギングフィルム5との間にチューブ6を設置し、シールテープ7を用いて成型型8とバギングフィルム5とをチューブ6を間に挟み隙間なく接着する(接着ステップ)。これにより、チューブ6における貫通孔以外を密閉することが可能となる。
【0017】
チューブ6の貫通孔を介して、バギングフィルム5と成型型8とで囲まれた空間内の空気を外部に排出する(排気ステップ)。これにより、金属蒸着クロス1及びガラスクロス2の周辺及び空隙内の気圧が低下する。従って、そこへの樹脂の浸透が容易となる。
【0018】
上記空気が排出された空間内に、チューブ6の貫通孔を介して樹脂を注入する(注入ステップ)。
注入した樹脂の硬化後に、バギングフィルム5、樹脂拡散ネット4、ピールプライ3、及びチューブ6を取り外し、硬化後の金属蒸着クロス1及びガラスクロス2(アンテナリフレクタ10)を成型型8から取り外す(取り外しステップ)。
必要な外周及び取付穴部分等の後加工、並びに必要であれば塗装を行い、製品が出来上がる。
【0019】
ピールプライ3は、樹脂が透過可能であり、硬化後の樹脂に対して剥離性を有する。ピールプライ3は、製品と副資材とが樹脂によって張り付くことを防止する機能を備える。これにより、樹脂硬化後に樹脂と他の副資材とが剥がれやすくなる効果を得る。ピールプライ3は、ポリエステルを用いた軟性のクロス(織物)とすることが好適である。代表的な商品名として例えばEcono Ply J(Air Tech社)を挙げることができる。但しこれに限らず、フェノール樹脂等樹脂材料との相性を確認した上で種々利用可能である。はがす際の目印となるため、着色品又はラインの入ったものが好適である。
【0020】
樹脂拡散ネット4は、ガラスクロス2の上に設置されたピールプライ3と、バギングフィルム5との間に挿入され、樹脂の流動を促進する機能を備える。樹脂拡散ネット4は、あらゆる方向の空隙を備える。これによって、クロスに浸透させる樹脂が均一に流動する効果を得る。樹脂拡散ネット4は、軟性のシート状又はメッシュ状(織物)とすることが好適である。代表的な商品名として例えば35-FM-007を挙げることができる。
【0021】
バギングフィルム5は、型と同様の機能を備える。また、バギングフィルム5は、積層された金属蒸着クロス1及びガラスクロス2に樹脂を流し込む際の適切な隙間を形成する機能を備える。また、バギングフィルム5は、製造中のアンテナリフレクタ10の周囲の真空度を保つ機能を備える。即ち、バギングフィルム5は、通気性がなく、金属蒸着クロス1及びガラスクロス2周辺の空気と外気とを遮断する。
【0022】
バギングフィルム5は、材質として軟性のナイロン(ナイロンフィルム)を用いることが好適である。バギングフィルム5の厚さは、約38マイクロメートルのシート状とすることが好適である。代表的な商品名として例えばEconolon(Air Tech社)を挙げることができる。但しこれに限らず、耐熱性、耐スチレン(及びその他の溶剤)性、ガスバリア性、及び伸び等に基づいて種々選択可能である。なお、バギングフィルム5は、一般的には価格の観点から伸び性を犠牲にして、しわを寄らせて用いられる。
【0023】
チューブ6は、樹脂を流し込む時の樹脂の通路としての機能を備える。また、チューブ6は、真空吸引を行う時に吸い出し口としての機能を備える。材質としてポリエチレンを用いた軟性で厚さ略1.5ミリメートル以上2ミリメートル以下である一般的なPEチューブが好適である。
【0024】
シールテープ7は、バギングフィルム5と成型型8とを接着するためのテープである。成型型8は、樹脂素材とすることができる。
チューブ6を介して注入する樹脂は導電性樹脂でも非導電性樹脂でもよい。具体的には、エポキシ系、ビニルエステル系、不飽和ポリエステル系及びフェノール系樹脂等を用いることができる。代表的な商品名としてビニルエステル系のリポキシ(登録商標)R7070(昭和電工株式会社製)を挙げることができる。
【0025】
以上より、この実施の形態1に係るアンテナリフレクタ10の製造方法は、ヤーン又はクロスの状態の繊維に金属皮膜を形成し、上記金属皮膜が形成された金属蒸着クロス1、金属皮膜が形成されていないガラスクロス2、樹脂が透過可能であって硬化後の樹脂に対する剥離性を有するピールプライ3、樹脂の流動を促進するための空隙を備える樹脂拡散ネット4、及び通気性のないバギングフィルム5を成型型8の上に順に設置し、成型型8とバギングフィルム5とを、チューブ6を間に挟み、隙間なく接着することでチューブ6の貫通孔以外を密閉し、チューブ6の貫通孔を介してバギングフィルム5と成型型8とで囲まれた空間内の空気を外部に排出し、上記空気が排出された空間内にチューブ6の貫通孔を介して樹脂を注入し、注入された樹脂の硬化後に、バギングフィルム5、樹脂拡散ネット4、ピールプライ3及びチューブ6を取り外し、硬化後の金属蒸着クロス1及びガラスクロス2を成型型8から取り外している。このためプリプレグの作製工程、プリプレグの貼り付け工程、加圧加熱の工程、塗料などを塗布することで表面に導電層を形成する工程、成型後のリフレクタに金属蒸着を施す工程、リフレクタの中間に電波吸収体層を形成する工程、並びに、バリ取り、研磨及びクリヤー塗装等の後処理工程等を省略することができる。従って、製造工程の少ないアンテナリフレクタ10の製造方法及びアンテナリフレクタ10を提供することができるという効果がある。
【0026】
また、実施の形態1に係るアンテナリフレクタ10は、金属皮膜が形成された少なくとも2枚の金属蒸着クロス1と、金属皮膜が形成されていないガラスクロス2とから構成され、少なくとも2枚の金属蒸着クロス1は、互いに繊維の方向が異なることを特徴としてもよい。このため、製造工程を増やすことなく反射効率を上げることができるという効果がある。
【0027】
また、実施の形態1に係るアンテナリフレクタ製造方法は、加圧加熱が必要であるプリプレグを用いる場合の金型と比較して安価な成型型8を用いることが可能である。更に、プリプレグを用いる場合に必要となるオートクレーブが不要である。従って、製造のためのコストを下げることができるという効果がある。
更に、従来用いられている金属製のアンテナリフレクタに比べて耐候性などの耐環境性の向上も見込まれる。
【0028】
なお、特許文献1に記載されたようにプリプレグを用いてFRPを形成する場合、電波の反射性を持たせるため表面に導電層を形成する必要があるが、導電層形成のために塗料などを塗布する場合、均一に塗布するために一定の技術が必要となる。更に電波吸収体は加工しにくく、精度も求められる。
【0029】
プリプレグを使用せずにVaRTM法などの成形方法を用いて成型を行えば、成型型もいわゆる金型ではなく樹脂型等を使用できる。また、VaRTM法を用いれば、従来までのFRP成形で用いられていたオートクレーブを使用せずに成形できる。また設備面でも発熱硬化型の樹脂を使用すれば、大型の乾燥硬化炉も必要なく安価に製造が可能となる。またプリプレグを用いる場合、プリプレグの寿命が短いために寿命管理の負担が大きいが、一方、この実施の形態に係る製造方法を用いる場合、クロスと樹脂とを別々に保管できるため寿命管理の負担を軽減できるという効果がある。
【0030】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2のアンテナリフレクタ10の層構成を示す図である。図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので重複する説明は省略する。
この実施の形態2に係るアンテナリフレクタ10は、全ての層を実施の形態1で示した金属蒸着クロス1(第1の繊維、第2の繊維)で構成した。
これによりアンテナリフレクタ10の反射特性を上げることができる。
【0031】
金属蒸着クロス1は、互いに角度をずらして積層してもよい。即ち、繊維の方向に依存しない状態で積層してもよい。このような構成とすることで製造工程を増やすことなく反射特性を更に向上させることができるという効果がある。
【0032】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3のアンテナリフレクタ10の層構成を示す図である。図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので重複する説明は省略する。
この実施の形態3に係るアンテナリフレクタ10は、表面(反射面側)及び裏面(反射面とは反対側)を実施の形態1で示した金属蒸着クロス1(第1の繊維、第3の繊維)で構成した。表面及び裏面の金属蒸着クロス1によって挟まれるように、表面及び裏面の金属蒸着クロス1間距離を適切に保つ厚さとなるガラスクロス2(第2の繊維)を積層する。
これにより、アンテナリフレクタ反射面からの漏れを抑制することができる。また、電波の裏面での反射を抑制することができるという効果がある。
【0033】
表面の金属蒸着クロス1は、電気的に最適な枚数とし、互いに角度をずらして積層してもよい。即ち、繊維の方向に依存しない状態で積層してもよい。このような構成とすることで製造工程を増やすことなく反射特性を向上させることができるという効果がある。
【0034】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 金属蒸着クロス、2 ガラスクロス、3 ピールプライ(剥離シート)、4 樹脂拡散ネット(拡散ネット)、5 バギングフィルム(フィルム)、6 チューブ、7 シールテープ、8 成型型、10 アンテナリフレクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヤーン又はクロスの状態の繊維に金属皮膜を形成する金属皮膜形成ステップと、
前記金属皮膜形成ステップにて金属皮膜が形成された第1の繊維、前記金属皮膜が形成されていない第2の繊維、樹脂が透過可能であって硬化後の前記樹脂に対する剥離性を有する剥離シート、前記樹脂の流動を促進するための空隙を備える拡散ネット、及び通気性のないフィルムを成型型の上に順に設置する設置ステップと、
前記成型型と前記フィルムとを、チューブを間に挟み、隙間なく接着することで前記チューブの貫通孔以外を密閉する接着ステップと、
前記貫通孔を介して前記フィルムと前記成型型とで囲まれた空間内の空気を外部に排出する排気ステップと、
前記排気ステップにて空気が排出された空間内に前記貫通孔を介して前記樹脂を注入する注入ステップと、
前記注入ステップにて注入された樹脂の硬化後に、前記フィルム、前記拡散ネット、前記剥離シート及び前記チューブを取り外し、硬化後の前記第1の繊維及び前記第2の繊維を前記成型型から取り外す取り外しステップと、
を含むことを特徴とするアンテナリフレクタの製造方法。
【請求項2】
前記設置ステップにて、前記金属皮膜形成ステップにて金属皮膜が形成された第1の繊維、前記金属皮膜形成ステップにて金属皮膜が形成された第2の繊維、樹脂が透過可能であって硬化後の前記樹脂に対する剥離性を有する剥離シート、前記樹脂の流動を促進するための空隙を備える拡散ネット、及び通気性のないフィルムを成型型の上に順に設置することを特徴とする請求項1記載のアンテナリフレクタの製造方法。
【請求項3】
前記設置ステップにて、前記金属皮膜形成ステップにて金属皮膜が形成された第1の繊維、金属皮膜が形成されていない第2の繊維、前記金属皮膜形成ステップにて金属皮膜が形成された第3の繊維、樹脂が透過可能であって硬化後の前記樹脂に対する剥離性を有する剥離シート、前記樹脂の流動を促進するための空隙を備える拡散ネット、及び通気性のないフィルムを成型型の上に順に設置し、
前記取り外しステップにて、前記注入ステップにて注入された樹脂の硬化後に、前記フィルム、前記拡散ネット、前記剥離シート及び前記チューブを取り外し、硬化後の前記第1の繊維、前記第2の繊維及び前記第3の繊維を前記成型型から取り外す、
ことを特徴とする請求項1記載のアンテナリフレクタの製造方法。
【請求項4】
前記設置ステップにて、前記金属皮膜が形成されている第1の繊維を少なくとも2枚その繊維の方向が互いに異なるように設置することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のアンテナリフレクタの製造方法。
【請求項5】
前記成型型は、樹脂素材からなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナリフレクタの製造方法。
【請求項6】
金属皮膜が形成された少なくとも2枚の第1の繊維と、
金属皮膜が形成されていない第2の繊維とから構成され、
前記少なくとも2枚の第1の繊維は、互いに繊維の方向が異なる
ことを特徴とするアンテナリフレクタ。
【請求項7】
前記金属皮膜は、金属蒸着又は金属メッキを0.1マイクロメートル以上且つ30マイクロメートル以下の厚さ施して形成されることを特徴とする請求項6記載のアンテナリフレクタ。
【請求項8】
前記金属皮膜は、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ及びニッケルの内の少なくとも1つで構成されることを特徴とする請求項6または請求項7記載のアンテナリフレクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−175638(P2012−175638A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38460(P2011−38460)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】