説明

イソオキサゾール誘導体

本発明は、式(I)(X、R、R、R、R、及びRは本明細書に記載されたとおりである)示される新規のイソオキサゾール誘導体ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルに関する。本発明の活性化合物はGABA Aα5受容体に対する親和性及び選択性を有する。さらに、本発明は式(I)の活性化合物の製造、それらを含む医薬組成物、及びそれらの医薬としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GABA Aα5受容体に対する親和性及び選択性を有するイソオキサゾール誘導体、それらの製造、それらを含む医薬組成物、及び医薬としてのそれらの使用に関する。
【0002】
特に、本発明は、式(I):
【化1】


[式中、X、R、R、R、R及びRは、以下及び特許請求の範囲に記載されたとおりである]で示されるイソオキサゾール誘導体に関する。
【0003】
主要な抑制性神経伝達物質のγ−アミノ酪酸(GABA)の受容体は、2つの主要なクラス:(1)リガンド開口型イオンチャンネルスーパーファミリーのメンバーであるGABA A受容体及び(2)G−タンパク質結合受容体ファミリーのメンバーであるGABA B受容体に分けられる。膜結合ヘテロ五量体タンパク質ポリマーであるGABA A受容体複合体は、主にα、β及びγサブユニットからなる。
【0004】
現在、GABA A受容体の総数21種のサブユニットがクローン化され、配列決定されている。サブユニットの3つの型(α、β及びγ)は、哺乳類の脳細胞から得られる天然GABA A受容体の生物化学的、電気生理学及び薬理学的機能を最も厳密に模倣する、組み換えGABA A受容体の構築に必要である。ベンゾジアゼピン結合サイトが、α及びγサブユニット間に存在することの強い証拠がある。組み換えGABA A受容体のうち、α1β2γ2は古典的なI型BzRサブタイプの多数の作用を模倣するが、一方、α2β2γ2、α3β2γ2及びα5β2γ2イオンチャンネルは、II型BzRと呼ばれる。
【0005】
McNamara及びSkeltonにより、Psychobiology, 1993, 21:101-108において、ベンゾジアゼピン受容体逆アゴニストβ−CCMは、Morrisの水迷路における空間学習を強化することが示されている。しかしながら、β−CCM及び他の従来のベンゾジアゼピン受容体逆アゴニストは、けいれん誘発性又はけいれん性であり、これがヒトにおける認識促進剤としてのそれらの使用を妨げている。加えて、これらの化合物はGABA A受容体サブユニットの中で非選択的であるが、一方で、GABA Aα1及び/又はα2及び/又はα3受容体結合部位での活性が比較的ないGABA Aα5受容体の部分的又は完全逆アゴニストは、けいれん誘発作用が減少しているか又はこれがない、認識を促進することに有用である医薬を提供するために使用することができる。GABA Aα1及び/又はα2及び/又はα3受容体結合部位での活性がないわけではないが、α5含有サブユニットに対して機能的に選択的であるGABA Aα5逆アゴニストの使用がまた可能である。しかしながら、GABA Aα5サブユニットに選択的且つGABA Aα1、α2及びα3受容体結合部位における活性が相対的にない、逆アゴニストが好ましい。
【0006】
GABA A α5サブユニットと中枢神経系の様々な疾患の処置との間の関連を確立するために、Neuroscience Letts., 2005, 381, 108-13、Neuropsychobiology, 2001, 43(3), 141-44、Amer. J. Med. Genetics, 2004, 131B, 51-9、Autism 2007, 11(2): 135-47、Investigacion Clinica, 2007, 48, 529-41、Nature Neuroscience, 2007, 10, 411-13、Neuroscience Letts., 2008, 433, 22-7及びCell 2008, 135, 549-60のような文献が刊行されてきた。
【0007】
本発明の目的は、式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステル、上述の化合物の調製、それらを含む医薬及びそれらの製造、ならびにGABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防における上述の化合物の使用である。本発明の化合物は、好ましくはGABA Aα5の逆アゴニストである。
【0008】
本発明の化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルは、単独で又は他の薬剤と組み合わされて、認識促進剤として、あるいは急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防のために用いることができる。
【0009】
特に断りのない限り、以下の定義は本明細書において本発明を記述するために用いられている様々な用語の意味及び範囲を例示及び定義することを説明する。
【0010】
以下の一般用語の定義は、問題の用語が単独で又は組み合わされて現れるかにかかわらず適用される。
【0011】
本出願において用いられている命名法は、IUPAC体系的な命名の生成のための、Beilstein InstituteのコンピュータシステムであるAutoNom(商標)2000に基づいている。本明細書において示されている化学構造は、ISIS(商標)/Draw version 2.5を用いて作成した。本明細書において、構造中の炭素、酸素、硫黄又は窒素原子上に現れる任意の空の原子価(open valency)は、水素原子の存在を示す。
【0012】
用語「置換されている」は、そうでないことが特に定められない限り、特定の基又は部分が、1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができることを意味する。任意の基が複数の置換基を有することができ、且つ様々な可能な置換基が提供される場合、置換基は独立して選択され、同じである必要はない。用語「非置換」は、特定の基が置換基を有さないことを意味する。用語「場合により置換されている」は、特定の基が非置換であるか又は可能な置換基の群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていることを意味する。置換基の数を示すとき、用語「1つ以上」は、1つの置換基から可能な最大数の置換、即ち1つの水素から全ての水素が置換基により置換されることを意味する。そうでないことが特に定められない限り、1、2、3、4又は5個の置換基が好ましい。
【0013】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表し、フッ素が好ましい。
【0014】
用語「低級−アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含む飽和の直鎖又は分枝鎖状の基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルならびに本明細書下記の実施例において具体的に例示された基を指す。好ましい低級−アルキル基は、メチル及びn−ブチルである。
【0015】
用語「低級−アルコキシ」は、Rが上記と同義の低級−アルキル基である、基−O−Rを指す。
【0016】
用語「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルならびに本明細書下記の実施例において具体的に例示された基のような、3〜7個の環炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子の、一価の飽和環式炭化水素基を表す。
【0017】
用語「ヘテロシクリル」は、N、O又はSより選択される1、2又は3個の環へテロ原子を含む、一価の3〜7員の飽和又は部分不飽和の単環式の環を表す。1又は2個の環ヘテロ原子が好ましい。好ましいものは、N、O又はSより選択される1又は2個の環へテロ原子を含む、4〜6員ヘテロシクリルである。Sは、場合により2個のオキソ基で置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例は、ピロリジニル、テトラヒドロ−フラニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロ−チエニル、テトラヒドロ−ピリジニル、テトラヒドロ−ピリル、アゼチジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル(oxazepanyl)又はジヒドロ−オキサゾリルならびに本明細書下記の実施例において具体的に例示された基である。好ましいヘテロシクリルには、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルがある。特に好ましいヘテロシクリルは、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルである。
【0018】
用語「アリール」は、6〜14個、好ましくは6〜10個の炭素原子を含み、且つ少なくとも1個の芳香環、又は少なくとも1個の環が芳香族である複数の縮合環を有する、一価の芳香族炭素環の環系を表す。アリールの例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル又はインダニルならびに本明細書下記の実施例において具体的に例示された基である。好ましいアリールは、フェニルである。アリールはまた、例えば下記及び特許請求の範囲に定義されたとおりに置換されることができる。
【0019】
用語「ヘテロアリール」は、フリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノリニル又はイソキノリニルならびに本明細書下記の実施例において具体的に例示された基のような、窒素、酸素及び/又は硫黄より選択される1、2又は3個の原子を含むことができる、芳香族の5〜6員の単環式の環又は9〜10員の二環式の環を表す。ヘテロアリールはまた、例えば下記及び特許請求の範囲に定義されたとおりに置換されることができる。好ましいヘテロアリール基は、5−フルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0020】
用語「ハロゲンで置換されている低級−アルキル」は、ハロゲンで一置換又は多置換されている、低級−アルキル基を表す。ハロゲン基で置換された低級−アルキルの例は、例えば、CFH、CFH、CF、CFCH、CF(CH、(CFCH又はCFH−CFならびに本明細書下記の実施例において具体的に例示された基である。
【0021】
用語「ヒドロキシで置換されている低級−アルキル」は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられている、上記と同義の低級−アルキル基を指す。ヒドロキシで置換された低級−アルキルの例は、1つ以上のヒドロキシ基で、特に1、2又は3個のヒドロキシ基で、好ましくは1又は2個のヒドロキシ基で置換された、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシルを含むが、これらに限定されない。
【0022】
式(I)の化合物は、薬学的に許容される酸付加塩を形成することができる。そのような薬学的に許容される塩の例は、式(I)の化合物と、生理的に適合した、塩酸、硫酸、亜硫酸もしくはリン酸のような鉱酸との;又はメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸もしくはサリチル酸のような有機酸との塩である。用語「薬学的に許容される塩」は、そのような塩を表す。例えばCOOH基のような酸性基を含む式(I)の化合物は、さらに塩基と塩を形成することができる。そのような塩の例は、例えばNa−、K−、Ca−及びトリメチルアンモニウム塩のような、アルカリ、アルカリ土類及びアンモニウム塩である。用語「薬学的に許容される塩」はまた、そのような塩を表す。
【0023】
用語「薬学的に許容されるエステル」は、カルボキシル基がエステルへと変換した、式(I)の化合物の誘導体を包含する。低級−アルキル、ヒドロキシで置換された低級−アルキル、低級−アルコキシで置換された低級−アルキル、アミノ−低級−アルキル、モノ−又はジ−低級−アルキル−アミノ−低級−アルキル、モルホリノ−低級−アルキル、ピロリジノ−低級−アルキル、ピペリジノ−低級−アルキル、ピペラジノ−低級−アルキル、低級−アルキル−ピペラジノ−低級−アルキル及びアリール−低級−アルキルエステルが、適切なエステルの例である。メチル、エチル、プロピル、ブチル及びベンジルエステルが、好ましいエステルである。用語「薬学的に許容されるエステル」はさらに、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような、生物に非毒性の無機又は有機酸で、ヒドロキシ基が対応するエステルに変換した、式(I)の化合物を包含する。
【0024】
詳細には、本発明は、一般式(I):
【化2】


[式中、
Xは、CR又はNであり、ここで、Rは、水素又は低級−アルキルであり;
は、低級−アルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
ここで、低級−アルキルは、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよく、
そして、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合により、ハロゲン、シアノ、低級−アルキル、ハロゲンで置換されている低級−アルキル、ヒドロキシで置換されている低級−アルキル、低級−アルキル−C(O)OH、低級−アルキル−C(O)O−低級−アルキル、低級−アルキル−CO−NH、低級−アルキル−CO−N(H,低級−アルキル)、低級−アルキル−CO−N(低級−アルキル)、低級−アルキル−NH、低級−アルキル−N(H,低級−アルキル)、低級−アルキル−N(低級−アルキル)、低級−アルコキシ−低級−アルキル、CO−低級−アルキル、COOH、COO−低級−アルキル、CONH、CON(H,低級−アルキル)、CON(低級−アルキル)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、NH、N(H,低級−アルキル)、N(低級−アルキル)、ヒドロキシ、低級−アルコキシ、フェニルオキシ、SO−低級−アルキル、SO−NH、SO−N(H,低級−アルキル)及びSO−N(低級−アルキル)からなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよく;
は、水素、又は場合により、ハロゲン、シアノ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい低級−アルキルであり;
は、水素、又は場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい低級−アルキルであり;
、Rは、互いに独立して、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されている、水素、低級−アルキル、SO−低級−アルキル、シクロアルキル及びヘテロシクリルからなる群より選択されるか、
又はここでR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロシクリルを形成する]
で示される化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルに関する。
【0025】
式(I)の化合物は個別に好ましく、またその薬学的に許容される塩は個別に好ましく、またその薬学的に許容されるエステルは個別に好ましく、式(I)の化合物が特に好ましい。
【0026】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有することができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、例えばラセミ体など、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学的に活性な形態は、例えば、ラセミ体の分割、不斉合成又は不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤又は溶離剤を用いるクロマトグラフィー)によって得ることができる。本発明は、これら全ての形態を包含する。
【0027】
さらに、本明細書において開示されているとおりの特定の残基R〜Rに関する全ての実施態様が、本明細書において開示されているとおりの他の残基R〜Rに関する任意の他の実施態様と組み合わせてもよいことが理解される。
【0028】
特定の実施態様において、本発明は、一般式(I):
[式中、
Xは、CH又はNであり;
は、低級−アルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
ここで、低級−アルキルは、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよく、
そして、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合により、ハロゲン、シアノ、低級−アルキル、ハロゲンで置換された低級−アルキル、ヒドロキシで置換された低級−アルキル、低級−アルキル−C(O)OH、低級−アルキル−C(O)O−低級−アルキル、低級−アルキル−CO−NH、低級−アルキル−CO−N(H,低級−アルキル)、低級−アルキル−CO−N(低級−アルキル)、低級−アルキル−NH、低級−アルキル−N(H,低級−アルキル)、低級−アルキル−N(低級−アルキル)、低級−アルコキシ−低級−アルキル、CO−低級−アルキル、COOH、COO−低級−アルキル、CONH、CON(H,低級−アルキル)、CON(低級−アルキル)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、NH、N(H,低級−アルキル)、N(低級−アルキル)、ヒドロキシ、低級−アルコキシ、フェニルオキシ、SO−低級−アルキル、SO−NH、SO−N(H,低級−アルキル)及びSO−N(低級−アルキル)からなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよく;
は、水素、又は場合により、ハロゲン、シアノ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい低級−アルキルであり;
は、水素、又は場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい低級−アルキルであり;
、Rは、互いに独立して、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されている、水素、低級−アルキル、SO−低級−アルキル、シクロアルキル及びヘテロシクリルからなる群より選択されるか、
又はここでR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロシクリルを形成する]
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルに関する。
【0029】
式(I)の化合物の特定の実施態様において、Xは、CH又はN、好ましくはCHである。
【0030】
式(I)の化合物の特定の実施態様において、Rは、好ましくは、ハロゲンで置換されている、低級−アルキル、アリール又はヘテロアリールである。より好ましい本発明の化合物は、Rがn−ブチル、フェニル又は5−フルオロ−ピリジン−2−イルである化合物である。最も好ましいものは、Rがフェニル又は5−フルオロ−ピリジン−2−イルである化合物である。
【0031】
式(I)の化合物の特定の実施態様において、Rは低級−アルキルである。好ましい本発明の化合物は、Rがメチルである化合物である。
【0032】
式(I)の化合物の特定の実施態様において、Rは水素又は低級−アルキルである。好ましい本発明の化合物は、Rが水素である化合物である。
【0033】
式(I)の化合物の特定の実施態様において、R及びRは、互いに独立して、水素、低級−アルキル及びSO−低級−アルキルからなる群より選択される。好ましい本発明の化合物は、R及びRが、互いに独立して、水素、メチル及びSO−メチルからなる群より選択される化合物である。より好ましいものは、Rが水素であり、そしてRがSO−メチルである化合物である。さらに好ましいものは、R及びRの両方が同一で水素又はメチルのいずれかである実施態様である。
【0034】
式(I)の化合物の特定の実施態様において、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する。好ましい本発明の化合物は、R及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルからなる群より選択されるヘテロシクリルを形成する化合物である。最も好ましいものは、R及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルからなる群より選択されるヘテロシクリルを形成する化合物である。
【0035】
特に、好ましい化合物は、個別の化合物として実施例において記載されている式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩及びその薬学的に許容されるエステルである。さらに、下記の特定の実施例にて見出される置換基は、別々の本発明の好ましい実施態様を個別に形成する。
【0036】
特に好ましい本発明の式(I)の化合物は、下記:
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸ヒドラジド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピペリジン−1−イル−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド、
N−(1,1−ジオキソ−1,6−チオモルホリン−4−イル)−6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸N’−(メチルスルホニル)−ヒドラジド、
6−[(3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ]−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド、
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸2,2−ジメチル−ヒドラジド及び
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミドからなる群より選択される化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルである。
【0037】
より好ましい、本発明の式(I)の化合物は、下記:
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド、
N−(1,1−ジオキソ−1,6−チオモルホリン−4−イル)−6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチンアミド及び
6−[(3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ]−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミドからなる群より選択される化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルである。
【0038】
本発明はさらに、上記と同義の式(I)の化合物を製造するための方法であって、
a)式(II):
【化3】


で示される化合物を、HNRNRと反応させるか、又は
b)式(III):
【化4】


で示される化合物を、HNRNRと反応させるか、又は
c)式(II)の化合物を式(III)の化合物へとけん化させ、続いてHNRNRと反応させることを含む方法に関する(ここで、R、R、R、R、R及びXは、上記と同義である)。
【0039】
式(II)の化合物の、HNRNRを用いての式(I)の化合物への反応は、実施例に記載されているとおりの条件下又は当業者に周知の条件下で実施することができる。例えば、反応は、トリメチルアルミニウム存在下で、ジオキサンのような適切な溶媒中、昇温、例えば85〜95℃で行うことができる。
【0040】
式(III)の化合物の、HNRNRを用いての式(I)の化合物への反応は、実施例に記載されているとおりの条件下又は当業者に周知の条件下で実施することができる。例えば、反応は、ヒューニッヒ塩基(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)及びO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート存在下で、ジメチルホルムアミドのような適切な溶媒中、室温で行うことができる。あるいは、反応は、1,1’−カルボニルジイミダゾールの存在下、ジメチルホルムアミドのような適切な溶媒中、昇温、例えば80℃で行うことができる。さらに、反応は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及びヒューニッヒ塩基(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)存在下で、ジクロロメタンのような適切な溶媒中、室温で行うことができる。
【0041】
式(II)の化合物の式(III)の化合物へのけん化は、実施例に記載されているとおりの条件下又は当業者に周知の条件下で実施することができる。例えば、反応は、水酸化ナトリウム存在下で、水のような適切な溶媒中、室温で行うことができる。あるいは、反応は、水酸化リチウムの存在下、メタノール、テトラヒドロフラン又は水のような適切な溶媒中、室温で行うことができる。
【0042】
本発明はまた、上記記載のとおりの方法によって調製した場合の、上記と同義の式(I)の化合物に関する。
【0043】
本発明の式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、下記の工程:
a)式1:
【化5】


で示される化合物を、エタノール及び水のような適切な溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液のような塩基の存在下でヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させて、式2:
【化6】


で示される化合物を得ること;
b)続いて、式2の化合物を、DMFのような適切な溶媒中、N−クロロスクシンイミドのような塩素化試薬と反応させて、式3:
【化7】


で示される化合物を得ること;
c)そして次に、式3の化合物を、式4:
【化8】


で示される化合物と、トリエチルアミンのような適切な塩基の存在下で、クロロホルムのような適切な溶媒中で反応させて、式7:
【化9】


で示される化合物を得るか;
d)又はその代わりに、式3の化合物を、式5:
【化10】


で示される化合物と、トリエチルアミンのような適切な塩基の存在下で、ジエチルエーテルのような適切な溶媒中で反応させて、式7の化合物を得るか;
e)又はその代わりに、式3の化合物を、式6:
【化11】


で示される化合物と、トリエチルアミンのような適切な塩基の存在下で、DCMのような適切な溶媒中で反応させて、式7の化合物を得ることのいずれか;
f)式7の化合物を、THFのような適切な溶媒中で、水素化リチウムアルミニウムのような還元剤と反応させて、式8:
【化12】


で示される化合物を得てもよいか;
g)又はその代わりに、式7の化合物を、THF、MeOH又はEtOH、水のような適切な溶媒中、NaOH又はLiOHのような加水分解試薬と反応させて、式9:
【化13】


で示される化合物を得てもよいこと;
h)続いて、式9の化合物を、THF又は水のような適切な溶媒中、水素化リチウムアルミニウムのような還元剤又は水素化ホウ素ナトリウム存在下でクロロギ酸エチルと反応させ、式8の化合物を得ること;
i)式8の化合物を、水素化ナトリウムのような適切な塩基の存在下で、THFのような適切な溶媒中、式10:
【化14】


で示される化合物と反応させて、式II-A:
【化15】


で示される化合物を得てもよいこと;
j)あるいは、式8の化合物を、水素化ナトリウムのような適切な塩基の存在下、THFのような適切な溶媒中で、式11:
【化16】


で示される化合物と反応させて、式12:
【化17】


で示される化合物を得てもよいこと;
k)続いて、式12の化合物を、酢酸パラジウム(II)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンならびに炭酸ナトリウムのような適切な塩基の存在下で、一酸化炭素雰囲気下で、50℃のような昇温で、メタノールと反応させ、式II-B:
【化18】


で示される化合物を得ること;を含む方法によって調製することができる。
【0044】
スキーム1に従って、式(I)の化合物は標準的方法に従って調製することができる。
【化19】


[式中、R、R、R、R、R及びXは、上記と同義である]
【0045】
CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール
DCM=ジクロロメタン
DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)
DMF=ジメチルホルムアミド
EDAC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBt=N1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeAl=トリメチルアルミニウム
on=一晩
rt=室温
TBD=1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン
TBTU=O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
THF=テトラヒドロフラン
【0046】
酸との対応する塩は、当業者に公知の標準的方法、例えば、式(I)の化合物を例えばジオキサン又はTHFのような適切な溶媒に溶かし、適量の対応する酸を加えることによって得ることができる。生成物は通常、濾過又はクロマトグラフィーによって単離することができる。式(I)の化合物の、塩基を用いての薬学的に許容される塩への変換は、そのような化合物をそのような塩基で処理することによって実施することができる。そのような塩を形成するための1つの可能な方法は、例えば、例えばM(OH)(ここで、M=金属又はアンモニウムカチオンであり、n=ヒドロキシドアニオンの数である)のような塩基性塩の1/n当量を、適切な溶媒(例えばエタノール、エタノール−水混合物、テトラヒドロフラン−水混合物)中の化合物の溶液に加え、溶媒を蒸発させるか又は凍結乾燥によって除去することである。
【0047】
式(I)の化合物の薬学的に許容されるエステルへの変換は、分子内に存在している適切なカルボキシ基を、例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムへキサフルオロホスファート(BOP)、N,N−ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)又はO−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N,N−テトラ−メチルウロニウム−テトラフルオロボラート(TPTU)のような縮合剤を用いて、適切なアルコールで処理するか、又は酸性条件下、例えば塩酸、硫酸などのような強鉱酸の存在下での、適切なアルコールとの直接反応によって実施することができる。ヒドロキシル基を有する化合物は、類似の方法によって、適切な酸を用いてエステルに変換することができる。
【0048】
それらの調製が実施例に記載されていない場合、式(I)の化合物ならびに全ての中間体生成物は、類似の方法に従うか又は上記方法に従って調製することができる。出発物質は、市販されているか、当技術分野において公知であるか、又は当技術分野において公知の方法もしくはその類似の方法によって調製することができる。
【0049】
本発明の一般式(I)の化合物が官能基において誘導体化され、インビボで再び親化合物に変換されうる誘導体を提供することが理解されるであろう。
【0050】
上記のとおり、本発明の新規な化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステルは、有益な薬理学的特性を有し、GABA Aα5受容体のリガンドであることが見出された。本発明の化合物はしたがって、単独で又は他の薬物と組み合わせて、α5サブユニットを含有するGABA A受容体のリガンドによって調節される疾患の治療又は予防のために用いることができる。これらの疾患は、急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中、注意障害ならびに認識促進の必要を含むがこれらに限定されない。
【0051】
したがって本発明はまた、上記と同義の化合物ならびに薬学的に許容される担体及び/又は佐剤を含む医薬組成物に関する。
【0052】
本発明は同様に、治療上活性な物質としての、特にGABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための治療上活性な物質としての、特に急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防のための、あるいは認識促進剤として使用するための、上記の化合物を包含する。
【0053】
他の好ましい実施態様において、本発明は、GABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための、特に急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防のための、あるいは認識促進のための方法であって、上記と同義の化合物をヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。
【0054】
本発明はまた、GABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための、特に急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防のための、あるいは認識促進のための、上記と同義の化合物の使用を包含する。
【0055】
本発明はまた、GABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための、特に急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神障害、物質誘導精神障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防のための医薬の製造のための、あるいは認識促進剤を調製するための、上記のとおりの化合物の使用に関する。そのような医薬は、上記のとおりの化合物を含む。
【0056】
認識障害、アルツハイマー病、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、ダウン症ならびに神経線維腫症1型の治療又は予防が好ましい。
【0057】
特に好ましいものは、アルツハイマー病の治療又は予防である。
【0058】
特に好ましいものは、ダウン症の治療又は予防である。
【0059】
特に好ましいものは、神経線維腫症1型の治療又は予防である。
【0060】
該化合物は、下記に与えられた試験に従って研究した:
【0061】
膜調製及び結合アッセイ
GABA A受容体サブタイプでの化合物の親和性は、組成α1β3γ2、α2β3γ2、α3β3γ2及びα5β3γ2のラット(安定してトランスフェクトした)又はヒト(一過性にトランスフェクトした)受容体を発現するHEK293細胞への[H]フルマゼニル(85Ci/mmol;Roche)の結合に対する競合により測定した。
【0062】
細胞のペレットは、Krebs−トリス緩衝液(4.8mM KCl、1.2mM CaCl2、1.2mM MgCl、120mM NaCl、15mM トリス;pH7.5;結合アッセイ緩衝液)に懸濁させ、氷上で約20秒、ポリトロンを用いてホモジナイズし、そして60分間、4℃で遠心分離した(50000g;Sorvall、ローター:SM24=20000rpm)。細胞のペレットを、Krebs−トリス緩衝液に再懸濁させ、ポリトロンを用いて氷上で約15秒ホモジナイズした。タンパク質を測定し(ブラッドフォード法、Bio-Rad)、1mLのアリコートを調製し、−80℃で貯蔵した。
【0063】
放射性リガンド結合アッセイは、細胞膜を100mL、[H]−フルマゼニルをα1、α2、α3サブユニットには1nM、α5サブユニットには0.5nMの濃度で、及び10〜10−3x10−6Mの幅の試験化合物を含有する、200mLの容量(96−ウェルプレート)中で実施した。非特異的結合は、10−5M ジアゼパムにより規定され、典型的には総結合の5%未満に相当した。アッセイ試料は、1時間、4℃で平衡化するまでインキュベートし、Packard採取器を用いて氷冷洗浄緩衝液(50mM トリス;pH7.5)で洗浄する濾過により、GF/Cユニフィルター(Packard)上に集めた。乾燥させた後、フィルターに保持された放射線を、液体シンチレーション計数によって検出した。K値は、Excel-Fit(Microsoft)を用いて計算し、2回の測定の平均とした。
【0064】
付随の実施例の化合物は、上記のアッセイで試験し、好ましい化合物は、ラットGABA A受容体のα5サブユニットからの[H]−フルマゼニルの置換について100nM以下のK値を有することが見出された。最も好ましいものは、K(nM)<35を有する化合物である。好ましい実施態様では、本発明の化合物は、α1、α2及びα3サブユニットと比較してα5サブユニットに対して選択的に結合する。
【0065】
ヒト(h)受容体を発現するHEK293細胞への結合親和性を測定する、上記アッセイにより得られた代表的な試験結果を、以下の表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、例えば医薬組成物の形態で、医薬として用いることができる。医薬組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0068】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、錠剤、コーティング剤、糖衣剤及び硬ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な、無機又は有機賦形剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、そのような賦形剤として、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤向けに用いることができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。
【0069】
液剤及びシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖等である。
【0070】
注射液に適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0071】
坐剤に適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
【0072】
さらに、医薬組成物は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、治療上価値のある、その他の物質もさらに含有することができる。
【0073】
投与することができる本発明の化合物の投与量は、広い範囲で変えることができ、且つ当然それぞれの特定の症例における個別の要求に適合させなければならない。一般的に、経口投与の場合、一般式(I)の化合物の、1人当たり約0.1〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えることもできる。
【0074】
下記の実施例は、本発明を限定することなく説明する。全ての温度は摂氏で示される。
【0075】
実施例A
通常の方法で、以下の組成の錠剤を製造する:
【0076】
【表2】

【0077】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水で顆粒化する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な粉砕装置に通す。
4.品目5を加え3分間混合する;適切なプレス機で固める。
【0078】
実施例B
以下の組成のカプセル錠を製造する:
【0079】
【表3】

【0080】
製造手順
1.品目1、2及び3を、適切なミキサー中で30分間混合する。
2.品目4を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
活性物質、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に、微粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、これにタルクを加え、十分に混合する。混合物を機械により硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0081】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する:
【0082】
【表4】

【0083】
製造手順
坐薬用錬剤は、ガラス又はスチール容器において溶解して、完全に混合し、45℃に冷却する。その後すぐ、これに微粉末状の活性物質を加え、完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切な大きさの坐剤成形型に注ぎ、放置して冷却し、次に坐剤を成形型から取り外し、パラフィン紙又は金属箔で個別に包む。
【0084】
以下の実施例1〜11を、本発明の例示のために提供する。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本発明の代表的なものとして見なされるべきである。
【0085】
実施例1
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸ヒドラジド
【化20】


a)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル
THF(3mL)中の(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノール(263mg、1.39mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中55%分散液、66.7mg、1.53mmol)を加えた。15分間室温で撹拌した後、6−クロロニコチン酸メチル(286mg、1.67mmol)を加え、反応混合物を18時間撹拌した。混合物を次に酢酸エチル(10mL)で希釈し、クエン酸水溶液(10%、10mL)、水(10mL)及び塩化ナトリウム水溶液(飽和、10mL)で洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過及び濃縮に続いて、クロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン:酢酸エチル 1:0〜7:3)による精製で、標記化合物(191mg、42%)を無色の油状物として得た。MS:m/e=325.3[M+H]
【0086】
b)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸ヒドラジド
6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル(1.0g、3mmol)、ヒドラジン(3.09g、62mmol)及びエタノール(1mL)の混合物を、90℃で5時間加熱した。混合物を冷却し、濃縮して白色の残留物を得て、これを、クロロホルムを用いてトリチュレートし、濾過した。濾液を濃縮し、標記化合物(743mg、49%)を白色の固体として得た。MS:m/e=325.4[M+H]
【0087】
実施例2
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド
【化21】


a)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸
エタノール(40mL)中の6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル(3.89g、120mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(1M、36mL、36mmol)を加えた。得られた混合物を、2時間加熱還流し、次に室温に冷まして濃縮した。水酸化ナトリウム水溶液(1M、50mL)の添加に続いて、tert−ブチルメチルエーテル(100mL)を用いて洗浄した。水相を、塩化水素水溶液(濃)を用いてpH=1に酸性化し、tert−ブチルメチルエーテル(100mL)で抽出した。有機層を、水(50mL)及び塩化ナトリウム水溶液(飽和、50mL)で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、標記化合物(1.68g、45%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=309.3[M−H]
【0088】
b)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド
DMF(5mL)中の6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸(100mg、0.32mmol)の撹拌した溶液に、室温、アルゴン下でN−アミノモルホリン(36mg、0.35mmol)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(0.114g、0.35mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(208mg、1.6mmol)を加えた。15時間後、反応混合物を濃縮し、水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン:メタノール 1:0〜97.5:2.5)による精製で、標記化合物(50mg、40%)を白色の固体として得た。MS:m/e=395.1[M+H]
【0089】
実施例3
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピペリジン−1−イル−ニコチンアミド
【化22】


実施例2bに記載されているように、6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸(100mg、0.32mmol)を、N−アミノモルホリンに代えてN−アミノピペリジンを用いて変換し、標記化合物(27mg、21%)を白色の固体として得た。MS:m/e=393.2[M+H]
【0090】
実施例4
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド
【化23】


実施例2bに記載されているように、6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸(100mg、0.32mmol)を、N−アミノモルホリンに代えてN−アミノピロリン HClを用いて変換し、標記化合物(80mg、66%)を白色の固体として得た。MS:m/e=379.4[M+H]
【0091】
実施例5
N−(1,1−ジオキソ−1,6−チオモルホリン−4−イル)−6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチンアミド
【化24】


実施例2bに記載されているように、6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸(100mg、0.32mmol)を、N−アミノモルホリンに代えてN−アミノチオモルホリン1,1−ジオキシドを用いて変換し、標記化合物(95mg、67%)を白色の固体として得た。MS:m/e=443.2[M+H]
【0092】
実施例6
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸N’−(メチルスルホニル)−ヒドラジド
【化25】


実施例2bに記載されているように、6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸(200mg、0.65mmol)を、N−アミノモルホリンに代えてメタンスルホニルヒドラジドを用いて変換し、標記化合物(85mg、33%)を白色の固体として得た。MS:m/e=401.0[M−H]
【0093】
実施例7
6−[(3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ]−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド
【化26】


a)5−フルオロ−ピリジン−2−カルボアルデヒドオキシム
エタノール(3.2mL)及び水(9.6mL)中の、5−フルオロ−2−ホルミルピリジン(5.0g、41mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(3.06g、44mmol)の溶液に、氷(18.6g)を加えた。次に、水(4.6mL)中のNaOH(4.0g、100mmol)の溶液を、温度を−5℃〜5℃の間に保ちながら、10分間かけて滴下した。反応混合物を次に室温で30分間撹拌した。次に、HCl(4N)を加えて混合物を酸性化し、得られた沈殿物を濾別し、水で洗浄して、標記化合物(4.41g、79%)を明褐色の固体として得た。MS:m/e=141.0[M+H]
【0094】
b)3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
クロロホルム(21mL)中のN−クロロスクシンイミド(4.63g、35mmol)の懸濁液に、ピリジン(0.28mL、3.5mmol)及びクロロホルム(110mL)中の5−フルオロ−ピリジン−2−カルボアルデヒドオキシム(4.86g、35mmol)の溶液を、15分の間室温で加えた。この温度で30分間撹拌した後、クロロホルム(4.4mL)中の(E)−3−(1−ピロリジノ)−2−ブテン酸エチル(6.36g、35mmol)の溶液を加えた。得られた懸濁液を50℃に温め、クロロホルム(4.4mL)中のトリエチルアミン(4.83mL、35mmol)の溶液を30分間かけて滴下した。撹拌を1.5時間50℃で続け、そして次に周囲温度に冷却した。溶液を次に氷水(200mL)で希釈し、水層をジクロロメタン(50mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、暗褐色の油状物を得た。クロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル=100:0〜20:80)によって精製し、標記化合物(5.83g、67%)を黄色の油状物として得た。MS:m/e=251.1[M+H]
【0095】
c)[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル]−メタノール
脱水THF(34mL)中の3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(2.5g、10mmol)の溶液を0℃に冷却し、水素化リチウムアルミニウム(209mg、2.3mmol)を分割して加えた。1時間かけて室温に温まるに任せた後、混合物を0℃に冷却し、水(0.2mL)、続いて水酸化ナトリウム水溶液(15%、0.2mL)及び水(0.6mL)を注意深く加えた。得られた懸濁液を4時間周囲温度で撹拌し、Hyflo(登録商標)上で濾過した。濾液を次に濃縮し、クロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル=50:50〜0:100)により精製し、標記化合物(1.47g、71%)を明黄色の固体として得た。MS:m/e=209.1[M+H]
【0096】
d)6−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ]−ニコチン酸メチルエステル
実施例1aに記載されているように、(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノールに代えて[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル]−メタノール(600mg、2.8mmol)を変換し、標記化合物(210mg、21%)を白色の固体として得た。MS:m/e=344.1[M+H]
【0097】
e)6−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ]−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド
トリメチルアルミニウムの溶液(トルエン中2M、0.58mL、1.1mmol)を、ジオキサン(2.5mL)中のN−アミノモルホリン(111μL、1.2mmol)の溶液に滴下し(発熱)、得られた混合物を、室温で1時間撹拌した。次にジオキサン(2.5mL)中の6−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ]−ニコチン酸メチルエステル(100mg、0.29mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を次に90℃で一晩加熱し、次に室温に冷まし、そして次にセニエット塩溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、これを次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン:メタノール=9:1)による精製で、標記化合物(47mg、40%)を白色の固体として得た。MS:m/e=414.3[M+H]
【0098】
実施例8
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド
【化27】


a)3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル
クロロホルム(250mL)中のN−クロロスクシンイミド(16.1g、121mmol)の懸濁液に、室温でピリジン(0.95g、12.0mmol)を加え、次にクロロホルム(250mL)中のペンタナールオキシム(12.2g、121mmol)の溶液を20分間かけて滴下した。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、次に室温に冷まし、そしてクロロホルム(120mL)中の(E)−3−(1−ピロリジノ)−2−ブテン酸エチル(22.1g、121mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を50℃に温め、クロロホルム(120mL)中のトリエチルアミン(12.2g、121mmol)の溶液を滴下した。15時間後、反応混合物を冷却し、水、次にクエン酸(10% w/w水溶液)で抽出した。合わせた水相をジクロロメタンで抽出し、次に合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン:酢酸エチル=100:0〜9:1)による精製で、標記化合物(10.9g、43%)を淡黄色の液体として得た。MS:m/e=232.2[M+H]
【0099】
b)(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノール
THF(100mL)3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(9.8g、46.3mmol)の撹拌した溶液に、アルゴン下、0℃で水素化リチウムアルミニウム(2.03g、53.4mmol)を5分割して加えた。1時間後、反応混合物を、セニエット塩溶液を滴下してクエンチした。反応混合物を濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を、セニエット塩溶液を用いて洗浄し、次に乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン:酢酸エチル=100:0〜4:6)による精製で、標記化合物(7.5g、95%)を黄色の液体として得た。MS:m/e=170.3[M+H]
【0100】
c)6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル
実施例1aに記載されているように、(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノールに代えて(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノール(1.0g、5.9mmol)を変換し、標記化合物(210mg、21%)を白色の固体として得た。MS:m/e=305.3[M+H]
【0101】
d)6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド
実施例7eに記載されているように、6−[3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ]−ニコチン酸メチルエステルに代えて6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル(200mg、0.66mmol)を変換し、標記化合物(120mg、49%)を白色の固体として得た。MS:m/e=375.3[M+H]
【0102】
実施例9
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド
【化28】


実施例8dに記載されているように、6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル(200mg、0.66mmol)を、N−アミノモルホリンに代えてN−アミノピロリジンを用いて変換し、標記化合物(40mg、17%)をオフホワイトの固体として得た。MS:m/e=359.2[M+H]
【0103】
実施例10
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸2,2−ジメチル−ヒドラジド
【化29】


a)6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸
THF(6mL)中の6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステル(1.0g、3.3mmol)の懸濁液に、水(6mL)中の水酸化リチウム一水和物(248mg、9.8mmol)の溶液を加え、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。混合物をHCl(1N、4.5mL)を用いてpH4に酸性化し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を次に水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン:酢酸エチル=1:0〜0:1)による精製で、標記化合物(654mg、76%)を白色の固体として得た。MS:m/e=291.2[M+H]
【0104】
b)6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸N’,N’−ジメチル−ヒドラジド
DMF(5mL)中の6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸(100mg、0.34mmol)の撹拌した溶液に、室温、アルゴン下でN,N−ジメチルヒドラジン(23mg、0.38mmol)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(122mg、0.38mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(223mg、1.7mmol)を加えた。15時間後、反応混合物を濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン:メタノール1:0〜97.5:2.5)による精製で、標記化合物(38mg、33%)を無色のガム状物として得た。MS:m/e=333.3[M+H]
【0105】
実施例11
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド
【化30】


a)3−クロロ−6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン
THF(50mL)中の(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノール(5.0g、26.4mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中55%分散液、1.27g、29.1mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。3,6−ジクロロピリダジン(4.33g、29.1mmol)の添加の後、混合物を室温でさらに5時間撹拌した。次に混合物を蒸発させ、抽出し(酢酸エチル/水)、そして有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。クロマトグラフィー(SiO、ヘプタン:酢酸エチル=100:0〜70:30)で、標記化合物(6.62g、83%)を白色の固体として得た。MS:m/e=302.0[M+H]
【0106】
b)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル
メタノール(80mL)中の3−クロロ−6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン(2.0g、6.6mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(710mg、6.6mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(367mg、0.6mmol)及び酢酸パラジウム(II)(149mg、0.6mmol)を加えた。得られた混合物を、50℃で一晩、一酸化炭素雰囲気下で撹拌した。室温に冷却した後、セライト(登録商標)を通して濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン:メタノール 1:0〜9:1)による精製で、標記化合物(960mg、40%)を明褐色の固体として得た。MS:m/e=326.3[M+H]
【0107】
c)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸
実施例10aに記載されているように、6−(3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ニコチン酸メチルエステルに代えて6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル(960mg、2.95mmol)を変換し、標記化合物(415mg、45%)を白色の固体として得た。MS:m/e=310.1[M−H]
【0108】
d)6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミド
DMF(5mL)中の6−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イルメトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸(215mg、0.69mmol)の撹拌した溶液に、室温、アルゴン下で、N−アミノモルホリン(78mg、0.76mmol)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(244mg、0.76mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(446mg、3.4mmol)を加えた。15時間後、反応混合物を濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン:メタノール 1:0〜97.5:2.5)による精製で、標記化合物(101mg、37%)を白色のガム状物として得た。MS:m/e=396.1[M+H]

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化31】


[式中、
Xは、CR又はNであり、ここで、Rは、水素又は低級−アルキルであり;
は、低級−アルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
ここで、低級−アルキルは、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよく、
そして、ここでアリール及びヘテロアリールは、場合により、ハロゲン、シアノ、低級−アルキル、ハロゲンで置換されている低級−アルキル、ヒドロキシで置換されている低級−アルキル、低級−アルキル−C(O)OH、低級−アルキル−C(O)O−低級−アルキル、低級−アルキル−CO−NH、低級−アルキル−CO−N(H,低級−アルキル)、低級−アルキル−CO−N(低級−アルキル)、低級−アルキル−NH、低級−アルキル−N(H,低級−アルキル)、低級−アルキル−N(低級−アルキル)、低級−アルコキシ−低級−アルキル、CO−低級−アルキル、COOH、COO−低級−アルキル、CONH、CON(H,低級−アルキル)、CON(低級−アルキル)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、NH、N(H,低級−アルキル)、N(低級−アルキル)、ヒドロキシ、低級−アルコキシ、フェニルオキシ、SO−低級−アルキル、SO−NH、SO−N(H,低級−アルキル)及びSO−N(低級−アルキル)からなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよく;
は、水素又は、場合により、ハロゲン、シアノ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい低級−アルキルであり;
は、水素又は、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されていてもよい低級−アルキルであり;
、Rは、互いに独立して、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されている、水素、低級−アルキル、SO−低級−アルキル、シクロアルキル及びヘテロシクリルからなる群より選択されるか、
又はここでR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、低級−アルキル及び低級−アルコキシからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基により置換されているヘテロシクリルを形成する]
で示される化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステル。
【請求項2】
XがCHである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、ハロゲンで置換されている、低級−アルキル、アリール又はヘテロアリールである、請求項1又は2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
が、n−ブチル、フェニル又は5−フルオロ−ピリジン−2−イルである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が、フェニル又は5−フルオロ−ピリジン−2−イルである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が低級−アルキルである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
がメチルである、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が水素である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
及びRが、互いに独立して、水素、低級−アルキル及びSO−低級−アルキルからなる群より選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
及びRが、互いに独立して、水素、メチル及びSO−メチルからなる群より選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
が水素であり、RがSO−メチルである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
及びRの両方が、同一で水素又はメチルのいずれかである、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルからなる群より選択されるヘテロシクリルを形成する、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イルからなる群より選択されるヘテロシクリルを形成する、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
下記:
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸ヒドラジド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピペリジン−1−イル−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド、
N−(1,1−ジオキソ−1,6−チオモルホリン−4−イル)−6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸N’−(メチルスルホニル)−ヒドラジド、
6−[(3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ]−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド、
6−((3−ブチル−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチン酸2,2−ジメチル−ヒドラジド及び
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ピリダジン−3−カルボン酸モルホリン−4−イルアミドからなる群より選択される、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステル。
【請求項17】
下記:
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−N−ピロリジン−1−イル−ニコチンアミド、
N−(1,1−ジオキソ−1,6−チオモルホリン−4−イル)−6−((5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ)−ニコチンアミド及び
6−[(3−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イソオキサゾール−4−イル)−メトキシ]−N−モルホリン−4−イル−ニコチンアミドからなる群より選択される、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物ならびにその薬学的に許容される塩及びエステル。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに定義されたとおりの、式(I)の化合物を調製するための方法であって、
a)式(II):
【化32】


で示される化合物を、HNRNRと反応させるか、又は
b)式(III):
【化33】


で示される化合物を、HNRNRと反応させるか、又は
c)式(II)の化合物を、式(III)の化合物へとけん化させ、続いてHNRNRと反応させることを含む方法(式中、R、R、R、R、R及びXは、上記と同義である)。
【請求項19】
請求項18に記載の方法によって得ることができる、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
請求項1〜17のいずれかに記載された式(I)の化合物ならびに薬学的に許容される担体及び/又は佐剤を含む、医薬組成物。
【請求項21】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
GABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための治療活性物質として使用するための、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
GABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための、特に、急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防のための、あるいは認識促進のための方法であって、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物を、ヒト又は動物に投与することを含む方法。
【請求項24】
GABA Aα5受容体に関連する疾患の治療又は予防のための医薬を製造するための、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項25】
急性及び/又は慢性神経障害、認識障害、アルツハイマー病、記憶障害、統合失調症、統合失調症に関連する陽性、陰性及び/又は認識症状、双極性障害、自閉症、ダウン症、神経線維腫症1型、睡眠障害、概日リズム障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、精神病性障害、物質誘導精神病性障害、不安障害、全般性不安障害、パニック障害、妄想性障害、強迫性障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、運動障害、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、認識欠陥障害、多発梗塞性認知症、気分障害、うつ病、神経精神病状、精神病、注意欠陥多動性障害、神経障害性疼痛、卒中及び注意障害の治療又は予防に有用な医薬の製造のための、あるいは認識促進剤の製造のための、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項26】
本明細書上記の発明。

【公表番号】特表2012−524762(P2012−524762A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506532(P2012−506532)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055591
【国際公開番号】WO2010/125042
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】