インクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法
【課題】
本発明によるインクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法は、内側面に微細ホールを含む長いチューブ形状のノズルから微細なインクの滴を滴下することによって、微細な幅の薄膜を形成することができる。
【解決手段】
本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムは、基板が搭載されるステージ、基板上にインクを滴下するヘッドユニット、そしてヘッドユニットを所定の位置に移動させる移送装置を含み、ヘッドユニットは、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの底面に付着されている長いチューブ形状の複数のノズルを含むのが好ましい。
本発明によるインクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法は、内側面に微細ホールを含む長いチューブ形状のノズルから微細なインクの滴を滴下することによって、微細な幅の薄膜を形成することができる。
【解決手段】
本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムは、基板が搭載されるステージ、基板上にインクを滴下するヘッドユニット、そしてヘッドユニットを所定の位置に移動させる移送装置を含み、ヘッドユニットは、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの底面に付着されている長いチューブ形状の複数のノズルを含むのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、写真エッチング工程を利用して液晶表示装置(liquid crystal display、LCD)や有機発光表示装置(organic light emitting diode display、OLED display)などの平板表示装置の多様な薄膜パターンを形成する。しかし、平板表示装置が大型化されるほど、薄膜パターンを形成するために基板に塗布される感光膜などの材料の量が増加して製造費用が増加し、写真エッチング工程に使用される製造設備も大型化される。
【0003】
このような問題を最少化するために、インクを滴下して薄膜パターンを形成するインクジェットプリンティングシステム(inkjet printing system)が開発された。
インクジェットプリンティングシステムにおいて、インクを滴下するインクジェットヘッドは、長い棒形状の構造物に複数のホールを形成し、前記ホール、つまりノズルからインクを滴下する構造である。
【特許文献1】特開平12-187206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、インクの濃度が水っぽい場合には、ノズルの周囲にインクが付着しやすい。そのため、ノズルの周囲に付着したインクが、ノズルから滴下されるインクの進行を妨害して、滴下されるインクの滴の大きさ、方向、及び安定性を大きく妨害するようになり、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成するのが難しい。
また、ノズルの直径が大きい場合には、微細にインクを滴下するのが難しいので、分解能が低下する。
【0005】
本発明の技術的課題は、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる、インクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明1によるインクジェットプリンティングシステムは、基板が搭載されるステージ、前記基板上にインクを滴下するヘッドユニット、そして前記ヘッドユニットを所定の位置に移動させる移送装置を含み、前記ヘッドユニットは、インクジェットヘッド、そして前記インクジェットヘッドの底面に付着されている長いチューブ形状の複数のノズルを含むのが好ましい。
【0007】
インクジェットヘッドは長いチューブ形状のノズルを有しており、このノズルから微細なインクの滴を滴下することによって、微細な幅の薄膜を形成することができる。
発明2は、発明1において、前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されているのが好ましい。
ノズルの内側面には微細ホールが形成されているため、インクの滴を微細にし、微細な薄膜を形成することができる。
【0008】
発明3は、発明2において、前記ノズルの端部は、テーパ形状である。
ノズルの端部をテーパ形状に形成することによって、インクの濃度が水っぽい場合にも、ノズルの端部にインクが付着しにくく、インクの滴の大きさ及び方向を一定化して、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる。
発明4は、発明3において、前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる。炭素ナノチューブは、引張力が鋼鉄より100倍強く、柔軟性が優れていて、内部が空なので軽い。よって、炭素ナノチューブをノズルとして用いると、耐久性が強いインクジェットヘッドを構成することができる。また、微細な空洞部分によりインクの滴を微細にし、微細な薄膜を形成することができる
発明5は、発明1において、前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmであるのが好ましい。
【0009】
発明6は、発明2において、前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である。
発明7は、発明6において、前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つであるのが好ましい。
発明8は、発明7において、前記基板には、滴下された前記インクを閉込める隔壁部材が形成されている。
【0010】
発明9は、発明8において、前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁であるのが好ましい。
発明10は、発明7において、前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクであるのが好ましい。
また、本発明11による表示装置の製造方法は、複数のノズルが付着されているインクジェットヘッドを含むヘッドユニットを基板上に位置させる段階、そして前記ヘッドユニットを移動させて、前記インクジェットヘッドのノズルから基板上にインクを滴下する段階を含み、前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着されるのが好ましい。
【0011】
発明12は、発明11において、前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されているのが好ましい。
発明13は、発明12において、前記ノズルの端部は、テーパ形状である。
発明14は、発明13において、前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる。
発明15は、発明12において、前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmであるのが好ましい。
【0012】
発明16は、発明12において、前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である。
発明17は、発明16において、前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つであるのが好ましい。
【0013】
発明18は、発明17において、前記インクは、前記基板の隔壁部材に滴下される。
発明19は、発明18において、前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁であるのが好ましい。
発明20は、発明17において、前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクであるのが好ましい。
【0014】
本発明21による表示装置の製造方法は、インクジェットプリンティングシステムを利用した表示装置の製造方法において、前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板上にゲート線を形成する段階、前記ゲート線上にゲート絶縁膜及び半導体層を形成する段階、前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板及び半導体層上にデータ線を形成する段階、前記データ線上に接触孔を含む保護膜を形成する段階、前記保護膜上に前記データ線の一部に連結される画素電極を形成する段階を含み、前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるインクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法によれば、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な相異した形態で実現でき、ここで説明する実施例に限定されない。
図面では、各層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。明細書全体を通して類似した部分については、同一な図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“真上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も意味する。反対に、ある部分が他の部分の“真上”にあるとする時、これはその中間に他の部分がない場合を意味する。
【0017】
それでは、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムについて、図1乃至図4を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの斜視図であり、図2は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのヘッドユニット、乾燥ユニット、及び移送装置の底面図であり、図3は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してインクをプリントする方法を概略的に説明した図面であり、図4は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してカラーフィルターを形成するためにインクを滴下する状態を示した図面である。
【0018】
図1乃至図4に示したように、インクジェットプリンティングシステムは、母基板2が搭載されるステージ500、ステージ500上に所定の間隔で離隔して位置するヘッドユニット700、そしてヘッドユニット700を所定の位置に移動させる移送装置300を含む。
ステージ500は、母基板2を支持することができるように、母基板2より大きいのが好ましい。母基板2は、液晶表示装置のカラーフィルター表示板、有機発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板などの支持板として利用される複数の基板210からなる。
【0019】
図1には、液晶表示装置のカラーフィルター表示板を形成するための母基板2が示されており、各基板210上には、複数の開口部225を含む遮光部材220が形成されている。
ヘッドユニット700は、インクジェットヘッド400、及びインクジェットヘッド400を移送装置300に付着させる連結部710(図示せず)を含む。インクジェットヘッド400は、長い棒形状からなり、その底面に複数のノズル410が付着されている。
【0020】
ノズル410は、長いチューブ形状からなり、ノズル410の内側面に形成された微細ホール402からインク5が基板210上に滴下される。ノズル410の直径は、数百nm乃至1nmであるのが好ましく、ノズル410は、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)を利用して形成するのが好ましい。炭素ナノチューブは、6角形環に連結された炭素が長い筒形状を構成する直径1nmの大きさの微細な分子である。炭素原子が3個ずつ結合したハニカム形状の炭素の平面が巻かれてチューブ形状を構成している。炭素ナノチューブは、引張力が鋼鉄より100倍強く、柔軟性が優れていて、内部が空なので軽い。よって、炭素ナノチューブをノズルとして用いると、耐久性が強いインクジェットヘッドを構成することができる。また、微細な空洞部分によりインクの滴を微細にし、微細な薄膜を形成することができる。
【0021】
このように、インクジェットヘッドは長いチューブ形状のノズルを有しており、またノズルの内側面には微細ホールが形成されているため、微細なインクの滴を滴下することができるので、微細な幅の薄膜を形成することができる。そして、微細なインクの滴の滴下数を調節することによって、多様な形状の薄膜パターンを形成することができる。
また、ノズル410の端部410aは、テーパ形状に形成することによって、インク5の濃度が水っぽい場合にも、ノズル410にインク5が付着しにくくする。この場合、インク5の進行を妨害する要素がないので、インクの滴の大きさ及び方向が一定になって、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる。
【0022】
インクジェットヘッド400は、所定の角度(θ)でY方向に対して傾いている。つまり、インクジェットヘッド400から互いに隣接するノズル410の間の距離であるノズルピッチ(D)及びプリントされる画素の間の距離である画素ピッチ(P)に差があるので、インクジェットヘッド400を所定の角度(θ)に回転させることによって、ノズル410から滴下されるインク5の間の間隔を画素ピッチ(P)に一致させる。このとき、例えば、画素ピッチ(P)=ノズルピッチ(D)×cosθとなる。図2では、インクジェットヘッド400を一つだけ示したが、複数でありうる。
【0023】
移送装置300は、ヘッドユニット700を基板210から上側に所定の間隔で離隔するように位置させて、ヘッドユニット700をY方向に移送させるY方向移送部310、ヘッドユニット700及び乾燥ユニット50(図示せず)をX方向に移送させるX方向移送部320、そしてヘッドユニット700を昇降させる昇降部330、昇降部340(図示せず)を含む。
【0024】
このような構造からなるインクジェットプリンティングシステムを利用して基板210上にカラーフィルターを形成する動作について説明する。
まず、インクジェットプリンティングシステムの移送装置300のXまたはY方向移送部320、310及び昇降部330の動作によって、ヘッドユニット700は、当該基板210上に位置する。
【0025】
次に、移送装置300のX方向移送部320及びインクジェットヘッド400のノズル410を駆動してヘッドユニット700をX方向に移動させながらインク5を滴下する。
この時、長いチューブ形状のノズル410を利用して大きさ及び方向が一定のインクの滴を滴下することによって、プロファイル及び厚さが均一なカラーフィルター230を形成することができる。
【0026】
一方、このような一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して製造される表示板は、液晶表示装置のカラーフィルター表示板または有機発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板でありうる。つまり、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムによって、液晶表示装置のカラーフィルターまたは有機発光表示装置の有機発光部材を形成することができる。
【0027】
図5は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した液晶表示装置の配置図であり、図6は図5の液晶表示装置のVI−VI線による断面図である。
図5及び図6に示したように、液晶表示装置は、下側の薄膜トランジスタ表示板100、これと対向している上側のカラーフィルター表示板200、及びこれら二つの表示板100、200の間に形成されている液晶層3からなる。
【0028】
まず、図5及び図6を参照して、薄膜トランジスタ表示板100について詳細に説明する。
透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板110上に、複数のゲート線(gate line)121及び複数の維持電極線(storage electrode line)131が形成されている。ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向にのびている。各ゲート線121は、下上に突出した複数のゲート電極(gate electrode)124及び他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含む。維持電極線131は、所定の電圧の印加を受け、ゲート線121とほぼ平行にのびた幹線及びこれから分かれた複数対の第1及び第2維持電極133a、133bを含む。維持電極線131の各々は、隣接する二つのゲート線121の間に位置し、幹線は二つのゲート線121のうちの下側に近く形成されている。
【0029】
ゲート線121及び維持電極線131上には、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などからなるゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは略してa−Siとする)または多結晶シリコン(polysilicon)などからなる複数の線状半導体151が形成されている。線状半導体151は、主に縦方向にのびていて、ゲート電極124に向かってのびた複数の突出部(projection)154を含む。線状半導体151は、ゲート線121及び維持電極線131付近で面積が広くなって、これらを幅広く覆っている。
【0030】
半導体151上には、複数の線状及び島型抵抗性接触部材(ohmic contact)161、165が形成されている。抵抗性接触部材161、165は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどからなったり、シリサイド(silicide)からなることができる。線状抵抗性接触部材161は、複数の突出部163を含み、前記突出部163及び島型抵抗性接触部材165は、対をなして半導体151の突出部154上に位置している。
【0031】
抵抗性接触部材161、165及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線(data line)171及び複数のドレイン電極(drain electrode)175が形成されている。
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差している。各データ線171は、また、維持電極線131と交差して、隣接する維持電極133a及び133bの間に配列されている。各データ線171は、ゲート電極124に向かってのびた複数のソース電極(source electrode)173及び他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部179を含む。
【0032】
ドレイン電極175は、データ線171と分離されていて、ゲート電極124を中心にソース電極173と対向する。各ドレイン電極175は、面積が広い一側端部及び棒形状の他側端部を含む。面積が広い端部は維持電極137と重畳し、棒形状の端部は屈曲したソース電極173により取り囲まれている。
一つのゲート電極124、一つのソース電極173、及び一つのドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に一つの薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)を構成し、薄膜トランジスタのチャンネル(channel)は、ソース電極173及びドレイン電極175の間の突出部154に形成される。
【0033】
抵抗性接触部材161、165は、その下の半導体151及びその上のデータ線171及びドレイン電極175の間にだけ位置して、これらの間の接触抵抗を低くする。
データ線171、ドレイン電極175、及び露出された半導体151の部分上には、保護膜(passivation layer)180が形成されている。保護膜180は、無機絶縁物または有機絶縁物などからなり、表面が平坦でありうる。
【0034】
保護膜180には、データ線171の端部179及びドレイン電極175を各々露出する複数の接触孔(contact hole)182、185が形成されており、保護膜180及びゲート絶縁膜140には、ゲート線121の端部129を露出する複数の接触孔181、第1維持電極133aの固定端付近の維持電極線131の一部を露出する複数の接触孔183a、そして第1維持電極133aの自由端の突出部を露出する複数の接触孔183bが形成されている。
【0035】
保護膜180上には、複数の画素電極(pixel electrode)191、複数の連結橋(overpass)83、及び複数の接触補助部材(contact assistant)81、82が形成されている。
画素電極191は、接触孔185を通じてドレイン電極175に物理的、電気的に連結されており、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。データ電圧の印加を受けた画素電極191は、共通電圧(common voltage)の印加を受ける他の表示板200の共通電極(common electrode)270と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層3の液晶分子の配向方向を決定する。このように決定された液晶分子の配向方向によって、液晶層を通過する光の偏光が変化する。画素電極191及び共通電極270は、キャパシタ(以下、液晶キャパシタ(liquid crystal capacitor)とする)を構成して、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
【0036】
画素電極191及びこれに連結されたドレイン電極175は、維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131と重畳する。画素電極191及びこれに電気的に連結されたドレイン電極175が維持電極線131と重畳して構成するキャパシタをストレージキャパシタ(storage capacitor)といい、ストレージキャパシタは、液晶キャパシタの電圧を維持する能力を強化する。
【0037】
接触補助部材81、82は、各々接触孔181、182を通じてゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179に連結されている。接触補助部材81、82は、ゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179と外部装置との接続性を補完して、これらを保護する。
連結橋83は、ゲート線121を横切り、ゲート線121を間にはさんで反対側に位置する接触孔183a、183bを通じて維持電極線131の露出された部分及び維持電極133bの自由端の露出された端部に連結されている。維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131は、連結橋83と共に、ゲート線121、データ線171、または薄膜トランジスタの欠陥を修理するための冗長配線として使用される。
【0038】
それでは、図5及び図6に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について、詳細に説明する。
透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して金属配線用インク5を滴下してゲート線121及び維持電極線131を形成する。金属配線用インク5は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる。
【0039】
また、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる導電膜をスパッタリング蒸着して順次に湿式または乾式エッチングして、複数のゲート線121及び複数の維持電極線131を形成することができる。
【0040】
次に、約1,500−5,000Åの厚さのゲート絶縁膜140、約500−2,000Åの厚さの真性非晶質シリコン層(intrinsic amorphous silicon)、約300−600Åの厚さの不純物非晶質シリコン層(extrinsic amorphous silicon)の3層膜を連続して積層し、不純物非晶質シリコン層及び真性非晶質シリコン層を写真エッチングして、ゲート絶縁膜140上に複数の線状不純物半導体及び複数の突出部154を含む複数の線状真性半導体151を形成する。
【0041】
次に、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して金属配線用インク5を滴下して複数のソース電極173及び端部179を含む複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175を形成する。金属配線用インク5は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる。
【0042】
また、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる導電膜をスパッタリングなどによって1,500Å乃至3,000Åの厚さに蒸着した後でパターニングして、複数のソース電極173及び端部179を含む複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175を形成することができる。
【0043】
次に、データ線171及びドレイン電極175で覆われずに露出された不純物半導体の部分を除去することによって、複数の突出部163を含む複数の線状抵抗性接触部材161及び複数の島型抵抗性接触部材165を完成する一方で、その下の真性半導体151の部分を露出させる。露出された真性半導体151の部分の表面を安定化させるために、酸素プラズマを続けて行うのが好ましい。
【0044】
次に、保護膜180を塗布した後で保護膜180を写真エッチングして、データ線171の端部179及びドレイン電極175の一部を露出させる複数の接触孔182、185を形成し、ゲート線121の端部129上に位置するゲート絶縁膜140の部分を露出させる複数の接触孔181を形成する。
最後に、約400−500Åの厚さのIZO膜またはITO膜をスパッタリングによって積層して写真エッチングして、保護膜180、ゲート線121の端部129の露出された部分、ドレイン電極175、データ線171の端部179の露出された部分上に複数の画素電極191及び複数の接触補助部材81、82を形成する。
【0045】
それでは、カラーフィルター表示板200について、図5及び図6を参照して説明する。
透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板210上に、遮光部材(light blocking member)220が形成されている。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、光漏れを防止する。遮光部材220は、画素電極191と対向して、画素電極191とほぼ同一な形状の複数の開口部225を含み、画素電極191の間の光漏れを防止する。しかし、遮光部材220は、ゲート線121及びデータ線171に対応する部分及び薄膜トランジスタに対応する部分からなることができる。このような遮光部材220は、インクジェットプリンティングシステムを利用したカラーフィルター表示板の製造工程時に、カラーフィルター用インクを閉込める隔壁部材の役割を果たす。
【0046】
遮光部材220の開口部225には、インクジェットプリンティングシステムを利用して形成された複数のカラーフィルター230が形成されている。カラーフィルター230は、遮光部材220に囲まれた領域内に大部分が位置し、画素電極191の列に沿って縦方向に長くのびている。各カラーフィルター230は、赤色、緑色、及び青色の三原色など基本色(primary color)のうちの一つを表示することができる。
【0047】
カラーフィルター230及び遮光部材220上には、蓋膜(overcoat)250が形成されている。蓋膜250は、(有機)絶縁物からなることができ、カラーフィルター230が露出されるのを防止して、平坦な表面を提供する。蓋膜250は省略することができる。
蓋膜250上には、共通電極270が形成されている。共通電極270は、ITO、IZOなどの透明な導電物質などからなる。
【0048】
表示板100、200の内側面には、配向膜(alignment layer)11、21が塗布されており、これらは水平配向膜または垂直配向膜でありうる。表示板100、200の外側面には、偏光フィルム(polarizer)12、22が付着されており、二つの偏光フィルム12、22の偏光軸は直交し、このうちの一つの偏光軸はゲート線121に対して平行であるのが好ましい。反射型液晶表示装置の場合には、二つの偏光フィルム12、22のうちの一つを省略することができる。
【0049】
それでは、図5及び図6に示したカラーフィルター表示板を製造する方法について、詳細に説明する。
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板210上に、クロムなどの金属膜を真空蒸着などによって形成して写真エッチングして、複数の開口部225を含む遮光部材220を形成する。また、遮光部材220は、絶縁基板210上に高分子樹脂溶液を積層してスピンコーティング処理して写真エッチングして形成されることもでき、慣用的な多様な方法で形成されることができる。
【0050】
次に、遮光部材220の開口部225内にインクジェットプリンティングシステムを利用してカラーフィルター230を形成する。つまり、ヘッドユニット700を移動させながらノズル410から開口部225に赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、または青色カラーフィルターに相当する液体の顔料ペースト(paste)、つまりカラーフィルター用インク5を滴下して開口部225に充填することによって、カラーフィルター230を形成する。そして、ヘッドユニット700に隣接する乾燥ユニット50を滴下されたインク上に位置させて、真空及び熱を利用してインクを乾燥させてカラーフィルター230を完成する。したがって、カラーフィルター230のプロファイル及び厚さが均一になる。
【0051】
次に、カラーフィルター230及び遮光部材220上に、(有機)絶縁物で蓋膜250を形成する。次に、蓋膜250上に、ITO、IZOなどの透明な導電物質などで共通電極270を形成する。
それでは、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置について以下で説明する。
【0052】
まず、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置の等価回路について、図7を参照して詳細に説明する。図7は本発明の一実施例による有機発光表示装置の等価回路図である。
図7を参照すれば、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置は、複数の信号線121、171、172、及びこれらに連結されていて、ほぼ行列形態に配列された複数の画素(pixel、PX)を含む。
【0053】
信号線は、ゲート信号(または走査信号)を伝達する複数のゲート線(gate line)121、データ信号を伝達する複数のデータ線(data line)171、及び駆動電圧を伝達する複数の駆動電圧線(driving voltage line)172を含む。ゲート線121は、ほぼ行方向にのびていて、互いにほぼ平行であり、データ線171及び駆動電圧線172は、ほぼ列方向にのびていて、互いにほぼ平行である。
【0054】
各画素(PX)は、スイッチングトランジスタ(switching transistor、Qs)、駆動トランジスタ(driving transistor、Qd)、ストレージキャパシタ(storage capacitor、Cst)、及び有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED、LD)を含む。
【0055】
スイッチングトランジスタ(Qs)は、制御端子(control terminal)、入力端子(input terminal)、及び出力端子(output terminal)を含み、制御端子はゲート線121に連結されており、入力端子はデータ線171に連結されており、出力端子は駆動トランジスタ(Qd)に連結されている。スイッチングトランジスタ(Qs)は、ゲート線121に印加される走査信号に応答して、データ線171に印加されるデータ信号を駆動トランジスタ(Qd)に伝達する。
【0056】
駆動トランジスタ(Qd)も、制御端子、入力端子、及び出力端子を含み、制御端子はスイッチングトランジスタ(Qs)に連結されており、入力端子は駆動電圧線172に連結されており、出力端子は有機発光ダイオード(LD)に連結されている。駆動トランジスタ(Qd)は、制御端子及び出力端子の間にかかる電圧によってその大きさが変化する出力電流(ILD)を流す。
【0057】
ストレージキャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子及び入力端子の間に連結されている。前記キャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子に印加されるデータ信号を充電して、スイッチングトランジスタ(Qs)がターンオフされた後にもこれを維持する。
有機発光ダイオード(LD)は、駆動トランジスタ(Qd)の出力端子に連結されているアノード(anode)及び共通電圧(Vss)に連結されているカソード(cathode)を含む。有機発光ダイオード(LD)は、駆動トランジスタ(Qd)の出力電流(ILD)によって異なった強さで発光することによって、画像を表示する。
【0058】
スイッチングトランジスタ(Qs)及び駆動トランジスタ(Qd)は、n−チャンネル電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)である。しかし、スイッチングトランジスタ(Qs)及び駆動トランジスタ(Qd)のうちの少なくとも一つは、p−チャンネル電界効果トランジスタでありうる。また、トランジスタ(Qs、Qd)、キャパシタ(Cst)、及び有機発光ダイオード(LD)の連結関係は、変更することもできる。
【0059】
それでは、図7に示した有機発光表示装置用表示板の構造について、図8及び図9を参照して詳細に説明する。
図8は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置の有機発光表示板の配置図であり、図9は図8の有機発光表示板のIX−IX線による断面図である。
【0060】
図8及び図9に示したように、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板110上に、第1制御電極(control electrode)124aを含む複数のゲート線121及び複数の第2制御電極124bを含む複数のゲート導電体(gate conductor)が形成されている。このようなゲート導電体は、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して形成する。
【0061】
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向にのびている。各ゲート線121は、他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含み、第1制御電極124aは、ゲート線121から上にのびている。
第2制御電極124bは、図8に示すように、ゲート線121と分離されていて、下方向にのびてから右方向に若干方向を変化させた後で上に長くのびた維持電極(storage electrode)127を含む。つまり、第2制御電極124bはゲート線121に向かってデータ線171と平行な方向に延在する端部と、データ線171と平行に長く延在する延長部と、連結されるように配置されている。
【0062】
ゲート導電体121、124bは、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなることができる。
ゲート導電体121、124b上には、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などからなるゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
【0063】
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは略してa−Siとする)または多結晶シリコン(polysilicon)などからなる複数の第1及び第2島型半導体154a、154bが形成されている。第1及び第2半導体154a、154bは、各々第1及び第2制御電極124a、124b上に位置している。
【0064】
第1及び第2半導体154a、154b上には、各々複数対の第1抵抗性接触部材(ohmic contact)163a、165a及び複数対の第2抵抗性接触部材163b、165bが形成されている。抵抗性接触部材163a、163b、165a、165bは島形であって、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどからなったり、シリサイド(silicide)からなることができる。第1抵抗性接触部材163a、165aは対をなして第1半導体154a上に位置しており、第2抵抗性接触部材163b、165bも対をなして第2半導体154b上に位置している。
【0065】
抵抗性接触部材163a、163b、165a、165b及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線171、複数の駆動電圧線172、複数の第1及び第2出力電極(outputelectrode)175a、175bを含む複数のデータ導電体(data conductor)が形成されている。このようなデータ導電体は、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して形成する。
【0066】
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差している。各データ線171は、第1制御電極124aに向かってのびた複数の第1入力電極(input electrode)173a及び他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部179を含む。
駆動電圧線172は、駆動電圧を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差している。各駆動電圧線172は、第2制御電極124bに向かってのびた複数の第2入力電極173bを含む。駆動電圧線172は、維持電極127と重畳して互いに連結されている。
【0067】
第1及び第2出力電極175a、175bは、互いに分離されていて、データ線171及び駆動電圧線172とも分離されている。第1入力電極173a及び第1出力電極175aは、第1制御電極124aを中心に互いに対向し、第2入力電極173b及び第2出力電極175bは、第2制御電極124bを中心に互いに対向している。
データ導電体171、172、175a、175bは、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの耐火性金属、またはこれらの合金からなるのが好ましく、耐火性金属膜(図示せず)及び低抵抗導電膜(図示せず)を含む多重膜構造からなることができる。
【0068】
抵抗性接触部材163a、163b、165a、165bは、その下の半導体154a、154b及びその上のデータ導電体171、172、175a、175bの間にだけ位置して、接触抵抗を低くする。半導体154a、154bには、入力電極173a、173b及び出力電極175a、175bの間をはじめとして、データ導電体171、172、175a、175bで覆われずに露出された部分がある。
【0069】
データ導電体171、172、175a、175b及び露出された半導体154a、154bの部分上には、保護膜(passivation layer)180が形成されている。保護膜180は、窒化ケイ素や酸化ケイ素などの無機絶縁物、有機絶縁物、低誘電率絶縁物などからなる。また、保護膜180は、半導体154の露出された部分を保護しつつ有機膜の長所をいかすことができるように、下部無機膜及び上部有機膜の二重膜構造からなることができる。
【0070】
保護膜180には、データ線171の端部179及び第1及び第2出力電極175bを各々露出する複数の接触孔(contact hole)182、185a、185bが形成されており、保護膜180及びゲート絶縁膜140には、ゲート線121の端部129及び第2入力電極124bを各々露出する複数の接触孔181、184が形成されている。
【0071】
保護膜180上には、複数の画素電極(pixel electrode)191、複数の連結部材(connecting member)85、及び複数の接触補助部材(contact assistant)81、82が形成されている。これらは、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質や、アルミニウム、銀、またはその合金などの反射性金属からなることができる。
【0072】
画素電極191は、接触孔185bを通じて第2出力電極175bに物理的、電気的に連結されており、連結部材85は、接触孔184、185aを通じて第2制御電極124b及び第1出力電極175aに連結されている。
接触補助部材81、82は、各々接触孔181、182を通じてゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179に連結されている。接触補助部材81、82は、ゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179と外部装置との接続性を補完して、これらを保護する。
【0073】
保護膜180上には、隔壁(partition)361が形成されている。隔壁361は、画素電極191周縁周辺を堤防(bank)のように囲んで開口部(opening)365を定義し、有機絶縁物または無機絶縁物からなる。隔壁361は、また、黒色顔料を含む感光剤からなることもでき、この場合、隔壁361は、遮光部材の役割を果たし、その形成工程が簡単である。
【0074】
隔壁361が定義する画素電極191上の開口部365内には、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して形成された有機発光部材(organic light emitting member)370が位置している。つまり、有機発光部材370は、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して、所定の色の有機発光部材用インクを滴下することにより形成する。有機発光部材370は、赤色、緑色、青色の三原色など基本色(primary color)のうちのいずれか一つの光を固有に放出する有機物質からなる。有機発光表示装置は、有機発光部材370が放出する基本色光の空間的な合計によって所望の画像を表示する。
【0075】
有機発光部材370は、光を放出する発光層(emitting layer)(図示せず)以外にも、発光層の発光効率を向上させるための付帯層(auxiliary layer)(図示せず)を含む多層構造からなることができる。付帯層には、電子及び正孔の均衡を合せるための電子輸送層(electron transport layer)(図示せず)及び正孔輸送層(hole transport layer)(図示せず)、そして電子及び正孔の注入を強化するための電子注入層(electron injecting layer)(図示せず)及び正孔注入層(hole injecting layer)(図示せず)などがある。
【0076】
有機発光部材370上には、共通電極(common electrode)270が形成されている。共通電極270は、共通電圧(Vss)の印加を受け、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム、銀などを含む反射性金属、またはITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなる。
このような有機発光表示装置において、ゲート線121に連結されている第1制御電極124a、データ線171に連結されている第1入力電極173a及び第1出力電極175aは、第1半導体154aと共にスイッチング薄膜トランジスタ(switching TFT)(Qs)を構成し、スイッチング薄膜トランジスタ(Qs)のチャンネル(channel)は、第1入力電極173a及び第1出力電極175aの間の第1半導体154aに形成される。第1出力電極175aに連結されている第2制御電極124b、駆動電圧線172に連結されている第2入力電極173b、及び画素電極191に連結されている第2出力電極175bは、第2半導体154bと共に駆動薄膜トランジスタ(driving TFT)(Qd)を構成し、駆動薄膜トランジスタ(Qd)のチャンネルは、第2入力電極173b及び第2出力電極175bの間の第2半導体154bに形成される。画素電極191、有機発光部材370、及び共通電極270は、有機発光ダイオード(LD)を構成し、画素電極191がアノード(anode)になって共通電極270がカソード(cathode)になったり、反対に画素電極191がカソードになって共通電極270がアノードになる。互いに重畳する維持電極127及び駆動電圧線172は、ストレージキャパシタ(storage capacitor)(Cst)を構成する。
【0077】
このような有機発光表示装置は、基板110の上側または下側に光を放出して画像を表示する。不透明な画素電極191及び透明な共通電極270は、基板110の上側方向に画像を表示する前面発光(top emission)方式の有機発光表示装置に適用され、透明な画素電極191及び不透明な共通電極270は、基板110の下側方向に画像を表示する背面発光(bottom emission)方式の有機発光表示装置に適用される。
【0078】
一方、半導体154a、154bが多結晶シリコンである場合には、制御電極124a、124bと対向する真性領域(intrinsic region)(図示せず)及びその両側に位置する不純物領域(extrinsic region)(図示せず)を含む。不純物領域は、入力電極173a、173b及び出力電極175a、175bに電気的に連結されており、抵抗性接触部材163a、163b、165a、165bは省略することができる。
【0079】
また、制御電極124a、124bを半導体154a、154b上に位置させることもでき、この時にも、ゲート絶縁膜140は、半導体154a、154b及び制御電極124a、124bの間に位置している。この時、データ導電体171、172、173b、175bは、ゲート絶縁膜140上に位置して、ゲート絶縁膜140に形成された接触孔(図示せず)を通じて半導体154a、154bに電気的に連結されている。これとは異なって、データ導電体171、172、173b、175bが半導体154a、154b下に位置して、その上の半導体154a、154bに電気的に接触することもできる。
【0080】
以上で、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な実施例が可能であるということを理解することができる。したがって、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのヘッドユニット及び移送装置の底面図である。
【図3】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してインクをプリントする方法を概略的に説明した図面である。
【図4】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してカラーフィルターを形成するためにインクを滴下する状態を示した図面である。
【図5】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した液晶表示装置の配置図である。
【図6】図5の液晶表示装置のVI−VI線による断面図である。
【図7】本発明の一実施例による有機発光表示装置の等価回路図である。
【図8】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置の有機発光表示板の配置図である。
【図9】図8の有機発光表示板のIX−IX線による断面図である。
【符号の説明】
【0082】
300 移送装置
310 Y方向移送部
320 X方向移送部
330、340 昇降部
400 インクジェットヘッド
402 微細ホール
410 ノズル
500 ステージ
700 ヘッドユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、写真エッチング工程を利用して液晶表示装置(liquid crystal display、LCD)や有機発光表示装置(organic light emitting diode display、OLED display)などの平板表示装置の多様な薄膜パターンを形成する。しかし、平板表示装置が大型化されるほど、薄膜パターンを形成するために基板に塗布される感光膜などの材料の量が増加して製造費用が増加し、写真エッチング工程に使用される製造設備も大型化される。
【0003】
このような問題を最少化するために、インクを滴下して薄膜パターンを形成するインクジェットプリンティングシステム(inkjet printing system)が開発された。
インクジェットプリンティングシステムにおいて、インクを滴下するインクジェットヘッドは、長い棒形状の構造物に複数のホールを形成し、前記ホール、つまりノズルからインクを滴下する構造である。
【特許文献1】特開平12-187206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、インクの濃度が水っぽい場合には、ノズルの周囲にインクが付着しやすい。そのため、ノズルの周囲に付着したインクが、ノズルから滴下されるインクの進行を妨害して、滴下されるインクの滴の大きさ、方向、及び安定性を大きく妨害するようになり、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成するのが難しい。
また、ノズルの直径が大きい場合には、微細にインクを滴下するのが難しいので、分解能が低下する。
【0005】
本発明の技術的課題は、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる、インクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明1によるインクジェットプリンティングシステムは、基板が搭載されるステージ、前記基板上にインクを滴下するヘッドユニット、そして前記ヘッドユニットを所定の位置に移動させる移送装置を含み、前記ヘッドユニットは、インクジェットヘッド、そして前記インクジェットヘッドの底面に付着されている長いチューブ形状の複数のノズルを含むのが好ましい。
【0007】
インクジェットヘッドは長いチューブ形状のノズルを有しており、このノズルから微細なインクの滴を滴下することによって、微細な幅の薄膜を形成することができる。
発明2は、発明1において、前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されているのが好ましい。
ノズルの内側面には微細ホールが形成されているため、インクの滴を微細にし、微細な薄膜を形成することができる。
【0008】
発明3は、発明2において、前記ノズルの端部は、テーパ形状である。
ノズルの端部をテーパ形状に形成することによって、インクの濃度が水っぽい場合にも、ノズルの端部にインクが付着しにくく、インクの滴の大きさ及び方向を一定化して、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる。
発明4は、発明3において、前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる。炭素ナノチューブは、引張力が鋼鉄より100倍強く、柔軟性が優れていて、内部が空なので軽い。よって、炭素ナノチューブをノズルとして用いると、耐久性が強いインクジェットヘッドを構成することができる。また、微細な空洞部分によりインクの滴を微細にし、微細な薄膜を形成することができる
発明5は、発明1において、前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmであるのが好ましい。
【0009】
発明6は、発明2において、前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である。
発明7は、発明6において、前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つであるのが好ましい。
発明8は、発明7において、前記基板には、滴下された前記インクを閉込める隔壁部材が形成されている。
【0010】
発明9は、発明8において、前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁であるのが好ましい。
発明10は、発明7において、前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクであるのが好ましい。
また、本発明11による表示装置の製造方法は、複数のノズルが付着されているインクジェットヘッドを含むヘッドユニットを基板上に位置させる段階、そして前記ヘッドユニットを移動させて、前記インクジェットヘッドのノズルから基板上にインクを滴下する段階を含み、前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着されるのが好ましい。
【0011】
発明12は、発明11において、前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されているのが好ましい。
発明13は、発明12において、前記ノズルの端部は、テーパ形状である。
発明14は、発明13において、前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる。
発明15は、発明12において、前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmであるのが好ましい。
【0012】
発明16は、発明12において、前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である。
発明17は、発明16において、前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つであるのが好ましい。
【0013】
発明18は、発明17において、前記インクは、前記基板の隔壁部材に滴下される。
発明19は、発明18において、前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁であるのが好ましい。
発明20は、発明17において、前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクであるのが好ましい。
【0014】
本発明21による表示装置の製造方法は、インクジェットプリンティングシステムを利用した表示装置の製造方法において、前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板上にゲート線を形成する段階、前記ゲート線上にゲート絶縁膜及び半導体層を形成する段階、前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板及び半導体層上にデータ線を形成する段階、前記データ線上に接触孔を含む保護膜を形成する段階、前記保護膜上に前記データ線の一部に連結される画素電極を形成する段階を含み、前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるインクジェットプリンティングシステム及びこれを利用した表示装置の製造方法によれば、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な相異した形態で実現でき、ここで説明する実施例に限定されない。
図面では、各層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。明細書全体を通して類似した部分については、同一な図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“真上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も意味する。反対に、ある部分が他の部分の“真上”にあるとする時、これはその中間に他の部分がない場合を意味する。
【0017】
それでは、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムについて、図1乃至図4を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの斜視図であり、図2は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのヘッドユニット、乾燥ユニット、及び移送装置の底面図であり、図3は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してインクをプリントする方法を概略的に説明した図面であり、図4は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してカラーフィルターを形成するためにインクを滴下する状態を示した図面である。
【0018】
図1乃至図4に示したように、インクジェットプリンティングシステムは、母基板2が搭載されるステージ500、ステージ500上に所定の間隔で離隔して位置するヘッドユニット700、そしてヘッドユニット700を所定の位置に移動させる移送装置300を含む。
ステージ500は、母基板2を支持することができるように、母基板2より大きいのが好ましい。母基板2は、液晶表示装置のカラーフィルター表示板、有機発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板などの支持板として利用される複数の基板210からなる。
【0019】
図1には、液晶表示装置のカラーフィルター表示板を形成するための母基板2が示されており、各基板210上には、複数の開口部225を含む遮光部材220が形成されている。
ヘッドユニット700は、インクジェットヘッド400、及びインクジェットヘッド400を移送装置300に付着させる連結部710(図示せず)を含む。インクジェットヘッド400は、長い棒形状からなり、その底面に複数のノズル410が付着されている。
【0020】
ノズル410は、長いチューブ形状からなり、ノズル410の内側面に形成された微細ホール402からインク5が基板210上に滴下される。ノズル410の直径は、数百nm乃至1nmであるのが好ましく、ノズル410は、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)を利用して形成するのが好ましい。炭素ナノチューブは、6角形環に連結された炭素が長い筒形状を構成する直径1nmの大きさの微細な分子である。炭素原子が3個ずつ結合したハニカム形状の炭素の平面が巻かれてチューブ形状を構成している。炭素ナノチューブは、引張力が鋼鉄より100倍強く、柔軟性が優れていて、内部が空なので軽い。よって、炭素ナノチューブをノズルとして用いると、耐久性が強いインクジェットヘッドを構成することができる。また、微細な空洞部分によりインクの滴を微細にし、微細な薄膜を形成することができる。
【0021】
このように、インクジェットヘッドは長いチューブ形状のノズルを有しており、またノズルの内側面には微細ホールが形成されているため、微細なインクの滴を滴下することができるので、微細な幅の薄膜を形成することができる。そして、微細なインクの滴の滴下数を調節することによって、多様な形状の薄膜パターンを形成することができる。
また、ノズル410の端部410aは、テーパ形状に形成することによって、インク5の濃度が水っぽい場合にも、ノズル410にインク5が付着しにくくする。この場合、インク5の進行を妨害する要素がないので、インクの滴の大きさ及び方向が一定になって、プロファイル及び厚さが均一な薄膜を形成することができる。
【0022】
インクジェットヘッド400は、所定の角度(θ)でY方向に対して傾いている。つまり、インクジェットヘッド400から互いに隣接するノズル410の間の距離であるノズルピッチ(D)及びプリントされる画素の間の距離である画素ピッチ(P)に差があるので、インクジェットヘッド400を所定の角度(θ)に回転させることによって、ノズル410から滴下されるインク5の間の間隔を画素ピッチ(P)に一致させる。このとき、例えば、画素ピッチ(P)=ノズルピッチ(D)×cosθとなる。図2では、インクジェットヘッド400を一つだけ示したが、複数でありうる。
【0023】
移送装置300は、ヘッドユニット700を基板210から上側に所定の間隔で離隔するように位置させて、ヘッドユニット700をY方向に移送させるY方向移送部310、ヘッドユニット700及び乾燥ユニット50(図示せず)をX方向に移送させるX方向移送部320、そしてヘッドユニット700を昇降させる昇降部330、昇降部340(図示せず)を含む。
【0024】
このような構造からなるインクジェットプリンティングシステムを利用して基板210上にカラーフィルターを形成する動作について説明する。
まず、インクジェットプリンティングシステムの移送装置300のXまたはY方向移送部320、310及び昇降部330の動作によって、ヘッドユニット700は、当該基板210上に位置する。
【0025】
次に、移送装置300のX方向移送部320及びインクジェットヘッド400のノズル410を駆動してヘッドユニット700をX方向に移動させながらインク5を滴下する。
この時、長いチューブ形状のノズル410を利用して大きさ及び方向が一定のインクの滴を滴下することによって、プロファイル及び厚さが均一なカラーフィルター230を形成することができる。
【0026】
一方、このような一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して製造される表示板は、液晶表示装置のカラーフィルター表示板または有機発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板でありうる。つまり、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムによって、液晶表示装置のカラーフィルターまたは有機発光表示装置の有機発光部材を形成することができる。
【0027】
図5は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した液晶表示装置の配置図であり、図6は図5の液晶表示装置のVI−VI線による断面図である。
図5及び図6に示したように、液晶表示装置は、下側の薄膜トランジスタ表示板100、これと対向している上側のカラーフィルター表示板200、及びこれら二つの表示板100、200の間に形成されている液晶層3からなる。
【0028】
まず、図5及び図6を参照して、薄膜トランジスタ表示板100について詳細に説明する。
透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板110上に、複数のゲート線(gate line)121及び複数の維持電極線(storage electrode line)131が形成されている。ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向にのびている。各ゲート線121は、下上に突出した複数のゲート電極(gate electrode)124及び他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含む。維持電極線131は、所定の電圧の印加を受け、ゲート線121とほぼ平行にのびた幹線及びこれから分かれた複数対の第1及び第2維持電極133a、133bを含む。維持電極線131の各々は、隣接する二つのゲート線121の間に位置し、幹線は二つのゲート線121のうちの下側に近く形成されている。
【0029】
ゲート線121及び維持電極線131上には、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などからなるゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは略してa−Siとする)または多結晶シリコン(polysilicon)などからなる複数の線状半導体151が形成されている。線状半導体151は、主に縦方向にのびていて、ゲート電極124に向かってのびた複数の突出部(projection)154を含む。線状半導体151は、ゲート線121及び維持電極線131付近で面積が広くなって、これらを幅広く覆っている。
【0030】
半導体151上には、複数の線状及び島型抵抗性接触部材(ohmic contact)161、165が形成されている。抵抗性接触部材161、165は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどからなったり、シリサイド(silicide)からなることができる。線状抵抗性接触部材161は、複数の突出部163を含み、前記突出部163及び島型抵抗性接触部材165は、対をなして半導体151の突出部154上に位置している。
【0031】
抵抗性接触部材161、165及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線(data line)171及び複数のドレイン電極(drain electrode)175が形成されている。
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差している。各データ線171は、また、維持電極線131と交差して、隣接する維持電極133a及び133bの間に配列されている。各データ線171は、ゲート電極124に向かってのびた複数のソース電極(source electrode)173及び他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部179を含む。
【0032】
ドレイン電極175は、データ線171と分離されていて、ゲート電極124を中心にソース電極173と対向する。各ドレイン電極175は、面積が広い一側端部及び棒形状の他側端部を含む。面積が広い端部は維持電極137と重畳し、棒形状の端部は屈曲したソース電極173により取り囲まれている。
一つのゲート電極124、一つのソース電極173、及び一つのドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に一つの薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)を構成し、薄膜トランジスタのチャンネル(channel)は、ソース電極173及びドレイン電極175の間の突出部154に形成される。
【0033】
抵抗性接触部材161、165は、その下の半導体151及びその上のデータ線171及びドレイン電極175の間にだけ位置して、これらの間の接触抵抗を低くする。
データ線171、ドレイン電極175、及び露出された半導体151の部分上には、保護膜(passivation layer)180が形成されている。保護膜180は、無機絶縁物または有機絶縁物などからなり、表面が平坦でありうる。
【0034】
保護膜180には、データ線171の端部179及びドレイン電極175を各々露出する複数の接触孔(contact hole)182、185が形成されており、保護膜180及びゲート絶縁膜140には、ゲート線121の端部129を露出する複数の接触孔181、第1維持電極133aの固定端付近の維持電極線131の一部を露出する複数の接触孔183a、そして第1維持電極133aの自由端の突出部を露出する複数の接触孔183bが形成されている。
【0035】
保護膜180上には、複数の画素電極(pixel electrode)191、複数の連結橋(overpass)83、及び複数の接触補助部材(contact assistant)81、82が形成されている。
画素電極191は、接触孔185を通じてドレイン電極175に物理的、電気的に連結されており、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。データ電圧の印加を受けた画素電極191は、共通電圧(common voltage)の印加を受ける他の表示板200の共通電極(common electrode)270と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層3の液晶分子の配向方向を決定する。このように決定された液晶分子の配向方向によって、液晶層を通過する光の偏光が変化する。画素電極191及び共通電極270は、キャパシタ(以下、液晶キャパシタ(liquid crystal capacitor)とする)を構成して、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
【0036】
画素電極191及びこれに連結されたドレイン電極175は、維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131と重畳する。画素電極191及びこれに電気的に連結されたドレイン電極175が維持電極線131と重畳して構成するキャパシタをストレージキャパシタ(storage capacitor)といい、ストレージキャパシタは、液晶キャパシタの電圧を維持する能力を強化する。
【0037】
接触補助部材81、82は、各々接触孔181、182を通じてゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179に連結されている。接触補助部材81、82は、ゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179と外部装置との接続性を補完して、これらを保護する。
連結橋83は、ゲート線121を横切り、ゲート線121を間にはさんで反対側に位置する接触孔183a、183bを通じて維持電極線131の露出された部分及び維持電極133bの自由端の露出された端部に連結されている。維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131は、連結橋83と共に、ゲート線121、データ線171、または薄膜トランジスタの欠陥を修理するための冗長配線として使用される。
【0038】
それでは、図5及び図6に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について、詳細に説明する。
透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して金属配線用インク5を滴下してゲート線121及び維持電極線131を形成する。金属配線用インク5は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる。
【0039】
また、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる導電膜をスパッタリング蒸着して順次に湿式または乾式エッチングして、複数のゲート線121及び複数の維持電極線131を形成することができる。
【0040】
次に、約1,500−5,000Åの厚さのゲート絶縁膜140、約500−2,000Åの厚さの真性非晶質シリコン層(intrinsic amorphous silicon)、約300−600Åの厚さの不純物非晶質シリコン層(extrinsic amorphous silicon)の3層膜を連続して積層し、不純物非晶質シリコン層及び真性非晶質シリコン層を写真エッチングして、ゲート絶縁膜140上に複数の線状不純物半導体及び複数の突出部154を含む複数の線状真性半導体151を形成する。
【0041】
次に、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して金属配線用インク5を滴下して複数のソース電極173及び端部179を含む複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175を形成する。金属配線用インク5は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる。
【0042】
また、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなる導電膜をスパッタリングなどによって1,500Å乃至3,000Åの厚さに蒸着した後でパターニングして、複数のソース電極173及び端部179を含む複数のデータ線171及び複数のドレイン電極175を形成することができる。
【0043】
次に、データ線171及びドレイン電極175で覆われずに露出された不純物半導体の部分を除去することによって、複数の突出部163を含む複数の線状抵抗性接触部材161及び複数の島型抵抗性接触部材165を完成する一方で、その下の真性半導体151の部分を露出させる。露出された真性半導体151の部分の表面を安定化させるために、酸素プラズマを続けて行うのが好ましい。
【0044】
次に、保護膜180を塗布した後で保護膜180を写真エッチングして、データ線171の端部179及びドレイン電極175の一部を露出させる複数の接触孔182、185を形成し、ゲート線121の端部129上に位置するゲート絶縁膜140の部分を露出させる複数の接触孔181を形成する。
最後に、約400−500Åの厚さのIZO膜またはITO膜をスパッタリングによって積層して写真エッチングして、保護膜180、ゲート線121の端部129の露出された部分、ドレイン電極175、データ線171の端部179の露出された部分上に複数の画素電極191及び複数の接触補助部材81、82を形成する。
【0045】
それでは、カラーフィルター表示板200について、図5及び図6を参照して説明する。
透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板210上に、遮光部材(light blocking member)220が形成されている。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、光漏れを防止する。遮光部材220は、画素電極191と対向して、画素電極191とほぼ同一な形状の複数の開口部225を含み、画素電極191の間の光漏れを防止する。しかし、遮光部材220は、ゲート線121及びデータ線171に対応する部分及び薄膜トランジスタに対応する部分からなることができる。このような遮光部材220は、インクジェットプリンティングシステムを利用したカラーフィルター表示板の製造工程時に、カラーフィルター用インクを閉込める隔壁部材の役割を果たす。
【0046】
遮光部材220の開口部225には、インクジェットプリンティングシステムを利用して形成された複数のカラーフィルター230が形成されている。カラーフィルター230は、遮光部材220に囲まれた領域内に大部分が位置し、画素電極191の列に沿って縦方向に長くのびている。各カラーフィルター230は、赤色、緑色、及び青色の三原色など基本色(primary color)のうちの一つを表示することができる。
【0047】
カラーフィルター230及び遮光部材220上には、蓋膜(overcoat)250が形成されている。蓋膜250は、(有機)絶縁物からなることができ、カラーフィルター230が露出されるのを防止して、平坦な表面を提供する。蓋膜250は省略することができる。
蓋膜250上には、共通電極270が形成されている。共通電極270は、ITO、IZOなどの透明な導電物質などからなる。
【0048】
表示板100、200の内側面には、配向膜(alignment layer)11、21が塗布されており、これらは水平配向膜または垂直配向膜でありうる。表示板100、200の外側面には、偏光フィルム(polarizer)12、22が付着されており、二つの偏光フィルム12、22の偏光軸は直交し、このうちの一つの偏光軸はゲート線121に対して平行であるのが好ましい。反射型液晶表示装置の場合には、二つの偏光フィルム12、22のうちの一つを省略することができる。
【0049】
それでは、図5及び図6に示したカラーフィルター表示板を製造する方法について、詳細に説明する。
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板210上に、クロムなどの金属膜を真空蒸着などによって形成して写真エッチングして、複数の開口部225を含む遮光部材220を形成する。また、遮光部材220は、絶縁基板210上に高分子樹脂溶液を積層してスピンコーティング処理して写真エッチングして形成されることもでき、慣用的な多様な方法で形成されることができる。
【0050】
次に、遮光部材220の開口部225内にインクジェットプリンティングシステムを利用してカラーフィルター230を形成する。つまり、ヘッドユニット700を移動させながらノズル410から開口部225に赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、または青色カラーフィルターに相当する液体の顔料ペースト(paste)、つまりカラーフィルター用インク5を滴下して開口部225に充填することによって、カラーフィルター230を形成する。そして、ヘッドユニット700に隣接する乾燥ユニット50を滴下されたインク上に位置させて、真空及び熱を利用してインクを乾燥させてカラーフィルター230を完成する。したがって、カラーフィルター230のプロファイル及び厚さが均一になる。
【0051】
次に、カラーフィルター230及び遮光部材220上に、(有機)絶縁物で蓋膜250を形成する。次に、蓋膜250上に、ITO、IZOなどの透明な導電物質などで共通電極270を形成する。
それでは、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置について以下で説明する。
【0052】
まず、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置の等価回路について、図7を参照して詳細に説明する。図7は本発明の一実施例による有機発光表示装置の等価回路図である。
図7を参照すれば、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置は、複数の信号線121、171、172、及びこれらに連結されていて、ほぼ行列形態に配列された複数の画素(pixel、PX)を含む。
【0053】
信号線は、ゲート信号(または走査信号)を伝達する複数のゲート線(gate line)121、データ信号を伝達する複数のデータ線(data line)171、及び駆動電圧を伝達する複数の駆動電圧線(driving voltage line)172を含む。ゲート線121は、ほぼ行方向にのびていて、互いにほぼ平行であり、データ線171及び駆動電圧線172は、ほぼ列方向にのびていて、互いにほぼ平行である。
【0054】
各画素(PX)は、スイッチングトランジスタ(switching transistor、Qs)、駆動トランジスタ(driving transistor、Qd)、ストレージキャパシタ(storage capacitor、Cst)、及び有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED、LD)を含む。
【0055】
スイッチングトランジスタ(Qs)は、制御端子(control terminal)、入力端子(input terminal)、及び出力端子(output terminal)を含み、制御端子はゲート線121に連結されており、入力端子はデータ線171に連結されており、出力端子は駆動トランジスタ(Qd)に連結されている。スイッチングトランジスタ(Qs)は、ゲート線121に印加される走査信号に応答して、データ線171に印加されるデータ信号を駆動トランジスタ(Qd)に伝達する。
【0056】
駆動トランジスタ(Qd)も、制御端子、入力端子、及び出力端子を含み、制御端子はスイッチングトランジスタ(Qs)に連結されており、入力端子は駆動電圧線172に連結されており、出力端子は有機発光ダイオード(LD)に連結されている。駆動トランジスタ(Qd)は、制御端子及び出力端子の間にかかる電圧によってその大きさが変化する出力電流(ILD)を流す。
【0057】
ストレージキャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子及び入力端子の間に連結されている。前記キャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子に印加されるデータ信号を充電して、スイッチングトランジスタ(Qs)がターンオフされた後にもこれを維持する。
有機発光ダイオード(LD)は、駆動トランジスタ(Qd)の出力端子に連結されているアノード(anode)及び共通電圧(Vss)に連結されているカソード(cathode)を含む。有機発光ダイオード(LD)は、駆動トランジスタ(Qd)の出力電流(ILD)によって異なった強さで発光することによって、画像を表示する。
【0058】
スイッチングトランジスタ(Qs)及び駆動トランジスタ(Qd)は、n−チャンネル電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)である。しかし、スイッチングトランジスタ(Qs)及び駆動トランジスタ(Qd)のうちの少なくとも一つは、p−チャンネル電界効果トランジスタでありうる。また、トランジスタ(Qs、Qd)、キャパシタ(Cst)、及び有機発光ダイオード(LD)の連結関係は、変更することもできる。
【0059】
それでは、図7に示した有機発光表示装置用表示板の構造について、図8及び図9を参照して詳細に説明する。
図8は本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置の有機発光表示板の配置図であり、図9は図8の有機発光表示板のIX−IX線による断面図である。
【0060】
図8及び図9に示したように、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板110上に、第1制御電極(control electrode)124aを含む複数のゲート線121及び複数の第2制御電極124bを含む複数のゲート導電体(gate conductor)が形成されている。このようなゲート導電体は、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して形成する。
【0061】
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向にのびている。各ゲート線121は、他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含み、第1制御電極124aは、ゲート線121から上にのびている。
第2制御電極124bは、図8に示すように、ゲート線121と分離されていて、下方向にのびてから右方向に若干方向を変化させた後で上に長くのびた維持電極(storage electrode)127を含む。つまり、第2制御電極124bはゲート線121に向かってデータ線171と平行な方向に延在する端部と、データ線171と平行に長く延在する延長部と、連結されるように配置されている。
【0062】
ゲート導電体121、124bは、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、及びチタニウム(Ti)などからなることができる。
ゲート導電体121、124b上には、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などからなるゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
【0063】
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは略してa−Siとする)または多結晶シリコン(polysilicon)などからなる複数の第1及び第2島型半導体154a、154bが形成されている。第1及び第2半導体154a、154bは、各々第1及び第2制御電極124a、124b上に位置している。
【0064】
第1及び第2半導体154a、154b上には、各々複数対の第1抵抗性接触部材(ohmic contact)163a、165a及び複数対の第2抵抗性接触部材163b、165bが形成されている。抵抗性接触部材163a、163b、165a、165bは島形であって、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどからなったり、シリサイド(silicide)からなることができる。第1抵抗性接触部材163a、165aは対をなして第1半導体154a上に位置しており、第2抵抗性接触部材163b、165bも対をなして第2半導体154b上に位置している。
【0065】
抵抗性接触部材163a、163b、165a、165b及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線171、複数の駆動電圧線172、複数の第1及び第2出力電極(outputelectrode)175a、175bを含む複数のデータ導電体(data conductor)が形成されている。このようなデータ導電体は、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して形成する。
【0066】
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差している。各データ線171は、第1制御電極124aに向かってのびた複数の第1入力電極(input electrode)173a及び他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部179を含む。
駆動電圧線172は、駆動電圧を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差している。各駆動電圧線172は、第2制御電極124bに向かってのびた複数の第2入力電極173bを含む。駆動電圧線172は、維持電極127と重畳して互いに連結されている。
【0067】
第1及び第2出力電極175a、175bは、互いに分離されていて、データ線171及び駆動電圧線172とも分離されている。第1入力電極173a及び第1出力電極175aは、第1制御電極124aを中心に互いに対向し、第2入力電極173b及び第2出力電極175bは、第2制御電極124bを中心に互いに対向している。
データ導電体171、172、175a、175bは、モリブデン、クロム、タンタル、及びチタニウムなどの耐火性金属、またはこれらの合金からなるのが好ましく、耐火性金属膜(図示せず)及び低抵抗導電膜(図示せず)を含む多重膜構造からなることができる。
【0068】
抵抗性接触部材163a、163b、165a、165bは、その下の半導体154a、154b及びその上のデータ導電体171、172、175a、175bの間にだけ位置して、接触抵抗を低くする。半導体154a、154bには、入力電極173a、173b及び出力電極175a、175bの間をはじめとして、データ導電体171、172、175a、175bで覆われずに露出された部分がある。
【0069】
データ導電体171、172、175a、175b及び露出された半導体154a、154bの部分上には、保護膜(passivation layer)180が形成されている。保護膜180は、窒化ケイ素や酸化ケイ素などの無機絶縁物、有機絶縁物、低誘電率絶縁物などからなる。また、保護膜180は、半導体154の露出された部分を保護しつつ有機膜の長所をいかすことができるように、下部無機膜及び上部有機膜の二重膜構造からなることができる。
【0070】
保護膜180には、データ線171の端部179及び第1及び第2出力電極175bを各々露出する複数の接触孔(contact hole)182、185a、185bが形成されており、保護膜180及びゲート絶縁膜140には、ゲート線121の端部129及び第2入力電極124bを各々露出する複数の接触孔181、184が形成されている。
【0071】
保護膜180上には、複数の画素電極(pixel electrode)191、複数の連結部材(connecting member)85、及び複数の接触補助部材(contact assistant)81、82が形成されている。これらは、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質や、アルミニウム、銀、またはその合金などの反射性金属からなることができる。
【0072】
画素電極191は、接触孔185bを通じて第2出力電極175bに物理的、電気的に連結されており、連結部材85は、接触孔184、185aを通じて第2制御電極124b及び第1出力電極175aに連結されている。
接触補助部材81、82は、各々接触孔181、182を通じてゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179に連結されている。接触補助部材81、82は、ゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179と外部装置との接続性を補完して、これらを保護する。
【0073】
保護膜180上には、隔壁(partition)361が形成されている。隔壁361は、画素電極191周縁周辺を堤防(bank)のように囲んで開口部(opening)365を定義し、有機絶縁物または無機絶縁物からなる。隔壁361は、また、黒色顔料を含む感光剤からなることもでき、この場合、隔壁361は、遮光部材の役割を果たし、その形成工程が簡単である。
【0074】
隔壁361が定義する画素電極191上の開口部365内には、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して形成された有機発光部材(organic light emitting member)370が位置している。つまり、有機発光部材370は、本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの長いチューブ形状のノズル410を利用して、所定の色の有機発光部材用インクを滴下することにより形成する。有機発光部材370は、赤色、緑色、青色の三原色など基本色(primary color)のうちのいずれか一つの光を固有に放出する有機物質からなる。有機発光表示装置は、有機発光部材370が放出する基本色光の空間的な合計によって所望の画像を表示する。
【0075】
有機発光部材370は、光を放出する発光層(emitting layer)(図示せず)以外にも、発光層の発光効率を向上させるための付帯層(auxiliary layer)(図示せず)を含む多層構造からなることができる。付帯層には、電子及び正孔の均衡を合せるための電子輸送層(electron transport layer)(図示せず)及び正孔輸送層(hole transport layer)(図示せず)、そして電子及び正孔の注入を強化するための電子注入層(electron injecting layer)(図示せず)及び正孔注入層(hole injecting layer)(図示せず)などがある。
【0076】
有機発光部材370上には、共通電極(common electrode)270が形成されている。共通電極270は、共通電圧(Vss)の印加を受け、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム、銀などを含む反射性金属、またはITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなる。
このような有機発光表示装置において、ゲート線121に連結されている第1制御電極124a、データ線171に連結されている第1入力電極173a及び第1出力電極175aは、第1半導体154aと共にスイッチング薄膜トランジスタ(switching TFT)(Qs)を構成し、スイッチング薄膜トランジスタ(Qs)のチャンネル(channel)は、第1入力電極173a及び第1出力電極175aの間の第1半導体154aに形成される。第1出力電極175aに連結されている第2制御電極124b、駆動電圧線172に連結されている第2入力電極173b、及び画素電極191に連結されている第2出力電極175bは、第2半導体154bと共に駆動薄膜トランジスタ(driving TFT)(Qd)を構成し、駆動薄膜トランジスタ(Qd)のチャンネルは、第2入力電極173b及び第2出力電極175bの間の第2半導体154bに形成される。画素電極191、有機発光部材370、及び共通電極270は、有機発光ダイオード(LD)を構成し、画素電極191がアノード(anode)になって共通電極270がカソード(cathode)になったり、反対に画素電極191がカソードになって共通電極270がアノードになる。互いに重畳する維持電極127及び駆動電圧線172は、ストレージキャパシタ(storage capacitor)(Cst)を構成する。
【0077】
このような有機発光表示装置は、基板110の上側または下側に光を放出して画像を表示する。不透明な画素電極191及び透明な共通電極270は、基板110の上側方向に画像を表示する前面発光(top emission)方式の有機発光表示装置に適用され、透明な画素電極191及び不透明な共通電極270は、基板110の下側方向に画像を表示する背面発光(bottom emission)方式の有機発光表示装置に適用される。
【0078】
一方、半導体154a、154bが多結晶シリコンである場合には、制御電極124a、124bと対向する真性領域(intrinsic region)(図示せず)及びその両側に位置する不純物領域(extrinsic region)(図示せず)を含む。不純物領域は、入力電極173a、173b及び出力電極175a、175bに電気的に連結されており、抵抗性接触部材163a、163b、165a、165bは省略することができる。
【0079】
また、制御電極124a、124bを半導体154a、154b上に位置させることもでき、この時にも、ゲート絶縁膜140は、半導体154a、154b及び制御電極124a、124bの間に位置している。この時、データ導電体171、172、173b、175bは、ゲート絶縁膜140上に位置して、ゲート絶縁膜140に形成された接触孔(図示せず)を通じて半導体154a、154bに電気的に連結されている。これとは異なって、データ導電体171、172、173b、175bが半導体154a、154b下に位置して、その上の半導体154a、154bに電気的に接触することもできる。
【0080】
以上で、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な実施例が可能であるということを理解することができる。したがって、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのヘッドユニット及び移送装置の底面図である。
【図3】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してインクをプリントする方法を概略的に説明した図面である。
【図4】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムのインクジェットヘッドを利用してカラーフィルターを形成するためにインクを滴下する状態を示した図面である。
【図5】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した液晶表示装置の配置図である。
【図6】図5の液晶表示装置のVI−VI線による断面図である。
【図7】本発明の一実施例による有機発光表示装置の等価回路図である。
【図8】本発明の一実施例によるインクジェットプリンティングシステムを利用して完成した有機発光表示装置の有機発光表示板の配置図である。
【図9】図8の有機発光表示板のIX−IX線による断面図である。
【符号の説明】
【0082】
300 移送装置
310 Y方向移送部
320 X方向移送部
330、340 昇降部
400 インクジェットヘッド
402 微細ホール
410 ノズル
500 ステージ
700 ヘッドユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が搭載されるステージ、
前記基板上にインクを滴下するヘッドユニット、そして
前記ヘッドユニットを所定の位置に移動させる移送装置を含み、
前記ヘッドユニットは、インクジェットヘッド、そして前記インクジェットヘッドの底面に付着されている長いチューブ形状の複数のノズルを含む、インクジェットプリンティングシステム。
【請求項2】
前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項3】
前記ノズルの端部は、テーパ形状である、請求項2に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項4】
前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる、請求項3に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項5】
前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmである、請求項1に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項6】
前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である、請求項2に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項7】
前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つである、請求項6に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項8】
前記基板には、滴下された前記インクを閉じ込める隔壁部材が形成されている、請求項7に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項9】
前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁である、請求項8に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項10】
前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクである、請求項7に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項11】
複数のノズルが付着されているインクジェットヘッドを含むヘッドユニットを基板上に位置させる段階、そして
前記ヘッドユニットを移動させて、前記インクジェットヘッドのノズルから基板上にインクを滴下する段階を含み、
前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着される、表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されている、請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記ノズルの端部は、テーパ形状である、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる、請求項13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmである、請求項12に記載のインクジェットプリンティングシステム(表示装置の製造方法)。
【請求項16】
前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つである、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記インクは、前記基板の隔壁部材に滴下される、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁である、請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクである、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
インクジェットプリンティングシステムを利用した表示装置の製造方法において、
前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板上にゲート線を形成する段階、
前記ゲート線上にゲート絶縁膜及び半導体層を形成する段階、
前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板及び半導体層上にデータ線を形成する段階、
前記データ線上に接触孔を含む保護膜を形成する段階、
前記保護膜上に前記データ線の一部に連結される画素電極を形成する段階を含み、
前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着される、表示装置の製造方法。
【請求項1】
基板が搭載されるステージ、
前記基板上にインクを滴下するヘッドユニット、そして
前記ヘッドユニットを所定の位置に移動させる移送装置を含み、
前記ヘッドユニットは、インクジェットヘッド、そして前記インクジェットヘッドの底面に付着されている長いチューブ形状の複数のノズルを含む、インクジェットプリンティングシステム。
【請求項2】
前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項3】
前記ノズルの端部は、テーパ形状である、請求項2に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項4】
前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる、請求項3に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項5】
前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmである、請求項1に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項6】
前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である、請求項2に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項7】
前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つである、請求項6に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項8】
前記基板には、滴下された前記インクを閉じ込める隔壁部材が形成されている、請求項7に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項9】
前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁である、請求項8に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項10】
前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクである、請求項7に記載のインクジェットプリンティングシステム。
【請求項11】
複数のノズルが付着されているインクジェットヘッドを含むヘッドユニットを基板上に位置させる段階、そして
前記ヘッドユニットを移動させて、前記インクジェットヘッドのノズルから基板上にインクを滴下する段階を含み、
前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着される、表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記ノズルの内側面には、前記インクが進む通路である微細ホールが形成されている、請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記ノズルの端部は、テーパ形状である、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記ノズルは、炭素ナノチューブからなる、請求項13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記ノズルの直径は、数百nm乃至1nmである、請求項12に記載のインクジェットプリンティングシステム(表示装置の製造方法)。
【請求項16】
前記基板は、液晶表示装置用基板または有機発光表示装置用基板である、請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記インクは、カラーフィルター用インク、有機発光部材用インク、または金属配線用インクから選択されるいずれか一つである、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記インクは、前記基板の隔壁部材に滴下される、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記隔壁部材は、前記液晶表示装置の遮光部材または前記有機発光表示装置の隔壁である、請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記金属配線用インクは、ゲート線、維持電極線、またはデータ線から選択されるいずれか一つの金属配線用インクである、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項21】
インクジェットプリンティングシステムを利用した表示装置の製造方法において、
前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板上にゲート線を形成する段階、
前記ゲート線上にゲート絶縁膜及び半導体層を形成する段階、
前記インクジェットプリンティングシステムのノズルから金属配線用インクを滴下して前記基板及び半導体層上にデータ線を形成する段階、
前記データ線上に接触孔を含む保護膜を形成する段階、
前記保護膜上に前記データ線の一部に連結される画素電極を形成する段階を含み、
前記ノズルは、長いチューブ形状で、前記インクジェットヘッドの底面に付着される、表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−183627(P2007−183627A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345271(P2006−345271)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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