インクジェットヘッドおよびその製造方法
【課題】ノズル密度が向上し、かつインクを良好に吐出させることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上の少なくとも複数の流路15同士を仕切る部分である流路の側壁となる部位に第1の流路形成部材6を形成する。流路15の型となるパターン(不図示)であって、基板1と第1の流路形成部材6の流路15の側壁となる部分との上にまたがって形成されており、流路15の側壁となる部分における一部を被覆し、他の部分を被覆していないパターン(不図示)を形成する。第1の流路形成部材6とパターン(不図示)との上に、第1の流路形成部材6に対応する材料により構成される第2の流路形成部材7を形成する。第2の流路形成部材7に吐出口4を形成する。パターン(不図示)を除去することにより、流路15を形成する。第1の流路形成部材と第2の流路形成部材とは、ともに感光性樹脂を含有する。
【解決手段】基板1上の少なくとも複数の流路15同士を仕切る部分である流路の側壁となる部位に第1の流路形成部材6を形成する。流路15の型となるパターン(不図示)であって、基板1と第1の流路形成部材6の流路15の側壁となる部分との上にまたがって形成されており、流路15の側壁となる部分における一部を被覆し、他の部分を被覆していないパターン(不図示)を形成する。第1の流路形成部材6とパターン(不図示)との上に、第1の流路形成部材6に対応する材料により構成される第2の流路形成部材7を形成する。第2の流路形成部材7に吐出口4を形成する。パターン(不図示)を除去することにより、流路15を形成する。第1の流路形成部材と第2の流路形成部材とは、ともに感光性樹脂を含有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の被記録媒体に記録するためのインクジェットヘッドおよびその製造方法に関する。上述の「記録」は、文字や図形などの意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味する。
【背景技術】
【0002】
一般的なインクジェットヘッドとして、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子の面に対してインク吐出が垂直方向に吐出するインクジェットヘッドを例に述べる。近年、インクジェットヘッドは、小型化、高密度化に対し、基板内に半導体製造技術を用いて、エネルギー発生素子を駆動するための電気制御回路を内蔵した構成が提案されている。前記する高機能なインクジェットヘッドは基板裏面より基板を貫通させて共通インク供給口を形成して、その基板の開口部の左右両側にノズル(吐出口およびそれに連なる流路)を多数配置することによって小型化、かつ高画質化を実現している。上述した高機能なインクジェットヘッドの開口部片側のノズル列密度としては、600dpiまでが製品化されている。
【0003】
更にノズル列密度を向上させるためには、高精細なパターンを形成するための製造装置として高額な投資が必要になる。そのため、ノズル列密度は600dpiのままとし、共通インク供給口の両側のノズル位置(吐出口の位置)を互いに半ピッチずらした構成が提案されている。それにより、記録時の実質的なノズル密度を2倍に向上させて1200dpiとし、記録画像の高画質化を達成している。上記したような構造は、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、流路の型のパターンを形成した後、流路形成部材となる樹脂を被覆し、型を除去することにより流路を形成する方法が開示されている。また、同文献には、基板とノズル層との密着性に関し、密着層としてポリエーテルアミド樹脂を基板とノズル層との間に挟み込む構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6830317号明細書
【特許文献2】米国特許第6390606号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、インクジェットヘッドによる記録画像の更なる高画質化を目指すためには、投資を最小限に抑えつつもノズル列の高密度化を図ることができる技術の開発を行っていく必要がある。
【0007】
特許文献2に示される方法は、従来から用いられている材料では流路パターンの型材のパターニング精度に一定の限界があるものの、従来のノズル密度(600dpi)までは、図10に示すように良好な流路壁106を形成することが可能である。なお、流路壁106のアスペクト比(高さと幅との比)は4:3である。これに対し、ノズル密度を1200dpiに向上させた場合には、感光性材料からなる型材の解像力が不足し、流路壁106を良好に形成できないという課題が発生する。例えば、図11に示すように流路壁106の端部と密着層107との間に隙間が形成されてしまうと、隣接する流路同士が連通
してクロストークの影響を受けるため、インクを良好に吐出させることができない。
【0008】
この対策としては、型材の材料を解像力のより高い材料に変更することが考えられる。しかし、解像力のより高い材料を直ちに開発することは困難である。他の対策としては、型材の厚みを小さくすることも考えられる。しかし、ノズル密度を1200dpiに向上させた場合には各流路の流路幅が減少するため、吐出口へのインクのリフィル不足が発生しやすくなる。そのため、各流路の流路断面積を確保してそのようなリフィル不足を補うためには、各流路の高さを高くする必要がある。したがって、型材の厚みを小さくすることは現実的ではない。したがって、ノズル密度を向上させた場合に生じる問題を、上述した2つの対策によって解決することはできない。
【0009】
そこで本発明は、ノズル密度が向上し、かつインクを良好に吐出させることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数の吐出口と、前記吐出口に連通する複数の流路と、を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、基板の上の少なくとも前記複数の流路同士を仕切る部分である流路の側壁となる部位に第1の流路形成部材を形成する工程と、前記流路の型となるパターンであって、前記基板と前記第1の流路形成部材の前記流路の側壁となる部分との上にまたがって形成されており、前記流路の側壁となる部分における一部を被覆し、他の部分を被覆していない前記パターンを形成する工程と、前記第1の流路形成部材と前記パターンとの上に、前記第1の流路形成部材に対応する材料により構成される第2の流路形成部材を形成する工程と、前記第2の流路形成部材に前記吐出口を形成する工程と、前記パターンを除去することにより、前記流路を形成する工程と、を有し、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とは、ともに感光性樹脂を含有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノズル密度が向上し、かつインクを良好に吐出させることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの模式的な斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った部分断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの部分断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドを吐出口から基板に向かう方向に見た透視図である。
【図10】600dpiのノズル密度を有する従来のインクジェットヘッドのノズル壁を示す断面図である。
【図11】本発明が解決しようとする課題を説明するために用いられるインクジェットヘッドのノズル壁を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のインクジェットヘッドの製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの模式的な斜視図である。本実施形態のインクジェットヘッドは、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子2が所定のピッチで2列に並んで形成されたシリコンの基板1を有している。基板1には、各ノズルに対して共通のインク供給口3が、エネルギー発生素子2の2つの列の間に開口されている。シリコンの基板1上に流路を形成する流路形成部材9には、各エネルギー発生素子2の上方に開口する吐出口4と、インク供給口3から各吐出口4に連通する流路15が形成されている。
【0015】
このインクジェットヘッドは、インク供給口3が形成された面が被記録媒体の記録面に対面するように配置される。そしてインク供給口3を介して流路内に充填されたインクに、エネルギー発生素子2によって発生する圧力を加えることによって、吐出口4からインク液滴を吐出させ、記録媒体に付着させることによって記録を行う。
【0016】
なお、「インク」または「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
【0017】
図2は図1のA−A線に沿った部分断面図である。本実施形態のインクジェットヘッドでは、密着層5が基板1上にパターニングされている。密着層5の材料にはポリエーテルアミド樹脂が用いられている。具体的に本実施形態では、密着層5の材料には日立化成(株)のHIMAL−1200(製品名)を使用した。密着層5の厚みは2μmとした。
【0018】
さらに、密着層5の上に、所定のパターニングが行われた第1の流路形成部材6が流路の側壁として配置されている。この第1の流路形成部材6は、後述する製造工程中に見られる型材の解像力が不足する箇所に配置されている。具体的に本実施形態の構成では、流路形成部材の隣接する流路を仕切る部分である流路壁8の下側部分における解像力が不足するため、流路壁8の下側部分となる部位に第1の流路形成部材6が配置されている。本実施形態では、このように第1の流路形成部材6で流路壁8の下側部分を構成した後に、第2の流路形成部材7によって流路形成部材9の残りの部分を構成するようになっている。第1の流路形成部材7と第2の流路形成部材7とは、例えばエポキシ樹脂の硬化物によって形成することができる。第1の流路形成部材6の厚みは5〜14μmの範囲であれば良い。その厚みの下限は、後述する流路の型材となるパターンの解像可能なアスペクト比から計算される値によって決まる。一方、厚みの上限は、基本的に流路壁の高さまで可能であるが、型材塗布時の平坦性を考慮すると低い方が望ましい。上記を考慮して、本実施形態では第1の流路形成部材層6の厚みは5μmとした。なお、第1の流路形成部材6の材料は、第2の流路形成部材7の材料と異なっていてもよい。しかし、第1の流路形成部材6の材料としては、耐インク性を有し、かつ密着層5および第1の流路形成部材6に対応する材料により形成される第2の流路形成部材7との密着性を有する材料を選択する必要がある。
【0019】
第1の流路形成部材6を5μmの厚さで形成しておくことで、次の工程で形成すべき残りの流路壁8の高さがその分だけ低くなる。そのため、型材となるパターン14(図3D及び図4D参照)を形成する樹脂層の解像可能なアスペクト比が4:3のままであっても、残りの第1の流路形成部材6を小さい幅寸法で形成することが可能となっている。さらに、密着層5を覆うように、すなわち密着層5の側面を囲うように第1の流路形成部材6を形成することによって、密着層5に対する第1の流路形成部材6の密着面積をより大きく確保できる。これにより、基板1から第1及び第2の流路形成部材6,7が剥がれにくい構造になっている。本実施形態では、パターン14をなす樹脂層(例えばポジ型感光性樹脂)の材料には溶媒に溶解可能な樹脂(東京応化製のODUR)を使用し、その厚さを16μmとした。ただし、パターン14の密着層5の上に形成されている部分の厚さは、密着層5の厚さ2μmを差し引いた14μmとなる。
【0020】
第1の流路形成部材6の上には、所定のパターニングが行われた第2の流路形成部材7が形成されている。本実施形態では第2の流路形成部材7を21μmの厚さに形成し、第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7との合計の厚さを26μmとした。
【0021】
なお、流路形成部材9が第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7との2層構造であるか否かは、第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7とが異なる材料で構成されている場合には、成分分析によって検証することが可能である。また、各流路形成部材6,7のそれぞれのパターニング工程において、露光装置の位置あわせ精度に起因して第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7との間の位置あわせに誤差が生じる。そのため、第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7とが同一の材料で構成されている場合であっても、2層構造であるか否かを電子顕微鏡等を用いて容易に検証することが可能である。
【0022】
なお、上記の各寸法はあくまでも一例に過ぎず、本願の特許の請求範囲を何ら制限するものではない。
【0023】
図3(a)〜図3(h)及び図4(a)〜図4(f)は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。図3(a)〜図3(h)の各図は、図1のB−B線に沿った断面に相当している。また、図4(a)〜図4(g)の各図は、図1のA−A線に沿った断面に相当している。
【0024】
図3(a),図4(a)に示したシリコンの基板1は、表面の結晶方位面が<100>面である。本実施形態ではそのような結晶方位面を有するシリコン基板1を用いた例について説明するが、本発明はそれに制限されるものではない。シリコン基板1上には熱酸化膜10が形成されており、さらにその上には絶縁層であるシリコン酸化膜11が形成されている(図4(a)〜図4(f)では不図示)。シリコン酸化膜11の上には、発熱抵抗体等のエネルギー発生素子2が複数個配置されている。
【0025】
次に、図3(b),図4(b)に示すように、エネルギー発生素子2及び電気信号回路の保護膜として機能するシリコン窒化膜12を基板1上に成膜する。その後、耐キャビテーション膜としてのタンタル膜13を所定の位置(例えば素子2の上方の位置)にパターニングする。さらに、シリコン窒化膜12上に密着層5を形成し、所定のパターニングを行う。本実施形態における密着層5は、熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミド樹脂からなる。この密着層5は後述する流路形成部材9と基板1との密着性を向上させる役割を有している。密着層5を構成するポリエーテルアミド樹脂は、スピンコート等により基板1上に塗布し、ポジ型レジスト(不図示)を利用してパターンを形成することが可能である。
【0026】
次に、図3(c),図4(c)に示すように、後の露光工程において型材の解像力が不足する部分(本実施形態では流路壁8の下側となる部分)に第1の流路形成部材6をパターニングする。本実施形態では、第1の流路形成部材6を複数の流路同士を仕切る位置に形成した。すなわち、少なくとも第1の流路形成部材6は流路15の側壁として機能することになる。第1の流路形成部材6のパターニングは、感光性樹脂をスピンコート等によって塗布した後、紫外線やDeepUV光等によって露光、現像することで行われる。
【0027】
次に、図3(d),図4(d)に示すように、基板1上のエネルギー発生素子2を含む領域に、インク流路部の型となるパターン14を溶媒に溶解可能な感光性樹脂で形成する。溶媒に溶解可能な樹脂は、例えば東京応化製のODURである。パターン14は、そのような樹脂をスピンコート等によって塗布した後、紫外線やDeepUV光等による露光、現像を行うことでパターニングされる。
【0028】
次に、図3(e),図4(e)に示すように、基板1、パターン14および第1の流路形成部材6の上に、感光性樹脂からなる第2の流路形成部材7をスピンコート等により形成する。さらに、第2の流路形成部材7に紫外線やDeepUV光等による露光、現像を行って、吐出口4を形成する。
【0029】
次に、図3(f)に示すように、シリコン基板1の裏面側の熱酸化膜10をパターニングし、基板1の異方性エッチングの開始面となる面を露出させた後、シリコン異方性エッチングを行って基板1に共通インク供給口3を形成する。この共通インク供給口3は、基板1に化学的なエッチング、例えばTMAHやKOHの強アルカリ溶液による異方性エッチングを施して形成する。
【0030】
次に、図3(g)に示すように、シリコン酸化膜11をフッ酸液を用いてウエットエッチングによって除去する。その後、シリコン窒化膜12をドライエッチング等によって除去する。
【0031】
最後に、図3(h),図4(f)に示すように、パターン14を吐出口4およびインク供給口3から溶出させる。こうして流路形成部材6,7内にインクの流路およびエネルギー発生素子2がエネルギーをインクに作用させるエネルギー発生部を含むノズル部が形成される。なお、この工程中において溶媒中で基板1に超音波浸漬を行うことで、パターン14の除去を迅速かつ良好に行うことができる。
【0032】
以上の工程により、ノズル部が形成された基板1が完成する。そして、その基板1をダイシングソー等によって切断分離してチップ化し、各チップにおいて、インク吐出エネルギー発生素子3を駆動させる電気配線の接合を行った後、インク供給用のチップタンク部材を接続することで、インクジェットヘッドが完成する。
【0033】
本実施形態によれば、上述したように、パターン14を形成する樹脂において解像力が不足する箇所に第1の流路形成部材6が配置されて流路壁8の下側部分が構成される。この第1の流路形成部材6は第2の流路形成部材7を形成する装置と同一の装置を使用して形成可能であるため、製造装置の大幅なコストアップをせずに第1の流路形成部材6を配置することが可能である。この第1の流路形成部材6を配置することにより、パターン14で形成する残りの流路壁8の高さが減少するため、パターン14の解像力を向上させなくても流路壁8を薄く形成することが可能となる。そのため、例えばパターン14の厚みが14μmである場合、流路壁8の幅を7μmに形成することが可能になった。これにより、共通のインク供給口3の片側におけるノズル密度を従来の600dpiから1200dpiに向上させることが可能になり、インクジェットヘッドの記録画像の品位を大幅に
向上させることが可能になった。さらに、将来的には、電気制御回路を内蔵した基板1の小面積化によるコストダウンをも展開していくことが可能となった。
【0034】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの部分断面図である。
【0035】
上述した第1の実施形態と同様に、本実施形態のインクジェットヘッドにおいても密着層5が基板1上にパターニングされている。密着層5の材料にはポリエーテルアミド樹脂が用いられている。ただし、本実施形態における密着層5は、その上に形成された第1の流路形成部材6の幅および長さの寸法と同じ寸法を有している。第2の実施形態のその他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0036】
図6(a)〜図6(h)は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。以下では、第1の実施形態におけるインクジェットヘッドの製造工程と異なる工程について説明し、第1の実施形態と同様に行われる工程については説明を省略する。
【0037】
図6(b)に示す工程において、本実施形態ではまず、エネルギー発生素子2及び電気信号回路の保護膜として機能するシリコン窒化膜12をシリコン基板1上に成膜する。その後、耐キャビテーション膜としてのタンタル膜13を所定の位置(例えば素子2の上方の位置)にパターニングする。
【0038】
次に、シリコン窒化膜12上に密着層5を形成する。密着層5は熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミド樹脂からなる。この密着層5は、後述するノズル層9との密着性を向上させる役割を有している。密着層5を構成するポリエーテルアミド樹脂は、スピンコート等によりシリコン基板1上に塗布することが可能である。
【0039】
次に、密着層5上の、後の露光工程において型材の解像力が不足する部分(本実施形態では主として流路壁8の下側となる部分)に第1の流路形成部材6をパターニングする。第1の流路形成部材6のパターニングは、感光性樹脂をスピンコート等によって塗布した後、紫外線やDeepUV光等によって露光、現像することで行われる。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、パターニングされた第1の流路形成部材6をマスクとして用いて、密着層5のパターニングを行う。密着層5のパターニング方法は、ドライエッチングによるもの等があげられる。また密着層5が感光性をもつポリエーテルアミド樹脂の場合にはフォトリソグラフィーの手法により行う。これにより密着層5は第1の流路形成部材6で覆われた部分を残して除去されるため、残された密着層5は第1の流路形成部材6の幅および長さの寸法と同じ寸法を有することとなる。
【0041】
これに続く図6(d)〜図6(h)に示す工程は、図3(d)〜図3(h)に示した第1の実施形態の工程と同じである。
【0042】
第1の実施形態では、密着層5をパターニングするためにポジ型レジストを塗布し、かつそのパターニングを行う必要がある。これに対して本実施形態では、密着層5はその上に形成された第1の流路形成部材6をマスクとしてパターニングが行われるので、密着層5のパターニング用のポジ型レジストの塗布等を行う必要がなくなり、その分の工程を簡略化することができる。また、第1の流路形成部材6を形成する際に密着層5との位置合わせ行う必要がなくなるので、その分の工程を省くことが可能になる。
【0043】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図7(a)〜図7(h)を参照して説明する。本発明の第3の実施形態は、流路形成部材と基板との密着力がより向上された例に関するものである。
【0044】
図7(a)〜図7(h)の各図は本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。図7(a)〜図7(g)は図1におけるB−B線に沿った断面に相当し、図7(h)は図1におけるC−C線に沿った断面に相当する。
【0045】
図7(g)及び図7(h)に示すように、本実施形態のインクジェットヘッドは、基板1上の供給口3からエネルギー発生素子2に至るまでの間において、吐出口4が形成された面と対向する位置(以下、流路の底部という。)にも流路形成部材6が設けられている。また図示した形態では、第1の流路形成部材6は密着層5を覆うように形成されている。
【0046】
本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法について、図7(a)〜図7(h)を参照して以下に説明する。
【0047】
図7(a)に示すようにエネルギー発生素子2が形成された基板1を用意した後、図7(b)に示すように、基板1上に密着層5を形成する。この際に、密着層5を基板1上の、流路の底部となる位置のうちインク供給口3からエネルギー発生素子2に至るまでの位置に形成する。密着層5を形成する材料は、基板1と、第1および第2の流路形成部材6,7を形成する材料に応じて適宜選択可能である。本例ではポリエーテルアミドを使用した例を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0048】
ついで、図7(c)に示すように、図3(c)を参照して説明した方法と同様にして第1の流路形成部材6を形成する。このとき、第1の流路形成部材6を、流路の底部となる位置のうちインク供給口3からエネルギー発生素子2に至るまでの間の位置に形成する。すなわち第1の流路形成部材6のうち流路15の側壁となる部分に挟まれる位置に形成する。このとき、必要に応じて第1の流路形成部材6が密着層5を完全に覆うように形成することができるが、これは本発明を限定するものではない。完全に覆うとは、密着層5が流路15から遮断されるという意味である。
【0049】
以降の図7(d)〜図7(g)に示す各工程は、第1の実施形態において説明した方法によって行い、最終的には図7(g)に示すようなインクジェットヘッドを完成させることができる。
【0050】
本実施形態のインクジェットヘッドは、流路の底部に第1の流路形成部材6を設けることができるため、基板1と第1の流路形成部材6との接触面積が増すことにより、基板1と流路形成部材6,7との密着力の向上が図られている。流路の底部に設けられる第1の流路形成部材6は、第1の流路形成部材6のうち側壁の機能をなす部分と連続していてもよいし、独立していてもよい。また必要に応じて、流路の底部に形成される第1の流路形成部材6と基板1との間に密着層5を形成することができる。そのため、基板1と密着層5との接触面積が増し、また同時に密着層5と第1の流路形成部材6との接触面積が増す。言い換えれば、基板1と第1の流路形成6との間に介在することができる密着層5の領域を増やすことができる。本発明によれば、基板1と流路形成部材6,7との密着力が増し、流路形成部材6,7が剥がれにくく、信頼度の高いインクジェットヘッドを得ることが出来る。さらに、好ましくは第1の流路形成部材6が密着層5を完全に覆う形態(第1の流路形成部材6により密着層5と流路とを遮断する形態)をとることができる。この場合には、製造時に用いる溶媒や、インク等が密着層5に接触することがない。そのため、密着層5の材料の選択の自由度が増すこととなる。
【0051】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図8(a)〜図8(d)及び図9を参照して説明する。図8(a)〜図8(d)は本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図であり、図1におけるB−B線に沿った断面に相当する。また、図9は本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドを吐出口から基板に向かう方向に見た透視図である。
【0052】
図8(d)に示されているように、本実施形態のインクジェットヘッドは、流路15の底部において、第1の流路形成部材6が形成され、その上にフィルタ部材16が形成されている。フィルタ部材16には、流路15内に入った異物等が吐出口4へと導かれることを抑制することが望まれる。本実施形態においても、前述したように第1の流路形成部材6と基板1との間に密着層5を形成することができる。
【0053】
以下、図8(a)〜図8(d)を参照して本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法について説明する。
【0054】
図7(a)〜図7(c)に示す工程までは、第3の実施形態と同様に行う。
【0055】
ついで、図8(a)に示すように、流路15の型となるパターン14を形成する。この際、第1の流路形成部材6の一部に型を被覆させ、残りの部分において、第1の流路形成部材6を露出させておく。
【0056】
ついで、図8(b)に示すように、第2の流路形成部材7を形成する。この際に、第2の流路形成部材7においてフィルタ部材16が第1の流路形成部材6と接触するようになる。このようにして、フィルタ部材16は流路形成部材6,7と一体に構成される。
【0057】
ついで、図8(c)に示すように、第2の流路形成部材7に吐出口4を形成し、以降は第3の実施形態と同様の工程を行うと、図8(d)に示すようなインクジェットヘッドが完成する。
【符号の説明】
【0058】
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 インク供給口
4 吐出口
5 密着層
6 第1の流路形成部材
7 第2の流路形成部材
14 パターン
15 流路
【技術分野】
【0001】
本発明は紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の被記録媒体に記録するためのインクジェットヘッドおよびその製造方法に関する。上述の「記録」は、文字や図形などの意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味する。
【背景技術】
【0002】
一般的なインクジェットヘッドとして、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子の面に対してインク吐出が垂直方向に吐出するインクジェットヘッドを例に述べる。近年、インクジェットヘッドは、小型化、高密度化に対し、基板内に半導体製造技術を用いて、エネルギー発生素子を駆動するための電気制御回路を内蔵した構成が提案されている。前記する高機能なインクジェットヘッドは基板裏面より基板を貫通させて共通インク供給口を形成して、その基板の開口部の左右両側にノズル(吐出口およびそれに連なる流路)を多数配置することによって小型化、かつ高画質化を実現している。上述した高機能なインクジェットヘッドの開口部片側のノズル列密度としては、600dpiまでが製品化されている。
【0003】
更にノズル列密度を向上させるためには、高精細なパターンを形成するための製造装置として高額な投資が必要になる。そのため、ノズル列密度は600dpiのままとし、共通インク供給口の両側のノズル位置(吐出口の位置)を互いに半ピッチずらした構成が提案されている。それにより、記録時の実質的なノズル密度を2倍に向上させて1200dpiとし、記録画像の高画質化を達成している。上記したような構造は、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、流路の型のパターンを形成した後、流路形成部材となる樹脂を被覆し、型を除去することにより流路を形成する方法が開示されている。また、同文献には、基板とノズル層との密着性に関し、密着層としてポリエーテルアミド樹脂を基板とノズル層との間に挟み込む構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6830317号明細書
【特許文献2】米国特許第6390606号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、インクジェットヘッドによる記録画像の更なる高画質化を目指すためには、投資を最小限に抑えつつもノズル列の高密度化を図ることができる技術の開発を行っていく必要がある。
【0007】
特許文献2に示される方法は、従来から用いられている材料では流路パターンの型材のパターニング精度に一定の限界があるものの、従来のノズル密度(600dpi)までは、図10に示すように良好な流路壁106を形成することが可能である。なお、流路壁106のアスペクト比(高さと幅との比)は4:3である。これに対し、ノズル密度を1200dpiに向上させた場合には、感光性材料からなる型材の解像力が不足し、流路壁106を良好に形成できないという課題が発生する。例えば、図11に示すように流路壁106の端部と密着層107との間に隙間が形成されてしまうと、隣接する流路同士が連通
してクロストークの影響を受けるため、インクを良好に吐出させることができない。
【0008】
この対策としては、型材の材料を解像力のより高い材料に変更することが考えられる。しかし、解像力のより高い材料を直ちに開発することは困難である。他の対策としては、型材の厚みを小さくすることも考えられる。しかし、ノズル密度を1200dpiに向上させた場合には各流路の流路幅が減少するため、吐出口へのインクのリフィル不足が発生しやすくなる。そのため、各流路の流路断面積を確保してそのようなリフィル不足を補うためには、各流路の高さを高くする必要がある。したがって、型材の厚みを小さくすることは現実的ではない。したがって、ノズル密度を向上させた場合に生じる問題を、上述した2つの対策によって解決することはできない。
【0009】
そこで本発明は、ノズル密度が向上し、かつインクを良好に吐出させることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、インクを吐出する複数の吐出口と、前記吐出口に連通する複数の流路と、を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、基板の上の少なくとも前記複数の流路同士を仕切る部分である流路の側壁となる部位に第1の流路形成部材を形成する工程と、前記流路の型となるパターンであって、前記基板と前記第1の流路形成部材の前記流路の側壁となる部分との上にまたがって形成されており、前記流路の側壁となる部分における一部を被覆し、他の部分を被覆していない前記パターンを形成する工程と、前記第1の流路形成部材と前記パターンとの上に、前記第1の流路形成部材に対応する材料により構成される第2の流路形成部材を形成する工程と、前記第2の流路形成部材に前記吐出口を形成する工程と、前記パターンを除去することにより、前記流路を形成する工程と、を有し、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とは、ともに感光性樹脂を含有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノズル密度が向上し、かつインクを良好に吐出させることができるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの模式的な斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った部分断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの部分断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドを吐出口から基板に向かう方向に見た透視図である。
【図10】600dpiのノズル密度を有する従来のインクジェットヘッドのノズル壁を示す断面図である。
【図11】本発明が解決しようとする課題を説明するために用いられるインクジェットヘッドのノズル壁を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のインクジェットヘッドの製造方法について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの模式的な斜視図である。本実施形態のインクジェットヘッドは、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子2が所定のピッチで2列に並んで形成されたシリコンの基板1を有している。基板1には、各ノズルに対して共通のインク供給口3が、エネルギー発生素子2の2つの列の間に開口されている。シリコンの基板1上に流路を形成する流路形成部材9には、各エネルギー発生素子2の上方に開口する吐出口4と、インク供給口3から各吐出口4に連通する流路15が形成されている。
【0015】
このインクジェットヘッドは、インク供給口3が形成された面が被記録媒体の記録面に対面するように配置される。そしてインク供給口3を介して流路内に充填されたインクに、エネルギー発生素子2によって発生する圧力を加えることによって、吐出口4からインク液滴を吐出させ、記録媒体に付着させることによって記録を行う。
【0016】
なお、「インク」または「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
【0017】
図2は図1のA−A線に沿った部分断面図である。本実施形態のインクジェットヘッドでは、密着層5が基板1上にパターニングされている。密着層5の材料にはポリエーテルアミド樹脂が用いられている。具体的に本実施形態では、密着層5の材料には日立化成(株)のHIMAL−1200(製品名)を使用した。密着層5の厚みは2μmとした。
【0018】
さらに、密着層5の上に、所定のパターニングが行われた第1の流路形成部材6が流路の側壁として配置されている。この第1の流路形成部材6は、後述する製造工程中に見られる型材の解像力が不足する箇所に配置されている。具体的に本実施形態の構成では、流路形成部材の隣接する流路を仕切る部分である流路壁8の下側部分における解像力が不足するため、流路壁8の下側部分となる部位に第1の流路形成部材6が配置されている。本実施形態では、このように第1の流路形成部材6で流路壁8の下側部分を構成した後に、第2の流路形成部材7によって流路形成部材9の残りの部分を構成するようになっている。第1の流路形成部材7と第2の流路形成部材7とは、例えばエポキシ樹脂の硬化物によって形成することができる。第1の流路形成部材6の厚みは5〜14μmの範囲であれば良い。その厚みの下限は、後述する流路の型材となるパターンの解像可能なアスペクト比から計算される値によって決まる。一方、厚みの上限は、基本的に流路壁の高さまで可能であるが、型材塗布時の平坦性を考慮すると低い方が望ましい。上記を考慮して、本実施形態では第1の流路形成部材層6の厚みは5μmとした。なお、第1の流路形成部材6の材料は、第2の流路形成部材7の材料と異なっていてもよい。しかし、第1の流路形成部材6の材料としては、耐インク性を有し、かつ密着層5および第1の流路形成部材6に対応する材料により形成される第2の流路形成部材7との密着性を有する材料を選択する必要がある。
【0019】
第1の流路形成部材6を5μmの厚さで形成しておくことで、次の工程で形成すべき残りの流路壁8の高さがその分だけ低くなる。そのため、型材となるパターン14(図3D及び図4D参照)を形成する樹脂層の解像可能なアスペクト比が4:3のままであっても、残りの第1の流路形成部材6を小さい幅寸法で形成することが可能となっている。さらに、密着層5を覆うように、すなわち密着層5の側面を囲うように第1の流路形成部材6を形成することによって、密着層5に対する第1の流路形成部材6の密着面積をより大きく確保できる。これにより、基板1から第1及び第2の流路形成部材6,7が剥がれにくい構造になっている。本実施形態では、パターン14をなす樹脂層(例えばポジ型感光性樹脂)の材料には溶媒に溶解可能な樹脂(東京応化製のODUR)を使用し、その厚さを16μmとした。ただし、パターン14の密着層5の上に形成されている部分の厚さは、密着層5の厚さ2μmを差し引いた14μmとなる。
【0020】
第1の流路形成部材6の上には、所定のパターニングが行われた第2の流路形成部材7が形成されている。本実施形態では第2の流路形成部材7を21μmの厚さに形成し、第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7との合計の厚さを26μmとした。
【0021】
なお、流路形成部材9が第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7との2層構造であるか否かは、第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7とが異なる材料で構成されている場合には、成分分析によって検証することが可能である。また、各流路形成部材6,7のそれぞれのパターニング工程において、露光装置の位置あわせ精度に起因して第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7との間の位置あわせに誤差が生じる。そのため、第1の流路形成部材6と第2の流路形成部材7とが同一の材料で構成されている場合であっても、2層構造であるか否かを電子顕微鏡等を用いて容易に検証することが可能である。
【0022】
なお、上記の各寸法はあくまでも一例に過ぎず、本願の特許の請求範囲を何ら制限するものではない。
【0023】
図3(a)〜図3(h)及び図4(a)〜図4(f)は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。図3(a)〜図3(h)の各図は、図1のB−B線に沿った断面に相当している。また、図4(a)〜図4(g)の各図は、図1のA−A線に沿った断面に相当している。
【0024】
図3(a),図4(a)に示したシリコンの基板1は、表面の結晶方位面が<100>面である。本実施形態ではそのような結晶方位面を有するシリコン基板1を用いた例について説明するが、本発明はそれに制限されるものではない。シリコン基板1上には熱酸化膜10が形成されており、さらにその上には絶縁層であるシリコン酸化膜11が形成されている(図4(a)〜図4(f)では不図示)。シリコン酸化膜11の上には、発熱抵抗体等のエネルギー発生素子2が複数個配置されている。
【0025】
次に、図3(b),図4(b)に示すように、エネルギー発生素子2及び電気信号回路の保護膜として機能するシリコン窒化膜12を基板1上に成膜する。その後、耐キャビテーション膜としてのタンタル膜13を所定の位置(例えば素子2の上方の位置)にパターニングする。さらに、シリコン窒化膜12上に密着層5を形成し、所定のパターニングを行う。本実施形態における密着層5は、熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミド樹脂からなる。この密着層5は後述する流路形成部材9と基板1との密着性を向上させる役割を有している。密着層5を構成するポリエーテルアミド樹脂は、スピンコート等により基板1上に塗布し、ポジ型レジスト(不図示)を利用してパターンを形成することが可能である。
【0026】
次に、図3(c),図4(c)に示すように、後の露光工程において型材の解像力が不足する部分(本実施形態では流路壁8の下側となる部分)に第1の流路形成部材6をパターニングする。本実施形態では、第1の流路形成部材6を複数の流路同士を仕切る位置に形成した。すなわち、少なくとも第1の流路形成部材6は流路15の側壁として機能することになる。第1の流路形成部材6のパターニングは、感光性樹脂をスピンコート等によって塗布した後、紫外線やDeepUV光等によって露光、現像することで行われる。
【0027】
次に、図3(d),図4(d)に示すように、基板1上のエネルギー発生素子2を含む領域に、インク流路部の型となるパターン14を溶媒に溶解可能な感光性樹脂で形成する。溶媒に溶解可能な樹脂は、例えば東京応化製のODURである。パターン14は、そのような樹脂をスピンコート等によって塗布した後、紫外線やDeepUV光等による露光、現像を行うことでパターニングされる。
【0028】
次に、図3(e),図4(e)に示すように、基板1、パターン14および第1の流路形成部材6の上に、感光性樹脂からなる第2の流路形成部材7をスピンコート等により形成する。さらに、第2の流路形成部材7に紫外線やDeepUV光等による露光、現像を行って、吐出口4を形成する。
【0029】
次に、図3(f)に示すように、シリコン基板1の裏面側の熱酸化膜10をパターニングし、基板1の異方性エッチングの開始面となる面を露出させた後、シリコン異方性エッチングを行って基板1に共通インク供給口3を形成する。この共通インク供給口3は、基板1に化学的なエッチング、例えばTMAHやKOHの強アルカリ溶液による異方性エッチングを施して形成する。
【0030】
次に、図3(g)に示すように、シリコン酸化膜11をフッ酸液を用いてウエットエッチングによって除去する。その後、シリコン窒化膜12をドライエッチング等によって除去する。
【0031】
最後に、図3(h),図4(f)に示すように、パターン14を吐出口4およびインク供給口3から溶出させる。こうして流路形成部材6,7内にインクの流路およびエネルギー発生素子2がエネルギーをインクに作用させるエネルギー発生部を含むノズル部が形成される。なお、この工程中において溶媒中で基板1に超音波浸漬を行うことで、パターン14の除去を迅速かつ良好に行うことができる。
【0032】
以上の工程により、ノズル部が形成された基板1が完成する。そして、その基板1をダイシングソー等によって切断分離してチップ化し、各チップにおいて、インク吐出エネルギー発生素子3を駆動させる電気配線の接合を行った後、インク供給用のチップタンク部材を接続することで、インクジェットヘッドが完成する。
【0033】
本実施形態によれば、上述したように、パターン14を形成する樹脂において解像力が不足する箇所に第1の流路形成部材6が配置されて流路壁8の下側部分が構成される。この第1の流路形成部材6は第2の流路形成部材7を形成する装置と同一の装置を使用して形成可能であるため、製造装置の大幅なコストアップをせずに第1の流路形成部材6を配置することが可能である。この第1の流路形成部材6を配置することにより、パターン14で形成する残りの流路壁8の高さが減少するため、パターン14の解像力を向上させなくても流路壁8を薄く形成することが可能となる。そのため、例えばパターン14の厚みが14μmである場合、流路壁8の幅を7μmに形成することが可能になった。これにより、共通のインク供給口3の片側におけるノズル密度を従来の600dpiから1200dpiに向上させることが可能になり、インクジェットヘッドの記録画像の品位を大幅に
向上させることが可能になった。さらに、将来的には、電気制御回路を内蔵した基板1の小面積化によるコストダウンをも展開していくことが可能となった。
【0034】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの部分断面図である。
【0035】
上述した第1の実施形態と同様に、本実施形態のインクジェットヘッドにおいても密着層5が基板1上にパターニングされている。密着層5の材料にはポリエーテルアミド樹脂が用いられている。ただし、本実施形態における密着層5は、その上に形成された第1の流路形成部材6の幅および長さの寸法と同じ寸法を有している。第2の実施形態のその他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0036】
図6(a)〜図6(h)は、本実施形態のインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。以下では、第1の実施形態におけるインクジェットヘッドの製造工程と異なる工程について説明し、第1の実施形態と同様に行われる工程については説明を省略する。
【0037】
図6(b)に示す工程において、本実施形態ではまず、エネルギー発生素子2及び電気信号回路の保護膜として機能するシリコン窒化膜12をシリコン基板1上に成膜する。その後、耐キャビテーション膜としてのタンタル膜13を所定の位置(例えば素子2の上方の位置)にパターニングする。
【0038】
次に、シリコン窒化膜12上に密着層5を形成する。密着層5は熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミド樹脂からなる。この密着層5は、後述するノズル層9との密着性を向上させる役割を有している。密着層5を構成するポリエーテルアミド樹脂は、スピンコート等によりシリコン基板1上に塗布することが可能である。
【0039】
次に、密着層5上の、後の露光工程において型材の解像力が不足する部分(本実施形態では主として流路壁8の下側となる部分)に第1の流路形成部材6をパターニングする。第1の流路形成部材6のパターニングは、感光性樹脂をスピンコート等によって塗布した後、紫外線やDeepUV光等によって露光、現像することで行われる。
【0040】
次に、図6(c)に示すように、パターニングされた第1の流路形成部材6をマスクとして用いて、密着層5のパターニングを行う。密着層5のパターニング方法は、ドライエッチングによるもの等があげられる。また密着層5が感光性をもつポリエーテルアミド樹脂の場合にはフォトリソグラフィーの手法により行う。これにより密着層5は第1の流路形成部材6で覆われた部分を残して除去されるため、残された密着層5は第1の流路形成部材6の幅および長さの寸法と同じ寸法を有することとなる。
【0041】
これに続く図6(d)〜図6(h)に示す工程は、図3(d)〜図3(h)に示した第1の実施形態の工程と同じである。
【0042】
第1の実施形態では、密着層5をパターニングするためにポジ型レジストを塗布し、かつそのパターニングを行う必要がある。これに対して本実施形態では、密着層5はその上に形成された第1の流路形成部材6をマスクとしてパターニングが行われるので、密着層5のパターニング用のポジ型レジストの塗布等を行う必要がなくなり、その分の工程を簡略化することができる。また、第1の流路形成部材6を形成する際に密着層5との位置合わせ行う必要がなくなるので、その分の工程を省くことが可能になる。
【0043】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図7(a)〜図7(h)を参照して説明する。本発明の第3の実施形態は、流路形成部材と基板との密着力がより向上された例に関するものである。
【0044】
図7(a)〜図7(h)の各図は本発明の第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図である。図7(a)〜図7(g)は図1におけるB−B線に沿った断面に相当し、図7(h)は図1におけるC−C線に沿った断面に相当する。
【0045】
図7(g)及び図7(h)に示すように、本実施形態のインクジェットヘッドは、基板1上の供給口3からエネルギー発生素子2に至るまでの間において、吐出口4が形成された面と対向する位置(以下、流路の底部という。)にも流路形成部材6が設けられている。また図示した形態では、第1の流路形成部材6は密着層5を覆うように形成されている。
【0046】
本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法について、図7(a)〜図7(h)を参照して以下に説明する。
【0047】
図7(a)に示すようにエネルギー発生素子2が形成された基板1を用意した後、図7(b)に示すように、基板1上に密着層5を形成する。この際に、密着層5を基板1上の、流路の底部となる位置のうちインク供給口3からエネルギー発生素子2に至るまでの位置に形成する。密着層5を形成する材料は、基板1と、第1および第2の流路形成部材6,7を形成する材料に応じて適宜選択可能である。本例ではポリエーテルアミドを使用した例を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0048】
ついで、図7(c)に示すように、図3(c)を参照して説明した方法と同様にして第1の流路形成部材6を形成する。このとき、第1の流路形成部材6を、流路の底部となる位置のうちインク供給口3からエネルギー発生素子2に至るまでの間の位置に形成する。すなわち第1の流路形成部材6のうち流路15の側壁となる部分に挟まれる位置に形成する。このとき、必要に応じて第1の流路形成部材6が密着層5を完全に覆うように形成することができるが、これは本発明を限定するものではない。完全に覆うとは、密着層5が流路15から遮断されるという意味である。
【0049】
以降の図7(d)〜図7(g)に示す各工程は、第1の実施形態において説明した方法によって行い、最終的には図7(g)に示すようなインクジェットヘッドを完成させることができる。
【0050】
本実施形態のインクジェットヘッドは、流路の底部に第1の流路形成部材6を設けることができるため、基板1と第1の流路形成部材6との接触面積が増すことにより、基板1と流路形成部材6,7との密着力の向上が図られている。流路の底部に設けられる第1の流路形成部材6は、第1の流路形成部材6のうち側壁の機能をなす部分と連続していてもよいし、独立していてもよい。また必要に応じて、流路の底部に形成される第1の流路形成部材6と基板1との間に密着層5を形成することができる。そのため、基板1と密着層5との接触面積が増し、また同時に密着層5と第1の流路形成部材6との接触面積が増す。言い換えれば、基板1と第1の流路形成6との間に介在することができる密着層5の領域を増やすことができる。本発明によれば、基板1と流路形成部材6,7との密着力が増し、流路形成部材6,7が剥がれにくく、信頼度の高いインクジェットヘッドを得ることが出来る。さらに、好ましくは第1の流路形成部材6が密着層5を完全に覆う形態(第1の流路形成部材6により密着層5と流路とを遮断する形態)をとることができる。この場合には、製造時に用いる溶媒や、インク等が密着層5に接触することがない。そのため、密着層5の材料の選択の自由度が増すこととなる。
【0051】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図8(a)〜図8(d)及び図9を参照して説明する。図8(a)〜図8(d)は本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドの製造工程を示す模式的断面図であり、図1におけるB−B線に沿った断面に相当する。また、図9は本発明の第4の実施形態に係るインクジェットヘッドを吐出口から基板に向かう方向に見た透視図である。
【0052】
図8(d)に示されているように、本実施形態のインクジェットヘッドは、流路15の底部において、第1の流路形成部材6が形成され、その上にフィルタ部材16が形成されている。フィルタ部材16には、流路15内に入った異物等が吐出口4へと導かれることを抑制することが望まれる。本実施形態においても、前述したように第1の流路形成部材6と基板1との間に密着層5を形成することができる。
【0053】
以下、図8(a)〜図8(d)を参照して本実施形態のインクジェットヘッドの製造方法について説明する。
【0054】
図7(a)〜図7(c)に示す工程までは、第3の実施形態と同様に行う。
【0055】
ついで、図8(a)に示すように、流路15の型となるパターン14を形成する。この際、第1の流路形成部材6の一部に型を被覆させ、残りの部分において、第1の流路形成部材6を露出させておく。
【0056】
ついで、図8(b)に示すように、第2の流路形成部材7を形成する。この際に、第2の流路形成部材7においてフィルタ部材16が第1の流路形成部材6と接触するようになる。このようにして、フィルタ部材16は流路形成部材6,7と一体に構成される。
【0057】
ついで、図8(c)に示すように、第2の流路形成部材7に吐出口4を形成し、以降は第3の実施形態と同様の工程を行うと、図8(d)に示すようなインクジェットヘッドが完成する。
【符号の説明】
【0058】
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 インク供給口
4 吐出口
5 密着層
6 第1の流路形成部材
7 第2の流路形成部材
14 パターン
15 流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する複数の吐出口と、前記吐出口に連通する複数の流路と、を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
基板の上の少なくとも前記複数の流路同士を仕切る部分である流路の側壁となる部位に第1の流路形成部材を形成する工程と、
前記流路の型となるパターンであって、前記基板と前記第1の流路形成部材の前記流路の側壁となる部分との上にまたがって形成されており、前記流路の側壁となる部分における一部を被覆し、他の部分を被覆していない前記パターンを形成する工程と、
前記第1の流路形成部材と前記パターンとの上に、前記第1の流路形成部材に対応する材料により構成される第2の流路形成部材を形成する工程と、
前記第2の流路形成部材に前記吐出口を形成する工程と、
前記パターンを除去することにより、前記流路を形成する工程と、を有し、
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とは、ともに感光性樹脂を含有するインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項2】
少なくとも前記他の部分において、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とが接触する、請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記第1の流路形成部材を形成する工程において、前記第1の流路形成部材を、前記流路の側壁となる部分に挟まれる位置にも形成する、請求項2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記第1の流路形成部材を形成する工程の前に、前記基板の上に密着層のパターンを形成する、請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記基板と前記第1の流路形成部材との間で前記密着層のパターンを完全に被覆するように前記第1の流路形成部材を形成する、請求項4に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを同一の材料で形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とをエポキシ樹脂の硬化物によって形成する、請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記パターンはポジ型感光性樹脂からなる、請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記吐出口を、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と対向する位置に形成する、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項1】
インクを吐出する複数の吐出口と、前記吐出口に連通する複数の流路と、を有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
基板の上の少なくとも前記複数の流路同士を仕切る部分である流路の側壁となる部位に第1の流路形成部材を形成する工程と、
前記流路の型となるパターンであって、前記基板と前記第1の流路形成部材の前記流路の側壁となる部分との上にまたがって形成されており、前記流路の側壁となる部分における一部を被覆し、他の部分を被覆していない前記パターンを形成する工程と、
前記第1の流路形成部材と前記パターンとの上に、前記第1の流路形成部材に対応する材料により構成される第2の流路形成部材を形成する工程と、
前記第2の流路形成部材に前記吐出口を形成する工程と、
前記パターンを除去することにより、前記流路を形成する工程と、を有し、
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とは、ともに感光性樹脂を含有するインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項2】
少なくとも前記他の部分において、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とが接触する、請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記第1の流路形成部材を形成する工程において、前記第1の流路形成部材を、前記流路の側壁となる部分に挟まれる位置にも形成する、請求項2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記第1の流路形成部材を形成する工程の前に、前記基板の上に密着層のパターンを形成する、請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記基板と前記第1の流路形成部材との間で前記密着層のパターンを完全に被覆するように前記第1の流路形成部材を形成する、請求項4に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを同一の材料で形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とをエポキシ樹脂の硬化物によって形成する、請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記パターンはポジ型感光性樹脂からなる、請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記吐出口を、インクを吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子と対向する位置に形成する、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−51382(P2012−51382A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271310(P2011−271310)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2007−115744(P2007−115744)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2007−115744(P2007−115744)の分割
【原出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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