説明

インクジェット記録材料の性能検査方法

【課題】塗布液を重ねて塗布したインクジェット記録材料においても、高速かつ精度良く塗布品質を保証することができるインクジェット記録材料の性能検査方法とする。
【解決手段】インクジェット記録材料1の性能検査方法において、インクジェット記録材料における支持体2上に、親水性バインダーと微粒子とを含有する多孔質層3を形成する第1塗布液Aを塗布し、第1塗布液を塗布した上から、所定の機能を有すると共に塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにされた第2塗布液Bを塗布し、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の光を照射し、これに対する反応を検出して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録材料の性能検査方法に係り、特には支持体に少なくとも2つの塗布液を塗布して形成されるインクジェット記録材料の性能検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録方式においては、急速に画質向上が図られてきており、銀塩写真画質に迫りつつある。このような写真画質をインクジェット記録で達成するための手段として、使用するインクジェット記録材料においても急速に技術改良が試みられており、例えば、高平滑性を有する支持体上に、インク吸収層(インク受容層)として微小な空隙を有する多孔質層を設けたインクジェット記録材料は、高インク吸収性や高乾燥性であることから、最も写真画質に近いものが得られる方法の一つになりつつある。
【0003】
前記したようなインクジェット記録材料は、紙等の支持体上に、親水性バインダーと微粒子とを含有する多孔質層を形成する塗布液を塗布することにより得られるものである。
また、前記多孔質層を形成する塗布液を塗布した上から、色味を変える、多孔質層を強固にする等の機能を有する別の塗布液を塗布することにより、さらに高機能なインクジェット記録材料とすることも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、前記したような種々の機能を有する添加剤を、多孔質層を形成する塗布液に直接添加しないのは、前記添加剤を塗布液に直接添加した場合には、凝集、塗布故障等の不具合が生じるが、前記添加剤の溶液を多孔質層の上から塗布(オーバーコート)した場合には、不具合なく各種機能を添加できるためである。
前記したように、この方法を用いると、塗布液の制約が少なくなるため、色々な機能を付与することが可能になる。
【0005】
しかしながら、後から塗布(オーバーコート)される塗布液は透明であることが多く、先に塗られた多孔質層中に染み込んでしまうために、これの塗布精度を検出する方法として今までの方法は使用できない。また、インクジェット記録では濃度ムラ等がないように高い塗布精度が要求されるために、品質保証の方法は重要な問題である。
【0006】
通常の塗布における品質保証方法としてレーザ光を照射し正反射光の乱れを測定する方法がある。これによりピンホール等の欠陥等を検出することは可能だが、一旦塗布を行い、吸水性を持つ層を形成した後、この層の上に再度塗布液を塗布する場合において、後に塗られたものは層中に吸収されるために検出することは困難である。
【0007】
塗布後の性能ではなく塗布液の供給状態で塗布精度を監視する方法としてカーテン塗布を行う際の液膜の安定度を監視する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、光源として非可視光を用いたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−331745号公報
【特許文献2】特開2000−117173号公報
【特許文献3】特開平8−338814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記した特許文献2では、液の供給については精度良く監視できるが、層の上に再度塗布を行う際には下の層との液の濡れ性が重要な要素を持っており、液の供給均一性と塗布面の均一性とは必ずしも一致しない。
また、前記した特許文献3についても、単一層中での検出方法であり、かつ透過光を観測しており、反射光や蛍光を測定するものではない。加えて、意図的に非可視光に吸収等を持つ物質を含有させるものではない。
【0009】
そこで、本発明の課題は、塗布液を重ねて塗布したインクジェット記録材料においても、高速かつ精度良く塗布品質を保証することができるインクジェット記録材料の性能検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、インクジェット記録材料の性能検査方法において、
インクジェット記録材料における支持体上に、親水性バインダーと微粒子とを含有する多孔質層を形成する第1塗布液を塗布し、
前記第1塗布液を塗布した上から、所定の機能を有すると共に塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにされた第2塗布液を塗布し、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の光を照射し、これに対する反応を検出して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0011】
このように請求項1に記載の発明によれば、インクジェット記録材料における支持体上に、親水性バインダーと微粒子とを含有する多孔質層を形成する第1塗布液を塗布し、第1塗布液を塗布した上から、所定の機能を有すると共に塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにされた第2塗布液を塗布し、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の光を照射し、これに対する反応を検出して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第2塗布液が、所定の機能を有すると共に前記第1塗布液のみが塗布された場合と比べて特定の光に対する性質が異なるようにさせるものであることを特徴としている。
【0013】
このように請求項2に記載の発明によれば、第2塗布液が、所定の機能を有すると共に第1塗布液のみが塗布された場合と比べて特定の光に対する性質が異なるようにさせるものであるため、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させず、
前記第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光の反射率を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0015】
このように請求項3に記載の発明によれば、第1塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させず、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光の反射率を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において特定の非可視光の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、特定の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0017】
このように請求項4に記載の発明によれば、第1塗布液には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0019】
このように請求項5に記載の発明によれば、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0021】
このように請求項6に記載の発明によれば、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0023】
このように請求項7に記載の発明によれば、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させず、
前記第2塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0025】
このように請求項8に記載の発明によれば、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させず、第2塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、蛍光強度を示す測定結果が検出されない。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0027】
このように請求項9に記載の発明によれば、第1塗布液には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記第1塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には、前記所定の波長の非可視光を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0029】
このように請求項10に記載の発明によれば、第1塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として、第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、ほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、
前記第2塗布液が特定の光に対して前記支持体とは異なる反応を示す性質を備えることを特徴としている。
【0031】
このように請求項11に記載の発明によれば、支持体が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液が特定の光に対して支持体とは異なる反応を示す性質を備えるため、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
【0032】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0033】
このように請求項12に記載の発明によれば、支持体には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
【0034】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0035】
このように請求項13に記載の発明によれば、支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0036】
請求項14に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0037】
このように請求項14に記載の発明によれば、支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0038】
請求項15に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0039】
このように請求項15に記載の発明によれば、支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0040】
請求項16に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0041】
このように請求項16に記載の発明によれば、支持体には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0042】
請求項17に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には、前記所定の波長の非可視光を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0043】
このように請求項17に記載の発明によれば、支持体には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として、第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0044】
請求項18に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体上に下引き層を備えており、
当該下引き層の上に前記第1塗布液を塗布することで、支持体上に、下引き層を介して前記多孔質層を形成するようになっており、
前記下引き層が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、
前記第2塗布液が特定の光に対して前記下引き層とは異なる反応を示す性質を備えることを特徴としている。
【0045】
このように請求項18に記載の発明によれば、支持体上に下引き層を備えており、当該下引き層の上に第1塗布液を塗布することで、支持体上に、下引き層を介して多孔質層を形成するようになっており、下引き層が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液が特定の光に対して下引き層とは異なる反応を示す性質を備えるため、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
【0046】
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記下引き層には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0047】
このように請求項19に記載の発明によれば、下引き層には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
【0048】
請求項20に記載の発明は、請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0049】
このように請求項20に記載の発明によれば、下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0050】
請求項21に記載の発明は、請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0051】
このように請求項21に記載の発明によれば、下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0052】
請求項22に記載の発明は、請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0053】
このように請求項22に記載の発明によれば、下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0054】
請求項23に記載の発明は、請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記下引き層には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0055】
このように請求項23に記載の発明によれば、下引き層には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0056】
請求項24に記載の発明は、請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記下引き層には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には、前記所定の波長の非可視光を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴としている。
【0057】
このように請求項24に記載の発明によれば、下引き層には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として、第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0058】
請求項25に記載の発明は、請求項1〜24のいずれか一項に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体が非吸水性支持体であることを特徴とする。
【0059】
このように請求項25に記載の発明によれば、支持体が非吸水性支持体であるため、吸水性支持体のように、第2塗布液中の所定の機能や特定の光に対する性質を生じさせる添加剤が支持体中に浸透、拡散することがない。
【0060】
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法において、
前記支持体が紙の両面を熱可塑性樹脂で被覆した樹脂被覆紙であることを特徴としている。
【0061】
このように請求項26に記載の発明によれば、支持体が紙の両面を熱可塑性樹脂で被覆した樹脂被覆紙であるため、具体的に非吸水性支持体とすることができる。
【発明の効果】
【0062】
請求項1に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になるため、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になるため、請求項1と同様に、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0064】
請求項3に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において特定の非可視光の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、特定の非可視光の反射率が高い測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。
【0065】
請求項4に記載の発明によれば、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。
さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の可視光の反射率が高い測定結果が検出されるため、高速かつ精度良く第1塗布液の塗布状態も検査することができる。
【0066】
請求項5に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0067】
請求項6に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0068】
請求項7に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0069】
請求項8に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、蛍光強度を示す測定結果が検出されないため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0070】
請求項9に記載の発明によれば、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出されるため、高速かつ精度良く第1塗布液の塗布状態も検査することができる。
【0071】
請求項10に記載の発明によれば、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、ほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出されるため、高速かつ精度良く第1塗布液の塗布状態も検査することができる。
【0072】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になるため、請求項1と同様に、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0073】
請求項12に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。
【0074】
請求項13に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0075】
請求項14に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0076】
請求項15に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0077】
請求項16に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、蛍光強度を示す測定結果が検出されないため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0078】
請求項17に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0079】
請求項18に記載の発明によれば、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になるため、請求項1と同様に、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0080】
請求項19に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。
【0081】
請求項20に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0082】
請求項21に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0083】
請求項22に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0084】
請求項23に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、蛍光強度を示す測定結果が検出されないため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0085】
請求項24に記載の発明によれば、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出されるため、具体的に請求項1に記載の発明の効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0086】
請求項25に記載の発明によれば、吸水性支持体のように、第2塗布液中の所定の機能や特定の光に対する性質を生じさせる添加剤が支持体中に浸透、拡散することがないため、より精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0087】
請求項26に記載の発明によれば、具体的に非吸水性支持体とすることができるため、具体的に請求項25に記載の発明の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0088】
以下、図面を参照しながら本発明に係るインクジェット記録材料の性能検査方法の実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例のものに限定されるものではない。
【0089】
まず、本発明に係るインクジェット記録材料の詳細について説明する。
本発明のインクジェット記録材料1は、図1に示すように、支持体2上に、親水性バインダーと微粒子を含有する水溶性の第1塗布液Aを塗布して空隙を有する多孔質層3を形成し、さらに所定の機能を有する第2塗布液Bを塗布(オーバーコート)して第1塗布液Aで形成された多孔質層3に第2塗布液Bを浸透させたものである。
【0090】
本発明のインクジェット記録材料1に用いられる支持体2としては、吸水性支持体(例えば、紙など)や非吸水性支持体を用いることができるが、より高品位なプリントが得られる観点から、非吸水性支持体が好ましい。
【0091】
非吸水性支持体は、単に高品位なプリントが得られるということだけでなく、オーバーコートした第2塗布液中の各添加剤成分が、塗布後に支持体中に浸透、拡散して、添加剤本来の効果を損うことを抑制できる。例えば、支持体に吸水性支持体を用いた場合には、特定の光(例えば、紫外線光などの非可視光)に対して支持体、下引き層(後述)、第1塗布液と異なる性質を有する第2塗布液中の添加剤が、支持体中に浸透、拡散して、本発明に係るインクジェット記録材料の性能検査方法の効果を十分に発揮することができなくなる可能性があるが、支持体が非吸水性支持体であれば、このような不具合を防止することができる。
【0092】
非吸水性支持体としては、プラスチック樹脂フィルムからなる支持体、あるいは図1に示すような、紙2aの両面をプラスチック樹脂フィルムからなる樹脂層2b,2cで被覆した支持体2が挙げられる。
プラスチック樹脂フィルムからなる支持体としては、例えば、ポリエステルフィルム等のポリエステル系フィルム、ジアセテート系フィルム、セルローストリアセテートフィルム等のトリアテセート系フィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、アクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリスチレンフィルム、セロハン、セルロイド等の材料からなる透明または不透明のフィルムや、これらの積層したフィルム支持体等が挙げられる。これらのプラスチック樹脂フィルムは、本発明の効果を十分に得るために不透明度が70%以上のものが好ましく使用できる。
【0093】
さらに好ましい非吸水性支持体は、図1に示すような、紙2aの両面をプラスチック樹脂フィルムからなる樹脂層2b,2cで被覆した樹脂被覆紙(支持体2)、いわゆるRCペーパーであり、特に好ましいものは、紙の両面をポリオレフィン樹脂層で被覆した支持体である。プラスチック樹脂で紙の両面を被覆した支持体の製造方法としては、例えば特開昭53−117号公報、米国特許第3449257号明細書、米国特許第3558316号明細書、特開平11−295852号公報、特開2002−351023号公報等に記載の方法を挙げることができる。
【0094】
以下、特に好ましい非吸水性支持体である紙2aの両面をポリオレフィン樹脂からなる樹脂層2b,2cで被覆した支持体2について説明する。
支持体2に用いられる紙2aは、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/又はLDPの比率は10〜70%が好ましい。前記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0095】
紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、JIS P8121−1995の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に、70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。
【0096】
紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的である。さらに原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
紙のpHは、JIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、pH5〜9であることが好ましい。
【0097】
支持体2の樹脂層2b,2cに用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。
【0098】
紙2aの表面及び裏面の両面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に、多孔質層3側の樹脂層2bは、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
【0099】
本実施の形態の支持体2では、多孔質層3側の樹脂層2bの中に、特定の光に対して所定の反応を示す性質を備えていても良く、例えば、非可視光の吸収剤として紫外線吸収剤や蛍光剤を含有させている場合が挙げられる。
以下、紫外線吸収剤及び蛍光剤の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、けい皮酸系化合物等が挙げられる。
蛍光剤としては、赤外線を励起光源として蛍光を発するものや紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光増白剤などがあるが、特に蛍光増白剤を用いることが好ましい。
【0100】
蛍光増白剤とは、近紫外部に吸収をもち、紫青から青の蛍光を発する無色ないし淡黄色の物質である。蛍光増白剤としては、例えば、ジアミノスチルベン誘導体、アゾール系(トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体等)、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体及びイミダゾロン誘導体等が挙げられる。なお、樹脂層中に存在させることができるものであれば、親油性であっても親水性であってもよいが、樹脂層中に添加しやすいことから親油性のものがより好ましい。具体的には、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
【0101】
また、多孔質層3側の樹脂層2bの中には、白地調整等のために耐熱性の高い着色顔料を適宜添加することもできる。
着色顔料としては、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0102】
紙2aの表裏を被覆する樹脂層2b,2cのポリエチレンの使用量は、多孔質層3の膜厚や、支持体2における多孔質層3側と反対側に設けられるバック層(図示せず)を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さは多孔質層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏の樹脂層2b,2cにおけるポリエチレンの比率は多孔質層3の種類や厚さ、紙2aの厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は、厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0103】
さらに、前記ポリエチレンの樹脂層2b,2cで紙2aを被覆した支持体2は、以下の(1)〜(8)の特性を有していることが好ましい。
(1)引っ張り強さは、JIS P 8113で規定される強度で縦方向が19.6〜294N、横方向が9.8〜196Nであることが好ましい。
(2)引き裂き強度は、JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい。
(3)圧縮弾性率は、9.8kN/cm2が好ましい。
(4)不透明度は、JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい。
(5)白さは、JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい。
(6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい。
(7)原紙中の水分は、中の紙に対して4〜10%が好ましい。
(8)多孔質層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
【0104】
次に、インクジェット記録材料1に用いられる多孔質層3について説明する。
本発明に係る多孔質層3は、主に微粒子と親水性バインダーを含有する水溶性の第1塗布液Aから形成される。
本発明で用いることのできる微粒子としては、無機微粒子や有機微粒子を用いることができるが、特には、高光沢で、かつ高発色濃度が得られ、かつ微粒子が容易に得やすく、さらに本発明の効果を得るためには多孔質層の透明性がより高い必要性があることから、無機微粒子が好ましい。無機微粒子としては、従来インクジェット記録用紙で公知の各種の固体微粒子を用いることができる。
【0105】
そのような無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
前記微粒子は、1次粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用いられることも、また、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で添加されても良いが、後者がより好ましい。
【0106】
前記無機微粒子の形状は特に制約はなく、球状、棒状、針状、平板状、数珠状のいずれであっても良い。無機微粒子は、その一次平均粒径は3〜200nmのものが好ましい。平均粒径が200nmを越える微粒子を使用した場合にはインクジェット記録材料の光沢性が低下したり、あるいは表面での光散乱による最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にくくなる。平均粒径の下限は特に限定されないが粒子の製造上の観点から概ね3nm以上が好ましい。特に好ましい無機微粒子は、その一次平均粒径が3〜100nmである。前記した微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、多数個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0107】
なお、本発明における無機微粒子としては、無機微粒子と少量の有機物(低分子化合物でも高分子化合物でもよい)とからなる複合粒子でも、実質的には無機微粒子と見なす。この場合も乾燥被膜中に観察される最高次粒子の粒径をもってしてその無機微粒子の粒径とする。前記無機微粒子と少量の有機物との複合粒子における有機物/無機微粒子の質量比は、概ね1/100〜1/4である。
本発明における無機微粒子としては、低コストであることや、高い反射濃度が得られることによりインクジェット記録材料1で高品位なプリントが得られるという観点から、低屈折率の微粒子であることが好ましく、シリカ、中でも気相法で合成されたシリカまたはコロイダルシリカがより好ましい。また、カチオン表面処理された気相法シリカ、カチオン表面処理されたコロイダルシリカ及びアルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いることができる。この気相法で合成されたシリカは、表面がAlで修飾されたものであっても良い。
【0108】
多孔質層3に含有される親水性バインダーとしては、特に制限はなく、従来公知の親水性バインダーを用いることができ、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーあるいは水分散性のラテックスを用いることができるが、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
【0109】
ポリビニルアルコールは、無機微粒子との相互作用を有しており、無機微粒子に対する保持力が特に高く、更に、吸湿性の湿度依存性が比較的小さなポリマーであり、塗布乾燥時の収縮応力が比較的小さいため、塗布乾燥時のひび割れに対する適性が優れる。本発明で好ましく用いられるポリビリルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0110】
多孔質層3の親水性バインダーに対する微粒子の比率は、質量比で2〜20倍であることが好ましい。質量比を2倍以上にすることにより、多孔質層の空隙率が低下し、充分な空隙容量が得にくくなるだけでなく、過剰の親水性バインダーがインクジェット記録時に膨潤して空隙を塞ぎ、インク吸収速度を低下させる要因となることを抑制できる。一方、この比率を20倍以下とすることにより、多孔質層を厚膜で塗布した際に、ひび割れが生じやすくなることを抑制することができる。特に好ましい親水性バインダーに対する微粒子の比率は、2.5〜12倍、最も好ましくは3〜10倍である。
【0111】
前記支持体2上に、前記の水溶性の第1塗布液Aを塗布するに当たっては、支持体2の表面と形成される多孔質層3との間の接着強度を大きくする等の目的で、支持体にコロナ放電処理やポリビニルアルコールやゼラチンなどの下引き層を設ける処理等を行うことが好ましい。さらに、本発明のインクジェット記録材料1は、必ずしも白色である必要はなく着色された支持体であってもよい。なお、下引き層については、後述する。
【0112】
前記多孔質層3を形成する水溶性の第1塗布液A中には、各種の添加剤を添加することができる。そのような添加剤としては、例えば、カチオン性媒染剤、架橋剤、界面活性剤(カチオン、ノニオン、アニオン、両性)、白地色調調整剤、蛍光増白剤、防黴剤、粘度調整剤、低沸点有機溶媒、高沸点有機溶媒、ラテックスエマルジョン、退色防止剤、紫外線吸収剤、多価金属化合物(水溶性もしくは非水溶性)、マット剤、シリコンオイル等が挙げられるが、中でもカチオン媒染剤は、印字後の耐水性や耐湿性を改良するために好ましい。
【0113】
本発明のインクジェット記録材料1に係る多孔質層3は、単層であっても多層であっても良く、多層構成の場合には、全ての層を同時に塗布することが、製造コスト低減の観点から好ましい。
【0114】
また、前記第1塗布液Aは、特定の光に対する性質が後述する第2塗布液Bに比べて異なるようにされている必要がある。なお、詳細については、第2塗布液Bの説明において記載することとする。
【0115】
また、本発明においては、本発明の効果を得るために多孔質層の透明性がより高い必要性があり、さらに高光沢で、かつ高発色濃度を得るために、多孔質層の不透明度は40%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
【0116】
なお、本発明で用いられるインクジェット記録材料1には、図2に示すように、前記支持体2とインク受容層である多孔質層3との間に実質的に空隙を有さない下引き層4を設けることもある。この下引き層4は、支持体2の表面に例えば薄膜で設けられる樹脂の層であり、支持体2に対する多孔質層3の膜付き性の悪さを補い、両者間の密着性を良くするために設けられるものである。
下引き層4は、インクを吸収して膨潤する層であってもよいが、下引き層4が無制限に膨潤する層であるとインクジェット記録時に画像部に小さなシワが寄ったり、あるいはひび割れが起きやすいため、インクを吸収して膨潤する親水性バインダーを用いる場合には硬膜されていることが好ましい。
【0117】
下引き層4に用いられる親水性バインダーとしては、例えばゼラチンまたはその誘導体、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロエキシセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、カラギーナン、ローカストビーンガム、アラビアゴム、プルラン、ポリアルキレンオキサイド系共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、カルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返し単位として有する共重合体等のポリマーを挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0118】
前記した親水性バインダーのうち、好ましい親水性バインダーはゼラチンまたはその誘導体、ポリビニルアルコールまたはその誘導体である。ゼラチンは酸処理ゼラチンやアルカリ処理ゼラチンのいずれも用いることができる。ゼラチン誘導体としては、ゼラチンを無水フタル酸などの酸無水物やフェニルイソシアネートなどのイソシアネート類で処理してゼラチンのアミノ基を封鎖して得られるゼラチン誘導体が好ましく用いられる。
下引き層4の親水性バインダーの付量は、インクジェット記録材料が1m2あたり0.1g〜10gであることが好ましい。10gを越える場合は印字部分にひび割れやシワ寄りなどが発生しやすくなる。
【0119】
下引き層4には親水性バインダーと反応し得る硬膜剤を含有させることもできる。親水性バインダーと反応し得る硬膜剤としては、親水性バインダーが有する水酸基やアミノ基などと反応し得る化合物が用いられる。そのような硬膜剤としては、クロム化合物、アルミニウム化合物、ホウ酸などの無機化合物、エポキシ基、エチレンイミノ基、ビニルスルホン基、アウリロイル基、ホルミル基などを有する有機硬膜剤が用いられる。
前記硬膜剤の使用量は親水性バインダーや硬膜剤の種類により異なるが、一般には架橋し得る親水性ポリマーが1gに対して通常1〜200mg、好ましくは5〜100mgである。
【0120】
また、下引き層4の中に、特定の光に対して所定の反応を示す性質を備えていても良く、例えば、非可視光の吸収剤として紫外線吸収剤や蛍光剤を含有させている場合が挙げられる。紫外線吸収剤及び蛍光剤の詳細については、前記した支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bにおける記載と同様であるため、説明を省略する。
なお、下引き層4を設けた場合には、紫外線吸収剤や蛍光剤を、支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bのみに含有させても良く、また、下引き層4のみに含有させても良く、さらに樹脂層2b及び下引き層4の両方に含有させても良い。
【0121】
次に、オーバーコート(多孔質層3に付与)する添加剤含有溶液である第2塗布液Bについて説明する。
【0122】
オーバーコートする前記溶液が含有する添加剤としては、前記第1塗布液Aに添加することができる化合物であっても、乾燥時にひび割れを増大させ易い化合物、あるいは前記第1塗布液A中に添加すると凝集を形成したり、第1塗布液Aの粘度を大幅に低下もしくは増大させる化合物、更には第1塗布液A中に添加した場合に、塗膜中で水分もしくは他の添加剤との反応等により有効な効果が得にくい種々の化合物に適用することができる。例えば、その添加剤の使用により、pHが変化する有機または無機の酸、もしくは各種のアルカリ性の添加剤、水溶性多価金属イオンの水溶性塩、アニオン、カチオン、両性、もしくはノニオン系の各種界面活性剤、退色防止剤、カチオン性定着剤、親水性バインダーの架橋剤等が挙げられる。
【0123】
多孔質皮膜の膜面pHは、種々の観点から最適なpHが選択される。膜面pHはインク吸収特性、耐光性、滲み耐性、耐水性、ガス退色性、白地変化、ドット径への影響があり、使用するプリンターやインクとの組み合わせで最適なpHが選定される。しかしながら、前述のごとく、多孔質の皮膜を形成する塗布液を調整する場合、塗布液のpHの設定は凝集性や塗布液粘度の観点で制約があり、必ずしも満足のいく膜面pHに合わせることは難しいが、本発明のオンラインオーバーコートの方法によれば方法によれば、塗布液のpHとは独立に記録材料の膜面pHを1回の塗布(オーバーコート)でコントロールすることが可能である。
【0124】
多孔質皮膜の膜面pHを低下させる目的で使用できる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸などの無機酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、フタル酸、こはく酸、蓚酸、ポリアクリル酸などの有機酸を挙げることができる。この溶液のpHとしては、0〜6が好ましく、pHが1〜5であることが特に好ましい。また、pH調整後の最終の膜面pHは3〜7が好ましく、特に3.5〜6が特に好ましい。
【0125】
一方、多孔質皮膜の膜面pHを増大させる目的で使用されるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ほう砂、燐酸ナトリウム、水酸化カルシウム、有機アミンなどが挙げられる。このアルカリを含有する溶液のpHは8〜14であり、添加剤含有溶液のpHは特に好ましくは9〜12である。
【0126】
インクジェット記録材料1の多孔質層3の膜面pHは、インクの種類によっても異なるが、一般には、より酸性側で染料の耐水性や滲みが改善されるが、耐光性はより高pH側で改良される傾向が大きいため、使用するインクとの組み合わせで最適なpHは選定される。好ましい多孔質表面の膜面pHは、3〜7であり、特に3.5〜6.5が好ましい。ここでいう膜面pHとは、J.TAPPI 49に規定される紙の表面pH測定方法にしたがって測定した値であり、具体的には、記録材料表面に50μlの純水(pH=6.2〜7.3)を滴下し、市販の平面電極を用いて測定した値を言う。
【0127】
オンラインでオーバーコートする添加剤含有溶液は、親水性バインダーの架橋剤を含有していることが好ましい態様の一つである。
【0128】
本発明で用いることのできる架橋剤としては、前述の架橋剤を挙げることができる。
【0129】
本発明において、多孔質皮膜を形成する水溶性塗布液が、予め親水性バインダーの架橋剤を含有しておき、さらにオーバーコートする添加剤含有溶液がさらに架橋剤を含有する場合には、親水性バインダーの架橋効果が著しく増大して、インク吸収性改良効果が大きく好ましい態様の一つである。これは、多孔質を形成する塗布液中に架橋剤を添加しておくことで、親水性バインダーの分子量が見かけ上増大し、それらが皮膜になった状態で架橋剤を供給することで、膨潤しにくい皮膜が形成されると考えられる。
【0130】
架橋剤をオーバーコートする場合に用いる架橋剤としては、水溶性塗布液に含有する架橋剤と同じであっても、異なっていても良い。オーバーコートする架橋剤は、乾燥終点での多孔質層の親水性バインダーに対して、1〜100質量%、好ましく5〜50質量%の範囲で用いられる。特に好ましい架橋剤は、前述のホウ酸類、ジルコニウム塩、アルミニウム塩もしくはエポキシ系架橋剤である。
【0131】
オンラインでオーバーコートする添加剤含有溶液は、画像安定剤(以下、退色防止剤という)であることも好ましい態様の一つである。
【0132】
本発明では、従来インクジェットで公知の退色防止剤を用いることができる。この退色防止剤は、光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOxなどの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。そのような退色防止剤としては、例えば、特開昭57−74192号、同57−87989号および同60−72785号に記載の酸化防止剤、特開昭57−74193号に記載の紫外線吸収剤、特開昭61−154989号に記載のヒドラジド類、特開昭61−146591号に記載のヒンダードアミン系酸化防止剤、特開昭61−177279号に記載の含窒素複素環メルカプト系化合物、特開平1−115677号および同1−36479号に記載のチオエーテル系酸化防止剤、特開平1−36480号に記載の特定構造のヒンダードフェノール系酸化防止剤、特開平7−195824号および同8−150773号に記載のアスコルビン酸類、特開平7−149037号に記載の硫酸亜鉛、特開平7−314882号に記載のチオシアン酸塩類など、特開平7−314883号に記載のチオ尿素誘導体など、特開平7−276790号および同8−108617号に記載の糖類、特開平8−118791号に記載のリン酸系酸化防止剤が、特開平8−300807号に記載の亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩などが、また、特開平9−267544号に記載のヒドロキシルアミン誘導体等を退色防止剤として挙げることができる。更に、特開2000−263928等に記載のジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物なども、インクジェットにおける有効な退色防止剤の一つである。前記退色防止剤は、多孔質皮膜を形成する塗布液に添加することもできるが、本発明においては、塗布液の凝集やひび割れの増大を防止するには、オーバーコート法が、より多く添加することができ好ましい。
【0133】
退色防止剤の添加量は、記録材料1m2当たり0.01〜5g、好ましくは0.1〜2gの範囲である。添加量が多ければそれだけ退色防止効果は大きいが、空隙容量を低下させるため、自ずと制限がある。
【0134】
添加剤含有溶液には、カチオン性ポリマーを含有することができる。一般に、カチオン性ポリマーは、染料の定着剤として作用し、耐水性や滲みを防止するため、予め多孔質受容層を形成する塗布液に添加しておくことが好ましいが、塗布液中に添加した際に問題が発生する場合には、オーバーコート法で供給することもできる。例えば、カチオン性ポリマーの添加により、塗布液が経時で増粘したり、あるいは、多孔質層内でカチオン性ポリマーの分布を持たせて発色性を改善する場合などでは、オーバーコート法で供給することが好ましい。カチオン性ポリマーをオーバーコート法で供給する場合、記録材料1m2当たり0.1〜5gの範囲である。
【0135】
オンラインでオーバーコートする添加剤含有溶液の別の好ましい例は、添加剤が、水溶性多価金属化合物の場合である。
【0136】
水溶性多価金属化合物は、一般に、無機微粒子含有の塗布液中に存在すると凝集を起こしやすいことが多く、これにより微少な塗布故障や光沢性の低下を引き起こしやすいため、特にオーバーコート法で供給するのが好ましい。
【0137】
そのような多価金属化合物としては、例えば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、Zr2+、Ni2+、Al3+などの硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩等で用いられる。なお、塩基性ポリ水酸化アルミニウムや酢酸ジルコニルなどの無機ポリマー化合物も、好ましい水溶性多価金属化合物の例に含まれる。これらの水溶性の化合物は、一般に、耐光性を向上したり、滲みや耐水性を向上させる機能を有するものが多い。これらの水溶性多価金属イオンは、記録材料1m2当たり、0.05〜20ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲で用いられる。
【0138】
オンラインでオーバーコートする添加剤含有溶液の別の例は、界面活性剤を含有している態様である。
【0139】
界面活性剤は、インクジェット記録時にドット径をコントロールすることが可能であり、そのような界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、もしくはノニオン系界面活性剤を挙げることができる。また、界面活性剤は、2種以上を併用することもできる。界面活性剤の添加量は、記録材料1m2当たり0.01〜50mgである。50mgを越えると、インクジェット記録時にマダラ状のムラになりやすい。
【0140】
添加剤含有溶液は、前記以外にも種々の添加剤を含有することができ、そのような添加剤としては、例えば、白地の色調を調整する染料、防黴剤、水溶性ポリマー、可塑剤(グリセリン、ジエチレングリコールなど)等を挙げることができる。
【0141】
前記の各添加剤は、単独で使用しても、あるいは2種以上を併用することもできる。具体的には、退色防止剤を2種以上含む水溶液を用いることも、また、退色防止剤と架橋剤を含有する溶液、退色防止剤と界面活性剤を含有する溶液、更には架橋剤、水溶性の多価金属化合物、および退色防止剤を併用することもできる。
【0142】
前記添加剤含有溶液の溶媒として、本発明では、水または水混和性の有機溶媒と水との混合溶液であることが好ましく、水を用いることが特に好ましい。また、水と水混和性を有する低沸点有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン等)との混合溶媒も好ましい溶媒である。水と水混和性の有機溶媒とを併せて使用する場合、水の含有率が溶媒全体に対して質量比で50質量%以上含有していることが好ましい。
【0143】
ここで水混和性を有する低沸点有機溶媒とは、室温で水に対して10質量%以上の溶解性を有し、沸点が約120℃以下の有機溶媒を言う。
【0144】
また、前記第2塗布液Bは、前記したような機能に加えて、塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにさせる機能を有している。
以下、第2塗布液Bが、第1塗布液Aのみが塗布された場合と比べて特定の光に対する性質が異なるようにさせる機能を有している場合について説明する。言い換えると、第1塗布液Aの特定の光に対する性質と第2塗布液Bの特定の光に対する性質を異ならせている場合である。
具体的には、次のようなパターンが挙げられる。
【0145】
なお、1番目と6番目に示すパターンでは、第1塗布液Aには特定の非可視光に対する性質を変化させる添加剤を含有させず、第2塗布液Bのみに特定の非可視光に対する性質を変化させる添加剤を含有させて、第1塗布液Aの特定の光に対する性質と第2塗布液Bの特定の光に対する性質を異ならせるようになっている。これに対し、他のパターンでは、第2塗布液Bだけでなく、第1塗布液Aにも特定の非可視光に対する性質を変化させる添加剤を含有させて、第1塗布液Aの特定の光に対する性質と第2塗布液Bの特定の光に対する性質を異ならせるようになっている。
【0146】
まず、前記第1塗布液Aには特定の非可視光、例えば紫外線の吸収剤を含有させないのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの反射率を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0147】
また、前記第1塗布液Aには第1の波長の非可視光、例えば第1の波長の紫外線の吸収剤を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線の吸収剤を含有させておき、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの反射率をそれぞれ異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0148】
また、前記第1塗布液Aには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0149】
また、前記第1塗布液Aには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0150】
また、前記第1塗布液Aには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0151】
また、前記第1塗布液Aには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させないのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0152】
また、前記第1塗布液Aには第1の波長の非可視光、例えば第1の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの蛍光強度をそれぞれ異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0153】
また、前記第1塗布液Aには所定の波長の非可視光、例えば所定の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには、同じ波長の紫外線を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、前記所定の波長の紫外線を照射したときに異なる2種類の波長(異なる2種類の蛍光強度)の蛍光が発せられるようにする場合が挙げられる。
【0154】
次に、支持体2が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液Bが特定の光に対して前記支持体2とは異なる反応を示す性質を備える場合について説明する。
なお、この場合には、前記した第1塗布液A及び後述する下引き層4には特定の非可視光に対する性質を変化させる添加剤を含有させなくても良い。
具体的には、次のようなパターンが挙げられる。
【0155】
まず、前記支持体2の例えば多孔質層3側の樹脂層2bには第1の波長の非可視光、例えば第1の波長の紫外線の吸収剤を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線の吸収剤を含有させておき、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの反射率をそれぞれ異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0156】
また、前記支持体2の例えば多孔質層3側の樹脂層2bには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0157】
また、前記支持体2の例えば多孔質層3側の樹脂層2bには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0158】
また、前記支持体2の例えば多孔質層3側の樹脂層2bには特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0159】
また、前記支持体2の例えば多孔質層3側の樹脂層2bには第1の波長の非可視光、例えば第1の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの蛍光強度をそれぞれ異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0160】
また、前記支持体2の例えば多孔質層3側の樹脂層2bには所定の波長の非可視光、例えば所定の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには、同じ波長の紫外線を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、前記所定の波長の紫外線を照射したときに異なる2種類の波長(異なる2種類の蛍光強度)の蛍光が発せられるようにする場合が挙げられる。
【0161】
次に、図2に示すような、支持体2上に下引き層4を備えており、当該下引き層4の上に第1塗布液Aを塗布することで、支持体2上に、下引き層4を介して多孔質層3を形成するようになっているインクジェット記録材料1において、下引き層4が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液Bが特定の光に対して前記下引き層4とは異なる反応を示す性質を備える場合について説明する。
なお、この場合には、前記した第1塗布液A及び支持体2には特定の非可視光に対する性質を変化させる添加剤を含有させなくても良い。
具体的には、次のようなパターンが挙げられる。
【0162】
まず、前記下引き層4には第1の波長の非可視光、例えば第1の波長の紫外線の吸収剤を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線の吸収剤を含有させておき、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの反射率をそれぞれ異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0163】
また、前記下引き層4には特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0164】
また、前記下引き層4には特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0165】
また、前記下引き層4には特定の非可視光、例えば紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させておき、紫外線を照射したときの蛍光強度を異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0166】
また、前記下引き層4には第1の波長の非可視光、例えば第1の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの蛍光強度をそれぞれ異ならせるようにする場合が挙げられる。
【0167】
また、前記下引き層4には所定の波長の非可視光、例えば所定の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには、同じ波長の紫外線を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておき、前記所定の波長の紫外線を照射したときに異なる2種類の波長(異なる2種類の蛍光強度)の蛍光が発せられるようにする場合が挙げられる。
【0168】
なお、本実施の形態では、多孔質層3を形成する第1塗布液A、支持体2、下引き層4のいずれかに特定の非可視光(ここでは、紫外線)に対する性質を変化させるための紫外線吸収剤や蛍光剤等の添加剤を含有させた場合には、他の層には紫外線吸収剤や蛍光剤等の添加剤を含有させないようになっていた。しかし、これに限るものではなく、第1塗布液Aと支持体2の2層や、第1塗布液Aと下引き層4の2層や、支持体2と下引き層4の2層や、第1塗布液Aと下引き層4と支持体2の3層全てに特定の非可視光に対する性質を変化させるための添加剤を含有させても良い。
【0169】
次に、前記各添加剤含有溶液を付与、乾燥する方法について説明する。
本発明において、各添加剤含有溶液の付与(オーバーコート)は、前述したように、塗布した多孔質層の乾燥終了以降に行われる。
【0170】
各添加剤含有溶液の付与のタイミングは、多孔質層の乾燥終点から1時間以内、好ましくは15分以内、更に好ましくは5分以内である。
【0171】
乾燥終点は、前記のごとく多孔質皮膜の温度が乾燥する風の温度と同じになった点であるが、乾燥終点以前に添加剤含有溶液を付与すると、特に高速プリンターでプリントしたときにマダラが発生しやすい。乾燥終点以前においては多孔質皮膜に水分が残存しているために、この水分により皮膜中のバインダーが膨潤状態にあり添加剤含有溶液の吸収速度が低下するために皮膜中に添加剤の不均一性が生じてマダラが生じやすいのではないかと推定される。好ましくは、乾燥終点後、5秒以上経過してから添加剤を付与するのが好ましい。なお、乾燥終点から15分以内、好ましくは5分以内、更に好ましくは30秒以内に添加剤含有溶液を多孔質層に付与することが好ましい。
【0172】
また、添加剤水溶液を付与する際の多孔質皮膜温度は25〜70℃の間が好ましい。皮膜温度を25℃以上とすることにより、添加剤含有溶液の吸収速度が低下してマダラが生じることを抑制することができ、また、70℃以下とすることにより、添加剤含有溶液の蒸発が早すぎて不均一な塗膜面が形成されるのを抑制することができる。好ましい皮膜温度は、30〜65℃である。
【0173】
添加剤水溶液の付与量は多孔質皮膜の空隙容量以下であることが好ましい。空隙容量とは、この記録材料をJ.TAPPI 51に規定される紙および板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)で測定したときの接触時間2秒における液体転移量を言う。
【0174】
添加剤含有溶液の供給量を空隙容量以下とすることにより、得られる記録材料の吸収性に不均一性が生じてマダラが発生するのを抑制できる。また、乾燥直後の皮膜状態は、膨潤性が比較的高く、充分な吸収性を有していないため、好ましくは空隙容量の80%以下の溶液付与量とするのが好ましい。添加剤含有溶液の付与量の下限は、添加剤の付与量と溶解性、あるいは添加剤含有溶液の付与方式にも依存するが、記録材料1m2あたり2ml以上である。
【0175】
溶液の塗布方法は、公知の方法から適宜選択して行うことができ、具体的な塗布方式としては、前述の多孔質層の塗布で記載の方法を用いることができるが、特に好ましい方式は、特願2002−49715に記載された溶液を液滴として噴霧する方式であり、特に好ましくは微少ノズルを塗布幅にわたって複数有し、ガスを噴出するガスノズルを備えたスロットノズルスプレー装置を用いて溶液を供給する方式である。
【0176】
溶液の塗布は、室温以上、60℃以下の温度で塗布するのが好ましい。
溶液は塗布に先立って濾過することが好ましく、特に、塗布方式として前記のガスノズルを備えたスロットノズルスプレー装置を用いる場合には、微小の異物・ゴミなどがノズルを目詰まらせて塗布筋の原因となりやすい。通常は5〜20μm程度の粒子を除去できるフィルターを用いることが好ましい。
【0177】
溶媒を塗布した後、記録材料は乾燥してロール状に巻き取ることが好ましい。この際、オーバーコートで供給した溶媒の50%以上が乾燥された状態で巻き取ることが本発明では好ましい。
【0178】
付与した溶媒の50%以上が乾燥された状態で巻き取ることにより、断裁後にカールが大きくなるのを抑制でき、またこのロールの保管中での凹凸の発生を抑制でき、その結果、筋状故障を低減することができる。好ましくは、付与した溶媒の1/3以下の質量になるまで乾燥することであり、特に、周囲の環境と平衡状態になるまで乾燥させるのが好ましい。
【0179】
本発明の記録材料は、主に酸性染料を含有するインクジェット記録用として用いられるが、水性または油性の顔料インクを用いるインクジェット記録用にも用いることができる。
【0180】
次に、インクジェット記録材料の製造過程において本発明に係るインクジェット記録材料の性能検査方法を実施する一例を図1〜図7を用いて説明する。
【0181】
ここでは、支持体2として、図1に示すような、紙2aの両面をポリオレフィン樹脂からなる樹脂層2b,2cで被覆した樹脂被覆紙を用いている。図示しない搬送手段により支持体元巻きから繰り出された支持体2が、サポートローラ30を通過し、更にバックアップローラ20の位置で反転搬送される過程で、流量規制型のスライドビード塗布装置10より供給される第1塗布液Aが、支持体2上に塗布される。また、図2に示すように、支持体2の一側に下引き層4を備えており、この下引き層4の上に第1塗布液Aを塗布するようになっていても良い。この状態以降の支持体2(支持体2の上に下引き層4を備えているものも含む)を基体5と称す。
【0182】
この第1塗布液Aは、親水性バインダーを含有しているので、冷却ゾーン40で一旦冷却して固化する。支持体2上に多孔質層3を有する基体5は、次いで乾燥工程に搬送される。
【0183】
乾燥工程では、エアを吹き出して塗布膜表面と非接触で反転搬送させるリバーサ60と、基体5の裏面に接触して反転搬送させる通常の搬送ローラ70とを交互に設けて、基体5を蛇行搬送させている。この乾燥工程においては、基体5に図示しない温風吹付け手段で温風を吹き付けて乾燥する。図3では、乾燥工程として、第1ゾーンから第10ゾーンまで10個の乾燥ゾーンを設けた例を示してある。この乾燥過程の途中、乾燥終点(図3の例では、第7ゾーンの出口付近)以降の位置(図3では、第9ゾーン)でスロットノズルスプレー装置80によって、液滴噴霧による添加剤含有溶液(第2塗布液B)の塗布が行われる。
【0184】
図3においては、1つのスロットノズルスプレー装置80を使用したが、必要に応じて複数個用いても良い。特に、多段に分けて液滴噴霧を行うことにより、乾燥負荷がより低減されると共に、塗膜均一性も高まるため好ましい。
【0185】
多孔質層上に添加剤含有溶液を付与する際の塗布速度としては、用いる塗布液の種類、濃度、溶媒含有量、乾燥能力等により変化するが、好ましくは50〜300m/minであり、より好ましくは100〜300m/minである。
【0186】
また、多孔質層3を形成するための塗布工程と多孔質層上に添加剤含有溶液を付与するための工程とは、図3に示すように同一製造ライン上で、かつ連続して行うことが好ましい。また、添加剤含有溶液を多孔質層上に付与する工程は、図3に示すように、多孔質層を乾燥させるための乾燥工程ないにおいて実施することができる。乾燥工程では、湿潤状態の塗布膜を連続的に搬送しながら、その表面あるいは裏面より、特定の温度及び湿度条件に制御された乾燥風を吹き付けて乾燥を行うことが好ましい。
【0187】
その後、形成されたインクジェット記録材料1の性能の検査を行う。具体的には、第2塗布液Bが均一に塗布されているか否かの検査を行う。本発明においては、前記したように、インクジェット記録材料1に第2塗布液Bが塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにされており、これを利用した検査装置を通過させることにより、第2塗布液Bが均一に塗布されているか否かの検査を行う。
図4に示すように、検査装置90は、インクジェット記録材料1に対して、所定の光、ここでは紫外線をインクジェット記録材料1の幅方向のライン状に照射する照射装置91と、当該照射された紫外線に対するインクジェット記録材料1の反応を読み取る読取装置92を備えている。
【0188】
以下、第1塗布液Aの紫外線に対する性質と第2塗布液Bの紫外線に対する性質が異なるようにされている場合について説明する。
具体的には、次のようなパターンが挙げられる。
【0189】
なお、1番目と6番目に示すパターンでは、第1塗布液Aには紫外線に対する性質を変化させる添加剤を含有させず、第2塗布液Bのみに紫外線に対する性質を変化させる添加剤を含有させて、第1塗布液Aの紫外線に対する性質と第2塗布液Bの紫外線に対する性質を異ならせている。これに対し、他のパターンでは、第2塗布液Bだけでなく、第1塗布液Aにも紫外線に対する性質を変化させる添加剤を含有させて、第1塗布液Aの紫外線に対する性質と第2塗布液Bの紫外線に対する性質を異ならせている。
【0190】
まず、前記第1塗布液Aには紫外線の吸収剤を含有させないのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの反射率を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において紫外線の反射率が低い測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、紫外線の反射率が低い測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、紫外線の反射率が高い測定結果が検出される。
【0191】
また、前記第1塗布液Aには第1の波長の紫外線の吸収剤を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの反射率をそれぞれ読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第1塗布液A及び第2塗布液Bの双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の紫外線及び第2の波長の紫外線の双方の反射率が低い測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第1塗布液A及び第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、第1の波長の紫外線及び第2の波長の紫外線の双方の反射率が低い測定結果が検出されるが、第1塗布液Aは塗布されているが第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、第1の波長の紫外線の反射率が低く、第2の波長Bの紫外線の反射率が高い測定結果が検出される。さらに、第1塗布液Aが均一に塗布されていない場合、第1塗布液Aが塗布されていない箇所では、第1の波長の紫外線の反射率が高い測定結果が検出される。
【0192】
また、前記第1塗布液Aには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0193】
また、前記第1塗布液Aには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0194】
また、前記第1塗布液Aには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0195】
また、前記第1塗布液Aには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させないのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、蛍光強度を示す測定結果が検出されない。
【0196】
また、前記第1塗布液Aには第1の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの蛍光強度をそれぞれ読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第1塗布液A及び第2塗布液Bの双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第1塗布液A及び第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第1塗布液Aは塗布されているが第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。さらに、第1塗布液Aが均一に塗布されていない場合、第1塗布液Aが塗布されていない箇所では、第1の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0197】
また、前記第1塗布液Aには所定の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには、同じ波長の紫外線を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、所定の波長の紫外線を照射したときの2種類の蛍光強度をそれぞれ、2つの読取装置92を用いて測定する。すると、図1に示すように第1塗布液A及び第2塗布液Bの双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図5に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第1塗布液A及び第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、前記と同様の一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第1塗布液Aは塗布されているが第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。さらに、第1塗布液Aが均一に塗布されていない場合、第1塗布液Aが塗布されていない箇所では、ほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0198】
次に、支持体2が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液Bが特定の光に対して前記支持体2とは異なる反応を示す性質を備える場合について説明する。
具体的には、次のようなパターンが挙げられる。
【0199】
まず、前記支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bには第1の波長の紫外線の吸収剤を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの反射率をそれぞれ読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の紫外線及び第2の波長の紫外線の双方の反射率が低い測定結果が検出され、図6に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、第1の波長の紫外線及び第2の波長の紫外線の双方の反射率が低い測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、第1の波長の紫外線の反射率が低く、第2の波長Bの紫外線の反射率が高い測定結果が検出される。
【0200】
また、前記支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図6に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0201】
また、前記支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図6に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0202】
また、前記支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bには紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図6に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0203】
また、前記支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bには第1の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの蛍光強度をそれぞれ読取装置92で測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図6に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0204】
また、前記支持体2の多孔質層3側の樹脂層2bには所定の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには、同じ波長の紫外線を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、所定の波長の紫外線を照射したときの2種類の蛍光強度をそれぞれ、2つの読取装置92を用いて測定する。すると、図1に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図6に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、前記と同様の一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0205】
次に、図2に示すような、支持体2上に下引き層4を備えており、当該下引き層4の上に第1塗布液Aを塗布することで、支持体2上に、下引き層4を介して多孔質層3を形成するようになっているインクジェット記録材料1において、下引き層4が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液Bが特定の光に対して前記下引き層4とは異なる反応を示す性質を備える場合について説明する。
具体的には、次のようなパターンが挙げられる。
【0206】
まず、前記下引き層4には第1の波長の紫外線の吸収剤を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの反射率をそれぞれ読取装置92で測定する。すると、図2に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の紫外線及び第2の波長の紫外線の双方の反射率が低い測定結果が検出され、図7に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、第1の波長の紫外線及び第2の波長の紫外線の双方の反射率が低い測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、第1の波長の紫外線の反射率が低く、第2の波長Bの紫外線の反射率が高い測定結果が検出される。
【0207】
また、前記下引き層4には紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図2に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図7に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0208】
また、前記下引き層4には紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには紫外線の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図2に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図7に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0209】
また、前記下引き層4には紫外線を励起光源として蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させておいた場合には、紫外線を照射したときの蛍光強度を読取装置92で測定する。すると、図2に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、図7に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、低い蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0210】
また、前記下引き層4には第1の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには前記第1の波長の紫外線と波長が異なる第2の波長の紫外線を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、第1及び第2の波長の紫外線を照射したときの蛍光強度をそれぞれ読取装置92で測定する。すると、図2に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図7に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
【0211】
また、前記下引き層4には所定の波長の紫外線を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させるのに対し、前記第2塗布液Bには、同じ波長の紫外線を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤(蛍光増白剤)と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤(蛍光増白剤)を含有させておいた場合には、所定の波長の紫外線を照射したときの2種類の蛍光強度をそれぞれ、2つの読取装置92を用いて測定する。すると、図2に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、図7に示すように第2塗布液Bが均一に塗布されていない場合、第2塗布液Bが塗布されている箇所(紫外線pが照射されている箇所)では、前記と同様の一定の蛍光強度を示す測定結果が検出されるが、第2塗布液Bが塗布されていない箇所(紫外線qが照射されている箇所)では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
【0212】
以上のような性能検査を経て、インクジェット記録材料1が製品として送り出されるのである。
【0213】
以上のように、本実施の形態のインクジェット記録材料の性能検査方法によれば、インクジェット記録材料における支持体上に、親水性バインダーと微粒子とを含有する多孔質層を形成する第1塗布液を塗布し、第1塗布液を塗布した上から、所定の機能を有すると共に塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにされた第2塗布液を塗布し、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の光を照射し、これに対する反応を検出して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
そのため、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0214】
また、本実施の形態では、第2塗布液が、所定の機能を有すると共に第1塗布液のみが塗布された場合と比べて特定の光に対する性質が異なるようにさせるものであるため、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
そのため、前記したものと同様に、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0215】
さらに、本実施の形態では、第1塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させず、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光の反射率を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において特定の非可視光の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、特定の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0216】
またさらに、本実施の形態では、第1塗布液には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。
さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
そのため、高速かつ精度良く第1塗布液の塗布状態も検査することができる。
【0217】
また、本実施の形態では、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0218】
さらに、本実施の形態では、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0219】
またさらに、本実施の形態では、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0220】
また、本実施の形態では、第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させず、第2塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、蛍光強度を示す測定結果が検出されない。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0221】
さらに、本実施の形態では、第1塗布液には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
そのため、高速かつ精度良く第1塗布液の塗布状態も検査することができる。
【0222】
またさらに、本実施の形態では、第1塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として、第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第1塗布液及び第2塗布液の双方が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液は塗布されているが第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
さらに、第1塗布液が均一に塗布されていない場合、第1塗布液が塗布されていない箇所では、ほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
そのため、高速かつ精度良く第1塗布液の塗布状態も検査することができる。
【0223】
また、本実施の形態では、支持体が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液が特定の光に対して支持体とは異なる反応を示す性質を備えるため、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
そのため、前記したものと同様に、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0224】
さらに、本実施の形態では、支持体には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0225】
またさらに、本実施の形態では、支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0226】
また、本実施の形態では、支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0227】
さらに、本実施の形態では、支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0228】
またさらに、本実施の形態では、支持体には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0229】
また、本実施の形態では、支持体には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として、第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0230】
さらに、本実施の形態では、支持体上に下引き層を備えており、当該下引き層の上に第1塗布液を塗布することで、支持体上に、下引き層を介して多孔質層を形成するようになっており、下引き層が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、第2塗布液が特定の光に対して下引き層とは異なる反応を示す性質を備えるため、請求項1と同様に、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第2塗布液の性質による反応が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第2塗布液の性質による反応が検出されない、という結果になる。
そのため、前記したものと同様に、高速かつ精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0231】
またさらに、本実施の形態では、下引き層には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光の双方の反射率が低い測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の波長の非可視光の反射率が低く、第2の波長の非可視光の反射率が高い測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0232】
また、本実施の形態では、下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0233】
さらに、本実施の形態では、下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0234】
またさらに、本実施の形態では、下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において一定の低い蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、高い蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0235】
また、本実施の形態では、下引き層には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において第1の蛍光及び第2の蛍光の双方が一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、第1の蛍光が一定の蛍光強度を示し、第2の蛍光がほとんど蛍光強度を示さない測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0236】
さらに、本実施の形態では、下引き層には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、第2塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として、第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定するため、第2塗布液が均一に塗布されている場合、2つの塗布液が塗布された部位全体において、2種類の波長について一定の蛍光強度を示す測定結果が検出され、第2塗布液が均一に塗布されていない場合、第2塗布液が塗布されていない箇所では、前記した2種類の波長のうちの一方の蛍光強度が異なる蛍光強度を示す測定結果が検出される。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。また、蛍光は感度が高いため、蛍光強度を示す測定結果の検出を容易に行うことができる。
【0237】
またさらに、本実施の形態では、支持体が非吸水性支持体であるため、吸水性支持体のように、第2塗布液中の所定の機能や特定の光に対する性質を生じさせる添加剤が支持体中に浸透、拡散することがない。
そのため、より精度良く第2塗布液の塗布状態を検査することができる。
【0238】
また、本実施の形態では、支持体が紙の両面を熱可塑性樹脂で被覆した樹脂被覆紙であるため、具体的に非吸水性支持体とすることができる。
そのため、具体的に前記した効果を奏することができる。
【0239】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【図1】本発明の一実施形態におけるインクジェット記録材料の一部を示す図である。
【図2】下引き層を備えたインクジェット記録材料の一部を示す図である。
【図3】本実施の形態におけるインクジェット記録材料の製造過程を示す図である。
【図4】本実施の形態におけるインクジェット記録材料の性能検査を行う検査装置を示す図である。
【図5】第2塗布液が均一に塗布されていないインクジェット記録材料の一部を示す図である。
【図6】第2塗布液が均一に塗布されていないインクジェット記録材料の一部を示す図である。
【図7】第2塗布液が均一に塗布されていないインクジェット記録材料の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0241】
1 インクジェット記録材料
2 支持体
3 多孔質層
5 基体
90 検査装置
A 第1塗布液
B 第2塗布液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット記録材料における支持体上に、親水性バインダーと微粒子とを含有する多孔質層を形成する第1塗布液を塗布し、
前記第1塗布液を塗布した上から、所定の機能を有すると共に塗布されているか否かで特定の光に対する性質が異なるようにされた第2塗布液を塗布し、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に特定の光を照射し、これに対する反応を検出して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とするインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項2】
前記第2塗布液が、所定の機能を有すると共に前記第1塗布液のみが塗布された場合と比べて特定の光に対する性質が異なるようにさせるものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項3】
前記第1塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させず、
前記第2塗布液には特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光の反射率を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項4】
前記第1塗布液には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項5】
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項6】
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項7】
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項8】
前記第1塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させず、
前記第2塗布液には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項9】
前記第1塗布液には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項10】
前記第1塗布液には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には、前記所定の波長の非可視光を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項11】
前記支持体が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、
前記第2塗布液が特定の光に対して前記支持体とは異なる反応を示す性質を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項12】
前記支持体には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項13】
前記支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項14】
前記支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項15】
前記支持体には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項16】
前記支持体には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項17】
前記支持体には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には、前記所定の波長の非可視光を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項18】
前記支持体上に下引き層を備えており、
当該下引き層の上に前記第1塗布液を塗布することで、支持体上に、下引き層を介して前記多孔質層を形成するようになっており、
前記下引き層が特定の光に対して所定の反応を示す性質を備え、
前記第2塗布液が特定の光に対して前記下引き層とは異なる反応を示す性質を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項19】
前記下引き層には第1の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光の反射率をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項20】
前記下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光を失活させる蛍光失活剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項21】
前記下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記特定の非可視光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項22】
前記下引き層には特定の非可視光を励起光源として蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記蛍光の波長域の光の吸収剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記特定の非可視光を照射し、当該非可視光に対する蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項23】
前記下引き層には第1の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には前記第1の波長の非可視光と波長が異なる第2の波長の非可視光を励起光源として第2の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記第1の波長の非可視光及び第2の波長の非可視光を照射し、当該2つの非可視光に対する蛍光強度をそれぞれ測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項24】
前記下引き層には、所定の波長の非可視光を励起光源として第1の蛍光を発する蛍光剤を含有させ、
前記第2塗布液には、前記所定の波長の非可視光を励起光源として、前記第1の蛍光を発する蛍光剤と異なる蛍光スペクトルを持つ第2の蛍光を発する第2の蛍光剤を含有させ、
前記した2つの塗布液が塗布されたインクジェット記録材料に前記所定の波長の非可視光を照射し、当該所定の非可視光に対する2種類の波長において蛍光強度を測定して、第2塗布液が均一に塗布されているか否かを判定することを特徴とする請求項18に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項25】
前記支持体が非吸水性支持体であることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。
【請求項26】
前記支持体が紙の両面を熱可塑性樹脂で被覆した樹脂被覆紙であることを特徴とする請求項25に記載のインクジェット記録材料の性能検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−17690(P2006−17690A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308171(P2004−308171)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】