説明

インスリン耐性を有する前糖尿病患者における2型糖尿病およびその合併症の予防に有用な組成物

本発明は、インスリン耐性を有する前糖尿病患者において2型糖尿病およびその合併症の発症を予防するまたは遅延させるための医薬の調製のための、血圧降下薬およびスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前糖尿病の対象における2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症の予防または遅延のための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組合せたアセチルL-カルニチンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリン耐性は、2型糖尿病を発症する機会を増大させる無症候性の状態である。インスリン耐性状態において、筋肉、脂肪および肝臓細胞はインスリンを適切に使用しない。膵臓はインスリンをさらに産生してインスリンの需要に応えようとする。脂肪が過剰であると筋肉のインスリンを用いる能力が妨害されるので、過剰な体重もインスリン耐性の一因となる。運動しないと筋肉のインスリンを用いる能力はさらに減少する。
【0003】
米国糖尿病協会(American Diabetes Association)によると、前糖尿病はヒトの血糖値が正常より高いが糖尿病と診断するには不十分な高さである時に起こる状態として定義できる。平均3年の追跡の間に毎年、糖尿病予防プログラムの基準または対照群における前糖尿病の人々の約11パーセントが2型糖尿病を発症した。他の研究は、多くの前糖尿病の人々が10年以内に2型糖尿病を発症することを示している。
【0004】
前糖尿病は以前は耐糖能障害(IGT)と呼ばれており、境界型糖尿病または「chemical diabetes」とも称されていた。
【0005】
前糖尿病と関係するインスリン耐性および肥満は、心臓脈管疾患の最も重要な危険因子の1つである高血圧の増大した危険因子であり得、心臓発作または卒中を引き起こし得る。処置しないでおくと、高血圧は広範な他の生命を脅かす症状、例えば、腎臓障害およびうっ血性心不全も引き起こし得る。
【0006】
それ故に、前糖尿病の人は、心臓脈管疾患の危険性がより高い。前糖尿病の人は正常血糖を有する人と比較して1.5倍の心臓脈管疾患の危険性を有するが、糖尿病の人は2〜4倍増大した心臓脈管疾患の危険性を有する。米国糖尿病協会によると、以前からずっと、前糖尿病の人は2型糖尿病の発症を遅らせるまたは防ぐことができる。これは生活習慣の変化によって行うことができる。
【0007】
米国において推定2千万人が前糖尿病を有し、この数字は急速に増加している。前糖尿病を有する人の50パーセントが2型糖尿病を発症する傾向にある。
【0008】
早期診断は重要である。初期の年の前糖尿病または糖尿病において、ベータ細胞は高血糖により次第に損傷していく。通常、糖尿病と診断されるまでに、ベータ細胞の半数が非機能性になる。ベータ細胞がインスリン産生を再開できるように逆行させることはできない。しかしながら、前糖尿病の早期診断がなされた場合、ほぼ100パーセントのベータ細胞が機能性である。生活習慣を変え、糖尿病の何らかの薬物療法をすぐに用いるならば、多くのベータ細胞は健康なままであろうし、血糖コントロールが容易になるであろう。
【0009】
糖尿病または前糖尿病は、以下の試験のいずれかによって検出でき、および示差的に診断することができる:
−空腹時血糖試験、一晩絶食した後に血糖を測定する。この試験は朝に行うと最も信頼性が高い。100〜125 mg/dLの空腹時血糖値は正常より高いが糖尿病と呼ぶには不十分な高さである。この状態は前糖尿病または空腹時高血糖(IFG)と呼び、患者がおそらくしばらくの間インスリン耐性であったことを示唆している。IFGは前糖尿病状態と考えられ、患者は糖尿病を発症する可能性がより高いが、未だ発症していないことを意味する。126 mg/dL以上の値は糖尿病を通常伴う。
−グルコース負荷試験、一晩絶食し、医師または検査室から与えられた甘い液体を患者が飲んでから2時間後に、血糖を測定する。液体を飲んでから2時間後に患者の血糖が140〜199 mg/dLであれば、患者の糖耐性は正常より高いが糖尿病であるには不十分な高さである。この状態(これも前糖尿病の1形態である)は、耐糖能障害(IGT)と呼ばれ、IFGのように、インスリン耐性の病歴および糖尿病を発症する危険性を示している。200 mg/dL以上の値は糖尿病を通常伴う。
【0010】
従来の試験により患者がIFGまたはIGTを有することが示された場合、医師は、糖尿病を発症する危険性を減少させるために食餌を変え、運動することを提案することがある。
【0011】
インスリン耐性は定義が難しく、おそらく測定するよりも容易に同定される。メタボリックシンドロームのWHOの分類には、正常血糖高インスリンクランプ法(インスリン感受性評価試験)により測定される場合のみであるが、インスリン耐性が含まれる。この試験を用いて最も低い四分位値の人のみがインスリン耐性を有すると定義される。クランプ法は両側からのカニューレ挿入、静脈への血流の動脈血化および2時間の測定を必要とする。クランプ法の最後の30分間のグルコース注入の平均速度をインスリン感受性指数(ISI)とみなす。糖尿病は世界中に存在する広範囲に見られる疾患であり、主な臨床的合併症(微小血管性合併症、例えば糖尿病性網膜症、糖尿病性ニューロパチーおよび糖尿病性腎症、および大血管性合併症、例えばアテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、肥満、高血圧性心筋梗塞、卒中、多嚢胞性卵巣症候群およびシンドロームXなど)を伴う(J. Am. Osteopath. Assoc., 2000 Oct.; 100(10):621-34;Jama, 2002 Nov., 27;288(20):2579-88)。
【0012】
それらの合併症は、個々の生命および福祉に重大な脅威を与える。
【0013】
2型糖尿病の発症を予防する試みは既になされている。米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases)の支援を受けた研究者らは、2型糖尿病の発症を予防するまたは遅延させる最も効果的な方法を見付けるために糖尿病予防プログラム(DPP)を実施した。IGTおよび2型糖尿病について特に危険性の高いことが分かっているグループからボランティアを集めた。生活習慣の変化の効果(運動およびダイエットによる体重減少)を薬物治療(メトホルミン)と比較するために研究を設計した。対照群にはプラセボおよび食餌と運動についての情報を与えた。集中強力的な生活習慣の介入に割り当てられた参加者は、2型糖尿病になる危険性が3年間かけて58パーセント減少した。
【0014】
メトホルミンにより処置した参加者は、危険性が31パーセント減少した。
【0015】
長年の間用いられている薬物、例えばビグアナイド系薬およびスルホニル尿素系薬は、2型糖尿病の処置のために市販されている。これらの多く、例えばメトホルミンなどには、副作用として、胃腸障害、および腎臓、心臓、肝臓、肺の不全などの症状におけるアシドーシスの危険性がある。スルホニル尿素系薬は、起こり得る副作用として低血糖症のエピソードを有する。近年市場に導入された薬物にチアゾリドニド系薬(thiazolidonide)があり、副作用、例えば肝毒性、増大したLDLコレステロール、体重増加および浮腫が懸念の原因となっている。
【0016】
国際公開第99/01126号パンフレットには、改変された脂質代謝に起因する疾患の処置に有用なスタチンとアルカノイルL-カルニチンとの組合せが記載されている。
【0017】
国際公開第00/74675号パンフレットには、スタチン系薬の投与による毒性を減少させるためのカルニチンの使用が記載されている。
【0018】
Clin. Ter. 1992 Jan; 140(1 Pt 2):17-22には、腎不全を有する患者におけるシンバスタチンと組合せたL-カルニチンのトリグリセリド低下作用が記載されている。
【0019】
Atherosclerosis 188, 2006, 455-461には、2型糖尿病を有する患者における、シンバスタチンと組合せたL-カルニチンのリポタンパク質(a)を低下させる効力が記載されている。
【0020】
Minerva Medica, Vol. 80, No3には、2型糖尿病を有する患者における高血圧の処置のためのL-カルニチンの使用が記載されている。
【0021】
国際公開第98/01128号パンフレットには、IGF-1のレベルを増加させるためのアセチルL-カルニチン、イソバレリルL-カルニチン、プロピオニルL-カルニチンの使用が開示されている。糖尿病はまた、国際公開第98/01128号パンフレットに報告されている多数の治療可能な病態の1つに含まれている。
【0022】
国際公開第98/41113号パンフレットには、ガンマリノール酸、アセチルL-カルニチン、無機塩およびビタミンからなる、糖尿病を有する患者のための治療栄養組成物が記載されている。
【0023】
米国特許第4362719 号明細書には、若年性発症糖尿病の処置におけるL-カルニチンおよびアシルL-カルニチンの使用が記載されている。
【0024】
米国特許第5430065号明細書には、非インスリン依存性糖尿病を有する患者の長期の処置における、L-カルニチンおよびアシルL-カルニチンの使用が記載されている。
【0025】
Journal of Cellular Physiology 203; 2005; 439-446には、アセチルL-カルニチンを培養培地に加えると、筋細胞のインスリン処置に応答する能力に劇的に影響することが報告されている。
【0026】
これらの文献において、前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、血圧降下薬と組合せたアセチルL-カルニチンの使用は全く記載されていない。
【0027】
これらの疾患の根底にあると認識されるいわゆる危険因子にさらなる注意が依然として向けられており、この病理学的全体像の様々な起源に作用することができ、特定の糖尿病薬の場合のように、治療を中止する必要さえ生じさせ得る重い副作用を同時に伴わない薬剤の必要性が未だに認識されている。
【発明の概要】
【0028】
発明の説明
驚くべきことに、具体的な薬理学的作用について既知である物質の特定の組合せが、インスリン耐性を有する前糖尿病の対象における2型糖尿病の発症の予防または遅延を特に示すことを見出した。
【0029】
本発明によると、インスリン耐性は上述の正常血糖高インスリンクランプ法試験を用いて評価した。この試験を用いて、最も低い四分位値の人のみをインスリン耐性を有すると定義した。クランプ法の最後の30分間のグルコース注入の平均速度をインスリン感受性指数(ISI)とみなした。ISIの平均値を評価し、平均(median)値より低いISIを有する患者(より重度のインスリン耐性を有する前糖尿病患者)について考察した。正常血糖高インスリンクランプ法試験は以下に詳しく記載する。
【0030】
本発明によると、前糖尿病患者は、正常より高いが、糖尿病薬により処置するには不十分な高さであるグルコースレベル(朝の空腹時血糖が100〜125 mg/dl)を有する患者である。
【0031】
本発明の組合せは、インスリンに対する感受性を増大させ(特に平均(median)値より低いベースラインISIを有する患者において)、以下の3以上の因子を表す糖尿病を発症する可能性が高い対象において高血圧を予防するまたは減少させることができることを示した:体重過剰または肥満;糖尿病の家族歴;妊娠糖尿病を経験した女性;ステロイド誘導性の高血糖;高血圧または異常な脂質状態。
【0032】
本発明による組合せは、アセチルL-カルニチンまたはその医薬上許容される塩を血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組合せて含む。
【0033】
アセチルL-カルニチンの医薬上許容される塩は、毒性作用または副作用を引き起こさない酸とのアセチルL-カルニチンのいずれかの塩を意味する。
【0034】
これらの酸は、薬理学者および薬剤学の専門家によく知られている。かかる塩の非限定的な例は、塩化物、臭化物、オロト酸塩、アスパラギン酸塩、酸アスパラギン酸塩、酸クエン酸塩、マグネシウムクエン酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、フマル酸塩および酸フマル酸塩、マグネシウムフマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩および酸マレイン酸塩、シュウ酸塩、酸シュウ酸塩、パモ酸塩、酸パモ酸塩、硫酸塩、酸硫酸塩、グルコースリン酸塩、酒石酸塩および酸酒石酸塩、グリセロリン酸塩、ムケート(mucate)、マグネシウム酒石酸塩、2-アミノエタンスルホン酸塩、マグネシウム2-アミノエタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、コリン酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、およびトリフルオロ酢酸塩である。
【0035】
アセチルL-カルニチンの医薬上許容される塩はまた、FDAにより認可され、刊行物Int. J. of Pharm. 33 (1986), 201-217(参照により本明細書に組み込まれる)に列挙された塩を意味する。
【0036】
本発明による組合せは、特に血圧降下薬により既に処置しているインスリン耐性を有する前糖尿病患者において、インスリン耐性および血圧を減少させるのに有用である;インスリン耐性および血圧を減少させることが、2型糖尿病およびその合併症の発症を予防するまたは遅延させるのに有用であることは明らかである。
【0037】
それ故に、本発明の対象の1つは、前糖尿病の対象において2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンである。
【0038】
本発明のさらなる対象は、インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンである。
【0039】
本発明のさらなる対象は、重度のインスリン耐性を有する前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンである。
【0040】
本発明による糖尿病の臨床的合併症には以下が含まれる:微小血管性合併症、例えば糖尿病性網膜症、糖尿病性ニューロパチーおよび糖尿病性腎症;大血管性合併症、例えば、アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害;肥満;高血圧;心筋梗塞;卒中;多嚢胞性卵巣症候群;およびシンドロームX。
【0041】
本発明のさらなる対象は、「血圧降下薬により既に処置している」インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンである。
【0042】
本発明による「血圧降下薬により既に処置している」は、血圧降下薬による処置がアセチルL-カルニチンによる処置の前に開始され、アセチルL-カルニチンによる処置の間も維持されていることを意味する。
【0043】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において、高血圧を処置するための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンである。
【0044】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において、収縮期血圧を低下させるための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンである。
【0045】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において、脈圧を低下させるための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンである。
【0046】
本発明のさらなる対象は、インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための医薬の調製のための、アルファ1アドレナリン拮抗剤、例えばプラゾシン;ベータアドレナリン拮抗剤、例えばプロプラノロール、ナドロール、チモロール、メトプロロール、ピンドロール;ウアバイン拮抗剤、例えばロスタフロキシン(rostafuroxin);アルファ/ベータアドレナリン共通拮抗剤、例えばラベタロール;アドレナリン作動性神経遮断剤、例えばグアネチジン、レセルピン;CNS作用性血圧降下剤、例えばクロニジン、メチルドパおよびグアナベンズ;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばスピラプリル、エナラプリル、ラミプリル、ペリンドプリル、インドラプリル(indolapril)、リシノプリル、キナプリル、ペントプリル(pentopril)、シラザプリル、カプトプリル、ゾフェノプリル、ピバロプリル(pivalopril)およびホシノプリル;アンギオテンシンII受容体拮抗剤、例えばロサルタン;カルシウムチャネル遮断剤、例えばニカルジピン、ニモジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン;利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、クロルタリドン、フロセミド、トリアムテレン;血管拡張剤、例えばヒドララジン、ミノキシジル、ニトロプルシド、ジアゾキシド、ヒドララジン、ミノキシジル、ベラパミルからなる群から選択される血圧降下薬、および所望によりまたは、シンバスタチン、ロバスタチン(lovastatin)、フルバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン(rovastatin)およびロスバスタチンからなる群から選択されるスタチン(シンバスタチンが好ましい)と組合せた、アセチルL-カルニチン、またはその医薬上許容される塩の使用である。
【0047】
本発明のさらなる対象は、インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において高血圧を処置するための医薬の調製のための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンの使用である。
【0048】
本発明のさらなる対象は、インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において収縮期血圧を低下させるための医薬の調製のための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンの使用である。
【0049】
本発明のさらなる対象は、インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において脈圧を低下させるための医薬の調製のための、血圧降下薬、および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンの使用である。
【0050】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置しているインスリン耐性を有する前糖尿病の対象において2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンの使用である。
【0051】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において高血圧を処置するための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンの使用である。
【0052】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において収縮期血圧を低下させるための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンの使用である。
【0053】
本発明のさらなる対象は、血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において脈圧を低下させるための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチン、および所望によりスタチンの使用である。
【0054】
本発明による組合せは、実質的にその活性を損なうことなく、他の有用な要素を含むこともできる。
【0055】
本発明による組合せは、栄養補助食品として形成することもでき、これは本発明のさらなる対象を構成する。
【0056】
本発明による医薬は、個々の疾患状態を予防するまたは発症を遅延させるために、または上記の1以上の治療面を含む複合した病理学的全体像となることを防ぐために、用いることができる。例えば、特に前糖尿病、インスリン耐性および肥満を有する患者において、高血圧の減少、2型糖尿病の発症の予防または遅延のための複合作用、および抗高脂血症作用および心血管系に対する保護作用を有する医薬。
【0057】
発明の詳細な説明
本発明による組合せは、医療分野において知られており、臨床診療において既に用いられているものを活性成分として含む。それ故に、長い間市場にあり、ヒトまたは動物投与に適したグレードの製品であるので、調達が非常に容易である。
【0058】
スタチン類は、コレステロールレベルを低減させるために用いる既知の薬物群である。スタチン類は市場にて入手可能である、または文献に記載の既知の方法によって調製することができる。
【0059】
アセチルL-カルニチンは既知の化合物であり、その調製過程は米国特許第4,254,053号明細書に記載されている。
【0060】
血圧降下薬は周知であり、医療分野において広く用いられている。
【0061】
個々の成分の用量および割合は、通常の前臨床試験および臨床試験によって、または食物製品の調製に関する通常の考え方によって、その部門の専門家が決定することができる。
【0062】
ヒトに使用するための医薬組成物の調製のために推奨される個々の化合物の量は以下の通りである。
【0063】
シンバスタチン:5 mg〜80 mg/日、好ましくは15〜40 mg/日;最も好ましくは20 mg/日。
【0064】
アセチルL-カルニチン:0.5〜5 g/日、好ましくは1.5〜3 g/日;最も好ましくは2 g/日。
【0065】
血圧降下薬の1日用量は、かかりつけの医師の判断に従って、対象の体重、年齢、患者の一般的状態および用いる血圧降下薬のタイプに依拠するであろう。
【0066】
医薬組成物は、活性成分が単一の医薬的形態(錠剤、サシェ(sachet)、カプセル、バイアル)に存在する、または活性成分を連続的に協調的な様式にて投与できる、単位形態を有し得る。後者の場合、医薬組成物は、別個の容器中に成分を提供し、連続投与のための指示書を添付して形成することができる。
【0067】
本発明に包含される組成物は、全く従来的であり、製薬産業において一般に実施される方法によって得られる。選択された投与経路に応じて、組成物は、経口、非経口または静脈内投与に適する固体または液体形態であろう。本発明による組成物は、活性成分とともに、少なくとも1の医薬上許容される媒体または賦形剤を含有する。製剤補助剤、例えば、可溶化剤、分散剤、懸濁剤および乳化剤などは、特に有用であり得る。一般的な参考文献は「Remington's Pharmaceutical Sciences Handbook(レミントンの薬学ハンドブック)」、の最新版である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下の実施例により本発明をさらに例証する。
【0069】
実施例1
前糖尿病患者においてインスリン耐性、血圧およびメタボリックシンドロームを予防または処置するための、アセチルL-カルニチンの効果。
【0070】
試験対象基準
朝の空腹時血糖が≦125 mg/dlであり、少なくとも3の以下の基準を有する40人の対象を適格者とみなした:II型糖尿病を有する一等親血縁者を持つ、年齢40〜65才、収縮期血圧または拡張期血圧がそれぞれ≧140または≧90 mmHg、体格指数(BMI)≧25(男性)、≧24(女性)、血清トリグリセリド≧200 mg/dl。
【0071】
試験除外基準
血清クレアチニン≧1.5 mg/dlおよび尿中タンパク質排泄速度≧0.5 g/24時間である者は除外した。さらなる除外基準は以下の通りであった:ステロイド類、抗炎症剤および免疫抑制剤、インスリン感受性および/またはインスリン分泌に直接影響し得るいずれかの薬剤(グリタゾン類および経口糖尿病薬など)の併用処置、研究を開始する前の6ヶ月の先のアセチルL-カルニチンによる処置またはメトホルミンの併用処置、研究の目的/危険性の完全な理解および書面によるインフォームド・コンセントの提供が不可能であること。
【0072】
研究設計
ならし(Run-In)期間、6ヶ月の処置期間および2ヶ月の回復期を含む連続的なオフ−オン−オフを経る経時的研究。
【0073】
ベースラインの評価は以下のパラメーターを含んだ:
臨床的:
収縮期/拡張期血圧;心拍数;体重(SW);
体格指数(BMI);
体内総水分(TBW)[(ヒューム(Hume)とワイアー(Weyer)の式により算出した:
TBW(男性)=(0.2968×体重(kg))+(0.1948×身長(cm))−14.0129;
TBW(女性)=(0.1838×体重(kg))+(0.3446×身長(cm))−35.2701];
除脂肪量(FFM)(計算式:FFM=TBW/0.73);
体脂肪量(FM)(計算式:FM=BW−FFM)。
【0074】
代謝的:
朝の空腹時血糖;経口グルコース負荷試験;HbAlc、インスリン、レプチン、アディポネクチンレベル;脂質状態:総、LDLおよびHDLコレステロール、トリグリセリド類、アポリポタンパク質AおよびB;炎症マーカー:赤血球沈降速度およびC反応性タンパク質;腎臓、肝臓および血液パラメーター:血清クレアチニン;尿素、ナトリウム、カリウム、尿酸およびクレアチンキナーゼレベル、ヘモグロビン濃度。
【0075】
機器:心電図。
【0076】
対象/除外基準を満たす患者において、インスリン感受性指数(ISI)は正常血糖高インスリンクランプ法により評価した(ヒュームとワイアーの式により算出した;Diabetologia Volume 33, Number 4 ; April, 1990; 228-236)。そして、アセチルL-カルニチン2 g/日(経口投与)、および血圧降下薬(利尿剤、ACE阻害剤、アンギオテンシンII受容体拮抗剤、ジヒドロおよび非ジヒドロカルシウムチャネル遮断剤)および/またはスタチンによる6ヶ月間の処置期間に参加させ、それらは全研究期間を通して投与した。
【0077】
臨床的、代謝的、脂質、炎症、腎臓、肝臓および血液パラメーターを、処置期間および2ヶ月の間、毎月評価した。
【0078】
インスリン感受性評価(正常血糖高インスリンクランプ法)
インスリン感受性を、正常血糖高インスリンクランプ法を用いて、DE, Fronzo RA, Tobin JA, Andres B. Glucose clamp technique, a method for quantifying insulin secretion and resistance.(グルコースクランプ法技術、インスリン分泌および耐性を定量化する方法)Am J Physiol. 1979;237:214-223に従って評価した。
【0079】
試験は一晩の絶食後の朝に行った。仰臥位で横たわっている患者に、2本のカニューレを挿入した。一方はインスリンおよびグルコースの注入のために肘正中静脈(antecubital vein)に、もう一方は血液のサンプリングのために反対側の静脈(contralateral vein)に挿入した。クランプ法を開始する前に血液サンプルを採取してグルコース、インスリン、クレアチニン、脂質およびHbA1cの血漿レベルを測定した。
【0080】
インスリンの注入は、はじめの10分間は4.0 mU/kg/分の濃度で開始し、試験の残りの期間は2.0 mU/kg/分の濃度で行った。インスリンとともに、はじめの10分間は25.2 ml/時間の速度にて、その後は12.6 ml/時間の速度にて、等張性の塩48 mlを注入した。インスリンがシリンジの壁に付着するのを防ぐために、血液2 mlをその溶液に加える。はじめのグルコースが注入された瞬間から、インスリンを120分間注入した。並行して、低カリウム血症を防ぐために、20%グルコース溶液500 mlに20 mEqのカリウムを捕捉した。グルコース濃度がおよそ95 mg/dlの値に達した時に、そのグルコース溶液の注入を開始した。グルコースレベルを5分ごとに、最低2回の測定の平均によってモニターした。グルコースの注入速度は90±5 mg/dlの血糖値の安定状態に達するまで調整した。クランプ法の最後の30分間のグルコース注入の平均速度を、インスリン感受性指数(ISI)またはM値とみなした。
【0081】
検査室および機器パラメーター
朝の空腹時血糖経口グルコース負荷試験、総コレステロール、LDLおよびHDLコレステロール、トリグリセリド類、アポリポタンパク質AおよびB;赤血球沈降速度、クレアチニン、尿素;ナトリウム、カリウム、尿酸、クレアチンキナーゼおよびヘモグロビンを中心的にBeckman Syncron Cx5装置およびcoulter Maxm(Beckman Coulter)によって評価し、グリコシル化ヘモグロビン(HbAlc)をイオン交換高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【0082】
統計分析
分析はすべてWindows(登録商標)のSPSS 13.0を用いて計算した。選択した対象の臨床的特徴を、平均(medias)値、標準偏差、ならびに連続型変数およびカテゴリ変数においては百分率をそれぞれ用いて記載した。
【0083】
インスリン感受性指数;収縮期血圧/拡張期血圧/平均血圧/脈圧および他の臨床的、代謝的、脂質、炎症、腎臓、肝臓および血液パラメーターに対する処置の効果を検討するために、反復測定の分散分析(ANOVA)を行った。
【0084】
世界保健機関の分類に基づいて、ベースライン時および処置期間の終わりにおいてメタボリックシンドロームを評価した。
【0085】
結果
研究対象
合計40人の対象が研究に参加し、4人の対象を除外した。よって、36人の対象が参加し、処置期間を全うした。処置期間を全うした36人の患者の臨床的特徴を表1に示す。
【0086】
【表1】

【0087】
示したように、対象の過半数は若年成人、男性であり、心臓脈管疾患および糖尿病の危険因子を高確率で有している。
【0088】
参加者は血圧降下薬治療(表2参照)および/またはスタチンによる脂質低下治療を受けた。
【表2】

【0089】
インスリン耐性およびメタボリックシンドロームに対する処置の効果
7.89 mg/kg/分の平均(median)値より低いベースラインISI(インスリン感受性指数)を有する患者(18人の患者)について考察した(これらの患者は、より重度のインスリン耐性を有する前糖尿病患者であった)。
【0090】
アセチルL-カルニチンによる処置は、統計的に有意なISIの増加(p=0.044)を伴った(表3参照)。
【0091】
一貫して、メタボリックシンドロームを有する患者の頻度は、ベースラインと比較して処置期間の終わりに有意に減少した(p=0.021)(表4参照)。
【0092】
【表3】

【0093】
【表4】

【0094】
上記の結果は、6ヶ月間のアセチルL-カルニチンによる処置の後、より重度のインスリン耐性を有する患者においてインスリン感受性が有意に改善されたことを示している。
【0095】
インスリン感受性に対する効果には、ベースラインと比較して処置期間の終わりにおけるメタボリックシンドローム(WHO基準)を有する患者の比率の有意な減少が伴った。
【0096】
動脈圧に対する処置の効果
処置期間を全うした36人の患者において、積極的処置により収縮期血圧に対して統計的に有意な(p=0.003)効果が表れた(表V)。多重比較のためのボンフェローニ(Bonferroni)の調整による対比較を用いて、処置期間の各時点におけるデータをベースラインのデータと個々に比較すると、処置には、処置の3ヶ月目から処置期間の終わりまで、収縮期血圧の有意な低下(p<0.05)が伴った。収縮期血圧と一貫して、脈圧も処置期間中に有意に低下した(p=0.008)。この低下は、5ヶ月目から処置期間の終わりまで統計的に有意であった(p<0.05)(表V)。
【0097】
【表5】

【0098】
これらのデータは、アセチルL-カルニチンによる処置には収縮期血圧および脈圧の統計的に有意な低下が伴うことを示している。これらの結果は、心臓脈管疾患を減少させることにおいて臨床的に意義のある重要性を有する。
【0099】
アセチルL-カルニチンによる処置は、他の代謝的、脂質、炎症、腎臓、肝臓および血液パラメーターに対して全く効果を生じなかった。
【0100】
6ヶ月間のアセチルL-カルニチン治療により、試験の最初により重度のインスリン耐性を有する患者のサブグループにおいて、インスリン感受性が有意に改善した。インスリン感受性に対する効果には、ベースラインと比較して、処置期間の終わりにおけるメタボリックシンドローム(WHO基準)を有する患者の比率の有意な減少が伴った。
【0101】
さらに、アセチルL-カルニチンによる処置には、収縮期血圧および脈圧の臨床的に意義のある有意な低下が伴った。
【0102】
全研究期間を通じて副作用事象は観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、血圧降下薬および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチン。
【請求項2】
重度のインスリン耐性を有する前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、血圧降下薬および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチン。
【請求項3】
血圧降下薬により既に処置しているインスリン耐性を有する前糖尿病の対象において、2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための、アセチルL-カルニチンおよび所望によりスタチン。
【請求項4】
血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において、高血圧を処置するための、アセチルL-カルニチンおよび所望によりスタチン。
【請求項5】
血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において、収縮期血圧を低下させるための、アセチルL-カルニチンおよび所望によりスタチン。
【請求項6】
血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において、脈圧を低下させるための、アセチルL-カルニチンおよび所望によりスタチン。
【請求項7】
インスリン耐性を有する前糖尿病の対象において2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための医薬の調製のための、血圧降下薬および所望によりまたはスタチンと組み合わせたアセチルL-カルニチンまたはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項8】
血圧降下薬により既に処置しているインスリン耐性を有する前糖尿病の対象において2型糖尿病およびその臨床的合併症の発症を予防するまたは遅延させるための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチンまたはその医薬上許容される塩および所望によりスタチンの使用。
【請求項9】
血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において収縮期血圧を低下させるための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチンおよび所望によりスタチンの使用。
【請求項10】
血圧降下薬により既に処置している前糖尿病の対象において脈圧を低下させるための医薬の調製のための、アセチルL-カルニチンおよび所望によりスタチンの使用。
【請求項11】
アセチルL-カルニチンの医薬上許容される塩が以下からなる群から選択される請求項7または8に記載の使用:塩化物、臭化物、オロト酸塩、アスパラギン酸塩、酸アスパラギン酸塩、酸クエン酸塩、マグネシウムクエン酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、フマル酸塩および酸フマル酸塩、マグネシウムフマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩および酸マレイン酸塩、シュウ酸塩、酸シュウ酸塩、パモ酸塩、酸パモ酸塩、硫酸塩、酸硫酸塩、グルコースリン酸塩、酒石酸塩および酸酒石酸塩、グリセロリン酸塩、ムケート、マグネシウム酒石酸塩、2-アミノエタンスルホン酸塩、マグネシウム2-アミノエタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、コリン酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩およびトリフルオロ酢酸塩。
【請求項12】
糖尿病の合併症が以下からなる群から選択される、請求項7または8に記載の使用:微小血管性合併症、例えば糖尿病性網膜症、糖尿病性ニューロパチーおよび糖尿病性腎症;大血管性合併症、例えばアテローム性動脈硬化症、末梢血管障害;肥満;高血圧;心筋梗塞;卒中;多嚢胞性卵巣症候群;およびシンドロームX。
【請求項13】
血圧降下薬が以下からなる群から選択される、請求項7または8に記載の使用:アルファ1アドレナリン拮抗剤、例えばプラゾシン;ベータアドレナリン拮抗剤、例えばプロプラノロール、ナドロール、チモロール、メトプロロール、ピンドロール;ウアバイン拮抗剤、例えばロスタフロキシン;アルファ/ベータアドレナリン共通拮抗剤、例えばラベタロール;アドレナリン作動性神経遮断剤、例えばグアネチジン、レセルピン;CNS作用性血圧降下剤、例えばクロニジン、メチルドパおよびグアナベンズ;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばスピラプリル、エナラプリル、ラミプリル、ペリンドプリル、インドラプリル、リシノプリル、キナプリル、ペントプリル、シラザプリル、カプトプリル、ゾフェノプリル、ピバロプリルおよびホシノプリル;アンギオテンシンII受容体拮抗剤、例えばロサルタン;カルシウムチャネル遮断剤、例えばニカルジピン、ニモジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン;利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、クロルタリドン、フロセミド、トリアムテレン;血管拡張剤、例えばヒドララジン、ミノキシジル、ニトロプルシド、ジアゾキシド、ヒドララジン、ミノキシジル、ベラパミル。
【請求項14】
好ましいカルシウムチャネル遮断剤がジルチアゼム、ニフェジピン、ベラパミル、ニカルジピンまたはニモジピンである、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
スタチンが、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチンおよびロスバスタチンからなる群から選択される、請求項7または8に記載の使用。
【請求項16】
スタチンがシンバスタチンである、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記合併症が、微小血管性合併症、例えば糖尿病性網膜症、糖尿病性ニューロパチーおよび糖尿病性腎症;または大血管性合併症、例えばアテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、肥満、高血圧、心筋梗塞、卒中、多嚢胞性卵巣症候群およびシンドロームXである、請求項7または8に記載の使用。
【請求項18】
前記医薬が、錠剤、サシェ、カプセルまたはバイアルの形態おける経口または非経口投与に適する固体または液体形態である、請求項7または8に記載の使用。
【請求項19】
前記医薬が単一の医薬形態である、または連続投与のために別個の容器中に存在する、請求項7または8に記載の使用。

【公表番号】特表2010−521536(P2010−521536A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500241(P2010−500241)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053437
【国際公開番号】WO2008/113862
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】