説明

インターネット電話システムを利用したウェブ上電話帳

【課題】安価で、また不特定多数のユーザに商用サービスや行政サービス等を提供できる通話システムおよびその通話システムを利用したIP電話用ウェブ上電話帳を提供する。
【解決手段】インターネットプロトコルを有するインターネット網と、インターネットに接続可能なユーザ側のパソコン等の通信機及びサービス側のパソコン等の通信機、および通信ソフト制御装置を有する通信ネットワークにおいて、サービス側のパソコンは通信ソフトにより常時インターネットに接続しており、ユーザがインターネットに接続し、インターネットウェブページ上のサービス側の登録ユーザ名が埋め込まれたアイコンをクリックすることにより、ユーザ側のパソコンとサービス側のパソコンが接続され通話可能となることを特徴とするインターネット電話システム及びそのインターネット電話システムを利用したウェブ上電話帳。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットプロトコル(HTTP;HyperText Transfer Protocol)を有する通信網を介する通信ソフト(例えば、インターネット電話ソフト、メッセージソフト)に基づくウェブ上の電話帳に関する。さらに詳しく言えば、公開のウェブサーバにサービス提供者側のIPアドレス、または通信ソフトのユーザ名を内蔵して、利用者が簡単にウェブページ上でクリックすれば、通信ソフト制御装置によって、通信相手に発信し、通話を実現するインターネット電話システムおよびウェブ上の電話帳、およびその電話帳を利用するサービスの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話帳といえば、紙面上のものであった。例えば日本電信電話株式会社の提供するタウンページやハローページがあり、地域ごと電話番号が収録されている。これは、従来の電話回線を利用した固定電話用のものであり、電話をかける方が、電話番号を検索する。
【0003】
従来の電話システムで電話をかける場合、電話をかける方が電話料金を支払う。また日本電話電信株式会社のフリーダイヤル(登録商標;NTTコミュニケーションズ)のような通話料着信者払いサービスに登録する場合は、サービス提供企業が電話料金を負担する。これはサービスを提供する際のコストアップの原因となる。
【0004】
近年、インターネットの利用者が増え続けている。それに伴い、従来の一般電話公衆回線網システムの概念が変わってきている。具体的には、コンピュータ間でデータを送受信するインターネットを介して、音声を送受信することが可能となってきている。そして、通信ソフト(主にクライアント−サーバ(client−server;CV)とピアツーピア(peer−to−peer;P2P)の二種類)のコーデェック技術も向上している。
【0005】
インターネットを介する電話帳サービスも提供されている。このサービスでは、電話番号だけでなく、その場所を示す地図なども表示されるホームページもある。
【0006】
インターネットは家庭生活や、ビジネス活用の手段として不可欠となり、特にインターネット間の通話(インターネットプロトコル電話;以下、IP電話とする。)は安価で簡単なことから、コミュニケーション手段として人々の生活に浸透しつつある。IP電話は、友人や家族の間でお互いに登録する方法で通常使用されている。このようにIP電話を利用するには、相手方のIP電話番号を登録する必要があり、商用サービス業界で使用する場合は、利用できる相手が少ないという問題がある。そのためビジネスの幅を広げられない状況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また従来、受付センターにフリーダイヤル電話をかける場合、受付電話番号から担当者まで、いくつもの番号を選択しなければならず、その接続の過程中、大変混んでいて中断せざるを得ない場合や所望の通話相手に到達しない場合に、受付センターに再度電話をかけなければならなかった。また、市役所に連絡する場合、電話交換機によって各部課に転送しなければならず、待ち時間が長くなる場合はその分課金されてしまうこともあった。
従って、IP電話番号が広い範囲で検索できれば、商用サービス業界において、サービス提供側およびユーザ側の両者にとって、安価で有用性がある。
本発明の課題は、安価で、また商用に用いる場合には不特定多数のユーザに商用サービス等を提供できる通話システムおよびその通話システムを利用したIP電話用ウェブ上電話帳を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するため、本発明者らは、公開のウェブサーバにサービス方のユーザ名を内蔵して、利用者がウェブページ上でクリックすれば、通信ソフト制御装置によって、簡単に通信相手に発信、通話することのできるインターネット電話システムを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は以下のインターネット電話システム及びウェブ上電話帳を提供するものである。
1.インターネットプロトコルを有するインターネット網と、インターネットに接続可能なユーザ側のパソコン等の通信機及びサービス側のパソコン等の通信機、および通信ソフト制御装置を有する通信ネットワークにおいて、サービス側のパソコンは通信ソフトにより常時インターネットに接続しており、ユーザがインターネットに接続し、インターネットウェブページ上のサービス側の登録ユーザ名が埋め込まれたアイコンをクリックすることにより、ユーザ側のパソコンとサービス側のパソコンが接続され通話可能となることを特徴とするインターネット電話システム。
2.通信ネットワークがクライアント−サーバ方式である前記1に記載のインターネット電話システム。
3.通信ネットワークがピアツーピア方式である前記1に記載のインターネット電話システム。
4.直接公衆電話網電話システムに接続通話ができる前記1に記載のインターネット電話システム。
5.前記1〜4に記載のインターネット電話システムを利用したウェブ上電話帳。
6.サービス提供側が、登録することにより利用可能となる前項5に記載のウェブ上電話帳。
7.キーワード、電話番号または業種により検索できる前項5及び6に記載のウェブ上電話帳。
8.カタカナ及びアルファベットを入力することにより検索できる前項7に記載のウェブ上電話帳。
9.地図との連動機能がある前項5〜8に記載のウェブ上電話帳。
10.複数の検索条件によって検索ができる前項5〜9に記載のウェブ上電話帳。
【発明の効果】
【0010】
本発明のウェブ電話帳は公開のウェブサーバに基づいているので、国内及び国際電話の通信料の負担軽減、もしくは無料通話サービスを提供することが可能となる。従来の一般公衆電話網システムでは不可能であった、お客様とサポートサービスの無料通話が高効率で実現できる。例えば企業や行政サービスの受付センター、公衆電話相談、企業間の問い合わせ、質問窓口に効果的に利用でき、大幅にコストを削減することができ、公衆サービス、商用サービスの利用者は本電話システムを利用して、サービス情報を簡単に取得することができる。本発明によるコストの削減や経済効果は著しい。また、本発明のウェブ電話帳に登録すれば、世界中に情報受発信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明の実施形態をより詳細に説明する。
図1は、本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がPeer−To−Peer方式である場合のシステム構成図である。
図2は、本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がPeer−To−Peer方式である場合の通話制御を示すシーケンスチャートである。
図3は、本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がクライアント−サーバ(Client−Server)方式である場合のシステム構成図である。
図4は、本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がClient−Server方式である場合の通話制御を示すシーケンスチャートである。
【0012】
図1および図3に示すように、本発明は、インターネットプロトコルを有するインターネット網1と、インターネットに接続可能な状態のユーザ側のパソコン等の通信機2及びサービス側のパソコン等の通信機3、および通信ソフト制御装置4を有する通信ネットワークにおいて、サービス側のパソコン3は通信ソフトにより常時インターネットに接続しており、ユーザがインターネットウェブページのサービス側の登録ユーザ名が埋め込まれたアイコンをクリックすることによりユーザ側のパソコン2とサービス側のパソコン3が接続され通話可能となることを特徴とするインターネット電話システムを提供するものである。パソコン以外の通信機としては、一般電話機、携帯電話、ヘッドフォン(Head−Phone;PC用)、USB電話機(PC用)、PSP(ソニー株式会社製;無線LAN用)、IP電話機(有線LAN用)、無線Wi−Fiフォン(無線LAN用)、スマートフォン(SMARTPHONE;携帯電話)などが挙げられる。
【0013】
クライアント−サーバ方式対応のソフトとしては、例えばNP電話ソフトがある。またピアツーピア方式対応のソフトとしては、例えばSKYPE無料通信ソフトがある。
【0014】
サービス提供側は、まず本ウェブ電話帳に登録する必要がある。ウェブ電話帳上に公開され、アイコンが表示される。サービス側のアイコンをクリックし、サーバからユーザ名またはIP情報を取得すると、通話が実現することになる。図2の場合は、通信方式がPeer−To−Peer方式である場合であり、端末と端末が直接通信する。図4の場合は、通信方式がClient−Server方式である場合であり、端末と端末はサーバを介して通信する。
【0015】
以下、ユーザ側の操作方法について詳しく説明する。
(1)インターネット電話用ソフトを起動し、インターネット電話サーバに接続する。または、P2P技術を使用しているソフトを起動、インターネットのスーパーノードに接続してもよい。
(2)インターネット電話サーバにログイン、IPアドレスやユーザ名などを登録し、ログインする。P2P技術を使用する場合は、P2Pソフトスーパーノードに登録しログインする。
(3)インターネットで本「ウェブ電話帳」を検索し、通信相手を選択する。
(4)ウェブ電話帳上のアイコンをクリックすると、ウェブ電話帳ページのプログラミングが起動して、サーバ側の相手のアドレスをリンクし、相手(サービス側)のPCまたはSoftPhone/Smart Phone等の端末のベルが鳴る。
【0016】
サービス側では、PCまたはSoftPhone/Smart Phone等の端末のベルが鳴ったら、使用ソフトに応じて、通話ボタンをクリックするなど通話実現の操作をし、通話を開始する。
【0017】
パソコン間通信が障害の場合、通話中(BUSY;ビジー)の場合または予め設定した時間が経過した場合、一般公衆電話網に転送し、パソコンと一般電話網を繋ぐことも可能である。この場合は通信事業者が課金する場合がある。
【0018】
ユーザが本発明のウェブ上電話帳を利用して検索する場合、キーワード、電話番号から検索できるだけでなく、業種を五十音から探すこともできる。さらに業種別の検索機能(ウェブ電話帳の登録者を業種別によって検索可能)、カタカナの検索機能(ウェブ電話帳の登録者をカタカナ別によって検索可能)、ABCDの検索機能(ウェブ電話帳の登録者をABCDなどのアルファベット別によって検索可能)、ウェブ地図に連動機能(ウェブ電話帳の登録者をエリアによって検索可能。また、ウェブ地図に連動して、当エリアのウェブ電話帳の登録者を検索することができる。)、複数条件の検索機能(上記の検索機能を組み合わせて、複数の検索条件によって、検索ができる。)なども使用することができる。
【0019】
本発明のインターネット電話システムにより利便性が高くなり、情報化社会が促進される。特に政府、官庁、サービスセンター(例えば、パソコン修理窓口)、販売センター、受付センターにおいて、本ウェブ電話帳の利用により仕事効率が何倍にも高くなる。また、本ウェブ電話帳はサービス側企業とユーザとの無料通信を実現する。
【0020】
本ウェブ電話帳に登録したサービス側企業は、運用・管理のためのコストが削減できる。またサービスの利用者は、パソコンを用いてインターネット上のホームページを閲覧する際に、所望の情報源に対して通話できる。相手が通信中であるかどうか(ビジー状況)を確認することもできる。さらに、ハードウェアが進歩し、パソコンを起動する必要がなくなっている。インターネットに接続されできれば、物理的な設置場所はかまわず、国内および海外をとわない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がClient−Server方式である場合のシステム構成図である。
【図2】本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がClient−Server方式である場合の通話制御を示すシーケンスチャートである。
【図3】本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がPeer−To−Peer方式である場合のシステム構成図である。
【図4】本発明のインターネット電話システムにおいて、通信方式がPeer−To−Peer方式である場合の通話制御を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0022】
1 インターネット網
2 ユーザ端末
3 サービス端末
4 P2Pの通信サーバ/CVの通信サーバ
5 ウェブ電話帳

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットプロトコルを有するインターネット網と、インターネットに接続可能なユーザ側のパソコン等の通信機及びサービス側のパソコン等の通信機、および通信ソフト制御装置を有する通信ネットワークにおいて、サービス側のパソコンは通信ソフトにより常時インターネットに接続しており、ユーザがインターネットに接続し、インターネットウェブページ上のサービス側の登録ユーザ名が埋め込まれたアイコンをクリックすることにより、ユーザ側のパソコンとサービス側のパソコンが接続され通話可能となることを特徴とするインターネット電話システム。
【請求項2】
通信ネットワークがクライアント−サーバ方式である請求項1に記載のインターネット電話システム。
【請求項3】
通信ネットワークがピアツーピア方式である請求項1に記載のインターネット電話システム。
【請求項4】
直接公衆電話網電話システムに接続通話ができる請求項1に記載のインターネット電話システム。
【請求項5】
請求項1〜4に記載のインターネット電話システムを利用したウェブ上電話帳。
【請求項6】
サービス提供側が、登録することにより利用可能となる請求項5に記載のウェブ上電話帳。
【請求項7】
キーワード、電話番号または業種により検索できる請求項5及び6に記載のウェブ上電話帳。
【請求項8】
カタカナ及びアルファベットを入力することにより検索できる請求項7に記載のウェブ上電話帳。
【請求項9】
地図との連動機能がある請求項5〜8に記載のウェブ上電話帳。
【請求項10】
複数の検索条件によって検索ができる請求項5〜9に記載のウェブ上電話帳。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−273101(P2009−273101A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147427(P2008−147427)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508167302)
【出願人】(508167313)
【Fターム(参考)】