説明

インターフェロン−タウを用いるC型肝炎ウイルスの処置のための組成物およびモニタリングの方法

【課題】C型肝炎の処置において、強力な抗ウイルス活性を有し、そして重篤な副作用がより少ない新しい治療候補物を同定することが望まれる。
【解決手段】インターフェロン−タウを用いるC型肝炎ウイルスの処置のための組成物およびモニタリングの方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターフェロンタウ(IFN−τ)を用いる、C型肝炎ウイルス(HCV)感染により引き起こされる肝炎に関連した状態を処置するための組成物に関する。本発明はまた、2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血中レベルを測定することによるHCVの処置のモニタリングの方法に関連する。
【0002】
【従来の技術】
C型肝炎は(HCV)は、世界中で1億7千万、そしていくつかの国では、人口の10%より多いと見積もられる人々が罹患しているという主要な公衆衛生問題である(Lechnerら、2000)。HCVは、感染血液および血液製剤の輸血により主に伝播される(Cuthbertら、1994;Mansellら、1995)。The Centers for Disease Control and Preventionは、HCVが毎年、合衆国における急性肝炎の新しい160,000症例の原因であると見積もっている。従って、効果的な抗HCV薬剤の緊急の医学的必要性が存在する。
【0003】
HCVは、正鎖であり、フラビウイルスファミリーの脂質エンベロープを有するRNAウイルスであり、およそ1万ヌクレオチド長である(Chooら、1989)。HCV(B型肝炎ウイルスと異なり)は、DNA中間体を有さず、従って、宿主ゲノムに組み込まれ得ない(Berenguerら、1996)。HCVはクローン化されているが、このウイルスは、インビトロで培養することが困難であった(Trepo、2000)。HCVは、非常に永続的であり、感染した個体の85%で慢性感染を生ずるが、この永続性の機構は未知である(Trepo、2000)。
【0004】
HCVの処置は、炎症および肝臓細胞の損傷を軽減することで補助され、これにより、硬変および肝細胞癌を防ぐ(Horiikeら、1998;Benvegnuら、1998)。HCVに現在利用可能な治療は、感染した患者のわずかな小集団に有効であるのみである(Magrinら、1994;Chooら、1991;Chooら、1989)。IFN−αは、1991年に合衆国で、そして1992年に日本で慢性C型肝炎の治療に導入された(Saitoら、2000)。しかし、臨床的効力を得るために十分な投薬量(すなわち、約1×106単位/1処置、およびそれより多く)のIFN−αの使用には、通常、発熱、頭痛、嗜眠、関節痛および筋肉痛によって特徴付けられる「インフルエンザ様」の症候群を伴う(Tyringら、1992)。5〜10×106単位/1処置、およびそれより多い用量では、他の毒性、例えば、悪心、嘔吐、下痢および食欲不振がより高頻度となる。神経精神医学的な症状もまた、IFN−α処置と関連して報告されている(Dieperinkら、2000)。さらに、いくつかの研究は、IFN−α処置の効力が用量依存性でないこと(Saitoら、2000)、およびIFN−αでの処置は、新生物またはウイルス性肝炎を有する患者における自己免疫障害の発症または増悪に関連していること(Jimenez−Saenzら、2000)を示唆する。
【0005】
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、ウイルスmRNA合成を妨害することならびに広範なRNAおよびDNAウイルスのインビボおよびインビトロでの複製を阻害することが見出されているプリンヌクレオシドアナログである(Fernandezら、1986;Balzariniら、1991)。リバビリンは、アミノトランスフェラーゼレベルの正常化において有効であることが示されたが、慢性C型肝炎患者における血清のHCVのRNA価に対する活性はわずかである(Di Bisceglieら、1992)。しかし、リバビリンの有益な効果でさえ、一過性であり(Clarke、2000;Koskinasら、1995)、そして重篤な副作用のために、IFNαとの組み合わせにおけるリバビリンは、許容困難で有り得る(Cotlerら、2000)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在のHCV処置方法に関連する欠点のために、本発明者らは、より強力な抗ウイルス活性を有し、そして重篤な副作用がより少ない新しい治療候補物を同定することを計画した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、HCV感染患者におけるHCVの処置に用いるための経口送達組成物であって、(i)2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血流中レベルを刺激するために有効な投薬量のヒツジIFN−τ、および(ii)IFN−τを含有する経口送達ビヒクルであって消化管において活性な形態の該IFN−τを放出するために有効なビヒクルを含む、経口送達組成物に関する。
【0008】
本発明の組成物は、ヒツジIFN−τの投薬量が被検体あたり108〜1010単位の間である組成物である。
【0009】
本発明の組成物は、ヒツジIFN−τの投薬量が口腔粘膜を回避する組成物である。
【0010】
本発明の組成物は、ビヒクルが胃または腸内においてヒツジIFN−τを放出するのに有効な組成物である。
【0011】
本発明の組成物は、リバビリンと組み合わせられる。
【0012】
また、本発明は、HCVの処置のための薬学的組成物であって、有効成分としてヒツジIFN−τを含み、口腔粘膜を通してのヒツジIFN−τの吸収を回避する、薬学的組成物に関する。
【0013】
本発明の組成物は、有効成分としてヒツジIFN−τを含み、HCVによって引き起こされる肝炎の処置のために有効である。
【0014】
また、本発明は、ヒツジIFN−τを含み、ヒツジ以外の動物における2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの活性誘導物質に関する。
【0015】
また、本発明は、ヒツジIFN−τの経口投与によるHCV処置のモニタリングの方法であって、(i)2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの経口投与の前および後の該2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血中レベルを測定する工程、および、必要に応じて、(ii)投与前に観察した血中2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼのレベルと比較して、測定可能な該レベルの上昇が観察されるまで、IFN−τの用量を調節する工程を含む、方法に関する。
【0016】
本発明の方法は、この調節する工程が用量を108単位より上に増加する工程を含む方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
1つの局面では、本発明は、HCV感染患者でのHCV処置における使用のための経口送達組成物を含む。この組成物は、組成物の投与24時間後の血流中において観察される2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼ(OAS)のレベルを刺激するのに有効な投薬量のヒツジインターフェロン−タウ(OvIFN−τ)、ならびにIFN−τを含み、かつ胃において活性形態でIFN−τを放出するのに有効である経口送達ビヒクルを含む。この組成物は、被検体あたり108〜1010単位の間のヒツジIFN−τの好ましい用量を提供する。
【0018】
別の局面では、HCVに感染した個体におけるHCVの処置のための組成物は、胃に達するが口腔粘膜には達しない形態で、そしてその組成物の経口投与後24時間の血中において測定される2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼレベルを誘導するのに有効な用量でヒツジIFN−τを含む。好ましい用量は、約108〜1010単位の間である。
【0019】
さらに別の局面では、本発明の組成物は、有効成分としてヒツジIFN−τを含み、この組成物は、経口粘膜を通してのヒツジIFN−τの吸収を回避する。
【0020】
関連の局面において、本発明の組成物は、HCVによって引き起こされる肝炎の処置に関しており、有効成分としてヒツジIFN−τを含み、そしてヒツジIFN−τを含むヒツジ以外の動物における2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼ活性の誘導物質を含む。
【0021】
さらに別の局面では、本発明は、ヒツジIFN−τの経口投与によるHCVの処置のモニタリングの方法を含む。本方法は、このような経口投与の前および後に2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血液レベルを測定する工程を含み、そして必要に応じて、投与前に観察した血中2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼのレベルと比較して、測定可能なレベルの上昇が観察されるまで、IFN−τの用量を調節する工程を含む。
【0022】
本発明のこれらおよび他の目的ならびに特徴は、以下の詳細な説明を添付の図と組み合わせて読む場合、より完全に明白になる。
【0023】
(発明の詳細な説明)
(I.定義)
C型肝炎ウイルスまたはHCVとは、病原性型が非A、非B型肝炎(NANBH)および弱毒型またはそこから誘導される不完全干渉粒子を生じるウイルス種のことをいう。このHCVゲノムは、RNAから構成される。RNA含有ウイルスは、伝えられるところによれば、組み込まれたヌクレオチド当たり10-3〜10-4オーダーの比較的高率の偶発変異を有する。遺伝子型の異質性および流動性は、RNAウイルスに固有であるので、病原性または非病原性であり得るHCV種内で複数の型/サブタイプが存在する。種々のHCV型または単離物の増殖、同定、検出および単離は、文献において考証される。
【0024】
状態を処置するとは、病徴の症状を減少させ、そして/または状態の重篤度を減じるのに有効な治療的物質を投与することをいう。
【0025】
経口とは、胃の投与を含む、胃または腸中への口または直接投与による投与を含む任意の経路のことをいう。
【0026】
OASレベルとは、血液の2’,5’−オリゴアデニレートシンテターゼ(OAS)タンパク質の濃度または活性のことをいう。
【0027】
組換え宿主細胞、宿主細胞、細胞、細胞株、細胞培養物、および単細胞実体として培養される微生物または高等真核生物細胞株を示す他のこのような用語は、交換可能に使用され、そして組換えベクターまたは他の移入DNAのレシピエントとして使用され得るか、または使用されている細胞のことをいい、そしてトランスフェクトされた最初の細胞の子孫を含む。単一の親細胞の子孫は、偶発的または意図的な変異のため、形態学的にあるいはゲノムDNAまたは全DNA相補体において最初の親と必ずしも完全に同じでないかもしれないことが理解される。関連の特性(例えば、所望のペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在)によって特徴付けられる、親に十分類似する、親細胞の子孫はこの定義によって意図される子孫に含まれ、そして上記用語によって包含される。
【0028】
作動可能に連結されるとは、このように記載された構成要素がそれらの意図された様式で機能することを可能とする関係にある並列(juxtaposition)のことをいう。コード配列に作動可能に連結された調節配列は、このコード配列の発現が調節配列と適合する条件下で達成されるような方法で連結される。
【0029】
オープンリーディングフレームは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の領域である。
【0030】
ヒツジIFN-τ(ovIFN-τ)とは、図4に示されるようなアミノ酸配列を有するタンパク質のことをいい、そしてアミノ酸の置換および変更(例えば、タンパク質の活性に有意な影響を与えない中性アミノ酸置換)を有するタンパク質のことをいう。好ましくは、この配列は、図4のヒツジIFN-τ配列、および図4に示される配列と90%の配列相同性を有するタンパク質を含む。アミノ酸相同性は、例えば、デフォルトパラメーターを有するALIGNプログラムを使用して決定され得る。このプログラムは、配列比較プログラムのFASTAバージョン1.7スート(suite)(PearsonおよびLipman、1988;Pearson、1990;William R.Pearson,Department of Biological Chemistry、Box 440、Jordan Hall、Charlottesville、VAから利用可能なプログラム)において見出される。
【0031】
(II.インターフェロン−τ)
同定された最初のIFN-τは、18〜19kDaタンパク質としてのヒツジIFN-τ(OvIFN-τ)であった。いくつかのアイソフォームが受胎産物(胚および周囲の膜)ホモジネート中で同定された(Martalら、1979)。引き続いて、受胎産物培養培地中に放出された低分子量タンパク質が精製され、そして熱に不安定およびプロテアーゼに対して感受性の両方であることが示された(Godkinら、1982)。OvIFN-τは最初、ヒツジ栄養膜タンパク質−1(oTP−1)と呼ばれていた。なぜならば、それは、ヒツジにおける母体認識の重要な期間中にこのヒツジ受胎産物の栄養外胚葉によって最初に産生される主な分泌タンパク質であったからである。後の実験は、OvIFN-τが反芻動物(例えば、ヒツジおよびウシ)における妊娠に対する生理学的な応答の確立に必須の妊娠認識ホルモンであることを決定した(BazerおよびJohnson、1991)。
【0032】
N末端アミノ酸配列を提示している合成オリゴヌクレオチドでヒツジ胚盤胞ライブラリーをプローブすることによって得られたIFN-τ cDNA(Imakawaら、1987)は、ヒト、マウス、ラットおよびブタ由来のIFN−αsと45〜55%の相同性であり、そして現在IFN−Ωと言われるウシIFN−αIIと70%の相同性である推定アミノ酸配列を有する。異なったアイソフォームを示し得る、いくつかのcDNA配列が報告されている(Stewartら、1989;Klemannら、1990;およびCharlier、M.ら、1991)。いずれも23個のアミノ酸のリーダー配列および172個のアミノ酸の成熟タンパク質をコードする585塩基のオープンリーディングフレームを有し、約1kbである。並置してアミノ末端およびカルボキシル末端を有する4個のらせん束としてのIFN-τの推定構造はさらに、I型IFNとしてのその分類を支持する(Jarpeら、1994)。
【0033】
【表1】

【0034】
IFN−τは、I型IFNに古典的に関連する活性の多くを示すが(上記表1を参照のこと)、IFN−τと他のI型IFNとの間にかなりの差異が存在する。最も顕著な差異は、上記に詳述した、妊娠におけるその役割である。ウイルス性の誘導もまた異なる。IFN−τを除く、全てのI型IFNは、ウイルスおよびdsRNAにより容易に誘導される(Robertsら、1992)。誘導されたIFN−αおよびIFN−βの発現は、一過性であり、約2、3時間継続する。これに対して、IFN−τの合成は、一旦誘導されると、何日もの期間に渡り持続される(Godkinら、1982)。1細胞ベースで、他のI型IFNより300倍多いIFN−τが産生される(CrossおよびRoberts、1991)。
【0035】
他の差異は、IFN−τ遺伝子の調節領域に存在し得る。例えば、ウシIFN−τに対する遺伝子でのヒトトロホブラスト細胞株JARのトランスフェクションは、抗ウイルス活性を生じたが、ウシIFN−Ω遺伝子でのトランスフェクションはこれを生じなかった。このことは、INF−τ遺伝子発現に関与する独特のトランス作用性因子を暗示する。このことは、IFN−τのその近接するプロモーター領域(−126〜転写開始部位)は、IFN−αおよびIFN−βのそれに高い相同性を示すが;−126〜−450の領域は相同性を示さず、そしてINF−τ発現のみを増強する(CrossおよびRoberts、1991)という観察と一致する。従って、他のI型IFNと比較して、異なる調節因子が、IFN−τの発現に関与するようである。
【0036】
IFN−τの発現はまた、種の間で異なり得る。例えば、IFN−τの発現は、反芻動物において、受胎産物の発生の特定の段階(主に13〜21日目)に制限されるが(Godkinら、1982)、予備的な研究は、ヒト型のIFN−τは、妊娠時を通して構成的に発現されることを示唆する(Whaleyら、1994)。
【0037】
(A.IFN−τの単離)
OvIFN−τタンパク質は、妊娠中のヒツジから収集された受胎産物から単離され得、そしてGodkinら、(1982)およびValletら、(1987)に記載されるような改変最小必須培地(MEM)中でインビトロで培養され得る。IFN−τは、イオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過により受胎産物培養物から精製され得る。単離されたIFN−τの均一性は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE;Maniatisら、1982;Ausubelら、1988)により評価し得、精製IFN−τサンプル中のタンパク質濃度の決定は、バイシンコニン酸(bicinchoninic)(BCA)アッセイ(Pierce Chemical Co.,Rockford,IL;Smithら、1985)を使用して行われ得る。
【0038】
(B.IFN−τの組換え産生)
組換えIFN−τタンパクは、適切な発現系(例えば、細菌細胞または酵母細胞)を使用して、任意の選択されたIFN−τポリヌクレオチドフラグメントから産生され得る。IFN−τヌクレオチド配列およびポリヌクレオチド配列の単離は、Bazerら(1994)に記載される。例えば、Bazerらは、ヒトIFN−τ遺伝子の同定および単離を記載する。
【0039】
IFN−τ発現ベクターを作製するために、IFN−τコード配列(例えば、図3)は、発現ベクター(例えば細菌の発現ベクター)内に配置し、そして標準的な方法に従って発現される。適切なベクターの例としては、λgt11(Promega,Madison WI);pGEX(Smithら、1985);pGEMEX(Promega);およびpBS(Strategene,LAJolla CA)ベクターが挙げられる。適切なプロモーター(例えば、T7 RNAポリメラーゼプロモーターまたはtacプロモーター)を含む、他の細菌の発現ベクターもまた使用し得る。OvIFN−τ合成ポリヌクレオチドの、改変pIN III omp−A発現ベクターへのクローニングは、「材料および方法」に記載される。
【0040】
本明細書に記載される実験について、図3に存在するOvIFN−τコード配列を、メタノール調節アルコールオキシダーゼ(AOX)プロモーターおよびPho1シグナル配列を含む、酵母細胞の形質転換に適切なベクター内にクローン化した。製造業者の説明書(Invitrogen,San Diego,CA)に従って、そのベクターを使用して、P.pastoris宿主細胞を形質転換し、そして形質転換細胞を使用して、タンパク質を発現させた。
【0041】
本発明の方法を用いる使用のための、IFN−τを発現するために適切な他の酵母ベクターとしては、2ミクロンプラスミドベクター(Ludwigら、1993)、酵母組み込みプラスミド(YIps;例えば、Shawら、1988)、YEPベクター(Shenら、1986)、酵母セントロメアプラスミド(YCps;例えば)、および調節可能な発現を伴う他のベクター(Hitzemanら、1988;Rutterら、1988;Oedaら、1988)が挙げられる。好ましくは、ベクターは、MFα1プロモーター(Bayneら、1988)、GADPHプロモーター(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ;Wuら、1991)またはガラクトース誘導性GAL10プロモーター(Ludwigら、1993;Feherら、1989;Shenら、1986)のような、効果的な酵母プロモーターを含む発現カセットを含む。酵母の形質転換宿主は、代表的には、Saccharomyces cerevisiaeであるが、しかし、上記に例示されるように、形質転換に適切な他の酵母も同様に、使用され得る(例えば、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastorisなど)。
【0042】
さらに、IFN−τポリペプチドをコードするDNAが、適切な宿主系においてポリペプチドの発現を生成するために任意の多くの市販のベクター内にクローン化され得る。これらの系としては、上記の細菌および酵母の発現系、ならびに以下のバキュロウイルス発現(Reillyら、1992;Beamesら、1991;Clontech,Palo Alto CA);植物細胞発現、トランスジェニック植物発現、および哺乳動物細胞における発現(Clontech,Palo Alto CA;Gibco−BRL,GaithersburgMD)が挙げられる。組換えポリペプチドは、融合タンパク質として、またはネイティブなタンパク質として発現され得る。培養培地中への発現された配列の分泌を促進するリーダー配列のような、多くの特徴が発現ベクター内に操作され得る。組換え産生されたポリペプチドは、代表的には、細胞溶解物または培養培地から単離される。精製は、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、およびアフィニティークロマトグラフィーを含む当該分野で公知の方法により行われ得る。免疫親和性クロマトグラフィーは、上記のように、IFN−τポリペプチドに基づいて産生された抗体を用いて使用され得る。
【0043】
組換え方法に加えて、IFN−τタンパク質またはポリペプチドは、親和性に基づく方法により(例えば、適切な抗体を使用することにより)選択された細胞から単離され得る。さらに、IFN−τペプチドは、当業者に公知の方法を使用して化学合成され得る。
【0044】
(III.HCVについての処置剤としてのIFNτ)
本発明の組成物および方法は、HCVにより引き起こされる肝炎を治療的に処置し、それによりこの肝炎を軽減するために使用され得る。慢性C型肝炎感染に罹患している患者は、1つ以上の以下の徴候または症状を示し得る:(a)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の増加、(b)抗HCV抗体についての試験陽性、(c)HCV−RNAについての試験陽性により示されるHCVの存在、(d)慢性的肝臓疾患の臨床的徴候、(e)肝細胞の損傷、および/または(f)2’,5’−オリゴアデニル酸シンセターゼの血液レベルの変化。このような基準は、C型肝炎を診断するために使用され得るだけではなく、薬物処置に対する患者の応答を評価するためにも使用され得る。
【0045】
インターフェロンは、酵素2’,5’−オリゴアデニル酸シンセターゼ(OAS)の合成を引き起こし、このことは、次に、ウイルス性mRNAの分解を生じる(Houglum、1983)。OASは、細胞性RNAおよびウイルスRNAを切断するRNaseを活性化し、それにより、ウイルスの複製を不活化する(Kumarら、1988)。OASは、細胞において確立される抗ウイルス状態の、少なくとも一部の原因であると考えられ、そしてHCVの除去において役割を果たす(Pawlotskyら、1995)。
【0046】
(A.経口投与および腹腔内(intraperioneally)投与されたIFNは、OASを誘導する)
本発明の支持により実行され、そして実施例1に詳述される実験において、経口投与されたIFN−τがOASを誘導するその能力について試験した。OvINF−τを、経口か腹腔内かのいずれかで、マウスに投与した。IFN−τ投与の24時間後、全血中のOAS活性を決定した。図1に示す。
【0047】
OvIFN−τを経口投与かまたは腹腔内投与した場合、全血中のOAS活性の増加が観察された。経口投与したOvIFN−τの効果および腹腔内投与したOvIFN−τの効果を比較した場合、両方の投与が、本質的に同じ全血のOAS誘導活性を提供した。
【0048】
(B.経口投与されたIFN−τは、用量に依存する様式でOASを誘導する)
本発明の支持により実行され、そして実施例2に詳述される実験において、経口投与されたIFN−τが用量に依存する様式でOASを誘導するその能力について試験した。0ユニット、1×103ユニット、1×104ユニット、1×105ユニットのOvIFN−τを、マウスの胃の上部に経口投与した。経口投与の12時間後、全血をマウスの心臓から採取し、全血のOAS活性を決定した。図2に示すように、全血のOAS活性は、用量に依存する様式で増加した。
【0049】
IFN−τが口を通って活性であることはすでに立証されている(WO 96/28183)が、IFN−τがどのように投与されたか、またはIFN−τがどのように吸収されるかに関する正確な決定は、以前になされていない。本発明において、IFN−τを、全く口腔粘膜への曝露を伴わずにマウスの胃に直接投与し、その結果として、胃の粘膜を通じての吸収がOAS活性を効果的に誘導することを立証した。胃からのIFN−τの直接吸収は、口腔粘膜を通じて吸収されるIFN−τと比較して、特にIFN−τを慢性的に投与した場合に、IFN−τに対する抗体の形成を減少する。
【0050】
さらに、本発明は、ヒツジIFN−τが、マウスにおいて2’,5’−オリゴアデニル酸シンセターゼ活性を増加させる能力を記載する。この研究の前に、マウスIFN−τのみが、マウスにおいて有効であることが公知であった。
【0051】
(IV.IFN−τの投与)
(A.薬学的組成物)
IFN−τを含む治療用調製物または医薬、あるいは関連ポリペプチドまたは関連タンパク質を、薬学的に有用な組成物(医薬)を調製するための公知の方法に従って、処方および製造し得る。インターフェロンを含む処方物、またはインターフェロン様化合物を含む処方物が、以前に記載されている(例えば、Martin、1976)。一般に、IFN−τを含有する医薬は、有効量のIFN−τを適切なキャリアおよび/または賦形剤と組み合わせて、その組成物の有効な投与を容易にするように処方される。IFN−τまたは関連ポリペプチドを、任意の薬学的に受容可能な投薬形態(静脈内注射、筋肉内注射、病巣内注射、または皮下注射を含む)で患者に投与し得る。詳細には、他のインターフェロン化合物のために使用される組成物および方法を、これらの化合物の送達のために使用し得る。
【0052】
経口投与に適切な組成物の場合、IFN−τおよび、必要に応じて、例えば、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、ラクトース、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸(light silicicanhydride)、微結晶性セルロース、ショ糖)、結合剤(例えば、α型デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプン、低置換型(low substituted)ヒドロキシ−プロピルセルロース)、界面活性剤(例えば、Tween 80、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー)、抗酸化剤(例えば、L−システイン、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク)などの添加剤を含む錠剤およびカプセルを、IFN−τ(例えば、凍結乾燥されたIFN−τタンパク質)から製造し得る。
【0053】
さらに、IFN−τポリペプチドは固形、粉状、または他のキャリア(例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン(例えば、ポテトデンプン、トウモロコシデンプン)、ミロペクチン(millopectine)、セルロース誘導体、またはゼラチン)と混合し得、そしてまた、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム)、あるいは錠剤の形状に圧縮されたポリエチレングリコールワックスを含み得る。いくつかの層のキャリアまたは希釈剤を使用して、徐放性で作動する錠剤を調製し得る。
【0054】
経口投与のための液体調製物を、エリキシル剤、シロップまたは懸濁液の形態(例えば、重量で約0.1%〜約30%のIFN−τ、糖ならびにエタノール、水、グリセロール、プロピレン、グリコールおよび従来の性質の可能な他の添加剤の混合物を含む溶液)で作製し得る。
【0055】
(B.投薬量)
経口的に活性なIFN−τ薬学的組成物を、処置の必要のある個体に治療的に有効な量で投与する。その用量は、顕著に変動し得、そして患者の障害の重篤さ、年齢、および体重、患者が取り得る他の投薬などのような因子に依存する。この投薬の量は、代表的には担当医によって決定される。投薬量は、代表的には約1×105単位/日と1×1010単位/日との間であり、好ましくは約1×108単位/日と1.5×109単位/日との間である。そのより低い毒性ゆえに、IFN−τは、例えばIFN−αよりも高用量で投与され得ることが理解される。
【0056】
血漿中のIFN−τの定常的に上昇したレベルを必要とする障害は、約2〜4時間毎の頻度の経口投与、または約12〜24時間毎の注射を経由した投与から恩恵を受けるが、一方他の障害は、より少ない頻度の間隔で(例えば、48時間毎)、治療的に有効な用量を投与することによって効果的に処置され得る。個々の用量の投与の速度は、代表的には担当医によって調整され、処置される疾患の重篤度を軽減しながら、最も低い全体用量の投与を可能にする。
【0057】
一旦患者の状態の改善が起これば、必要な場合、維持用量が投与される。その後、用量または投与の頻度、あるいはその両方が、症状の関数として、改善された状態が保持されるレベルまで減少され得る。
【0058】
(C.組み合わせ治療)
本発明の組成物および方法が、他の治療と組み合わせて使用され得ることが当然理解され得る。例えば、HCV−感染患者におけるHCVの処置のためのovIFN−τの組成物は、リバビリンのような抗ウイルス剤と組み合わせられ得る。
【0059】
(D.モニタリング)
ovIFN−τの経口投与によるHCVの処置は、投与の前および投与の後に、血中の2’,5’−オリゴアデニル酸シンテターゼ(OAS)レベルを測定することによってモニタリングされる。OASレベルは、例えば、投与の12時間後、24時間後、および48時間後にモニタリングされ得る。必要な場合、IFN−τの用量は、投与前に観察されるレベルと比較して血中OASレベルの測定可能な増加が観察されるまで調整される。
【0060】
本明細書中で引用されるすべての特許文献および学術文献は、本明細書によってその全体が参考として援用される。
【0061】
以下の実施例は、本発明を例証するが、いかなる場合においても本発明を制限することを意図しない。
【0062】
【実施例】
(材料および方法)
(A.ovIFN−τの産生)
合成ovIFN−τ遺伝子を、標準的な分子的な方法(Ausubelら、1988)を使用して、OvIFN−τアミノ酸配列をコードするDNA配列(Imakawaら、1987)の連続部分を含むオリゴヌクレオチドを連結することによって生成した。生じたIFN−τポリヌクレオチドコード配列は、16位〜531位(172アミノ酸のコード配列)にわたる。
【0063】
全長合成遺伝子StuI/SStIフラグメント(540bp)を、改変したpIN III omp−A発現ベクター中にクローニングし、そしてコンピテントなE.coli株SB221中に形質転換した。IFN−τタンパク質の発現のために、この発現ベクターを有する細胞を、アンピシリンを含むL−ブロス中で0.1〜1OD(550nm)まで増殖させ、IPTG(イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトシド)で3時間誘導し、そして遠心分離によって収集した。可溶性の組換えIFN−τを、超音波処理または浸透圧分画によって細胞から遊離させた。
【0064】
酵母における発現のために、IFN−τ遺伝子を、5’および3’末端にそれぞれStuIおよびSacI制限部位を含むPCRプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR;Mullis、1987;Mullisら、1987)を使用して増幅した。増幅したフラグメントを、StuIおよびSacIIを用いて消化し、そしてpBLUESCRIPT+(KS)のSacIIおよびSmaI部位に連結して、pBSY−IFNτを生成した。プラスミドpBSY−IFNτを、SacIIおよびEcoRVを用いて消化し、そして合成IFN−τ遺伝子を含むフラグメントを単離した。酵母発現ベクターpBS24Ub(Eckerら、1989)を、SalIで消化した。T4 DNAポリメラーゼを使用して、平滑末端を生成した。ベクターDNAをフェノールで抽出し、そしてエタノール沈澱させた(Sambrookら、1989)。回収したプラスミドをSacIIで消化し、アガロースゲル電気泳動で精製し、そしてpBSY−IFN−τから単離したSacII−EcoRVフラグメントに連結した。生じた組換えプラスミドを、pBS24Ub−IFNτと命名した。
【0065】
組換えプラスミドpBS24Ub−IFNτを、E,coliに形質転換した。IFN−τ挿入物を含む組換えクローンを単離し、そして制限酵素分析によって同定した。IFN−τコード配列を、pBS24Ub−IFNτから単離し、そしてアルコールオキシダーゼ(AOX1)プロモーターを含むPichia pastorisベクター(Invitrogen,San Diego,CA)にクローニングした。次いでこのベクターを、Pichia pastoris GS115 His-宿主細胞を形質転換するために使用し、そしてタンパク質を製造者の指示に従って発現させた。このタンパク質を培地中に分泌させ、そして連続的なDEAE−セルロースおよびヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによって、SDS−PAGEおよび銀染色によって決定されるように、電気泳動的に均一なまでに精製した。Madin−Darbyウシ腎臓(MDBK)細胞での抗ウイルス活性によって測定される場合、精製したタンパク質は、約0.29〜約0.44×108U/mgの比活性を有した。
【0066】
(実施例1:ovIFNτの経口および腹腔内投与によるOASの誘導)
ヒツジインターフェロンタウ(ovIFNτ)(4.99×108単位/mgタンパク質;Pepgen社、カリフォルニア)を、10%マルトース溶液に溶かして、ovIFNτ溶液を調製した。
【0067】
20ゲージのディスポーザブル経口ゾンデ(フチガミ、京都)を用いてICRマウス(平均約30g、6週齢、メス)に10%マルトース溶液に溶かした200μlのovIFNτ溶液を経口投与し、胃上部に直接注入した(GA)。腹腔内投与では、100μlのovIFNτ溶液を用いた(i.p.)。胃上部にサンプルが注入されたことを、色素の投与によって確認した。投与の24時間後にネンブタール麻酔し、心臓より採血し、全血中のOAS活性を2−5A RIAキット(栄研化学、東京)(Shindo,M.ら、Hepatology、9、715〜719、1989を参照のこと)を用いて測定した。
【0068】
105単位のovIFNτの、経口投与(τGA)と腹腔投与(τi.p.)の効果を比較した場合、両者ともほぼ同じ血中OAS誘導活性を示した。結果を図1に示す。
【0069】
(実施例2:ovIFNτ経口投与によるOASの用量依存性誘導)
実施例1と同様の手順で、0、103、104、105単位のovIFNτを、ICRマウスにそれぞれ経口投与した。投与の12時間後に心臓から血液を採取し、全血中のOAS活性を測定した。図2に示すように、全血中のOAS活性は、用量依存的に上昇した。
【0070】
本発明を特定の方法および実施態様に関して記載したが、種々の改変および変更が本発明から逸脱することなくなされ得ることが理解される。
【0071】
(参考文献)
【0072】
【表2】

【0073】

【0074】

【0075】
【発明の効果】
インターフェロンタウ(IFN−τ)を用いる、C型肝炎ウイルス(HCV)感染により引き起こされる肝炎に関連した状態を処置するための組成物を提供する。本発明はまた、2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血中レベルを測定することによるHCVの処置のモニタリングの方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ovIFN-τの腹腔内(I.P.)投与または胃投与(G.A.)後のマウス全血中のOASレベルを示す。
【図2】図2は、ovIFN-τの胃投与(G.A.)による血液OASの用量依存誘導を示す。
【図3】図3は、ヒツジIFN-τのヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列を示す。
【図4】図4は、ヒツジ成熟IFN-τのアミノ酸配列を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCV感染患者におけるHCVの処置に用いるための経口送達組成物であって、以下:
i)2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血流中レベルを刺激するために有効な投薬量のヒツジIFN−τ、および
ii)IFN−τを含有する経口送達ビヒクルであって消化管において活性な形態の該IFN−τを放出するために有効なビヒクル
を含む、経口送達組成物。
【請求項2】
ヒツジIFN−τの前記投薬量が108〜1010単位の間である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ヒツジIFN−τの前記投薬量が口腔粘膜を回避する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ビヒクルが胃または腸内においてヒツジIFN−τを放出するのに有効である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
リバビリンと組み合わせた、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
HCVの処置のための薬学的組成物であって、有効成分としてヒツジIFN−τを含み、ここで、該組成物は、口腔粘膜を通してのヒツジIFN−τの吸収を回避する、薬学的組成物。
【請求項7】
有効成分としてヒツジIFN−τを含む、HCVによって引き起こされる肝炎の処置のための、薬学的組成物。
【請求項8】
ヒツジIFN−τを含む、ヒツジ以外の動物における2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの活性誘導物質。
【請求項9】
ヒツジIFN−τの経口投与によるHCV処置のモニタリングの方法であって、以下:
i)2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの経口投与の前および後の該2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼの血中レベルを測定する工程、および、必要に応じて、
ii)投与前に観察した血中2’,5’オリゴアデニレートシンセターゼのレベルと比較して、測定可能な該レベルの上昇が観察されるまで、IFN−τの用量を調節する工程
を含む、方法。
【請求項10】
前記調節する工程が用量を108単位より上に増加する工程を含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−213597(P2006−213597A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−317160(P2000−317160)
【出願日】平成12年10月17日(2000.10.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成12年7月21日〜22日開催の「2000年度 第65回日本インターフェロン・サイトカイン学会」において文書をもって発表
【出願人】(500183630)ペプジェン コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】