説明

インターホンシステム

【課題】来訪者の映像履歴を管理しやすく、外出先等からでも来訪者履歴を容易に確認することができる上、娯楽的要素をも含んだインターホンシステムを提供する。
【解決手段】モニタ付インターホン親機3に、来訪者が呼び出しを行った際に、カメラ付玄関子機2で撮像した映像を録画する録画部10と、録画した映像から人物認証を行い第1顔画像データを作成する人物認証部11と、予め第2顔画像データが記録されている記録部12と、第1顔画像データと第2顔画像データとを比較して人物を特定する人物特定部13と、特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部14と、録画部10に録画されている映像とコメント文とをサーバ5へアップロードするCPU15とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付玄関子機が撮像した映像にコメント文を添付してサーバへアップロード可能なインターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、来訪者をカメラで撮像するとともに居住者を呼び出すためのカメラ付玄関子機と、カメラ付玄関子機で撮像した映像を表示するとともに呼び出し応答するためのモニタ付インターホン親機とからなるインターホンシステムにおいて、モニタ付インターホン親機に、カメラ付玄関子機が撮像した映像にもとづいて来訪者を特定する人物特定部を備えたものが考案されており、たとえば特許文献1に記載のインターホンシステムにおいては、特定された人物に応じて呼出音を選定して鳴動させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−287196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のインターホンシステムによれば、たとえば留守中等に来訪者があったような場合、どのような来訪者があったのか(来訪者の履歴等)を把握することができないという問題がある。また、モニタ付インターホン親機に、撮像された映像を録画する記憶部を備えたとしても、記憶部の容量等の問題により録画可能な映像には限りがあり、数日又は数週間前の来訪者の映像履歴等を保存し続ける等は現実的ではない。さらに、帰宅しないことには来訪者の履歴を確認することができないといった問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、来訪者の映像履歴を管理しやすく、外出先等からでも来訪者履歴を容易に確認することができる上、娯楽的要素をも含んだインターホンシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、来訪者をカメラで撮像するとともに居住者を呼び出すためのカメラ付玄関子機と、カメラ付玄関子機で撮像した映像を表示するとともに呼び出し応答するためのモニタ付インターホン親機と、モニタ付インターホン親機に汎用ネットワークを介して接続されるサーバとで構成されたインターホンシステムであって、モニタ付インターホン親機に、来訪者が呼び出しを行った際に、カメラ付玄関子機で撮像した映像を録画する録画部と、録画した映像から人物認証を行い第1顔画像データを作成する人物認証部と、予め第2顔画像データが記録されている記録部と、第1顔画像データと第2顔画像データとを比較して人物を特定する人物特定部と、特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部と、録画部に録画されている映像とコメント文とをサーバへアップロードする制御部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、たとえ留守中に来訪者があった場合であっても、サーバへ接続して、アップロードされている映像及びコメント文を確認することでどのような来訪者があったのかを把握することができるし、外出先等においても来訪者の有無を確認することができ、汎用性に優れている。また、映像データをサーバで記憶管理するため、モニタ付インターホン親機に大容量の記憶手段等を設けることなく従来より多くの来訪者履歴を管理することができ、モニタ付インターホン親機の低コスト化、汎用性の更なる向上等といった効果もある。さらに、ただカメラにて撮像された映像のみをアップロードするのではなく、該映像に加えて来訪者に応じたコメント文を作成しアップロードするため、アップロードされた映像を参照した際の趣向性の向上といった効果もある。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、来訪者をカメラで撮像するとともに居住者を呼び出すためのカメラ付玄関子機と、カメラ付玄関子機で撮像した映像を表示するとともに呼び出し応答するためのモニタ付インターホン親機と、モニタ付インターホン親機に接続される通信端末と、通信端末に汎用ネットワークを介して接続されるサーバとで構成されたインターホンシステムであって、モニタ付インターホン親機に、来訪者が呼び出しを行った際に、カメラ付玄関子機で撮像した映像を録画する録画部と、録画部に録画された映像を通信端末に送信する送信部とを備え、通信端末に、モニタ付インターホン親機から送信された映像を受信する受信部と、受信した映像から人物認証を行い第1顔画像データを作成する人物認証部と、予め第2顔画像データが記録されている記録部と、第1顔画像データと第2顔画像データとを比較して人物を特定する人物特定部と、特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部と、映像とコメント文とをサーバへアップロードする制御部とを備えたことを特徴とする
この構成によれば、たとえ留守中に来訪者があった場合にも、どのような来訪者があったのかを把握することができるし、外出先等においても来訪者の有無を確認することができ、汎用性に優れている。また、人物の特定に係る構成を通信端末に備えることで、モニタ付インターホン親機の小型化、低コスト化を図ることができるし、映像データをサーバで記憶管理するため、モニタ付インターホン親機や通信端末に備えられている記憶手段の記憶容量を節約することができる。さらに、映像に加えて来訪者に応じたコメント文を作成してアップロードするため、アップロードされた映像を参照した際の趣向性の向上といった効果もある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、たとえ留守中に来訪者があった場合であっても、サーバへ接続して、アップロードされている映像等を確認することでどのような来訪者があったのかを把握することができ、汎用性に優れている。また、ただ映像のみをアップロードするのではなく、映像に加えて来訪者に応じたコメント文をアップロードするため、アップロードされた映像を参照した際の趣向性の向上といった効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[実施例1]
まず、本発明の第1実施例となるインターホンシステム1について、図1をもとに説明する。図1は、第1実施例に係るインターホンシステム1のブロック構成図である。
インターホンシステム1は、居住者を呼び出すためのカメラ付玄関子機(以下、子機と称す)2と、子機2からの呼び出しに応答するためのモニタ付インターホン親機(以下、親機と称す)3と、親機3に汎用ネットワーク4を介して接続されるサーバ5とからなる。子機2は、来訪者が居住者を呼び出すために操作する呼出ボタン6を備えているとともに、通話のための子機マイク及び子機スピーカ(図示せず)、呼出ボタン6の操作に伴って作動し、来訪者を撮像するカメラ7等を備えてなるもので、住戸の玄関等に設置されている。
【0010】
一方、親機3は、子機2との間での通信のための親機IF8、及び通話のための親機マイクや親機スピーカ、カメラ7が撮像した映像を表示するためのモニタ等からなるインターホン機能部9等を備えており、住戸の居室内等に設置されている。また、親機3には、子機2のカメラ7により撮像された映像を録画するための録画部10、録画部10に録画された映像にもとづいて来訪者の人物認証を行うための第1顔画像データを作成する人物認証部11、予め人物毎に第2顔画像データが記録されている記録部12、第1顔画像データと第2顔画像データとの比較から来訪者が誰であるのかを特定する人物特定部13、特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部14、及び汎用ネットワーク4を介して録画部10に録画されている映像とコメント文とをサーバ5へアップロードするCPU(制御部)15が備えられている。
【0011】
録画部10は、子機2から送信されてくる映像を一時的に録画するためのものであって、略10分程度の映像を録画可能(1回の呼出ボタン6の操作に伴い略1分間にわたって撮像するとして10回分の履歴を保存可能)となっており、映像のデータ容量が記憶容量を超過すると、過去の映像から順に消去して新たな映像を更新記憶するようになっている。
【0012】
人物認証部11、記録部12、及び人物特定部13は、録画部10に記憶された映像から来訪者を特定するためのものであって、当該特定方法については、様々な方法が考案され実用化されている(たとえば、特許文献1や特開平10−283472号公報に開示)。ここで一例を示すと、まず、人物認証部11において、録画部10に録画されている映像から肌色検出して顔画像を抽出し、この顔画像の拡大縮小処理を行って第1顔画像データを作成する。次に、人物特定部13において、第1顔画像データと記録部12に記録されている第2顔画像データとを重ね合わせ、対応する部分の画素の差をとり、全て足し合わせた数値が所定の閾値未満となる第2顔画像データがある場合、来訪者は当該第2顔画像データに対応する人物であると判定する一方、全ての第2顔画像データに対して所定の閾値以上となれば、登録されていない来訪者であると判定するといった方法がある。
【0013】
コメント作成部14は、人物特定部13において特定された人物に応じてコメント文を作成するためのものである。該コメント作成部14には、予め数百〜数千の単語が登録されており、特定された人物や特徴に応じてそれらの単語の中から数語をピックアップし、コメント文を作成する。ここで一例を示すと、人物特定部13において来訪者が新聞屋であると特定された場合には、「新聞屋がきたよ。たぶん集金だ。たまには粗品をもってこいよ」といったコメント文を作成する一方、人物特定部13において登録されていない来訪者であると特定された場合には、「知らない人がきた。訪問販売か?」といったコメント文を作成する。
【0014】
CPU15は、人物の特定をうけてコメント作成部14へコメント文の作成を指令するとともに、作成されたコメント文と録画部10に録画されている映像とを自動的にサーバ5へアップロードするためのものである。アップロードするサーバ5は予め指定可能となっており、CPU15では、サーバ5に応じて映像及びコメント文の形式を適宜カスタマイズし、たとえばブログ形式等にまとめてアップロードする。尚、サーバ5へは、パーソナルコンピュータや携帯電話等、汎用ネットワーク4への接続機能を有する各種通信端末により接続することができ、当該通信端末を用いることでアップロードされた映像及びコメント文を参照可能となっている。尚、ブログ形式でアップロードされた映像及びコメント文は、一般的なブラウザソフトで閲覧することができ、特別なソフトを必要としない。
【0015】
以上のような構成を有するインターホンシステム1によれば、来訪者が呼出ボタン6を操作すると、子機1が来訪者を撮像する一方、親機3が、撮像された映像にもとづいて来訪者が誰であるかを特定するとともに、該来訪者に応じてコメント文を作成し、来訪者を撮像した映像及びコメント文を、汎用ネットワーク4を介してサーバ5へ自動的にアップロードする。したがって、たとえ留守中に来訪者があった場合であっても、サーバ5へ接続して、アップロードされている映像等を確認することでどのような来訪者があったのかを把握することができるし、外出先等においても来訪者の有無を確認することができ、汎用性に優れている。また、映像データをサーバ5で記憶管理するため、親機3に大容量の記憶手段等を設けることなく従来より多くの来訪者履歴を管理することができ、親機3の低コスト化、汎用性の更なる向上等といった効果もある。さらに、ただ映像のみをアップロードするのではなく、映像に加えて来訪者に応じたコメント文をアップロードするため、アップロードされた映像を参照した際の趣向性の向上といった効果もある。
【0016】
[実施例2]
次に、本発明の第2実施例となるインターホンシステム21について、図2をもとに説明する。図2は、第2実施例に係るインターホンシステム21のブロック構成図である。尚、上記インターホンシステム1と同様の構成については、同じ符号を付すとともに詳細な説明を省略する。
【0017】
第2実施例に係るインターホンシステム21は、子機2と、子機2からの呼び出しに応答するためのモニタ付インターホン親機(以下、親機と称す)23と、親機23に接続される通信端末であるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと称す)24と、汎用ネットワーク4を介して接続されるサーバ5とからなる。親機23は、親機IF8やインターホン機能部9に加え、子機2のカメラ7が撮像した映像を録画するための録画部25、及び録画部25に録画された映像をパソコン24へ送信するための送信部26を備えている。録画部25は、上記第1実施例における親機3の録画部10と略同様に構成されるものであって、該録画部25に新たな映像が録画されると、当該映像を、送信部26を介してパソコン24へ送信するようになっている。
【0018】
一方、パソコン24は、親機23と通信可能に接続されており、親機23から送信された映像を受信して一時的に記憶する受信部27、受信部27が受信した映像にもとづいて来訪者の人物認証を行うための第1顔画像データを作成する人物認証部11、予め人物毎に第2顔画像データが記録されている記録部12、第1顔画像データと第2顔画像データとの比較から来訪者が誰であるのかを特定する人物特定部13、特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部14、及び汎用ネットワーク4を介して受信部27が受信した映像とコメント文とをサーバ5へアップロードするCPU(制御部)15が備えられている。
そして、パソコン24では、受信部27が受信した映像にもとづいて、上記第1実施例におけるインターホンシステム1と同様の人物の特定を行い、特定した人物に応じてコメント文を作成するとともに、映像及びコメント文をサーバ5へアップロードする。
【0019】
したがって、第2実施例におけるインターホンシステム21も、第1実施例のインターホンシステム1同様、たとえ留守中に来訪者があった場合にも、どのような来訪者があったのかを把握することができるし、外出先等においても来訪者の有無を確認することができ、汎用性に優れている。また、人物の特定に係る構成をパソコン24に備えることで、親機24の小型化、低コスト化を図ることができるし、映像データをサーバ5で記憶管理するため、親機23やパソコン24に備えられている記憶手段の記憶容量を節約することができる。さらに、映像に加えて来訪者に応じたコメント文をアップロードするため、アップロードされた映像を参照した際の趣向性の向上といった効果もある。
【0020】
なお、本発明のインターホンシステム1、21に係る構成は、上記実施形態に記載の態様に何ら限定されるものではなく、子機2、親機3、23、パソコン24、及びサーバ5等に係る構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0021】
たとえば、新たな映像及びコメントのアップロードに伴って、サーバ5から予め設定された所定のアドレス(たとえば、携帯電話等の通信端末が有するアドレス)へアップロードを通知するメールが送信されるように構成してもよい。
また、親機3に日時を計時するためのタイマ等を設け、来訪者毎に訪問履歴や訪問回数を記憶させるとともに、コメント作成部14では、訪問履歴や訪問回数を含んだコメント文を作成する(たとえば「お久し振り。この前来てくれてから2ヶ月もたつけど、何してたの?」「今日、2回目だね」等)ようにしてもよい。さらにまた、アップロードするサーバ5を複数の中から選択可能とし、当該選択に伴って映像やコメント文のカスタマイズも自動的に切り替わるように構成することも可能である。
【0022】
さらに、登録されていない来訪者があった場合、当該来訪者の第1顔画像データを第2顔画像データとして記憶し、次回からの人物の特定に利用するようにしてもよい。当該構成を採用することで、たとえば不審者が居住者の在宅の有無を確認するために呼出ボタン6を操作したような場合に、同一の不審者の2度目以降の来訪を映像を確認せずとも容易に特定することができる等といった効果がある。
加えて、上記第2実施例においては、通信端末としてパソコン24を採用しているが、汎用ネットワーク4へ接続可能な通信機能を有しているものであれば、ゲーム機器、テレビ等の電気機器をパソコン24の代わりに通信端末として採用しても何ら問題はない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施例におけるインターホンシステムのブロック構成図である。
【図2】第2実施例におけるインターホンシステムのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0024】
1、21・・インターホンシステム、2・・子機、3、23・・親機、4・・汎用ネットワーク、5・・サーバ、6・・呼出ボタン、7・・カメラ、10、25・・録画部、11・・人物認証部、12・・記録部、13・・人物特定部、14・・コメント作成部、15・・CPU(制御部)、、24・・パソコン(通信端末)、26・・送信部、27・・受信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者をカメラで撮像するとともに居住者を呼び出すためのカメラ付玄関子機と、前記カメラ付玄関子機で撮像した映像を表示するとともに呼び出し応答するためのモニタ付インターホン親機と、前記モニタ付インターホン親機に汎用ネットワークを介して接続されるサーバとで構成されたインターホンシステムであって、
前記モニタ付インターホン親機に、
来訪者が呼び出しを行った際に、前記カメラ付玄関子機で撮像した映像を録画する録画部と、
録画した映像から人物認証を行い第1顔画像データを作成する人物認証部と、
予め第2顔画像データが記録されている記録部と、
前記第1顔画像データと前記第2顔画像データとを比較して人物を特定する人物特定部と、
特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部と、
前記録画部に録画されている映像と前記コメント文とを前記サーバへアップロードする制御部と
を備えたことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
来訪者をカメラで撮像するとともに居住者を呼び出すためのカメラ付玄関子機と、前記カメラ付玄関子機で撮像した映像を表示するとともに呼び出し応答するためのモニタ付インターホン親機と、前記モニタ付インターホン親機に接続される通信端末と、前記通信端末に汎用ネットワークを介して接続されるサーバとで構成されたインターホンシステムであって、
前記モニタ付インターホン親機に、
来訪者が呼び出しを行った際に、前記カメラ付玄関子機で撮像した映像を録画する録画部と、
前記録画部に録画された映像を前記通信端末に送信する送信部とを備え、
前記通信端末に、
前記モニタ付インターホン親機から送信された映像を受信する受信部と、
前記受信した映像から人物認証を行い第1顔画像データを作成する人物認証部と、
予め第2顔画像データが記録されている記録部と、
前記第1顔画像データと前記第2顔画像データとを比較して人物を特定する人物特定部と、
特定された人物に応じてコメント文を作成するコメント作成部と、
前記映像と前記コメント文とを前記サーバへアップロードする制御部と
を備えたことを特徴とするインターホンシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−16927(P2009−16927A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173193(P2007−173193)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】