インバータ装置
【課題】インバータ装置1がR/W装置3からICタグ2に発振される通信用電波の影響で誤動作することを防止すること。
【解決手段】ICタグ2はR/W装置3から発振される通信用電波を受信すると、通信用電波の受信結果に応じたレベルの電圧信号を生成し、電圧信号の生成結果がノイズ判定値を上回ることを検出したときにはインバータ装置1にノイズ情報を送信する。すると、インバータ装置1がノイズ情報を検出することに基づいて電磁接触器を作動させ、主電源を遮断する。このため、インバータ装置1がR/W装置3の使用時に自動的に停止するので、インバータ装置1がR/W装置3からICタグ2に発振される通信用電波の影響で誤動作することがなくなる。
【解決手段】ICタグ2はR/W装置3から発振される通信用電波を受信すると、通信用電波の受信結果に応じたレベルの電圧信号を生成し、電圧信号の生成結果がノイズ判定値を上回ることを検出したときにはインバータ装置1にノイズ情報を送信する。すると、インバータ装置1がノイズ情報を検出することに基づいて電磁接触器を作動させ、主電源を遮断する。このため、インバータ装置1がR/W装置3の使用時に自動的に停止するので、インバータ装置1がR/W装置3からICタグ2に発振される通信用電波の影響で誤動作することがなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の無線通信機器に情報を電波で送信する無線通信装置を備えたインバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記無線通信装置の一例にICタグと称されるものがある。このICタグは製品の管理情報が記録された荷札に相当するものであり、ICタグに記録された管理情報はR/W装置からICタグに通信用電波を発振することに基づいて無線で検出可能にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−087263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の場合、ICタグを電子機器に装着して使用するときにはR/W装置から発振される通信用電波が電子機器にノイズとして照射されるので、電子機器がノイズの影響で誤動作する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子機器が通信用電波の影響で誤動作することを防止できる無線通信装置を備えたインバータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係るインバータ装置は、無線通信装置を備えたインバータ装置である。この無線通信装置は、電波を受信可能なアンテナと、アンテナの受信状態に基づく電力信号を出力する信号出力手段と、アンテナが受信する電波信号に基づいて電源を生成する電源生成手段と、外部の無線通信機器から送信される電波信号をアンテナを通して受信することに基づいて電波情報を記録する電波情報記録手段と、この電波情報記録手段の記録結果をアンテナを通して外部の無線通信機器に送信する電波情報送信手段とを備えている。請求項1に係るインバータ装置は、電力信号に基づいた電波情報に基づいて、外部の無線通信機器から無線通信装置に対して通信用電波が発振されたと判断した際に負荷の運転内容を制御する運転制御手段を備えている。
請求項1に係る発明は無線通信装置のアンテナが受信した電波に基づいて電波情報を取得し、電波情報の取得結果を外部に送信する。この電波情報とは電力信号の検出結果そのものを示す直接情報および電力信号の検出結果に基づいて生成される間接情報の双方を含む。
請求項1に係る発明は電波情報の記録結果をアンテナを通して外部の無線通信機器に送信する。この電波情報の送信処理は無線通信機器から送信される電波信号をアンテナを通して受信することに基づいて実行されるものであり、電波情報の記録結果は無線通信機器から電波信号を送信することに基づいて読出し可能にされている。
無線通信装置はインバータ装置に無線または有線で電気的に接続されていれば良く、機械的に装着されていても良く機械的に装着されていなくても良い。
請求項1に係る発明はインバータ装置が電波情報に基づいて負荷の運転内容を制御するものである。
請求項2に係る発明はインバータ装置が電波情報に基づいて負荷への電力供給を遮断するものである。
請求項3に係る発明はインバータ装置が電波情報に基づいて出力信号を外部に出力するものであり、出力信号は表示器・鳴動器・電飾器等の警報器を作動させるための警報信号(アラーム信号)を含む。
【発明の効果】
【0006】
R/W装置等の外部機器から無線通信装置のアンテナに通信用電波が発振されたときにはアンテナの受信状態に基づく電力信号が出力され、電力信号に基づいた電波情報が記録される。このため、電波情報の記録結果に基づいてノイズの発生状況を識別し、発生状況の識別結果に応じた措置を講ずることができるので、通信用電波が照射されたインバータ装置がノイズの影響で誤動作することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1を示す図(インバータ装置・ICタグ・R/W装置の外観を示す図)
【図2】インバータ装置の電気的構成を示すブロック図
【図3】インバータ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図4】不揮発性メモリの記録内容を示す図
【図5】R/W装置の電気的構成を示すブロック図
【図6】ICタグの電気的構成を示すブロック図
【図7】タグ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図8】本発明の実施例2を示す図(ICタグの電気的構成を示すブロック図)
【図9】タグ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図10】インバータ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図11】本発明の実施例3を示す図(ICタグの電気的構成を示すブロック図)
【図12】インバータ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
【実施例1】
【0009】
図1のインバータ装置1はモータを駆動制御するものであり、電子機器に相当する。このインバータ装置1には無線通信装置および電力検出装置に相当するICタグ2が固定されている。このICタグ2はインバータ装置1から駆動電源および管理情報が有線で送信されるものであり、管理情報を受信することに基づいて管理情報の受信結果を自身の不揮発性メモリに格納する。この管理情報はインバータ装置1が保有する内部情報を称するものであり、インバータ装置1の運転情報およびトリップ情報を含んでいる。
【0010】
R/W装置3は外部の無線通信機器に相当するものであり、ICタグ2の駆動電源はICタグ2がR/W装置3から発振される通信用電波に基づいて自ら生成することも可能である。即ち、ICタグ2の不揮発性メモリに格納された管理情報はR/W装置3を使用することに基づいてインバータ装置1の電源有効状態および電源無効状態のいずれでも外部から取得可能にされている。
【0011】
ICタグ2はインバータ装置1の保護機能を有している。この保護機能とはテレビやカメラや携帯電話等から飛来するノイズ・周辺のインバータ装置から飛来するノイズ・インバータ装置1の自身の電源コード等から飛来するノイズ等を検出し、インバータ装置1にノイズ情報を有線で送信する機能であり、インバータ装置1はICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいてノイズ対策措置を自ら講ずる。このノイズ情報はICタグ2の管理情報をR/W装置3で読出すときにもICタグ2からインバータ装置1に送信されるものであり、インバータ装置1の運転中にR/W装置3を使用したときにはインバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいて同様の措置を講ずる。以下、インバータ装置1〜R/W装置3の詳細構成について説明する。
【0012】
1.インバータ装置1の説明
インバータケース11内には、図2に示すように、主回路12が収納されている。この主回路12は主電源回路13とインバータ主回路14とインバータ制御回路15とドライブ回路16と電流センサ17と電流検出回路18と電圧検出回路19を有するものであり、主電源回路13は主電源を整流平滑することに基づいて直流電源を生成する。この主電源回路13は電磁接触器20を介して3相の交流電源21に接続されており、主電源回路13には電磁接触器20を通して3相の交流電源21が主電源として与えられる。
【0013】
インバータ主回路14は6個のスイッチング素子を3相ブリッジ接続することから構成されたものであり、主電源回路13が生成する直流電源をスイッチングすることに基づいて3相の駆動電源を生成する。このインバータ主回路14には負荷に相当するモータ22が接続されており、モータ22はインバータ主回路14から3相の駆動電源が印加されることに基づいて駆動する。
【0014】
インバータ制御回路15はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU23・ROM24・RAM25・EEPROM26を有している。このインバータ制御回路15のROM24には制御プログラムが記録されており、インバータ制御回路15のCPU23は制御プログラムに基づいて後述の処理動作を実行する。尚、インバータ制御回路15は運転制御手段,電力供給遮断手段・外部信号出力手段・トリップ手段,警報手段に相当するものである。
【0015】
操作パネル27はインバータケース11に固定されたものである。この操作パネル27には周波数キー28とRUNキー29とSTOPキー30が装着されており、周波数キー28の操作時には操作パネル27からインバータ制御回路15に周波数キー28の操作内容に応じた周波数指令が送信され、RUNキー29の操作時およびSTOPキー30の操作時には操作パネル27からインバータ制御回路15に運転指令および停止指令が送信される。
【0016】
開閉回路31はインバータケース11内に収納されたものである。この開閉回路31は電磁接触器20の入力側で交流電源21のR相およびS相に接続されたものであり、インバータ制御回路15のCPU23は操作パネル27からの運転指令を検出することに基づいて開閉回路31に電源投入信号を出力し、開閉回路31は電源投入信号が与えられることに基づいて電磁接触器20の励磁コイルを励磁する。この電磁接触器20は励磁コイルの励磁状態で主電源の給電路を閉成するものであり、インバータ制御回路15のCPU23は操作パネル27からの運転指令に基づいて主電源の給電路を閉成したときには操作パネル27からの周波数指令に基づいてドライブ信号を生成し、ドライブ回路16はドライブ信号の生成結果に基づいてインバータ主回路14をスイッチングすることに基づいてモータ22を周波数指令に応じた速度で運転する。即ち、主電源はRANキー29の操作に連動して投入されるものであり、RUNキー29はモータ22の運転開始を指令するための操作手段に相当する。
【0017】
インバータ制御回路15のCPU23は操作パネル27からの停止指令を検出することに基づいてゲートブロック信号および電源遮断信号を生成し、ゲートブロック信号の生成結果および電源遮断信号の生成結果をドライブ回路16および開閉回路31に出力する。ゲートブロック信号はインバータ主回路14の運転停止信号に相当するものであり、ドライブ回路16はゲートブロック信号が与えられることに基づいてインバータ主回路14のスイッチング素子をオフし、モータ22の駆動電源を遮断する。電源遮断信号はトリップ信号に相当するものであり、開閉回路31は電源遮断信号が与えられることに基づいて電磁接触器20の励磁コイルを消拠し、電磁接触器20は励磁コイルの消拠状態で主電源の給電路を開放する。即ち、主電源はSTOPキー30の操作に連動して遮断されるものであり、STOPキー30はモータ22の運転停止を指令するための操作手段に相当する。
【0018】
電流センサ17は主電源回路13の出力側で電流を検出するものであり、電流検出回路18は電流センサ17の検出結果に応じた電圧レベルの電流信号をインバータ制御回路15に出力する。電圧検出回路19は主電源回路13の出力側の電圧値に応じた電圧レベルの電圧信号をインバータ制御回路15に出力するものであり、インバータ制御回路15のCPU23は、下記1)〜4)に示すように、電流信号の入力結果および電圧信号の入力結果に基づいて内部的なトリップ原因の有無を判断する。そして、トリップ原因の発生を検出したときにはドライブ回路16および開閉回路31にゲートブロック信号および電源遮断信号を出力し、インバータ主回路14および電磁接触器20をオフすることに基づいてモータ22をフリーラン状態から停止させる。
1)モータ22が拘束されたときには電流信号が異常上昇するので、電流信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「過電流」が判断される。
2)インバータ主回路14でスイッチング素子のアーム短絡が発生したときには電流信号が過電流の発生時と異なる態様で異常上昇するので、電流信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「アーム短絡」が判断される。
3)モータ22の慣性モーメントが極端に大きいときには電圧信号が異常上昇するので、電圧信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「モータ過負荷」が判断される。
4)モータ22の減速時間が極端に短いときには電圧信号がモータ過負荷の発生時と異なる態様で異常上昇するので、電圧信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「過電圧」が判断される。
【0019】
操作パネル27には警報器に相当する表示器32が装着されており、トリップ時には表示器32にトリップ原因の判断結果がアルファベットおよび数字の組合せ符号で表示される。この操作パネル27には警報器に相当するブザー33が装着されており、トリップ時にはブザー33が鳴動することに基づいてトリップの発生が報知される。
【0020】
インバータケース11内には制御電源回路34が収納されており、制御電源回路34は電磁接触器20の入力側で交流電源21のR相およびS相に接続されている。この制御電源回路34はインバータ制御回路15用の制御電源と操作パネル27用のパネル電源とICタグ2用のタグ電源を生成するものであり、インバータ制御回路15と操作パネル27とICタグ2にはインバータ主回路14とは別経路で電源が印加される。即ち、インバータ制御回路15およびICタグ2はインバータ装置1のトリップ中にも制御プログラムを実行し、表示器32およびブザー33はトリップ中にも警報動作を継続する。
【0021】
電磁接触器20と交流電源21との間には配線用遮断器35が介在されている。この配線用遮断器35はインバータケース11内に収納されたものであり、過負荷電流および短絡電流を検出することに基づいて給電路を開放し、主電源を無効化する。
【0022】
図3はインバータ制御回路15のROM24に記録された制御プログラムを示すフローチャートである。以下、図3のフローチャートに基づいてインバータ制御回路15の処理内容を説明する。インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS1でノイズ情報の有無を判断する。このノイズ情報はICタグ2がノイズの発生を検出することに基づいて送信するものであり、CPU23はステップS1でノイズ情報が有ることを検出したときにはステップS2へ移行し、ノイズフラグをオンする。このノイズフラグは制御プログラムの起動時にオフ状態に初期設定されるものであり、CPU23はステップS2でノイズフラグをオンしたときにはステップS5へ移行する。
【0023】
CPU23はステップS1でノイズ情報がないことを検出すると、ステップS3でノイズ解消情報の有無を判断する。このノイズ解消情報はICタグ2がノイズの消滅を検出することに基づいて送信するものであり、CPU23はステップS3でノイズ解消情報が有ることを検出したときにはステップS4へ移行する。ここでノイズフラグをオフし、ステップS5へ移行する。即ち、ノイズフラグはノイズの有無を記録するものであり、デジタルカメラ等の周辺機器からノイズが放出された場合およびR/W装置3からICタグ2に通信用電波が発振された場合にオンされる。
【0024】
CPU23はステップS5へ移行すると、運転指令の有無を判断する。この運転指令はRUNキー29の操作に基づいて操作パネル27から送信されるものであり、CPU23はステップS5で運転指令を検出したときにはステップS6へ移行し、ノイズフラグの設定状態を判断する。
【0025】
CPU23はステップS6でノイズフラグがオンされていることを検出すると、ステップS7で表示器32に表示信号を出力することに基づいて警告表示を行う。即ち、デジタルカメラ等の周辺機器からノイズが放出された状態およびR/W装置3からICタグ2に通信用電波が発振された状態で使用者がRUNキー29を操作したときにはモータ22の運転が開始されず、RUNキー29の操作が無効化される。そして、表示器32に警告表示が行われ、モータ22をノイズの影響で運転開始できないことが使用者に報知される。
【0026】
CPU23はステップS6でノイズフラグがオフされていることを検出すると、ステップS8で開閉回路31に電源投入信号を出力することに基づいて主電源を投入し、モータ22の運転を開始する。即ち、モータ22はノイズが存在しないことを条件に運転開始される。
【0027】
CPU23はステップS8でモータ22の運転を開始すると、ステップS9でEEPROM26から運転回数Nの格納結果を検出する。この運転回数Nはモータ22の運転回数を累積的に加算した運転履歴に相当するものであり、CPU23はステップS9で運転回数Nの格納結果を検出したときには運転回数Nの検出結果に「1」を加算することに基づいて運転回数Nを更新し、ステップS10へ移行する。
【0028】
インバータ制御回路15のEEPROM26には、図4に示すように、複数の情報格納エリアが設定されている。これら各情報格納エリアには運転回数Nが割付けられており、インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS10へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに現在日時をモータ22の運転開始日時として記録し、ステップS11へ移行する。例えば運転回数Nの更新結果が「2」であるときには情報格納エリア「2」に現在日時が運転開始日時として記録される。
【0029】
CPU23はステップS11へ移行すると、EEPROM26から運転時間Tの格納結果を検出し、ステップS12へ移行する。この運転時間Tはモータ22の運転時間を累積的に加算した加算結果を称するものであり、複数の情報格納エリアのうち運転回数「N―1」に対応する情報格納エリアから検出される。即ち、ステップS11では前回運転時に至るまでの累積的な運転時間が検出される。
【0030】
CPU23はステップS12へ移行すると、運転時間Tの検出結果を始点に運転時間の計測動作を開始する。そして、ステップS13へ移行し、操作パネル27からの停止指令の有無を判断する。ここで停止指令を検出したときにはステップS14へ移行し、ドライブ回路16にゲートブロック信号を出力することに基づいてインバータ主回路14を停止させる。そして、ステップS15で開閉回路31に電源遮断信号を出力し、電磁接触器20をトリップさせることに基づいて主電源を遮断する。
【0031】
CPU23はステップS15で電源遮断信号を出力すると、ステップS16へ移行する。ここで運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに正常停止を記録し、ステップS17で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに現在日時をモータ22の運転停止日時として記録し、ステップS18で運転時間Tの計測動作を停止する。そして、ステップS19で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転時間Tの計測結果を記録し、ステップS20で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転状態を記録する。この運転状態とは運転停止直前のモータ22の回転方向・周波数指令値・運転周波数値・電流信号の検出値・電圧信号の検出値を称するものであり、CPU23は運転状態をEEPROM26に記録したときにはステップS21へ移行する。
【0032】
CPU23はステップ21へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアから記録データを検出し、ICタグ2に運転回数Nの更新結果および記録データの検出結果を運転情報として送信する。即ち、インバータ装置1がSTOPキー30の操作に基づいて正常停止したときにはインバータ装置1からICタグ2に運転情報として正常停止データ・運転開始日時・運転停止日時・累積的な運転時間・累積的な運転回数・正常停止時の回転方向・正常停止時の周波数指令値・正常停止時の運転周波数値・正常停止時の電流値・正常停止時の電圧値が送信される。
【0033】
CPU23はステップS13で停止指令がないことを検出すると、ステップS22で電流検出信号の入力結果および電圧検出信号の入力結果に基づいて内部的なトリップ原因の発生の有無を判断する。このトリップ原因とは過電流・アーム短絡・モータ過負荷・過電圧に代表されるものであり、CPU23はステップS22で内部的なトリップ原因が発生したことを検出したときにはステップS24へ移行する。
【0034】
CPU23はステップS22で内部的なトリップ原因が存在しないことを検出すると、ステップS23で外部的なトリップ原因の有無を判断する。この外部的なトリップ原因とはICタグ2から送信されるノイズ情報を称するものであり、CPU23はステップS23でICタグ2からのノイズ情報を検出したときにはステップS24へ移行する。尚、ノイズ情報は電波情報に相当するものである。
【0035】
CPU23はステップS24へ移行すると、ドライブ回路16にゲートブロック信号を出力することに基づいてインバータ主回路14をオフする。そして、ステップS25へ移行し、開閉回路31に電源遮断信号を出力することに基づいて電磁接触器20をトリップさせる。
【0036】
CPU23はステップS25で電源遮断信号を出力すると、ステップS26で表示器32に警報信号に相当する表示信号を出力する。この表示信号はCPU23がトリップ原因の検出結果に基づいて生成するものであり、表示器32には表示信号に基づいてトリップ原因の検出結果がアルファベットおよび数字の組合せ符号で表示される。
【0037】
CPU23はステップS26でトリップ原因の検出結果を表示すると、ステップS27でブザー33に警報信号に相当する鳴動信号を出力する。この鳴動信号はブザー33を鳴動させるものであり、使用者にはブザー33が鳴動することに基づいてトリップの発生が音で報知される。
【0038】
CPU23はステップS27でブザー33を鳴動させると、ステップS28で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに異常停止を記録する。そして、ステップS29で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアにトリップ原因の検出結果を記録し、ステップS30へ移行する。例えばステップS22で過電流を判定したときにはトリップ原因として過電流が記録され、ステップS23でICタグ2からのノイズ情報を検出したときにはトリップ原因としてノイズが記録される。
【0039】
CPU23はステップS30へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに現在日時をモータ22の運転停止日時として記録し、ステップS31で運転時間Tの計測動作を停止する。そして、ステップS32で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転時間Tの計測結果を記録し、ステップS33で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転状態を記録する。この運転状態とはトリップ直前のモータ22の回転方向・周波数指令値・運転周波数値・電流信号の検出値・電圧信号の検出値を称するものであり、CPU23は運転状態をEEPROM26に記録したときにはステップS34へ移行する。
【0040】
CPU23はステップS34へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアから記録データを検出し、ICタグ2に運転回数Nの更新結果および記録データの検出結果をトリップ情報として送信する。即ち、インバータ装置1がトリップ(異常停止)したときにはインバータ装置1からICタグ2にトリップ情報として異常停止データ・トリップ原因・運転開始日時・運転停止日時・累積的な運転時間・累積的な運転回数・トリップ時の回転方向・トリップ時の周波数指令値・トリップ時の運転周波数値・トリップ時の電流値・トリップ時の電圧値が送信される。
【0041】
CPU23はステップS34でICタグ2にトリップ情報を送信すると、ステップS35で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアからトリップ原因を検出し、トリップ原因の検出結果をノイズと比較する。ここでトリップ原因の検出結果がノイズ以外の内部的なものであることを検出したときにはステップS1に復帰し、ICタグ2からのノイズ情報の有無およびノイズ解消情報の有無を判断し、操作パネル27からの運転指令を待つ。即ち、インバータ装置1が過電流・アーム短絡・モータ過負荷・過電圧等の内部的な原因でトリップしたときには使用者が表示器32の表示内容からトリップ原因を識別し、トリップ原因の除去後に操作パネル27のRUNキー29を操作することに基づいて運転が再開される。
【0042】
CPU23はステップS35でトリップ原因がノイズであることを検出すると、ステップS36でノイズ解消情報の有無を判断する。このノイズ解消情報はICタグ2がノイズ無しを判定することに基づいて送信するものであり、CPU23はステップS36でノイズ解消情報を検出したときにはステップS37へ移行する。
【0043】
CPU23はステップS37へ移行すると、開閉回路31に電源投入信号を出力することに基づいて主電源を投入し、モータ22の運転を再開する。即ち、ノイズが解消されたときにはICタグ2からインバータ装置1にノイズ解消情報が送信され、インバータ装置1がノイズ解消情報を受信することに基づいて運転を自動的に再開する。
【0044】
2.R/W装置3の説明
R/W装置3はICタグ2にデータ要求信号を電波で無線送信するものであり、図5に示すように、アンテナ41と情報変換回路42と発振回路43とR/W制御回路44を有している。このR/W装置3は電池45を内蔵するものであり、電池45を電源として駆動する。
【0045】
発振回路43は一定周波数および一定振幅の搬送波を発振するものであり、情報変換回路42は発振回路43から発振される搬送波をアンテナ41から発振する。この情報変換回路42はR/W制御回路44から出力される変調信号に基づいて搬送波を変調するものであり、搬送波の変調結果をアンテナ41からデータ要求信号として発振する。この情報変換回路42はアンテナ41に流れる電流を波形整形することに基づいて復調するものであり、R/W制御回路44は情報変換回路42の復調結果に基づいてアンテナ41の受信内容を認識する。このR/W制御回路44はCPU・ROM・RAMを有するものであり、受信内容の認識結果をパーソナルコンピュータ等の外部管理装置に送信する。
【0046】
3.ICタグ2の説明
ICタグ2はR/W装置3からのデータ要求信号を受信することに基づいて運転情報の格納結果・トリップ情報の格納結果・ノイズ情報の格納結果・ノイズ解消情報の格納結果を検出し、R/W装置3に無線で送信するものであり、R/W装置3のR/W制御回路44は情報変換回路42の復調結果に基づいて運転情報〜ノイズ解消情報を認識し、外部管理装置に受信内容の認識結果として運転情報〜ノイズ解消情報を送信する。このICタグ2はインバータケース11の表面に固定されたものであり、図6に示すように、アンテナ51と電源回路52と電圧検出回路53と情報変換回路54とタグ制御回路55と伝送回路56とEEPROM57を有している。このICタグ2は制御電源回路34に有線で接続されており、インバータ装置1の主電源の有効状態では制御電源回路34が生成するタグ電源に基づいて駆動する。
【0047】
タグ制御回路55は電波情報送信手段,管理情報検出手段,管理情報送信手段に相当するものである。このタグ制御回路55は伝送回路56を介してインバータ制御回路15に有線で双方向通信可能に接続されたものであり、インバータ制御回路15は図3のステップS21およびステップS34でタグ制御回路55に伝送回路56を通して運転情報の検出結果およびトリップ情報の検出結果を送信する。このタグ制御回路55はCPU・ROM・RAMを有するものであり、タグ制御回路55のCPUはROMに記録された制御プログラムに基づいて処理動作を実行する。
【0048】
アンテナ51はR/W装置3のアンテナ41から発振される通信用電波および通信用電波以外の周辺電波を受信するものであり、電波受信手段に相当する。電源回路52は整流手段および電源生成手段に相当するものであり、アンテナ51が受信する電波に基づいて直流電源を生成する。この直流電源はICタグ2の駆動電源に相当するものであり、ICタグ2は制御電源回路34からのタグ電源が消滅した状態では電源回路52が生成する直流電源に基づいて駆動する。
【0049】
電圧検出回路53は信号出力手段に相当するものであり、電源回路52が生成する直流電源電圧に応じたレベルの電圧信号をタグ制御回路55に出力し、タグ制御回路55のCPUは電圧検出回路53からの電圧信号に基づいてノイズ検出処理を実行する。情報変換回路54はアンテナ51が受信する電波を復調するものであり、タグ制御回路55は情報変換回路54の復調結果に基づいてR/W装置3からのデータ要求信号を識別し、アンテナ51を駆動することに基づいてデータ要求信号に応答する。
【0050】
図7のフローチャートはタグ制御回路55のROMに記録された制御プログラムを示すものであり、タグ制御回路55のCPUは主電源の有効状態では制御電源回路34からのタグ電源に基づいて図7の制御プログラムを実行し、主電源の無効状態では電源回路52がR/W装置3からの通信用電波に基づいて生成するタグ電源に基づいて図7の制御プログラムを実行する。
【0051】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS51へ移行すると、インバータ制御回路15からの運転情報の有無を判断する。ここで運転情報が有ることを検出したときにはステップS52へ移行する。
【0052】
タグ制御回路55のEEPROM57は管理情報記録手段に相当するものであり、EEPROM57には、図4に示すように、複数の情報格納エリアが設定されている。これら各情報格納エリアには運転回数Nが割付けられており、タグ制御回路55のCPUは図7のステップS52へ移行すると、運転情報の受信結果から運転回数Nを検出し、運転回数Nの検出結果に応じた情報格納エリアに運転情報の受信結果を記録する。例えば運転回数Nの検出結果が「2」であるときにはインバータ制御回路15からの運転情報がEEPROM57の情報格納エリア「2」に記録される。即ち、インバータ制御回路15のEEPROM26およびICタグ2のEEPROM57には共通の運転情報が保管される。
【0053】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS53へ移行すると、電圧検出回路53からの電圧信号を検出する。そして、ステップS54へ移行し、電圧信号の検出結果をノイズ判定値と比較する。このノイズ判定値はタグ制御回路55のROMに予め記録されたものであり、タグ制御回路55のCPUはステップS54で電圧信号の検出結果がノイズ判定値より大きいことを検出すると、ステップS55でノイズ有りと判定する。このノイズ判定値はデジタルカメラ・テレビ・携帯電話等の周辺機器から発振されるノイズを識別するための境界値であり、R/W装置3のアンテナ41からICタグ2のアンテナ51に通信用電波が発振された状態では電圧信号の検出結果がノイズ判定値を上回り、ステップS55でノイズ有りと判定される。
【0054】
タグ制御回路55のCPUはステップS55でノイズ有りを判定すると、ステップS56で情報送信フラグの設定状態を判断する。この情報送信フラグはノイズ情報の送信状態を示すものであり、ステップS58でノイズ情報を送信することに基づいてステップS59でオン状態に設定され、ステップS63でノイズ解消情報を送信することに基づいてステップS64でオフ状態に設定される。
【0055】
タグ制御回路55のCPUはステップS56で情報送信フラグがオフ状態に設定されていることを検出すると、ステップS57でEEPROM57にノイズの発生およびノイズの発生日時をノイズ情報として記録する。即ち、EEPROM57は電波情報が記録される電波情報記録手段に相当するものである。
【0056】
タグ制御回路55のCPUはステップS57でノイズ情報を記録すると、ステップS58で伝送回路56を通してインバータ制御回路15にノイズ情報を送信し、ステップS59で情報送信フラグをオンすることに基づいてノイズ情報を送信したことを記録する。すると、インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS23でノイズ情報を検出し、ステップS24およびステップS25でゲートブロック信号および電源遮断信号を出力し、ステップS26およびステップS27で警報を発する。そして、ステップS28〜ステップS33でEEPROM26にトリップ情報を記録し、ステップS34でICタグ2にトリップ情報の取得結果を送信する。
【0057】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS65へ移行すると、インバータ制御回路15からのトリップ情報の有無を判断する。ここでトリップ情報を検出したときにはステップS66でトリップ情報の受信結果から運転回数Nを検出し、運転回数Nの検出結果に応じた情報格納エリアにトリップ情報の受信結果を記録する。即ち、インバータ制御回路15のEEPROM26およびICタグ2のEEPROM57には共通のトリップ情報が保管される。
【0058】
タグ制御回路55のCPUはステップS54で電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出すると、ステップS60でノイズ無しと判定する。そして、ステップS61へ移行し、情報送信フラグの設定状態を判断する。この情報送信フラグはノイズ情報を送信することに基づいてオン状態に設定されるものであり、タグ制御回路55のCPUはノイズがノイズ情報の送信後に解消されたときにはステップS61で情報送信フラグのオンを検出する。
【0059】
タグ制御回路55のCPUはステップS61で情報送信フラグのオンを検出すると、ステップS62でEEPROM57にノイズの解消およびノイズの解消日時をノイズ解消情報として記録する。即ち、ICタグ2のEEPROM57にはノイズの発生履歴およびノイズの解消履歴が残される。
【0060】
タグ制御回路55のCPUはステップS62でノイズ解消情報を記録すると、ステップS63でインバータ制御回路15に電波情報に相当するノイズ解消情報を送信し、ステップS64で情報送信フラグをオフ状態にリセットする。すると、インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS36でICタグ2からのノイズ解消情報を検出し、ステップS37でモータ22の運転をRUNキー29の操作無しで再開する。
【0061】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS67へ移行すると、R/W装置3からのデータ要求信号の有無を判断する。ここでデータ要求信号が有ることを検出したときにはステップS68へ移行し、EEPROM57から運転情報の格納結果とトリップ情報の格納結果とノイズ情報の格納結果とノイズ解消情報の格納結果を検出する。そして、ステップS69へ移行し、アンテナ51を駆動することに基づいて運転情報の検出結果〜ノイズ解消情報の検出結果をR/W装置3に送信する。
【0062】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
R/W装置3からICタグ2に通信用電波が発振されたときにはICタグ2からインバータ装置1にノイズ情報を送信し、インバータ装置1がモータ22の運転中にノイズ情報を受信したときにはゲートブロック信号および電源遮断信号を出力する構成とした。このため、インバータ装置1がR/W装置3の使用時に自動的に停止するようになるので、R/W装置3から発振される通信用電波の影響で誤動作することを防止できる。しかも、デジタルカメラ等の周辺機器からノイズが放出されたときにはICタグ2からインバータ装置1にノイズ情報を送信し、インバータ装置1がモータ22の運転中にノイズ情報を受信したときにはゲートブロック信号および電源遮断信号を出力する構成とした。このため、インバータ装置1が周辺機器からのノイズで自動的に停止するようになるので、周辺機器から放出されるノイズの影響で誤動作することも防止できる。
【0063】
インバータ装置1がモータ22の運転停止中にノイズ情報を受信したときにはRUNキー29を操作無効状態にする構成とした。このため、R/W装置3の使用状態および周辺機器からノイズが放出されている状態でRUNキー29が操作されてもインバータ装置1が運転開始されないので、この点からもインバータ装置1がノイズの影響で誤動作することを防止できる。
【0064】
インバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいてモータ22を運転停止させ、ICタグ2からのノイズ解消情報を検出することに基づいてモータ22を運転再開する構成としたので、R/W装置3の使用開始および使用終了に連動してモータ22が自動的に運転停止および運転再開するようになる。このため、使用者がR/W装置3の使用開始および使用終了に応じてRUNキー29およびSTOPキー30を操作する煩わしさが解消されるので、利便性が向上する。
【0065】
ICタグ2のEEPROM57に電波情報の取得結果としてノイズ情報およびノイズ解消情報を記録した。このため、R/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいてノイズ情報およびノイズ解消情報を検出することができるので、インバータ装置1のトリップ原因がノイズであるか否かを外部から識別することが可能になり、利便性が向上する。
【0066】
インバータ制御回路15からICタグ2に運転情報およびトリップ情報を送信することに基づいてICタグ2のEEPROM57に運転情報およびトリップ情報を記録した。このため、R/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいて運転情報およびトリップ情報を検出することができるので、利便性が向上する。
【0067】
インバータ装置1の制御電源回路34からICタグ2に駆動電源を供給した。このため、インバータ装置1がトリップした状態であってもR/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいて運転情報・トリップ情報・ノイズ情報・ノイズ解消情報を検出することができるので、利便性が向上する。
【0068】
インバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいて電源遮断信号を出力し、電磁接触器20をトリップさせる構成とした。このため、主電源を遮断する最も確実な保護機能をR/W装置3の使用時に発動させることができるので、インバータ装置1の誤動作防止の確度が高まる。
【0069】
インバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいて表示信号および鳴動信号を外部に出力し、表示器32およびブザー33を駆動する構成とした。このため、使用者がR/W装置3を使用するときに映像および音の双方で警報が発生するので、R/W装置3の使用に伴うトリップを使用者に報知することができる。
【0070】
上記実施例1においては、ICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電波情報としてノイズ情報およびノイズ解消情報を取得する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電圧値そのものを電波情報として取得し、EEPROM57に記録する構成としても良い。この構成の場合、ICタグ2からインバータ制御回路15に電圧値の検出結果を送信し、インバータ制御回路15が電圧値の受信結果に基づいてノイズの有無を判定し、ノイズの有無の判定結果および電圧値の受信結果の少なくとも一方をEEPROM26に記録するようにすると良い。
【0071】
上記実施例1においては、インバータ装置1の制御電源回路34からICタグ2に電源を供給したが、これに限定されるものではなく、例えばICタグ2に電源としての電池を内蔵したり、ICタグ2をR/W装置3から無線送信される電源のみで駆動しても良い。以下、ICタグ2をR/W装置3から無線送信される電源のみで駆動する本発明の実施例2について説明する。
【実施例2】
【0072】
ICタグ2は、図8に示すように、アンテナ51と電源回路52と電圧検出回路53と情報変換回路54とタグ制御回路55と伝送回路56とEEPROM57を有するものであり、電源回路52が生成する直流電源のみを駆動電源とする。このICタグ2はR/W装置3の使用時だけ駆動するものであり、タグ制御回路55のCPUは駆動時には運転情報の有無を判断せずに図9のステップS53へ移行し、電圧検出回路53からの電圧信号を検出する。そして、ステップS55でノイズ有りと一義的に判定し、ステップS57でEEPROM57にノイズの発生および現在日時を記録し、ステップS58でインバータ制御回路15にノイズ情報を送信する。
【0073】
インバータ制御回路15のCPU23は図10のステップS1へ移行すると、ICタグ2からのノイズ情報の有無を判断する。ここでノイズ情報が有ることを検出したときにはステップS2でノイズフラグをオンし、ノイズ情報がないことを検出したときにはステップS4でノイズフラグをオフする。即ち、R/W装置3の使用状態でRUNキー29が操作されたときにはステップS6でノイズフラグのオンが検出されることに基づいてインバータ装置1が停止状態に保持され、R/W装置3の非使用状態でRUNキー29が操作されたときにはステップS6でノイズフラグのオフが検出されることに基づいてインバータ装置1が運転開始される。
【0074】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS23でICタグ2からのノイズ情報を受信すると、ステップS24〜ステップ25でモータ22を運転停止する。そして、ステップS26〜ステップS27でトリップの発生を使用者に報知し、ステップS28〜ステップS33でトリップ情報をEEPROM26に記録する。
【0075】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS33からステップS35へ移行すると、トリップ原因の検出結果をノイズと比較する。この場合にはトリップ原因がノイズであると判断し、ステップS38でICタグ2からのノイズ情報の有無を判断する。例えばR/W装置3の発振動作が停止したときにはICタグ2が駆動停止し、ICタグ2からのノイズ情報が消滅する。この場合、インバータ制御回路15のCPU23はステップS38でICタグ2からのノイズ情報が消滅したと判断し、ステップS37でモータ22の運転を再開する。即ち、インバータ装置1はR/W装置3の使用開始および使用停止に連動して自動的にモータ22を運転停止および運転再開するものである。
【0076】
インバータ制御回路15のCPU23は図10のステップS13で操作パネル27からの停止指令を検出したときにはステップS16〜ステップS20を実行し、EEPROM26に運転情報を記録する。また、ステップS22で内部的なトリップ原因を検出したときにはステップS28〜ステップS33を実行することに基づいてEEPROM26にトリップ情報を記録する。即ち、インバータ装置1は運転情報の取得結果およびトリップ情報の取得結果をICタグ2に送信せず、EEPROM26に格納する。従って、ICタグ2のEEPROM57には自ら取得したノイズ情報だけが格納され、タグ制御回路55のCPUは図9のステップS67でR/W装置3からのデータ要求信号を受信したときにはステップS68でEEPROM57からノイズ情報を検出し、ステップS69でR/W装置3にノイズ情報を送信する。
【0077】
上記実施例2によれば、R/W装置3から発振される通信用電波をICタグ2で整流し、ICタグ2の駆動電源をインバータ装置1とは別経路で得る構成とした。このため、インバータ装置1の主電源が無効化された状態および遮断された状態であってもR/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいてノイズ情報を検出することができるので、利便性が向上する。
【0078】
上記実施例2においては、ICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電波情報としてノイズ情報を取得する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電圧値そのものを電波情報として取得し、EEPROM57に記録する構成としても良い。この構成の場合、ICタグ2からインバータ制御回路15に電圧値の検出結果を送信し、インバータ制御回路15が電圧値の受信結果に基づいてノイズの有無を判定し、ノイズの有無の判定結果および電圧値の受信結果の少なくとも一方をEEPROM26に記録するようにすると良い。
【0079】
上記実施例1〜実施例2においては、ICタグ2がノイズ検出処理を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばインバータ制御回路15がノイズ検出処理を行う構成としても良い。以下、ノイズ検出機能をインバータ制御回路15に分担した本発明の実施例3について説明する。
【実施例3】
【0080】
ICタグ2は、図11に示すように、アンテナ51と電源回路52と電圧検出回路53と情報変換回路54を有するものであり、電圧検出回路53および情報変換回路54はインバータ制御回路15に有線で接続されている。このICタグ2はインバータ装置1の制御電源回路34が生成するタグ電源に基づいて駆動するものであり、インバータ制御回路15のCPU23は図12のステップS39で電圧検出回路53からの電圧信号を検出し、ステップS40で電圧信号の検出結果をROM24に予め記録されたノイズ判定値と比較する。ここで電圧信号の検出結果がノイズ判定値より大きいことを検出したときにはステップS2でノイズフラグをオンし、電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出したときにはステップS4でノイズフラグをオフする。即ち、RUNキー29はR/W装置3の非使用時に有効化され、R/W装置3の使用時に無効化される。
【0081】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS22で内部的なトリップ原因が存在しないことを検出すると、ステップS41で電圧検出回路53からの電圧信号を検出し、ステップS42で電圧信号の検出結果をノイズ判定値と比較する。ここで電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出したときにはステップS43でノイズ無しと判定し、電圧信号の検出結果がノイズ判定値より大きいことを検出したときにはステップS44でノイズ有りと判定する。即ち、インバータ制御回路15はアンテナ51の受信結果に基づいて電波情報を取得する電波情報取得手段に相当するものである。
【0082】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS44でノイズ有りと判定すると、ステップS24〜ステップS25でモータ22を運転停止する。そして、ステップS26〜ステップS27でトリップの発生を使用者に報知し、ステップS28〜ステップS33でトリップ情報をEEPROM26に記録する。このインバータ制御回路15のCPU23は無線通信機能を有しており、情報変換回路54の復調結果に基づいてR/W装置3からのデータ要求信号を検出したときにはEEPROM26から運転情報の格納結果およびトリップ情報の格納結果を検出し、ICタグ2のアンテナ51から運転情報の検出結果およびトリップ情報の検出結果をR/W装置3に送信する。尚、インバータ制御回路15は電波情報送信手段および管理情報送信手段に相当するものであり、EEPROM26は電波情報記録手段および管理情報記録手段に相当するものである。
【0083】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS35でトリップ原因がノイズであることを検出すると、ステップS45で電圧検出回路53からの電圧信号を検出し、ステップS46で電圧信号の検出結果をノイズ判定値と比較する。ここで電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出したときにはステップS37へ移行し、主電源を投入することに基づいてモータ22の運転を再開する。即ち、インバータ装置1はR/W装置3の使用開始および使用停止に連動して自動的に運転停止および運転再開するものである。
【0084】
上記実施例1〜実施例3においては、インバータ制御回路15が表示器32にトリップ原因を表示することに基づいてトリップの発生を映像で報知し、ブザー33を鳴動させることに基づいてトリップの発生を音で報知する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばLED等の光源を発光させることに基づいてトリップの発生を光で報知する構成としても良い。
【0085】
上記実施例1〜実施例3においては、インバータ装置1としてモータ22を駆動制御するものを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば照明器具の光源を駆動制御するものであっても良い。
【0086】
上記実施例1〜実施例3においては、ICタグ2をインバータケース11の表面に固定したが、これに限定されるものではなく、例えばインバータケース11の内部に収納しても良い。この場合、インバータケース11に窓部を設け、ICタグ2のアンテナ51が窓部を介して電波の送受信を行う構成にすると良い。
【0087】
上記実施例1〜実施例3においては、タグ制御回路55またはインバータ制御回路15が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいてノイズの有無を判定する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば電波の強度を検出する構成としても良い。
【0088】
上記実施例1〜実施例3においては、R/W装置3の使用時にインバータ装置1を運転停止およびトリップさせる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば運転停止またはトリップさせる構成としても良い。
【0089】
上記実施例1〜実施例3においては、ICタグ2のアンテナ51と電源回路52との間に電気的なフィルタを介在し、特定周波数帯域の電波だけをフィルタを通して電源回路52に供給する構成としても良い。この構成の場合、フィルタを通して電源回路52に供給される特定周波数帯域の電波だけに基づいてノイズの検出処理が行われる。
【符号の説明】
【0090】
1はインバータ装置(電子機器)、2はICタグ(無線通信装置)、3はR/W装置(無線通信機器)、15はインバータ制御回路(運転制御手段,電力供給遮断手段,外部信号出力手段,電波情報送信手段,管理情報送信手段)、22はモータ(負荷)、26はEEPROM(電波情報記録手段,管理情報記録手段)、51はアンテナ、52は電源回路(電源生成手段)、53は電圧検出回路(信号出力手段)、55はタグ制御回路(電波情報送信手段,管理情報検出手段,管理情報送信手段)、57はEEPROM(電波情報記録手段,管理情報記録手段)を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の無線通信機器に情報を電波で送信する無線通信装置を備えたインバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記無線通信装置の一例にICタグと称されるものがある。このICタグは製品の管理情報が記録された荷札に相当するものであり、ICタグに記録された管理情報はR/W装置からICタグに通信用電波を発振することに基づいて無線で検出可能にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−087263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の場合、ICタグを電子機器に装着して使用するときにはR/W装置から発振される通信用電波が電子機器にノイズとして照射されるので、電子機器がノイズの影響で誤動作する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子機器が通信用電波の影響で誤動作することを防止できる無線通信装置を備えたインバータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係るインバータ装置は、無線通信装置を備えたインバータ装置である。この無線通信装置は、電波を受信可能なアンテナと、アンテナの受信状態に基づく電力信号を出力する信号出力手段と、アンテナが受信する電波信号に基づいて電源を生成する電源生成手段と、外部の無線通信機器から送信される電波信号をアンテナを通して受信することに基づいて電波情報を記録する電波情報記録手段と、この電波情報記録手段の記録結果をアンテナを通して外部の無線通信機器に送信する電波情報送信手段とを備えている。請求項1に係るインバータ装置は、電力信号に基づいた電波情報に基づいて、外部の無線通信機器から無線通信装置に対して通信用電波が発振されたと判断した際に負荷の運転内容を制御する運転制御手段を備えている。
請求項1に係る発明は無線通信装置のアンテナが受信した電波に基づいて電波情報を取得し、電波情報の取得結果を外部に送信する。この電波情報とは電力信号の検出結果そのものを示す直接情報および電力信号の検出結果に基づいて生成される間接情報の双方を含む。
請求項1に係る発明は電波情報の記録結果をアンテナを通して外部の無線通信機器に送信する。この電波情報の送信処理は無線通信機器から送信される電波信号をアンテナを通して受信することに基づいて実行されるものであり、電波情報の記録結果は無線通信機器から電波信号を送信することに基づいて読出し可能にされている。
無線通信装置はインバータ装置に無線または有線で電気的に接続されていれば良く、機械的に装着されていても良く機械的に装着されていなくても良い。
請求項1に係る発明はインバータ装置が電波情報に基づいて負荷の運転内容を制御するものである。
請求項2に係る発明はインバータ装置が電波情報に基づいて負荷への電力供給を遮断するものである。
請求項3に係る発明はインバータ装置が電波情報に基づいて出力信号を外部に出力するものであり、出力信号は表示器・鳴動器・電飾器等の警報器を作動させるための警報信号(アラーム信号)を含む。
【発明の効果】
【0006】
R/W装置等の外部機器から無線通信装置のアンテナに通信用電波が発振されたときにはアンテナの受信状態に基づく電力信号が出力され、電力信号に基づいた電波情報が記録される。このため、電波情報の記録結果に基づいてノイズの発生状況を識別し、発生状況の識別結果に応じた措置を講ずることができるので、通信用電波が照射されたインバータ装置がノイズの影響で誤動作することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1を示す図(インバータ装置・ICタグ・R/W装置の外観を示す図)
【図2】インバータ装置の電気的構成を示すブロック図
【図3】インバータ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図4】不揮発性メモリの記録内容を示す図
【図5】R/W装置の電気的構成を示すブロック図
【図6】ICタグの電気的構成を示すブロック図
【図7】タグ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図8】本発明の実施例2を示す図(ICタグの電気的構成を示すブロック図)
【図9】タグ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図10】インバータ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【図11】本発明の実施例3を示す図(ICタグの電気的構成を示すブロック図)
【図12】インバータ制御回路の処理内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
【実施例1】
【0009】
図1のインバータ装置1はモータを駆動制御するものであり、電子機器に相当する。このインバータ装置1には無線通信装置および電力検出装置に相当するICタグ2が固定されている。このICタグ2はインバータ装置1から駆動電源および管理情報が有線で送信されるものであり、管理情報を受信することに基づいて管理情報の受信結果を自身の不揮発性メモリに格納する。この管理情報はインバータ装置1が保有する内部情報を称するものであり、インバータ装置1の運転情報およびトリップ情報を含んでいる。
【0010】
R/W装置3は外部の無線通信機器に相当するものであり、ICタグ2の駆動電源はICタグ2がR/W装置3から発振される通信用電波に基づいて自ら生成することも可能である。即ち、ICタグ2の不揮発性メモリに格納された管理情報はR/W装置3を使用することに基づいてインバータ装置1の電源有効状態および電源無効状態のいずれでも外部から取得可能にされている。
【0011】
ICタグ2はインバータ装置1の保護機能を有している。この保護機能とはテレビやカメラや携帯電話等から飛来するノイズ・周辺のインバータ装置から飛来するノイズ・インバータ装置1の自身の電源コード等から飛来するノイズ等を検出し、インバータ装置1にノイズ情報を有線で送信する機能であり、インバータ装置1はICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいてノイズ対策措置を自ら講ずる。このノイズ情報はICタグ2の管理情報をR/W装置3で読出すときにもICタグ2からインバータ装置1に送信されるものであり、インバータ装置1の運転中にR/W装置3を使用したときにはインバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいて同様の措置を講ずる。以下、インバータ装置1〜R/W装置3の詳細構成について説明する。
【0012】
1.インバータ装置1の説明
インバータケース11内には、図2に示すように、主回路12が収納されている。この主回路12は主電源回路13とインバータ主回路14とインバータ制御回路15とドライブ回路16と電流センサ17と電流検出回路18と電圧検出回路19を有するものであり、主電源回路13は主電源を整流平滑することに基づいて直流電源を生成する。この主電源回路13は電磁接触器20を介して3相の交流電源21に接続されており、主電源回路13には電磁接触器20を通して3相の交流電源21が主電源として与えられる。
【0013】
インバータ主回路14は6個のスイッチング素子を3相ブリッジ接続することから構成されたものであり、主電源回路13が生成する直流電源をスイッチングすることに基づいて3相の駆動電源を生成する。このインバータ主回路14には負荷に相当するモータ22が接続されており、モータ22はインバータ主回路14から3相の駆動電源が印加されることに基づいて駆動する。
【0014】
インバータ制御回路15はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPU23・ROM24・RAM25・EEPROM26を有している。このインバータ制御回路15のROM24には制御プログラムが記録されており、インバータ制御回路15のCPU23は制御プログラムに基づいて後述の処理動作を実行する。尚、インバータ制御回路15は運転制御手段,電力供給遮断手段・外部信号出力手段・トリップ手段,警報手段に相当するものである。
【0015】
操作パネル27はインバータケース11に固定されたものである。この操作パネル27には周波数キー28とRUNキー29とSTOPキー30が装着されており、周波数キー28の操作時には操作パネル27からインバータ制御回路15に周波数キー28の操作内容に応じた周波数指令が送信され、RUNキー29の操作時およびSTOPキー30の操作時には操作パネル27からインバータ制御回路15に運転指令および停止指令が送信される。
【0016】
開閉回路31はインバータケース11内に収納されたものである。この開閉回路31は電磁接触器20の入力側で交流電源21のR相およびS相に接続されたものであり、インバータ制御回路15のCPU23は操作パネル27からの運転指令を検出することに基づいて開閉回路31に電源投入信号を出力し、開閉回路31は電源投入信号が与えられることに基づいて電磁接触器20の励磁コイルを励磁する。この電磁接触器20は励磁コイルの励磁状態で主電源の給電路を閉成するものであり、インバータ制御回路15のCPU23は操作パネル27からの運転指令に基づいて主電源の給電路を閉成したときには操作パネル27からの周波数指令に基づいてドライブ信号を生成し、ドライブ回路16はドライブ信号の生成結果に基づいてインバータ主回路14をスイッチングすることに基づいてモータ22を周波数指令に応じた速度で運転する。即ち、主電源はRANキー29の操作に連動して投入されるものであり、RUNキー29はモータ22の運転開始を指令するための操作手段に相当する。
【0017】
インバータ制御回路15のCPU23は操作パネル27からの停止指令を検出することに基づいてゲートブロック信号および電源遮断信号を生成し、ゲートブロック信号の生成結果および電源遮断信号の生成結果をドライブ回路16および開閉回路31に出力する。ゲートブロック信号はインバータ主回路14の運転停止信号に相当するものであり、ドライブ回路16はゲートブロック信号が与えられることに基づいてインバータ主回路14のスイッチング素子をオフし、モータ22の駆動電源を遮断する。電源遮断信号はトリップ信号に相当するものであり、開閉回路31は電源遮断信号が与えられることに基づいて電磁接触器20の励磁コイルを消拠し、電磁接触器20は励磁コイルの消拠状態で主電源の給電路を開放する。即ち、主電源はSTOPキー30の操作に連動して遮断されるものであり、STOPキー30はモータ22の運転停止を指令するための操作手段に相当する。
【0018】
電流センサ17は主電源回路13の出力側で電流を検出するものであり、電流検出回路18は電流センサ17の検出結果に応じた電圧レベルの電流信号をインバータ制御回路15に出力する。電圧検出回路19は主電源回路13の出力側の電圧値に応じた電圧レベルの電圧信号をインバータ制御回路15に出力するものであり、インバータ制御回路15のCPU23は、下記1)〜4)に示すように、電流信号の入力結果および電圧信号の入力結果に基づいて内部的なトリップ原因の有無を判断する。そして、トリップ原因の発生を検出したときにはドライブ回路16および開閉回路31にゲートブロック信号および電源遮断信号を出力し、インバータ主回路14および電磁接触器20をオフすることに基づいてモータ22をフリーラン状態から停止させる。
1)モータ22が拘束されたときには電流信号が異常上昇するので、電流信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「過電流」が判断される。
2)インバータ主回路14でスイッチング素子のアーム短絡が発生したときには電流信号が過電流の発生時と異なる態様で異常上昇するので、電流信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「アーム短絡」が判断される。
3)モータ22の慣性モーメントが極端に大きいときには電圧信号が異常上昇するので、電圧信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「モータ過負荷」が判断される。
4)モータ22の減速時間が極端に短いときには電圧信号がモータ過負荷の発生時と異なる態様で異常上昇するので、電圧信号の上昇状態に基づいてトリップ原因「過電圧」が判断される。
【0019】
操作パネル27には警報器に相当する表示器32が装着されており、トリップ時には表示器32にトリップ原因の判断結果がアルファベットおよび数字の組合せ符号で表示される。この操作パネル27には警報器に相当するブザー33が装着されており、トリップ時にはブザー33が鳴動することに基づいてトリップの発生が報知される。
【0020】
インバータケース11内には制御電源回路34が収納されており、制御電源回路34は電磁接触器20の入力側で交流電源21のR相およびS相に接続されている。この制御電源回路34はインバータ制御回路15用の制御電源と操作パネル27用のパネル電源とICタグ2用のタグ電源を生成するものであり、インバータ制御回路15と操作パネル27とICタグ2にはインバータ主回路14とは別経路で電源が印加される。即ち、インバータ制御回路15およびICタグ2はインバータ装置1のトリップ中にも制御プログラムを実行し、表示器32およびブザー33はトリップ中にも警報動作を継続する。
【0021】
電磁接触器20と交流電源21との間には配線用遮断器35が介在されている。この配線用遮断器35はインバータケース11内に収納されたものであり、過負荷電流および短絡電流を検出することに基づいて給電路を開放し、主電源を無効化する。
【0022】
図3はインバータ制御回路15のROM24に記録された制御プログラムを示すフローチャートである。以下、図3のフローチャートに基づいてインバータ制御回路15の処理内容を説明する。インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS1でノイズ情報の有無を判断する。このノイズ情報はICタグ2がノイズの発生を検出することに基づいて送信するものであり、CPU23はステップS1でノイズ情報が有ることを検出したときにはステップS2へ移行し、ノイズフラグをオンする。このノイズフラグは制御プログラムの起動時にオフ状態に初期設定されるものであり、CPU23はステップS2でノイズフラグをオンしたときにはステップS5へ移行する。
【0023】
CPU23はステップS1でノイズ情報がないことを検出すると、ステップS3でノイズ解消情報の有無を判断する。このノイズ解消情報はICタグ2がノイズの消滅を検出することに基づいて送信するものであり、CPU23はステップS3でノイズ解消情報が有ることを検出したときにはステップS4へ移行する。ここでノイズフラグをオフし、ステップS5へ移行する。即ち、ノイズフラグはノイズの有無を記録するものであり、デジタルカメラ等の周辺機器からノイズが放出された場合およびR/W装置3からICタグ2に通信用電波が発振された場合にオンされる。
【0024】
CPU23はステップS5へ移行すると、運転指令の有無を判断する。この運転指令はRUNキー29の操作に基づいて操作パネル27から送信されるものであり、CPU23はステップS5で運転指令を検出したときにはステップS6へ移行し、ノイズフラグの設定状態を判断する。
【0025】
CPU23はステップS6でノイズフラグがオンされていることを検出すると、ステップS7で表示器32に表示信号を出力することに基づいて警告表示を行う。即ち、デジタルカメラ等の周辺機器からノイズが放出された状態およびR/W装置3からICタグ2に通信用電波が発振された状態で使用者がRUNキー29を操作したときにはモータ22の運転が開始されず、RUNキー29の操作が無効化される。そして、表示器32に警告表示が行われ、モータ22をノイズの影響で運転開始できないことが使用者に報知される。
【0026】
CPU23はステップS6でノイズフラグがオフされていることを検出すると、ステップS8で開閉回路31に電源投入信号を出力することに基づいて主電源を投入し、モータ22の運転を開始する。即ち、モータ22はノイズが存在しないことを条件に運転開始される。
【0027】
CPU23はステップS8でモータ22の運転を開始すると、ステップS9でEEPROM26から運転回数Nの格納結果を検出する。この運転回数Nはモータ22の運転回数を累積的に加算した運転履歴に相当するものであり、CPU23はステップS9で運転回数Nの格納結果を検出したときには運転回数Nの検出結果に「1」を加算することに基づいて運転回数Nを更新し、ステップS10へ移行する。
【0028】
インバータ制御回路15のEEPROM26には、図4に示すように、複数の情報格納エリアが設定されている。これら各情報格納エリアには運転回数Nが割付けられており、インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS10へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに現在日時をモータ22の運転開始日時として記録し、ステップS11へ移行する。例えば運転回数Nの更新結果が「2」であるときには情報格納エリア「2」に現在日時が運転開始日時として記録される。
【0029】
CPU23はステップS11へ移行すると、EEPROM26から運転時間Tの格納結果を検出し、ステップS12へ移行する。この運転時間Tはモータ22の運転時間を累積的に加算した加算結果を称するものであり、複数の情報格納エリアのうち運転回数「N―1」に対応する情報格納エリアから検出される。即ち、ステップS11では前回運転時に至るまでの累積的な運転時間が検出される。
【0030】
CPU23はステップS12へ移行すると、運転時間Tの検出結果を始点に運転時間の計測動作を開始する。そして、ステップS13へ移行し、操作パネル27からの停止指令の有無を判断する。ここで停止指令を検出したときにはステップS14へ移行し、ドライブ回路16にゲートブロック信号を出力することに基づいてインバータ主回路14を停止させる。そして、ステップS15で開閉回路31に電源遮断信号を出力し、電磁接触器20をトリップさせることに基づいて主電源を遮断する。
【0031】
CPU23はステップS15で電源遮断信号を出力すると、ステップS16へ移行する。ここで運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに正常停止を記録し、ステップS17で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに現在日時をモータ22の運転停止日時として記録し、ステップS18で運転時間Tの計測動作を停止する。そして、ステップS19で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転時間Tの計測結果を記録し、ステップS20で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転状態を記録する。この運転状態とは運転停止直前のモータ22の回転方向・周波数指令値・運転周波数値・電流信号の検出値・電圧信号の検出値を称するものであり、CPU23は運転状態をEEPROM26に記録したときにはステップS21へ移行する。
【0032】
CPU23はステップ21へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアから記録データを検出し、ICタグ2に運転回数Nの更新結果および記録データの検出結果を運転情報として送信する。即ち、インバータ装置1がSTOPキー30の操作に基づいて正常停止したときにはインバータ装置1からICタグ2に運転情報として正常停止データ・運転開始日時・運転停止日時・累積的な運転時間・累積的な運転回数・正常停止時の回転方向・正常停止時の周波数指令値・正常停止時の運転周波数値・正常停止時の電流値・正常停止時の電圧値が送信される。
【0033】
CPU23はステップS13で停止指令がないことを検出すると、ステップS22で電流検出信号の入力結果および電圧検出信号の入力結果に基づいて内部的なトリップ原因の発生の有無を判断する。このトリップ原因とは過電流・アーム短絡・モータ過負荷・過電圧に代表されるものであり、CPU23はステップS22で内部的なトリップ原因が発生したことを検出したときにはステップS24へ移行する。
【0034】
CPU23はステップS22で内部的なトリップ原因が存在しないことを検出すると、ステップS23で外部的なトリップ原因の有無を判断する。この外部的なトリップ原因とはICタグ2から送信されるノイズ情報を称するものであり、CPU23はステップS23でICタグ2からのノイズ情報を検出したときにはステップS24へ移行する。尚、ノイズ情報は電波情報に相当するものである。
【0035】
CPU23はステップS24へ移行すると、ドライブ回路16にゲートブロック信号を出力することに基づいてインバータ主回路14をオフする。そして、ステップS25へ移行し、開閉回路31に電源遮断信号を出力することに基づいて電磁接触器20をトリップさせる。
【0036】
CPU23はステップS25で電源遮断信号を出力すると、ステップS26で表示器32に警報信号に相当する表示信号を出力する。この表示信号はCPU23がトリップ原因の検出結果に基づいて生成するものであり、表示器32には表示信号に基づいてトリップ原因の検出結果がアルファベットおよび数字の組合せ符号で表示される。
【0037】
CPU23はステップS26でトリップ原因の検出結果を表示すると、ステップS27でブザー33に警報信号に相当する鳴動信号を出力する。この鳴動信号はブザー33を鳴動させるものであり、使用者にはブザー33が鳴動することに基づいてトリップの発生が音で報知される。
【0038】
CPU23はステップS27でブザー33を鳴動させると、ステップS28で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに異常停止を記録する。そして、ステップS29で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアにトリップ原因の検出結果を記録し、ステップS30へ移行する。例えばステップS22で過電流を判定したときにはトリップ原因として過電流が記録され、ステップS23でICタグ2からのノイズ情報を検出したときにはトリップ原因としてノイズが記録される。
【0039】
CPU23はステップS30へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに現在日時をモータ22の運転停止日時として記録し、ステップS31で運転時間Tの計測動作を停止する。そして、ステップS32で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転時間Tの計測結果を記録し、ステップS33で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアに運転状態を記録する。この運転状態とはトリップ直前のモータ22の回転方向・周波数指令値・運転周波数値・電流信号の検出値・電圧信号の検出値を称するものであり、CPU23は運転状態をEEPROM26に記録したときにはステップS34へ移行する。
【0040】
CPU23はステップS34へ移行すると、運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアから記録データを検出し、ICタグ2に運転回数Nの更新結果および記録データの検出結果をトリップ情報として送信する。即ち、インバータ装置1がトリップ(異常停止)したときにはインバータ装置1からICタグ2にトリップ情報として異常停止データ・トリップ原因・運転開始日時・運転停止日時・累積的な運転時間・累積的な運転回数・トリップ時の回転方向・トリップ時の周波数指令値・トリップ時の運転周波数値・トリップ時の電流値・トリップ時の電圧値が送信される。
【0041】
CPU23はステップS34でICタグ2にトリップ情報を送信すると、ステップS35で運転回数Nの更新結果に応じた情報格納エリアからトリップ原因を検出し、トリップ原因の検出結果をノイズと比較する。ここでトリップ原因の検出結果がノイズ以外の内部的なものであることを検出したときにはステップS1に復帰し、ICタグ2からのノイズ情報の有無およびノイズ解消情報の有無を判断し、操作パネル27からの運転指令を待つ。即ち、インバータ装置1が過電流・アーム短絡・モータ過負荷・過電圧等の内部的な原因でトリップしたときには使用者が表示器32の表示内容からトリップ原因を識別し、トリップ原因の除去後に操作パネル27のRUNキー29を操作することに基づいて運転が再開される。
【0042】
CPU23はステップS35でトリップ原因がノイズであることを検出すると、ステップS36でノイズ解消情報の有無を判断する。このノイズ解消情報はICタグ2がノイズ無しを判定することに基づいて送信するものであり、CPU23はステップS36でノイズ解消情報を検出したときにはステップS37へ移行する。
【0043】
CPU23はステップS37へ移行すると、開閉回路31に電源投入信号を出力することに基づいて主電源を投入し、モータ22の運転を再開する。即ち、ノイズが解消されたときにはICタグ2からインバータ装置1にノイズ解消情報が送信され、インバータ装置1がノイズ解消情報を受信することに基づいて運転を自動的に再開する。
【0044】
2.R/W装置3の説明
R/W装置3はICタグ2にデータ要求信号を電波で無線送信するものであり、図5に示すように、アンテナ41と情報変換回路42と発振回路43とR/W制御回路44を有している。このR/W装置3は電池45を内蔵するものであり、電池45を電源として駆動する。
【0045】
発振回路43は一定周波数および一定振幅の搬送波を発振するものであり、情報変換回路42は発振回路43から発振される搬送波をアンテナ41から発振する。この情報変換回路42はR/W制御回路44から出力される変調信号に基づいて搬送波を変調するものであり、搬送波の変調結果をアンテナ41からデータ要求信号として発振する。この情報変換回路42はアンテナ41に流れる電流を波形整形することに基づいて復調するものであり、R/W制御回路44は情報変換回路42の復調結果に基づいてアンテナ41の受信内容を認識する。このR/W制御回路44はCPU・ROM・RAMを有するものであり、受信内容の認識結果をパーソナルコンピュータ等の外部管理装置に送信する。
【0046】
3.ICタグ2の説明
ICタグ2はR/W装置3からのデータ要求信号を受信することに基づいて運転情報の格納結果・トリップ情報の格納結果・ノイズ情報の格納結果・ノイズ解消情報の格納結果を検出し、R/W装置3に無線で送信するものであり、R/W装置3のR/W制御回路44は情報変換回路42の復調結果に基づいて運転情報〜ノイズ解消情報を認識し、外部管理装置に受信内容の認識結果として運転情報〜ノイズ解消情報を送信する。このICタグ2はインバータケース11の表面に固定されたものであり、図6に示すように、アンテナ51と電源回路52と電圧検出回路53と情報変換回路54とタグ制御回路55と伝送回路56とEEPROM57を有している。このICタグ2は制御電源回路34に有線で接続されており、インバータ装置1の主電源の有効状態では制御電源回路34が生成するタグ電源に基づいて駆動する。
【0047】
タグ制御回路55は電波情報送信手段,管理情報検出手段,管理情報送信手段に相当するものである。このタグ制御回路55は伝送回路56を介してインバータ制御回路15に有線で双方向通信可能に接続されたものであり、インバータ制御回路15は図3のステップS21およびステップS34でタグ制御回路55に伝送回路56を通して運転情報の検出結果およびトリップ情報の検出結果を送信する。このタグ制御回路55はCPU・ROM・RAMを有するものであり、タグ制御回路55のCPUはROMに記録された制御プログラムに基づいて処理動作を実行する。
【0048】
アンテナ51はR/W装置3のアンテナ41から発振される通信用電波および通信用電波以外の周辺電波を受信するものであり、電波受信手段に相当する。電源回路52は整流手段および電源生成手段に相当するものであり、アンテナ51が受信する電波に基づいて直流電源を生成する。この直流電源はICタグ2の駆動電源に相当するものであり、ICタグ2は制御電源回路34からのタグ電源が消滅した状態では電源回路52が生成する直流電源に基づいて駆動する。
【0049】
電圧検出回路53は信号出力手段に相当するものであり、電源回路52が生成する直流電源電圧に応じたレベルの電圧信号をタグ制御回路55に出力し、タグ制御回路55のCPUは電圧検出回路53からの電圧信号に基づいてノイズ検出処理を実行する。情報変換回路54はアンテナ51が受信する電波を復調するものであり、タグ制御回路55は情報変換回路54の復調結果に基づいてR/W装置3からのデータ要求信号を識別し、アンテナ51を駆動することに基づいてデータ要求信号に応答する。
【0050】
図7のフローチャートはタグ制御回路55のROMに記録された制御プログラムを示すものであり、タグ制御回路55のCPUは主電源の有効状態では制御電源回路34からのタグ電源に基づいて図7の制御プログラムを実行し、主電源の無効状態では電源回路52がR/W装置3からの通信用電波に基づいて生成するタグ電源に基づいて図7の制御プログラムを実行する。
【0051】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS51へ移行すると、インバータ制御回路15からの運転情報の有無を判断する。ここで運転情報が有ることを検出したときにはステップS52へ移行する。
【0052】
タグ制御回路55のEEPROM57は管理情報記録手段に相当するものであり、EEPROM57には、図4に示すように、複数の情報格納エリアが設定されている。これら各情報格納エリアには運転回数Nが割付けられており、タグ制御回路55のCPUは図7のステップS52へ移行すると、運転情報の受信結果から運転回数Nを検出し、運転回数Nの検出結果に応じた情報格納エリアに運転情報の受信結果を記録する。例えば運転回数Nの検出結果が「2」であるときにはインバータ制御回路15からの運転情報がEEPROM57の情報格納エリア「2」に記録される。即ち、インバータ制御回路15のEEPROM26およびICタグ2のEEPROM57には共通の運転情報が保管される。
【0053】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS53へ移行すると、電圧検出回路53からの電圧信号を検出する。そして、ステップS54へ移行し、電圧信号の検出結果をノイズ判定値と比較する。このノイズ判定値はタグ制御回路55のROMに予め記録されたものであり、タグ制御回路55のCPUはステップS54で電圧信号の検出結果がノイズ判定値より大きいことを検出すると、ステップS55でノイズ有りと判定する。このノイズ判定値はデジタルカメラ・テレビ・携帯電話等の周辺機器から発振されるノイズを識別するための境界値であり、R/W装置3のアンテナ41からICタグ2のアンテナ51に通信用電波が発振された状態では電圧信号の検出結果がノイズ判定値を上回り、ステップS55でノイズ有りと判定される。
【0054】
タグ制御回路55のCPUはステップS55でノイズ有りを判定すると、ステップS56で情報送信フラグの設定状態を判断する。この情報送信フラグはノイズ情報の送信状態を示すものであり、ステップS58でノイズ情報を送信することに基づいてステップS59でオン状態に設定され、ステップS63でノイズ解消情報を送信することに基づいてステップS64でオフ状態に設定される。
【0055】
タグ制御回路55のCPUはステップS56で情報送信フラグがオフ状態に設定されていることを検出すると、ステップS57でEEPROM57にノイズの発生およびノイズの発生日時をノイズ情報として記録する。即ち、EEPROM57は電波情報が記録される電波情報記録手段に相当するものである。
【0056】
タグ制御回路55のCPUはステップS57でノイズ情報を記録すると、ステップS58で伝送回路56を通してインバータ制御回路15にノイズ情報を送信し、ステップS59で情報送信フラグをオンすることに基づいてノイズ情報を送信したことを記録する。すると、インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS23でノイズ情報を検出し、ステップS24およびステップS25でゲートブロック信号および電源遮断信号を出力し、ステップS26およびステップS27で警報を発する。そして、ステップS28〜ステップS33でEEPROM26にトリップ情報を記録し、ステップS34でICタグ2にトリップ情報の取得結果を送信する。
【0057】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS65へ移行すると、インバータ制御回路15からのトリップ情報の有無を判断する。ここでトリップ情報を検出したときにはステップS66でトリップ情報の受信結果から運転回数Nを検出し、運転回数Nの検出結果に応じた情報格納エリアにトリップ情報の受信結果を記録する。即ち、インバータ制御回路15のEEPROM26およびICタグ2のEEPROM57には共通のトリップ情報が保管される。
【0058】
タグ制御回路55のCPUはステップS54で電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出すると、ステップS60でノイズ無しと判定する。そして、ステップS61へ移行し、情報送信フラグの設定状態を判断する。この情報送信フラグはノイズ情報を送信することに基づいてオン状態に設定されるものであり、タグ制御回路55のCPUはノイズがノイズ情報の送信後に解消されたときにはステップS61で情報送信フラグのオンを検出する。
【0059】
タグ制御回路55のCPUはステップS61で情報送信フラグのオンを検出すると、ステップS62でEEPROM57にノイズの解消およびノイズの解消日時をノイズ解消情報として記録する。即ち、ICタグ2のEEPROM57にはノイズの発生履歴およびノイズの解消履歴が残される。
【0060】
タグ制御回路55のCPUはステップS62でノイズ解消情報を記録すると、ステップS63でインバータ制御回路15に電波情報に相当するノイズ解消情報を送信し、ステップS64で情報送信フラグをオフ状態にリセットする。すると、インバータ制御回路15のCPU23は図3のステップS36でICタグ2からのノイズ解消情報を検出し、ステップS37でモータ22の運転をRUNキー29の操作無しで再開する。
【0061】
タグ制御回路55のCPUは図7のステップS67へ移行すると、R/W装置3からのデータ要求信号の有無を判断する。ここでデータ要求信号が有ることを検出したときにはステップS68へ移行し、EEPROM57から運転情報の格納結果とトリップ情報の格納結果とノイズ情報の格納結果とノイズ解消情報の格納結果を検出する。そして、ステップS69へ移行し、アンテナ51を駆動することに基づいて運転情報の検出結果〜ノイズ解消情報の検出結果をR/W装置3に送信する。
【0062】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
R/W装置3からICタグ2に通信用電波が発振されたときにはICタグ2からインバータ装置1にノイズ情報を送信し、インバータ装置1がモータ22の運転中にノイズ情報を受信したときにはゲートブロック信号および電源遮断信号を出力する構成とした。このため、インバータ装置1がR/W装置3の使用時に自動的に停止するようになるので、R/W装置3から発振される通信用電波の影響で誤動作することを防止できる。しかも、デジタルカメラ等の周辺機器からノイズが放出されたときにはICタグ2からインバータ装置1にノイズ情報を送信し、インバータ装置1がモータ22の運転中にノイズ情報を受信したときにはゲートブロック信号および電源遮断信号を出力する構成とした。このため、インバータ装置1が周辺機器からのノイズで自動的に停止するようになるので、周辺機器から放出されるノイズの影響で誤動作することも防止できる。
【0063】
インバータ装置1がモータ22の運転停止中にノイズ情報を受信したときにはRUNキー29を操作無効状態にする構成とした。このため、R/W装置3の使用状態および周辺機器からノイズが放出されている状態でRUNキー29が操作されてもインバータ装置1が運転開始されないので、この点からもインバータ装置1がノイズの影響で誤動作することを防止できる。
【0064】
インバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいてモータ22を運転停止させ、ICタグ2からのノイズ解消情報を検出することに基づいてモータ22を運転再開する構成としたので、R/W装置3の使用開始および使用終了に連動してモータ22が自動的に運転停止および運転再開するようになる。このため、使用者がR/W装置3の使用開始および使用終了に応じてRUNキー29およびSTOPキー30を操作する煩わしさが解消されるので、利便性が向上する。
【0065】
ICタグ2のEEPROM57に電波情報の取得結果としてノイズ情報およびノイズ解消情報を記録した。このため、R/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいてノイズ情報およびノイズ解消情報を検出することができるので、インバータ装置1のトリップ原因がノイズであるか否かを外部から識別することが可能になり、利便性が向上する。
【0066】
インバータ制御回路15からICタグ2に運転情報およびトリップ情報を送信することに基づいてICタグ2のEEPROM57に運転情報およびトリップ情報を記録した。このため、R/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいて運転情報およびトリップ情報を検出することができるので、利便性が向上する。
【0067】
インバータ装置1の制御電源回路34からICタグ2に駆動電源を供給した。このため、インバータ装置1がトリップした状態であってもR/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいて運転情報・トリップ情報・ノイズ情報・ノイズ解消情報を検出することができるので、利便性が向上する。
【0068】
インバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいて電源遮断信号を出力し、電磁接触器20をトリップさせる構成とした。このため、主電源を遮断する最も確実な保護機能をR/W装置3の使用時に発動させることができるので、インバータ装置1の誤動作防止の確度が高まる。
【0069】
インバータ装置1がICタグ2からのノイズ情報を検出することに基づいて表示信号および鳴動信号を外部に出力し、表示器32およびブザー33を駆動する構成とした。このため、使用者がR/W装置3を使用するときに映像および音の双方で警報が発生するので、R/W装置3の使用に伴うトリップを使用者に報知することができる。
【0070】
上記実施例1においては、ICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電波情報としてノイズ情報およびノイズ解消情報を取得する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電圧値そのものを電波情報として取得し、EEPROM57に記録する構成としても良い。この構成の場合、ICタグ2からインバータ制御回路15に電圧値の検出結果を送信し、インバータ制御回路15が電圧値の受信結果に基づいてノイズの有無を判定し、ノイズの有無の判定結果および電圧値の受信結果の少なくとも一方をEEPROM26に記録するようにすると良い。
【0071】
上記実施例1においては、インバータ装置1の制御電源回路34からICタグ2に電源を供給したが、これに限定されるものではなく、例えばICタグ2に電源としての電池を内蔵したり、ICタグ2をR/W装置3から無線送信される電源のみで駆動しても良い。以下、ICタグ2をR/W装置3から無線送信される電源のみで駆動する本発明の実施例2について説明する。
【実施例2】
【0072】
ICタグ2は、図8に示すように、アンテナ51と電源回路52と電圧検出回路53と情報変換回路54とタグ制御回路55と伝送回路56とEEPROM57を有するものであり、電源回路52が生成する直流電源のみを駆動電源とする。このICタグ2はR/W装置3の使用時だけ駆動するものであり、タグ制御回路55のCPUは駆動時には運転情報の有無を判断せずに図9のステップS53へ移行し、電圧検出回路53からの電圧信号を検出する。そして、ステップS55でノイズ有りと一義的に判定し、ステップS57でEEPROM57にノイズの発生および現在日時を記録し、ステップS58でインバータ制御回路15にノイズ情報を送信する。
【0073】
インバータ制御回路15のCPU23は図10のステップS1へ移行すると、ICタグ2からのノイズ情報の有無を判断する。ここでノイズ情報が有ることを検出したときにはステップS2でノイズフラグをオンし、ノイズ情報がないことを検出したときにはステップS4でノイズフラグをオフする。即ち、R/W装置3の使用状態でRUNキー29が操作されたときにはステップS6でノイズフラグのオンが検出されることに基づいてインバータ装置1が停止状態に保持され、R/W装置3の非使用状態でRUNキー29が操作されたときにはステップS6でノイズフラグのオフが検出されることに基づいてインバータ装置1が運転開始される。
【0074】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS23でICタグ2からのノイズ情報を受信すると、ステップS24〜ステップ25でモータ22を運転停止する。そして、ステップS26〜ステップS27でトリップの発生を使用者に報知し、ステップS28〜ステップS33でトリップ情報をEEPROM26に記録する。
【0075】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS33からステップS35へ移行すると、トリップ原因の検出結果をノイズと比較する。この場合にはトリップ原因がノイズであると判断し、ステップS38でICタグ2からのノイズ情報の有無を判断する。例えばR/W装置3の発振動作が停止したときにはICタグ2が駆動停止し、ICタグ2からのノイズ情報が消滅する。この場合、インバータ制御回路15のCPU23はステップS38でICタグ2からのノイズ情報が消滅したと判断し、ステップS37でモータ22の運転を再開する。即ち、インバータ装置1はR/W装置3の使用開始および使用停止に連動して自動的にモータ22を運転停止および運転再開するものである。
【0076】
インバータ制御回路15のCPU23は図10のステップS13で操作パネル27からの停止指令を検出したときにはステップS16〜ステップS20を実行し、EEPROM26に運転情報を記録する。また、ステップS22で内部的なトリップ原因を検出したときにはステップS28〜ステップS33を実行することに基づいてEEPROM26にトリップ情報を記録する。即ち、インバータ装置1は運転情報の取得結果およびトリップ情報の取得結果をICタグ2に送信せず、EEPROM26に格納する。従って、ICタグ2のEEPROM57には自ら取得したノイズ情報だけが格納され、タグ制御回路55のCPUは図9のステップS67でR/W装置3からのデータ要求信号を受信したときにはステップS68でEEPROM57からノイズ情報を検出し、ステップS69でR/W装置3にノイズ情報を送信する。
【0077】
上記実施例2によれば、R/W装置3から発振される通信用電波をICタグ2で整流し、ICタグ2の駆動電源をインバータ装置1とは別経路で得る構成とした。このため、インバータ装置1の主電源が無効化された状態および遮断された状態であってもR/W装置3からICタグ2にデータ要求信号を送信することに基づいてノイズ情報を検出することができるので、利便性が向上する。
【0078】
上記実施例2においては、ICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電波情報としてノイズ情報を取得する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばICタグ2が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいて電圧値そのものを電波情報として取得し、EEPROM57に記録する構成としても良い。この構成の場合、ICタグ2からインバータ制御回路15に電圧値の検出結果を送信し、インバータ制御回路15が電圧値の受信結果に基づいてノイズの有無を判定し、ノイズの有無の判定結果および電圧値の受信結果の少なくとも一方をEEPROM26に記録するようにすると良い。
【0079】
上記実施例1〜実施例2においては、ICタグ2がノイズ検出処理を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばインバータ制御回路15がノイズ検出処理を行う構成としても良い。以下、ノイズ検出機能をインバータ制御回路15に分担した本発明の実施例3について説明する。
【実施例3】
【0080】
ICタグ2は、図11に示すように、アンテナ51と電源回路52と電圧検出回路53と情報変換回路54を有するものであり、電圧検出回路53および情報変換回路54はインバータ制御回路15に有線で接続されている。このICタグ2はインバータ装置1の制御電源回路34が生成するタグ電源に基づいて駆動するものであり、インバータ制御回路15のCPU23は図12のステップS39で電圧検出回路53からの電圧信号を検出し、ステップS40で電圧信号の検出結果をROM24に予め記録されたノイズ判定値と比較する。ここで電圧信号の検出結果がノイズ判定値より大きいことを検出したときにはステップS2でノイズフラグをオンし、電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出したときにはステップS4でノイズフラグをオフする。即ち、RUNキー29はR/W装置3の非使用時に有効化され、R/W装置3の使用時に無効化される。
【0081】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS22で内部的なトリップ原因が存在しないことを検出すると、ステップS41で電圧検出回路53からの電圧信号を検出し、ステップS42で電圧信号の検出結果をノイズ判定値と比較する。ここで電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出したときにはステップS43でノイズ無しと判定し、電圧信号の検出結果がノイズ判定値より大きいことを検出したときにはステップS44でノイズ有りと判定する。即ち、インバータ制御回路15はアンテナ51の受信結果に基づいて電波情報を取得する電波情報取得手段に相当するものである。
【0082】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS44でノイズ有りと判定すると、ステップS24〜ステップS25でモータ22を運転停止する。そして、ステップS26〜ステップS27でトリップの発生を使用者に報知し、ステップS28〜ステップS33でトリップ情報をEEPROM26に記録する。このインバータ制御回路15のCPU23は無線通信機能を有しており、情報変換回路54の復調結果に基づいてR/W装置3からのデータ要求信号を検出したときにはEEPROM26から運転情報の格納結果およびトリップ情報の格納結果を検出し、ICタグ2のアンテナ51から運転情報の検出結果およびトリップ情報の検出結果をR/W装置3に送信する。尚、インバータ制御回路15は電波情報送信手段および管理情報送信手段に相当するものであり、EEPROM26は電波情報記録手段および管理情報記録手段に相当するものである。
【0083】
インバータ制御回路15のCPU23はステップS35でトリップ原因がノイズであることを検出すると、ステップS45で電圧検出回路53からの電圧信号を検出し、ステップS46で電圧信号の検出結果をノイズ判定値と比較する。ここで電圧信号の検出結果がノイズ判定値以下であることを検出したときにはステップS37へ移行し、主電源を投入することに基づいてモータ22の運転を再開する。即ち、インバータ装置1はR/W装置3の使用開始および使用停止に連動して自動的に運転停止および運転再開するものである。
【0084】
上記実施例1〜実施例3においては、インバータ制御回路15が表示器32にトリップ原因を表示することに基づいてトリップの発生を映像で報知し、ブザー33を鳴動させることに基づいてトリップの発生を音で報知する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばLED等の光源を発光させることに基づいてトリップの発生を光で報知する構成としても良い。
【0085】
上記実施例1〜実施例3においては、インバータ装置1としてモータ22を駆動制御するものを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば照明器具の光源を駆動制御するものであっても良い。
【0086】
上記実施例1〜実施例3においては、ICタグ2をインバータケース11の表面に固定したが、これに限定されるものではなく、例えばインバータケース11の内部に収納しても良い。この場合、インバータケース11に窓部を設け、ICタグ2のアンテナ51が窓部を介して電波の送受信を行う構成にすると良い。
【0087】
上記実施例1〜実施例3においては、タグ制御回路55またはインバータ制御回路15が電圧検出回路53からの電圧信号に基づいてノイズの有無を判定する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば電波の強度を検出する構成としても良い。
【0088】
上記実施例1〜実施例3においては、R/W装置3の使用時にインバータ装置1を運転停止およびトリップさせる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば運転停止またはトリップさせる構成としても良い。
【0089】
上記実施例1〜実施例3においては、ICタグ2のアンテナ51と電源回路52との間に電気的なフィルタを介在し、特定周波数帯域の電波だけをフィルタを通して電源回路52に供給する構成としても良い。この構成の場合、フィルタを通して電源回路52に供給される特定周波数帯域の電波だけに基づいてノイズの検出処理が行われる。
【符号の説明】
【0090】
1はインバータ装置(電子機器)、2はICタグ(無線通信装置)、3はR/W装置(無線通信機器)、15はインバータ制御回路(運転制御手段,電力供給遮断手段,外部信号出力手段,電波情報送信手段,管理情報送信手段)、22はモータ(負荷)、26はEEPROM(電波情報記録手段,管理情報記録手段)、51はアンテナ、52は電源回路(電源生成手段)、53は電圧検出回路(信号出力手段)、55はタグ制御回路(電波情報送信手段,管理情報検出手段,管理情報送信手段)、57はEEPROM(電波情報記録手段,管理情報記録手段)を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置を備えたインバータ装置であって、
前記無線通信装置は、
電波を受信可能なアンテナと、
前記アンテナの受信状態に基づく電力信号を出力する信号出力手段と、
前記アンテナが受信する電波信号に基づいて電源を生成する電源生成手段と、
外部の無線通信機器から送信される電波信号を前記アンテナを通して受信することに基づいて電波情報を記録する電波情報記録手段と、
前記電波情報記録手段の記録結果を前記アンテナを通して外部の無線通信機器に送信する電波情報送信手段と、
を備え、
前記電力信号に基づいた電波情報に基づいて、前記外部の無線通信機器から前記無線通信装置に対して通信用電波が発振されたと判断した際に負荷の運転内容を制御する運転制御手段を備えたことを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記電力信号に基づいた電波情報に基づいて負荷への電力供給を遮断する電力供給遮断手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記電力信号に基づいた電波情報に基づいて出力信号を外部に出力する外部信号出力手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装置。
【請求項1】
無線通信装置を備えたインバータ装置であって、
前記無線通信装置は、
電波を受信可能なアンテナと、
前記アンテナの受信状態に基づく電力信号を出力する信号出力手段と、
前記アンテナが受信する電波信号に基づいて電源を生成する電源生成手段と、
外部の無線通信機器から送信される電波信号を前記アンテナを通して受信することに基づいて電波情報を記録する電波情報記録手段と、
前記電波情報記録手段の記録結果を前記アンテナを通して外部の無線通信機器に送信する電波情報送信手段と、
を備え、
前記電力信号に基づいた電波情報に基づいて、前記外部の無線通信機器から前記無線通信装置に対して通信用電波が発振されたと判断した際に負荷の運転内容を制御する運転制御手段を備えたことを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記電力信号に基づいた電波情報に基づいて負荷への電力供給を遮断する電力供給遮断手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記電力信号に基づいた電波情報に基づいて出力信号を外部に出力する外部信号出力手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−72187(P2011−72187A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233296(P2010−233296)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【分割の表示】特願2004−364457(P2004−364457)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(302038844)東芝シュネデール・インバータ株式会社 (78)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【分割の表示】特願2004−364457(P2004−364457)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(302038844)東芝シュネデール・インバータ株式会社 (78)
【Fターム(参考)】
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