説明

ウエハ処理のためのチャンバおよび方法

【課題】
【解決手段】チャンバ内の流体の流れと流体の圧力とを可変に制御することを可能にするチャンバが提供されている。そのチャンバは、チャンバ内の内部容器内の流体の流れと流体の圧力とを制御するよう構成可能である着脱可能なプレートを用いる。また、着脱可能なプレートは、チャンバ内の内部容器をチャンバ内の外部容器と分離するために用いられてもよい。さらに、そのチャンバで用いるためのウエハ固定装置が提供されている。ウエハ固定装置は、ウエハの上面と下面との間の圧力差を用いて、ウエハ下面に接触するウエハ支持構造に向かってウエハを引っ張ることにより、動かない状態にウエハを固定して維持する。さらに、高圧チャンバの構成が提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体ウエハ処理に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造では、半導体ウエハ(「ウエハ」または「基板」)の表面を洗浄して、化学薬品および粒子による汚染を除去する必要がある。汚染が除去されないと、ウエハ上の半導体素子の性能が低下したり欠陥が生じたりする場合がある。粒子汚染は、一般に、ウエハの表面に付着する親和性を有する少量の明確に定義された物質からなる。粒子汚染の例としては、特に、シリコンダスト、シリカ、スラリ残留物、ポリマ残留物、金属片、空気中のちり、プラスチック粒子、およびケイ酸塩粒子など、有機および無機の残留物が挙げられる。
【0003】
ウエハ洗浄処理は、一般に、ウエハの表面に流体を供給することにより実行される。一部の例では、流体は、密閉されたチャンバ内でウエハに供給される。流体をウエハに供給する方法は、ウエハ洗浄処理の効果に影響しうる。例えば、ウエハの表面における特定の流体の流れのパターンが、良好な洗浄結果を実現することがある。さらに、ウエハの表面にわたって作用された特定の流体の圧力が、良好な洗浄結果を実現することがある。従来、ウエハの表面にわたって、異なる流体の流れのパターンおよび流体の圧力を実現するためには、異なるウエハ洗浄チャンバが必要であった。様々なウエハ洗浄処理の要件を満たすために、異なるウエハ洗浄チャンバを準備する必要があるため、ウエハ処理の全体的なコストおよび実施に関して、問題が生じうる。さらに、高い流体圧力を用いる必要のあるウエハ洗浄処理は、一般に、高圧に耐えるために、大型のウエハ洗浄チャンバを用いる必要がある。ウエハ洗浄チャンバが大きくなると、全体のウエハ処理コストも増大する。
【0004】
以上の点から、異なるウエハ洗浄処理の要求を満たすのに求められる通りの流体の圧力と流体の流れのパターンとの可変制御を実現するウエハ洗浄チャンバが求められている。そのウエハ洗浄チャンバは、さらに、異なるサイズのウエハを収容できることが好ましい。さらに、ウエハ洗浄チャンバは、最小限の全体サイズを実現しつつ、高圧に耐えることができることが好ましい。
【0005】
チャンバの設計における重要な点は、チャンバ内にウエハを保持すなわち固定する方法である。ウエハは、ウエハの浮き上がりや移動を防止するために、チャンバ内にしっかりと保持されることが好ましい。浮き上がりや移動が生じると、ウエハの損傷の危険性が大きくなる。さらに、ウエハの浮き上がりにより、ウエハの背面は、チャンバ内の洗浄流体および副産物に曝されることが多くなる。ウエハの背面が洗浄流体および副産物に曝されると、汚染が増大し、洗浄が困難になる場合がある。したがって、処理中には、チャンバ以内のウエハをしっかりと保持することが重要である。
【0006】
チャンバ内でウエハを固定する1つの従来の方法は、ウエハの上面と接触させてウエハをクランプで固定する工程を含む。ウエハ上面と接触させてクランプを用いると、クランプとウエハとの境界で損傷が生じる可能性がある。チャンバ内でウエハを固定する別の従来の方法は、ウエハを支持体に向かって引き下げる静電チャックを用いる工程を含む。静電チャックを用いると、チャンバ設計が複雑になることがある。例えば、チャンバが、圧力境界を有するよう設計された場合には、静電チャックに関連する装置(例えば、電源)は、その圧力境界の完全性の保持と両立できる必要がある。チャンバ内にウエハを固定するための従来の方法は、特に、チャンバが圧力境界を有する場合に、ウエハの損傷および実装の複雑さに関する問題を引き起こしうる。ウエハの完全性を確保しつつチャンバ設計を簡単にするためには、ウエハ上面に接触するクランプも静電チャックも用いることなしにチャンバ内にウエハを固定することが好ましい。
【0007】
以上の点から、ウエハ処理中に、チャンバ内にウエハを効果的に固定するウエハ固定装置が求められている。ウエハ固定装置は、ウエハ上面に接触することなく、チャンバ設計の複雑さの増大を最小限に抑えて実装されることが好ましい。
【0008】
しばしば、ウエハ処理動作は、高圧の条件下で実行される必要がある。ウエハ洗浄処理の例では、一部のウエハ洗浄処理は、ウエハ表面を超臨界流体に曝す工程を含む。かかる処理では、超臨界流体の超臨界状態を維持するために、ウエハ処理容器内で高圧を実現する必要がある。したがって、ウエハ処理動作に必要な高圧を維持するためのウエハ処理モジュール(すなわち、チャンバ)が必要である。
【0009】
以上の点から、より低圧のウエハ搬送モジュールと安全に結合できる高圧ウエハ処理モジュールが求められている。高圧ウエハ処理モジュールは、超臨界流体洗浄などの高圧ウエハ処理に対応できることが好ましい。
【発明の開示】
【0010】
一実施形態では、ウエハ洗浄チャンバが開示されている。ウエハ洗浄チャンバは、複数の支持面を有する下側支持体を備える。下側支持体は、複数の支持面の間に存在する第1の容器を含む。ウエハ洗浄チャンバは、さらに、下側支持体の複数の支持面によって支持されたプレートを備える。プレートは、下側支持体の第1の容器の上に位置する。また、プレートは、ウエハを受け入れて支持するための複数のウエハ支持面を有する。プレートの複数のウエハ支持面の間には、第2の容器が存在する。さらに、プレートの周囲には、流体の流れを導入するための流入口および流出口が配置されている。流入口および流出口は、ウエハを受け入れる位置の外側に配置されている。ウエハ洗浄チャンバは、さらに、プレートの上に位置する上側支持体を備える。上側支持体は、プレートの周囲の外側の位置で下側支持体と接している。上側支持体の中の第3の容器は、プレートによって支持されるウエハの上に位置する。第3の容器は、流体の流れを収容できる。流体の流れは、プレートの流入口および流出口によって、設定された構成で導入されてよい。また、第3の容器は、第1の容器および第2の容器と、限定的な流体の連通を有する。
【0011】
別の実施形態では、ウエハ処理装置が開示されている。ウエハ処理装置は、上側部分と下側部分とを有するチャンバを備える。チャンバの下側部分に設けられた第1の容器内には、支持構造が分布されている。また、チャンバの上側部分に設けられた第2の容器内には、さらなる支持構造が分布されている。ウエハ処理装置は、さらに、チャンバの下側部分の支持構造上に配置されるよう構成された下側プレートを備える。支持構造上に配置されると、下側プレートは、チャンバの下側部分の第1の容器の上に位置する。下側プレートは、下側プレート内に設けられた第3の容器内に分布された複数のウエハ支持構造を備える。複数のウエハ支持構造は、ウエハを支持することができる。ウエハがウエハ支持構造の上に配置されると、ウエハは、下側プレート内の第3の容器の上に位置する。ウエハ処理装置は、さらに、チャンバの上側部分の支持構造に取り付けられるよう構成された上側プレートを備える。上側プレートは、支持構造に取り付けられると、チャンバの上側部分内に設けられた第2の容器の下に位置する。上側プレートは、上側プレートと、下側プレートによって支持されるウエハとの間に存在する第4の容器の上側の境界として機能する。第4の容器は、流体を含むことができる。また、第4の容器は、第1の容器、第2の容器、および第3の容器と、限定的な流体の連通を有する。
【0012】
別の実施形態では、ウエハ処理チャンバの製造方法が開示されている。その方法は、下側支持プレートを形成する工程を備えており、下側支持プレートは、下側支持プレート内に設けられた第1の容器内に分布された支持面を有する。第1の容器は、第1の流体流入口と、第1の流体流出口とを有するよう設けられる。その方法は、さらに、ウエハ支持プレートを形成する工程を備えており、ウエハ支持プレートは、ウエハ支持プレート内に設けられた第2の容器内に分布されたウエハ支持面を有する。ウエハ支持面は、ウエハを受け入れるよう構成される。受け入れられると、ウエハは、ウエハ支持プレート内に設けられた第2の容器に対する上側の境界を形成する。第2の容器は、第2の流体流入口と、第2の流体流出口とを有するよう設けられる。さらに、ウエハ支持プレートの周囲、かつ、ウエハを受け入れる位置の外側に、流体流入口および流体流出口が設けられる。その方法は、さらに、ウエハ支持プレートを下側支持プレートに固定する工程を備える。固定されると、ウエハ支持プレートは、下側支持プレートの第1の容器内に分布された支持面によって支持される。また、ウエハ支持プレートは、下側プレート内に設けられた第1の容器に対する上側の境界として機能する。その方法は、さらに、上側支持プレートを形成する工程を備えており、上側支持プレートは、ウエハ支持プレートのウエハ支持面によって受け入れられるウエハの上に位置するよう構成された第3の容器を含む。その方法は、さらに、上側支持プレートを下側支持プレートに固定して、上側支持プレート内に設けられた第3の容器を外部環境から隔離する工程を備える。第3の容器を外部環境から隔離することは、上側支持プレートと下側支持プレートとの間に配置されたシールによって実現される。
【0013】
別の実施形態では、ウエハ洗浄処理を実行するための方法が開示されている。その方法は、ウエハ洗浄処理を実行できるチャンバを準備する工程を備える。チャンバは、洗浄されるウエハの上に位置するよう構成された第1の容器を備える。そのチャンバは、さらに、ウエハを支持するよう構成されたプレートを備える。プレート内には、ウエハの真下に第2の容器が設けられている。チャンバには、さらに、プレートを支持するための支持構造が設けられている。支持構造は、プレートの真下に位置する第3の容器を備える。その方法は、さらに、第2の容器よりも高い圧力を有するように第1の容器を加圧する工程を備える。その方法は、さらに、第3の容器よりも高い圧力を有するように第2の容器を加圧する工程を備える。第3の容器は、第2の容器とチャンバ外部の環境との間の圧力を有するよう加圧される。また、その方法では、洗浄されるウエハの上に位置する第1の容器に流体が供給される。流体は、ウエハ洗浄処理を実現するように構成される。
【0014】
別の実施形態では、ウエハ固定装置が開示されている。ウエハ固定装置は、複数のウエハ支持面を有するウエハ支持構造を備える。ウエハ支持構造には、複数のウエハ支持面の間に下側容器が設けられている。下側容器は、複数のウエハ支持面の上に配置されるウエハの下に存在する。ウエハ固定装置は、さらに、複数のウエハ支持面の上に配置されるウエハの上に設けられた上側容器を備える。排気手段は、下側容器を減圧するよう構成されている。下側容器を減圧することにより、上側容器の圧力は、下側容器の圧力よりも高くなる。下側容器の圧力が低いことにより、ウエハは、複数のウエハ支持面の上に配置されたままとなる。
【0015】
別の実施形態では、ウエハ処理チャンバが開示されている。ウエハ処理チャンバは、ウエハを受け入れるよう構成された下側プレートを備える。下側プレートは、ウエハの下に位置するよう構成された容器内に分散された複数のウエハ支持構造を有する。ウエハ処理チャンバは、さらに、下側プレートの上に位置する上側プレートを備える。上側プレートは、下側プレートによって受け入れられるウエハの上に位置するよう構成された上方容器を有する。さらに、上方容器に流体を供給するための流入口が設けられている。流入口から供給された流体は、上方容器を加圧することができる。また、流体は、下側プレートと、下側プレートによって受け入れられるウエハとの間を移動することにより下方容器に入ることができる。ウエハ処理チャンバは、さらに、下方容器内の圧力を制御するための流出口を備える。流出口は、下方容器の圧力が上方容器の圧力よりも低くなるように制御されることが可能である。下側容器の圧力が低いことにより、ウエハは、下側プレートに向かって押しつけられる。
【0016】
別の実施形態では、圧力制御によりウエハを固定するための方法が開示されている。その方法では、ウエハ支持体の上にウエハが配置される。その方法は、さらに、ウエハの上側の圧力よりも低くなるようにウエハの下側の圧力を低減する工程を備える。ウエハの下側の低減された圧力は、ウエハをウエハ支持体に向かって保持するよう作用する。
【0017】
別の実施形態では、ウエハ処理チャンバが開示されている。ウエハ処理チャンバは、動かない状態に固定された上側部分を備える。上側部分は、ウエハを受け入れるための通路と、下端開口部とを備える。さらに、ウエハ処理チャンバには、上側部分の下端開口部を通って移動される下側部分が備えられている。したがって、下側部分は、移動機構に結合されている。ウエハ処理チャンバは、さらに、第1のシールと第2のシールとを備える。第1のシールは、上側部分の下端開口部内で下側部分と上側部分との間に配置される。第2のシールは、下側部分の上面に配置される。第2のシールは、上側部分と下側部分の両方に接触することで有効に作用するよう構成されている。第2のシールは、上側部分と下側部分の両方に接触した際に、ウエハ処理容器の周囲を囲む。
【0018】
別の実施形態では、ウエハ処理チャンバの変形例が開示されている。ウエハ処理チャンバは、動かない状態に固定された下側部分を備える。下側部分は、ウエハを受け入れるための通路と、上端開口部とを備える。さらに、ウエハ処理チャンバには、下側部分の上端開口部を通って移動される上側部分が備えられている。したがって、上側部分は、移動機構に結合されている。ウエハ処理チャンバは、さらに、第1のシールと第2のシールとを備える。第1のシールは、下側部分の上端開口部内で上側部分と下側部分との間に配置される。第2のシールは、下側部分の上面の上、かつ、下側部分の上端開口部内に配置される。第2のシールは、下側部分と上側部分の両方に接触することで有効に作用するよう構成されている。第2のシールは、下側部分と上側部分の両方に接触した際に、ウエハ処理容器の周囲を囲む。
【0019】
別の実施形態では、ウエハ処理チャンバの製造方法が開示されている。その方法は、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分とを準備する工程を備える。チャンバの上側部分およびチャンバの下側部分は、互いに可動であるよう構成される。その方法は、さらに、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分との間に、第1のシールを設ける工程を備える。第1のシールは、チャンバの外部容器を外部環境から隔離するよう機能する。さらに、その方法では、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分との間に、第2のシールが設けられる。第2のシールは、ウエハ処理容器の周囲を囲むよう構成される。また、第2のシールは、ウエハ処理容器をチャンバの外部容器から隔離するよう機能する。第2のシールは、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分の両方に接触することで有効に作用する。
【0020】
本発明のその他の態様および利点については、本発明を例示した添付図面との関連で行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の一実施形態では、チャンバ内の流体の流れと流体の圧力とを可変に制御することを可能にするチャンバが提供されている。より具体的には、本実施形態では、チャンバは、チャンバ内の内部容器内の流体の流れと流体の圧力とを制御するよう構成可能である着脱可能なプレートを用いる。また、着脱可能なプレートは、チャンバ内の内部容器をチャンバ内の外部容器と分離するために用いられてもよい。このように、着脱可能なプレートは、チャンバ内の内部容器とチャンバ内の外部容器との間に圧力差を形成するために用いられてよい。チャンバ内の外部容器の圧力が比較的低ければ、その低い圧力に耐えるために必要な外部チャンバの強度は比較的低くて済む。外部チャンバの強度の要求が低いことにより、チャンバのサイズは全体的に縮小される。
【0022】
本発明の別の実施形態は、ウエハ処理中に、チャンバ内にウエハを固定することができるウエハ固定装置を提供している。より具体的には、ウエハ固定装置は、ウエハの上面と下面との間に圧力差を形成する。圧力差が、ウエハ下面と接触するウエハ支持構造に向かってウエハを引っ張ることにより、ウエハは、動かない状態に固定され維持される。ウエハ固定装置がウエハの上面と下面との間の圧力差を制御する方法には、いくつかの選択肢がある。1つの方法は、ウエハの上方の圧力とウエハの下方の圧力の両方を能動的かつ独立的に制御することである。別の方法は、ウエハの上方の圧力を能動的に制御しつつウエハの下方の圧力を排気によって低減することであり、その排気は、受動的あるいは能動的に制御可能である。ウエハ固定装置は、ウエハ上面に接触することなく、チャンバ設計の複雑さの増大を最小限に抑えて実装される。
【0023】
さらに別の実施形態では、高圧ウエハ処理を実行するためのウエハ処理チャンバが提供されている。より具体的には、その高圧ウエハ処理チャンバ構成は、ウエハ処理容器と、外部チャンバ容器とを組み込んでいる。ウエハ処理容器は、高圧を含むよう構成される。外部チャンバ容器は、ウエハ処理容器の高圧と、ウエハ処理容器の外部環境のより低い圧力との間の緩衝手段として機能するよう構成される。したがって、外部チャンバ容器は、より高圧のウエハ処理容器と、より低圧の外部環境との間の圧力差を制御できる。このように、ウエハ処理チャンバは、高圧ウエハ処理容器を組み込んでおり、大気圧または減圧条件下で動作する従来のウエハ搬送モジュールと結合することができる。
【0024】
以下の説明では、本発明の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者には明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てを特定しなくても実施することが可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の説明は省略した。
【0025】
可変構成チャンバ
図1は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバ(「チャンバ」)1001を示す垂直断面図である。一実施形態では、チャンバ1001は、ウエハ洗浄チャンバとして機能することができる。チャンバ1001は、複数の支持面1021を有する下側支持プレート1011を備える。支持面1021は、下側支持プレート1011の上部に設けられた中間容器1131内に分布されている。支持面1021は、ほぼ一様に不連続な位置で下側プレート1091を支持することができる。支持面1021の数および位置は、下側プレート1091の両側の間の圧力差によって決まる。支持面1021上に配置されると、下側プレート1091は、中間容器1131に対する上側の境界として機能する。
【0026】
下側プレート1091は、複数のボルト1111によって下側支持プレート1011に固定されてよい。下側プレート1091は、チャンバ1001内に配置されるウエハ1171に対してほぼ一様な支持を提供するように分布された複数のウエハ支持面1101を備える。下側プレート1091は、チャンバが、異なるサイズ(例えば、直径200mm、直径300mmなど)のウエハを処理することを可能にするようなサイズであってよい。複数のウエハ支持面1101は、下側容器1151を形成するために離れている。下側容器1151は、下側プレート1091上に配置されるウエハ1171の下に位置する。したがって、ウエハ1171に関して、下側容器1151は、下方容器1151とも呼ばれる。
【0027】
チャンバ1001は、さらに、下側支持プレート1011の上部と結合するよう構成された上側支持プレート1031を備える。上側支持プレート1031は、ウエハ処理容器1191を備える。ウエハ処理容器1191は、上側支持プレート1031が下側支持プレート1011に取り付けられた時にウエハ1171の上に位置するように、構成されている。ウエハ1171がチャンバ1001内に存在する場合には、ウエハ1171の上面は、ウエハ処理容器1191に曝される。したがって、ウエハ1171に関して、ウエハ処理容器1191は、上方容器1191とも呼ばれる。
【0028】
上側支持プレート1031と下側支持プレート1011とが接触する周囲の位置における上側支持プレート1031と下側支持プレート1011との間に、シール1071が配置される。シール1071は、ウエハ処理容器1191の周囲にわたって配置され、ウエハ処理容器1191を外部環境から隔離する機能を有する。シール1071を有効にするために、上側支持プレート1031と下側支持プレート1011とは、シール1071の周囲の外側に配置された複数のボルト1051によって締め付けられる。一部のウエハ処理は、極度の高圧で実行される必要がある。したがって、上側支持プレート1031、下側支持プレート1011、およびボルト1051は、ウエハ処理容器1191内で生じうる圧力に耐えるのに十分な強度を提供する。
【0029】
さらに、一部のウエハ処理は、特定の温度で実行される必要がある。ウエハ処理容器1191内の温度制御を実現するために、上側支持プレート1031および下側支持プレート1011内に、温度制御装置を配置してもよい。一実施形態では、温度制御装置は、熱交換流体の流路を備えてよい。別の実施形態では、温度制御装置は、電気加熱素子を備えてよい。いずれの実施形態でも、上側支持プレート1031、下側支持プレート1011、および下側プレート1091を介しての伝導により、温度制御装置からウエハ処理容器1191に熱を移動させる伝達機構が提供される。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に従って、図1に示したチャンバ1001の中央部分を示す拡大図である。その拡大図は、上側支持プレート1031と、ウエハ処理容器1191と、ウエハ1171と、下方容器1151と、下側プレート1091と、中間容器1131と、下側支持プレート1011とを含むチャンバ1001の半分の垂直断面図である。
【0031】
図1を参照して説明したように、下側プレート1091は、ウエハ処理中にウエハ1171が固定されるウエハ支持面1101を提供することによりウエハ1171を支持するよう機能する。各ウエハ支持面1101は、個々の支持構造の一部である。ウエハ支持面1101に対応する個々の支持構造は、下方容器1151にわたってほぼ一様に分布される。したがって、下方容器1151は、ウエハ支持面1101に対応する個々の支持構造の間、かつ、ウエハ1171の下側に存在する。下方容器1151内に流体を導入するための流入口2071が設けられている。下方容器1151から流体を除去するための流出口2051が設けられている。別の実施形態では、流入口2071および流出口2051は、下側プレート1091内の他の位置に配置されてもよい。さらに、ウエハ処理容器1191に対して流体の導入および除去を行うために、複数の流入口/流出口2091が下側プレート1091内に設けられている。
【0032】
図1を参照して説明したように、下側支持プレート1011は、ウエハ処理中に下側プレート1091が固定される支持面1021を提供することにより下側プレート1091を支持するよう機能する。各支持面1021は、個々の支持構造の一部である。支持面1021に対応する個々の支持構造は、中間容器1131にわたってほぼ一様に分布される。したがって、中間容器1131は、支持面1021に対応する個々の支持構造の間、かつ、下側プレート1091の下側に存在する。中間容器1131内に流体を導入するための流入口2011が設けられている。中間容器1131から流体を除去するための流出口2031が設けられている。別の実施形態では、流入口2011および流出口2031は、下側支持プレート1011内の他の位置に配置されてもよい。
【0033】
ウエハ処理容器1191は、上側支持プレート1031が、下側支持プレート1011に取り付けられた時にウエハ1171の上に位置するよう上側支持プレート1031内に形成されている。ウエハ1171は、ウエハ処理中に下側プレート1091に対して密閉されていないので、ウエハ処理容器1191と下方容器1151との間では、ウエハ1171の周辺の限定的な流体通路2111を通して流体が行き来する。限定定な流体通路2111は、本質的に、ウエハ1171と、下側プレート1091の周囲のウエハ支持面1101との間の領域である。
【0034】
動作中、ウエハ処理容器1191の圧力は、下方容器1151の圧力よりも高いレベルに維持されるため、ウエハ1171の上方と下方との間で圧力差が形成される。圧力差は、ウエハ1171をウエハ支持面1101に固定するのに十分な力で、ウエハ1171を下側プレート1091に向かって押すように作用する。ウエハ処理容器1191内の圧力は、下方容器1151内の圧力よりも高いので、一部の流体は、ウエハ処理容器1191から限定的な流体通路2111を通って下方容器1151に到達する。流出口2051は、必要に応じて、下方容器1151から流体を除去するために用いることができる。
【0035】
ウエハ処理容器1191、下方容器1151、およびウエハ支持面1101の寸法は、実行されるウエハ処理の要件(例えば、圧力、流体の流速、流体の組成など)によって変更されてよい。一実施形態では、上側支持プレート1031とウエハ1171の上面との間の距離D1は、約0.04インチである。本明細書で用いているように、用語「約」は、特定の値の±10%以内を意味する。しかしながら、別の実施形態では、異なる値のD1を用いてもよい。一実施形態では、ウエハ1171と下側プレート1091との間の下方容器1151の深さD2は、約0.005インチから約0.04インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、深さD2は、約0.02インチである。一実施形態では、ウエハ1171と周辺のウエハ支持面1101との間の重なりの距離D3は、約0.1インチから約0.5インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、重なりの距離D3は、約0.25インチである。重なりの距離D3は、限定的な流体通路2111を通して、ウエハ処理容器1191と下方容器1151との間の圧力低下を確立する主要な要因である。一実施形態では、ウエハ配置許容誤差D4(すなわち、ウエハ1171の縁部と下側プレート1091内のウエハポケットの周囲との間のわずかな距離)は、約0.025インチから約0.1インチの範囲であってよい。ウエハ配置許容誤差D4は、ロボット操作装置の精度によって決定されてよい。
【0036】
ウエハ支持面1101は、ウエハ1171を通して掛かる圧力差に比例した割合だけウエハ1171と接触するよう構成される。圧力差が大きいほど、大きい割合のウエハ1171がウエハ支持面1101と接触する必要がある。一実施形態では、ウエハ支持面1101は、約5%から約80%の範囲の割合のウエハ1171の表面と接触してよい。別の実施形態では、ウエハ支持面1101は、約15%から約25%の範囲の割合のウエハ1171の表面と接触してよい。さらに別の実施形態では、ウエハ支持面1101は、約20%のウエハ1171の表面と接触してよい。約1atmから約1.5atmの範囲の差圧では、ウエハ支持面1101は、約10%までの範囲の割合のウエハ1171の表面と接触してよい。約3atmから約4atmの範囲の差圧では、ウエハ支持面1101は、約50%から約70%までの範囲の割合のウエハ1171の表面と接触してよい。
【0037】
ウエハ支持面1101と接触するウエハ1171の割合(すなわち、ウエハ背面接触面積)を最小化することが好ましい。しかしながら、ウエハ背面接触面積の最小化は、ウエハ処理容器1191と下方容器1151との間に掛かる特定の圧力差に対して十分な支持を提供するように実行されることが好ましい。ウエハ背面接触面積を最小化すると、ウエハ1171の汚染の可能性が低減される。また、ウエハ背面接触面積を最小化すると、ウエハ1171の固定を困難にしうる粒子がウエハ1171とウエハ支持面1101との間に挟まる可能性が低減される。
【0038】
ウエハ処理容器1191、下方容器1151、および中間容器1131の各々の圧力は、各容器に対する流体の導入と除去とを制御することにより独立して制御されてよい。下側プレート1091は、中間容器1131の圧力に対してウエハ処理容器1191の圧力を調節することを可能にする。このように、下側容器1091は、ウエハ処理容器1191内を高圧に維持することを可能にする。別の実施形態では、中間容器1131に過度の圧力が掛けられることにより、中間容器1131からウエハ処理容器1191に流体が導入されてよい。しかしながら、特定の実施形態に関わらず、下側プレート1091の両側の間の圧力差は、下側プレート1091の必要な厚さを決定する。下側プレート1091の両側の圧力差が大きくなるほど、下側プレート1091の厚さが大きい必要がある。下側プレート1091が比較的薄い場合には、ウエハ処理容器1191と中間容器1131との間の圧力差は比較的小さいことが好ましい。
【0039】
外部チャンバ1001の材料の容積とチャンバ1001の全体サイズとを低減するために、下側プレート1091の厚さを最小限に抑えることが好ましい。しかしながら、用いるべき下側プレート1091の厚さと、有効な中間容器1131の最小圧力とを決定する際にはバランスが存在する。下側プレート1091が薄いほど、全体のチャンバ1001のサイズは低減されるが、中間容器1131の圧力が低くなるほど、中間容器1131と外部環境との間の圧力差を低減することにより、より薄い下側支持プレート1011を用いることが可能になる。
【0040】
ウエハ処理容器1191から中間容器1131および外部環境への圧力差を効果的に変化させることで、チャンバ1001のサイズを最適化することができる。したがって、複数のチャンバ内容器を用いることで、より小型のチャンバ1001の設計が可能になる。また、ウエハ処理容器1191のサイズを最小化することで、チャンバのサイズとウエハ処理サイクル時間とを低減することができる。ウエハ処理容器1191が小さいほど、ウエハ処理容器1191内の圧力に耐えるのに必要な材料が少なくなる。さらに、ウエハ処理容器1191が小さくなるほど、ウエハ処理容器1191内の高圧を、ウエハ1171を安全に搬送できる圧力まで下げるのに必要な時間が短くなるため、ウエハ処理サイクル時間が低減される。
【0041】
前述のように、下側プレート1091は、ウエハ処理容器1191に対して流体の導入および除去を行うための複数の流入口/流出口2091を備える。流入口/流出口2091は、下側プレート1091の周囲の近傍、かつ、ウエハ1171を受け入れる位置の外側に配置されている。流入口/流出口2091は、ウエハ1171の上面にわたって、ウエハ処理容器1191を通して流体の流れを制御するよう構成されてよい。異なるウエハ処理の用途に対しては、異なる流体の流れのパターンが良好に働くと考えられる。下側プレート1091の流入口/流出口2091は、ウエハ処理容器1191内に多くの流体の流れのパターンを提供するよう構成されてよい。また、複数の流れのパターンを選択できるように、複数の下側プレート1091を設計および製造することで、特定のウエハ処理に対して適切な流体の流れのパターンを選択することを可能にすることができる。下側プレート1091は、取り替え可能であるため、下側プレート1091以外のチャンバ1001の態様を変更することなく、ウエハ処理容器1191を通しての流体の流れのパターンを変えることができる。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ1171を横切って直線状の流体の流れを提供するよう構成された下側プレート1091を示す上面図である。下側プレート1091は、下側プレート1091の周囲の180度にわたる部分の周りにほぼ一様に分布された複数の流入口209B1を有するよう構成されている。下側プレート1091は、さらに、複数の流入口209B1を含む180度にわたる部分の反対側の下側プレート1091の周囲の180度にわたる部分の周りにほぼ一様に分布された複数の流出口209A1を有するよう構成されている。流体は、複数の流入口209B1を通してウエハ処理容器1191内に導入される。流体は、複数の流出口209A1を通してウエハ処理容器1191から除去される。複数の流入口209B1および複数の流出口209A1の配置により、流体は、矢印301で示すように、ウエハ1171の上面を横切って直線状のパターンで流れる。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ1171を横切って円錐状の流体の流れを提供するよう構成された下側プレート1091を示す上面図である。下側プレート1091は、180度よりも小さい角度にわたる下側プレート1091の周囲の部分の周りにほぼ一様に分布された複数の流入口209B1を有するよう構成されている。下側プレート1091は、さらに、複数の流入口209B1の範囲よりも小さい角度にわたる下側プレート1091の周囲の部分の周りにほぼ一様に分布された複数の流出口209A1を有するよう構成されている。複数の流出口209A1は、複数の流入口209B1の反対側に配置されている。流体は、複数の流入口209B1を通してウエハ処理容器1191内に導入される。流体は、複数の流出口209A1を通してウエハ処理容器1191から除去される。複数の流入口209B1および複数の流出口209A1の配置により、流体は、矢印4011で示すように、ウエハ1171の上面を横切って円錐状のパターンで流れる。円錐状のパターンは、流体の流れが、ウエハ1171の上面にわたって一定の加速度を維持するよう最適化されてよい。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ1171を横切って渦巻状の流体の流れを提供するよう構成された下側プレート1091を示す上面図である。下側プレート1091は、下側プレート1091の周囲の周りにほぼ一様に分布された複数の流入口209B1を有するよう構成されている。流体は、複数の流入口209B1を通してウエハ処理容器1191内に導入される。複数の流入口209B1は、ウエハ1171に関する接線の方向に流体を向けるよう構成されている。複数の流入口209B1の構成により、流体は、矢印5011で示すように、ウエハ1171の上面を横切って渦巻状のパターンで流れる。一実施形態では、流体は、上側支持プレート1031に配置された1または複数の流出口を通してウエハ処理容器1191から除去される。
【0045】
図6は、本発明の一実施形態に従って、上側プレート6011を組み込んだチャンバ1001を示す垂直断面図である。チャンバ1001は、図1を参照して説明したように、下側プレート1091と、下側支持プレート1011と、ボルト1111と、ボルト1051と、シール1071とを備える。しかしながら、図6に示したチャンバ1001の実施形態は、異なる上側支持プレート103A1を備えている。
【0046】
上側支持プレート103A1は、下側支持プレート1011の上部と結合するよう構成されている。上側支持プレート103A1は、複数の支持面6021を備える。支持面6021は、上側支持プレート103A1の下部に設けられた中間容器6051内に分布されている。支持面6021は、ほぼ一様に不連続な位置で上側プレート6011を支持することができる。支持面6021の数および位置は、上側プレート6011の両側の間の圧力差によって決まる。上側プレート6011は、複数のボルト6031によって上側支持プレート103A1に固定されてよい。上側支持プレート103A1に固定されると、上側プレート6011は、中間容器6051に対する下側の境界として機能する。
【0047】
上側支持プレート103A1は、さらに、ウエハ処理容器1191を備える。ウエハ処理容器1191は、上側支持プレート103A1が、下側支持プレート1011に取り付けられた時に、ウエハ1171上に位置するよう構成されている。ウエハ処理容器1191は、さらに、上側プレート6011が、上側支持プレート103A1に固定された時に、上側プレート6011の下に位置するよう構成されている。このように、上側プレート6011は、ウエハ処理容器1191に対する上側の境界として機能する。
【0048】
図7は、本発明の一実施形態に従って、図6に示したチャンバ1001の中央部分を示す拡大図である。その拡大図は、上側支持プレート103A1と、上側プレート6011と、中間容器6051と、ウエハ処理容器1191と、ウエハ1171と、下方容器1151と、下側プレート1091と、中間容器1131と、下側支持プレート1011とを含むチャンバ1001の半分の垂直断面図である。
【0049】
下側プレート1091は、下方容器1151内に分布されたウエハ支持面1101を有すると共に、流入口2071と、流出口2051と、流入口/流出口2091とを備えており、図2を参照して上述したものと同一である。また、下側支持プレート1011は、中間容器1131内に分布された支持面1021を有すると共に、流入口2011と、流出口2031とを備えており、図2を参照して上述したものと同一である。
【0050】
図6を参照して説明したように、上側支持プレート103A1は、ウエハ処理中に上側プレート6011が固定される支持面6021を提供することにより上側プレート6011を支持するよう機能する。各支持面6021は、個々の支持構造の一部である。支持面6021に対応する個々の支持構造は、中間容器6051にわたってほぼ一様に分布される。したがって、中間容器6051は、支持面6021に対応する個々の支持構造の間、かつ、上側プレート6011の上側に存在する。中間容器6051内に流体を導入するための流入口7011が設けられている。中間容器6051から流体を除去するための流出口7031が設けられている。別の実施形態では、流入口7011および流出口7031は、上側支持プレート103A1内の他の位置に配置されてもよい。
【0051】
ウエハ処理容器1191および中間容器6051の各々の圧力は、各容器に対する流体の導入と除去とを制御することにより独立して制御されてよい。上側プレート6011は、中間容器6051の圧力に対してウエハ処理容器1191の圧力を調節することを可能にする。このように、上側容器6011は、ウエハ処理容器1191内を高圧に維持することを可能にする。別の実施形態では、中間容器6051に過度の圧力が掛けられることにより、中間容器6051からウエハ処理容器1191に流体が導入されてよい。しかしながら、特定の実施形態に関わらず、上側プレート6011の両側の間の圧力差は、上側プレート6011の必要な厚さを決定する。上側プレート6011の両側の圧力差が大きくなるほど、上側プレート6011の厚さは大きい必要がある。上側プレート6011が比較的薄い場合には、ウエハ処理容器1191と中間容器6051との間の圧力差は比較的小さいことが好ましい。
【0052】
外部チャンバ1001材料の容積とチャンバ1001の全体サイズとを低減するために、上側プレート6011の厚さを最小限に抑えることが好ましい。しかしながら、用いるべき上側プレート6011の厚さと、有効な中間容器6051の最小圧力とを決定する際にはバランスが存在する。上側プレート6011が薄いほど、全体のチャンバ1001のサイズは低減されるが、中間容器6051の圧力が低くなるほど、中間容器6051と外部環境との間の圧力差を低減することにより、より薄い上側支持プレート103A1を用いることが可能になる。ウエハ処理容器1191から中間容器6051および外部環境への圧力差を効果的に変化させることで、チャンバ1001のサイズを最適化することができる。
【0053】
上側プレート6011は、矢印7071で示すように、ウエハ処理容器1191に対して流体の導入および除去を行うための複数の流入口/流出口7051を備える。流入口/流出口7051は、上側プレート6011にわたって分布されており、ウエハ1171の上面にわたって、ウエハ処理容器1191を通して流体の流れを制御するよう構成されている。上述のように、異なるウエハ処理の用途に対しては、異なる流体の流れのパターンが良好に働くと考えられる。上側プレート6011の流入口/流出口7051は、ウエハ処理容器1191内に数多くの流体の流れのパターンを提供するよう構成されてよい。さらに、上側プレート6011の流入口/流出口7051は、下側プレート1091の流入口/流出口2091と連動して、ウエハ処理容器1191内に流体の流れのパターンを提供するよう構成されてもよい。また、複数の流れのパターンを選択できるように、多くの上側プレート6011を設計および製造することで、特定のウエハ処理に対して適切な流体の流れのパターンを選択することが可能になる。下側プレート1091と同様に、上側プレート6011は取り替え可能であるため、それ以外のチャンバ1001の態様を変更することなく、ウエハ処理容器1191を通しての流体の流れのパターンを変えることができる。
【0054】
図8Aは、本発明の一実施形態に従って、中央での流体の供給と周囲での流体の排出とを実現するよう構成された上側プレート601A1を示す図である。上側プレート601A1は、上側プレート601A1の中央部付近の位置に分布された複数の流入口705A1を備える。一実施形態では、上側プレート601A1は、ウエハ1171の周辺部付近の位置に、上側プレート601A1の周辺部の周りに分布された複数の流出口705B1を備える。別の実施形態では、下側プレート1091は、下側プレート1091の周囲の周りにほぼ一様に分布された複数の流出口209A1を備える。さらに別の実施形態では、上側プレート601A1は、複数の流出口705B1を備え、下側プレート1091は、複数の流出口209A1を備える。いずれの実施形態でも、流体は、複数の流入口705A1を通してウエハ処理容器1191内に導入され、複数の流出口705B1および/または209A1を通してウエハ処理容器1191から除去される。複数の流入口705A1および複数の流出口705B1および/または209A1の構成により、流体は、ウエハ1171の中央領域から周辺領域へ流れる。
【0055】
図8Bは、本発明の一実施形態に従って、上側プレート601A1内の流路の利用を示す図である。流路8011は、複数の流入口705A1に流体を搬送するために設けられている。流路8031は、複数の流出口705B1から流体を搬送するために設けられている。流路を用いて、上側プレート601A1内の異なる流入口および流出口を独立して制御すれば、圧力の均一化と、ウエハ処理容器1191内での流れのパターンの制御が可能になる。さらに、流路を用いると、ウエハ処理容器1191内の流れのパターンを変えたり、ウエハ処理容器1191と中間容器6051との間の圧力差を変化させたりする際の柔軟性が提供される。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態に従って、周囲での流体の供給と中央での流体の排出とを実現するよう構成された上側プレート601B1を示す図である。上側プレート601B1は、上側プレート601B1の中央部付近の位置に分布された複数の流出口705C1を備える。一実施形態では、上側プレート601B1は、ウエハ1171の周辺部付近の位置に、上側プレート601B1の周辺部の周りに分布された複数の流入口705D1を備える。別の実施形態では、下側プレート1091は、下側プレート1091の周囲の周りにほぼ一様に分布された複数の流入口209B1を備える。さらに別の実施形態では、上側プレート601B1は、複数の流入口705D1を備え、下側プレート1091は、複数の流入口209B1を備える。いずれの実施形態でも、流体は、複数の流入口705D1および/または209B1を通してウエハ処理容器1191内に導入され、複数の流出口705C1を通してウエハ処理容器1191から除去される。複数の流入口705D1および/または209B1および複数の流出口705C1の構成により、流体は、ウエハ1171の周辺領域から中央領域へ流れる。
【0057】
図10は、本発明の一実施形態に従って、上側プレート6011における流入口/流出口7051の代表的な分布を示す図である。流入口/流出口7051の数および分布は、ウエハ処理容器1191内で適用される所望の流体の流れのパターンによって決まる。図10に示す流入口/流出口7051の分布は、上側プレート6011における流入口/流出口7051の位置の一例である。特定のウエハ処理動作における流体の流れのパターンの要件を満たすために、他の流入口/流出口7051の数および分布を用いてもよい。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバの製造方法を示すフローチャートである。その方法は、下側支持プレートが形成される動作11A1を備える。一実施形態では、下側支持プレートは、ステンレス鋼から形成される。別の実施形態では、下側支持プレートは、ウエハ処理チャンバ内で実行される処理に適合する他の材料から形成されてもよい。形成は、溶融された材料を鋳型に注ぐか、または、材料のブロックを機械加工することによって実現できる。下側支持プレートは、下側支持プレート内に設けられた第1の容器内に分布された支持面を有するよう形成される。第1の容器は、第1の流体流入口と、第1の流体流出口とを有するよう設けられる。下側支持プレートは、下側支持プレートのそれぞれの側に位置する容器の間に掛かる圧力差に耐えることができる。
【0059】
その方法は、さらに、ウエハ支持プレートが形成される動作11B1を備える。一実施形態では、ウエハ支持プレートは、ステンレス鋼から形成される。別の実施形態では、ウエハ支持プレートは、ウエハ処理チャンバ内で実行される処理に適合する他の材料から形成されてもよい。形成は、溶融された材料を鋳型に注ぐか、または、材料のブロックを機械加工することによって実現できる。ウエハ支持プレートは、ウエハ支持プレート内に設けられた第2の容器内に分布されたウエハ支持面を有するよう形成される。ウエハ支持面は、ウエハを受け入れるよう構成される。受け入れられると、ウエハは、ウエハ支持プレート内に設けられた第2の容器に対する上側の境界を形成する。第2の容器は、第2の流体流入口と、第2の流体流出口とを有するよう設けられる。さらに、ウエハ支持プレートの周囲、かつ、ウエハを受け入れる位置の外側に、流体流入口および流体流出口が設けられる。ウエハ支持プレートの周囲の流体流入口および流体流出口は、第3の容器内の流体の流れのパターンを形成するよう構成されてよい。一部の実施形態では、流体の流れのパターンは、直線状のパターン、円錐状のパターン、あるいは渦巻状のパターンであってよい。別の実施形態では、ウエハ処理動作の要件を満たすために、異なる流体の流れのパターンが形成されてもよい。ウエハ支持プレートは、ウエハ支持プレートのそれぞれの側に位置する容器の間に掛かる圧力差に耐えることができる。
【0060】
その方法は、さらに、ウエハ支持プレートが下側支持プレートに固定される動作11C1を備える。固定されると、ウエハ支持プレートは、下側支持プレートの第1の容器内に分布された支持面によって支持される。また、ウエハ支持プレートは、下側プレート内に設けられた第1の容器に対する上側の境界として機能する。
【0061】
その方法は、上側支持プレートが形成される動作11D1に続く。一実施形態では、上側支持プレートは、ステンレス鋼から形成される。別の実施形態では、上側支持プレートは、ウエハ処理チャンバ内で実行される処理に適合する他の材料から形成されてもよい。形成は、溶融された材料を鋳型に注ぐか、または、材料のブロックを機械加工することによって実現できる。上側支持プレートは、ウエハ支持プレートのウエハ支持面によって受け入れられるウエハの上に位置するよう構成された第3の容器を備えるよう形成される。上側支持プレートは、上側支持プレートのそれぞれの側に位置する容器の間に掛かる圧力差に耐えることができる。
【0062】
一実施形態では、上側支持プレートに、支持面が形成される。支持面は、第4の容器内に分布される。第4の容器は、流体流入口と流体流出口とを有してよい。上側支持プレートに形成された支持面は、上側プレートを受け入れて支持するよう構成される。本実施形態によると、その方法は、上側プレートが形成される随意的な動作11E1を備える。一実施形態では、上側プレートは、ステンレス鋼から形成される。別の実施形態では、上側プレートは、ウエハ処理チャンバ内で実行される処理に適合する他の材料から形成されてもよい。形成は、溶融された材料を鋳型に注ぐか、または、材料のブロックを機械加工することによって実現できる。上側プレートは、第3の容器に対して流体を導入および除去することが可能な流体流入口および流体流出口を有するよう形成される。上側プレートの流体流入口および流体流出口は、第3の容器内の流体の流れのパターンを形成するよう構成されてよい。一部の実施形態では、流体の流れのパターンは、直線状のパターン、円錐状のパターン、渦巻状のパターン、中央から供給して周囲から排出するパターン、あるいは、周囲から供給して中央から排出するパターンであってよい。別の実施形態では、ウエハ処理動作の要件を満たすために、異なる流体の流れのパターンが形成されてもよい。また、本実施形態によると、その方法は、上側プレートが上側支持プレートの支持面に固定される随意的な動作11F1を備える。このように、上側プレートは、第4の容器に対する下側の境界および第3の容器に対する上側の境界として機能する。上側プレートは、第4の容器と第3の容器との間の圧力差に耐えることができる。
【0063】
その方法は、さらに、上側支持プレートが下側支持プレートに固定される動作11G1を備える。上側支持プレートを下側支持プレートに固定することにより、上側支持プレート内に設けられた第3の容器は、外部環境から隔離される。第3の容器を外部環境から隔離することは、上側支持プレートと下側支持プレートとの間に配置されたシールによって実現される。
【0064】
図12は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ洗浄処理を実行する方法を示すフローチャートである。その方法は、と、ウエハ洗浄処理を実行できるチャンバを準備する動作12A1を備える。チャンバは、洗浄されるウエハの上に位置するよう構成された第1の容器を備える。そのチャンバは、さらに、ウエハを支持するよう構成されたプレートを備える。プレート内には、ウエハの真下に第2の容器が設けられている。チャンバには、さらに、プレートを支持するための支持構造が設けられている。支持構造は、プレートの真下に位置する第3の容器を備える。その方法は、さらに、第2の容器よりも高い圧力を有するように第1の容器を加圧する動作12B1を備える。また、その方法には、第3の容器よりも高い圧力を有するように第2の容器を加圧する動作12C1が備えられている。第3の容器は、第2の容器とチャンバ外部の環境との間の圧力を有するよう加圧される。その方法は、さらに、洗浄されるウエハの上に位置する第1の容器に流体を供給する動作12D1を備える。流体は、ウエハ洗浄処理を実現するように構成される。一実施形態では、流体は、超臨界流体である。
【0065】
本発明のウエハ処理チャンバは、超臨界流体を用いるウエハ処理での利用に適している。前述のように、ウエハ処理チャンバは、ウエハ処理容器内の圧力を制御するのに適している。さらに、ウエハ処理チャンバは、ウエハ処理容器、チャンバの中間容器、および外部環境の間に存在する圧力差を制御することができる。本発明によって実現されるように、チャンバの中間容器の圧力に対してウエハ処理容器の圧力を調節する能力は、最小限のサイズの超臨界流体処理チャンバを設計する際に有用である。また、超臨界流体ウエハ処理では、流体の超臨界状態を維持するために、ウエハ処理容器内の圧力を制御する必要がある。
【0066】
図13は、一般化された物質の相図である。物質の相は、固体、液体、および気体として表されており、特定の相の存在は、圧力および温度によって決まる。気相と液相との境界は、臨界点と呼ばれる点まで、圧力および温度の両方の上昇をたどる。臨界点は、臨界圧力(Pc)および臨界温度(Tc)によって表される。PcおよびTcを超える圧力および温度では、物質は超臨界流体になる。
【0067】
超臨界流体を用いて、ウエハ洗浄動作を実行することができる。超臨界流体は、気相と液相の両方の性質を併せ持つ。超臨界流体の表面張力は、ほとんどゼロである。したがって、超臨界流体は、ウエハ表面における小さい形状の内部および間に到達することが可能である。また、超臨界流体は、気体と同様の拡散性を有する。したがって、超臨界流体は、捕らえられることなく、低誘電率材料などのウエハ材料の多孔質の領域に入り込むことができる。さらに、超臨界流体は、液体と同様の密度を有する。したがって、気体に比べて、より多くの超臨界流体を、所定の時間内にウエハに送り込むことができる。
【0068】
超臨界流体によるウエハ処理は、流体の超臨界状態を維持するために高圧で実行する必要がある。例えば、超臨界流体処理は、約68atmから約273atmの範囲の圧力で実行されてよい。したがって、ウエハ処理チャンバは、関連する高圧に耐えることができる必要がある。本発明のウエハ処理チャンバは、超臨界流体に関連する高圧に耐えると共に制御することができる。
【0069】
概して、超臨界流体処理では、ウエハ処理容器は加圧され、ウエハ処理容器内の温度は制御される。ウエハ処理容器の圧力および温度は、超臨界流体の状態を維持するために制御される。代表的な実施形態では、ウエハ処理容器は、CO2のみ、もしくは、CO2と適切な化学物質との混合物を用いて加圧されてよい。CO2の臨界圧力および温度は、それぞれ、約73atmおよび31℃である。本発明のウエハ処理チャンバと組み合わせて用いられる超臨界流体は、CO2に限定されないことに注意されたい。その他の適切な超臨界流体を用いることも可能である。さらに、超臨界流体の化学物質は、共溶媒、共キレート剤、界面活性剤、またはそれらの任意の組み合わせなどの添加剤を含んでよい。超臨界流体に含まれる添加剤は、特に、フォトレジストの溶解および除去、有機残留物の溶解および除去、および金属のキレートなど、特定の作用を実現する際に有用である。
【0070】
本発明のウエハ処理チャンバには、数多くの利点がある。1つの利点は、ウエハ処理チャンバが完全に構成可能である点である。上側および下側プレートを交換することにより、チャンバは、チャンバ本体を変えることなく、いくつかの異なる構成に変形されることが可能である。この利点により、1種類のチャンバを、いくつかの潜在的なウエハ処理の用途に用いることが可能になる。また、上側および下側プレートを交換できることにより、特定のウエハ処理の用途に対して、ウエハ処理容器の圧力や流れのパターンを適切に選択できる。さらに、ウエハ洗浄処理中に、ウエハから除去された物質が、チャンバ内の空洞に捕らえられる可能性がある。上側および下側プレートは取り外し可能であるため、より簡単に、チャンバと、上側および下側プレートとを洗浄することができる。
【0071】
本発明のウエハ処理チャンバは、ウエハ処理クラスタ構造に組み込むことが可能である。一例では、ウエハ処理クラスタ構造は、ウエハ洗浄動作、ウエハエッチング動作、CMP動作、およびウエハリンス動作を実行するための別個のモジュールを組み込むことができる。さらに、ウエハ処理クラスタ構造では、ウエハは、ロボットウエハ操作機構または追跡機構を用いて、異なるモジュールの間を搬送されてよい。
【0072】
ウエハ固定装置
図14は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバ(「チャンバ」)53を示す断面図である。チャンバ53は、部分的にウエハ支持構造として機能する下側プレート403を備える。下側プレート403は、チャンバ53内に配置されるウエハ703に対してほぼ一様な支持を提供するように分布された複数のウエハ支持面903を備える。複数のウエハ支持面903は、下側容器1003を形成するために離されている。下側容器1003は、下側プレート403上に配置されるウエハ703の下に位置する。したがって、ウエハ703に関して、下側容器1003は、下方容器1003とも呼ばれる。下側容器1003から流体を除去するための流出口1503が設けられている。
【0073】
チャンバ53は、さらに、下側プレート403の上部と結合するよう構成された上側プレート303を備える。上側プレート303は、ウエハ703の上方に設けられた上側容器803を備える。上側容器803は、上側プレート303が、下側プレート403に取り付けられた時に、ウエハ703の上に位置するよう構成されている。したがって、ウエハ703に関して、上側容器803は、上方容器803とも呼ばれる。
【0074】
上側容器803には、流入口1103を通して、ウエハ処理動作で用いる流体を供給することができる。一実施形態では、流入口1103は、下側プレート403内に配置された流体供給路を備える。別の実施形態では、流入口1103の流体供給路は、上側プレート303内に配置されてもよい。いずれの実施形態でも、流体供給路は、複数の流入口ノズルを通して、上側容器803に流体を供給する。
【0075】
ウエハ処理動作で用いる流体は、流出口1403を通して上側容器803から除去されてよい。一実施形態では、流出口1403は、下側プレート403内に配置された流体除去路を備える。別の実施形態では、流出口1403の流体除去路は、上側プレート303内に配置されてもよい。いずれの実施形態でも、流体除去路は、複数の流入口ノズルを通して、上側容器803から流体を除去する。したがって、流体は、流入口1103を通して供給され、ウエハの上面を横切って上側容器803を流れ、流出口1403を通して排出されてよい。
【0076】
上側プレート303と下側プレート403とが接触する周囲の位置で、上側プレート303と下側プレート403との間に、シール603が配置される。シール603は、上側容器823の周囲にわたって配置され、上側容器803を外部環境から隔離する機能を有する。シール603を有効にするために、上側プレート303と下側プレート403は、互いに対して押しつけられる。
【0077】
上側プレート303の上方には、上側支持プレート103が配置され、下側プレート403の下側には、下側支持プレート203が配置される。上側支持プレート103と下側支持プレート203とを結合させるために、周囲の位置で、複数のボルト503が用いられる。複数のボルト503が締め付けられることにより、上側支持プレート103は、下側支持プレート203に向かって引き寄せられる。上側支持プレート103が下側支持プレート203に向かって引き寄せられると、上側プレート303は、下側プレート403に向かって押しつけられる。上側プレート303を下側プレート403に向かって押しつけることにより、シール603が有効に作用する。上側支持プレート103は、上側プレート303の背面に対して支持を提供する。同様に、下側支持プレート203は、下側プレート403の背面に対して支持を提供する。一部のウエハ処理は、極度の高圧で実行される必要がある。したがって、上側支持プレート103、下側支持プレート203、およびボルト503は、上側容器803内で生じうる圧力に耐えるのに十分な強度を提供する。さらに、一部のウエハ処理は、特定の温度で実行される必要がある。上側容器803内、ウエハ703、および下側容器1003内の温度制御を実現するために、上側支持プレート103および下側支持プレート203内に、温度制御装置1603を配置してもよい。一実施形態では、温度制御装置1603は、熱交換流体の流路を備えてよい。別の実施形態では、温度制御装置1603は、電気加熱素子を備えてよい。いずれの実施形態でも、上側プレート303および下側プレート403を介しての伝導により、温度制御装置1603から対象領域(例えば、上側容器803、ウエハ703、または下側容器1003)に熱を移動させる伝達機構が提供される。
【0078】
図15は、本発明の一実施形態に従って、上側プレート303と下側プレート403との間の境界を示す拡大図である。その拡大図は、チャンバの半分にわたって、上側プレート303および下側プレート403を示す垂直断面図である。図14を参照して説明したように、下側プレート403は、ウエハ処理中にウエハ703が固定される複数のウエハ支持面903を有するウエハ支持構造として機能する。下側容器すなわち下方容器1003は、ウエハ支持面903の間、かつ、ウエハ703の下側に形成される。下側容器1003から流体を除去するための流出口1503は、図に示すように、下側プレート403のほぼ中央部に配置されている。別の実施形態では、流出口1503は、下側プレート403内の他の位置に配置されてもよい。上側容器803に流体を供給するための流入口1103は、図に示すように、下側プレート403に配置されている。
【0079】
上側容器803は、上側プレート303が下側プレート403に取り付けられた時にウエハ703の上に位置するように、上側プレート303内に形成されている。シール603は、図に示すように、上側プレート303および下側プレート403の周囲付近、かつ、上側容器803の外側に配置されている。シール603は、上側容器803を外部環境から隔離する。ウエハ703は、ウエハ処理中に下側プレート403に対して密閉されていないので、上側容器803と下側容器1003との間では、ウエハ703の周辺の限定的な流体通路2103を通して流体が行き来する。限定的な流体通路2103は、本質的に、ウエハ703と、下側プレート403の周囲のウエハ支持面903との間の領域である。
【0080】
動作中、上側容器803の圧力は、下側容器1003の圧力よりも高いレベルに維持されるため、ウエハ703の上方と下方との間で圧力差が形成される。圧力差は、ウエハ703をウエハ支持面903に固定するのに十分な力で、ウエハ703を下側プレート403に向かって引くように作用する。上側容器803内の圧力は、下側容器1003内の圧力よりも高いので、一部の流体は、上側容器803から限定的な流体通路2103を通って下側容器1003に到達する。流出口1503は、必要に応じて、下側容器1003から流体を除去するために用いることができる。一実施形態では、流出口は、約0.25インチの直径を有する。しかしながら、別の実施形態では、流出口は、異なる直径を有する。本明細書で用いているように、用語「約」は、特定の値の±10%以内を意味する。
【0081】
上側容器803、下側容器1003、およびウエハ支持面903の寸法は、実行されるウエハ処理の要件(例えば、圧力、流体の流速、流体の組成など)によって変更されてよい。一実施形態では、上側プレート303とウエハ703の上面との間の距離D1は、約0.04インチである。しかしながら、別の実施形態では、異なる値のD1を用いてもよい。一実施形態では、ウエハ703と下側プレート403との間の下側容器1003の深さD2は、約0.005インチから約0.04インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、深さD2は、約0.02インチである。一実施形態では、ウエハ703と周辺のウエハ支持面903との間の重なりの距離D3は、約0.1インチから約0.5インチの範囲であってよい。特定の実施形態では、重なりの距離D3は、約0.25インチである。重なりの距離D3は、限定的な流体通路2103を通して、上側容器803と下側容器1003との間の圧力低下を確立する主要な要因である。一実施形態では、ウエハ配置許容誤差D4(すなわち、ウエハ703の縁部と下側プレート403内のウエハポケットの周囲との間のわずかな距離)は、約0.025インチから約0.1インチの範囲であってよい。ウエハ配置許容誤差D4は、ロボットウエハ操作装置の精度によって決定されてよい。
【0082】
ウエハ支持面903は、ウエハ703を通して掛かる圧力差に比例した割合だけウエハ703と接触するよう構成される。圧力差が大きいほど、大きい割合のウエハ703がウエハ支持面903と接触する必要がある。一実施形態では、ウエハ支持面903は、約5%から約80%の範囲の割合のウエハ703の表面と接触してよい。別の実施形態では、ウエハ支持面903は、約15%から約25%の範囲の割合のウエハ703の表面と接触してよい。さらに別の実施形態では、ウエハ支持面903は、約20%のウエハ703の表面と接触してよい。約1atmから約1.5atmの範囲の差圧では、ウエハ支持面903は、約10%までの範囲の割合のウエハ703の表面と接触してよい。約3atmから約4atmの範囲の差圧では、ウエハ支持面903は、約50%から約70%までの範囲の割合のウエハ703の表面と接触してよい。
【0083】
ウエハ支持面903と接触するウエハの割合(すなわち、ウエハ背面接触面積)を最小化することが好ましい。しかしながら、ウエハ背面接触面積の最小化は、ウエハ上方の容器とウエハ下方の容器との間に掛かる特定の圧力差に対して十分な支持を提供するように実行されることが好ましい。ウエハ背面接触面積を最小化すると、ウエハの汚染の可能性が低減される。また、ウエハ背面接触面積を最小化すると、ウエハの固定を困難にしうる粒子がウエハとウエハ支持面903との間に挟まる可能性が低減される。
【0084】
図16は、本発明の一実施形態に従って、下側支持プレート203を示す平面図である。前述のように、下側支持プレート203は、下側支持プレート203を上側支持プレート103に固定するためのボルト503を通す複数の穴3203を備える。下側支持プレート203は、さらに、温度制御装置1603を備える。図16の実施形態では、温度制御装置1603は、下側プレート403と接触する下側支持プレート203の領域をほぼ網羅するよう構成された熱交換流体の流路として図示されている。図16の温度制御装置1603は、例示のために示したにすぎない。別の実施形態では、温度制御装置1603は、別の構成であってもよいし、電気加熱素子など、別の構成要素を備えてもよい。説明のため、ウエハ703を配置する領域を、線3103で示している。下側容器1003から流体を除去するための流出口1503へのアクセスを可能にするために、下側支持プレート203には、アクセスポート3303が設けられている。さらに、下側支持プレート203には、複数のアクセスポート3003が設けられている。複数のアクセスポート3003の一部は、上側容器803または下側容器1003など、異なる領域にアクセスするよう構成されてよい。複数のアクセスポート3003は、圧力監視装置、温度監視装置、観察装置、または、それらの任意の組み合わせを挿入するために用いられてよい。
【0085】
図17は、本発明の一実施形態に従って、下側プレート403を示す平面図である。シール603は、図に示すように、下側プレート403の周囲にわたって配置されている。下側プレート403の中央に向かって、複数のウエハ支持面903が図示されている。複数のウエハ支持面903は、ほぼ一様にウエハ703と接触するように分布されているため、上側容器803と下側容器1003との間に存在する圧力差によってウエハを通して伝わる力に対して、ほぼ一様な抵抗性を提供する。下側容器1003は、ウエハ支持面903の間、かつ、ウエハ703の下側の空間を占める。
【0086】
図14の説明で言及した複数の流入口ノズルは、図17において構成要素1103として図示されている。また、図14の説明で言及した複数の流出口ノズルは、図17において構成要素1403として図示されている。ウエハ処理を実行するために用いられる流体は、流入口ノズル1103を通って上側容器803内に入り、流出口ノズル1403を通って出て行く。このように、流体は、ウエハ703の上面を横切って、流入口ノズル1103から流出口ノズル1403に向かって流れる。したがって、流体は、一般に、領域4103の範囲を流れる。しかしながら、少量の流体が、領域4103とシール603との間に入ることがある。一実施形態では、領域4103とシール603との間に入る流体を除去するために、複数の流体排出口が設けられる。
【0087】
図18は、本発明の一実施形態に従って、上側プレート303を示す平面図である。シール603は、図に示すように、上側プレート303の周囲にわたって配置されている。上側容器803の周囲を示すために、境界5103が図示されている。境界5103は、図17に示した領域4103とほぼ一致する。別の実施形態では、境界5103および領域4103は、異なる形状であってもよい。
【0088】
図19は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ固定装置に関連する流体の経路を示す図である。ウエハ処理チャンバ53は、図に示すように、容器Aと容器Bとを有する。前述したように、ウエハ処理チャンバ53に関して、容器Aは、ウエハ703の上方に位置する上側容器803に対応し、容器Bは、ウエハの下方、かつ、ウエハ支持面903の間に位置する下側容器1003に対応する。容器Aは、破線矢印6103によって示すように、容器Bに対して、限定的な流体通路を有している。限定的な流体通路は、図15を参照して説明したように、ウエハ703が下側プレート403に対して密閉されていないことに対応する。ウエハ処理チャンバ53は、図に示すように、容器Aおよび容器Bの温度を制御するための熱交換器を有する。別の実施形態では、他の温度制御装置が組み込まれてもよい。
【0089】
ウエハ処理で用いる流体は、流体供給源FS−AからバルブV1を通して容器Aに供給される。流体は、容器A、質量流量計MFM1、背圧調整弁BPR1を通して、圧力トラップに流れる。質量流量計MFM1は、容器Aを通る流体の流量を監視するために用いられる。背圧調整弁BPR1は、容器A内の圧力を制御するために用いられる。さらに、容器A内の圧力を監視するための圧力モニタP1が備えられている。圧力モニタP1は、ウエハの真上に位置する必要はない。しかしながら、圧力モニタP1は、容器A内に配置されることが好ましい。圧力トラップは、排気管と排液管とを備える。圧力トラップは、流体の経路内の最小限の圧力を維持するために用いられる。
【0090】
一部の流体は、矢印6103で示す限定的な流体通路を通して、容器Aから容器Bに入る。容器B内の流体は、容器B、質量流量計MFM2、背圧調整弁BPR2を通して、圧力トラップに流れる。質量流量計MFM2は、容器Bを通る流体の流量を監視するために用いられる。MFM2によって異常に高い流量が示された場合には、下側プレート403のウエハ支持面903へのウエハ703の設置が不適切である可能性がある。ウエハ703の設置が不適切であることは、ウエハ処理動作の開始前に対処が必要となる状態である。そうでない場合には、ウエハが、浮き上がって動きやすくなっている可能性がある。背圧調整弁BPR2は、容器B内の圧力を制御するために用いられる。さらに、容器B内の圧力を監視するための圧力モニタP2が備えられている。圧力モニタP2は、ウエハの真下に位置する必要はない。しかしながら、圧力モニタP2は、容器Bに接続された流路に沿って配置されることが好ましい。
【0091】
一実施形態では、矢印6103で示した限定的な流体通路を通る流体のみが、容器Bに入る。別の実施形態では、さらなる流体が、容器Bに供給されてよい。さらなる流体は、流体供給源FS−BからバルブV2を通して容器Bに供給される。さらなる流体供給源FS−Bは、容器B内の圧力を能動的に制御するために用いられてよい。
【0092】
動作中、容器Aおよび容器B内の圧力は、それぞれ、圧力モニタP1およびP2によって監視される。圧力モニタP1およびP2によって示された圧力の差は、ウエハの上方と下方との間に作用する差圧を示す。特定のウエハ処理動作が、ウエハを下側プレート403のウエハ支持面903に固定するための特定の力を必要とする場合がある。P1およびP2から決定された差圧は、ウエハを固定するために用いられている力を監視するために用いられる。背圧調整弁BPR1およびBPR2を用いて、それぞれ、容器AおよびB内の圧力を制御することにより、所望の差圧を維持することができる。所望の差圧は、特に、ウエハを横切る流量、ウエハ支持面903に接触するウエハ表面の割合、およびウエハの厚さなど、いくつかのウエハ処理パラメータによって決定されてよい。例えば、差圧は、一実施形態では、約1atmから約10atmの範囲内に維持されてよい。別の代表的な実施形態では、差圧は、約2atmに維持されてよい。
【0093】
図20は、本発明の一実施形態に従って、ウエハの上方および下方の両方で能動的かつ独立した圧力制御を用いてウエハを固定するための方法を示すフローチャートである。その方法は、ウエハがチャンバ内にロードされて、チャンバが密閉される動作7013から始まる。動作7033では、チャンバ内のウエハの上に位置する容器に流体が供給される。流体は、ウエハ処理動作を実現するように構成される。動作7053では、ウエハの上側の容器とウエハの下側の容器との間に、圧力差が確立される。圧力差は、チャンバ内のウエハ支持構造に向かってウエハを引き下げるように作用する。その方法は、ウエハの上面にわたって適切な流体の流量が確立される動作7073に進む。適切な流体の流量は、実行されるウエハ処理動作の要件に基づいて決定される。動作7093では、ウエハの上側の容器の圧力とウエハの下側の容器の圧力の両方が監視される。動作7113では、圧力調整弁を用いて、ウエハの上側の容器の圧力とウエハの下側の容器の圧力の各々が、能動的かつ独立的に制御される。圧力調整弁は、ウエハの上側の容器とウエハの下側の容器との間で、目標となる圧力差が維持されることを可能にする。目標となる圧力差により、ウエハは、特定の力でウエハ支持構造に向かって引っ張られる。その力により、ウエハは、固定され、ウエハ処理動作中に動かない状態を維持する。動作7133では、ウエハ処理が実行される。ウエハ処理が完了すると、ウエハの上側の容器とウエハの下側の容器の両方の圧力が大気圧まで低減される動作7153が実行される。その方法は、チャンバが開けられウエハが取り出される動作7173で終了する。
【0094】
図21は、本発明の一実施形態に従って、ウエハの上方での能動的な圧力制御と、ウエハの下側での排気の制御とを用いて、ウエハを固定するための方法を示すフローチャートである。その方法は、ウエハがチャンバ内にロードされて、チャンバが密閉される動作8013から始まる。動作8033では、チャンバ内のウエハの上に位置する容器に流体が供給される。流体は、ウエハ処理動作を実現するように構成される。動作8053では、ウエハの上側の容器とウエハの下側の容器との間に、圧力差が確立される。圧力差は、チャンバ内のウエハ支持構造に向かってウエハを引き下げるように作用する。その方法は、ウエハの上面にわたって適切な流体の流量が確立される動作8073に進む。適切な流体の流量は、実行されるウエハ処理動作の要件に基づいて決定される。動作8093では、ウエハの上側の容器の圧力とウエハの下側の容器の圧力の両方が監視される。動作8113では、圧力調整弁を用いて、ウエハの上側の容器の圧力が制御される。また、動作8113では、ウエハの下側の容器は、制御されて排気される。圧力調整弁と制御された排気とを組み合わせて用いると、ウエハの上側の容器とウエハの下側の容器との間で、目標となる圧力差を維持できる。目標となる圧力差により、ウエハは、特定の力でウエハ支持構造に向かって引っ張られる。その力により、ウエハは、固定され、ウエハ処理動作中に動かない状態を維持する。動作8133では、ウエハ処理が実行される。ウエハ処理が完了すると、ウエハの上側の容器とウエハの下側の容器の両方の圧力が大気圧まで低減される動作8153が実行される。その方法は、チャンバが開けられウエハが取り出される動作8173で終了する。
【0095】
本発明のウエハ固定装置は、超臨界流体を用いるウエハ処理での利用に適している。前述のように、ウエハ固定装置は、ウエハの上面と下面との間の圧力差を制御することにより有効に作用する。圧力差が、ウエハ下面と接触するウエハ支持構造に向かってウエハを引っ張ることにより、ウエハは、動かない状態に固定および維持される。また、超臨界流体ウエハ処理では、流体の超臨界状態を維持するために、ウエハの近傍で圧力を制御する必要がある。
【0096】
高圧チャンバの構成
図22は、本発明の一実施形態に従って、開いた状態のウエハ処理チャンバ(「チャンバ」)2002を示す図である。チャンバ2002は、上側部分203A2と下側部分205A2とを備える。上側部分203A2は、動かない状態に固定されている。動かない状態とは、上側部分203A2が、下側部分205A2を含む周囲の構成要素に対して静止した状態を保つことを意味する。下側部分205A2は、上側部分203A2に対して上下に移動されるよう構成されている。下側部分205A2の移動は、複数の機構によって制御されてよい。例えば、一実施形態では、下側部分205A2の移動は、ねじ駆動によって制御されてよい。別の実施形態では、下側部分205A2の移動は、油圧式駆動によって制御されてよい。図22では、下側部分205A2は、矢印2102で示すように、下に移動されている。チャンバ2002は、バルブ2012と結合するよう構成されている。一実施形態では、バルブ2012は、スリットバルブとゲートバルブのいずれかである。しかしながら、別の実施形態では、異なる種類のバルブ2012を用いてもよい。バルブ2012が開放された際に、ウエハ2152を、チャンバ2002の内外に搬送することができる。一実施形態では、ウエハ2152は、チャンバ2002内の持ち上げピンの上に配置されてよい。持ち上げピンは、必要に応じてチャンバ2002内でウエハを垂直方向に位置決めするために用いられてよい。バルブ2012は、さらに、バルブ2012の両側に位置する容器を互いに隔離するよう機能する。チャンバ2002は、さらに、チャンバ2002内の容器を互いに隔離するためのシール2072を備える。シール2072は、チャンバ内で処理されるウエハ2152の周囲を囲むよう構成されている。また、チャンバ内の容器と外部環境とを隔離するためのシール2092が備えられている。一実施形態では、外部環境は、ウエハ搬送モジュール内に含まれる。別の実施形態では、外部環境は、クリーンルーム内に含まれる。
【0097】
図23は、本発明の一実施形態に従って、閉じた状態のチャンバ2002を示す図である。チャンバ2002は、図22を参照して説明したように、上側部分203A2と、下側部分205A2と、バルブ2012と、シール2072と、シール2092とを備える。しかしながら、下側部分205A2は、矢印2172で示すように、上に移動されている。下側部分205が上に移動されると、シール2072は、上側部分203A2にかみ合う。シール2072は、c−シール、o−リング、平形ガスケット、または同様の密閉機構であってよい。また、シール2072は、複数のシールで形成されてもよい。シール2072を有効に作用させるために、下側部分205A2に対して十分な上向きの力が掛けられる。有効に作用すると、シール2072は、ウエハ処理容器211A2を外部容器213A2から隔離するよう機能する。ウエハ処理容器211A2内で、すべてのウエハ処理が実行される。上側部分203A2および/または下側部分205A2には、ウエハ処理容器211A2および外部容器213A2の各々に対して、流体の導入および除去を行うための流体流入口および流体流出口を設けてよい。シール2092は、外部容器213A2を外部環境から隔離するよう機能する。シール2092は、o−リングまたは同様の密閉機構であってよい。また、シール2092は、複数のシールで形成されてもよい。バルブ2012は、外部容器213A2を隔離するよう機能する。一実施形態では、バルブ2012は、外部容器213A2をウエハ搬送モジュールから隔離する。別の実施形態では、バルブ2012は、外部容器213A2を、クリーンルームなど、チャンバ2002の外の他の環境から隔離することができる。
【0098】
図24は、本発明の一実施形態に従って、開いた状態のウエハ処理チャンバ(「チャンバ」)3002を示す図である。チャンバ3002は、上側部分203B2と下側部分205B2とを備える。下側部分203B2は、動かない状態に固定されている。動かない状態とは、下側部分205B2が、上側部分203B2を含む周囲の構成要素に対して静止した状態を保つことを意味する。上側部分203B2は、下側部分205B2に対して上下に移動されるよう構成されている。上側部分203B2の移動は、複数の機構によって制御されてよい。例えば、一実施形態では、上側部分203B2の移動は、ねじ駆動によって制御されてよい。別の実施形態では、上側部分203B2の移動は、油圧式駆動によって制御されてよい。図24では、上側部分203B2は、矢印3012で示すように、上に移動されている。チャンバ2002と同様に、チャンバ3002も、搬送のためにウエハ2152を通すことのできるバルブ2012と結合するよう構成されている。一実施形態では、ウエハ2152は、チャンバ3002内の持ち上げピンの上に配置されてよい。持ち上げピンは、必要に応じてチャンバ3002内でウエハを垂直方向に位置決めするために用いられてよい。チャンバ3002は、さらに、チャンバ3002内の容器を互いに隔離するためのシール2072を備える。前述のように、シール2072は、チャンバ3002内で処理されるウエハ2152の周囲を囲むよう構成されている。また、チャンバ内の容器と外部環境とを隔離するためのシール2092が備えられている。
【0099】
図25は、本発明の一実施形態に従って、閉じた状態のチャンバ3002を示す図である。チャンバ3002は、図24を参照して説明したように、上側部分203B2と、下側部分205B2と、バルブ2012と、シール2072と、シール2092とを備える。しかしながら、上側部分203B2は、矢印3032で示すように、下に移動されている。上側部分203B2が下に移動されると、シール2072は、上側部分203B2にかみ合う。シール2072を有効に作用させるために、上側部分203B2に対して十分な下向きの力が掛けられる。有効に作用すると、シール2072は、ウエハ処理容器211B2を外部容器213B2から隔離するよう機能する。ウエハ処理容器211B2内で、すべてのウエハ処理が実行される。上側部分203B2および/または下側部分205B2には、ウエハ処理容器211B2および外部容器213B2の各々に対して、流体の導入および除去を行うための流体流入口および流体流出口を設けてよい。シール2092は、外部容器213B2を外部環境から隔離するよう機能する。また、バルブ2012も、外部容器213B2を隔離するよう機能する。一実施形態では、バルブ2012は、外部容器213B2をウエハ搬送モジュールから隔離する。別の実施形態では、バルブ2012は、外部容器213B2を、クリーンルームなど、チャンバ3002の外の他の環境から隔離することができる。
【0100】
ウエハ処理容器211A2および211B2は、それぞれ、外部容器213A2および213B2よりも小さい。ウエハ処理容器211A2および211B2は、ウエハ処理容器211A2および211B2内の圧力を維持するのに必要な力を最小限にするために、最小限のサイズを有するように設けられる。圧力が比較的高い場合には、ウエハ処理容器211A2および211B2と、それぞれ、外部容器213A2および213B2との間のシール2072を維持するために、より大きい力が必要になる。別個のウエハ処理容器211A2および211B2を備えることの利点は、それらウエハ処理容器を、より高い圧力に耐えるための最小限のサイズを有するように構成できる点である。ウエハ処理容器211A2および211B2と、シール2072は、約68atm(約1000psig)から約273atm(約4000psig)の範囲の高圧に耐えるよう構成可能である。本明細書で用いているように、用語「約」は、特定の値の±10%以内を意味する。
【0101】
チャンバの外部容器213A2および213B2は、それぞれ、ウエハ処理容器211A2および211B2と、チャンバの外部の環境との間の緩衝手段として機能する。緩衝手段として機能することから、外部容器213A2および213B2を用いて、それぞれ、ウエハ処理容器211A2および211B2内の高圧から、チャンバ外部の環境におけるより低い圧力へと移行することができる。このように、ウエハ処理容器211A2および211B2と、チャンバ外部の環境との間の差圧を制御できる。バルブを用いて、外部容器213A2および213B2をチャンバ外部の環境から隔離する一実施形態では、外部容器213A2および213B2は、約6E−5atm(約50mTorr)から約1.02atm(約15psig)の範囲の圧力を含んでよい。
【0102】
チャンバ内の外部容器から隔離された内部のウエハ処理容器を備えることにより、チャンバは、大気および真空ウエハ搬送モジュールの両方に対して適合可能になる。外部チャンバ容器は、チャンバ外部(すなわち、ウエハ搬送モジュール内)の環境と、ウエハ処理容器との間の物質の自由な行き来を防止するために、減圧を含む呼び圧力に維持されてよい。真空条件のウエハ搬送モジュールと共にチャンバを用いる場合には、チャンバの外部容器は、ウエハ処理容器とウエハ搬送モジュールとの間の圧力差を低減するために、減圧に維持されてよい。チャンバの外部容器を減圧に維持すると、物質が、ウエハ処理容器からウエハ搬送モジュールに直接的に流れる可能性も低減できる。大気圧のウエハ搬送モジュールと共にチャンバを用いる場合には、チャンバの外部容器は、ウエハ搬送モジュールの大気内に含まれる潜在的な汚染物質からウエハ処理容器を守るために、大気圧よりも高い圧力に維持されてよい。
【0103】
図26は、本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバの製造方法を示すフローチャートである。その方法は、チャンバの上側部分が準備される動作4012を備える。その方法は、さらに、チャンバの下側部分が準備される動作4032を備える。動作4052では、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分とが、互いに可動であるように構成される。その方法は、さらに、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分との間に、第1のシールが備えられる動作4072を備える。第1のシールは、チャンバの外部容器を外部環境から隔離するよう機能する。さらに、その方法では、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分との間に、第2のシールが備えられる動作4092が実行される。第2のシールは、ウエハ処理容器の周囲を囲むよう構成される。また、第2のシールは、ウエハ処理容器をチャンバの外部容器から隔離するよう機能する。一実施形態では、チャンバの上側部分、チャンバの下側部分、および第2のシールは、約68atm(約1000psig)から約273atm(約4000psig)の範囲のウエハ処理容器内の圧力に耐えるよう構成される。
【0104】
第2のシールは、チャンバの上側部分とチャンバの下側部分の両方に接触することで有効に機能する。一実施形態では、チャンバの上側部分は、定位置に固定され、チャンバの下側部分は、移動機構に接続される。本実施形態では、第2のシールと、チャンバの上側部分およびチャンバの下側部分との間の接触は、チャンバの下側部分をチャンバの上側部分に向かって移動および接触させる移動機構を作動させることにより実現される。別の実施形態では、チャンバの下側部分は、定位置に固定され、チャンバの上側部分は、移動機構に接続される。本実施形態では、第2のシールと、チャンバの上側部分およびチャンバの下側部分との間の接触は、チャンバの上側部分をチャンバの下側部分に向かって移動および接触させる移動機構を作動させることにより実現される。
【0105】
本発明のウエハ処理チャンバは、超臨界流体を用いるウエハ処理での利用に適している。前述のように、ウエハ処理チャンバは、ウエハ処理容器内に高圧を提供するのに適している。さらに、ウエハ処理チャンバは、ウエハ処理容器、チャンバの外部容器、およびチャンバ外部の環境の間に存在する圧力差を制御することができる。本発明によって実現されるように、チャンバの外部容器の圧力に対してウエハ処理容器の圧力を調節する能力は、従来のスリットバルブまたはゲートバルブを用いて従来のウエハ搬送モジュールと結合できる超臨界流体処理チャンバを設計する際に有用である。また、本発明によって実現されるように、ウエハ処理容器内の高圧を維持する能力は、ウエハ処理中に超臨界流体を超臨界状態に維持するために重要である。
【0106】
本発明は、いくつかの実施形態に沿って説明されているが、当業者が、これまでの明細書および図面から、様々な変更、追加、置き換え、および等価物を実現することは明らかである。したがって、本発明は、本発明の真の趣旨および範囲内での変更、追加、置き換え、および等価物の全てを含むよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバ(「チャンバ」)を示す垂直断面図。
【図2】本発明の一実施形態に従って、図1に示したチャンバの中央部分を示す拡大図。
【図3】本発明の一実施形態に従って、ウエハを横切って直線状の流体の流れを提供するよう構成された下側プレートを示す上面図。
【図4】本発明の一実施形態に従って、ウエハを横切って円錐状の流体の流れを提供するよう構成された下側プレートを示す上面図。
【図5】本発明の一実施形態に従って、ウエハを横切って渦巻状の流体の流れを提供するよう構成された下側プレートを示す上面図。
【図6】本発明の一実施形態に従って、上側プレートを組み込んだチャンバを示す垂直断面図。
【図7】は、本発明の一実施形態に従って、図6に示したチャンバの中央部分を示す拡大図。
【図8A】本発明の一実施形態に従って、中央での流体の供給と周囲での流体の排出とを実現するよう構成された上側プレートを示す図。
【図8B】本発明の一実施形態に従って、上側プレート内の流路の利用を示す図。
【図9】本発明の一実施形態に従って、周囲での流体の供給と中央での流体の排出とを実現するよう構成された上側プレートを示す図。
【図10】本発明の一実施形態に従って、上側プレートにおける流入口/流出口の代表的な分布を示す図。
【図11】本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバの製造方法を示すフローチャート。
【図12】本発明の一実施形態に従って、ウエハ洗浄処理を実行する方法を示すフローチャート。
【図13】一般化された物質の相図。
【図14】本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバを示す断面図。
【図15】本発明の一実施形態に従って、上側プレートと下側プレートとの間の境界を示す拡大図。
【図16】本発明の一実施形態に従って、下側支持プレートを示す平面図。
【図17】本発明の一実施形態に従って、下側プレートを示す平面図。
【図18】本発明の一実施形態に従って、上側プレートを示す平面図。
【図19】本発明の一実施形態に従って、ウエハ固定装置に関連する流体の経路を示す図。
【図20】本発明の一実施形態に従って、ウエハの上方および下方の両方で能動的かつ独立した圧力制御を用いてウエハを固定するための方法を示すフローチャート。
【図21】本発明の一実施形態に従って、ウエハの上方での能動的な圧力制御と、ウエハの下側での排気の制御とを用いて、ウエハを固定するための方法を示すフローチャート。
【図22】本発明の一実施形態に従って、開いた状態のウエハ処理チャンバを示す図。
【図23】本発明の一実施形態に従って、閉じた状態のチャンバを示す図。
【図24】本発明の一実施形態に従って、開いた状態のウエハ処理チャンバを示す図。
【図25】本発明の一実施形態に従って、閉じた状態のチャンバを示す図。
【図26】本発明の一実施形態に従って、ウエハ処理チャンバの製造方法を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ処理チャンバであって、
複数の支持面を有する下側支持体であって、前記複数の支持面の間に分散された第1の容器を含む、下側支持体と、
前記下側支持体の前記複数の支持面によって支持されたプレートであって、前記第1の容器の上に位置し、ウエハを受け入れて支持するための複数のウエハ支持面を有し、前記複数のウエハ支持面の間に分散された第2の容器を有し、流体の流れを導入するための流出口および流入口を有し、前記流入口および流出口は、前記プレートの周囲、かつ、前記ウエハを受け入れる位置の外側に設けられている、プレートと、
前記プレートの上に位置する上側支持体であって、前記プレートの周囲の外側で前記下側支持体と接しており、前記プレートによって支持される前記ウエハの上に位置するよう構成された第3の容器を有し、前記第3の容器は、前記プレートの前記流入口および流出口によって、設定された構成で前記流体の流れが導入されることが可能であり、前記第3の容器は、前記第1の容器と前記第2の容器との間に、限定的な流体の連通を有している、上側支持体と、を備える、ウエハ処理チャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載のウエハ処理チャンバであって、前記第1の容器は、前記ウエハ洗浄チャンバの中央領域と外側領域との間に位置する中間容器であり、前記第2の容器は、前記ウエハに対して下に位置する容器であり、前記第3の容器は、前記ウエハに対して上に位置する容器である、ウエハ処理チャンバ。
【請求項3】
請求項1に記載のウエハ処理チャンバであって、さらに、
前記第1の容器に流体を供給するための第1の容器流入口と、
前記第1の容器から前記流体を除去するための第1の容器流出口と、
前記第2の容器に流体を供給するための第2の容器流入口と、
前記第2の容器から前記流体を除去するための第2の容器流出口と、を備える、ウエハ処理チャンバ。
【請求項4】
請求項1に記載のウエハ処理チャンバであって、さらに、
前記上側支持体と前記下側支持体との間に配置され、前記第3の容器を外部環境から隔離するよう機能するシールを備える、ウエハ処理チャンバ。
【請求項5】
ウエハ処理装置であって、
上側部分と下側部分とを有するチャンバであって、前記下側部分は、第1の容器内に分布された支持構造を有し、前記上側部分は、第2の容器内に分布された支持構造を有する、チャンバと、
前記下側部分の前記支持構造の上に配置され、前記第1の容器の上に位置するよう構成された下側プレートであって、第3の容器内に分布された複数のウエハ支持構造を有し、前記複数のウエハ支持構造は、前記第3の容器の上に配置されるウエハを支持することができる、下側プレートと、
前記上側部分の前記支持構造に取り付けられ、前記第2の容器の下に位置するよう構成された上側プレートであって、前記上側プレートと、前記下側プレートによって支持される前記ウエハとの間に設けられた第4の容器の上側の境界を提供し、前記第4の容器は、流体を含むことが可能であると共に、前記第1の容器、前記第2の容器、および前記第3の容器と、限定的な流体の連通を有している、上側プレートと、を備える、ウエハ処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載のウエハ処理装置であって、前記第1の容器および前記第2の容器は、それぞれ、前記ウエハ処理装置の中央領域と外側領域との間に位置する中間容器であり、前記第3の容器は、前記ウエハに対して下に位置する容器であり、前記第4の容器は、前記ウエハに対して上に位置する容器である、ウエハ処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載のウエハ処理装置であって、前記下側プレートは、前記流体を導入するための流入口と前記流体を除去するための流出口とを備え、前記流入口および前記流出口は、前記下側プレートの周囲、かつ、前記ウエハを受け入れる位置の外側に設けられ、設定されたパターンで前記流体が前記第4の容器を流れるように構成されており、前記設定されたパターンは、直線状パターン、円錐状パターン、および渦巻状パターンのいずれかである、ウエハ処理装置。
【請求項8】
請求項5に記載のウエハ処理装置であって、前記上側プレートは、前記流体を導入するための流入口と、前記流体を除去するための流出口とを備え、前記流入口および前記流出口は、設定されたパターンで前記流体が前記第4の容器を流れるように構成されている、ウエハ処理装置。
【請求項9】
請求項5に記載のウエハ処理装置であって、前記上側プレートは、前記第4の容器のほぼ中央の位置に前記流体を導入するために前記上側プレートの中央部付近に配置された流入口を備え、前記下側プレートは、前記流体を除去するための流出口を備え、前記流出口は、前記下側プレートの周囲、かつ、前記ウエハを受け入れる位置の外側に設けられ、前記流入口および前記流出口は、前記ウエハの中央から前記ウエハの周囲に向かって前記流体を流れさせる、ウエハ処理装置。
【請求項10】
請求項5に記載のウエハ処理装置であって、前記上側プレートは、前記第4の容器のほぼ中央の位置に前記流体を除去するために前記上側プレートの中央部付近に配置された流出口を備え、前記下側プレートは、前記流体を導入するための流入口を備え、前記流入口は、前記下側プレートの周囲、かつ、前記ウエハを受け入れる位置の外側に設けられ、前記流入口および前記流出口は、前記ウエハの周囲から前記ウエハの中央に向かって前記流体を流れさせる、ウエハ処理装置。
【請求項11】
請求項5に記載のウエハ処理装置であって、前記上側プレートは、流入口への流体の流れと流出口からの流体の流れとを制御するための1または複数の内部流路を備える、ウエハ処理装置。
【請求項12】
ウエハ洗浄処理を実行するための方法であって、
ウエハの上に位置するよう構成された第1の容器と、前記ウエハを支持すると共に、前記ウエハの真下に第2の容器を設けるよう構成されたプレートと、前記プレートを支持すると共に、前記プレートの真下に第3の容器を設けるよう構成された支持構造とを備えるチャンバを準備する工程と、
前記第1の容器が前記第2の容器よりも高い圧力を有すると共に、前記第2の容器が前記第3の容器よりも高い圧力を有するように前記第1の容器、前記第2の容器、および前記第3の容器に圧力を掛ける工程と、
ウエハ洗浄処理を実現するよう構成された流体を前記第1の容器に供給する工程と、を備える、方法。
【請求項13】
ウエハ固定装置であって、
複数のウエハ支持面を有するウエハ支持構造と、
前記ウエハ支持構造の内部、前記複数のウエハ支持面の間、かつ、前記複数のウエハ支持面の上に配置されるウエハの下に設けられた下側容器と、
前記複数のウエハ支持面の上に配置される前記ウエハの上に設けられた上側容器と、
動作中に、前記上側容器内の圧力が前記下側容器内の圧力よりも高くなるように、前記下側容器を減圧するよう構成された排気手段と、を備え、前記下側容器内の前記低い圧力によって、前記ウエハは、前記複数のウエハ支持面の上にしっかりと配置された状態を維持する、ウエハ固定装置。
【請求項14】
請求項13に記載のウエハ固定装置であって、前記複数のウエハ支持面は、前記複数のウエハ支持構造の上に配置されるウエハの背面領域の約5%ないし約80%の領域と接触するよう構成されている、ウエハ固定装置。
【請求項15】
請求項13に記載のウエハ固定装置であって、さらに、
前記上側容器に流体を供給するよう構成された上側容器流入口と、
前記流体が前記上側容器を流れることを可能にするよう構成された上側容器流出口と、を備える、ウエハ固定装置。
【請求項16】
請求項13に記載のウエハ固定装置であって、さらに、
前記上側容器を加圧するよう構成された加圧手段を備え、前記上側容器を加圧することにより、前記上側容器と前記下側容器との間の差圧の制御が実現され、前記差圧の制御により、前記上側容器内の圧力は、前記下側容器内の圧力よりも高くなる、ウエハ固定装置。
【請求項17】
請求項13に記載のウエハ固定装置であって、さらに、
前記下側容器を加圧するよう構成された加圧手段を備え、前記下側容器を加圧することにより、前記上側容器と前記下側容器との間の差圧の制御が実現され、前記差圧の制御により、前記上側容器内の圧力は、前記下側容器内の圧力よりも高くなる、ウエハ固定装置。
【請求項18】
圧力制御によりウエハを固定するための方法であって、
ウエハ支持体の上にウエハを配置する工程と、
前記ウエハの下側の圧力を低減する工程と、を備え、前記ウエハ下側の低減された圧力は、前記ウエハの上側の圧力よりも低く、前記ウエハを前記ウエハ支持体に向かって保持するよう作用する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の圧力制御によりウエハを固定するための方法であって、前記ウエハの下側の低減された圧力と、前記ウエハの上側の圧力との間の差圧は、約1atmから約10atmの範囲である、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の圧力制御によりウエハを固定するための方法であって、さらに、
前記ウエハの上に流体を供給する工程を備え、前記流体は、前記ウエハの上側の圧力を増大させると共に、前記ウエハの処理を実現する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の圧力制御によりウエハを固定するための方法であって、さらに、
前記ウエハの上から流体を除去する工程を備え、前記流体の除去は、前記ウエハの上側の増大した圧力を維持するために実行され、前記ウエハを横切って前記流体を流れさせる、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の圧力制御によりウエハを固定するための方法であって、さらに、
前記ウエハの上側の圧力と前記ウエハの下側の圧力との間の差圧を監視する工程と、
前記差圧を最適な値に維持するために、前記ウエハの上側の圧力と前記ウエハの下側の圧力とを制御する、工程と、を備える、方法。
【請求項23】
ウエハ処理チャンバであって、
動かない状態に固定された上側部分であって、ウエハを受け入れるための通路と、下端開口部とを備える、上側部分と、
移動機構に結合された下側部分であって、前記上側部分の前記下端開口部を通って移動されるよう構成された、下側部分と、
前記上側部分の前記下端開口部内の、前記下側部分と前記上側部分との間に配置された第1のシールと、
前記下側部分の上面に配置された第2のシールであって、前記上側部分および前記下側部分の両方に接触することにより有効に作用すると共に、前記上側部分および前記下側部分の両方に接触した際にウエハ処理容器の周囲を囲むよう構成された、第2のシールと、を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載のウエハ処理チャンバであって、さらに、
前記ウエハを受け入れるための前記通路を覆うように前記上側部分の外側に取り付けられたバルブを備え、前記バルブは、前記ウエハを受け入れるための前記通路を外部環境から隔離するよう動作可能であり、前記外部環境は、大気圧と減圧とのいずれかである、方法。
【請求項25】
請求項23に記載のウエハ処理チャンバであって、前記第1のシールは、前記ウエハ処理容器と外部環境との両方からチャンバ外部容器を隔離するよう機能し、前記チャンバ外部容器は、前記第2のシールと前記第1のシールとの間に設けられ、前記第2のシールは、前記チャンバ外部容器から前記ウエハ処理容器を隔離するよう機能する、ウエハ処理チャンバ。
【請求項26】
請求項23に記載のウエハ処理チャンバであって、前記第1のシールは、約6E−5atmから約1.02atmの範囲の圧力に耐えることができる、ウエハ処理チャンバ。
【請求項27】
請求項23に記載のウエハ処理チャンバであって、前記第2のシールは、約68atmから約273atmの範囲の前記ウエハ処理容器内の圧力に耐えることができる、ウエハ処理チャンバ。
【請求項28】
請求項23に記載のウエハ処理チャンバであって、前記第1のシール、前記第2のシール、および、前記第1のシールと前記第2のシールの両方、のいずれかに対して、複数のシールを用いる、ウエハ処理チャンバ。
【請求項29】
ウエハ処理チャンバであって、
動かない状態に固定された下側部分であって、ウエハを受け入れるための通路と、上端開口部とを備える、下側部分と、
移動機構に結合された上側部分であって、前記下側部分の前記上端開口部を通って移動されるよう構成された、上側部分と、
前記下側部分の前記上端開口部内の、前記上側部分と前記下側部分との間に配置された第1のシールと、
前記下側部分の上面に配置された第2のシールであって、前記下側部分の前記上面は、前記下側部分の前記上端開口部の中に位置し、前記第2のシールは、前記下側部分および前記上側部分の両方に接触することにより有効に作用すると共に、前記下側部分および前記上側部分の両方に接触した際にウエハ処理容器の周囲を囲むよう構成された、第2のシールと、を備える、方法。
【請求項30】
請求項29に記載のウエハ処理チャンバであって、前記第1のシールは、前記ウエハ処理容器と外部環境との両方からチャンバ外部容器を隔離するよう機能し、前記チャンバ外部容器は、前記第2のシールと前記第1のシールとの間に設けられ、前記第2のシールは、前記チャンバ外部容器から前記ウエハ処理容器を隔離するよう機能する、ウエハ処理チャンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2007−524990(P2007−524990A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507529(P2006−507529)
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/008994
【国際公開番号】WO2004/093166
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】