説明

ウエハ加工用テープ及びその製造方法

【課題】接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、センサ認識性が良好であり、生産性や検査精度が良好であるウエハ加工用テープ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ウエハ加工用テープ10は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12と、放射線硬化型の第1粘着フィルム13と、非放射線硬化型の第2粘着フィルム14とを備えている。接着剤層12は、離型フィルム11上に設けられ、半導体ウエハの形状に対応したラベル形状を有している。第1粘着フィルム13は、接着剤層12上に設けられ、該接着剤層12と同一の形状を有している。第2粘着フィルム14は、ラベル部14aと周辺部14bとから構成される。ラベル部14aは、ラベル形状積層体15を覆い、且つ、ラベル形状積層体15の周囲で離型フィルム11に接触するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ加工用テープ及びその製造方法に関する。特に、粘着フィルムと該粘着フィルム上に設けられた接着剤層とから形成されるウエハ加工用テープ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するために、基材フィルム上に粘着剤層が設けられたウエハ加工用テープが開発されている。また、切断された半導体チップをリードフレーム、パッケージ基板等に接着するためや、スタックドパッケージにおいて半導体チップ同士を積層して接着するために、粘着剤層の上にさらに接着剤層が積層された構造を有するウエハ加工用テープ(ダイシングダイボンディングフィルム)も開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このようなウエハ加工用テープ(ダイシングダイボンディングフィルム)としては、半導体ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性を考慮して、プリカット加工が施されたものがある(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
プリカット加工が施されたウエハ加工用テープ(ダイシングダイボンディングフィルム)の作製工程は、離型フィルムと接着剤層とからなる接着フィルムの接着剤層に所定の形状(例えば、円形)の第1切り込みを入れて、第1切り込みの外側の不要な接着剤層部分を離型フィルムから剥離して、離型フィルム上に所定の形状の接着剤層が形成された接着フィルムと、粘着剤層と基材フィルムからなる粘着フィルムとを、接着剤層と粘着剤層とが接するように貼り合わせる一次プリカット工程と、粘着フィルムに接着剤層の形状を囲むような所定の形状(例えば、円形)の第2切り込みを入れて、第2切り込みの外側の不要な粘着フィルム部分を接着フィルム(離型フィルム)から剥離して巻き取り、接着フィルム(離型フィルム)上に所定の形状の粘着フィルムを形成する二次プリカット加工の工程と、を備えている。
【0005】
上述したようなウエハ加工用テープの作製には、上述した2つの工程(一次プリカット加工工程及び二次プリカット加工工程)を連続して行うことによってウエハ加工用テープを作製する作製方法(第1の作製方法)や、接着剤層に所定の形状(例えば、円形)の第1切り込みを入れて、第1切り込みの外側の不要な接着剤層部分を離型フィルムから剥離して、離型フィルム上に所定の形状の接着剤層が形成された接着フィルムと粘着剤層と基材フィルムからなる粘着フィルムとを、接着剤層と粘着剤層とが接するように張り合わせる一次プリカット工程を行った接着フィルムをロール状に巻き取り、その後、接着剤層の位置を認識して位置合わせした後二次プリカット加工工程を行うことによってウエハ加工用テープを作製する作製方法(第2の作製方法)がある。
【0006】
また、半導体デバイスの高速化、省電力化、小型化等に対応して、半導体装置の微細化や薄膜化が進んでいる。これに伴い、半導体チップの積層数も高積層化が進められており、半導体装置の製造に使用されるウエハ加工用テープにおいて、従来よりも薄い(10μm以下)接着剤層を有するウエハ加工用テープの需要が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−303275号公報
【特許文献2】特開2006−111727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、二次プリカット加工を行う際に、上述した第1の作製方法では、一次プリカット加工された接着剤層の位置を認識することなく、予め設定された間隔で粘着フィルムに第2切り込みをいれるのに対して、上述した第2の作製方法では、一次プリカット加工された接着剤層の位置を認識した後、該接着剤層の位置に合わせて粘着フィルムに第2切り込みをいれることから、特許文献1や特許文献2に提案されているような、基材フィルムと粘着剤層と接着剤層とがこの順に積層された従来のウエハ加工用テープでは、接着剤層を薄く(10μm以下に)した場合、上述した第2の作製方法では、一次プリカット加工された接着剤層の外周部分を光学センサ(例えば、反射型センサ)で認識することができないセンサ認識性の低下という問題が発生していた。そのため、基材フィルムと粘着剤層とからなる粘着フィルムのプリカット加工(二次プリカット加工)を行う際に、例えば、プリカット刃が作動しなかったりするといった生産性の低下を招いたり、接着剤層の有無や形状検査ができないという検査精度の低下を招いたりするという問題が発生していた。
【0009】
そこで、本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、センサ認識性が良好であり、生産性や検査精度が良好であるウエハ加工用テープ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意検討した結果、所定の平面形状にプリカット加工された接着剤層と同じ形状の第1の粘着フィルムを該接着剤層上に積層し、更に該第1の粘着フィルム上に第2の粘着フィルムを積層した3層構造のダイシングダイボンディングフィルムであって、接着剤層と第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも第1の粘着フィルムと第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいウエハ加工用テープは、接着剤層が薄い(10μm以下の)場合であっても、センサ認識性、生産性や検査精度が良好であることを見出した。
【0011】
また、所定の平面形状にプリカット加工された接着剤層と同じ形状の放射線硬化型の第1の粘着フィルムを該接着剤層上に積層し、更に該第1の粘着フィルム上に非放射線硬化型の第2の粘着フィルムを積層した3層構造のダイシングダイボンディングフィルムを有するウエハ加工用テープは、接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、センサ認識性、生産性や検査精度が良好であることを見出した。
【0012】
また、上述の放射線硬化型の第1の粘着フィルムと非放射線硬化型の第2の粘着フィルムの替わりに、放射線照射後の接着剤層と第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、放射線照射後の第1の粘着フィルムと第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きくなるような、第1の粘着フィルム及び第2の粘着フィルムがともに放射線硬化型の粘着フィルムである上述したような3層構造のダイシングダイボンディングフィルムを有するウエハ加工用テープも、接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、センサ認識性、生産性や検査精度が良好であることを見出した。
【0013】
また、上述の放射線硬化型の第1の粘着フィルムと非放射線硬化型の第2の粘着フィルムの替わりに、接着剤層と第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、第1の粘着フィルムと第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きくなるような、第1の粘着フィルム及び第2の粘着フィルムがともに非放射線硬化型の粘着フィルムである上述したような3層構造のダイシングダイボンディングフィルムを有するウエハ加工用テープも、接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、センサ認識性、生産性や検査精度が良好であることを見出した。
【0014】
また、上述の第1の粘着フィルムが着色されているウエハ加工用テープは、接着剤層が薄い(10μm以下の)場合であっても、センサ認識性、生産性や検査精度が良好であることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
即ち、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープは、長尺の離型フィルムと、前記離型フィルム上に設けられた所定の平面形状を有する1個以上の接着剤層と、それぞれの前記接着剤層上に設けられた前記接着剤層と同一の平面形状を有する1個以上の第1の粘着フィルムと、前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとからなるラベル形状積層体をそれぞれ覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた1個以上の第2の粘着フィルムと、を備え、前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記第1の粘着フィルムは放射線硬化型の粘着フィルムであり、前記第2の粘着フィルムは非放射線硬化型の粘着フィルムであることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに放射線硬化型の粘着フィルムであり、放射線照射後の前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、放射線照射後の前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに非放射線硬化型の粘着フィルムであり、前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする。
【0019】
本発明の第5の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1乃至第4のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記第1の粘着フィルムが着色されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の第6の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1乃至第5のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記離型フィルム上に前記第2の粘着フィルムの外側を囲むように設けられた、前記第2の粘着フィルムからなる周辺部を備えていることを特徴とする。
【0021】
本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、(a)長尺の離型フィルム上に接着剤層が積層された第1積層体の前記接着剤層上に、第1の粘着フィルムを積層する工程と、(b)前記工程(a)によって形成された前記離型フィルムと前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとからなる第2積層体に、前記第1の粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの環状の第1の切り込みを1個以上入れる工程と、(c)前記工程(b)によって入れられた前記第1の切り込みの外側の前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムを前記離型フィルムから剥離して除去し、当該離型フィルム上に前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとからなるラベル形状積層体を1個以上形成する工程と、(d)前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも大きい、前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力を有する第2の粘着フィルムを、前記工程(c)によって形成された前記ラベル形状積層体を覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように、積層する工程と、(e)前記工程(d)によって形成された前記離型フィルムと前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとを有する第3積層体において、前記離型フィルムと前記第2の粘着フィルムとからなる積層部に、前記第2の粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、前記ラベル形状積層体を囲む環状の第2の切り込みを1個以上入れる工程と、(f)前記工程(e)によって入れられた前記第2の切り込みの外側の前記第2の粘着フィルムを前記離型フィルムから剥離して除去し、前記ラベル形状積層体をそれぞれ覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた1個以上の前記第2の粘着フィルムからなるラベル部を形成する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明の第2の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記第1の粘着フィルムは放射線硬化型の粘着フィルムであり、前記第2の粘着フィルムは非放射線硬化型の粘着フィルムであることを特徴とする。
【0023】
本発明の第3の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに放射線硬化型の粘着フィルムであり、放射線照射後の前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、放射線照射後の前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする。
【0024】
本発明の第4の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに非放射線硬化型の粘着フィルムであり、前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする。
【0025】
本発明の第5の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1乃至第4のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記第1の粘着フィルムが着色されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の第6の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1乃至第5のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記工程(e)の替わりに、(g)前記工程(d)によって形成された前記離型フィルムと前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとを有する第3積層体において、前記離型フィルムと前記第2の粘着フィルムとからなる積層部に、前記第2の粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、前記ラベル形状積層体を囲む環状の第2の切り込みを1個以上と、前記第2の切り込みの外側に、第3の切り込みを入れる工程と、前記工程(f)の替わりに、(h)前記工程(g)によって入れられた前記第2の切り込みと前記第3の切り込みとの間の前記第2の粘着フィルムを前記離型フィルムから剥離して除去し、前記ラベル形状積層体をそれぞれ覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた1個以上の前記第2の粘着フィルムからなるラベル部と、前記ラベル部の外側を囲むように設けられた前記第2の粘着フィルムからなる周辺部とを形成する工程と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明のウエハ加工用テープによれば、接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、センサ認識性が良好である。したがって、半導体装置の製造工程において、本発明のウエハ加工用テープを使用することにより接着剤層が薄い(10μm以下)場合であっても、半導体装置の生産性の低下や検査精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10の概観図であり、(b)は、同平面図であり、(c)は、同断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態に係るウエハ加工用テープ10aの概観図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係るウエハ加工用テープ10bの概観図である。
【図4】図1のウエハ加工用テープ10の製造方法を説明するための図である。
【図5】図1のウエハ加工用テープ10の製造方法を説明するための図4に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの斜視図であり、図1(b)は同平面図、図1(c)は同断面図である。
【0030】
図1(a)、(b)及び(c)に示すように、ウエハ加工用テープ10は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12と、第1の粘着フィルム(以下、第1粘着フィルムと呼ぶ)13と、第2の粘着フィルム(以下、第2粘着フィルムと呼ぶ)14(14a、14b)とを備えている。また、ウエハ加工用テープ10は、接着剤層12と第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14(14a)とからなる3層構造のダイシングダイボンディングフィルム20を構成している。
【0031】
接着剤層12は、離型フィルム11上に設けられ、半導体ウエハの形状に対応したラベル形状を有している。ここでは、ラベル形状の例として円形形状を挙げて説明するが、ラベル形状は円形形状に限るものではない。
【0032】
第1粘着フィルム13は、放射線硬化型の粘着フィルムであり、接着剤層12上に設けられ、該接着剤層12と同一の形状を有している。以下、離型フィルム11上に設けられた、接着剤層12と第1粘着フィルム13とからなる積層体をラベル形状積層体15と呼ぶ。尚、本発明において、形状には、形と大きさ(サイズ)の両方の概念を含めて使用する。
【0033】
第2粘着フィルム14は、非放射線硬化型の粘着フィルムであり、ラベル部14aと周辺部14bとから構成される。ラベル部14aは、ラベル形状積層体15を覆い、且つ、ラベル形状積層体15の周囲で離型フィルム11に接触するように設けられている。このラベル部14aは、ダイシング用リングフレームに対応する略円形形状を有する。周辺部14bは、このラベル部14aの外側を完全に囲まず、ラベル部14aと周辺部14bとの間の露出した離型フィルム11が連続するように設けられている。
【0034】
ここで、上述したウエハ加工用テープ10は、第1粘着フィルム13が放射線硬化型の粘着フィルムであり、第2粘着フィルム14が非放射線硬化型の粘着フィルムである場合を記載したが、放射線照射後の接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、放射線照射後の第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるような、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14とがともに放射線硬化型の粘着フィルムである場合であっても良い。また、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるような、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14とがともに非放射線硬化型の粘着フィルムである場合であっても良い。
【0035】
即ち、半導体装置の製造工程における、ダイシング工程後のピックアップ工程において分離された接着剤層12付きの半導体チップをピックアップする際に、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方を大きくして、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間においてのみ剥離が発生するような条件を満足する第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14であればよい。
また、よりセンサ認識性が良好となることから、第1粘着フィルム13が着色されている方がより好ましい。
【0036】
尚、図1に示したウエハ加工用テープ10は、周辺部14bが、ラベル部14aと周辺部14bとの間の露出した離型フィルム11が連続するように設けられているが、図2に示すように、周辺部14bが、ラベル部14aの外側を完全に囲み、ラベル部14aの外周を囲む露出した離型フィルム11がそれぞれ不連続となるように設けられたウエハ加工用テープ10aであっても良い。また、図3に示すように、周辺部14bが存在せず、第2粘着フィルム14がラベル部14aのみで構成されたウエハ加工用テープ10bであっても良い。
【0037】
以下、本実施形態のウエハ加工用テープ10の各構成要素について詳細に説明する。
【0038】
(離型フィルム)
本発明のウエハ加工用テープ10に用いられる離型フィルム11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他、離型処理が施されたフィルム等、周知のものを使用することができる。
離型フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜50μmが好ましい。
【0039】
(接着剤層)
本発明のウエハ加工用テープ10に用いられる接着剤層12は、上述のように、離型フィルム11上に形成され、半導体ウエハの形状に対応したラベル形状を有している。
【0040】
接着剤層12は、半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、半導体チップをピックアップする際に、半導体チップ裏面に付着しており、半導体チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層12としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂から選択される少なくとも1種を含む粘接着剤等を好ましく使用することができる。この他、ポリイミド系樹脂やシリコーン系樹脂を使用することもできる。その厚さは適宜設定してよいが、3〜100μm程度が好ましい。
【0041】
(第1粘着フィルム)
本発明の第1粘着フィルム13は、上述のように、接着剤層12上に設けられ、該接着剤層12と同一の形状(ラベル形状)を有している。このような第1粘着フィルム13は、接着剤層12と一緒にプリカット加工することにより形成することができる。
【0042】
第1粘着フィルム13としては、特に制限はなく、半導体ウエハをダイシングする際には半導体ウエハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後に半導体チップをピックアップする際には容易に接着剤層12から第2粘着フィルム14とともに剥離できるような低い粘着力を示すものであればよい。例えば、基材フィルムと基材フィルム上に設けられた粘着剤層とから形成された積層体を好適に使用できる。
【0043】
第1粘着フィルム13の基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述の粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
【0044】
例えば、その材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
【0045】
第1粘着フィルム13の粘着剤層に使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0046】
粘着剤層の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
【0047】
放射線重合性化合物を粘着剤層に配合して放射線硬化させることにより接着剤層12から剥離しやすくすることができる。その放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が用いられる。
【0048】
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が適用可能である。
【0049】
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
【0050】
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
【0051】
また、放射線硬化しない粘着剤層に使用される樹脂としては、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位と、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位とを含み、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%含まれる共重合体が、イソシアネート化合物により架橋されたものを使用することができる。
【0052】
ここで、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸1,2−ジメチルブチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられ、その中でも特にアルキル基の炭素数が8以上のものが好ましい。
【0053】
上記粘着剤を形成する共重合体において、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%、好ましくは30〜97質量%含まれるものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が多すぎると粘着剤の架橋点が少なくなり、十分な特性を得ることができず、少なすぎると粘着剤組成物を混合し、基材フィルムに塗布するまでのポットライフが短くなり、本発明のウエハ加工用テープを製造する場合に支障が生じるからである。
【0054】
また、架橋性の官能基含有モノマーとして、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートが用いられる。上記粘着剤を形成する共重合体において、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位が好ましくは3〜30質量%含まれるものである。
また、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%、かつ架橋性官能基含有モノマーから導かれる構成単位が含まれており、前記架橋性官能基含有モノマーが2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートである共重合体の水酸基価は10〜150mgKOH/gが好ましく、15〜100mgKOH/gがさらに好ましい。
【0055】
本発明においては、粘着剤を構成する共重合体は、イソシアネート化合物により架橋されている。イソシアネート化合物としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、市販品として、コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)等を用いることができる。
【0056】
本発明において、粘着剤層中、イソシアネート化合物の含有量は、共重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8質量部である。また、粘着剤層の厚さは、3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。
【0057】
(第2粘着フィルム)
本発明の第2粘着フィルム14は、上述のように、ダイシング用リングフレームの形状に対応するラベル部14aと、その外側を囲むような周辺部14bとを有する。このような第2粘着フィルム14は、プリカット加工により、フィルム状粘着剤からラベル部14aと周辺部14bの間の領域を除去することで形成することができる。
【0058】
第2粘着フィルム14としては、特に制限はなく、半導体ウエハをダイシングする際及びダイシング後に半導体チップをピックアップする際に、第1粘着フィルム13から剥離しない十分な粘着力を有するものであればよい。例えば、基材フィルムと基材フィルム上に設けられた粘着剤層とから形成された積層体を好適に使用できる。
【0059】
第2粘着フィルム14の基材フィルムとしては、第1粘着フィルム13の基材フィルムと同様であって、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができる。一般に基材フィルムとしては、熱可塑性のプラスチックフィルムが用いられている。基材フィルムは、市販のものを用いても良いし、常法により製膜したものであっても良い。また、粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。基材フィルムの厚さは通常のダイシング用粘着テープの基材フィルムと特に異ならない。通常30〜300μm、より好ましくは50〜200μmである。
【0060】
第2粘着フィルム14の粘着剤層に使用される樹脂としては、第1粘着フィルム13の粘着剤層に使用される樹脂と同様であって、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
【0061】
上述した第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14を備えた本発明に係るウエハ加工用テープ10は、上述した第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14であって、第1粘着フィルム13が、放射線硬化する樹脂を使用した粘着剤層を有する放射線硬化型の粘着フィルムであり、第2粘着フィルム14が、放射線硬化しない樹脂を使用した粘着剤層を有する非放射線硬化型の粘着フィルムであることを満たしたウエハ加工用テープ10である。
【0062】
また、上述した第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14を備えた本発明に係るウエハ加工用テープ10は、上述した第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14であって、放射線照射後の接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、放射線照射後の第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるような、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14とがともに放射線硬化型の粘着フィルムであることを満たしたウエハ加工用テープ10であっても良い。ここで、放射線照射後の接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、放射線照射後の第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるように、第2粘着フィルム14の粘着剤層中のイソシアネート化合物等の硬化剤(架橋剤)を少なくすると良い。
【0063】
また、上述した第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14を備えた本発明に係るウエハ加工用テープ10は、上述した第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14であって、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるような、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14とがともに非放射線硬化型の粘着フィルムであることを満たしたウエハ加工用テープ10であっても良い。ここで、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるように、第2粘着フィルム14の粘着剤層中のイソシアネート化合物等の硬化剤(架橋剤)を少なくすると良い。
【0064】
上述した本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、接着剤層12が薄い(10μm以下)場合であっても、接着剤層12と同一の形状を有する、接着剤層12と第1粘着フィルム13とが積層された、接着剤層12よりも厚みのあるラベル形状積層体15を形成することにより、接着剤層12の外周部分を、即ち、ラベル形状積層体15の外周部分をセンサで認識することができる。即ち、上述した本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、接着剤層12が薄い(10μm以下)場合であっても、良好なセンサ認識性を保持することができる。したがって、半導体装置の製造工程において、本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10を使用することにより接着剤層12が薄い(10μm以下)場合であっても、第2粘着フィルムのプリカット加工を行う際に、例えば、プリカット刃が作動しなかったりするといった生産性の低下や、接着剤層に混入された異物を検査できないという検査精度の低下を防止することができる。
【0065】
次に、図1(a)、(b)及び(c)に示した本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10の製造方法について、図4及び図5を参照して説明する。
【0066】
図4に示すように、まず、離型フィルム11上の全面に接着剤層12を積層して第1積層体(接着フィルム)21を形成する(ステップ1:S1)。次に、第1積層体21の接着剤層12上の全面を覆うように、第1粘着フィルム13を積層して第2積層体22を形成する(ステップ2:S2)。このとき、第1粘着フィルム13の粘着剤層と接着剤層12とが重なり合うようにして、加熱して貼り合わせる。
【0067】
次に、プリカット刃(図示せず)を用いて、第2積層体22に、第1粘着フィルム13の表面13aから離型フィルム11に達するまでの環状の切り込み(以下、第1切り込みと呼ぶ)26を入れる(ステップ3:S3)。ここで、プリカット刃の替わりに金型を用いて、第1切り込み26を形成するように打ち抜き加工を施しても良い。
【0068】
次に、第1切り込み26の外側の不要な接着剤層12及び不要な第1粘着フィルム13を離型フィルム11から剥離して除去し、ラベル形状の接着剤層12と第1粘着フィルム13とからなるラベル形状積層体15のみを離型フィルム11上に残した状態にする(ステップ4:S4)。即ち、離型フィルム11上にラベル形状積層体15を形成する。
【0069】
次に、図5に示すように、ラベル形状積層体15及び露出している離型フィルム11の全面を覆うように、第2粘着フィルム14を積層した第3積層体23を形成する(ステップ5:S5)。このとき、ラベル形状積層体15の第1粘着フィルム13の表面及び剥離フィルム11と、第2粘着フィルム14の粘着剤層とが重なり合うようにして、加熱して貼り合わせる。ここで、第1粘着フィルム13の表面とは、第1粘着フィルム13が粘着剤層と基材フィルムとからなる場合は、基材フィルムであり、第1粘着フィルム13が粘着剤層のみからなる場合は、粘着剤層である。
【0070】
次に、第3積層体23の離型フィルム11と第2粘着フィルム14とからなる積層部23aに、プリカット刃(図示せず)を用いて、第2粘着フィルム14の表面25から離型フィルム11に達するまでの、ラベル形状積層体15を囲む環状の切り込み(以下、第2切り込みと呼ぶ)27と、第2切り込み27の外側に該第2切り込み27を完全に囲まない切り込み(以下、第3切り込みと呼ぶ)28とを入れる(ステップ6:S6)。ここで、プリカット刃の替わりに金型を用いて、第2切り込み27及び第3切り込み28を形成するように打ち抜き加工を施しても良い。ここでは、第2切り込み27の形成と第3切り込み28の形成を同時に行っているが、別々に形成しても良い。またそのとき、形成順はどちらが先であっても良い。尚、周辺部14bがラベル部14aの外側を完全に囲む形態の場合は、第3切り込み28を、第2切り込み27を囲む環状の切り込みとする。また、周辺部14bのない形態の場合は、第3切り込み28を入れず、第2切り込み27のみとする。
【0071】
次に、第2切り込み27と第3切り込み28の間の不要な第2粘着フィルム14を離型フィルム11から剥離して除去し、第2粘着フィルム14からなるラベル部14aと周辺部14bを形成する(ステップ7:S7)。これにより、ラベル形状積層体15と第2粘着フィルム14のラベル部14aとからなる、即ち、接着剤層12と第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14のラベル部14aとからなる3層構造のダイシングダイボンディングフィルム20を有するウエハ加工用テープ10を形成する。尚、周辺部14bのない形態の場合は、第2切り込み27の外側の不要な第2粘着フィルム14を離型フィルム11から剥離して除去し、第2粘着フィルム14からなるラベル部14aのみを形成する。
【0072】
ここで、上述したウエハ加工用テープ10の製造方法では、ステップ1において、離型フィルム11上の全面に接着剤層12を積層して第1積層体(接着フィルム)21を形成する工程を設けているが、予め、離型フィルム11上に接着剤層12が積層された第1積層体(接着フィルム)21を使用して、上述のステップ2乃至ステップ7の工程を順次行うことにより、ウエハ加工用テープ10を製造しても良い。
【0073】
また、上述したウエハ加工用テープ10の製造方法では、第1粘着フィルム13が放射線硬化型の粘着フィルムであり、第2粘着フィルム14が非放射線硬化型の粘着フィルムである場合を記載したが、放射線照射後の接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、放射線照射後の第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるような、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14とがともに放射線硬化型の粘着フィルムである場合であっても良い。また、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方が大きくなるような、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14とがともに非放射線硬化型の粘着フィルムである場合であっても良い。
【0074】
即ち、半導体装置の製造工程における、ダイシング工程後のピックアップ工程において分離された接着剤層12付きの半導体チップをピックアップする際に、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離力よりも、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離力の方を大きくして、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間においてのみ剥離が発生するような条件を満足する第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14であればよい。
また、よりセンサ認識性が良好となることから、第1粘着フィルム13が着色されている方がより好ましい。
【0075】
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0076】
(接着剤層12の形成)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
【0077】
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
【0078】
上記接着剤を離型フィルム11上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が5μmのBステージ状態(熱硬化性樹脂の硬化中間状態)の塗膜を形成し、離型フィルム11上に接着剤層12を形成し、冷蔵保管した。
【0079】
(第1粘着フィルム13及び第2粘着フィルム14の形成)
第1粘着フィルム13及び第2粘着フィルム14として、粘着フィルム1A〜1Eを作製した。
【0080】
(粘着フィルム1A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜、滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)の溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを2質量部加え、光重合開始剤として日本チバガイキー社製:イルガキュア184を0.5g質量部、溶液として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調整した。
続いて、調整した粘着剤層組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、放射線硬化型の粘着フィルム1Aを作製した。
【0081】
(粘着フィルム1B)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜、滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)の溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部加え、光重合開始剤として日本チバガイキー社製:イルガキュア184を0.5g質量部、溶液として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調整した。
続いて、調整した粘着剤層組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、放射線硬化型の粘着フィルム1Bを作製した。
【0082】
(粘着フィルム1C)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77質量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23質量%含む共重合体の混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)の溶液中の化合物(A)100質量部に対して、ポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを10質量部加え、溶液として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、非放射線硬化性の粘着剤組成物を調整した。
続いて、調整した粘着剤層組成物を厚さ100μmで片面が鏡面加工されているエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに鏡面加工されていない面に、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、非放射線硬化型の粘着フィルム1Cを作製した。
【0083】
(粘着フィルム1D)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77質量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23質量%含む共重合体の混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)の溶液中の化合物(A)100質量部に対して、ポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを3質量部加え、溶液として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、非放射線硬化性の粘着剤組成物を調整した。
続いて、調整した粘着剤層組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が30μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、非放射線硬化型の粘着フィルム1Dを作製した。
【0084】
(粘着フィルム1E)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77質量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23質量%含む共重合体100質量部に対して、ポリイソシアネートとして日本ポリウレタン社製:コロネートLを8質量部加えて混合して、非放射線硬化性の粘着剤組成物を調整した。
続いて、調整した粘着剤層組成物をエチレン−メタクリル酸−(アクリル酸2−メチル−プロピル)3元共重合体−Zn++−アイオノマー樹脂である、三井デュポンケミカル社製ハイミランAM−7316を使用して作製した厚さ100μmの基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、非放射線硬化型の粘着フィルム1Eを作製した。
【0085】
(実施例として用いたウエハ加工用テープ10の作製)
実施例1乃至3として用いた本発明に係るウエハ加工用テープは、表1に示す第1粘着フィルム13及び第2粘着フィルム14の組み合わせに基づいて、次のようにして作製した。
冷蔵保管していた離型フィルム11上に接着剤層12が形成された第1積層体(接着フィルム)21を常温に戻し、接着フィルム21と第1粘着フィルム13との貼り合わせを行った。次いで、貼り合わせた接着剤層12と第1粘着フィルム13に対して、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下となるように調整して、直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層12と第1粘着フィルム13の不要部分(切り込みの外側部分)を除去し、第2粘着フィルム14を第1粘着フィルム13と接するように、室温でラミネートした。次いで、貼り合わせた接着剤層12と第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14に対して、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下となるように調節して、接着剤層12と第1粘着フィルム13と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行った。この際、光学センサを用いて、接着剤層12と第1粘着フィルム13が貼り合わされた(積層された)直径220mmの円形プリカットの外周部分を識別し、位置を合わせて第2粘着フィルム14を同心円状に直径290mmの円形にプリカット加工した。光学センサとしては特に限定されないが、例えば汎用のレーザセンサなどを用いることができる。このようにして、実施例1乃至3として用いる本発明に係るウエハ加工用テープを作製した。
【0086】
(比較例として用いたウエハ加工用テープの作製)
比較例として用いたウエハ加工用テープは、表1に示す第1粘着フィルム13に基づいて、次のようにして作製した。
冷蔵保管していた離型フィルム上に接着剤層が形成された接着フィルムを常温に戻し、接着剤層に対して離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して、直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層の不要部分を除去し、第1粘着フィルムと室温でラミネートした。次いで、貼り合わせた接着剤層と第1粘着フィルムに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して、接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行った。この際、光学センサを用いて、直径220mmの円形プリカットされた接着剤層の外周部分を識別し、位置を合わせて第1粘着テープを同心円状に直径290mmの円形にプリカット加工した。光学センサとしては特に限定されないが、例えば汎用のレーザセンサなどを用いることができる。このようにして、比較例として用いるウエハ加工用テープを作製した。
【0087】
【表1】

【0088】
作製した実施例1乃至3のウエハ加工用テープ及び比較例のウエハ加工用テープについて、センサ認識性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0089】
【表2】

【0090】
<センサ認識性の評価>
実施例のウエハ加工用テープ10及び比較例のウエハ加工用テープを作製する際に、光学センサを用いて、直径220mmの円形プリカットされた層の外周部分を認識させる作業(実施例のウエハ加工用テープ10の場合は、接着剤層12と第1粘着フィルム13が貼り合わされた直220mmの円形プリカットの外周部分を認識させる作業であり、比較例のウエハ加工用テープの場合は円形プリカットされた接着剤層の外周部分を認識させる作業である)を、実施例のウエハ加工用テープ10及び比較例のウエハ加工用テープにおいてそれぞれ50回行い、円形プリカットされた層の外周部分を認識できた回数の割合を調べ、センサ認識性の評価を行った。ここで、表1において、認識回数は、円形プリカットされた層の外周部分を認識できた回数を示し、センサ認識性成功率は、認識作業50回中の円形プリカットされた層の外周部分を認識できた回数の割合(%)を示したものである。
【0091】
表2に示すように、実施例1乃至3のウエハ加工用テープは50回すべての認識作業において、円形プリカットされた層の外周部分を認識することができた。一方、比較例のウエハ加工用テープは、50回の認識作業中5回しか、円形プリカットされた層の外周部分を認識することができなかった。
【0092】
表2の結果から、接着剤層12の厚さが10μm以下の場合であっても、本実施例に係るウエハ加工用テープ10は、センサ認識性及びプリカット加工性が良好であることがわかった。
【0093】
次に、作製した実施例2及び3のウエハ加工用テープについて、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離強度及び第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14との間の剥離強度の測定を行い、その結果を表3に示す。
【0094】
【表3】

【0095】
<接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離強度の測定>
離型フィルム11と接着剤層12と第1粘着フィルム13が積層された幅25mm×長さ約100mm の試験片を3点採取し、接着剤層12表面から離型フィルム11を剥離した後、所定の接着テープ(オージータック株式会社製PP テープ400包装用)を、2kgのゴムローラを3往復させて圧着し、1時間放置後、引張試験機を用いて接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離強度を測定する。
測定は、T字方向の引き剥がし法によって、300mm/min の引張速さで行い、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離時荷重を測定した。これを紫外線照射前DAF−DCテープ間剥離強度と呼ぶ。
次に80W/cmのメタルハライド仕様高圧水銀灯1灯を用い、約100mmの距離から照射量が200mJ/cm2となるようにして、紫外線を照射し1時間放置後、紫外線照射前DAF−DCテープ間剥離強度と同様の方法で剥離時荷重を測定した。これを紫外線硬化後DAF−DCテープ間剥離強度と呼ぶ。
<第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14の間の剥離強度の測定>
第1粘着フィルム13の基材フィルム側に第2粘着フィルム14が積層された幅25mm×長さ約100mm の試験片を3点採取し、引張試験機を用いて第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14の間の剥離強度を測定する。
測定は、T字方向の引き剥がし法によって、300mm/min の引張速さで行い、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14の間の剥離時荷重を測定した。これを紫外線照射前DCテープ−DCテープ間剥離強度と呼ぶ。
次に80W/cmのメタルハライド仕様高圧水銀灯1灯を用い、約100mmの距離から照射量が200mJ/cm2となるようにして、紫外線を照射し1時間放置後、紫外線照射前DCテープ−DCテープ間剥離強度と同様の方法で剥離時荷重を測定した。これを紫外線硬化後DCテープ−DCテープ間剥離強度と呼ぶ。
【0096】
表3に示すように、実施例2及び3のウエハ加工用テープは、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間の剥離強度に比べ、第1粘着フィルム13と第2粘着フィルム14の間の剥離強度が十分大きく、半導体装置の製造工程における、ダイシング工程後のピックアップ工程において分離された接着剤層12付きの半導体チップをピックアップする際に、接着剤層12と第1粘着フィルム13との間においてのみ剥離が発生することが分かる。
【符号の説明】
【0097】
10:ウエハ加工用テープ
11:離型フィルム
12:接着剤層
13:第1粘着フィルム
14:第2粘着フィルム
14a:ラベル部
14b:周辺部
15:ラベル形状積層体
20:ダイシングダイボンディングフィルム
21:第1積層体(接着フィルム)
22:第2積層体
23:第3積層体
26:第1切り込み
27:第2切り込み
28:第3切り込み





【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の離型フィルムと、
前記離型フィルム上に設けられた所定の平面形状を有する1個以上の接着剤層と、それぞれの前記接着剤層上に設けられた前記接着剤層と同一の平面形状を有する1個以上の第1の粘着フィルムと、
前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとからなるラベル形状積層体をそれぞれ覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた1個以上の第2の粘着フィルムと、
を備え、
前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とするウエハ加工用テープ。
【請求項2】
前記第1の粘着フィルムは放射線硬化型の粘着フィルムであり、前記第2の粘着フィルムは非放射線硬化型の粘着フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項3】
前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに放射線硬化型の粘着フィルムであり、
放射線照射後の前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、放射線照射後の前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項4】
前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに非放射線硬化型の粘着フィルムであり、
前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項5】
前記第1の粘着フィルムが着色されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項6】
前記離型フィルム上に前記第2の粘着フィルムの外側を囲むように設けられた、前記第2の粘着フィルムからなる周辺部を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項7】
(a)長尺の離型フィルム上に接着剤層が積層された第1積層体の前記接着剤層上に、第1の粘着フィルムを積層する工程と、
(b)前記工程(a)によって形成された前記離型フィルムと前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとからなる第2積層体に、前記第1の粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの環状の第1の切り込みを1個以上入れる工程と、
(c)前記工程(b)によって入れられた前記第1の切り込みの外側の前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムを前記離型フィルムから剥離して除去し、当該離型フィルム上に前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとからなるラベル形状積層体を1個以上形成する工程と、
(d)前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも大きい、前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力を有する第2の粘着フィルムを、前記工程(c)によって形成された前記ラベル形状積層体を覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように、積層する工程と、
(e)前記工程(d)によって形成された前記離型フィルムと前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとを有する第3積層体において、前記離型フィルムと前記第2の粘着フィルムとからなる積層部に、前記第2の粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、前記ラベル形状積層体を囲む環状の第2の切り込みを1個以上入れる工程と、
(f)前記工程(e)によって入れられた前記第2の切り込みの外側の前記第2の粘着フィルムを前記離型フィルムから剥離して除去し、前記ラベル形状積層体をそれぞれ覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた1個以上の前記第2の粘着フィルムからなるラベル部を形成する工程と、
を備えていることを特徴とするウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項8】
前記第1の粘着フィルムは放射線硬化型の粘着フィルムであり、前記第2の粘着フィルムは非放射線硬化型の粘着フィルムであることを特徴とする請求項7に記載のウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項9】
前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに放射線硬化型の粘着フィルムであり、
放射線照射後の前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、放射線照射後の前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする請求項7に記載のウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項10】
前記第1の粘着フィルム及び前記第2の粘着フィルムは、ともに非放射線硬化型の粘着フィルムであり、
前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムとの間の剥離力よりも、前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとの間の剥離力の方が大きいことを特徴とする請求項7に記載のウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項11】
前記第1の粘着フィルムが着色されていることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項12】
前記工程(e)の替わりに、(g)前記工程(d)によって形成された前記離型フィルムと前記接着剤層と前記第1の粘着フィルムと前記第2の粘着フィルムとを有する第3積層体において、前記離型フィルムと前記第2の粘着フィルムとからなる積層部に、前記第2の粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、前記ラベル形状積層体を囲む環状の第2の切り込みを1個以上と、前記第2の切り込みの外側に、第3の切り込みを入れる工程と、
前記工程(f)の替わりに、(h)前記工程(g)によって入れられた前記第2の切り込みと前記第3の切り込みとの間の前記第2の粘着フィルムを前記離型フィルムから剥離して除去し、前記ラベル形状積層体をそれぞれ覆い、かつ、前記ラベル形状積層体の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた1個以上の前記第2の粘着フィルムからなるラベル部と、前記ラベル部の外側を囲むように設けられた前記第2の粘着フィルムからなる周辺部とを形成する工程と、
を備えていることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープの製造方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−129786(P2011−129786A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288475(P2009−288475)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】