説明

ウエハ加工用テープ及びその製造方法

【課題】接着剤層が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、センサ認識性が良好であるウエハ加工用テープ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ウエハ加工用テープ10は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12(ラベル形状接着部22)と、粘着フィルム13(23a、23b)と、識別部14とを備えている。識別部14は、隣接する2つのラベル形状接着部22のX方向の間隔(ラベルピッチ)Lで、ラベル形状接着部22に接する面とは反対のラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられた略矩形形状である。また、識別部14は、矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ加工用テープ及びその製造方法に関する。特に、粘着フィルムと該粘着フィルム上に設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するために、基材フィルム上に粘着剤層が設けられたウエハ加工用テープが開発されている。また、切断された半導体チップをリードフレーム、パッケージ基板等に接着するためや、スタックドパッケージにおいて半導体チップ同士を積層して接着するために、粘着剤層の上にさらに接着剤層が積層された構造を有するウエハ加工用テープ(ダイシングダイボンディングフィルム)も開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このようなウエハ加工用テープ(ダイシングダイボンディングフィルム)としては、半導体ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性を考慮して、プリカット加工が施されたものがある(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
プリカット加工が施されたウエハ加工用テープ(ダイシングダイボンディングフィルム)の作製工程は、離型フィルムと接着剤層とからなる接着フィルムの接着剤層に所定の形状(例えば、円形)の第1切り込みを入れて、第1切り込みの外側の不要な接着剤層部分を離型フィルムから剥離して、離型フィルム上に所定の形状の接着剤層が形成された接着フィルムと、粘着剤層と基材フィルムからなる粘着フィルムとを、接着剤層と粘着剤層とが接するように貼り合わせる一次プリカット加工の工程と、粘着フィルムに接着剤層の形状を囲むような所定の形状(例えば、円形)の第2切り込みを入れて、第2切り込みの外側の不要な粘着フィルム部分を接着フィルム(離型フィルム)から剥離して巻き取り、接着フィルム(離型フィルム)上に所定の形状の粘着フィルムを形成する二次プリカット加工の工程と、を備えている。
【0005】
上述したようなウエハ加工用テープの作製には、上述した2つの工程(一次プリカット加工工程及び二次プリカット加工工程)を連続して行うことによってウエハ加工用テープを作製する作製方法(第1の作製方法)や、接着剤層に所定の形状(例えば、円形)の第1切り込みを入れて、第1切り込みの外側の不要な接着剤層部分を離型フィルムから剥離して、離型フィルム上に所定の形状の接着剤層が形成された接着フィルムと粘着剤層と基材フィルムからなる粘着フィルムとを、接着剤層と粘着剤層とが接するように張り合わせる一次プリカット工程を行った接着フィルムをロール状に巻き取り、その後、接着剤層の位置を認識して位置合わせした後二次プリカット加工工程を行うことによってウエハ加工用テープを作製する作製方法(第2の作製方法)がある。
【0006】
また、半導体デバイスの高速化、省電力化、小型化等に対応して、半導体装置の微細化や薄膜化が進んでいる。これに伴い、半導体チップの積層数も高積層化が進められており、半導体装置の製造に使用されるウエハ加工用テープにおいて、従来よりも薄い(10μm以下の)接着剤層を有するウエハ加工用テープの需要が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−303275号公報
【特許文献2】特開2006−111727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、二次プリカット加工を行う際に、上述した第1の作製方法では、一次プリカット加工された接着剤層の位置を認識することなく、予め設定された間隔で粘着フィルムに第2切り込みを入れるのに対して、上述した第2の作製方法では、一次プリカット加工された接着剤層の位置を認識した後、該接着剤層の位置に合わせて粘着フィルムに第2切り込みを入れることから、特許文献1や特許文献2に提案されているような、基材フィルムと粘着剤層と接着剤層とがこの順に積層された従来のウエハ加工用テープでは、接着剤層を薄く(10μm以下に)した場合、上述した第2の作製方法では、一次プリカット加工された接着剤層の外周部分を光学センサ(例えば、反射型センサ)で認識することができないセンサ認識性の低下という問題が発生していた。そのため、基材フィルムと粘着剤層とからなる粘着フィルムのプリカット加工(二次プリカット加工)を行う際に、例えば、プリカット刃が作動しなかったりするといった生産性の低下を招いたり、接着剤層の有無や形状検査ができないという検査精度の低下を招いたりするという問題が発生していた。
【0009】
そこで、本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、接着剤層が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、センサ認識性が良好であり、生産性や検査精度が良好であるウエハ加工用テープ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意検討した結果、離型フィルム、接着剤層及び粘着フィルムがこの順に積層されたウエハ加工用テープにおいて、プリカットされた接着剤層の位置を特定可能な識別部を、ウエハ加工用テープの表面(接着剤層に接する面とは反対の粘着フィルムの面)上、接着剤層と粘着フィルムとの間、接着剤層と離型フィルムとの間、粘着フィルムと離型フィルムとの間、ウエハ加工用テープの裏面(接着剤層に接する面とは反対の離型フィルムの面)上の内の少なくとも1つに設けることによって、接着剤層が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、センサ認識性、生産性や検査精度が良好であることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープは、長尺の離型フィルムと、前記離型フィルム上に設けられた所定の平面形状を有する複数個の接着剤層と、前記接着剤層をそれぞれ覆い、かつ、当該接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた複数個のラベル部を有する粘着フィルムと、を備えるウエハ加工用テープであって、識別部が、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように、前記接着剤層に接する面とは反対の前記粘着フィルムの面上、前記粘着フィルムと前記接着剤層との間、前記粘着フィルムと前記離型フィルムとの間、前記接着剤層と前記離型フィルムとの間、または、前記接着剤層に接する面とは反対の前記離型フィルムの面上の内の少なくとも1つに設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記識別部は、前記接着剤層の外周に合わせた環状であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1または第2の態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記識別部は、印刷形成されてなるものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様に係るウエハ加工用テープは、本発明の第1乃至第3のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープにおいて、前記粘着フィルムは、前記離型フィルム上に前記ラベル部の外側を囲むように設けられた周辺部を備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の前に、(c)前記接着剤層に接する面とは反対の前記粘着フィルムの面上に、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように識別部を形成する工程を備え、前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、
(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の直前に、(d)前記接着フィルムに接する前記粘着フィルムの面上に、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように識別部を形成する工程を備え前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の前に実行される、前記離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の前記接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された前記接着フィルムを作製する工程において、(e)前記接着剤層に接する面とは反対の前記離型フィルムの面上に、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように識別部を形成する工程を備え、前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1乃至第3のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記識別部が、前記接着剤層の外周に合わせた環状であることを特徴とする。
【0019】
本発明の第5の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の前に実行される、前記離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の前記接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された前記接着フィルムを作製する工程において、(f)所定の平面形状の前記接着剤層を形成するときに、前記接着剤層の外周に合わせた環状の識別部を、前記接着剤層の外周部に形成する工程を備え前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とする。
【0020】
本発明の第6の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1乃至第5のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記識別部が、印刷形成されてなるものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の第7の態様に係るウエハ加工用テープの製造方法は、本発明の第1乃至第6のいずれか1つの態様に係るウエハ加工用テープの製造方法において、前記工程(b)の替わりに、(g)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる前記積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成するとともに、前記切り込みの外側に別の切り込みを形成する工程を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のウエハ加工用テープによれば、接着剤層が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、センサ認識性を良好にすることができる。したがって、半導体装置の製造工程において、本発明のウエハ加工用テープを使用することにより、接着剤層が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、半導体装置の生産性の低下や検査精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10の概観斜視図であり、(b)は、同平面図であり、(c)は、同断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ10aの概観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ10bの概観図である。
【図4】(a)乃至(c)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ10c乃至10eの平面図である。
【図5】(a)乃至(c)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ10f乃至10hの平面図である。
【図6】(a)乃至(d)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ10i乃至10lの断面図である。
【図7】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ30の概観斜視図であり、(b)は、同平面図であり、(c)は、同断面図である。
【図8】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ30a及び30bの平面図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ30c及び30dの断面図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープ40の平面図であり、(b)は、同断面図である。
【図11】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ40a及び40bの断面図である。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープの変形例であるウエハ加工用テープ40cの平面図であり、(b)は、同断面図である。
【図13】図1のウエハ加工用テープ10の製造方法を説明するための図である。
【図14】図1のウエハ加工用テープ10の製造方法を説明するための図13に続く図である。
【図15】図6(a)のウエハ加工用テープ10iの製造方法を説明するための図である。
【図16】図6(a)のウエハ加工用テープ10iの製造方法を説明するための図15に続く図である。
【図17】図6(b)のウエハ加工用テープ10jの製造方法を説明するための図である。
【図18】図6(b)のウエハ加工用テープ10jの製造方法を説明するための図17に続く図である。
【図19】図10のウエハ加工用テープ40の製造方法を説明するための図である。
【図20】図10のウエハ加工用テープ40の製造方法を説明するための図19に続く図である。
【図21】図11のウエハ加工用テープ40aの製造方法を説明するための図である。
【図22】図11のウエハ加工用テープ40aの製造方法を説明するための図21に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10の概観斜視図であり、図1(b)は同平面図、図1(c)は同断面図である。
【0025】
図1(a)、(b)及び(c)に示すように、ウエハ加工用テープ10は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12(22)と、粘着フィルム13(23a、23b)と、識別部14とを備えている。また、ウエハ加工用テープ10は、接着剤層12(22)と粘着フィルム13(23a)とからなるダイシングダイボンディングフィルム20を構成している。尚、本明細書においては、ウエハ加工用テープ10の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向として説明する。
【0026】
接着剤層12は、離型フィルム11上に設けられ、半導体ウエハの形状に対応したラベル形状を有している。ここでは、ラベル形状の例として円形形状を挙げて説明するが、ラベル形状は円形形状に限るものではない。以降、このラベル形状の接着剤層12をラベル形状接着部22と呼ぶ。
【0027】
粘着フィルム13は、ラベル部23aと周辺部23bとから構成される。ラベル部23aは、ラベル形状接着部22を覆い、且つ、ラベル形状接着部22の周囲で離型フィルム11に接触するように設けられている。このラベル部23aは、ダイシング用リングフレームに対応する略円形形状を有する。周辺部23bは、このラベル部23aの外側を完全に囲み、ラベル部23aの外周を囲む露出した離型フィルム11がそれぞれ不連続となるように設けられている。
【0028】
尚、図1に示したウエハ加工用テープ10は、周辺部23bが、ラベル部23aの外側を完全に囲み、ラベル部23aの外周を囲む露出した離型フィルム11がそれぞれ不連続となるように設けられているが、図2に示すように、周辺部23bが、ラベル部23aの外側を完全に囲まず、ラベル部23aと周辺部23bとの間の露出した離型フィルム11が連続するように設けられたウエハ加工用テープ10aであっても良い。また、図3に示すように、周辺部23bが存在せず、粘着フィルム13がラベル部23aのみで構成されたウエハ加工用テープ10bであっても良い。
【0029】
識別部14は、隣接する2つのラベル形状接着部22のX方向の間隔(ラベルピッチ)Lで、ラベル形状接着部22に接する面とは反対のラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられた略矩形形状である。即ち、隣接する2つのラベル部23aの面24a上に設けられた識別部14のX方向の間隔(例えば、図1(a)に示すように、隣接する識別部14の右側の長辺同士の間隔)は、ラベルピッチLである。また、識別部14は、矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように設けられている。また、この識別部14は、スタンプ方式、インクジェット方式、レーザマーキング方式等によって印刷形成されてなるものである。また、識別部14は、油性マジックによる品種識別用ライン引き等によって形成されても良い。また、矩形形状は、矩形形状の短辺の長さがより短い、線に近い形状が好ましい。
【0030】
尚、図1(a)及び(b)に示したようにウエハ加工用テープ10は、識別部14が、ラベル形状接着部22に接する面とは反対のラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上において、矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように設けられているが、図4(a)に示すように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上において、矩形形状の長辺がラベル形状接着部22の外周平面位置に概ね接する位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように設けられたウエハ加工用テープ10cであっても良い。ここで、ラベル形状接着部22の外周平面位置とは、ウエハ加工用テープ10cの平面上部より見たときの、ラベル形状接着部22の外周のラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上の位置のことである。
【0031】
また、図4(b)に示すように、識別部14が、周辺部23b(粘着フィルム13)の面24b上において、矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように設けられたウエハ加工用テープ10dであっても良い。また、図4(c)に示すように、識別部14が、周辺部23b(粘着フィルム13)の面24b上において、矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の外周平面位置に概ね接する位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように設けられたウエハ加工用テープ10eであっても良い。
【0032】
また、図5(a)に示すように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上において、矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とX方向とが略平行となるように設けられているウエハ加工用テープ10fであっても良い。また、図5(b)に示すように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上において、矩形形状の長辺がラベル形状接着部22の外周平面位置に概ね接する位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とX方向とが略平行となるように設けられたウエハ加工用テープ10gであっても良い。また、図5(c)に示すように、識別部14が、周辺部23b(粘着フィルム13)の面24b上において、矩形形状の長辺とX方向とが略平行となるように設けられ、かつ、矩形形状の長辺の略中心位置とラベル形状接着部22の略中心位置とを結んだ直線がY方向に対して略平行となるウエハ加工用テープ10hであっても良い。
【0033】
また、図1(c)に示したようにウエハ加工用テープ10は、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられていたが、図6(a)に示すように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)とラベル形状接着部22(接着剤層12)との間に設けられたウエハ加工用テープ10iであっても良い。また、図6(b)に示すように、識別部14が、ラベル形状接着部22(接着剤層12)に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に設けられたウエハ加工用テープ10jであっても良い。また、図6(c)に示すように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)と離型フィルム11との間に設けられたウエハ加工用テープ10kであっても良い。また、図6(d)に示すように、識別部14が、周辺部23b(粘着フィルム13)と離型フィルム11との間に設けられたウエハ加工用テープ10lであっても良い。
【0034】
尚、識別部14は、上述の例に限らず、ウエハ加工用テープ10において、プリカット加工の作業時に使用されるセンサや作業者が、識別部14を認識して、ラベル形状接着部22との位置合わせができる位置に設けられていれば良い。
【0035】
また、図1(a)及び(b)に示したようにウエハ加工用テープ10は、識別部14が略矩形形状であるが、プリカット加工の作業時に使用されるセンサや作業者が、識別部14を認識して、ラベル形状接着部22と位置合わせをして二次プリカット作業が行えるような形状(例えば、印刷形成される場合であれば、文字や図形等)であれば良い。また、その形状はより小さい方が望ましい。
【0036】
以下、上述した本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10の各構成要素について詳細に説明する。尚、上述したウエハ加工用テープ10a乃至10lについても、ウエハ加工用テープ10と同様である。
【0037】
(識別部)
識別部14は、プリカット加工の作業時に使用されるセンサや作業者により、識別部14が認識され、ラベル形状接着部22との位置合わせができる位置に設けられていれば良く、また、センサや作業者により、識別部14が認識され、ラベル形状接着部22と位置合わせをして二次プリカット作業が行えるような形状(例えば、印刷形成される場合であれば、文字や図形等)であれば良い。例えば、図1に示したような略矩形形状である。また、その形状はより小さい方が望ましい。また、この識別部14は、印刷形成されてなるものであることが望ましい。また、その形成方法は、スタンプ方式であっても、インクジェット方式であっても、レーザマーキング方式等であっても、識別部14を形成し得る印刷方式であればよい。また、油性マジックによる品種識別用ライン引きによって形成されても良い。
【0038】
(離型フィルム)
離型フィルム11は、接着剤層12の取り扱い性を良くする目的で用いられる。
【0039】
離型フィルム11としては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ピニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。
【0040】
離型フィルム11の表面張力は、40mN/m以下であることが好ましく、35mN/m以下であることがより好ましい。このような表面張力の低い離型フィルム11は、材質を適宜に選択して得ることが可能であり、またフィルムの表面にシリコーン樹脂等を塗布して離型処理を施すことで得ることもできる。
離型フィルム11の膜厚は、通常は5〜300μm、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは20〜150μm程度である。
【0041】
(接着剤層)
接着剤層12は、半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、半導体チップをピックアップする際に、半導体チップ裏面に付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。
【0042】
接着剤層12としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができる。
【0043】
ポリマーとして、エポキシ基含有アクリル共重合体を使用することが好ましい。このエポキシ基含有アクリル共重合体は、エポキシ基を有するグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを0.5〜6質量%含む。半導体ウエハとの高い接着力を得るためには、0.5質量%以上が好ましく、6質量%以下であればゲル化を抑制できる。上記エポキシ基含有アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)としては、−10℃以上30℃以下であることが好ましい。
【0044】
官能基モノマーとして用いるグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートの量は0.5〜6質量%の共重合体比であるが、その残部はメチルアクリレート、メチルメタクリレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、およびスチレンやアクリロニトリルなどの混合物を用いることができる。これらの中でもエチル(メタ)アクリレート及び/又はブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。混合比率は、共重合体のガラス転移温度(Tg)を考慮して調整することが好ましい。重合方法は特に制限が無く、例えば、パール重合、溶液重合等が挙げられ、これらの方法により共重合体が得られる。このようなエポキシ基含有アクリル共重合体としては、例えば、HTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名)が挙げられる。
【0045】
アクリル系共重合体の重量平均分子量は、5万以上、特に20万〜100万の範囲にあるのが好ましい。分子量が低すぎるとフィルム形成が不十分となり、高すぎると他の成分との相溶性が悪くなり、結果としてフィルム形成が妨げられる。
【0046】
熱硬化性成分としてエポキシ樹脂を用いる場合には、硬化剤として、たとえば、フェノール系樹脂を使用できる。フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール、多価フェノール、ナフトール等のフェノール類とアルデヒド類との縮合物等が特に制限されることなく用いられる。これらのフェノール系樹脂に含まれるフェノール性水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基と加熱により容易に付加反応して、耐衝撃性の高い硬化物を形成できる。
【0047】
フェノール系樹脂には、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンクレゾール樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、あるいはこれらの変性物等が好ましく用いられる。
【0048】
その他、硬化剤として、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を使用することもできる。この硬化剤は、室温ではエポキシ樹脂と反応せず、ある温度以上の加熱により活性化し、エポキシ樹脂と反応するタイプの硬化剤である。
【0049】
活性化方法としては、加熱による化学反応で活性種(アニオン、カチオン)を生成する方法、室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶・溶解し、硬化反応を開始する方法、モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤により高温で溶出して硬化反応を開始する方法、マイクロカプセルによる方法等が存在する。
【0050】
熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤としては、各種のオニウム塩や、二塩基酸ジヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、アミンアダクト硬化剤、イミダゾール化合物等の高融点活性水素化合物等を挙げることができる。
【0051】
熱硬化性成分としてエポキシ樹脂を用いる場合には、助剤として硬化促進剤等を使用することもできる。本発明に用いることができる硬化促進剤としては特に制限が無く、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩などを用いることができる。本発明において好ましく使用されるイミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することもできる。イミダゾール類は、例えば、四国化成工業(株)から、2E4MZ,2PZ−CN,2PZ−CNSという商品名で市販されている。
【0052】
また、フィラーを配合してもよい。フィラーとしては、結晶シリカ、合成シリカ等のシリカや、アルミナ、ガラスバルーン等の無機フィラーがあげられる。硬化性保護膜形成層2に無機フィラーを添加することにより、硬化後の保護膜の硬度を向上させることができる。また、硬化後の保護膜の熱膨張係数をウエハの熱膨張係数に近づけることができ、これによって加工途中の半導体ウエハの反りを低減することができる。フィラーとしては合成シリカが好ましく、特に半導体装置の誤作動の要因となるα線の線源を極力除去したタイプの合成シリカが最適である。フィラーの形状としては、球形、針状、無定型タイプのものいずれも使用可能であるが、特に最密充填の可能な球形のフィラーが好ましい。
【0053】
さらに、異種材料間の界面結合をよくするために、カップリング剤を配合することもできる。カップリング剤としてはシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。カップリング剤の配合量は、添加による効果や耐熱性およびコストから、分散相と連続相のそれぞれを形成する組成物の合計100重量部に対し0.1〜10重量部を添加するのが好ましい。
【0054】
また、ワニス化の溶剤は、比較的低沸点の、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセロソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。また、塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加えても良い。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
接着剤層12の厚さは適宜設定してよいが、3〜100μm程度が好ましい。
【0055】
接着剤層12の破断強度を高めるには、ポリマーを多くし、フィラーを少なくし、エポキシ樹脂(固形)を少なくすることが有効である。また、接着剤層12の離型フィルム11からの剥離力を下げるには、ポリマーを少なくし、エポキシ樹脂(液状)を少なくすることが有効である。
【0056】
(粘着フィルム)
粘着フィルム13としては、特に制限はなく、半導体ウエハをダイシングする際には半導体ウエハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後にチップをピックアップする際には容易に接着剤層12から剥離できるよう低い粘着力を示すものであればよい。例えば、基材フィルムに粘着剤層を設けたものを好適に使用できる。
【0057】
粘着フィルム13の基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述の粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
【0058】
例えば、その材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
【0059】
粘着フィルム13の粘着剤層に使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
粘着剤層の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
【0060】
放射線重合性化合物を粘着剤層に配合して放射線硬化により接着剤層12から剥離しやすくすることができる。その放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が適用可能である。
【0061】
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
【0062】
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
【0063】
上述した本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、接着剤層12が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、識別部14を備えることにより、識別部14をセンサで認識し、接着剤層12の位置を、即ち、ラベル形状接着部22の位置を認識することができる。即ち、上述した本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10は、接着剤層12が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、センサ認識性を良好にすることができる。したがって、半導体装置の製造工程において、本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープ10を使用することにより接着剤層12が薄い(10μm以下の、特に5μm以下の)場合であっても、粘着フィルム13のプリカット加工を行う際に、例えば、プリカット刃が作動しなかったりするといった生産性の低下や、接着剤層の有無や形状検査ができないという検査精度の低下を防止することができる。
【0064】
次に、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10の変形例であるウエハ加工用テープ30について、図7乃至図9を参照して説明する。
【0065】
図7(a)は、本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10の変形例であるウエハ加工用テープ30の概観斜視図であり、図7(b)は同平面図であり、図7(c)は同断面図である。
図7(a)、(b)及び(c)に示すように、ウエハ加工用テープ30は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12(22)と、粘着フィルム13(23a、23b)と、識別部34(34a、34b、34c)とを備えている。また、ウエハ加工用テープ30は、接着剤層12(22)と粘着フィルム13(23a)とからなるダイシングダイボンディングフィルム20を構成している。
【0066】
ウエハ加工用テープ30と上述したウエハ加工用テープ10との相違点は、識別部34が、隣接する2つのラベル形状接着部22のラベルピッチLで、粘着フィルム13側のウエハ加工用テープ30の表面上において、矩形形状の長辺がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となり、かつ、矩形形状の長辺の長さとウエハ加工用テープ10のY方向の幅とが略同じとなるように設けられた略矩形形状である。
【0067】
尚、図7では、識別部34は、ラベル部23aの面24a上に設けられた識別部34bと周辺部23bの面24a上に設けられた識別部34a及び識別部34cからなる、露出した離型フィルム11の面11a上には形成されていない不連続な略矩形形状である。そして、隣接する2つ識別部34のX方向の間隔(即ち、識別部34a同士のX方向の間隔、識別部34b同士のX方向の間隔、及び識別部34b同士のX方向の間隔)は、隣接する2つのラベル形状接着部22のラベルピッチLである。
尚、ウエハ加工用テープ10のY方向の端部に最も近い識別部34aの短辺35aと識別部34cの短辺35bを、識別部34の矩形形状の短辺とし、短辺35aと短辺35bの向かい合う両端同士を結んだ直線を、識別部34の矩形形状の長辺とする。従って、矩形形状の長辺の長さとは、短辺35aと短辺35bとの間の距離である。
【0068】
また、図7(a)、(b)及び(c)に示したようにウエハ加工用テープ30は、ラベル部23aの面24a上に設けられた識別部34bと周辺部23bの面24a上に設けられた識別部34a及び識別部34cからなる不連続な矩形形状の識別部34が、粘着フィルム13側のウエハ加工用テープ30の表面上において、矩形形状の長辺がラベル形状接着部22の略中心位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となり、かつ、矩形形状の長辺の長さとウエハ加工用テープ10のY方向の幅とが略同じとなるように設けられているが、図8(a)に示すように、ラベル部23aの面24a上に設けられた識別部34bと周辺部23bの面24a上に設けられた識別部34a及び識別部34cからなる不連続な矩形形状の識別部34が、粘着フィルム13側のウエハ加工用テープ30aの表面上において、矩形形状の長辺がラベル形状接着部22の外周平面位置に概ね接する位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となり、かつ、矩形形状の長辺の長さとウエハ加工用テープ10のY方向の幅とが略同じとなるように設けられたウエハ加工用テープ30aであっても良い。
【0069】
また、図8(b)に示すように、周辺部23bの面24a上に設けられた矩形形状の識別部34が、粘着フィルム13側のウエハ加工用テープ30bの表面上(即ち、周辺部23bの面24a上)において、矩形形状の長辺が周辺部23bの外周に概ね接する位置を通り、かつ、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となり、かつ、矩形形状の長辺の長さとウエハ加工用テープ10のY方向の幅とが略同じとなるように設けられたウエハ加工用テープ30bであっても良い。
【0070】
即ち、識別部34は、上述した例に限らず、ウエハ加工用テープ30において、プリカット加工の作業時に使用されるセンサや作業者が、識別部34を認識して、ラベル形状接着部22との位置合わせができる位置に設けられていれば良い。また、矩形形状は、矩形形状の短辺の長さがより短い、線に近い形状が好ましい。
【0071】
また、図7(c)に示したようにウエハ加工用テープ30は、識別部34が、粘着フィルム13側のウエハ加工用テープ30の表面上に設けられていたが、図9(a)に示すように、識別部34が、ラベル部23a及び周辺部23b(粘着フィルム13)とラベル形状接着部22(接着剤層12)及び離型フィルム11との間に挟まれるように設けられたウエハ加工用テープ30cであっても良い。また、図9(b)に示すように、識別部34が、ラベル形状接着部22(接着剤層12)に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に設けられたウエハ加工用テープ30dであっても良い。
【0072】
以上のことから、上述したウエハ加工用テープ30,30a乃至30dは、上述した本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10と同様の効果が得られる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープ40について、図10乃至図12を参照して説明する。
図10(a)は、本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープ40の平面図であり、図10(b)は同断面図である。
図10(a)及び(b)に示すように、ウエハ加工用テープ40は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12(22)と、粘着フィルム13(23a、23b)と、識別部44とを備えている。また、ウエハ加工用テープ40は、接着剤層12(22)と粘着フィルム13(23a)とからなるダイシングダイボンディングフィルム20を構成している。
【0074】
本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープ40と上述した本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10との相違点は、識別部44が、ラベル形状接着部22の外周に合わせて、ラベル形状接着部22に接する面とは反対のラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられた環状の形状で、例えば、円形リング形状である。尚、識別部44は、プリカット加工の作業時に使用されるセンサや作業者により、ラベル形状接着部22の外周部分を認識できる環状の形状であればよい。また、その形状は円形リングの線がより細い方が望ましい。
【0075】
また、図10(b)に示したようにウエハ加工用テープ40は、識別部44が、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられていたが、図11(a)に示すように、ラベル形状接着部22の外周部に設けられたウエハ加工用テープ40aであっても良い。ここで、ラベル形状接着部22の外周部とは、ラベル部23aに接するラベル形状接着部22の面22a上、ラベル形状接着部22の側面22b、または、ラベル形状接着部22に接する離型フィルム11の表面11a上の内の少なくとも1つのラベル形状接着部22の外周近傍のことである。このような識別部44は、例えば、接着剤層12をラベル形状にプリカットしてラベル形状接着部22を形成するときに、プリカット用の刃や金型にあらかじめ付着されたインクによりプリカット作業と同時に形成されるものである。
【0076】
また、図10(b)に示したように、識別部44が、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられていたが、図11(b)に示すように、離型フィルム11のラベル形状接着部22に接する面11aとは反対の面11b上に設けられたウエハ加工用テープ40bであっても良い。
【0077】
また、図10(a)及び(b)に示したようにウエハ加工用テープ40は、識別部44が、ラベル形状接着部22の外周やプリカット形状に対応した形状(円形リング形状)であったが、図12(a)及び(b)に示すように、識別部44が、ラベル部23aの外周に合わせて、ラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられた環状の形状であるウエハ加工用テープ40cであっても良い。即ち、識別部44は、ラベル部23aの外周やプリカット形状に対応した形状であっても良い。
【0078】
以上のことから、上述した本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープ40、40a乃至40cは、上述した本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10と同様の効果が得られる。
【0079】
次に、図1(a)、(b)及び(c)に示した本発明の第1の実施形態に係るウエハ加工用テープ10を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法について説明する。尚、以下、識別部14が印刷形成されてなるもの場合を例に挙げて説明する。
図13及び図14は、本発明のウエハ加工用テープ10を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法を説明するための図である。
【0080】
図13に示すように、まず、印刷機構(図示せず)を用いて、以降のステップ2乃至4によって形成されるラベル形状接着部22のX方向の間隔(ラベルピッチ)L(図1(a)を参照)で、粘着フィルム13の面13a上に、識別部14を印刷形成する(ステップ1:S1)。ここでは、機械的に、ラベルピッチLで、識別部14として粘着フィルム13の面13a上に、矩形形状の長辺とY方向とが略平行となるように略矩形形状を印刷する。例えば、印刷機構は、形成されるラベル形状接着部22同士の間隔に合わせた外径を有するゴム印が設けられたドラムとスタンプ台によって構成されており、これにより、識別部14をラベルピッチLで粘着フィルム13の面13a上に印刷形成することができる。また、このステップ1は、所望の幅のウエハ加工用テープ10にするための幅落としや検査を実施するスリット工程と一緒に、あるいは、印刷工程を新たに設けて実行される。
【0081】
次に、長尺の離型フィルム11上の全面に接着剤層12を積層して第1積層体(接着フィルム)25を形成する(ステップ2:S2)。次に、プリカット刃(図示せず)を用いて、長尺の離型フィルム11上に接着剤層12が積層された第1積層体25に、接着剤層12の表面12aから離型フィルム11に達するまでの環状の切り込み(以下、第1切り込みと呼ぶ)26を入れる(ステップ3:S3)。ここで、プリカット刃の替わりに金型を用いて、第1切り込み26を形成するように打ち抜き加工を施しても良い。
【0082】
次に、第1切り込み26の外側の不要な接着剤層12を離型フィルム11から剥離して除去し、ラベル形状の接着剤層12であるラベル形状接着部22のみを離型フィルム11上に残した状態にする(ステップ4:S4)。ここでは、ステップ1を、ステップ2乃至4の前に実行しているが、ステップ2乃至4の後に実行しても、ステップ2乃至4と同時に実行しても良い。
【0083】
次に、ラベル形状接着部22及び露出している離型フィルム11の全面を覆うように、粘着フィルム13を積層した第2積層体27を形成する(ステップ5:S5)。このとき、図1(a)及び(b)に示したように、ラベル形状接着部22と識別部14とは、識別部14の矩形形状の長辺の延長線がラベル形状接着部22の略中心を通るように目視にて位置合わせし、かつ、ラベル形状接着部22と粘着フィルム13の粘着剤層とが重なり合うようにして、加熱して貼り合わせる。尚、隣接する2つのラベル形状接着部22の間隔と、隣接する2つの識別部14の間隔は同じラベルピッチLであるので、所望の1つの(最初の)ラベル形状接着部22と所望の1つの(最初の)識別部14との位置合わせを行えばよく、すべての識別部14の位置合わせを行う必要はない。
【0084】
次に、図14に示すように、第2積層体27の離型フィルム11と粘着フィルム13とからなる積層部27aに、プリカット刃(図示せず)を用いて、粘着フィルム13の表面13aから離型フィルム11に達するまでの、ラベル形状接着部22を囲む環状の切り込み(以下、第2切り込みと呼ぶ)28と、第2切り込み28の外側に該第2切り込み28を完全に囲む環状の切り込み(以下、第3切り込みと呼ぶ)29とを入れる(ステップ6:S6)。
【0085】
ここで、第2切り込み28の形成と第3切り込み29の形成は、光センサ等により識別部14を認識させ、この光センサ等による識別部14の認識によってプリカット刃が回転し、その結果切り込みが形成される。また、プリカット刃は、ラベル形状接着部22の中心とラベル部23aの中心とが一致するようなタイミングで回転するように設定されている。
【0086】
また、プリカット刃の替わりに金型を用いて、第2切り込み28及び第3切り込み29を形成するように打ち抜き加工を施しても良い。また、第2切り込み28の形成と第3切り込み29の形成を同時に行っているが、別々に形成しても良い。またそのとき、形成順はどちらが先であっても良い。尚、ウエハ加工用テープ10a(図2参照)に示したような周辺部23bがラベル部23aの外側を完全に囲まない形態の場合は、第3切り込み29を、第2切り込み28を囲まない切り込みとする。また、ウエハ加工用テープ10b(図3参照)に示したような周辺部23bのない形態の場合は、第3切り込み29を入れず、第2切り込み28のみとする。
【0087】
最後に、第2切り込み28と第3切り込み29の間の不要な粘着フィルム13を離型フィルム11から剥離して除去し、粘着フィルム13からなるラベル部23aと周辺部23bを形成する(ステップ7:S7)。これにより、ラベル形状接着部22とラベル部23aとからなる、即ち、接着剤層12と粘着フィルム13とからなるダイシングダイボンディングフィルム20を有するウエハ加工用テープ10を形成する。尚、ウエハ加工用テープ10b(図3参照)に示したような周辺部23bのない形態の場合は、第2切り込み28の外側の不要な粘着フィルム13を離型フィルム11から剥離して除去し、粘着フィルム13からなるラベル部23aのみを形成する。
【0088】
上述したウエハ加工用テープ10の製造方法は、ラベル形状接着部22及び露出している離型フィルム11の全面を覆うように、粘着フィルム13を積層した第2積層体27を形成する工程(ステップ5)の前に、粘着フィルム13の面13a上に識別部14を形成する工程(ステップ1)を実行しているが、図13及び図14において、ステップ1を実行せずに、ラベル形状接着部22を形成するための第1切り込み26を入れる工程(ステップ3)において、第1切り込み26を入れるタイミングに合わせて、ステップ1に相当する粘着フィルム13の面13a上に識別部14を形成する工程を実行するようにしても良い。このとき、例えば、第1切り込み26を入れるプリカット刃が設けられているドラムに、または、このドラムと同径の別のドラムに、識別部14を形成するためのゴム印を設け、別に設けたスタンプ台とにより、ラベル形状接着部22同士の間隔(ラベルピッチL)と同じ間隔で識別部14を粘着フィルム13の面13a上に印刷形成する。
【0089】
また、図6(a)に示したように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)とラベル形状接着部22(接着剤層12)との間に設けられたウエハ加工用テープ10iの場合は、図15及び図16に示すように、粘着フィルム13の面13b上に識別部14を形成する工程(ステップ5a:S5a)を、第2積層体27を形成する工程(ステップ5)の直前に設け、ステップ2、ステップ3、ステップ4、ステップ5a、ステップ5、ステップ6、ステップ7の順に、各工程を実行することにより、ウエハ加工用テープ10iを形成する。ここで、ステップ5aは、ステップ4とステップ5の間に設けられているが、ステップ5の前に実施されていれば良い。
尚、識別部14は、ステップ2乃至ステップ4によって形成されるラベル形状接着部22のラベルピッチLで、粘着フィルム13の面13b上に印刷形成される。
【0090】
また、図6(b)に示したように、識別部14が、ラベル形状接着部22(接着剤層12)に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に設けられたウエハ加工用テープ10jの場合は、図17及び図18に示すように、離型フィルム11の面11b上に識別部14を形成する工程(ステップ2a:S2a)を、第1積層体(接着フィルム)25を形成する工程(ステップ2)の前に設け、ステップ2a、ステップ2、ステップ3、ステップ4、ステップ5、ステップ6、ステップ7の順に、各工程を実行することにより、ウエハ加工用テープ10jを形成する。ここで、ステップ2aは、ステップ2の前に実施されているが、ステップ2と同時であっても、ステップ2の後であってよい。
尚、識別部14は、ステップ2乃至ステップ4によって形成されるラベル形状接着部22のラベルピッチLで、離型フィルム11の面11b上に印刷形成される。
【0091】
また、図6(c)に示したように、識別部14が、ラベル部23a(粘着フィルム13)と離型フィルム11との間に設けられたウエハ加工用テープ10kの場合は、図15及び図16に示した作製方法と同様に、粘着フィルム13の面13b上に識別部14を形成する工程を実行してウエハ加工用テープ10kを作製する。
【0092】
また、図6(d)に示したように、識別部14が、周辺部23b(粘着フィルム13)と離型フィルム11との間に設けられたウエハ加工用テープ10lの場合も、図15及び図16に示した作製方法と同様に、粘着フィルム13の面13b上に識別部14を形成する工程を実行してウエハ加工用テープ10lを作製する。
【0093】
また、図5(a)、(b)及び(c)に示した本発明の第1の実施形態の変形例に係るウエハ加工用テープ10f乃至10hを製造する方法も、上記のウエハ加工用テープ10の製造方法と同様である。また、図7及び図8に示した本発明の第1の実施形態の変形例に係るウエハ加工用テープ30、30a、30bを製造する方法も、上記のウエハ加工用テープ10の製造方法と同様である。また、図9(a)に示した本発明の第1の実施形態の変形例に係るウエハ加工用テープ30cを製造する方法も、上記のウエハ加工用テープ10iの製造方法と同様である。また、図9(b)に示した本発明の第1の実施形態の変形例に係るウエハ加工用テープ30dを製造する方法も、上記のウエハ加工用テープ10jの製造方法と同様である。
【0094】
次に、図10(a)及び(b)に示した本発明の第2の実施形態に係るウエハ加工用テープ40を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法について説明する。尚、以下、識別部44が印刷形成されてなるもの場合を例に挙げて説明する。
図19及び図20は、本発明のウエハ加工用テープ40を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法を説明するための図である。
【0095】
図13及び図14に示した本発明のウエハ加工用テープ10を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法と、図19及び図20に示した本発明のウエハ加工用テープ40を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法との相違点は、ステップ1(S1)において、識別部14に替えて、識別部44を、ラベル形状接着部22のラベルピッチLで、粘着フィルム13の面13a上に印刷形成する(ステップ1:S1)ことである。この識別部44は、ラベル形状接着部22の外周に合わせて、ラベル形状接着部22に接する面とは反対のラベル部23a(粘着フィルム13)の面24a上に設けられた環状の形状で、例えば、円形リング形状である。
図19及び図20に示すように、上述したステップ1乃至ステップ7の各工程を実行することにより、ウエハ加工用テープ40を形成する。
【0096】
また、図11(a)に示したようなウエハ加工用テープ40aは、図21及び図22に示すように、プリカット作業と同時に識別部44を形成することができる。接着剤層12をラベル形状にプリカットしてラベル形状接着部22を形成するときに、プリカット用の刃や金型にあらかじめ付着されたインクによりプリカット作業と同時に形成する方法がある。
【0097】
図13及び図14に示した本発明のウエハ加工用テープ10を製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法と、図21及び図22に示した本発明のウエハ加工用テープ40aを製造するための本発明の一実施形態に係るウエハ加工用テープの製造方法との相違点は、ステップ3(S3)において、プリカット刃(図示せず)を用いて、長尺の離型フィルム11上に接着剤層12が積層された第1積層体25に、接着剤層12の表面12aから離型フィルム11に達するまでの環状の第1切り込み26を入れるとともに、ラベル形状接着部22の外周に合わせた環状の識別部44が印刷形成する(ステップ3:S3)ことである。
【0098】
このとき、例えば、第1切り込み26を入れる前に、プリカット刃がスタンプ台を通過するようにしてプリカット刃にインクを付着させ、第1切り込み26を入れるとともに第1切り込み26にインクを付着させる。これにより、以降のステップ2において形成されるラベル形状接着部22の外周部に、ラベル形状接着部22の外周に合わせた環状の識別部44が形成される。尚、このとき、識別部44は、ラベル形状接着部22の外周部に設けられることにより、ラベル形状接着部22に接する離型フィルム11の面11aにも、識別部44の一部が形成される。また、プリカット刃の替わりに金型を用いて、第1切り込み26を形成するように打ち抜き加工を施しても良い。
【0099】
そして、図21及び図22に示すように、ステップ2、上述したステップ3、ステップ4、ステップ5、ステップ6、ステップ7の順に、各工程を実行することにより、ウエハ加工用テープ40aを形成する。
【0100】
また、図11(b)に示したように、識別部44が、ラベル形状接着部22(接着剤層12)に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に設けられたウエハ加工用テープ40bの場合は、図17及び図18の識別部14に替えて、識別部44を形成することにより、ウエハ加工用テープ40bを作製する。第1切り込み26の形成の前に、第1切り込み26の形成と同時に、または、第1切り込み26の形成の後に、離型フィルム11の面11b上の第1切り込み26に対応する位置に、第1切り込み26と同様の形状の識別部44を印刷形成する。
【0101】
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0102】
(接着剤層12の形成)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
【0103】
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
【0104】
上記接着剤を離型フィルム11上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が5μmのBステージ状態(熱硬化性樹脂の硬化中間状態)の塗膜を形成し、離型フィルム11上に接着剤層12を形成し、冷蔵保管した。
【0105】
(粘着フィルム13の形成)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
【0106】
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを、適宜滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調製した。
【0107】
続いて、調製した粘着剤層組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、粘着フィルム13を作製した。
【0108】
(実施例1として用いたウエハ加工用テープの形成)
冷蔵保管していた接着剤層12が形成された離型フィルム11を常温に戻し、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層12の不要部分を除去し、粘着フィルム13と室温でラミネートした。次いで、張り合わせた接着剤層12の外側の粘着フィルム13に対して、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層12と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を試みた。この際、光学センサを用いて識別部を認識し、直径220mmの円形プリカットされた接着剤層12と位置合わせして、粘着フィルム13を同心円状に直径290mmの円形にプリカット加工を試みた。光学センサとしては特に限定されないが、例えば汎用のレーザセンサなどを用いることができる。こうして実施例1として用いるウエハ加工用テープの作製を試みた。
また、図1(a)、(b)及び(c)に示すウエハ加工用テープ10のように、粘着フィルム13を製造する際に、粘着フィルム13の面13a上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、線に近い形状であって長辺の長さが10mm程度の矩形形状の識別部を印刷形成した。
【0109】
(実施例2として用いたウエハ加工用テープの形成)
図7(a)、(b)及び(c)に示すウエハ加工用テープ30のように、粘着フィルム13を製造する際に、粘着フィルム13の面13a上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、線に近い形状であって、長辺の長さと粘着フィルム13のY方向の長さとが同じになるように設けられた矩形形状の識別部を印刷形成したほかは、実施例1と同じである。
【0110】
(実施例3として用いたウエハ加工用テープの形成)
図10(a)及び(b)に示すウエハ加工用テープ40のように、粘着フィルム13を製造する際に、粘着フィルム13の面13a上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、直径220mmの円形リング形状の識別部を印刷形成したほかは、実施例1と同じである。
【0111】
(実施例4として用いたウエハ加工用テープの形成)
冷蔵保管していた接着剤層12が形成された離型フィルム11を常温に戻し、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を試みた。その後、接着剤層12の不要部分を除去し、粘着フィルム13の面13b上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、線に近い形状であって長辺の長さが10mm程度の矩形形状の識別部を印刷形成した粘着フィルム13と室温でラミネートした。次いで、張り合わせた接着剤層12の外側の粘着フィルム13に対して、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層12と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を試みた。こうして実施例4として用いるウエハ加工用テープの作製を試みた。このウエハ加工用テープは、図6(a)に示すウエハ加工用テープ10iに相当する。
【0112】
(実施例5として用いたウエハ加工用テープの形成)
冷蔵保管していた接着剤層12が形成された離型フィルム11を常温に戻し、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を試みた。その際、プリカット刃を着色することで、接着剤層12の外周部に認識部を設けた。その後、接着剤層12の不要部分を除去し、粘着フィルム13と室温でラミネートした。次いで、張り合わせた接着剤層12の外側の粘着フィルム13に対して、離型フィルム11への切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層12と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を試みた。こうして実施例5として用いるウエハ加工用テープの作製を試みた。このウエハ加工用テープは、図11(a)に示すウエハ加工用テープ40aに相当する。
【0113】
(実施例6として用いたウエハ加工用テープの形成)
図6(b)に示すウエハ加工用テープ10jのように、接着剤層12を製造する際に、接着剤層12に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、線に近い形状であって長辺の長さが10mm程度の矩形形状の識別部を印刷形成したほかは、実施例1と同じである。
【0114】
(実施例7として用いたウエハ加工用テープの形成)
図9(b)に示すウエハ加工用テープ30dのように、接着剤層12を製造する際に、接着剤層12に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、線に近い形状であって、長辺の長さと粘着フィルム13のY方向の長さとが同じになるように設けられた矩形形状の識別部を印刷形成したほかは、実施例1と同じである。
【0115】
(実施例8として用いたウエハ加工用テープの形成)
図11(b)に示すウエハ加工用テープ40bのように、接着剤層12を製造する際に、接着剤層12に接する面とは反対の離型フィルム11の面11b上に印刷機構を用いて一定(278.6mm)間隔で、直径220mmの円形リング形状の識別部を印刷形成したほかは、実施例1と同じである。
【0116】
(比較例として用いたウエハ加工用テープの形成)
冷蔵保管していた接着剤層が形成された離型フィルムを常温に戻し、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を試みた。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着フィルムと室温でラミネートした。次いで、張り合わせた接着剤層の外側の粘着フィルムに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を試みた。この際、光学センサを用いて、直径220mmの円形プリカットされた接着剤層を識別し、位置を合わせて粘着フィルムを同心円状に直径290mmの円形にプリカット加工した。光学センサとしては特に限定されないが、例えば汎用のレーザセンサなどを用いることができる。こうして比較例として用いるウエハ加工用テープの作製を試みた。
【0117】
作製した実施例1乃至8及び比較例のウエハ加工用テープについて、センサ認識性の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0118】
【表1】

【0119】
<センサ認識性の評価>
実施例1乃至8及び比較例のウエハ加工用テープを作成する際に光学センサを用いて、直径220mmの円形プリカットされた接着剤層の外周部分を認識させる作業を、実施例1乃至8及び比較例のウエハ加工用テープにおいてそれぞれ50回行い、二次プリカット刃が回転して、所定の位置に第2切り込みを形成できた回数の割合を調べ、センサ認識性の評価を行った。ここで、表1において、認識回数は、二次プリカット刃が回転して、所定の位置に第2切り込みを形成できた回数を示し、センサ認識性成功率は、認識作業50回中の認識回数の割合(%)を示したものである。
【0120】
表1に示すように、実施例1乃至8のウエハ加工用テープは50回すべての認識作業において、二次プリカット加工工程における第2切り込みを形成することができた。一方、比較例のウエハ加工用テープは、50回の認識作業中5回しか、二次プリカット加工工程における第2切り込みを形成することできなかった。
表1の結果から、接着剤層12の厚さが5μm以下の場合であっても、本実施例に係るウエハ加工用テープは、センサ認識性が良好であることがわかった。
【符号の説明】
【0121】
10、30、40:ウエハ加工用テープ
11:離型フィルム
12:接着剤層
13:粘着フィルム
14、34、44:識別部
20:ダイシングダイボンディングフィルム
22:ラベル形状接着部
23a:ラベル部
23b:周辺部
25:第1積層体
26:第1切り込み
27:第2積層体
28:第2切り込み
29:第3切り込み


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の離型フィルムと、
前記離型フィルム上に設けられた所定の平面形状を有する複数個の接着剤層と、
前記接着剤層をそれぞれ覆い、かつ、当該接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた複数個のラベル部を有する粘着フィルムと、
を備えるウエハ加工用テープであって、
識別部が、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように、前記接着剤層に接する面とは反対の前記粘着フィルムの面上、前記粘着フィルムと前記接着剤層との間、前記粘着フィルムと前記離型フィルムとの間、前記接着剤層と前記離型フィルムとの間、または、前記接着剤層に接する面とは反対の前記離型フィルムの面上の内の少なくとも1つに設けられていることを特徴とするウエハ加工用テープ。
【請求項2】
前記識別部は、前記接着剤層の外周に合わせた環状であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項3】
前記識別部は、印刷形成されてなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項4】
前記粘着フィルムは、前記離型フィルム上に前記ラベル部の外側を囲むように設けられた周辺部を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項5】
(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、
(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、
を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の前に、
(c)前記接着剤層に接する面とは反対の前記粘着フィルムの面上に、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように識別部を形成する工程を備え、
前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とするウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項6】
(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、
(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、
を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の直前に、
(d)前記接着フィルムに接する前記粘着フィルムの面上に、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように識別部を形成する工程を備え、
前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とするウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項7】
(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、
(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、
を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の前に実行される、前記離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の前記接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された前記接着フィルムを作製する工程において、
(e)前記接着剤層に接する面とは反対の前記離型フィルムの面上に、隣接する2つの前記接着剤層の間隔と略同じ間隔となるように識別部を形成する工程を備え、
前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とするウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項8】
前記識別部は、前記接着剤層の外周に合わせた環状であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
【請求項9】
(a)長尺の離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された接着フィルム上に、前記接着剤層を覆い、かつ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように、粘着フィルムを積層する工程と、
(b)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成する工程と、
を備えるウエハ加工用テープの製造方法であって、
前記工程(a)の前に実行される、前記離型フィルム上に所定の平面形状を有する複数個の前記接着剤層が設けられ、前記離型フィルムと前記接着剤層とがこの順に積層された前記接着フィルムを作製する工程において、
(f)所定の平面形状の前記接着剤層を形成するときに、前記接着剤層の外周に合わせた環状の識別部を、前記接着剤層の外周部に形成する工程を備え、
前記工程(b)が、前記識別部を認識することにより、前記接着剤層との位置合わせをして前記接着剤層を囲む環状の切り込みを形成することを特徴とするウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項10】
前記識別部は、印刷形成されてなるものであることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープの製造方法。
【請求項11】
前記工程(b)の替わりに、(g)前記工程(a)によって形成された前記接着フィルムと前記粘着フィルムとから構成される積層体において、前記離型フィルムと前記粘着フィルムとからなる前記積層部に、前記粘着フィルムの表面から前記離型フィルムに達するまでの、それぞれの前記接着剤層を囲む環状の切り込みを複数個形成するとともに、前記切り込みの外側に別の切り込みを形成する工程を備えていることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープの製造方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−171545(P2011−171545A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34513(P2010−34513)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】