説明

エアバッグ制御装置

【課題】エアバッグを適切に展開可能で部品点数を少なくしつつセンサの配置自由度を向上させて安価に実現すること。
【解決手段】エアバッグ機構100は、グローブボックス3の下部に設けられ、静電容量センサ10、エアバッグ装置20、角度調整モータ30を収容部37に収容してなる。静電容量センサ10の検知電極12は、収容部37と助手席40の少なくとも先端との間に人体49の一部が介在することにより変化する静電容量Cを検知して、この静電容量Cが作動可範囲内にあるか否かが検知回路13によって判定され、助手席40の各種状態が認識される。検知回路13は、判定結果に基づいて、作動許可信号あるいは作動不許可信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両の乗員を保護するエアバッグの作動を制御するエアバッグ制御装置に関し、特に車両の助手席側におけるエアバッグの作動を制御するエアバッグ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば自動車のインストルメントパネルに設けられたエアバッグの作動を制御するものとして、下記特許文献1に開示されている作動判断システムが知られている。この特許文献1に開示された作動判断システムは、助手席の乗員の有無やチャイルドシートの設置状態などを、超音波センサや赤外線センサからなる距離センサや、チョッパ付き赤外線センサからなる熱源センサなどによって検知し、その結果に基づきエアバッグの展開を適切な状態にて行う構成とされている。
【0003】
【特許文献1】特許第2846960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている従来の作動判断システムでは、例えば助手席に温かいペットボトルや直射日光に曝されたぬいぐるみなどの人体以外の物体が置かれた場合や、助手席自体が熱を持った場合などに、助手席に乗員が着座していると判断してしまうこととなる。このため、エアバッグの展開(作動)が不要であるにもかかわらず、エアバッグを展開可能にしてしまうことが想定され、エアバッグの展開を適切な状態で行うことができないという問題がある。
【0005】
また、この作動判断システムでは、例えば助手席にチャイルドシートが設置された場合に、超音波センサからなる距離センサの特性上、チャイルドシートに人体が存在していないときでもやはり助手席に乗員が着座していると判断してしまう場合がある。これについては特許文献1においても言及されており、エアバッグの展開が不要であるのに展開可能にしてしまうことが想定され、同様にエアバッグの展開を適切な状態にて行うことができないという問題がある。
【0006】
さらに、この作動判断システムでは、異なる種類や形状の複数のセンサ類や多くの判断基準が必要であるため、システム構成が複雑化するとともにセンサ配置位置に制約が生じ、エアバッグによる乗員の保護に関してかかるコストの削減を図りにくいという問題がある。
【0007】
また、この作動判断システムでは、乗員の体格を検知することはできないため、例えば体格の違いに応じてエアバッグの展開角度を変えて脚部を保護することができるような、より総合的に乗員を保護可能となるエアバッグ装置を実現することができないという問題がある。
【0008】
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、エアバッグを乗員の有無や体格の差などの種々の条件下においても適切に展開させることができるとともに、部品点数を少なくしつつセンサの配置自由度を向上させて安価に実現することができるエアバッグ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るエアバッグ制御装置は、車両の助手席前方のインストルメントパネルに配置されたエアバッグが収容されるエアバッグ収容部に設けられ、当該エアバッグ収容部と前記助手席の少なくとも先端との間に人体の一部が介在することにより変化する静電容量を検知する検知電極と、前記検知電極からの検知信号に基づいて前記エアバッグの作動を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明に係るエアバッグ制御装置は、以上のように構成することにより、車両の助手席の人体の有無などの各種状態を静電容量により検知して、検知電極からの検知信号によってエアバッグの作動を適切に制御することができる。このため、エアバッグを種々の条件下においても適切に展開させることができ、部品点数を少なくしつつセンサの配置自由度を向上させて安価に実現することができる。
【0011】
前記制御回路は、例えば前記検知電極からの検知信号が示す静電容量が、あらかじめ設定された下限閾値および上限閾値の範囲内にあるか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記エアバッグの作動の可否を決定する制御を行う構成とされていてもよい。
【0012】
また、前記エアバッグ収容部は、例えば前記インストルメントパネルにおけるグローブボックスの下部に設けられ、前記検知電極は、例えば前記グローブボックスの下方から前記助手席の着座部の上方までの領域における前記静電容量を検知可能となるように、前記エアバッグ収容部の外形に沿って設けられている構成とされていてもよい。
【0013】
前記検知電極および前記制御回路は、例えば同一基板上に形成されている構成とされていてもよい。この場合、前記基板は、例えばフレキシブルプリント基板、リジッド基板またはリジッドフレキシブル基板からなる。
【0014】
また、前記検知電極は、例えば前記助手席の着座部に人体が着座した場合に、少なくとも前記グローブボックスの下方における前記人体の脚部位置を検知可能となるように、前記エアバッグ収容部の外形に沿って複数配列状態で設けられている構成とされていてもよい。
【0015】
そして、前記検知電極により検知された検知信号に基づく前記制御回路の制御によって、前記エアバッグの作動角度を調整する角度調整手段をさらに備える構成とされていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、車両の助手席の人体の有無などの各種状態を静電容量により検知して、検知電極からの検知信号によってエアバッグの作動を適切に制御することができ、エアバッグを種々の条件下においても適切に展開させるとともに、部品点数を少なくしつつセンサの配置自由度を向上させて安価に実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して、この発明に係るエアバッグ制御装置の好適な実施形態について説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施形態に係るエアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構を配置した車両の助手席近傍の例を示す概略図、図2は同エアバッグ制御装置の外観の例を示す概略図、図3は同エアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構の回路構成の例を示すブロック図、図4は同エアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構の動作を説明するための説明図である。
【0019】
図1に示すように、エアバッグ機構100は、例えば自動車1の車室内における助手席40の前方のインストルメントパネル2に配置されている。助手席40は、背もたれ部41、着座部42およびヘッドレスト43を有し、シートレール44を介して自動車1のフロア1aに対して前後方向に移動可能に設けられている。
【0020】
エアバッグ機構100は、具体的には、インストルメントパネル2に設けられたグローブボックス3の下部に設けられ、静電容量センサ10と、エアバッグ装置20と、角度調整モータ30とを備え、これらを内部の所定位置に収容する箱状の収容部37に収められた構造からなる。また、静電容量センサ10とエアバッグ装置20とは、ECU(Electric Control Unit)などの図示しない制御部にそれぞれ電気的に接続されている。
【0021】
静電容量センサ10は、図2に示すように、基板11の一方の面側に形成された検知電極12と、他方の面側に形成された検知回路13とを備えて構成され、例えば収容部37の上部リッド38の内側に設けられている。基板11は、例えばフレキシブルプリント基板、リジッド基板またはリジッドフレキシブル基板からなり、本例では角丸矩形状に形成されている。
【0022】
検知電極12は、銅箔などの導電材からなり、収容部37の上部リッド38と助手席40の少なくとも先端との間に人体49(図1参照)の一部が介在することにより変化する静電容量Cを検知する。検知回路13は、検知電極12からの検知信号に基づいてエアバッグ装置20の作動を制御する。なお、これら検知電極12および検知回路13は、同一の基板11上に形成されているため、検知電極12と検知回路13とを電気的に繋ぐハーネス類を不要とすることができる。また、検知電極12および検知回路13は、基板11の同一面上に形成されていてもよい。
【0023】
この検知電極12は、本例ではグローブボックス3の下方から助手席40の着座部42の上方までの領域における静電容量Cを検知可能となるように、例えば上部リッド38の内側に収容部37の外形に沿う状態で設けられている。なお、図示は省略するが、検知電極12は、インストルメントパネル2の所定位置にて上記領域の静電容量Cを検知できるように配置されていてもよい。
【0024】
そして、検知回路13は、このように設けられた検知電極12からの検知信号が示す静電容量Cが、例えばあらかじめ設定された下限閾値および上限閾値の範囲(以下、「作動可範囲」と呼ぶ。)内にあるか否かを判定するとともに、この判定結果に基づいてエアバッグ装置20の作動の可否を決定し、エアバッグ装置20の作動を制御する。
【0025】
すなわち、図3に示すように、検知回路13は、検知電極12からの静電容量Cが、作動可範囲内にあると判定した場合は、制御部のAND回路27に対して作動許可信号を出力する。また、検知回路13は、検知電極12からの静電容量Cが、下限閾値を下回ったり上限閾値を超えたりして、作動可範囲外にあると判定した場合は、制御部のAND回路27に対して作動不許可信号を出力する。また、検知回路13は、検知電極12からの静電容量Cに基づいて、後述するように角度調整モータ30に対してエアバッグ装置20の作動角度を調整させるための調整制御信号を出力する。
【0026】
一方、自動車1に設置された加速度センサ29が自動車1の衝突を検出した場合、衝突検知回路28からAND回路27に対して同様に作動許可信号が出力される。AND回路27は、検知回路13および衝突検知回路28からそれぞれ作動許可信号が得られた場合にのみ、エアバッグ装置20に対してエアバッグを展開させる展開制御信号を出力する。
【0027】
エアバッグ装置20は、通常時はコンパクトに収納されているが、膨張時に人体49を受け止めるように膨らむバッグ21と、このバッグ21に対して膨張ガスなどを供給するインフレータなどを備える装置基台部22とを備えて構成されている。角度調整モータ30は、検知回路13からの調整制御信号に基づいて、図4(a)に示すように、エアバッグ装置20の配置位置を図中矢印で示す方向に移動させ、バッグ21の展開(作動)角度を調整する。
【0028】
すなわち、角度調整モータ30は、助手席40に着座した人体49の脚部48などの位置に応じて、最適な状態(例えば、バッグ21の膨張により脚部48を不用意に怪我させないような状態)でバッグ21を展開することができるように、エアバッグ装置20の位置を調整する。そして、このように位置調整されたエアバッグ装置20は、上記AND回路27からの制御信号を受信したら、図4(b)に示すように、収容部37の上部リッド38および下部リッド39を押し開けるようにバッグ21を膨張させる。
【0029】
このように、このエアバッグ機構100は、助手席40の各種状態を静電容量Cにより検知して、検知電極12からの検知信号によってエアバッグ21の作動を適切に制御することができる。これにより、エアバッグ21を種々の条件下においても適切に展開させることができ、エアバッグ機構100を構成する部品点数を少なくしつつ静電容量センサ10の配置自由度を向上させて安価に実現することができる。
【0030】
図5は、この発明の一実施形態に係るエアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構を配置したグローブボックスの下方の他の例を示す概略図、図6および図7は同エアバッグ制御装置の静電容量センサで検知した静電容量の分布の例を示す説明図、図8は同エアバッグ制御装置による助手席の状態別に応じた静電容量の分布の例を示す説明図、図9は図8の静電容量の分布に対応する助手席近傍の例を示す概略図である。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本例のエアバッグ機構100は、静電容量センサ10の検知電極12を、助手席40の着座部42に人体49が着座した場合に、少なくともグローブボックス3の下方における人体49の脚部48位置を検知可能となるように複数設けて構成されている。すなわち、エアバッグ機構100は、例えば収容部37の上部リッド38や下部リッド39に沿って検知電極12を複数配列した状態で設け、図5に示すように、右脚部48aや左脚部48bの位置を複数の検知電極12からの静電容量の分布によって正確に認識することができるように構成されている。
【0032】
複数の検知電極12は、例えばシート状に形成された基板11にパターン形成されたものでも、それぞれ別々に形成されたものであってもよく、本例のエアバッグ機構100においては、図中矢印Xで示すX軸方向および図中矢印Yで示すY軸方向に沿って、それぞれ例えば6個ずつ配列形成されている。なお、図5においては、各検知電極12の配列に対し、それぞれ簡易的にX軸およびY軸において1〜6の番号を付して図示してある。
【0033】
ここで、図5に示すように、右脚部48aおよび左脚部48bが図中破線で示すような位置にて検知電極12により検知された場合は、X軸における静電容量の分布は図6に示すようなものとなり、Y軸における静電容量の分布は図7に示すようなものとなる。すなわち、X軸における静電容量は、脚部48の位置に応じて番号1〜3の検知電極12にかけては低い値を示すが、番号3〜4にかけて急激に高い値を示し、番号5〜6にかけてはほぼそのままの値を示した状態を維持した分布となる。
【0034】
一方、Y軸における静電容量は、右脚部48aの位置に応じて番号1〜2にかけて低い値から高い値を示し、番号2〜3にかけては高い値から低い値を示す分布となる。また、左脚部48bの位置に応じて番号4〜5にかけて再び低い値から高い値を示し、番号5〜6にかけては高い値から低い値を示す分布となる。
【0035】
このようにして検知された各脚部48a,48bの位置情報は、検知回路13により認識されて制御部に記憶される。検知回路13は、この位置情報に基づいて角度調整モータ30に対して調整制御信号を出力し、エアバッグ装置20は、各脚部48a,48bに対して怪我などを負わせないような最適な状態で展開可能となる角度に調整される。なお、この場合に、上部リッド38や下部リッド39の開き角度などを図示しないモータによってさらに調整するようにし、各脚部48a,48bに対するさらなる保護対策を施すように構成してもよい。
【0036】
本例のエアバッグ機構100は、複数の検知電極12によって人体49の位置を認識可能に構成されているので、人体49の脚部48の保護に対して特に効果を発揮することができ、人体49の様々な体格差に合わせてエアバッグ装置20のバッグ21を最適な状態で作動させることが可能となる。
【0037】
また、インストルメントパネル2に設けられた収容部37と助手席40の少なくとも先端との間に人体49の脚部48などが介在することにより変化する静電容量を検知して、エアバッグ装置20の作動の可否を判断する構成としているので、助手席40の様々な状況に応じてエアバッグ装置20の作動を制御することができる。したがって、エアバッグ機構100は、例えば、図8および図9に示すようなa〜eの各状況においても適切な状態でエアバッグ装置20の作動を制御することができる。
【0038】
すなわち、図8におけるaの静電容量は、図9(a)に示すように、助手席40上に何もない状態のときの静電容量を示しており、収容部37と助手席40の先端との間には人体49が介在しておらず、下限閾値よりも低い値を示しているため、検知回路13からは作動不許可信号が出力される。図8におけるbの静電容量は、図9(b)に示すように、助手席40上にチャイルドシート47が後ろ向きに取り付けられた状態のときの静電容量を示しており、やはり収容部37と助手席40の先端との間には人体49が介在しておらず、下限閾値よりも低い値を示しているため、検知回路13からは作動不許可信号が出力される。
【0039】
従来の作動判断システムでは、上記aの場合は状況により作動許可としてしまったり、上記bの場合は助手席40上のチャイルドシート47を検出して作動許可としてしまうため、安全上好ましいものではなかったが、本例のエアバッグ機構100は、これらa,bの場合は作動不許可とするため、安全性を向上させつつ不要なエアバッグ装置20の作動を抑えることができる。
【0040】
また、図8におけるcの静電容量は、図9(c)に示すように、助手席40上に子供46を乗せたチャイルドシート47が後ろ向きに取り付けられた状態のときの静電容量を示しており、収容部37と助手席40の先端との間には子供46は介在していないが後ろ向きの子供46を検出するため、上限閾値よりも高い値を示し、やはり検知回路13からは作動不許可信号が出力される。
【0041】
そして、図8におけるdの静電容量は、図9(d)に示すように、助手席40上に子供46を乗せたチャイルドシート47が前向きに取り付けられた状態のときの静電容量を示すとともに、図8におけるeの静電容量は、図9(e)に示すように、助手席40上に人体49が乗った状態のときの静電容量を示している。この場合、収容部37と助手席40の先端との間には、子供46や人体49の一部が介在するため、これらにより変化する静電容量、すなわち下限閾値よりも高く上限閾値よりも低い作動可範囲内の値の静電容量が検知され、検知回路13からは作動許可信号が出力されることとなる。
【0042】
以上述べたように、本実施形態に係るエアバッグ機構100によれば、自動車1の助手席40の人体49の有無などの各種状態を静電容量により検知して、検知電極12からの検知信号によってエアバッグ装置20の作動を適切に制御することができ、バッグ21を種々の条件下においても適切に展開させるとともに、例えば静電容量センサ10を構成する部品点数を少なくしつつ静電容量センサ10の配置自由度を向上させて、全体として安価に実現することが可能となる。
【0043】
すなわち、本例のエアバッグ機構100によれば、静電容量センサ10を用いることにより、例えば助手席40自体が熱を持つような場合であっても、助手席40上の人体49を誤検出することがことはなく、適切な状態でエアバッグ装置20を作動させることが可能となる。
【0044】
また、助手席40上にチャイルドシート47などが載せられている場合であっても、そのチャイルドシート47の載置状態やチャイルドシート47上の子供46の有無などを検知することができるので、同様に最適な状態でエアバッグ装置20を作動させることが可能となる。
【0045】
また、静電容量センサ10の検知電極12と検知回路13とが同一基板11上に形成されているため、エアバッグ機構100を安価に製造することが可能となり、検知電極12を透明電極やフレキシブルプリント基板、あるいは導電性パターニングなどで構成することもできるため、ハーネス類などを削減し、配置自由度などを向上させつつ部品点数を削減することができる。
【0046】
さらに、角度調整モータ30によってエアバッグ装置20の作動角度を調整し、静電容量センサ10の検知電極12を複数設けることもできるので、助手席40上の人体49の体格や乗車位置などを認識して、これらに合わせた最適な状態でのエアバッグ装置20の作動を可能にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、自動車等のエアバッグ機構において、特に安全性を向上させて安価に構成するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の係るエアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構を配置した車両の助手席近傍の例を示す概略図である。
【図2】同エアバッグ制御装置の外観の例を示す概略図である。
【図3】同エアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構の回路構成の例を示すブロック図である。
【図4】同エアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構の動作を説明するための説明図である。
【図5】同エアバッグ制御装置を含むエアバッグ機構を配置したグローブボックスの下方の他の例を示す概略図である。
【図6】同エアバッグ制御装置の静電容量センサで検知した静電容量の分布の例を示す説明図である。
【図7】同エアバッグ制御装置の静電容量センサで検知した静電容量の分布の例を示す説明図である。
【図8】同エアバッグ制御装置による助手席の状態別に応じた静電容量の分布の例を示す説明図である。
【図9】図8の静電容量の分布に対応する助手席近傍の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0049】
1…自動車、1a…フロア、2…インストルメントパネル、3…グローブボックス、10…静電容量センサ、11…基板、12…検知電極、13…検知回路、20…エアバッグ装置、21…バッグ、22…装置基台部、27…AND回路、28…衝突検知回路、29…加速度センサ、30…角度調整モータ、37…収容部、38…上部リッド、39…下部リッド、40…助手席、41…背もたれ部、42…着座部、43…ヘッドレスト、44…シートレール、46…子供、47…チャイルドシート、48…脚部、48a…右脚部、48b…左脚部、49…人体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の助手席前方のインストルメントパネルに配置されたエアバッグが収容されるエアバッグ収容部に設けられ、当該エアバッグ収容部と前記助手席の少なくとも先端との間に人体の一部が介在することにより変化する静電容量を検知する検知電極と、
前記検知電極からの検知信号に基づいて前記エアバッグの作動を制御する制御回路とを備えた
ことを特徴とするエアバッグ制御装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記検知電極からの検知信号が示す静電容量が、あらかじめ設定された下限閾値および上限閾値の範囲内にあるか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記エアバッグの作動の可否を決定する制御を行うことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ制御装置。
【請求項3】
前記エアバッグ収容部は、前記インストルメントパネルにおけるグローブボックスの下部に設けられ、
前記検知電極は、前記グローブボックスの下方から前記助手席の着座部の上方までの領域における前記静電容量を検知可能となるように、前記エアバッグ収容部の外形に沿って設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ制御装置。
【請求項4】
前記検知電極および前記制御回路は、同一基板上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のエアバッグ制御装置。
【請求項5】
前記基板は、フレキシブルプリント基板、リジッド基板またはリジッドフレキシブル基板からなることを特徴とする請求項4記載のエアバッグ制御装置。
【請求項6】
前記検知電極は、前記助手席の着座部に人体が着座した場合に、少なくとも前記グローブボックスの下方における前記人体の脚部位置を検知可能となるように、前記エアバッグ収容部の外形に沿って複数配列状態で設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載のエアバッグ制御装置。
【請求項7】
前記検知電極により検知された検知信号に基づく前記制御回路の制御によって、前記エアバッグの作動角度を調整する角度調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のエアバッグ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−265376(P2008−265376A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107194(P2007−107194)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】