説明

エアバッグ装置付きステアリングホイール及びその組付方法

【課題】組付性を向上できるエアバッグ装置付きステアリングホイールを提供する。
【解決手段】エアバッグ装置20のベースとなるバッグホルダ21には、ホーンスイッチ機構15の固定ピン31の下端側及びコイルスプリング35をパッド24側からステアリングホイール本体側に向けて挿通可能で、且つホーンスイッチ機構15の可動装着部材32を組み付けるための取付孔21eが設けられる。これにより、バッグホルダ21の取付孔21eに対し、ホーンスイッチ機構15の固定ピン31の下端側及びコイルスプリング35を挿通させて該スイッチ機構15の可動装着部材32が組み付けられ、またホーンスイッチ機構15と同じ組付方向にてエアバッグ22(リングリテーナ25)及びパッド24がバッグホルダ21に組み付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転席に着座する乗員の頭部及びその近傍を保護するためのエアバッグ装置を備えたエアバッグ装置付きステアリングホイール及びその組付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ装置付きステアリングホイールにおいては、例えば特許文献1に開示されているように、ステアリングシャフトに固定されるステアリングホイール本体にホーンスイッチ機構を介在させてエアバッグ装置が組み付けられてなるものが提案されている。エアバッグ装置は、ベースとなるバッグホルダに対し、エアバッグ及び該エアバッグを膨張展開させるためのインフレータが組み付けられ、そのエアバッグを覆うようにパッドが同じくバッグホルダに対して組み付けられている。このようなバッグホルダにはホーンスイッチ機構の一端が組み付けられ、該ホーンスイッチ機構の他端はホーンプレートに組み付けられ、該ホーンプレートを以てステアリングホイール本体に組み付けられている。
【特許文献1】特開2004−284414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1のホーンスイッチ機構の構成について、バッグホルダとホーンプレートとの間にコイルスプリングユニットを配置しておき、ボルトがホーンプレートのステアリングホイール本体との対向側から挿入され先端部がコイルスプリングユニットを挿通してバッグホルダの取付座に螺着されるとともに基端部がホーンプレートに固定されて、ホーンスイッチ機構がバッグホルダとホーンプレートとに組み付けられている。一方、バッグホルダの反ホーンスイッチ機構側には、エアバッグ及びパッドの組み付けがなされている。そのため、上記特許文献1のエアバッグ装置では、ホーンスイッチ機構のボルト組付方向に倣って、他の部材の組み付けが行われる。
【0004】
即ち、ボルト組付方向から見て最も下側となるのはパッドであるため、先ず裏面側(エアバッグ収容側であり反意匠面側)が上方に向くようにパッドが支持され、次いでエアバッグをパッド内に収容しつつバッグホルダがパッドに対して組み付けられる。そして、このバッグホルダに対してホーンスイッチ機構及びホーンプレートを組み付けるにあたり、上記したようにバッグホルダとホーンプレートとの間にコイルスプリングユニットを配置し、ボルトがホーンプレートから挿入され先端部がコイルスプリングユニットを挿通してバッグホルダの取付座に螺着され基端部がホーンプレートに固定される。
【0005】
しかしながら、このようなパッドを支持して行う組み付けでは、パッドの形状が異なるとその支持態様も変更する必要がある。そもそもパッドは意匠面を有し、例えば車種毎にその形状が様々である。そのため、エアバッグ装置の組み付けにおいてパッドの支持態様を様々用意する必要があるため、これが煩雑であり、組付性の向上に改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、組付性を向上することができるエアバッグ装置付きステアリングホイール及びその組付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイール本体にホーンスイッチ機構を介在させてエアバッグ装置が組み付けられてなるエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記エアバッグ装置は、ベースとなるバッグホルダに対し、エアバッグと該エアバッグを膨張展開させるインフレータとを組み付けるとともに該エアバッグを覆うパッドを組み付けて構成されるものであり、前記ホーンスイッチ機構は、前記ステアリングホイール本体に組み付けられる組付部を有する支持部材と、該支持部材に変位可能に装着され前記バッグホルダに組み付けられる可動装着部材と、該可動装着部材に係止され該装着部材と相対変位する部位との間に付勢力を付与して前記可動装着部材を介しての前記エアバッグ装置の位置保持及びホーンスイッチ機構内に設けられるスイッチ接点部間を非接触で保持する付勢部材とを備えてなるものであって、前記バッグホルダには、前記ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材を前記パッド側から前記ステアリングホイール本体側に向けて挿通可能で、且つ前記ホーンスイッチ機構の可動装着部材を組み付けるための取付孔が設けられてなり、該取付孔に前記可動装着部材が組み付けられた前記ホーンスイッチ機構の支持部材がその組付部にて前記ステアリングホイール本体に組み付けられてなることをその要旨とする。
【0008】
この発明では、エアバッグ装置のベースとなるバッグホルダには、ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材をパッド側からステアリングホイール本体側に向けて挿通可能で、且つホーンスイッチ機構の可動装着部材を組み付けるための取付孔が設けられる。つまり、バッグホルダの取付孔に対し、ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材を挿通させて該スイッチ機構の可動装着部材を組み付けることが可能となり、またホーンスイッチ機構と同じ組付方向にてエアバッグ及びパッドをバッグホルダに組み付けることが可能となる。これにより、意匠面を有するパッドよりも部品共通化を行い易いバッグホルダを基準としてエアバッグ装置の組み付けが可能となるため、そのバッグホルダの支持態様を共通化でき、組付性が向上するものとなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記ホーンスイッチ機構は、前記可動装着部材の一部が前記取付孔よりも大径に形成され、前記パッド側から前記ステアリングホイール本体側に向けての前記取付孔からの抜け防止構造を有してなることをその要旨とする。
【0010】
この発明では、ホーンスイッチ機構は、バッグホルダの取付孔に対して組み付けられる可動装着部材の一部がその取付孔よりも大径に形成され、パッド側からステアリングホイール本体側に向けての取付孔からの抜けが防止される。これにより、ホーンスイッチ機構の脱落やホーンスイッチ機構からバッグホルダ側が脱落すること等が確実に防止される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記ホーンスイッチ機構の可動装着部材は、前記取付孔の周縁に係止する係止部を有するスナップフィット構造にて前記バッグホルダに対して組み付けられていることをその要旨とする。
【0012】
この発明では、ホーンスイッチ機構の可動装着部材は、取付孔の周縁に係止する係止部を有するスナップフィット構造にてバッグホルダに組み付けられる。これにより、ホーンスイッチ機構のバッグホルダへの組み付けが容易となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記付勢部材は、コイルスプリングであり、前記支持部材に挿通されて前記可動装着部材に保持されてなることをその要旨とする。
【0014】
この発明では、付勢部材であるコイルスプリングが支持部材に挿通されて可動装着部材に保持されて、ホーンスイッチ機構が構成される。これにより、コイルスプリングが支持部材に挿通されることでホーンスイッチ機構の小型化が図られるとともに、コイルスプリングが可動装着部材に保持されることでホーンスイッチ機構単体としての取り扱いが容易となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記パッドには、前記エアバッグ装置の前記ステアリングホイール本体への組み付けの際に、前記ホーンスイッチ機構からの組み付け荷重を受けるべく該スイッチ機構と当接するスイッチ支持部が設けられていることをその要旨とする。
【0016】
この発明では、パッドには、エアバッグ装置のステアリングホイール本体への組み付けの際に、ホーンスイッチ機構と当接するスイッチ支持部が設けられ、該スイッチ支持部にてホーンスイッチ機構からの組み付け荷重を受ける構造とされる。これにより、組み付けの際のホーンスイッチ機構のバッグホルダからの脱落や破損等が防止される。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールの組付方法であって、前記バッグホルダの取付孔に対し、前記ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材を挿通させて該スイッチ機構の可動装着部材が組み付けられる工程と、前記ホーンスイッチ機構と同じ組付方向にて、前記エアバッグ及び前記パッドが前記バッグホルダに組み付けられる工程とを含むことをその要旨とする。
【0018】
この発明では、バッグホルダの取付孔に対し、ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材を挿通させて該スイッチ機構の可動装着部材が組み付けられ、次いでホーンスイッチ機構と同じ組付方向にてエアバッグ及びパッドがバッグホルダに組み付けられる。つまり、意匠面を有するパッドよりも部品共通化を行い易いバッグホルダを基準としてエアバッグ装置の組み付けが可能となるため、そのバッグホルダの支持態様を共通化でき、組付性が向上するものとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、組付性を向上することができるエアバッグ装置付きステアリングホイール及びその組付方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のステアリングホイール10は、運転者が車両を操舵すべく把持するステアリングホイール本体11の中央部に、エアバッグ装置(エアバッグモジュール)20が一体に組み付けられて構成されている。ステアリングホイール本体11は、図2に示すように、その芯金12のボス部12aにてステアリングシャフト(図示略)と固定されるとともに、ボス部12aの周囲にエアバッグ装置20を装着する装着部12bがそれぞれ構成されている。各装着部12bは、ボス部12aを挟む左右にそれぞれ1箇所ずつとボス部12aの下側に1箇所の合計3箇所に設けられ、各装着部12bにはクリップ13が備えられている。そして、各装着部12bには、エアバッグ装置20の支持とホーンスイッチとの機能を兼ねる図3に示す3つのホーンスイッチ機構15がそのクリップ13とで構成するスナップフィット構造にて装着され、このホーンスイッチ機構15を介してエアバッグ装置20が芯金12に対して支持される。
【0021】
エアバッグ装置20は、図3及び図4に示すように、バッグホルダ21、エアバッグ22、インフレータ23及びパッド24を備えてなる。バッグホルダ21は、金属板のプレス加工よりなり、略矩形状をなしている。バッグホルダ21の周縁部は、パッド24を固定するための略四角環状の周縁固定部21aとして構成されている。
【0022】
ここで、パッド24は、樹脂成形よりなり、表面が意匠面をなす外皮部24aと、その外皮部24aの裏面側に略四角環状に立設された収容壁部24bとを有している。収容壁部24bは、該収容壁部24bにて囲まれる外皮部24aの内側面とバッグホルダ21とでエアバッグ22を主としたバッグ収容空間Xを形成している。外皮部24aのこの収容空間Xを形成する部位には、エアバッグ22の膨張展開時に押し破られる薄肉部24cが形成されている。
【0023】
収容壁部24bの端面部には、矩形板状をなす5つの係止爪24dが一体に形成されており、具体的には収容壁部24bの上側壁部、左側壁部及び右側壁部にそれぞれ1つ、下側壁部に2つ設けられている。各係止爪24dはそれぞれ所定長さの幅広に形成されており、各係止爪24dの先端部にはその外側面から外側に突出する係止突起24eが形成されている。また、収容壁部24bの各角部の端面部には、それぞれ矩形板状のかしめ片24fが一体に形成されている。
【0024】
これに対し、前記バッグホルダ21は、四角環状をなす周縁固定部21aにおいて、前記パッド24の各係止爪24dに対応する爪係止孔21bが上側辺部、左側辺部及び右側辺部にそれぞれ1つ、下側辺部に2つ形成されている。各爪係止孔21bは、幅広の各係止爪24dに対応してバッグホルダ21の辺方向に長いスリット状をなし、バッグホルダ21の表裏を貫通して形成されている。各爪係止孔21bには、各係止爪24dの先端部が挿通されて係止される。その際、各係止爪24dが係止突起24e分だけ内側に撓んで挿通され、挿通後、係止爪24dが形状復帰して係止突起24eが爪係止孔21bの周縁部に係止して係止爪24dの反挿入方向への抜け止めがなされる。
【0025】
また、バッグホルダ21の各角部には、各かしめ片24fが挿通されるスリット状のかしめ用挿通孔21cが貫通形成されている。各かしめ用挿通孔21cには、各かしめ片24fが挿通され、挿通後においてかしめ片24fの先端部が加熱により潰される所謂熱かしめが施される(図3参照)。そして、各かしめ片24fの熱かしめと各係止爪24dの係止がなされることにより、パッド24がバッグホルダ21に対して固定されるようになっている。
【0026】
バッグホルダ21に設けた四角環状の周縁固定部21aの内側には、略正方形状の台座部21fが構成されている。台座部21fの中心部には円形状の開口部21gが形成されるとともに、該開口部21gの周縁において正方形状の台座部21fの対角線上にそれぞれ1つ合計4つのネジ挿通孔21hが形成されている。台座部21fには、その開口部21gに円柱状をなすインフレータ23の一部が挿入されて取り付けられる。
【0027】
インフレータ23は、円柱状の本体にフランジ部23aを有し、該フランジ部23aには等角度間隔に4つの取付片23bが更に径方向外側に延出されている。各取付片23bには、バッグホルダ21のネジ挿通孔21hに対応するネジ挿通孔23cを有している。インフレータ23は、フランジ部23aから一方側が膨張用ガスを噴出するガス噴出部23xとして構成されている。そして、インフレータ23は、ガス噴出部23xがバッグ収容空間X側に突出するようにその反対側からバッグホルダ21の開口部21gに挿入され、該開口部21gの周縁部にフランジ部23aが当接されて後述のリングリテーナ25とともに取り付けられる。
【0028】
リングリテーナ25は、インフレータ23のガス噴出部23xが挿入されるバッグホルダ21の開口部21gと同等の円形状の開口部25aを有し、該バッグホルダ21の各ネジ挿通孔21hに挿通する4つの取付ネジ25bを有している。リングリテーナ25には、膨張展開可能に折り畳まれたエアバッグ22の開口部が取り付けられている。エアバッグ22が取着されたリングリテーナ25は、バッグ収容空間X側からバッグホルダ21及びインフレータ23の各ネジ挿通孔21h,23cにその取付ネジ25bを挿通し、挿通後の各取付ネジ25bにナット26が螺着されて、バッグホルダ21にリングリテーナ25を介してエアバッグ22が固定され、また同時にインフレータ23もバッグホルダ21に固定される。
【0029】
バッグホルダ21の周縁固定部21aの左側辺部及び右側辺部の上側辺部寄りにおいてそれぞれ爪係止孔21bとかしめ用挿通孔21cとの間の部位と、下側辺部において対で設けられる爪係止孔21b間の中間部位には、ホーンスイッチ機構15を取り付けるための取付部21dがそれぞれ形成されている。各取付部21dには、そのホーンスイッチ機構15の取り付けのための取付孔21eが貫通形成されている。取付孔21eは、ホーンスイッチ機構15を構成する後述の固定ピン31及び該固定ピン31に挿通されたコイルスプリング35が下端側から挿通可能で、且つ固定ピン31の上端側に設けられる可動装着部材32が組み付けられる開口形状に形成されている。
【0030】
[ホーンスイッチ機構の構成]
ホーンスイッチ機構15は、本実施形態のステアリングホイール10では3つ備えられるものであり、図5及び図6に示すように、支持部材としての金属製の固定ピン31と、絶縁部としての可動装着部材32と、可動装着部材32に組み付けられる樹脂製のキャップ部材33と、該キャップ部材33の内側に設けられた可動側接点部としての接点端子34と、付勢部材としての圧縮コイルスプリング35とを備えている。
【0031】
固定ピン31は、その長手方向全体に亘って断面円状をなしており、その上端部(パッド24側の端部)には、該固定ピン31の長手方向に直交して延びる鍔部31aを有している。また、固定ピン31の下端付近には係止溝31bが外周全体に亘って形成されている。固定ピン31は、前記芯金12(ステアリングホイール本体11)の装着部12bに形成された挿入孔12cに挿入され、該固定ピン31の係止溝31bには装着部12bのクリップ13が係止されている(図8参照)。即ち、固定ピン31は、挿入孔12cに所定位置まで挿入するだけで装着部12bに対し固定可能な所謂スナップフィット構造となっている。また、固定ピン31は、装着部12bへの固定状態において芯金12と導通されるようになっている。尚、スナップフィット構造とは、挿入に伴う弾性係止によって固定する固定構造であり、本実施形態のステアリングホイール10では、固定ピン31と芯金12との固定部分や、後述する可動装着部材32とバッグホルダ21との固定部分等にスナップフィット構造が採用されている。
【0032】
可動装着部材32は、絶縁体としての特性を有する材料(例えば、樹脂材料)からなる。可動装着部材32は、段付形状を有する筒状をなし、固定ピン31に対しその長手方向に移動可能に組み付けられている。可動装着部材32における固定ピン31が挿通される筒状部32aの上端には、固定ピン31の鍔部31aが嵌合される嵌合部32bが形成されている。この嵌合部32bは、固定ピン31の鍔部31aの下面及び外周面と当接している。また、嵌合部32bの上端部には、一対の当接凸部32g及び一対の保持凸部32hが、それぞれ上方に突出するように形成されている。各当接凸部32gは、キャップ部材33内面と当接しており、各保持凸部32hは、キャップ部材33とで接点端子34を挟み込んで保持するようになっている。尚、当接凸部32g及び保持凸部32hは、それぞれ周方向等間隔に設けられている。
【0033】
可動装着部材32には、ホーンスイッチ機構15(固定ピン31)を芯金12に対し組み付ける前の状態(図5及び図3参照)において圧縮コイルスプリング35を保持するためのスプリング保持部32cが周方向等間隔に4つ(図5及び図6では2つのみ図示)形成されている。スプリング保持部32cは、嵌合部32bから下方に延びるとともに、該スプリング保持部32cの下端には、筒状部32a側に突出する係止凸部32dが形成されている。このスプリング保持部32cと筒状部32aとの間には隙間が設定されており、スプリング保持部32cは径方向(ホーンスイッチ機構15の軸直交方向)に撓むことが可能となっている。
【0034】
ホーンスイッチ機構15の組み立て時において、圧縮コイルスプリング35は、その上端部が可動装着部材32の筒状部32aとスプリング保持部32cとの間に挿入される。このとき、圧縮コイルスプリング35は、スプリング保持部32cの弾性復帰により該スプリング保持部32cの係止凸部32dに係止され、これにより可動装着部材32に対し保持されるようになっている(図5参照)。このように、圧縮コイルスプリング35は、芯金12への組み付け前の状態において、その上端部がスプリング保持部32cの係止凸部32dに係止されて保持されている。即ち、圧縮コイルスプリング35の下端部側は開放状態となっているため、圧縮コイルスプリング35を圧縮状態で仮止めする必要のない構成となっている。
【0035】
また、可動装着部材32には、嵌合部32bから下方に延びるホルダ係止部32eが周方向等間隔に4つ(図5及び図6では1つのみ図示)形成されている。ホルダ係止部32eは、スプリング保持部32cから周方向に若干ずれた位置に形成されている。このホルダ係止部32eと筒状部32aとの間には隙間が設定されており、スプリング保持部32cは径方向に撓むことが可能となっている。各ホルダ係止部32eは、可動装着部材32の取付孔21eへの挿入に伴う弾性復帰によりバッグホルダ21の下面に係止されるようになっており(図7参照)、このホルダ係止部32eにより可動装着部材32のバッグホルダ21へのスナップフィット構造が実現されている。尚、図7は、ホーンスイッチ機構15のホルダ係止部32eを含む断面を示しており、図8は、接点端子34の長手方向に沿った断面を示している。
【0036】
可動装着部材32の嵌合部32bには、前記キャップ部材33が固定ピン31及び可動装着部材32を上方から覆うように組み付けられている。キャップ部材33は、円形の上底部33aと、該上底部33aの周縁から下方に延びる側壁部33bとを有し、側壁部33bには、弾性変形可能な一対のフック部33c(図5及び図6では1つのみ図示)が形成されている。フック部33cは可動装着部材32の嵌合部32bの下面32i(図6参照)に係止されており、また、キャップ部材33の上底部33aは、可動装着部材32の当接凸部32gと当接している。これにより、キャップ部材33は、可動装着部材32に対して上下方向に移動不能に固定されている。
【0037】
尚、上底部33aの上面には、組み付け時においてキャップ部材33の向きを揃えるための溝33dが形成されており、該溝33d内の各フック部33cと対応する位置には、該フック部33cのアンダーカット部分を成形するための成形用孔33eが形成されている。そして、各成形用孔33eは、キャップ部材33の上底部33a内面と当接する可動装着部材32の当接凸部32gにより塞がれている。これにより、成形用孔33eからキャップ部材33内部への屑等の異物の侵入が防止され、その結果、固定ピン31と接点端子34との導通の不具合の発生が抑制されるようになっている。
【0038】
尚、エアバッグ装置20を組み立てた状態において、キャップ部材33の上面は、前述したパッド24のスイッチ支持部24gと当接している(図3参照)。これにより、例えばエアバッグ装置20を強打したとき、その反力によりキャップ部材33が可動装着部材32から外れてしまうことが防止されている。
【0039】
キャップ部材33の内側には、前記接点端子34が設けられている。図6及び図8に示すように、接点端子34は、金属板のプレス加工により成型されるものであって、直線状をなす上部34aと、該上部34aの両端からそれぞれ下方に延びる側部34bとからなり、キャップ部材33の内面形状に対応した略断面コ字状をなしている。接点端子34は、その上部34aがホーンスイッチ機構15の中心軸と直交するように配置されている。接点端子34の各側部34bには、係合孔34eが形成されており、該各係合孔34eには、キャップ部材33の内面に突出形成された係合凸部33fが係止されている。これにより、接点端子34は、キャップ部材33の内周面に保持されている。接点端子34の上部34aには、固定ピン31側に突出する3つの接触凸部34cが形成されている。3つの接触凸部34cは、上部34aの長手方向に沿って等間隔に並んでおり、真ん中の接触凸部34cは上部34aの長手方向中心に形成されている。
【0040】
接点端子34の各側部34bは、その下端に屈曲部34dを有している。屈曲部34dは、側部34bから外側に延出するように屈曲形成されており、バッグホルダ21の上面と接触している(図8参照)。これにより、バッグホルダ21と接点端子34とが導通された状態となっている。尚、屈曲部34dは、バッグホルダ21への組み付け前の状態においては、側部34bとでなす角度が90度よりも大きく設定されており(本実施形態では95度)、組み付け状態においてバッグホルダ21上面に確実に接触するようになっている。また、組み付け状態においては、屈曲部34dと側部34bとのなす角度は、略90度となっている。一方、各側部34bと固定ピン31との間には、前記可動装着部材32の嵌合部32bが介在されており、該各側部34bと固定ピン31との絶縁状態が確保されている。
【0041】
上記したように、本実施形態のホーンスイッチ機構15では、接点端子34が組み付けられたキャップ部材33が可動装着部材32に固定されており、可動装着部材32には固定ピン31が脱落不能に組み付けられている。また、可動装着部材32のスプリング保持部32cには、圧縮コイルスプリング35が保持されている。即ち、ホーンスイッチ機構15は、これらの複数の単体部品(固定ピン31、可動装着部材32、キャップ部材33、接点端子34及び圧縮コイルスプリング35)がユニット化されて構成されたASSY部品である(図5参照)。これにより、ホーンスイッチ機構15の組み付けや交換の際に、ユニット化されたホーンスイッチ機構15を1つの集合体として扱うことが可能となっている。尚、上記したように、可動装着部材32には固定ピン31が脱落不能に組み付けられており、固定ピン31は該可動装着部材32を介してバッグホルダ21に組み付けられるため、バッグホルダ21(エアバッグ装置20)が固定ピン31から外れてしまうことが防止されている。
【0042】
このような構成のホーンスイッチ機構15は、ユニット化された後、バッグホルダ21の各取付孔21eに挿入されて固定される。バッグホルダ21の取付孔21eは、可動装着部材32の筒状部32aに対応した円形状をなしている。取付孔21eには、径方向外側に延びる4つの凹部21i(図4参照)が周方向等間隔に形成され、この各凹部21i内には可動装着部材32のスプリング保持部32cが配置される。尚、取付孔21eの凹部21iは、該取付孔21eに可動装着部材32を挿入する際の周方向の位置決めの役割をなしている。
【0043】
可動装着部材32の取付孔21eへの挿入に伴い、前記ホルダ係止部32eは、図7に示すように、バッグホルダ21の下面に係止される。また、バッグホルダ21の上面側は、キャップ部材33の側壁部33bの下端部、及びキャップ部材33のフック部33cの下端部と当接している。即ち、ホーンスイッチ機構15は、各ホルダ係止部32eとキャップ部材33とでバッグホルダ21を挟み込む構成となっている。このような構成により、ホーンスイッチ機構15の可動装着部材32、キャップ部材33及び接点端子34は、バッグホルダ21とともに移動することが可能となっている。尚、ホーンスイッチ機構15の可動装着部材32、キャップ部材33及び接点端子34は、固定ピン31に対しては相対的に移動可能となっている。また、取付孔21eの径は、固定ピン31の鍔部31aの径よりも小さく形成され、これにより、固定ピン31が取付孔21eから抜け出てしまうことが防止されている。
【0044】
以上のように構成された各ホーンスイッチ機構15では、図3に示すように、エアバッグ装置20をステアリングホイール本体11の芯金12に組み付ける前の状態において、圧縮コイルスプリング35及び該スプリング35に挿通された固定ピン31がバッグホルダ21からパッド24から離れる方向に突出している。そして、各固定ピン31を芯金12の各装着部12bの挿入孔12c(図2参照)に挿入して該各装着部12bに固定することで、エアバッグ装置20は芯金12に対し組み付けられるようになっている。つまり、芯金12に対し固定された各ホーンスイッチ機構15の固定ピン31は、可動装着部材32を介してエアバッグ装置20(バッグホルダ21)を芯金12に対して進退可能に(即ち、芯金12に対して近づいたり離れたりすることが可能となるように)支持している。
【0045】
尚、エアバッグ装置20の組み付け前の状態において、各固定ピン31の先端31cは、圧縮コイルスプリング35の下端部(バッグホルダ21から離れた側の端部)から突出している。これにより、エアバッグ装置20を芯金12に組み付ける際には、この各固定ピン31の先端31cを芯金12の各挿入孔12cに若干嵌め合わせることで位置決めが可能となっている。
【0046】
また、固定ピン31の挿入孔12cへの挿入に伴い、圧縮コイルスプリング35はその下端部が芯金12(装着部12b)に当接し、固定ピン31の固定により該圧縮コイルスプリング35は可動装着部材32と芯金12との間に圧縮状態で保持される。尚、この圧縮状態とは、エアバッグ装置20の芯金12側への移動を許容できる状態での圧縮を意味している。即ち、圧縮コイルスプリング35は、接点端子34を固定ピン31から離隔させた状態(ホーンスイッチ機構15のオフ状態)から、エアバッグ装置20が芯金12側に押されて接点端子34が固定ピン31に接触する状態(ホーンスイッチ機構15のオン状態)までのホーンストロークを確保した状態で圧縮されている。この組み付け状態(図8参照)において、圧縮コイルスプリング35の上端部は、可動装着部材32の筒状部32aに形成された段差部32fと当接しており、該圧縮コイルスプリング35は可動装着部材32を芯金12から遠ざける方向に付勢している。即ち、圧縮コイルスプリング35は、接点端子34と固定ピン31とが非接触となるように、可動装着部材32を通じてエアバッグ装置20全体を支持している。
【0047】
上記したようなエアバッグ装置20では、エアバッグ装置20をステアリングホイール本体11に対して傾動させる(押下する)と、少なくとも1つのホーンスイッチ機構15の可動装着部材32がバッグホルダ21を介し圧縮コイルスプリング35の付勢力に抗して押圧され、芯金12側(図8において下方)に移動する。このとき、キャップ部材33もバッグホルダ21及び可動装着部材32とともに芯金12側に移動し、接点端子34の3つの接触凸部34cのうちの少なくとも1つが固定ピン31の上端面に接触する。これにより、グランドGND(車体アース)に接続された芯金12とバッグホルダ21とが、固定ピン31及び接点端子34を介して導通され、バッグホルダ21に電気的に接続された車両のホーン装置40(ホーン)が作動するようになっている。つまり、本実施形態のホーンスイッチ機構15では、エアバッグ装置20を支持する固定ピン31が、可動側接点としての接点端子34と接触する固定側接点としての役割も兼ねている。これにより、エアバッグ装置20を支持するための部材とホーンスイッチ機構15の固定側の接点部材とが別々に存在する構成に比べて、部品点数が少なく構成されている。
【0048】
尚、ホーンスイッチ機構15の接点端子34は、3つの接触凸部34cがステアリングホイール10の径方向(放射線上)に並ぶように設けられるのが望ましく、そのような構成によれば、接点端子34と固定ピン31の上端面との導通確実性の向上に寄与できる。また、本実施形態では、ホーンスイッチ機構15が3つ設けられており、各ホーンスイッチ機構15からステアリングホイール10の中心までの距離は互いに略等しく設定されているため、接点端子34と固定ピン31の上端面との導通確実性の向上に寄与できる。
【0049】
このような構成のエアバッグ装置20の組み立ての際には、図4に示すように、バッグホルダ21をそのパッド24を組み付ける側の面が上方を向くように配置し、そのバッグホルダ21に対して上方から各部材(各ホーンスイッチ機構15、リングリテーナ25、エアバッグ22及びパッド24)が組み付けられる。具体的に、バッグホルダ21は図示しない支持手段にて支持され、バッグホルダ21の取付孔21eに対し、ホーンスイッチ機構15の固定ピン31及びコイルスプリング35がその下端側から挿通されて該スイッチ機構15の可動装着部材32がスナップフィットにて組み付けられる。次いで、ホーンスイッチ機構15と同じ組付方向にて、エアバッグ22(リングリテーナ25)及びパッド24がバッグホルダ21に組み付けられる。そして、その後、その一体部品が裏返され、インフレータ23がバッグホルダ21に組み付けられるようになっている。
【0050】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、エアバッグ装置20のベースとなるバッグホルダ21には、ホーンスイッチ機構15の固定ピン31の下端側(係止溝31bを含む部位)及びコイルスプリング35をパッド24側からステアリングホイール本体11(芯金12)側に向けて挿通可能で、且つホーンスイッチ機構15の可動装着部材32を組み付けるための取付孔21eが設けられている。つまり、バッグホルダ21の取付孔21eに対し、ホーンスイッチ機構15の固定ピン31の下端側及びコイルスプリング35を挿通させて該スイッチ機構15の可動装着部材32が組み付けられ、またホーンスイッチ機構15と同じ組付方向にてエアバッグ22(リングリテーナ25)及びパッド24がバッグホルダ21に組み付けられる。これにより、意匠面を有するパッド24よりも部品共通化を行い易いバッグホルダ21を基準としてエアバッグ装置20の組み付けが可能となるため、そのバッグホルダ21の支持手段を共通化でき、組付性を向上することができる。
【0051】
(2)本実施形態では、ホーンスイッチ機構15は、バッグホルダ21の取付孔21eに対して組み付けられる可動装着部材32の嵌合部32b及び該嵌合部32bに装着されるキャップ部材33もその取付孔21eよりも大径に形成され、パッド24側からステアリングホイール本体11側に向けての取付孔21eからの抜けが防止されている。これにより、ホーンスイッチ機構15の脱落やホーンスイッチ機構15からバッグホルダ21側が脱落すること等を確実に防止することができる。また、可動装着部材32の内側に位置する剛体よりなる固定ピン31の鍔部31aも取付孔21eより大径として、より確実な抜け防止構造とされている。
【0052】
(3)本実施形態では、ホーンスイッチ機構15の可動装着部材32は、取付孔21eの周縁に係止するホルダ係止部32eを有するスナップフィット構造にてバッグホルダ21に組み付けられている。これにより、ホーンスイッチ機構15のバッグホルダ21への組み付けが容易である。
【0053】
(4)本実施形態では、ホーンスイッチ機構15は、コイルスプリング35が固定ピン31に挿通されて可動装着部材32のスプリング保持部32cに保持されて構成されている。これにより、コイルスプリング35が固定ピン31に挿通されることでホーンスイッチ機構15を小型化でき、コイルスプリング35が可動装着部材32に保持されることでホーンスイッチ機構15単体としての取り扱いが容易である。
【0054】
(5)本実施形態では、パッド24には、エアバッグ装置20のステアリングホイール本体11への組み付けの際に、ホーンスイッチ機構15と当接するスイッチ支持部24gが設けられ、該スイッチ支持部24gにてホーンスイッチ機構15からの組み付け荷重を受ける構造とされている。これにより、組み付けの際のホーンスイッチ機構15のバッグホルダ21からの脱落や破損等を防止することができる。
【0055】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のホーンスイッチ機構15の構成を適宜変更してもよい。例えば、コイルスプリング35の一端を可動装着部材32に係止し、他端をバッグホルダ21に係止させたが、その他端を固定ピン31に係止させる態様としてもよい。
【0056】
また、コイルスプリング35の一端をバッグホルダ21の下面(芯金12側の面)側で可動装着部材32と係止させたが、コイルスプリング35の一端をバッグホルダ21の取付孔21eの挿通途中、若しくは挿通後のバッグホルダ21の上面で可動装着部材32と係止させてもよい。このようにすれば、バッグホルダ21、即ちエアバッグ装置20とステアリングホイール本体11との間の隙間を狭くすることができ、またコイルスプリング35の倒れによるバッグホルダ21のその平面方向の変位量を小さくすることができ、エアバッグ装置20の押下によるホーン操作性を向上できる。
【0057】
また、ホーンスイッチ機構15は、その可動装着部材32を取付孔21eに差し込むだけでバッグホルダ21に固定可能な構造(所謂、スナップフィット構造)とされたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、ホーンスイッチ機構15の可動装着部材32に筒状部32aから径方向に延びる延出部を形成し、バッグホルダ21の取付孔21eには可動装着部材32の延出部に対応する凹部を形成する。そして、延出部を凹部に合わせてホーンスイッチ機構15を取付孔21eに挿入した後、ホーンスイッチ機構15を回転させることで延出部がバッグホルダ21の下面(芯金12側の面)に係合する構成としてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、ホーンスイッチ機構15を3つ用いる構成であったが、数はこれに限らず、1つ、2つ又は4つ以上で構成してもよい。
・上記実施形態のバッグホルダ21の構成を適宜変更してもよい。例えば、パッド24を組み付ける爪係止孔21bを孔形状で構成したが、突部等、孔以外の構成としてもよい。また、爪係止孔21bや取付孔21e等の配置を適宜変更してもよい。
【0059】
・上記実施形態では、バッグホルダ21にプレス加工により作製したものを用いたが、これに限らず、例えばダイカスト成形といったプレス加工以外で作製したものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態におけるステアリングホイールの正面図である。
【図2】ステアリングホイール本体の一部を示す正面図である。
【図3】エアバッグ装置の背面側からの斜視図である。
【図4】エアバッグ装置の背面側からの分解斜視図である。
【図5】ホーンスイッチ機構の斜視図である。
【図6】ホーンスイッチ機構の分解斜視図である。
【図7】組み付け状態のホーンスイッチ機構を説明するための概略構成図である。
【図8】組み付け状態のホーンスイッチ機構を説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
【0061】
10…ステアリングホイール、11…ステアリングホイール本体、15…ホーンスイッチ機構、20…エアバッグ装置、21…バッグホルダ、21e…取付孔、22…エアバッグ、23…インフレータ、24…パッド、24g…スイッチ支持部、31…固定ピン(支持部材、スイッチ接点部)、31b…係止溝(組付部)32…可動装着部材、32e…ホルダ係止部(係止部)、34…接点端子(スイッチ接点部)、35…コイルスプリング(付勢部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイール本体にホーンスイッチ機構を介在させてエアバッグ装置が組み付けられてなるエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記エアバッグ装置は、ベースとなるバッグホルダに対し、エアバッグと該エアバッグを膨張展開させるインフレータとを組み付けるとともに該エアバッグを覆うパッドを組み付けて構成されるものであり、
前記ホーンスイッチ機構は、前記ステアリングホイール本体に組み付けられる組付部を有する支持部材と、該支持部材に変位可能に装着され前記バッグホルダに組み付けられる可動装着部材と、該可動装着部材に係止され該装着部材と相対変位する部位との間に付勢力を付与して前記可動装着部材を介しての前記エアバッグ装置の位置保持及びホーンスイッチ機構内に設けられるスイッチ接点部間を非接触で保持する付勢部材とを備えてなるものであって、
前記バッグホルダには、前記ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材を前記パッド側から前記ステアリングホイール本体側に向けて挿通可能で、且つ前記ホーンスイッチ機構の可動装着部材を組み付けるための取付孔が設けられてなり、該取付孔に前記可動装着部材が組み付けられた前記ホーンスイッチ機構の支持部材がその組付部にて前記ステアリングホイール本体に組み付けられてなることを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記ホーンスイッチ機構は、前記可動装着部材の一部が前記取付孔よりも大径に形成され、前記パッド側から前記ステアリングホイール本体側に向けての前記取付孔からの抜け防止構造を有してなることを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記ホーンスイッチ機構の可動装着部材は、前記取付孔の周縁に係止する係止部を有するスナップフィット構造にて前記バッグホルダに対して組み付けられていることを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記付勢部材は、コイルスプリングであり、前記支持部材に挿通されて前記可動装着部材に保持されてなることを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記パッドには、前記エアバッグ装置の前記ステアリングホイール本体への組み付けの際に、前記ホーンスイッチ機構からの組み付け荷重を受けるべく該スイッチ機構と当接するスイッチ支持部が設けられていることを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールの組付方法であって、
前記バッグホルダの取付孔に対し、前記ホーンスイッチ機構の支持部材の組付部及び付勢部材を挿通させて該スイッチ機構の可動装着部材が組み付けられる工程と、
前記ホーンスイッチ機構と同じ組付方向にて、前記エアバッグ及び前記パッドが前記バッグホルダに組み付けられる工程と
を含むことを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイールの組付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−69936(P2010−69936A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236811(P2008−236811)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】