エアバッグ
【課題】エアバッグ本体部の容量を抑制でき、乗員の各部を適切に保護できるエアバッグを提供する。
【解決手段】袋状のエアバッグ本体部18の車体に取り付ける基部25と乗員P1,P2の上体B1,B2を保護する先端部27との間に、中間部26が位置する。中間部26を、先端部27よりも前方に離隔する。エアバッグ本体部18の容量を抑制できる。乗員P1,P2の上体B1,B2は先端部27によって確実に保護しつつ、乗員P1,P2の頭部H1,H2は中間部26で圧迫することなく保護し、乗員P1,P2の各部を適切に保護できる。
【解決手段】袋状のエアバッグ本体部18の車体に取り付ける基部25と乗員P1,P2の上体B1,B2を保護する先端部27との間に、中間部26が位置する。中間部26を、先端部27よりも前方に離隔する。エアバッグ本体部18の容量を抑制できる。乗員P1,P2の上体B1,B2は先端部27によって確実に保護しつつ、乗員P1,P2の頭部H1,H2は中間部26で圧迫することなく保護し、乗員P1,P2の各部を適切に保護できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室の上部に位置して車体に取り付けられる袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの車両においては、車室をより広く取るために、インストルメントパネル部の高さを相対的に低くすることがある。このような場合、例えば助手席用のエアバッグの収納スペースをインストルメントパネル部に充分に取ることが容易でないため、エアバッグを例えば車両の天井(ルーフ部)に収納することにより、エアバッグの収納スペースを確保した構成が知られている。そして、この構成では、自動車の衝突などの際に、インフレータから膨張ガスを供給して、乗員の前方にエアバッグ本体部を天井から下方へと膨張展開させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002−534321号公報 (第17−22頁、図2−5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のエアバッグは、天井から乗員の前部に対向する位置へと展開するため、エアバッグ本体部の容量を抑制することが容易でないとともに、乗員の上体を確実に拘束する位置に展開したときには例えば乗員の頭部側に近接し過ぎることがあるという問題点を有している。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグ本体部の容量を抑制でき、乗員の各部を適切に保護できるエアバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のエアバッグは、車両の車室の上部に位置して車体に取り付けられ、膨張ガスの供給により下方へと膨張展開して乗員の前方に位置する袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグであって、前記エアバッグ本体部は、前記車体に取り付けられる基部と、展開状態で乗員の上体を保護する先端部と、これら基部と先端部との間に設けられ、展開状態で前記先端部よりも前方に離隔された位置で乗員の頭部に対向する中間部とを備えているものである。
【0007】
請求項2記載のエアバッグは、請求項1記載のエアバッグにおいて、中間部は、展開状態で乗員の頭部前方に対向する対向部と、この対向部の側部に設けられ、この対向部よりも乗員側に近接するサイド部とを有しているものである。
【0008】
請求項3記載のエアバッグは、請求項2記載のエアバッグにおいて、サイド部は、パネル状に設けられているものである。
【0009】
請求項4記載のエアバッグは、請求項2記載のエアバッグにおいて、サイド部は、気室であるものである。
【0010】
請求項5記載のエアバッグは、請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグにおいて、先端部の上方に位置する天板部を備え、中間部は、前記天板部の前方に上方へと突出して位置しているものである。
【0011】
請求項6記載のエアバッグは、請求項5記載のエアバッグにおいて、基部の下方に位置する下板部を備え、中間部は、両側に位置するサイド部と、天板部の少なくとも一部、前記下板部、及び前記サイド部により囲まれ展開状態で乗員の頭部を挿入可能な凹部とを有しているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のエアバッグによれば、袋状のエアバッグ本体部の車体に取り付けられる基部と乗員の上体を保護する先端部との間に位置する中間部を、先端部よりも前方に離隔することにより、エアバッグ本体部の容量を抑制できるとともに、乗員の上体は先端部によって確実に保護しつつ、乗員の頭部は中間部で圧迫することなく保護するなど、乗員の各部を適切に保護できる。
【0013】
請求項2記載のエアバッグによれば、請求項1記載のエアバッグの効果に加え、対向部の側部に、この対向部よりも乗員側に近接するサイド部を設けることにより、このサイド部によって乗員の頭部の位置を規制し、この頭部がエアバッグ本体部に対して側方へと大きくずれることを防止できる。
【0014】
請求項3記載のエアバッグによれば、請求項2記載のエアバッグの効果に加え、サイド部をパネル状とすることにより、サイド部をより容易に形成できる。
【0015】
請求項4記載のエアバッグによれば、請求項2記載のエアバッグの効果に加え、サイド部を気室とすることにより、サイド部の緩衝性をより向上でき、乗員の頭部をより適切に保護できる。
【0016】
請求項5記載のエアバッグによれば、請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグの効果に加え、先端部の上方に位置する天板部の前方に中間部を上方へと突出させることにより、展開状態で乗員に対して先端部よりも前方に離隔された位置で乗員の頭部に対向する中間部を容易に形成できる。
【0017】
請求項6記載のエアバッグによれば、請求項5記載のエアバッグの効果に加え、中間部が、先端部の上方に位置する天板部の少なくとも一部、基部の下方に位置する下板部、及び両側に位置するサイド部により囲まれ展開状態で乗員の頭部を挿入可能な凹部を備えることで、凹部に挿入された乗員の頭部を、上下左右から囲んだ状態とすることができ、乗員の頭部をエアバッグ本体部に対していずれの方向にもずれにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のエアバッグの第1の実施の形態を示すエアバッグが膨張展開した状態の斜視図である。
【図2】同上エアバッグの斜視図である。
【図3】同上エアバッグの分解斜視図である。
【図4】本発明のエアバッグの第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】同上エアバッグの分解斜視図である。
【図6】同上エアバッグによる乗員の拘束状態を模式的に示す正面図である。
【図7】本発明のエアバッグの第3の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図8】本発明のエアバッグの第4の実施の形態を示すエアバッグが膨張展開した状態の斜視図である。
【図9】同上エアバッグを乗員側から示す斜視図である。
【図10】同上エアバッグを反乗員側から示す斜視図である。
【図11】同上エアバッグの断面図である。
【図12】同上エアバッグによる乗員の拘束状態を模式的に示し、(a)はその側面図、(b)はその斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のエアバッグの第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1ないし図3において、10はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置10は、移動体である車両としての自動車の例えば助手席の被保護物としての乗員P1,P2の前方に位置するインストルメントパネル部11の上方にウインドシールドであるフロントガラス12を介して位置する被設置部としてのルーフ部13の内側に配置され、助手席乗員用のエアバッグ装置10を構成している。なお、以下、前後方向、両側方向、及び上下方向は、それぞれエアバッグ装置10を自動車に取り付けた状態における自動車の直進方向を基準として説明する。また、各図において、乗員P1,P2はダミーにより示されており、乗員P1は比較的小柄な女性の乗員を模したダミー(AF05)により示され、乗員P2は比較的大柄な男性の乗員を模したダミー(AM50)により示されている。
【0021】
そして、このエアバッグ装置10は、エアバッグモジュールとも呼び得るもので、例えばナイロン布帛などの複数の基布15,16,17にて構成された袋状(ボックス状)の外殻部であるエアバッグ本体部18などを有するエアバッグ19、エアバッグ本体部18にガスを供給するインフレータ20、これらエアバッグ19とインフレータ20となどを保持して車体側に取り付けられる図示しない取付部材、及びインフレータ20の動作を制御する図示しない制御手段などを備えている。さらに、このエアバッグ装置10は、自動車の車室21の上部である天井を構成するルーフ部13に取り付けられ、センサなどを備えた制御装置に電気的に接続して構成される。
【0022】
取付部材は、略箱状に形成され、下側を開口部である矩形状の突出口とし、内側が、折り畳んだエアバッグ本体部18(エアバッグ19)を収納するエアバッグ収納部とされている。また、この取付部材は、エアバッグ19を収納した通常の状態で車体側の内装部材である図示しない内装パネルにより覆われている。
【0023】
また、インフレータ20は、例えば円柱状に形成された本体部を備え、この本体部がエアバッグ本体部18の内側に配置されている。
【0024】
そして、エアバッグ本体部18は、複数の基布15,16,17を縫製、接着あるいは溶着などにより組み合わせて接合することで全体としては袋状に形成され、ルーフ部13に取り付けられインフレータ20を内側に収容する基部25を上端部に有し、展開状態でこの基部25から前方下側へと延び乗員P1,P2の頭部H1,H2と対向する中間部26が連続し、展開状態でこの中間部26から後方下側へと延び乗員P1,P2の上体B1,B2、すなわち頭部H1,H2を除き腹部A1,A2、胸部C1,C2及び両肩部S1,S2を含む部分と対向する先端部27が連続している。さらに、中間部26は、先端部27に対して前方、すなわち乗員P1,P2から離隔されている。すなわち、この中間部26は、エアバッグ本体部18の前側に偏倚している。このため、エアバッグ本体部18は、乗員P1,P2側が中間部26の位置で前側へと凹状に窪んだ側面視略コ字状(茄子型状)となっている。換言すれば、このエアバッグ本体部18には、中間部26の後方に、凹状の空間部28が形成されている。
【0025】
そして、エアバッグ本体部18は、先端部27により、前方へ移動してきた乗員P1,P2の上体B1,B2に対して反力を与えることで乗員P1,P2の上体B1,B2を保護するとともに、中間部26により、前方へ移動してきた乗員P1,P2の頭部H1,H2に対して上体B1,B2よりも小さい反力で乗員P1,P2の頭部H1,H2を保護するように構成されている。
【0026】
ここで、基布15は、センタパネルなどとも呼ばれ、帯状に一体形成されており、左右両側に開口した開口部31,32を有する筒状となるようにその両端が接合されている。そして、基布15は、上下方向に沿って延び基部25の後面を構成する基部後板部34、この基部後板部34の上端部に連続して前方へと延び基部25の上面を構成する上板部35、この上板部35の前部に連続して下方へと延び基部25、中間部26及び先端部27の前面(反乗員側面)を構成する前板部36、この前板部36の下端部に連続して後方へと延び乗員P1,P2の太腿部などの脚部L1,L2から上体B1,B2に亘る位置に対向する乗員対向面を構成する底板部37、この底板部37の後部上側に連続して上方へと延び中間部26の後面(乗員側面)を構成する対向部としての後板部38、この後板部38の上端部に連続して基部後板部34の前側に重ね合わせられて接合される接合部39を有している。
【0027】
前板部36は、上側がフロントガラス12に対向または当接し下側がインストルメントパネル部11に対向または当接する部分である。
【0028】
また、底板部37は、乗員P1,P2の脚部L1,L2に対向する下面部37aと、この下面部37aの後側から上方へと湾曲して乗員P1,P2の腹部A1,A2、胸部C1,C2及び両肩部S1,S2などの上体B1,B2に対向する後下面部37bとを一体に備えている。
【0029】
さらに、後板部38は、乗員P1,P2の顔部F1,F2に対向する顔面対向部ともいうべきもので、先端部27の上方に位置し前方上側に向けて傾斜した天板部としての傾斜面である下側傾斜面部38a、この下側傾斜面部38aの上端部から後方上側に向けて傾斜した上側傾斜面部38b、及びこの上側傾斜面部38bの上端部から後方へと延び基部25の下方に位置する基部下面部38cとを一体に備え、空間部28の下側、前側、及び上側に亘って位置している。
【0030】
下側傾斜面部38aは、前方上側に向けて傾斜、すなわち前方が相対的に高く、後方が相対的に下に下がる傾斜面となっており、エアバッグ本体部18の展開状態で乗員P1,P2の頭部H1,H2と対向する頭部保護面となっている。
【0031】
また、基布16,17は、サイドパネルなどとも呼ばれ、基布15,16の両側の開口部31,32のそれぞれを閉塞するパネル形状、すなわち空間部28に対応する位置に切欠部41,42を備える湾曲状のパネル形状となっており、周縁部が基布15の両側と例えば縫製などによって接合されて(一方及び他方の)側面部43,44を形成している。さらに、これら基布16,17は、例えばエアバッグ本体部18の幅方向の中心線に対して互いに対称な形状となっている。
【0032】
次に、エアバッグ装置10の展開挙動を説明する。
【0033】
このエアバッグ装置10の動作の概略としては、自動車の衝突などの際に、制御装置がエアバッグ本体部18の内側に位置するインフレータ20を作動させ、このインフレータ20から膨張ガスを噴射させると、折り畳み状態でエアバッグ収納部に収納されたエアバッグ本体部18が膨張ガスによって内圧が高まり膨張展開して下方へと垂れ下がるように突出し、乗員P1,P2の前方に展開する。
【0034】
このとき、エアバッグ本体部18は、基部25が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前方上側に位置し、中間部26が乗員P1,P2の前方に離隔されて位置し、先端部27が中間部26に対して乗員P1,P2側である後側に突出して基部25の下方、あるいはこの基部25の下方後側に位置するように展開することで、後板部38が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前部である顔部F1,F2に対向し、底板部37が乗員P1,P2の上体B1,B2に対向して当接する。すなわち、中間部26の後端部(後端面)である後板部38の上側傾斜面部38bが、先端部27の後端の位置(仮想線Lに示す)に対して前方に位置する。なお、このエアバッグ本体部18は、前板部36がフロントガラス12及びインストルメントパネル部11に当接または対向する。この状態で、基部25は、下側傾斜面部38aの上方に位置する。
【0035】
このため、エアバッグ本体部18は、衝撃により前方へと移動してきた乗員P1,P2の上体B1,B2に対して先端部27により反力を与えて衝撃を緩和しつつ、さらに乗員P1,P2が先端部27を押し込みつつ前方へと移動することで中間部26の下側傾斜面部38aなどの後板部38に当接した頭部H1,H2(顔部F1,F2)を先端部27よりも小さい反力で拘束して衝撃を緩和する。そして、エアバッグ本体部18は、後板部38(下側傾斜面部38a)が頭部H1,H2(顔部F1,F2)の当接により凹み、基部25に対して相対的に車両前方に動いた後、若干後方へと引いた位置となる。
【0036】
なお、エアバッグ本体部18(エアバッグ19)は、前板部36がインストルメントパネル部11に支持されて受け面を形成するので、エアバッグ本体部18(エアバッグ19)の位置が定まり、好ましい拘束が行われる。
【0037】
このように、本実施の形態によれば、袋状のエアバッグ本体部18の車体に取り付けられる基部25と乗員P1,P2の上体B1,B2を保護する先端部27との間に位置する中間部26を、先端部27よりも前方に離隔することにより、基部からそのまま下方へと垂れ下がるエアバッグ本体部などと比較して、エアバッグ本体部18の容量を抑制できるとともに、乗員P1,P2の上体B1,B2は先端部27によって確実に保護しつつ、乗員P1,P2の頭部H1,H2は中間部26で後方へと圧迫することなく保護するなど、乗員P1,P2の各部を適切に保護できる。
【0038】
また、先端部27の上方に位置する下側傾斜面部38aの反乗員P1,P2側である前側に中間部26を上方へと突出させた側面視L字状とすることにより、展開状態で乗員P1,P2に対して先端部27よりも前方に離隔された位置で乗員P1,P2の頭部H1,H2に対向する中間部26を容易に形成できる。
【0039】
次に、第2の実施の形態を図4ないし図6を参照して説明する。なお、上記の第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この第2の実施の形態は、上記の第1の実施の形態の基布16,17に代えて、図4ないし図6に示すように、例えばナイロン布帛などのパネル状の基布51,52が基布15の両側の開口部31,32をそれぞれ閉塞するように基布15の両側に接合されて、中間部26の後板部38の両側の側面部43,44に面状のパネル部である(一方及び他方の)サイド部(キャッチパネル)53,54を形成しているものである。
【0041】
これら基布51,52は、湾曲形状を有しない略台形状に形成され、後側が基部25から先端部27へと上下方向に沿って掛け渡された直線状となっており、側面部43,44において、サイド部53,54が空間部28の両側を面状に閉塞するようになっている。また、これらサイド部53,54のいずれか一方、本実施形態では例えばサイド部54は、車体の一側部に位置する窓部55に対向している。
【0042】
そして、自動車の衝突などの際に、制御装置により作動されたインフレータ20からの膨張ガスの供給により、エアバッグ本体部18が膨張展開して下方へと垂れ下がるように突出し、乗員P1,P2の前方に展開すると、エアバッグ本体部18は、基部25が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前方上側に位置し、中間部26が乗員P1,P2の前方に離隔されて位置し、先端部27が中間部26に対して乗員P1,P2側である後側に突出して基部25の下方、あるいはこの基部25の下方後側に位置するように展開することで、後板部38が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前部である顔部F1,F2に対向し、底板部37が乗員P1,P2の上体B1,B2に対向して当接し、かつ、サイド部53,54が空間部28の両側にパネル状に位置し、一方のサイド部53が窓部55に対向する。
【0043】
このため、エアバッグ本体部18は、衝撃により前方へと移動してきた乗員P1,P2の上体B1,B2に対して先端部27により反力を与えて衝撃を緩和しつつ、さらに乗員P1,P2が先端部27を押し込みつつ前方へと移動することで中間部26の下側傾斜面部38aなどの後板部38に当接した頭部H1,H2(顔部F1,F2)を先端部27よりも小さい反力で拘束して衝撃を緩和する。また、例えば自動車のオフセット衝突などにより乗員P1,P2が側方(斜め上方)へと移動した場合には、エアバッグ本体部18は、サイド部53,54のいずれか一方により乗員P1,P2の頭部H1,H2を側方から受け止める。
【0044】
このように、中間部26の後板部38の両側に中間部26よりも乗員P1,P2側に近接するサイド部53,54を設けることにより、このサイド部53,54によって乗員P1,P2の頭部H1,H2の位置を規制し、乗員P1,P2の頭部H1,H2がエアバッグ本体部18(エアバッグ19)に対して大きく側方へと大きくずれることを防止できる。
【0045】
また、サイド部53,54を、基布51,52によってパネル形状に形成することにより、サイド部53,54を容易に形成できる。
【0046】
さらに、サイド部53,54が基部25の側部と先端部27の側部とを連結しているため、エアバッグ本体部18の膨張展開の際に、サイド部53,54(基布51,52)が、基部25に対して先端部27が必要以上に下方へと延びることを規制するので、より短時間でエアバッグ本体部18(エアバッグ19)を所望の形状に展開させることができる。
【0047】
なお、図7に示す第3の実施の形態のように、基布16,17の切欠部41,42を覆うように基布16,17に対して例えばナイロン布帛などのパネル状の基布57,58を接合して、後板部38(空間部28)の両側に位置するサイド部53,54を構成しても、上記の第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
次に、第4の実施の形態を図8ないし図12を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の作用効果については、同一符号を付しての説明を省略する。
【0049】
この第4の実施の形態は、上記の第1の実施の形態のエアバッグ本体部18の中間部26の後板部38の中央部に、前後方向に貫通する貫通部である凹部61が形成されているものである。
【0050】
この凹部61は、正面視で四角形状に形成されており、後板部38の上側傾斜面部38bの下側寄りの位置に配置されている。すなわち、この凹部61は、前板部36に四角形状に形成された一方の通孔である前側通孔63と、後板部38に四角形状に形成された他方の通孔である後側通孔64とを互いに連通して形成されており、下側が、先端部27の上方に位置する後板部38の下側傾斜面部38aの一部である傾斜板部65により、上側が、基部25の下方に位置する下板部66により、両側部がこれら傾斜板部65と下板部66との両側間を連結する(一方及び他方の)側板部67,68により、それぞれ囲まれている。したがって、この凹部61の両側には、側板部67と側面部43(基布16)との間、及び側板部68と側面部44(基布17)との間に気室であるサイド部71,72が形成されている。さらに、エアバッグ本体部18の内部には、連結部材であるテザー74が前板部36と底板部37の後下面部37bとの間を連結するように取り付けられている。
【0051】
凹部61(後側通孔64)の寸法は、乗員P1,P2の頭部H1,H2を挿入可能に設定されている。また、この凹部61は、乗員P1,P2側である後側から反乗員P1,P2側である前側(奥側)へと徐々に幅寸法が狭くなるように形成されている。さらに、この凹部61の前後長、すなわち深さは、乗員P1,P2の頭部H1,H2の頂部がエアバッグ本体部18の前方へと突出しない寸法に設定されている。
【0052】
また、傾斜板部65は、先端部27の上方に位置し、前方上側に向けて傾斜、すなわち前方が相対的に高く、後方が相対的に下に下がる傾斜面となっており、エアバッグ本体部18の展開状態で乗員P1,P2の頭部H1,H2と対向する頭部保護面となっている。
【0053】
また、サイド部71,72は、膨張ガスが基部25及び中間部26から先端部27へと通過する流路となっている。すなわち、これらサイド部71,72は、中間部26に位置し、基部25と先端部27とを連通している。
【0054】
さらに、テザー74は、例えば1枚、あるいは複数枚の基布などにより形成され、先端部27の内部に位置しており、この先端部27の乗員P1,P2の上体B1,B2の胸部C1,C2に対応する位置の前後方向の厚みを規制するものである。このテザー74は、エアバッグ本体部18の左右幅方向の中央部に配置されており、前端部が前板部36に例えば縫製などによって接合されているとともに、後端部が底板部37の後下面部37bに例えば縫製などによって接合されている。
【0055】
そして、自動車の衝突などの際に、制御装置により作動されたインフレータ20からの膨張ガスの供給により、エアバッグ本体部18が膨張展開して下方へと垂れ下がるように突出し、乗員P1,P2の前方に展開すると、エアバッグ本体部18は、基部25が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前方上側に位置し、中間部26(凹部61)が乗員P1,P2の前方に離隔されて位置し、先端部27が中間部26に対して乗員P1,P2側である後側に突出して基部25の下方、あるいはこの基部25の下方後側に位置するように展開することで、後板部38が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前部である顔部F1,F2に対向し、底板部37が乗員P1,P2の上体B1,B2に対向して当接し、かつ、サイド部71,72が凹部61の両側に位置し、他方のサイド部72が窓部55に対向する。
【0056】
このため、エアバッグ本体部18は、衝撃により前方へと移動してきた乗員P1,P2の腹部A1,A2、胸部C1,C2及び両肩部S1,S2などの上体B1,B2に対して先端部27により反力を与えて衝撃を緩和しつつ、さらに乗員P1,P2が先端部27を押し込みつつ前方へと移動することで中間部26の凹部61に頭部H1,H2が挿入されることにより先端部27よりも小さい反力で頭部H1,H2を拘束して衝撃を緩和するとともに首部N1,N2の偏倚角度を抑制する。また、エアバッグ本体部18は、乗員P1,P2の荷重による先端部27の押し込みによって内圧が高まり、凹部61を囲むサイド部71,72(側板部67,68)、傾斜板部65及び下板部66が凹部61に向かって膨出することで、乗員P1,P2の頭部H1,H2を複数箇所で受けてその動きを規制し、乗員P1,P2の首部N1,N2の偏倚を抑制する。
【0057】
このように、中間部26の後板部38の両側にサイド部71,72を設けることにより、このサイド部71,72によって乗員P1,P2の頭部H1,H2の位置を規制し、乗員P1,P2の頭部H1,H2がエアバッグ本体部18(エアバッグ19)に対して大きく側方へと大きくずれることを防止できる。
【0058】
また、サイド部71,72を気室とすることにより、サイド部71,72の緩衝性をより向上でき、乗員P1,P2の頭部H1,H2をより適切に保護できる。
【0059】
さらに、中間部26は、先端部27の上方に位置する傾斜板部65、基部25の下方に位置する下板部66、及び両側に位置するサイド部71,72により囲まれ展開状態で乗員の頭部H1,H2を挿入可能な凹部61を備えることで、凹部61に挿入された乗員P1,P2の頭部H1,H2を、上下左右から囲んだ状態とすることができ、乗員P1,P2の頭部H1,H2をエアバッグ本体部18に対していずれの方向にもずれにくくすることができるとともに、エアバッグ本体部18が乗員P1,P2を先端部27により受けた際にその内圧の高まりによってサイド部71,72(側板部67,68)、傾斜板部65及び下板部66が凹部61内へと膨出することで、凹部61に挿入された頭部H1,H2を複数箇所で受けて、より確実に拘束できる。
【0060】
そして、凹部61の下側を囲み凹部61に挿入された乗員P1,P2の頭部H1,H2の顔面F1,F2が当接する傾斜板部65が反乗員P1,P2側へと上方に傾斜していることで、この傾斜板部65に頭部H1,H2が当接した状態での乗員P1,P2の首部N1,N2の偏倚を抑制できる。
【0061】
また、凹部61の幅寸法を反乗員P1,P2側へと徐々に狭くすることで、凹部61に挿入された乗員P1,P2の頭部H1,H2をより確実に拘束できる。
【0062】
なお、上記の各実施の形態において、エアバッグ19は、例えば運転席乗員用のエアバッグ、あるいは後席乗員用のエアバッグなどとして用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、ルーフ部に取り付けられる例えば助手席乗員用のエアバッグとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0064】
18 エアバッグ本体部
19 エアバッグ
21 車室
25 基部
26 中間部
27 先端部
38 対向部としての後板部
38a 天板部としての下側傾斜面部
53,54,71,72 サイド部
61 凹部
66 下板部
B1,B2 上体
H1,H2 頭部
P1,P2 乗員
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室の上部に位置して車体に取り付けられる袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの車両においては、車室をより広く取るために、インストルメントパネル部の高さを相対的に低くすることがある。このような場合、例えば助手席用のエアバッグの収納スペースをインストルメントパネル部に充分に取ることが容易でないため、エアバッグを例えば車両の天井(ルーフ部)に収納することにより、エアバッグの収納スペースを確保した構成が知られている。そして、この構成では、自動車の衝突などの際に、インフレータから膨張ガスを供給して、乗員の前方にエアバッグ本体部を天井から下方へと膨張展開させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002−534321号公報 (第17−22頁、図2−5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のエアバッグは、天井から乗員の前部に対向する位置へと展開するため、エアバッグ本体部の容量を抑制することが容易でないとともに、乗員の上体を確実に拘束する位置に展開したときには例えば乗員の頭部側に近接し過ぎることがあるという問題点を有している。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグ本体部の容量を抑制でき、乗員の各部を適切に保護できるエアバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のエアバッグは、車両の車室の上部に位置して車体に取り付けられ、膨張ガスの供給により下方へと膨張展開して乗員の前方に位置する袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグであって、前記エアバッグ本体部は、前記車体に取り付けられる基部と、展開状態で乗員の上体を保護する先端部と、これら基部と先端部との間に設けられ、展開状態で前記先端部よりも前方に離隔された位置で乗員の頭部に対向する中間部とを備えているものである。
【0007】
請求項2記載のエアバッグは、請求項1記載のエアバッグにおいて、中間部は、展開状態で乗員の頭部前方に対向する対向部と、この対向部の側部に設けられ、この対向部よりも乗員側に近接するサイド部とを有しているものである。
【0008】
請求項3記載のエアバッグは、請求項2記載のエアバッグにおいて、サイド部は、パネル状に設けられているものである。
【0009】
請求項4記載のエアバッグは、請求項2記載のエアバッグにおいて、サイド部は、気室であるものである。
【0010】
請求項5記載のエアバッグは、請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグにおいて、先端部の上方に位置する天板部を備え、中間部は、前記天板部の前方に上方へと突出して位置しているものである。
【0011】
請求項6記載のエアバッグは、請求項5記載のエアバッグにおいて、基部の下方に位置する下板部を備え、中間部は、両側に位置するサイド部と、天板部の少なくとも一部、前記下板部、及び前記サイド部により囲まれ展開状態で乗員の頭部を挿入可能な凹部とを有しているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載のエアバッグによれば、袋状のエアバッグ本体部の車体に取り付けられる基部と乗員の上体を保護する先端部との間に位置する中間部を、先端部よりも前方に離隔することにより、エアバッグ本体部の容量を抑制できるとともに、乗員の上体は先端部によって確実に保護しつつ、乗員の頭部は中間部で圧迫することなく保護するなど、乗員の各部を適切に保護できる。
【0013】
請求項2記載のエアバッグによれば、請求項1記載のエアバッグの効果に加え、対向部の側部に、この対向部よりも乗員側に近接するサイド部を設けることにより、このサイド部によって乗員の頭部の位置を規制し、この頭部がエアバッグ本体部に対して側方へと大きくずれることを防止できる。
【0014】
請求項3記載のエアバッグによれば、請求項2記載のエアバッグの効果に加え、サイド部をパネル状とすることにより、サイド部をより容易に形成できる。
【0015】
請求項4記載のエアバッグによれば、請求項2記載のエアバッグの効果に加え、サイド部を気室とすることにより、サイド部の緩衝性をより向上でき、乗員の頭部をより適切に保護できる。
【0016】
請求項5記載のエアバッグによれば、請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグの効果に加え、先端部の上方に位置する天板部の前方に中間部を上方へと突出させることにより、展開状態で乗員に対して先端部よりも前方に離隔された位置で乗員の頭部に対向する中間部を容易に形成できる。
【0017】
請求項6記載のエアバッグによれば、請求項5記載のエアバッグの効果に加え、中間部が、先端部の上方に位置する天板部の少なくとも一部、基部の下方に位置する下板部、及び両側に位置するサイド部により囲まれ展開状態で乗員の頭部を挿入可能な凹部を備えることで、凹部に挿入された乗員の頭部を、上下左右から囲んだ状態とすることができ、乗員の頭部をエアバッグ本体部に対していずれの方向にもずれにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のエアバッグの第1の実施の形態を示すエアバッグが膨張展開した状態の斜視図である。
【図2】同上エアバッグの斜視図である。
【図3】同上エアバッグの分解斜視図である。
【図4】本発明のエアバッグの第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】同上エアバッグの分解斜視図である。
【図6】同上エアバッグによる乗員の拘束状態を模式的に示す正面図である。
【図7】本発明のエアバッグの第3の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図8】本発明のエアバッグの第4の実施の形態を示すエアバッグが膨張展開した状態の斜視図である。
【図9】同上エアバッグを乗員側から示す斜視図である。
【図10】同上エアバッグを反乗員側から示す斜視図である。
【図11】同上エアバッグの断面図である。
【図12】同上エアバッグによる乗員の拘束状態を模式的に示し、(a)はその側面図、(b)はその斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のエアバッグの第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1ないし図3において、10はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置10は、移動体である車両としての自動車の例えば助手席の被保護物としての乗員P1,P2の前方に位置するインストルメントパネル部11の上方にウインドシールドであるフロントガラス12を介して位置する被設置部としてのルーフ部13の内側に配置され、助手席乗員用のエアバッグ装置10を構成している。なお、以下、前後方向、両側方向、及び上下方向は、それぞれエアバッグ装置10を自動車に取り付けた状態における自動車の直進方向を基準として説明する。また、各図において、乗員P1,P2はダミーにより示されており、乗員P1は比較的小柄な女性の乗員を模したダミー(AF05)により示され、乗員P2は比較的大柄な男性の乗員を模したダミー(AM50)により示されている。
【0021】
そして、このエアバッグ装置10は、エアバッグモジュールとも呼び得るもので、例えばナイロン布帛などの複数の基布15,16,17にて構成された袋状(ボックス状)の外殻部であるエアバッグ本体部18などを有するエアバッグ19、エアバッグ本体部18にガスを供給するインフレータ20、これらエアバッグ19とインフレータ20となどを保持して車体側に取り付けられる図示しない取付部材、及びインフレータ20の動作を制御する図示しない制御手段などを備えている。さらに、このエアバッグ装置10は、自動車の車室21の上部である天井を構成するルーフ部13に取り付けられ、センサなどを備えた制御装置に電気的に接続して構成される。
【0022】
取付部材は、略箱状に形成され、下側を開口部である矩形状の突出口とし、内側が、折り畳んだエアバッグ本体部18(エアバッグ19)を収納するエアバッグ収納部とされている。また、この取付部材は、エアバッグ19を収納した通常の状態で車体側の内装部材である図示しない内装パネルにより覆われている。
【0023】
また、インフレータ20は、例えば円柱状に形成された本体部を備え、この本体部がエアバッグ本体部18の内側に配置されている。
【0024】
そして、エアバッグ本体部18は、複数の基布15,16,17を縫製、接着あるいは溶着などにより組み合わせて接合することで全体としては袋状に形成され、ルーフ部13に取り付けられインフレータ20を内側に収容する基部25を上端部に有し、展開状態でこの基部25から前方下側へと延び乗員P1,P2の頭部H1,H2と対向する中間部26が連続し、展開状態でこの中間部26から後方下側へと延び乗員P1,P2の上体B1,B2、すなわち頭部H1,H2を除き腹部A1,A2、胸部C1,C2及び両肩部S1,S2を含む部分と対向する先端部27が連続している。さらに、中間部26は、先端部27に対して前方、すなわち乗員P1,P2から離隔されている。すなわち、この中間部26は、エアバッグ本体部18の前側に偏倚している。このため、エアバッグ本体部18は、乗員P1,P2側が中間部26の位置で前側へと凹状に窪んだ側面視略コ字状(茄子型状)となっている。換言すれば、このエアバッグ本体部18には、中間部26の後方に、凹状の空間部28が形成されている。
【0025】
そして、エアバッグ本体部18は、先端部27により、前方へ移動してきた乗員P1,P2の上体B1,B2に対して反力を与えることで乗員P1,P2の上体B1,B2を保護するとともに、中間部26により、前方へ移動してきた乗員P1,P2の頭部H1,H2に対して上体B1,B2よりも小さい反力で乗員P1,P2の頭部H1,H2を保護するように構成されている。
【0026】
ここで、基布15は、センタパネルなどとも呼ばれ、帯状に一体形成されており、左右両側に開口した開口部31,32を有する筒状となるようにその両端が接合されている。そして、基布15は、上下方向に沿って延び基部25の後面を構成する基部後板部34、この基部後板部34の上端部に連続して前方へと延び基部25の上面を構成する上板部35、この上板部35の前部に連続して下方へと延び基部25、中間部26及び先端部27の前面(反乗員側面)を構成する前板部36、この前板部36の下端部に連続して後方へと延び乗員P1,P2の太腿部などの脚部L1,L2から上体B1,B2に亘る位置に対向する乗員対向面を構成する底板部37、この底板部37の後部上側に連続して上方へと延び中間部26の後面(乗員側面)を構成する対向部としての後板部38、この後板部38の上端部に連続して基部後板部34の前側に重ね合わせられて接合される接合部39を有している。
【0027】
前板部36は、上側がフロントガラス12に対向または当接し下側がインストルメントパネル部11に対向または当接する部分である。
【0028】
また、底板部37は、乗員P1,P2の脚部L1,L2に対向する下面部37aと、この下面部37aの後側から上方へと湾曲して乗員P1,P2の腹部A1,A2、胸部C1,C2及び両肩部S1,S2などの上体B1,B2に対向する後下面部37bとを一体に備えている。
【0029】
さらに、後板部38は、乗員P1,P2の顔部F1,F2に対向する顔面対向部ともいうべきもので、先端部27の上方に位置し前方上側に向けて傾斜した天板部としての傾斜面である下側傾斜面部38a、この下側傾斜面部38aの上端部から後方上側に向けて傾斜した上側傾斜面部38b、及びこの上側傾斜面部38bの上端部から後方へと延び基部25の下方に位置する基部下面部38cとを一体に備え、空間部28の下側、前側、及び上側に亘って位置している。
【0030】
下側傾斜面部38aは、前方上側に向けて傾斜、すなわち前方が相対的に高く、後方が相対的に下に下がる傾斜面となっており、エアバッグ本体部18の展開状態で乗員P1,P2の頭部H1,H2と対向する頭部保護面となっている。
【0031】
また、基布16,17は、サイドパネルなどとも呼ばれ、基布15,16の両側の開口部31,32のそれぞれを閉塞するパネル形状、すなわち空間部28に対応する位置に切欠部41,42を備える湾曲状のパネル形状となっており、周縁部が基布15の両側と例えば縫製などによって接合されて(一方及び他方の)側面部43,44を形成している。さらに、これら基布16,17は、例えばエアバッグ本体部18の幅方向の中心線に対して互いに対称な形状となっている。
【0032】
次に、エアバッグ装置10の展開挙動を説明する。
【0033】
このエアバッグ装置10の動作の概略としては、自動車の衝突などの際に、制御装置がエアバッグ本体部18の内側に位置するインフレータ20を作動させ、このインフレータ20から膨張ガスを噴射させると、折り畳み状態でエアバッグ収納部に収納されたエアバッグ本体部18が膨張ガスによって内圧が高まり膨張展開して下方へと垂れ下がるように突出し、乗員P1,P2の前方に展開する。
【0034】
このとき、エアバッグ本体部18は、基部25が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前方上側に位置し、中間部26が乗員P1,P2の前方に離隔されて位置し、先端部27が中間部26に対して乗員P1,P2側である後側に突出して基部25の下方、あるいはこの基部25の下方後側に位置するように展開することで、後板部38が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前部である顔部F1,F2に対向し、底板部37が乗員P1,P2の上体B1,B2に対向して当接する。すなわち、中間部26の後端部(後端面)である後板部38の上側傾斜面部38bが、先端部27の後端の位置(仮想線Lに示す)に対して前方に位置する。なお、このエアバッグ本体部18は、前板部36がフロントガラス12及びインストルメントパネル部11に当接または対向する。この状態で、基部25は、下側傾斜面部38aの上方に位置する。
【0035】
このため、エアバッグ本体部18は、衝撃により前方へと移動してきた乗員P1,P2の上体B1,B2に対して先端部27により反力を与えて衝撃を緩和しつつ、さらに乗員P1,P2が先端部27を押し込みつつ前方へと移動することで中間部26の下側傾斜面部38aなどの後板部38に当接した頭部H1,H2(顔部F1,F2)を先端部27よりも小さい反力で拘束して衝撃を緩和する。そして、エアバッグ本体部18は、後板部38(下側傾斜面部38a)が頭部H1,H2(顔部F1,F2)の当接により凹み、基部25に対して相対的に車両前方に動いた後、若干後方へと引いた位置となる。
【0036】
なお、エアバッグ本体部18(エアバッグ19)は、前板部36がインストルメントパネル部11に支持されて受け面を形成するので、エアバッグ本体部18(エアバッグ19)の位置が定まり、好ましい拘束が行われる。
【0037】
このように、本実施の形態によれば、袋状のエアバッグ本体部18の車体に取り付けられる基部25と乗員P1,P2の上体B1,B2を保護する先端部27との間に位置する中間部26を、先端部27よりも前方に離隔することにより、基部からそのまま下方へと垂れ下がるエアバッグ本体部などと比較して、エアバッグ本体部18の容量を抑制できるとともに、乗員P1,P2の上体B1,B2は先端部27によって確実に保護しつつ、乗員P1,P2の頭部H1,H2は中間部26で後方へと圧迫することなく保護するなど、乗員P1,P2の各部を適切に保護できる。
【0038】
また、先端部27の上方に位置する下側傾斜面部38aの反乗員P1,P2側である前側に中間部26を上方へと突出させた側面視L字状とすることにより、展開状態で乗員P1,P2に対して先端部27よりも前方に離隔された位置で乗員P1,P2の頭部H1,H2に対向する中間部26を容易に形成できる。
【0039】
次に、第2の実施の形態を図4ないし図6を参照して説明する。なお、上記の第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この第2の実施の形態は、上記の第1の実施の形態の基布16,17に代えて、図4ないし図6に示すように、例えばナイロン布帛などのパネル状の基布51,52が基布15の両側の開口部31,32をそれぞれ閉塞するように基布15の両側に接合されて、中間部26の後板部38の両側の側面部43,44に面状のパネル部である(一方及び他方の)サイド部(キャッチパネル)53,54を形成しているものである。
【0041】
これら基布51,52は、湾曲形状を有しない略台形状に形成され、後側が基部25から先端部27へと上下方向に沿って掛け渡された直線状となっており、側面部43,44において、サイド部53,54が空間部28の両側を面状に閉塞するようになっている。また、これらサイド部53,54のいずれか一方、本実施形態では例えばサイド部54は、車体の一側部に位置する窓部55に対向している。
【0042】
そして、自動車の衝突などの際に、制御装置により作動されたインフレータ20からの膨張ガスの供給により、エアバッグ本体部18が膨張展開して下方へと垂れ下がるように突出し、乗員P1,P2の前方に展開すると、エアバッグ本体部18は、基部25が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前方上側に位置し、中間部26が乗員P1,P2の前方に離隔されて位置し、先端部27が中間部26に対して乗員P1,P2側である後側に突出して基部25の下方、あるいはこの基部25の下方後側に位置するように展開することで、後板部38が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前部である顔部F1,F2に対向し、底板部37が乗員P1,P2の上体B1,B2に対向して当接し、かつ、サイド部53,54が空間部28の両側にパネル状に位置し、一方のサイド部53が窓部55に対向する。
【0043】
このため、エアバッグ本体部18は、衝撃により前方へと移動してきた乗員P1,P2の上体B1,B2に対して先端部27により反力を与えて衝撃を緩和しつつ、さらに乗員P1,P2が先端部27を押し込みつつ前方へと移動することで中間部26の下側傾斜面部38aなどの後板部38に当接した頭部H1,H2(顔部F1,F2)を先端部27よりも小さい反力で拘束して衝撃を緩和する。また、例えば自動車のオフセット衝突などにより乗員P1,P2が側方(斜め上方)へと移動した場合には、エアバッグ本体部18は、サイド部53,54のいずれか一方により乗員P1,P2の頭部H1,H2を側方から受け止める。
【0044】
このように、中間部26の後板部38の両側に中間部26よりも乗員P1,P2側に近接するサイド部53,54を設けることにより、このサイド部53,54によって乗員P1,P2の頭部H1,H2の位置を規制し、乗員P1,P2の頭部H1,H2がエアバッグ本体部18(エアバッグ19)に対して大きく側方へと大きくずれることを防止できる。
【0045】
また、サイド部53,54を、基布51,52によってパネル形状に形成することにより、サイド部53,54を容易に形成できる。
【0046】
さらに、サイド部53,54が基部25の側部と先端部27の側部とを連結しているため、エアバッグ本体部18の膨張展開の際に、サイド部53,54(基布51,52)が、基部25に対して先端部27が必要以上に下方へと延びることを規制するので、より短時間でエアバッグ本体部18(エアバッグ19)を所望の形状に展開させることができる。
【0047】
なお、図7に示す第3の実施の形態のように、基布16,17の切欠部41,42を覆うように基布16,17に対して例えばナイロン布帛などのパネル状の基布57,58を接合して、後板部38(空間部28)の両側に位置するサイド部53,54を構成しても、上記の第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0048】
次に、第4の実施の形態を図8ないし図12を参照して説明する。なお、上記の各実施の形態と同様の作用効果については、同一符号を付しての説明を省略する。
【0049】
この第4の実施の形態は、上記の第1の実施の形態のエアバッグ本体部18の中間部26の後板部38の中央部に、前後方向に貫通する貫通部である凹部61が形成されているものである。
【0050】
この凹部61は、正面視で四角形状に形成されており、後板部38の上側傾斜面部38bの下側寄りの位置に配置されている。すなわち、この凹部61は、前板部36に四角形状に形成された一方の通孔である前側通孔63と、後板部38に四角形状に形成された他方の通孔である後側通孔64とを互いに連通して形成されており、下側が、先端部27の上方に位置する後板部38の下側傾斜面部38aの一部である傾斜板部65により、上側が、基部25の下方に位置する下板部66により、両側部がこれら傾斜板部65と下板部66との両側間を連結する(一方及び他方の)側板部67,68により、それぞれ囲まれている。したがって、この凹部61の両側には、側板部67と側面部43(基布16)との間、及び側板部68と側面部44(基布17)との間に気室であるサイド部71,72が形成されている。さらに、エアバッグ本体部18の内部には、連結部材であるテザー74が前板部36と底板部37の後下面部37bとの間を連結するように取り付けられている。
【0051】
凹部61(後側通孔64)の寸法は、乗員P1,P2の頭部H1,H2を挿入可能に設定されている。また、この凹部61は、乗員P1,P2側である後側から反乗員P1,P2側である前側(奥側)へと徐々に幅寸法が狭くなるように形成されている。さらに、この凹部61の前後長、すなわち深さは、乗員P1,P2の頭部H1,H2の頂部がエアバッグ本体部18の前方へと突出しない寸法に設定されている。
【0052】
また、傾斜板部65は、先端部27の上方に位置し、前方上側に向けて傾斜、すなわち前方が相対的に高く、後方が相対的に下に下がる傾斜面となっており、エアバッグ本体部18の展開状態で乗員P1,P2の頭部H1,H2と対向する頭部保護面となっている。
【0053】
また、サイド部71,72は、膨張ガスが基部25及び中間部26から先端部27へと通過する流路となっている。すなわち、これらサイド部71,72は、中間部26に位置し、基部25と先端部27とを連通している。
【0054】
さらに、テザー74は、例えば1枚、あるいは複数枚の基布などにより形成され、先端部27の内部に位置しており、この先端部27の乗員P1,P2の上体B1,B2の胸部C1,C2に対応する位置の前後方向の厚みを規制するものである。このテザー74は、エアバッグ本体部18の左右幅方向の中央部に配置されており、前端部が前板部36に例えば縫製などによって接合されているとともに、後端部が底板部37の後下面部37bに例えば縫製などによって接合されている。
【0055】
そして、自動車の衝突などの際に、制御装置により作動されたインフレータ20からの膨張ガスの供給により、エアバッグ本体部18が膨張展開して下方へと垂れ下がるように突出し、乗員P1,P2の前方に展開すると、エアバッグ本体部18は、基部25が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前方上側に位置し、中間部26(凹部61)が乗員P1,P2の前方に離隔されて位置し、先端部27が中間部26に対して乗員P1,P2側である後側に突出して基部25の下方、あるいはこの基部25の下方後側に位置するように展開することで、後板部38が乗員P1,P2の頭部H1,H2の前部である顔部F1,F2に対向し、底板部37が乗員P1,P2の上体B1,B2に対向して当接し、かつ、サイド部71,72が凹部61の両側に位置し、他方のサイド部72が窓部55に対向する。
【0056】
このため、エアバッグ本体部18は、衝撃により前方へと移動してきた乗員P1,P2の腹部A1,A2、胸部C1,C2及び両肩部S1,S2などの上体B1,B2に対して先端部27により反力を与えて衝撃を緩和しつつ、さらに乗員P1,P2が先端部27を押し込みつつ前方へと移動することで中間部26の凹部61に頭部H1,H2が挿入されることにより先端部27よりも小さい反力で頭部H1,H2を拘束して衝撃を緩和するとともに首部N1,N2の偏倚角度を抑制する。また、エアバッグ本体部18は、乗員P1,P2の荷重による先端部27の押し込みによって内圧が高まり、凹部61を囲むサイド部71,72(側板部67,68)、傾斜板部65及び下板部66が凹部61に向かって膨出することで、乗員P1,P2の頭部H1,H2を複数箇所で受けてその動きを規制し、乗員P1,P2の首部N1,N2の偏倚を抑制する。
【0057】
このように、中間部26の後板部38の両側にサイド部71,72を設けることにより、このサイド部71,72によって乗員P1,P2の頭部H1,H2の位置を規制し、乗員P1,P2の頭部H1,H2がエアバッグ本体部18(エアバッグ19)に対して大きく側方へと大きくずれることを防止できる。
【0058】
また、サイド部71,72を気室とすることにより、サイド部71,72の緩衝性をより向上でき、乗員P1,P2の頭部H1,H2をより適切に保護できる。
【0059】
さらに、中間部26は、先端部27の上方に位置する傾斜板部65、基部25の下方に位置する下板部66、及び両側に位置するサイド部71,72により囲まれ展開状態で乗員の頭部H1,H2を挿入可能な凹部61を備えることで、凹部61に挿入された乗員P1,P2の頭部H1,H2を、上下左右から囲んだ状態とすることができ、乗員P1,P2の頭部H1,H2をエアバッグ本体部18に対していずれの方向にもずれにくくすることができるとともに、エアバッグ本体部18が乗員P1,P2を先端部27により受けた際にその内圧の高まりによってサイド部71,72(側板部67,68)、傾斜板部65及び下板部66が凹部61内へと膨出することで、凹部61に挿入された頭部H1,H2を複数箇所で受けて、より確実に拘束できる。
【0060】
そして、凹部61の下側を囲み凹部61に挿入された乗員P1,P2の頭部H1,H2の顔面F1,F2が当接する傾斜板部65が反乗員P1,P2側へと上方に傾斜していることで、この傾斜板部65に頭部H1,H2が当接した状態での乗員P1,P2の首部N1,N2の偏倚を抑制できる。
【0061】
また、凹部61の幅寸法を反乗員P1,P2側へと徐々に狭くすることで、凹部61に挿入された乗員P1,P2の頭部H1,H2をより確実に拘束できる。
【0062】
なお、上記の各実施の形態において、エアバッグ19は、例えば運転席乗員用のエアバッグ、あるいは後席乗員用のエアバッグなどとして用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、ルーフ部に取り付けられる例えば助手席乗員用のエアバッグとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0064】
18 エアバッグ本体部
19 エアバッグ
21 車室
25 基部
26 中間部
27 先端部
38 対向部としての後板部
38a 天板部としての下側傾斜面部
53,54,71,72 サイド部
61 凹部
66 下板部
B1,B2 上体
H1,H2 頭部
P1,P2 乗員
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室の上部に位置して車体に取り付けられ、膨張ガスの供給により下方へと膨張展開して乗員の前方に位置する袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグであって、
前記エアバッグ本体部は、
前記車体に取り付けられる基部と、
展開状態で乗員の上体を保護する先端部と、
これら基部と先端部との間に設けられ、展開状態で前記先端部よりも前方に離隔された位置で乗員の頭部に対向する中間部とを備えている
ことを特徴とするエアバッグ。
【請求項2】
中間部は、
展開状態で乗員の頭部前方に対向する対向部と、
この対向部の側部に設けられ、この対向部よりも乗員側に近接するサイド部とを有している
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
【請求項3】
サイド部は、パネル状に設けられている
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ。
【請求項4】
サイド部は、気室である
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ。
【請求項5】
先端部の上方に位置する天板部を備え、
中間部は、前記天板部の前方に上方へと突出して位置している
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグ。
【請求項6】
基部の下方に位置する下板部を備え、
中間部は、
両側に位置するサイド部と、
天板部の少なくとも一部、前記下板部、及び前記サイド部により囲まれ展開状態で乗員の頭部を挿入可能な凹部とを有している
ことを特徴とする請求項5記載のエアバッグ。
【請求項1】
車両の車室の上部に位置して車体に取り付けられ、膨張ガスの供給により下方へと膨張展開して乗員の前方に位置する袋状のエアバッグ本体部を備えたエアバッグであって、
前記エアバッグ本体部は、
前記車体に取り付けられる基部と、
展開状態で乗員の上体を保護する先端部と、
これら基部と先端部との間に設けられ、展開状態で前記先端部よりも前方に離隔された位置で乗員の頭部に対向する中間部とを備えている
ことを特徴とするエアバッグ。
【請求項2】
中間部は、
展開状態で乗員の頭部前方に対向する対向部と、
この対向部の側部に設けられ、この対向部よりも乗員側に近接するサイド部とを有している
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。
【請求項3】
サイド部は、パネル状に設けられている
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ。
【請求項4】
サイド部は、気室である
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ。
【請求項5】
先端部の上方に位置する天板部を備え、
中間部は、前記天板部の前方に上方へと突出して位置している
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のエアバッグ。
【請求項6】
基部の下方に位置する下板部を備え、
中間部は、
両側に位置するサイド部と、
天板部の少なくとも一部、前記下板部、及び前記サイド部により囲まれ展開状態で乗員の頭部を挿入可能な凹部とを有している
ことを特徴とする請求項5記載のエアバッグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−71704(P2013−71704A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213905(P2011−213905)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】
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