エキサイタ装置
【課題】薄型化可能なエキサイタ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車両の内装材2を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置1であって、内装材2に固定される、ボイスコイル9が接合されたベース部18と、永久磁石4と該永久磁石4を内包する磁性体3とにより、該永久磁石4と該磁性体19との間に形成されたボイスコイル9が配置される空間に磁場8を形成する磁気回路部6と、を備え、磁性体19は、永久磁石4を内包する円筒状のヨーク部3と、該ヨーク部3の外周面から突出するつば状のフランジ部15と、を有し、磁気回路部6は、ベース部18とフランジ部15とを締結する弾性変形可能なダンパー16によって支持される。
【解決手段】車両の内装材2を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置1であって、内装材2に固定される、ボイスコイル9が接合されたベース部18と、永久磁石4と該永久磁石4を内包する磁性体3とにより、該永久磁石4と該磁性体19との間に形成されたボイスコイル9が配置される空間に磁場8を形成する磁気回路部6と、を備え、磁性体19は、永久磁石4を内包する円筒状のヨーク部3と、該ヨーク部3の外周面から突出するつば状のフランジ部15と、を有し、磁気回路部6は、ベース部18とフランジ部15とを締結する弾性変形可能なダンパー16によって支持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ用のエキサイタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気音声信号を音として出力するスピーカは、振動板とこの振動板を振動させるエキサイタ装置で構成される。エキサイタ装置に電気音声信号が入力されると、このエキサイタ装置が振動板を振動させて音が出る。エキサイタ装置は、電気音声信号が入力されるボイスコイル、及びボイスコイルの周囲に磁界を発生させる永久磁石とヨークからなる磁気回路を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エキサイタに中央部分が結合された平板状の振動板を備えるパネル型スピーカが開示されている。また、特許文献2には、車両の天井基材に取り付けるスピーカであって、天井基材からエキサイタまでの高さを低減できるスピーカが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3949273号公報
【特許文献2】特開2006−115167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置においては、設置箇所の空間的な制約がある。後で詳細に述べるが、例えば車両の天井材と天井の限られたスペースにエキサイタ装置を設置したいが、大型車と比べて小型車の方が一般的にスペースが狭くなる。これに対応する為に、装置が極力薄型化されることが好ましい。しかしながら、エキサイタ装置の磁気回路は、音域を広くカバーするために十分な大きさの永久磁石およびヨークで構成されるので、装置の薄型化を実現することが困難である。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、薄型化可能なエキサイタ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、永久磁石を内包して磁気回路を形成する磁性体に該永久磁石を内包するヨーク部と該ヨーク部から突出するフランジ部とを設け、このフランジ部にダンパーを取り付けて磁気回路を支持する構造とした。
【0008】
詳細には、車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出するつば状のフランジ部と、を有し、前記磁気回路部は、前記ベース部と前記フランジ部とを締結する弾性変形可能なダンパーによって支持される。
【0009】
このエキサイタ装置では、ヨーク部を形成する磁性体にフランジ部が形成されている。そして、磁気回路部とボイスコイルとの相対的な位置関係を規定するダンパーが、このフ
ランジ部とベース部とを締結することで磁気回路部が支持される構成を採っているため、フランジ部と締結するダンパーの配置の自由度が増す。よって、エキサイタ装置全体を薄型化する観点でダンパーをより適切に配置することが可能となり、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【0010】
ここで、前記ベース部は、環状の部材であり、前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から突出する棒状の部材であり、前記磁気回路部は、一端が前記ベース部に接合され他端が前記フランジ部に接合された前記ダンパーによって支持されるものであってもよい。また、前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から周方向に突出する棒状の部材であってもよい。棒状の部材であれば材料や寸法を適宜選択して弾性変形可能なようにすることでダンパーを容易に形成することが出来、換言すればエキサイタ装置全体を薄型化する観点でダンパーをより適切な形状にすることが可能となり、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【0011】
ここで、前記磁気回路部は、少なくとも高音域の音声を前記内装材に出力させることが可能な程度の磁場を前記ボイスコイルが配置される空間に形成するものであってもよい。このように構成されるエキサイタ装置であれば、磁気回路を構成する磁性体に関する磁気回路としての設計要件が緩くなるので、磁性体に形成するフランジ部の設計の自由度が増す。よって、エキサイタ装置全体を薄型化する観点でフランジ部の形状をより自由に設計することが可能となり、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【0012】
また、前記フランジ部は、前記ヨーク部の外周面の下端からつば状に突出する内周側部分と、段差部分を介して該内周側部分の外縁に形成される外周側部分であって前記ダンパーの一端が接合される外周側部分とを有し、前記ダンパーは、前記段差部分によって前記外周側部分の下部に確保されるスペースに設けられるものであってもよい。このように構成されるエキサイタ装置であれば、ダンパーを設けるためのスペースを十分に確保しつつ、磁気回路部をベース部に近づけることができるので、装置全体の更なる薄型化を図ることができる。
【0013】
ここで、本発明は、車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出する弾性変形可能な棒状のダンパー部と、を有し、前記磁気回路部は、前記ベース部と締結された前記ダンパー部によって支持されるものであってもよい。
【0014】
このエキサイタ装置では、ヨーク部を形成する磁性体にダンパー部が形成されているので、装置全体の構造が単純化され、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
薄型化可能なエキサイタ装置を提供することが可能となる。これによって、従来設置が不可能であった狭い場所にも設置可能となり、内装材と天井の空間が狭い小型車でもエキサイタを設置できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】エキサイタ装置の外観斜視図である。
【図2】エキサイタ装置の内部構造図である。
【図3】エキサイタ装置の分解図である。
【図4】エキサイタ装置の下面図である。
【図5】エキサイタ装置の上面図である。
【図6】従来技術に係るエキサイタ装置の外観斜視図である。
【図7】従来技術に係るエキサイタ装置の内部構造図である。
【図8】従来技術に係るエキサイタ装置の分解図である。
【図9】従来技術に係るエキサイタ装置の上面図である。
【図10】従来技術に係るエキサイタ装置の下面図である。
【図11】変形例に係るエキサイタ装置の下面図である。
【図12】変形例に係るエキサイタ装置の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるエキサイタ装置1の外観斜視図である。このエキサイタ装置1は、図1に示すように、車両の内装材2に固定される。そして、エキサイタ装置1がこの内装材2を振動させることにより、音声が出る。車両に標準装備されているオーディオシステムは、一般的に、コーン型のスピーカがドアの下部に設置されている。このため、スピーカが車室内の下部に設置されることによる音の拡がり感が不足する。これを補う方策として、例えば、スピーカに入力する電気音声信号をデジタル信号処理技術により予め加工することも一般的に行なわれている。しかし、このような信号処理技術によっても音の拡がり感の不足を十分に補うことは困難である。
【0018】
本実施形態に係るエキサイタ装置1は、このような車室内における音の拡がり感を補うものであり、その目的を効果的に達成するために、例えば、車室内の内装材の中でも特に天井材、より詳細には前席後方天井付近に固定される。これにより、車内の乗員に対し上方から音が提供されるようになるので、乗員の上方の音の拡がり感の不足を効果的に解消し得る。なお、このような天井材の部分は、スペース上の制約が多く、特に薄型化されていることが求められる。
【0019】
エキサイタ装置1は、このようなスペース上の制約が多い天井材に取り付け可能なようにするため、次のように構成されている。図2は、エキサイタ装置1の内部構造図である。エキサイタ装置1は、図2に示すように、ヨーク部3を有する磁性体部材19、及びマグネット4とプレート5で構成される磁気回路6と、磁気回路6を支持するシャーシ7と、磁気回路6によりヨーク部3とプレート5との間隙に形成された磁場8に配置されるボイスコイル9と、ヨーク部3内の空間に異物が混入するのを防ぐ防塵スペーサ10と、を備える。内装材2に接着されたホルダー11にシャーシ7がネジ部12で固定されることにより、エキサイタ装置1が内装材2に固定される。なお、シャーシ7とホルダー11との間にはウレタンやゴム等の発泡材で校正されるスペーサ20が挿置されている。このスペーサ20は、シャーシ7をホルダー11にネジ付ける際に圧縮されることで、自身の表面の摩擦力によりネジ部12が緩むのを防ぐ。ボイスコイル9は、シャーシ7に固定されており、電気音声信号が流れるとローレンツ力によりシャーシ7が磁気回路6に対して相対的に動く。シャーシ7が磁気回路6と相対的に動くことで内装材2が動く。
【0020】
なお、内装材2は車室内の天井部分の内装材であり、エキサイタ装置1は、内装材2と外装材である板金との隙間に設置される。この部分は、概ね十数〜数十ミリメートル程度しかないため、このような箇所に設置される機器は薄型化が求められる。
【0021】
図3は、エキサイタ装置1の分解図である。図3から明らかなように、ヨーク部3を有する磁性体部材19は、マグネット4を収容するヨーク部3の下端からつば状のフランジ部15を備えている。このフランジ部15は、磁性体部材19の表面積を大きくして磁気
回路6の放熱効果を高めると共に、シャーシ7に設けられているダンパー部16と連結するスペースを確保するためにつば状の外形を有している。
【0022】
ここで、磁性体部材19のフランジ部15には段差17が設けられており、フランジ部15の外周端が付け根よりも高くなっていることで、フランジ部15とダンパー部16とを締結するネジ13の長さ分の寸法を確保してフランジ部15とダンパー部16との締結部分の強度を高めながら、エキサイタ装置1の更なる薄型化を可能としている。磁性体部材19は、このようなフランジ部15を有していることにより、フランジ部15が無いものに比べると磁束漏洩が多くなる。しかし、このエキサイタ装置1は、車室内における音の拡がり感を補うことを目的としており、概ね400Hz以上の音域をカバーすることを前提としている。このため、このエキサイタ装置1は、音域を広くカバーすることよりも薄型化を優先しており、磁性体部材19を構成する部材の肉厚を薄くし更にフランジ部15を設けている。このような構造を敢えて採ることで再生可能な音域は限定されるが、少なくとも音の拡がり感を高めるために必要な中・高音域はカバーできる。このような設計思想は、エキサイタ装置1の随所に配されており、例えば、低音域をカバーしないことでボイスコイル9と磁気回路6との相対的な移動を行なうためのスペースも多く必要としなくなるので、ボイスコイル9とプレート5との間隙も一般的なエキサイタ装置より狭くなっている。
【0023】
このように構成されるヨーク部3と、マグネット4やプレート5が協働して構成する磁気回路6は、シャーシ7に形成されている3つのダンパー部16によって支持される。図4はエキサイタ装置1の下面図であり、図5は上面図である。シャーシ7は、図4に示すように、環状のベース部18と、ベース部18の外周縁から円周方向に向かって突設された3つのダンパー部16とを備える。ベース部18と一体成形されるダンパー部16は弾性変形可能である。このため、ベース部18との接合部分である付け根部分Aとその反対側である先端部分Bとが、エキサイタ装置1の音軸方向に沿って相対的に変位可能である。ベース部18の内周面にはネジ部12の雌ネジを構成するネジ溝が形成されており、ホルダー11に形成されたネジ部12の雄ネジを構成するネジ溝と係合することにより、シャーシ7のベース部18がホルダー11を介して内装材2に固定される。ダンパー部16の先端部分Bは、図5に示すように、磁性体部材19のフランジ部15にネジ13で接合されている。なお、接合に際してはネジ13のみならず、例えば、リベット等を用いてもよい。磁気回路6は、このように内装材2に固定されたベース部18の外周縁から突設されたダンパー部16によって支持されているため、ボイスコイル9に電気音声信号が流れることでベース部18に対して相対的に変位し、自身の慣性力も作用して内装材2が振動する。
【0024】
このように構成されるエキサイタ装置1は、従来のものに比べて大幅な薄型化を図ることができる。図6は、再生可能な音域を限定しない範囲で薄型化を図ったエキサイタ装置101の外観斜視図である。このエキサイタ装置101も上述したエキサイタ装置1と同様、内装材2に固定される。
【0025】
図7は、エキサイタ装置101の内部構造図である。このエキサイタ装置101は、図7に示すように、ヨーク103やマグネット104、プレート105で構成される磁気回路106と、ヨーク103の外周面に連結されたダンパー116、ダンパー116を介して磁気回路106を支持するシャーシ107と、磁気回路106によりヨーク103とプレート105との間隙に形成された磁場108に配置されるボイスコイル109と、ヨーク103内の空間に異物が混入するのを防ぐ防塵スペーサ110と、を備える。シャーシ107は、内装材2に接着されたホルダー111とネジ部112で締結される。シャーシ107とホルダー111との間にはネジ部112の緩みを止めるスペーサ111が挿置されている。
【0026】
図8は、エキサイタ装置101の分解図である。図8から明らかなように、エキサイタ装置101のヨーク103は、前述したエキサイタ装置1と異なり、つば状のフランジ部15が設けられていない代わりに、ダンパー116が取り付けられている。このダンパー116は、弾性の非磁性体で構成されており、その内周面がヨーク103の外周下端と当接してかしめ等により接合されている。一方、ヨーク103は、磁性体で構成されており、広い音域をカバーするために肉厚を厚くしている。また、広い音域をカバーするために、シャーシ107とプレート105との隙間も上記エキサイタ装置1より広くなっている。
【0027】
このように構成されるヨーク103と、マグネット104やプレート105が協働して構成する磁気回路106は、シャーシ107と締結されたダンパー116によって支持される。図9はエキサイタ装置101の上面図であり、図10は下面図である。ダンパー116は、ヨーク103との接合部分である付け根部分Cとその反対側である先端部分Dとが、エキサイタ装置101の音軸方向に沿って相対的に変位可能である。磁気回路106は、このように構成されるダンパー116によりシャーシ107に締結されて支持されているため、ボイスコイル109に電気音声信号が流れることでシャーシ107に対して相対的に変位し、自身の慣性力も作用して内装材2が振動する。
【0028】
このようなエキサイタ装置101においては、ヨーク103がヨーク部3よりも厚く、また、フランジ部15を備えていないためにダンパー116という別部材によりシャーシ107と磁気回路106とを連結する構造を採る必要がある。このため、エキサイタ装置1のような薄型化が困難である。乗員の上方の音の拡がり感の不足を解消するために必要な音量や音域を達成するには、エキサイタ装置101の場合には約17mmの厚さ(高さ)となるのに対し、エキサイタ装置1の場合にはダンパー部16の形状や位置等の設計の自由度が大きいので約11mmの厚さ(高さ)とすることができ、大幅な薄型化が図られる。
【0029】
ここで、上記エキサイタ装置1においては、3つのダンパー部16を備えていたが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、例えば4つ以上のダンパー部16で構成されていてもよい。また、上記エキサイタ装置1においては、周方向に突出するダンパー部16を備えていたが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、ダンパー部16がベース部18の周側面から突設するように構成されていてもよい。
【0030】
また、上記エキサイタ装置1においては、プレート5にダンパー部16を設けていたが、例えば、以下に示すように構成してもよい。図12は、本変形例に係るエキサイタ装置1’の外観斜視図である。このエキサイタ装置1’は、既述したエキサイタ装置1と同様、ヨーク部3’やダンパー部16’、シャーシ7’を備えている。既述したエキサイタ装置1との相違点は、ダンパー部16’が設けられている箇所にある。すなわち、既述したエキサイタ装置1においては、ダンパー部16がシャーシ7に設けられていた。しかし、この変形例では、ヨーク部3’を構成する磁性体の材料である磁性体部材19’にダンパー部16’が設けられている。このダンパー部16’は、円筒状のヨーク部3’の外周側面から周方向へ突設するように形成されている。
【0031】
このように構成されるエキサイタ装置1’は、ヨーク部3’を形成する磁性体部材19’にダンパー部16’が形成されているので、エキサイタ装置1’全体の構造が単純化され、結果として装置全体を薄型化できる。
【符号の説明】
【0032】
1,1’,101・・エキサイタ装置
2・・内装材
3,103・・ヨーク
3,3’・・ヨーク部
4,104・・マグネット
5,105・・プレート
6,106・・磁気回路
7,7’,107・・シャーシ
8,108・・磁場
9,109・・ボイスコイル
10,110・・防塵スペーサ
11,111・・ホルダー
12,112・・ネジ部
13・・ネジ
15・・フランジ部
16,16’・・ダンパー部
17・・段差
18・・ベース部
116・・ダンパー
19,19’・・磁性体部材
20,120・・スペーサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ用のエキサイタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気音声信号を音として出力するスピーカは、振動板とこの振動板を振動させるエキサイタ装置で構成される。エキサイタ装置に電気音声信号が入力されると、このエキサイタ装置が振動板を振動させて音が出る。エキサイタ装置は、電気音声信号が入力されるボイスコイル、及びボイスコイルの周囲に磁界を発生させる永久磁石とヨークからなる磁気回路を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エキサイタに中央部分が結合された平板状の振動板を備えるパネル型スピーカが開示されている。また、特許文献2には、車両の天井基材に取り付けるスピーカであって、天井基材からエキサイタまでの高さを低減できるスピーカが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3949273号公報
【特許文献2】特開2006−115167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置においては、設置箇所の空間的な制約がある。後で詳細に述べるが、例えば車両の天井材と天井の限られたスペースにエキサイタ装置を設置したいが、大型車と比べて小型車の方が一般的にスペースが狭くなる。これに対応する為に、装置が極力薄型化されることが好ましい。しかしながら、エキサイタ装置の磁気回路は、音域を広くカバーするために十分な大きさの永久磁石およびヨークで構成されるので、装置の薄型化を実現することが困難である。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、薄型化可能なエキサイタ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、永久磁石を内包して磁気回路を形成する磁性体に該永久磁石を内包するヨーク部と該ヨーク部から突出するフランジ部とを設け、このフランジ部にダンパーを取り付けて磁気回路を支持する構造とした。
【0008】
詳細には、車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出するつば状のフランジ部と、を有し、前記磁気回路部は、前記ベース部と前記フランジ部とを締結する弾性変形可能なダンパーによって支持される。
【0009】
このエキサイタ装置では、ヨーク部を形成する磁性体にフランジ部が形成されている。そして、磁気回路部とボイスコイルとの相対的な位置関係を規定するダンパーが、このフ
ランジ部とベース部とを締結することで磁気回路部が支持される構成を採っているため、フランジ部と締結するダンパーの配置の自由度が増す。よって、エキサイタ装置全体を薄型化する観点でダンパーをより適切に配置することが可能となり、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【0010】
ここで、前記ベース部は、環状の部材であり、前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から突出する棒状の部材であり、前記磁気回路部は、一端が前記ベース部に接合され他端が前記フランジ部に接合された前記ダンパーによって支持されるものであってもよい。また、前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から周方向に突出する棒状の部材であってもよい。棒状の部材であれば材料や寸法を適宜選択して弾性変形可能なようにすることでダンパーを容易に形成することが出来、換言すればエキサイタ装置全体を薄型化する観点でダンパーをより適切な形状にすることが可能となり、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【0011】
ここで、前記磁気回路部は、少なくとも高音域の音声を前記内装材に出力させることが可能な程度の磁場を前記ボイスコイルが配置される空間に形成するものであってもよい。このように構成されるエキサイタ装置であれば、磁気回路を構成する磁性体に関する磁気回路としての設計要件が緩くなるので、磁性体に形成するフランジ部の設計の自由度が増す。よって、エキサイタ装置全体を薄型化する観点でフランジ部の形状をより自由に設計することが可能となり、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【0012】
また、前記フランジ部は、前記ヨーク部の外周面の下端からつば状に突出する内周側部分と、段差部分を介して該内周側部分の外縁に形成される外周側部分であって前記ダンパーの一端が接合される外周側部分とを有し、前記ダンパーは、前記段差部分によって前記外周側部分の下部に確保されるスペースに設けられるものであってもよい。このように構成されるエキサイタ装置であれば、ダンパーを設けるためのスペースを十分に確保しつつ、磁気回路部をベース部に近づけることができるので、装置全体の更なる薄型化を図ることができる。
【0013】
ここで、本発明は、車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出する弾性変形可能な棒状のダンパー部と、を有し、前記磁気回路部は、前記ベース部と締結された前記ダンパー部によって支持されるものであってもよい。
【0014】
このエキサイタ装置では、ヨーク部を形成する磁性体にダンパー部が形成されているので、装置全体の構造が単純化され、結果としてエキサイタ装置全体の薄型化を実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
薄型化可能なエキサイタ装置を提供することが可能となる。これによって、従来設置が不可能であった狭い場所にも設置可能となり、内装材と天井の空間が狭い小型車でもエキサイタを設置できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】エキサイタ装置の外観斜視図である。
【図2】エキサイタ装置の内部構造図である。
【図3】エキサイタ装置の分解図である。
【図4】エキサイタ装置の下面図である。
【図5】エキサイタ装置の上面図である。
【図6】従来技術に係るエキサイタ装置の外観斜視図である。
【図7】従来技術に係るエキサイタ装置の内部構造図である。
【図8】従来技術に係るエキサイタ装置の分解図である。
【図9】従来技術に係るエキサイタ装置の上面図である。
【図10】従来技術に係るエキサイタ装置の下面図である。
【図11】変形例に係るエキサイタ装置の下面図である。
【図12】変形例に係るエキサイタ装置の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるエキサイタ装置1の外観斜視図である。このエキサイタ装置1は、図1に示すように、車両の内装材2に固定される。そして、エキサイタ装置1がこの内装材2を振動させることにより、音声が出る。車両に標準装備されているオーディオシステムは、一般的に、コーン型のスピーカがドアの下部に設置されている。このため、スピーカが車室内の下部に設置されることによる音の拡がり感が不足する。これを補う方策として、例えば、スピーカに入力する電気音声信号をデジタル信号処理技術により予め加工することも一般的に行なわれている。しかし、このような信号処理技術によっても音の拡がり感の不足を十分に補うことは困難である。
【0018】
本実施形態に係るエキサイタ装置1は、このような車室内における音の拡がり感を補うものであり、その目的を効果的に達成するために、例えば、車室内の内装材の中でも特に天井材、より詳細には前席後方天井付近に固定される。これにより、車内の乗員に対し上方から音が提供されるようになるので、乗員の上方の音の拡がり感の不足を効果的に解消し得る。なお、このような天井材の部分は、スペース上の制約が多く、特に薄型化されていることが求められる。
【0019】
エキサイタ装置1は、このようなスペース上の制約が多い天井材に取り付け可能なようにするため、次のように構成されている。図2は、エキサイタ装置1の内部構造図である。エキサイタ装置1は、図2に示すように、ヨーク部3を有する磁性体部材19、及びマグネット4とプレート5で構成される磁気回路6と、磁気回路6を支持するシャーシ7と、磁気回路6によりヨーク部3とプレート5との間隙に形成された磁場8に配置されるボイスコイル9と、ヨーク部3内の空間に異物が混入するのを防ぐ防塵スペーサ10と、を備える。内装材2に接着されたホルダー11にシャーシ7がネジ部12で固定されることにより、エキサイタ装置1が内装材2に固定される。なお、シャーシ7とホルダー11との間にはウレタンやゴム等の発泡材で校正されるスペーサ20が挿置されている。このスペーサ20は、シャーシ7をホルダー11にネジ付ける際に圧縮されることで、自身の表面の摩擦力によりネジ部12が緩むのを防ぐ。ボイスコイル9は、シャーシ7に固定されており、電気音声信号が流れるとローレンツ力によりシャーシ7が磁気回路6に対して相対的に動く。シャーシ7が磁気回路6と相対的に動くことで内装材2が動く。
【0020】
なお、内装材2は車室内の天井部分の内装材であり、エキサイタ装置1は、内装材2と外装材である板金との隙間に設置される。この部分は、概ね十数〜数十ミリメートル程度しかないため、このような箇所に設置される機器は薄型化が求められる。
【0021】
図3は、エキサイタ装置1の分解図である。図3から明らかなように、ヨーク部3を有する磁性体部材19は、マグネット4を収容するヨーク部3の下端からつば状のフランジ部15を備えている。このフランジ部15は、磁性体部材19の表面積を大きくして磁気
回路6の放熱効果を高めると共に、シャーシ7に設けられているダンパー部16と連結するスペースを確保するためにつば状の外形を有している。
【0022】
ここで、磁性体部材19のフランジ部15には段差17が設けられており、フランジ部15の外周端が付け根よりも高くなっていることで、フランジ部15とダンパー部16とを締結するネジ13の長さ分の寸法を確保してフランジ部15とダンパー部16との締結部分の強度を高めながら、エキサイタ装置1の更なる薄型化を可能としている。磁性体部材19は、このようなフランジ部15を有していることにより、フランジ部15が無いものに比べると磁束漏洩が多くなる。しかし、このエキサイタ装置1は、車室内における音の拡がり感を補うことを目的としており、概ね400Hz以上の音域をカバーすることを前提としている。このため、このエキサイタ装置1は、音域を広くカバーすることよりも薄型化を優先しており、磁性体部材19を構成する部材の肉厚を薄くし更にフランジ部15を設けている。このような構造を敢えて採ることで再生可能な音域は限定されるが、少なくとも音の拡がり感を高めるために必要な中・高音域はカバーできる。このような設計思想は、エキサイタ装置1の随所に配されており、例えば、低音域をカバーしないことでボイスコイル9と磁気回路6との相対的な移動を行なうためのスペースも多く必要としなくなるので、ボイスコイル9とプレート5との間隙も一般的なエキサイタ装置より狭くなっている。
【0023】
このように構成されるヨーク部3と、マグネット4やプレート5が協働して構成する磁気回路6は、シャーシ7に形成されている3つのダンパー部16によって支持される。図4はエキサイタ装置1の下面図であり、図5は上面図である。シャーシ7は、図4に示すように、環状のベース部18と、ベース部18の外周縁から円周方向に向かって突設された3つのダンパー部16とを備える。ベース部18と一体成形されるダンパー部16は弾性変形可能である。このため、ベース部18との接合部分である付け根部分Aとその反対側である先端部分Bとが、エキサイタ装置1の音軸方向に沿って相対的に変位可能である。ベース部18の内周面にはネジ部12の雌ネジを構成するネジ溝が形成されており、ホルダー11に形成されたネジ部12の雄ネジを構成するネジ溝と係合することにより、シャーシ7のベース部18がホルダー11を介して内装材2に固定される。ダンパー部16の先端部分Bは、図5に示すように、磁性体部材19のフランジ部15にネジ13で接合されている。なお、接合に際してはネジ13のみならず、例えば、リベット等を用いてもよい。磁気回路6は、このように内装材2に固定されたベース部18の外周縁から突設されたダンパー部16によって支持されているため、ボイスコイル9に電気音声信号が流れることでベース部18に対して相対的に変位し、自身の慣性力も作用して内装材2が振動する。
【0024】
このように構成されるエキサイタ装置1は、従来のものに比べて大幅な薄型化を図ることができる。図6は、再生可能な音域を限定しない範囲で薄型化を図ったエキサイタ装置101の外観斜視図である。このエキサイタ装置101も上述したエキサイタ装置1と同様、内装材2に固定される。
【0025】
図7は、エキサイタ装置101の内部構造図である。このエキサイタ装置101は、図7に示すように、ヨーク103やマグネット104、プレート105で構成される磁気回路106と、ヨーク103の外周面に連結されたダンパー116、ダンパー116を介して磁気回路106を支持するシャーシ107と、磁気回路106によりヨーク103とプレート105との間隙に形成された磁場108に配置されるボイスコイル109と、ヨーク103内の空間に異物が混入するのを防ぐ防塵スペーサ110と、を備える。シャーシ107は、内装材2に接着されたホルダー111とネジ部112で締結される。シャーシ107とホルダー111との間にはネジ部112の緩みを止めるスペーサ111が挿置されている。
【0026】
図8は、エキサイタ装置101の分解図である。図8から明らかなように、エキサイタ装置101のヨーク103は、前述したエキサイタ装置1と異なり、つば状のフランジ部15が設けられていない代わりに、ダンパー116が取り付けられている。このダンパー116は、弾性の非磁性体で構成されており、その内周面がヨーク103の外周下端と当接してかしめ等により接合されている。一方、ヨーク103は、磁性体で構成されており、広い音域をカバーするために肉厚を厚くしている。また、広い音域をカバーするために、シャーシ107とプレート105との隙間も上記エキサイタ装置1より広くなっている。
【0027】
このように構成されるヨーク103と、マグネット104やプレート105が協働して構成する磁気回路106は、シャーシ107と締結されたダンパー116によって支持される。図9はエキサイタ装置101の上面図であり、図10は下面図である。ダンパー116は、ヨーク103との接合部分である付け根部分Cとその反対側である先端部分Dとが、エキサイタ装置101の音軸方向に沿って相対的に変位可能である。磁気回路106は、このように構成されるダンパー116によりシャーシ107に締結されて支持されているため、ボイスコイル109に電気音声信号が流れることでシャーシ107に対して相対的に変位し、自身の慣性力も作用して内装材2が振動する。
【0028】
このようなエキサイタ装置101においては、ヨーク103がヨーク部3よりも厚く、また、フランジ部15を備えていないためにダンパー116という別部材によりシャーシ107と磁気回路106とを連結する構造を採る必要がある。このため、エキサイタ装置1のような薄型化が困難である。乗員の上方の音の拡がり感の不足を解消するために必要な音量や音域を達成するには、エキサイタ装置101の場合には約17mmの厚さ(高さ)となるのに対し、エキサイタ装置1の場合にはダンパー部16の形状や位置等の設計の自由度が大きいので約11mmの厚さ(高さ)とすることができ、大幅な薄型化が図られる。
【0029】
ここで、上記エキサイタ装置1においては、3つのダンパー部16を備えていたが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、例えば4つ以上のダンパー部16で構成されていてもよい。また、上記エキサイタ装置1においては、周方向に突出するダンパー部16を備えていたが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、ダンパー部16がベース部18の周側面から突設するように構成されていてもよい。
【0030】
また、上記エキサイタ装置1においては、プレート5にダンパー部16を設けていたが、例えば、以下に示すように構成してもよい。図12は、本変形例に係るエキサイタ装置1’の外観斜視図である。このエキサイタ装置1’は、既述したエキサイタ装置1と同様、ヨーク部3’やダンパー部16’、シャーシ7’を備えている。既述したエキサイタ装置1との相違点は、ダンパー部16’が設けられている箇所にある。すなわち、既述したエキサイタ装置1においては、ダンパー部16がシャーシ7に設けられていた。しかし、この変形例では、ヨーク部3’を構成する磁性体の材料である磁性体部材19’にダンパー部16’が設けられている。このダンパー部16’は、円筒状のヨーク部3’の外周側面から周方向へ突設するように形成されている。
【0031】
このように構成されるエキサイタ装置1’は、ヨーク部3’を形成する磁性体部材19’にダンパー部16’が形成されているので、エキサイタ装置1’全体の構造が単純化され、結果として装置全体を薄型化できる。
【符号の説明】
【0032】
1,1’,101・・エキサイタ装置
2・・内装材
3,103・・ヨーク
3,3’・・ヨーク部
4,104・・マグネット
5,105・・プレート
6,106・・磁気回路
7,7’,107・・シャーシ
8,108・・磁場
9,109・・ボイスコイル
10,110・・防塵スペーサ
11,111・・ホルダー
12,112・・ネジ部
13・・ネジ
15・・フランジ部
16,16’・・ダンパー部
17・・段差
18・・ベース部
116・・ダンパー
19,19’・・磁性体部材
20,120・・スペーサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、
前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、
永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、
前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出するつば状のフランジ部と、を有し、
前記磁気回路部は、前記ベース部と前記フランジ部とを締結する弾性変形可能なダンパーによって支持される、
エキサイタ装置。
【請求項2】
前記ベース部は、環状の部材であり、
前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から突出する棒状の部材であり、
前記磁気回路部は、一端が前記ベース部に接合され他端が前記フランジ部に接合された前記ダンパーによって支持される、
請求項1に記載のエキサイタ装置。
【請求項3】
前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から周方向に突出する棒状の部材である、
請求項2に記載のエキサイタ装置。
【請求項4】
前記磁気回路部は、少なくとも高音域の音声を前記内装材に出力させることが可能な程度の磁場を前記ボイスコイルが配置される空間に形成する、
請求項1から3の何れか一項に記載のエキサイタ装置。
【請求項5】
前記フランジ部は、前記ヨーク部の外周面の下端からつば状に突出する内周側部分と、段差部分を介して該内周側部分の外縁に形成される外周側部分であって前記ダンパーの一端が接合される外周側部分とを有し、
前記ダンパーは、前記段差部分によって前記外周側部分の下部に確保されるスペースに設けられる、
請求項1から4の何れか一項に記載のエキサイタ装置。
【請求項6】
車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、
前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、
永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、
前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出する弾性変形可能な棒状のダンパー部と、を有し、
前記磁気回路部は、前記ベース部と締結された前記ダンパー部によって支持される、
エキサイタ装置。
【請求項1】
車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、
前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、
永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、
前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出するつば状のフランジ部と、を有し、
前記磁気回路部は、前記ベース部と前記フランジ部とを締結する弾性変形可能なダンパーによって支持される、
エキサイタ装置。
【請求項2】
前記ベース部は、環状の部材であり、
前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から突出する棒状の部材であり、
前記磁気回路部は、一端が前記ベース部に接合され他端が前記フランジ部に接合された前記ダンパーによって支持される、
請求項1に記載のエキサイタ装置。
【請求項3】
前記ダンパーは、前記ベース部の外周面から周方向に突出する棒状の部材である、
請求項2に記載のエキサイタ装置。
【請求項4】
前記磁気回路部は、少なくとも高音域の音声を前記内装材に出力させることが可能な程度の磁場を前記ボイスコイルが配置される空間に形成する、
請求項1から3の何れか一項に記載のエキサイタ装置。
【請求項5】
前記フランジ部は、前記ヨーク部の外周面の下端からつば状に突出する内周側部分と、段差部分を介して該内周側部分の外縁に形成される外周側部分であって前記ダンパーの一端が接合される外周側部分とを有し、
前記ダンパーは、前記段差部分によって前記外周側部分の下部に確保されるスペースに設けられる、
請求項1から4の何れか一項に記載のエキサイタ装置。
【請求項6】
車両の内装材を振動させて音声を出力させるエキサイタ装置であって、
前記内装材に固定される、ボイスコイルが接合されたベース部と、
永久磁石と該永久磁石を内包する磁性体とにより、該永久磁石と該磁性体との間に形成された前記ボイスコイルが配置される空間に磁場を形成する磁気回路部と、を備え、
前記磁性体は、前記永久磁石を内包する円筒状のヨーク部と、該ヨーク部の外周面から突出する弾性変形可能な棒状のダンパー部と、を有し、
前記磁気回路部は、前記ベース部と締結された前記ダンパー部によって支持される、
エキサイタ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−114763(P2011−114763A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271335(P2009−271335)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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