説明

エチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法

【課題】高活性の単一活性点触媒組成物を用いて高温溶液重合状態でも触媒活性を維持できるエチレンとα−オレフィンの共重合体を製造する方法の提供。
【解決手段】単一反応器又は直列あるいは並列式の2次連続反応器中において、シクロペンタジエン誘導体とオルト(ortho-)位にアリール誘導体が置換されたアリールオキシ基を有する陰イオン性リガンドを少なくとも1つ含む遷移金属触媒含む触媒組成物及びC3〜C20の有機溶媒の存在下で、エチレン及び少なくとも1つのα−オレフィン共単量体を溶液重合させることを含む、芳香族単量体の含量が0.1〜90重量%であるエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンとα−オレフィンの共重合体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エチレンとα−オレフィンの共重合体の製造には、一般にチタニウム又はバナジウム化合物の主触媒成分とアルキルアルミニウム化合物の助触媒成分で構成される、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒系が使用されてきた。しかし、チーグラー・ナッタ触媒系は、エチレン単独重合に対して高活性を示すが、不均一な触媒活性点のため、高級α−オレフィンとの共重合反応性が悪く、エチレンとα−オレフィンの共重合体の製造のためには多量のα−オレフィン共単量体が必要とされ、このような条件では触媒の活性度が低下する短所があった。
【0003】
最近、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなど、周期律表の4族遷移金属のメタロセン化合物と、助触媒であるメチルアルミノキサン(methylaluminoxane)から構成される、いわゆるメタロセン触媒系が開発された。メタロセン触媒系は、単一種の触媒活性点を有する均一系触媒であるため、既存のチーグラー・ナッタ触媒系に比べ、分子量分布が狭くて組成分布が均一なポリエチレンを製造できるという特徴を有する。
【0004】
一方、溶液重合条件で、エチレンとα−オレフィンとの共重合において、高い触媒活性と高分子量の重合体が製造できる触媒として、遷移金属を環状に連結させた、いわゆる幾何拘束型非メタロセン系触媒が発表された。ヨーロッパ特許第0416815号と同特許第0420436号では、1つのシクロペンタジエンリガンドにアミド基を環状に連結させた例を提示し、同特許第0842939号では、電子供与体化合物としてフェノール系リガンドをシクロペンタジエンリガンドに環状に連結させた触媒の例が挙げられている。このような幾何拘束型触媒は、触媒自体の低くなった立体障害効果により高級α−オレフィンとの反応性が顕著に改善された。しかしながら、触媒合成段階が複雑で、リガンドと遷移金属化合物との間の環形成反応過程の収率が非常に低いため、エチレンとα−オレフィンの共重合体の製造に適する、経済性のある製造工程の実現は困難である。
【0005】
また、幾何拘束型ではない非メタロセン系触媒の例としては、米国特許第6,329,478号が挙げられる。この特許では、少なくとも1つのホスフィンイミン化合物をリガンドとして用いた単一活性点触媒が、140℃以上の高温溶液重合条件でエチレンとα−オレフィンの共重合時、高いエチレン転換率を示すことが記載されている。しかしながら、このような触媒はメタロセン触媒と同様に、高級α−オレフィンとの反応性が高くないため、エチレンと高級α−オレフィンの重合体を製造するに適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施例では、高活性の単一活性点触媒組成物を用いて高温溶液重合状態でも触媒活性を維持できるエチレンとα−オレフィンの共重合体を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例では、単一反応器又は直列あるいは並列式の2次連続反応器中、下記一般式(1)の遷移金属触媒を含む触媒組成物及びC3〜C20の有機溶媒の存在下でエチレン及び少なくとも1つのα−オレフィン共単量体を溶液重合させることを含み、芳香族単量体の含量が0.1〜90重量%であるエチレンとα−オレフィンの共重合体を製造する方法を提供する。
【化1】

(式中、Mは周期律表上、4族の遷移金属であり;
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;
〜Rは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R〜Rは隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;
Arは(C6−C30)アリール又はN、O、及びSからなる群より選択される1つ以上を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立してハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又は
[化学式1]

であり;
11〜R15は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R11〜R15は隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;
前記R〜R、R11〜R15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ、アリールチオ;R〜R又はR11〜R15が隣接している置換体とアルキレン又はアルケニレンにより連結されて形成された環;及び前記Arのアリール又はヘテロアリールはハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ、及びヒドロキシからなる群より選択される1つ以上でさらに置換できる。)
【0008】
本発明の一実施例によるエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法は、既存のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法に比べて高い反応効率を確保でき、また、高温の重合工程でも高い生産性を維持できる、非常に経済的な製造方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に用いられる触媒組成物は、下記一般式(1)の遷移金属触媒を含む。
【0010】
下記一般式(1)で表される化合物は、遷移金属の周囲にシクロペンタジエン誘導体及びオルト(ortho-)位にアリール誘導体が置換されたアリールオキシドリガンドを少なくとも1つ含み、リガンド相互間架橋されない4族遷移金属触媒である。
【化2】

前記一般式(1)の遷移金属触媒の中心金属であるMは、周期律表上、4族の遷移金属であり、好ましくはチタニウム、ジルコニウム、又はハフニウムである。また、前記Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換されることができる。前記Cpの具体的な例としては、シクロペンタジエニル、メチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、ペンタメチルシクロペンタジエニル、ブチルシクロペンタジエニル、sec−ブチルシクロペンタジエニル、tert−ブチルメチルシクロペンタジエニル、トリメチルシリルシクロペンタジエニル、インデニル、メチルインデニル、ジメチルインデニル、エチルインデニル、イソプロピルインデニル、フルオレニル、メチルフルオレニル、ジメチルフルオレニル、エチルフルオレニル、又はイソプロピルフルオレニルなどがある。
【0011】
前記一般式(1)のアリールフェノキシドリガンド上のR〜Rは、互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、又はニトロであり、前記R〜Rは隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;
Arは(C6−C30)のアリール又はN、O、及びSからなる群より選択される1つ以上を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立してハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又は
[化学式1]

であり;
11〜R15は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R11〜R15は隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;
前記R〜R、R11〜R15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ、アリールチオ;R〜R又はR11〜R15が隣接している置換体とアルキレン又はアルケニレンにより連結されて形成された環;及び前記Arのアリール又はヘテロアリールはハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ、及びヒドロキシからなる群より選択される1つ以上でさらに置換できる。
【0012】
前記ハロゲン原子の例として、フッ素、塩素、ブロム、又はヨウ素原子があり;前記(C1−C20)アルキル又は(C3−C20)シクロアルキルの例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、又はn−エイコシルであり、この中、好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルであり;(C6−C30)アリールの例として、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニルがあり;(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル基の例として、ベンジル、(2−メチルフェニル)メチル、(3−メチルフェニル)メチル、(4−メチルフェニル)メチル、(2,3−ジメチルフェニル)メチル、(2,4−ジメチルフェニル)メチル、(2,5−ジメチルフェニル)メチル、(2,6−ジメチルフェニル)メチル、(3,4−ジメチルフェニル)メチル、(4,6−ジメチルフェニル)メチル、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル、(ペンタメチルフェニル)メチル、(エチルフェニル)メチル、(n−プロピルフェニル)メチル、(イソプロピルフェニル)メチル、(n−ブチルフェニル)メチル、(sec−ブチルフェニル)メチル、(n−テトラデシルフェニル)メチル、トリフェニルメチル、ナフチルメチル、又はアントラセニルメチルがあり、この中、好ましくはベンジル、トリフェニルメチルであり;(C1−C20)アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、n−オクトキシ、n−ドデソキシ、n−ペンタデソキシ、又はn−エイコソキシがあり、この中、好ましくは、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、又はtert−ブトキシであり;(C3−C20)アルキルシロキシ又は(C6−C30)アリールシロキシの例として、トリメチルシロキシ、トリエチルシロキシ、トリ−n−プロピルシロキシ、トリイソプロピルシロキシ、トリ−n−ブチルシロキシ、トリ−sec−ブチルシロキシ、トリ−tert−ブチルシロキシ、トリ−イソブチルシロキシ、tert−ブチルジメチルシロキシ、トリ−n−ペンチルシロキシ、トリ−n−ヘキシルシロキシ、トリシクロヘキシルシロキシ、フェニルシロキシ、ジフェニルシロキシ、ナフチルシロキシがあり、この中、好ましくは、トリメチルシロキシ、又はtert−ブチルジメチルシロキシ、又はフェニルシロキシである。また、(C1−C20)アルキルアミノ又は(C6−C30)アリールアミノの例として、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−sec−ブチルアミノ、ジ−tert−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、tert−ブチルイソプロピルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、ジ−n−オクチルアミノ、ジ−n−デシルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルフェニルアミノ、ベンジルヘキシルアミノがあり、この中、好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、又はジフェニルアミノであり、(C1−C20)アルキルチオ又は(C6−C30)の例として、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、フェニルチオ、ナフチルチオがある。
【0013】
前記一般式(1)の具体的な例は下記一般式から選択できる。
【化1−1】

【化1−2】

【化1−3】

【化1−4】

【化1−5】

【化1−6】

【化1−7】

【化1−8】

【化1−9】

【化1−10】

【化1−11】

【化1−12】

【化1−13】

【化1−14】

【0014】
前記R21〜R26は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R21〜R26は隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;前記R21〜R26のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ、及びアリールチオはハロゲン原子、(C1−20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ、及びヒドロキシからなる群より選択される1つ以上がさらに置換でき;Cpは中心金属Tiとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;X及びXはメチル又はClである。
【0015】
より具体的には前記遷移金属触媒は下記で選択されてもよい。
[化学式2]

【0016】
前記Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;前記X及びXはメチル又はClである。
【0017】
前記遷移金属触媒は、さらに好ましくはビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)メチル、(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9,9’−ジメチルフルオレン−2’−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)、及び(クロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(ビス(2−(9,9’−ジメチルフルオレン−2’−イル)フェノキシ))チタニウム(IV)からなる群より選択される1つ以上のものであってもよい。
【0018】
一方、前記一般式(1)の遷移金属触媒は、オレフィン重合に用いられる活性触媒成分になるために、好ましくは本発明による遷移金属化合物中のXリガンドを抽出して中心金属を陽イオン化させ、弱い結合力を有する反対イオン、すなわち陰イオンとして作用できるアルミニウム化合物又はホウ素化合物、又はこれらの混合物を助触媒として使用することができる。このとき、有機アルミニウム化合物は、反応溶媒内で触媒毒として作用する微量の極性物質を除去するために用いられるが、Xリガンドがハロゲンである場合はアルキル化剤として作用することができる。
【0019】
本発明の一実施例で助触媒で利用できるホウ素化合物は、米国特許第5,198,401号に公知されたように、下記一般式(2)〜(4)で表される化合物からなる群より選択される。
[化3]
B(R31 (2)
[化4]
[R32]+[B(R31]− (3)
[化5]
[(R33)qZH]+[B(R31]− (4)
【0020】
前記一般式(2)〜(4)で、Bはホウ素原子;R31はフェニルであって、前記フェニルはフッ素原子、フッ素原子により置換又は非置換の(C1−C20)アルキル、又はフッ素原子により置換又は非置換の(C1−C20)アルコキシからなる群より選択される3〜5個の置換基でさらに置換でき;R32は(C5−C7)シクロアルキルラジカル又は(C1−C20)アルキル(C6−C20)アリールラジカル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルラジカル、例えばトリフェニルメチルラジカル;Zは窒素又はリン原子;R33は(C1−C20)アルキルラジカル又は窒素原子と共に2つの(C1−C4)アルキル基で置換されたアニリニウムラジカル;qは2又は3の整数である。
【0021】
前記ホウ素系助触媒の好ましい例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,2,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレート又はテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートがある。また、これらの特定配合例としては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、又はトリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが含まれ、この中、最も好ましくは、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。このとき、ホウ素系助触媒の使容量は、前記一般式(1)の化合物の中心金属Mに対して、ホウ素原子のモル比が好ましくは1:0.1〜50、さらに好ましくは1:0.5〜15にすることができる。
【0022】
本発明の一実施例で用いられるアルミニウム化合物は、下記一般式(5)又は一般式(6)のアルミノキサン化合物、一般式(7)の有機アルミニウム化合物、又は一般式(8)あるいは一般式(9)の有機アルミニウムヒドロカルビルオキシド化合物などがある。
[化6]
(−Al(R41)−O−) (5)
[化7]
(R41Al−(−O(R41)−)−(R41 (6)
[化8]
(R42Al(E)3−r (7)
[化9]
(R43AlOR44 (8)
[化10]
43Al(OR44 (9)
【0023】
前記一般式(5)から一般式(9)で、R41は線形又は非成形の(C1−C20)アルキルであって、好ましくはメチル又はイソブチルであり、mとpは5〜20の整数であり;R42、R43は(C1−C20)アルキルであり;Eは水素原子又はハロゲン原子であり;rは1〜3の整数であり;R44は(C1−C20)アルキル又は(C6−C30)アリールからなる群より選択される。
【0024】
前記アルミニウム化合物として用いられる具体的な例は、アルミノキサン化合物としては、メチルアルミノキサン、改良メチルアルミノキサン(modified methyl aluminoxane)、テトライソブチルアルミノキサンがあり;有機アルミニウム化合物の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリヘキシルアルミニウムを含むトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、及びジヘキシルアルミニウムクロリドを含むジアルキルアルミニウムクロリド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、及びヘキシルアルミニウムジクロリドを含むアルキルアルミニウムジクロリド;ジメチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジプロピルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、及びジヘキシルアルミニウムヒドリドを含むジアルキルアルミニウムヒドリドが挙げられ、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、さらに好ましくは、トリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムがある。このとき、アルミニウム化合物の使容量は、前記一般式(1)化合物の中心金属であるMに対するアルミニウム原子のモル比は、好ましくは1:1〜1:2,000、さらに好ましくは1:5〜1:1,000の量にすることができる。
【0025】
また、一般式(1)化合物、ホウ素化合物及びアルミニウム化合物の使容量は、中心金属M:ホウ素原子:アルミニウム原子のモル比が、好ましくは1:0.1〜50:1〜1,000、さらに好ましくは1:0.5〜15:5〜500の量にすることができる。
【0026】
本発明の前記遷移金属触媒組成物を用いたエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法は、適切な有機溶媒の存在下で、前記遷移金属触媒、助触媒、及びエチレンとα−オレフィン共単量体を接触させて溶液上で行う。また、反応器は1つ以上が使われ、2つ以上が連続又は並列に使用される場合は各反応器の条件を異なるようにして、反応分画により互いに異なる分子量及び密度を有する共重合体が物理的化学的に混合されて得られる。
【0027】
前記製造方法に用いられる好ましい有機溶媒はC3−C20の炭化水素であり、その具体的な例としては、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、場合によっては2つ以上の有機溶媒の混合物が用いられてもよい。
【0028】
本発明でエチレンと共に用いられるα−オレフィン共単量体は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−アイトセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、フェニルノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ブタジエン、1,5−ペンタジエン、1,6−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、及び3−クロロメチルスチレンからなる群から1つ以上を選択でき、最も好ましくはプロピレンとスチレンを併用するものとすることができる。
【0029】
重合反応は、反応器内部の反応物が溶液状態に存在できる圧力と温度で行われる。制限されることはないが、重合反応は重合反応器圧力1〜500気圧、好ましくは5〜200気圧であり、重合反応温度30〜300℃、好ましくは40〜250℃で行われることが効果的である。
【0030】
通常、溶液重合が高温で実施される場合、温度上昇により触媒の変形や劣化が発生し、触媒の活性が低減して所望する物性の重合体を得にくいが、本発明によるエチレンとα−エチレン共重合体を製造する場合、40〜250℃の範囲でも触媒安定性が維持され、さらに好ましくは80〜150℃の温度範囲で安定した触媒活性を示す。
【0031】
本発明により製造されたエチレンとα−オレフィンの共重合体は、エチレンの含量が0.1〜90重量%、好ましくは10〜85重量%、芳香族単量体の含量が0.1〜90重量%、好ましくは1〜60重量%で含まれるものであってもよい。その他、脂肪族の単量体含量が90重量%以下、好ましくは10〜85重量%で含まれる。また、得られたエチレンとα−オレフィンの共重合体の重量平均分子量(Mw/Mn)は60,000〜600,000範囲を有し、1.0〜5.0の分子量分布(Mw/Mn)を有することができる。
【0032】
以下、実施例を通して本発明を具体的に説明するが、下記の実施例により本発明の範囲が限定されることはない。
【0033】
本発明の方法により製造された共重合体は、重合体の製造条件に応じて多様な分子量を示す。分子量と分子量分布は3段階の混合コラムで構成されるゲルクロマトグラフィにより測定した。このとき、用いた溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンであり、測定温度は120℃であった。共重合体の組成を評価するためにフィルム状態の試片をプレス試片製造機で製造し、これを赤外線分光器を用いてエチレンとプロピレンの比率を定量化した。また、共重合体のサンプルを、重水素で置換されたクロロホルムに溶かした後、核磁気共鳴分光器を用いて共重合体中のスチレンの含量を測定した。測定された共重合体中のスチレン含量からスチレン単量体の転換率を算出した。
【0034】
<実施例1>
2L容量のステンレススチール反応器にn−ヘキサン1Lを入れた後、改良メチルアルミノキサン−7(AKZO NOVEL、mMAO−7)1.4gを反応器に投入した。その後、初期組成に合わせてプロピレン/エチレンの重量比を0.76にして反応器圧力5kg/cmまで投入した後、反応器の温度を80℃まで加熱した。ビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)メチル5μMとトリフェニルメチリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(99%、Boulder Scientific)50μMを順次投入することにより反応を始めた。反応が行われるとき、反応器内の圧力は5kg/cmを維持するようにエチレンとプロピレンを初期組成に応じて供給し続ける。反応が始まると、発熱反応により20℃以上反応温度が上昇し、25分後に酸素を投入して反応を終了した。重合された溶液を十分なアセトン溶媒に沈殿させて回収した後、常温で12時間真空乾燥した結果、45gの重合体を得た。重合体の重量平均分子量は100,000(g/mol)、分布度は2.5であった。また、赤外線分光法による重合体のエチレン含量は63重量%であった。
【0035】
<実施例2>
スチレンモノマー20gをさらに投入したことを除いては、実施例1と同様の方法を行った結果、73gの重合体を得た。重合体の重量平均分子量は140,000(g/mol)、分布度は2.3であった。また、赤外線分光法による重合体のエチレン含量は51%であり、核磁気共鳴分光法によるスチレンの含量は20重量%であった。
【0036】
<実施例3>
重合開始温度が120℃であることを除いては、実施例2と同様の方法で行った結果、75gの重合体を得た。重合体の重量平均分子量は114,000(g/mol)、分布度は2.3であった。また、赤外線分光法による重合体のエチレン含量は43重量%であり、核磁気共鳴分光法によるスチレンの含量は19重量%であった。
【0037】
<実施例4>
主触媒としてビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)メチルの代りに、(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−9’、9”−ジメチルフルオレン−2’−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)を用いたことを除いては、実施例2と同様の方法を行った結果、73gの重合体を得た。重合体の重量平均分子量は135,000(g/mol)、分布度は2.5であった。また、赤外線分光法による重合体のエチレン含量は49重量%であり、核磁気共鳴分光法によるスチレンの含量は19重量%であった。
【0038】
<実施例5>
主触媒が(クロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(ビス(2−(9,9’−ジメチルフルオレン−2’−イル)フェノキシ))チタニウム(IV)であることを除いては、実施例2と同様の方法を行った結果、73gの重合体を得た。重合体の重量平均分子量は121,000(g/mol)、分布度は2.7であった。また、赤外線分光法による重合体のエチレン含量は50重量%であり、核磁気共鳴分光法によるスチレンの含量は18重量%であった。
【0039】
<比較例1>
2L容量のステンレススチール反応器にn−ヘキサン1Lを入れた後、スチレンモノマー10gと改良されたエチルアルミニウムセスキクロリド(SigmaAldrich、EASC)400μmolを反応器に投入した。その後、初期組成に合わせてプロピレン/エチレンの重量比を4.60にして反応器圧力が5kg/cmまで投入した後、反応器の温度を50℃まで加熱した。また、バナジウムトリクロリド(SigmaAldrich)127μMを投入して反応を始めた。反応が行われるとき、反応器内の圧力は5kg/cmを維持するように、エチレンとプロピレンを初期組成に応じて供給し続ける。反応が始まると、発熱反応により7℃以上反応温度が上昇し、25分後にエタノールを投入して反応を終了した。重合された溶液は十分なアセトン溶媒に沈殿させて回収した後、常温で12時間真空乾燥した結果、16gの重合体を得た。重合体の重量平均分子量は80,000(g/mol)、分布度は3.5であった。また、赤外線分光法による重合体のエチレン含量は66重量%であり、スチレンの含量は0.1重量%であった。
【0040】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一反応器又は直列あるいは並列式の2次連続反応器中において、下記一般式(1)の遷移金属触媒を含む触媒組成物及びC3〜C20の有機溶媒の存在下で、エチレン及び少なくとも1つのα−オレフィン共単量体を溶液重合させることを含む、芳香族単量体の含量が0.1〜90重量%であるエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【化1】

(式中、Mは周期律表上、4族の遷移金属であり、
Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;
〜Rは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R〜Rは隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;
Arは(C6−C30)アリール又はN、O、及びSからなる群より選択される1つ以上を含む(C3−C30)ヘテロアリールであり;
及びXは互いに独立してハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アル(C1−C20)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ又は
[化学式1]

であり;
11〜R15は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R11〜R15は隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;
前記R〜R、R11〜R15、X及びXのアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ、アリールチオ;R〜R又はR11〜R15が隣接している置換体とアルキレン又はアルケニレンにより連結されて形成された環;及び前記Arのアリール又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ、及びヒドロキシからなる群より選択される1つ以上でさらに置換できる)
【請求項2】
一般式(1)の遷移金属触媒は、MがTi、Zr、又はHfであることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項3】
遷移金属触媒は、下記一般式で表される複数の化合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【化1−1】

【化1−2】

【化1−3】

【化1−4】

【化1−5】

【化1−6】

【化1−7】

【化1−8】

【化1−9】

【化1−10】

【化1−11】

【化1−12】

【化1−13】

【化1−14】

(前記R21〜R26は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、(C1−C20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、又はニトロであり、前記R21〜R26は隣接している置換体との融合環を含むか又は含まない(C3−C12)アルキレン又は(C3−C12)アルケニレンにより連結されて指環族環及び単一環又は多環の芳香族環を形成でき;前記R21〜R26のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルアルキル、アルコキシ、アルキルシロキシ、アリールシロキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルチオ、及びアリールチオは、ハロゲン原子、(C1−20)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C30)アリール、(C6−C30)アル(C1−C10)アルキル、(C1−C20)アルコキシ、(C3−C20)アルキルシロキシ、(C6−C30)アリールシロキシ、(C1−C20)アルキルアミノ、(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C20)アルキルチオ、(C6−C30)アリールチオ、ニトロ、及びヒドロキシからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;
Cpは中心金属Tiとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;
及びXはメチル又はClである)
【請求項4】
遷移金属触媒は下記化合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
[化学式2]

(前記Cpは中心金属Mとη5−結合できるシクロペンタジエニル環又はシクロペンタジエニル環を含む融合環であって、前記シクロペンタジエニル環を含む融合環は(C1−C20)アルキル、(C6−C30)アリール、(C2−C20)アルケニル、及び(C6−C30)アル(C1−C20)アルキルからなる群より選択される1つ以上でさらに置換でき;
前記X及びXはメチル又はClである)
【請求項5】
遷移金属触媒は、ビス(2−フェニルフェノキシ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(IV)メチル、(ジクロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2−(9,9’−ジメチルフルオレン−2’−イル)フェノキシ)チタニウム(IV)及び(クロロ)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(ビス(2−(9,9’−ジメチルフルオレン−2’−イル)フェノキシ))チタニウム(IV)からなる群より選択される1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項6】
エチレンとα−オレフィンの共重合体中のエチレンの含量が0.1〜90重量%であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項7】
エチレンとα−オレフィンの共重合体中の脂肪族単量体の含量が90重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項8】
反応圧力が1〜500気圧であり、重合反応温度が30〜300℃で行われることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項9】
触媒組成物は、遷移金属触媒;アルミノキサン化合物、アルキルアルミニウム化合物及びホウ素化合物、又はこれらの混合物からなる群より選択される助触媒;を含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項10】
遷移金属触媒と助触媒は、その比率が遷移金属M:ホウ素原子:アルミニウム原子のモル比を基準として1:0.1〜50:1〜1000であることを特徴とする請求項9に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項11】
エチレンとα−オレフィンの共重合体は、重量平均分子量が60,000〜600,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜5.0であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項12】
α−オレフィン共単量体は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−アイトセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、フェニルノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ブタジエン、1,5−ペンタジエン、1,6−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、及び3−クロロメチルスチレンからなる群より選択される1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。
【請求項13】
有機溶媒は、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、及びキシレンからなる群より選択される1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のエチレンとα−オレフィンの共重合体の製造方法。

【公開番号】特開2011−127121(P2011−127121A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284812(P2010−284812)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(308007044)エスケー エナジー カンパニー リミテッド (53)
【Fターム(参考)】