説明

エチレン性不飽和モノマー重合用触媒および該触媒を用いたエチレン性不飽和モノマーの重合方法

【課題】新規な触媒成分と遷移金属化合物とからなる触媒および該触媒を用いる重合方法を提供すること。
【解決手段】エチレン性不飽和モノマー重合用触媒は、(A)周期表第3族ないし第12族から選ばれる遷移金属の化合物、(B)触媒成分、(C)特定の有機アルミニウム化合物からなり、前記(B)が、(i)特定の有機アルミニウム化合物と、(ii)H2O、R4NH2等(R4はハロゲン化炭化水素基)と、(iv)R10X、R10H、R10OHまたはR10COOH(R10はハロゲン化炭化水素基、Xはハロゲン原子)とを任意の順序で反応させたのち、(iii)トリフェニルクロロメタン、ビス(η−シクロペンタジエニル)鉄・硫
酸塩、N,N−ジメチルアニリニウムクロライドまたはトリエチルアンモニウムクロライドと反応させて得られる触媒成分である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)周期表第3族ないし第12族から選ばれる遷移金属の化合物
(B)下記の触媒成分、
および
(C)下記一般式で表されるアルミニウム化合物
am Al(ORbn p
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0≦m≦3、nは0≦n≦3、pは0≦p≦3の数であり、かつm+n+p=3である。)
からなることを特徴とするエチレン性不飽和モノマー重合用触媒;
触媒成分(B):
(i)トリnアルキルアルミニウム、トリ分岐アルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウム、トリアリールアルミニウム、部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウムおよびトリハロゲン化アルミニウムから選ばれる有機アルミニウム化合物と、
(ii)H2O、R4NH2およびHO−R5−OH(式中、R4はハロゲン化炭化水素基を示
し、R5はアルキルシリレン基またはアリールシリレン基を示す。)からなる群より選ば
れる少なくとも1種の化合物と、
(iv)R10X、R10H、R10OH、R10COOH(式中、R10はハロゲン化炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)、これらのアルカリ金属塩およびこれらのアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を任意の順序で反応させたのち、
(iii)トリフェニルクロロメタン、ビス(η−シクロペンタジエニル)鉄・硫酸塩、N
,N−ジメチルアニリニウムクロライド、トリエチルアンモニウムクロライドから選ばれる化合物と反応させて得られるか
あるいは、
(i)トリアルキルアルミニウムおよびハロゲン化アリール置換アルミニウムから選ばれる有機アルミニウム化合物と、
(ii)H2O、R4NH2およびHO−R5−OH(式中、R4はハロゲン化炭化水素基を示
し、R5はアルキルシリレン基またはアリールシリレン基を示す。)からなる群より選ば
れる少なくとも1種の化合物
とを反応させた後
(iii)トリフェニルクロロメタン、ビス(η−シクロペンタジエニル)鉄・硫酸塩、N
,N−ジメチルアニリニウムクロライドおよびトリエチルアンモニウムクロライドから選ばれる化合物
を反応させて得られる触媒成分。
【請求項2】
上記触媒成分(B)が、化合物(i)を化合物(ii)1モルに対し1〜5モル、化合物(iii)を化合物(i)1モルに対し0.1〜2モル、必要に応じて化合物(iv)を化合
物(i)1モルに対し1〜6モルの割合で用いて得られる請求項1に記載のエチレン性不飽和モノマー重合用触媒。
【請求項3】
上記化合物(iii)が、トリフェニルクロロメタン、N,N−ジメチルアニリニウムク
ロライドおよびトリエチルアンモニウムクロライドから選ばれる化合物である請求項1または2に記載のエチレン性不飽和モノマー重合用触媒。
【請求項4】
上記化合物(iii)が、トリフェニルクロロメタンおよびN,N−ジメチルアニリニウ
ムクロライドから選ばれる化合物である請求項1または2に記載のエチレン性不飽和モノマー重合用触媒。
【請求項5】
上記遷移金属の化合物(A)が下記式(I)〜(VIII)のいずれかで表される遷移金属化合物である請求項1または2に記載のエチレン性不飽和モノマー重合用触媒;
1 1x …(I)
(式中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、xは遷移金属原子M1の原子価を満たす数であり、L1は遷移金属原子に配位する配位子を示し、少なくとも1個のL1はシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のL1は、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化
水素基、ハロゲン原子または水素原子を示し、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、(置換)アルキレン基または(置換)シリレン基を介して結合されていてもよい。)
【化1】

(式中、M1は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、R16、R17、R18およびR19は、
互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子またはハロゲン原子を示し、R16、R17、R18およびR19で示される基のうち、互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、X1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子またはハロゲン原子を示し、Y1は、炭素原子数が1〜20の2価の炭
化水素基、炭素原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NR20−、−P(R20)−、−P
(O)(R20)−、−BR20−または−AlR20−〔ただし、R20は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子またはハロゲン原子である〕を示す。)
【化2】

(式中、M2は周期表第4族の遷移金属原子を示し、
Cpは、M2にπ結合しているシクロペンタジエニル基またはその誘導体を示し、
Zは、酸素原子、イオウ原子、ホウ素原子または−Si(R352)−、−C(R352)−、−Si(R352)Si(R352)−、−C(R352)C(R352)−、−C(R352)C(
352)C(R352)−、−C(R35)=C(R35)−、−C(R352)Si(R352)−、−Ge(R352)−を示し、
2は、窒素原子、リン原子、酸素原子またはイオウ原子を含む配位子を示し、たとえ
ば−N(R36)−、−O−、−S−、−P(R36)−などであり、またZとY2とで縮合
環を形成してもよく、
35は水素原子または20個までの非水素原子をもつアルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基およびこれらの組合せから選ばれた基であり、R36は炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が6〜10のアリール基
もしくは炭素原子数が7〜10のアラルキル基であるか、または1個もしくはそれ以上のR35と30個までの非水素原子の縮合環系を形成してもよく、
3は、互いに同一でも異なっていてもよく、20個以下の炭素原子を含有する炭化水
素基、水素原子またはハロゲン原子を示す。)
【化3】

(式中、M3は周期表第10族の遷移金属原子を示し、X4およびX5は、互いに同一でも
異なっていてもよく、窒素原子またはリン原子を示し、R41およびR42は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭化水素基を示し、mおよびnは、互いに同一でも異なっていてもよく、1または2であって、それぞれ、X4およびX5の価数を満たす数である。R43は、
【化4】

を示し〔但し、R50、R55、R51、R52、R56およびR57は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または前記R41およびR42同様の炭化水素基を示す〕、前記R41、R42、R50〔またはR51、R52〕およびR55〔またはR56、R57〕は、これらのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよく、R44およびR45は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、−OR46、−SR47、−N(R482 または−P(R492〔但し、R46〜R49は、炭素原子数
が1〜20のアルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数が7〜20のアラルキル基または有機シリル基を示し、R48同士またはR49同士は互いに連結して環を形成していてもよい。〕を示し、R44およびR45は、互いに連結して環を形成していてもよい。)
【化5】

(式中、M4は、周期表第3〜6族の遷移金属原子を示し、R'およびR"は、互いに同一
でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、有機シリル基であるかまたは、窒素、酸素、リン、イオウ、ケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、mは、0〜2の整数であり、nは、1〜5の整数であり、Aは、周期表第13〜16族の原子を示し、nが2以上の場合には、複数のAは、互いに同一でも異なっていてもよく、Eは、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基であり、mが2の場合、2個のEは、互いに同一でも異なっていてもよく、また2個のEは互いに連結して環を形成していてもよく、pは、0〜4の整数であり、X6は、水素原子
、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、pが2以上の場合には、複数のX6は、互いに同一でも異なっていても
よい。)
【化6】

(式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、またmが2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R1
士が結合されることはない)、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
【化7】

(式中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属原子を示し、R1〜R10は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、nは、Mの価数を満たす数を示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに連結して環を形成してもよく、Yは、酸素、イオウ、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場合には炭素原子3個以上からなる結合基である。)
【化8】

(式中、Mは周期表第8族の遷移金属原子を示し、R1〜R4は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基または炭化水素基を示し、R5およびR6は、互いに同一でも異なっていてもよく、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基または炭化水素基を示し、またR1とR5 、R2とR6、R1とR3、R2とR4、R3とR4は互いに連結して環を形成していてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20の
ハロゲン化炭化水素基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、Yは周期表第15または16族の原子を示す。)
【請求項6】
成分(A)のみ、または、該成分(A)とともに前記成分(B)および/または前記成分(C)が、粒子状担体(D)に担持されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエチレン性不飽和モノマー重合用触媒。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の触媒の存在下にエチレン性不飽和モノマーを重合または共重合することを特徴とするエチレン性不飽和モノマーの重合方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−126686(P2007−126686A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38420(P2007−38420)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【分割の表示】特願平10−359883の分割
【原出願日】平成10年12月18日(1998.12.18)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】