説明

エポキシ樹脂及び前進プロセスのための金属安定剤

前進反応生成物を生成するための、a)エポキシ樹脂;b)フェノール含有化合物、イソシアネート含有化合物及びそれらの混合物からなる群より選択される化合物ならびにc)金属含有化合物を含む安定剤であって、前記金属含有化合物は、第11〜13族金属及びそれらの組合せから選択される金属を含む安定剤;を触媒の存在下、前進反応条件下で前進反応域において接触させる段階を含むプロセスが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、電気積層板(electrical laminates)に有用なエポキシ組成物に関する。より具体的には、本明細書に開示される実施形態は、電気積層板に有用な金属含有化合物を含む安定剤を含むエポキシ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能の電気用途、例えば高性能回路板などにおいて有用な熱硬化型(thermosettable)材料は、一連の要求の厳しい特性要件を満たさねばならない。例えば、そのような材料は、良好な高温特性、例えば高いガラス転移温度(例えば、200℃超)、及び高温下での低い吸水率(例えば、0.5%未満の吸水率)を最適に有する。電気積層板の作成は、従来、プレプレグを形成するための多孔質ガラスウェブの熱硬化型樹脂溶液での含浸を伴うため、熱硬化性配合材料で使用される成分は、有機溶媒、例えばアセトン、2−ブタノン、又はシクロヘキサノン中で安定した溶解度も示す必要がある。複合部品用のプレプレグを作成する際の加工を容易にするために、未硬化のブレンドは、理想的には、低い融解温度(例えば、120℃未満)及び広い処理可能な粘度の温度範囲(広い「加工窓」)を有する。
【0003】
エポキシ樹脂は、最も広く使用されているエンジニアリング樹脂の1つであり、電気積層板でのその使用が周知である。エポキシ樹脂は、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、寸法安定性、接着剤などに優れているために、電気/電子装置のための材料、例えば電気積層板のための材料として使用されてきた。
【0004】
鉛フリーはんだ規制の出現によって、電気積層板を曝露する温度は、約20〜40℃から230〜260℃増加した。従って、エポキシ樹脂において靭性及び加工性をなお維持すると同時に、熱安定性を実現する必要性がある。一方法は、金属安定剤をエポキシ樹脂に添加することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態では、前進反応生成物を生成するための、a)エポキシ樹脂;b)フェノール含有化合物、イソシアネート含有化合物及びそれらの混合物からなる群より選択される化合物、ならびにc)金属含有化合物を含む安定剤(前記金属含有化合物は、第11〜13族金属及びそれらの組合せから選択される金属を含む)を;触媒の存在下、前進反応条件下で前進反応域において接触させることを含む、接触させることからなる、又は接触させることから本質的になるプロセスが開示される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態では、前進反応生成物を生成するための、a)エポキシ樹脂;b)フェノール含有化合物、イソシアネート含有化合物及びそれらの混合物からなる群より選択される化合物、ならびにc)金属含有化合物を含む安定剤(前記金属含有化合物は、第11〜13族金属及びそれらの組合せから選択される金属を含む)を;触媒の存在下、前進反応条件下で前進反応域において接触させることを含む、接触させることからなる、又は接触させることから本質的になるプロセスが開示される。
【0007】
本明細書に開示される実施形態において使用されるエポキシ樹脂は、様々であってよく、それには従来のエポキシ樹脂及び市販のエポキシ樹脂が含まれてよい。そのエポキシ樹脂は単独であるいは2又はそれ以上の組合せで使用されてよく、それには、例えば、数ある中でもノボラック樹脂、イソシアネート改質エポキシ樹脂、及びカルボキシレート付加物が含まれる。本明細書に開示される組成物のエポキシ樹脂を選択する際には、最終生成物の特性だけでなく、粘度及び樹脂組成物の加工に影響を及ぼす可能性のあるその他の特性も考慮されるべきである。
【0008】
前進反応は、より高い融点(一般に90℃超))をもつ、より高分子量の固体樹脂を生じさせる鎖延長反応である。前進反応の利点としては、一般に、柔軟性及び耐蝕性の増加が挙げられる。この反応はまた、後に架橋に使用することのできるヒドロキシル基含量を増加させる。前進反応は、二次ヒドロキシル基の形成をもたらすフェノールヒドロキシル基とエポキシ官能基の反応に基づく。
【0009】
エポキシ樹脂成分は、組成物を成形する際に有用なあらゆる種類のエポキシ樹脂であってよく、それには、本明細書において「エポキシ基」又は「エポキシ官能基」と呼ばれる1又はそれ以上の反応性オキシラン基を含有するあらゆる材料が含まれる。本明細書に開示される実施形態において有用なエポキシ樹脂には、単官能性エポキシ樹脂、多(multi- or poly-)官能性エポキシ樹脂、及びそれらの組合せが含まれ得る。モノマー及びポリマーのエポキシ樹脂は、脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式のエポキシ樹脂であってよい。ポリマーのエポキシとしては、末端エポキシ基を有する線状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、ポリマー骨格オキシラン単位(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)及びペンダントエポキシ基を有するポリマー(例えば、グリシジルメタアクリレートポリマー又は共重合体など)が含まれる。エポキシは、純粋な化合物であってよいが、一般に1分子あたり1個、2個又はそれ以上のエポキシ基を含有する混合物又は化合物である。一部の実施形態では、エポキシ樹脂には、反応性−OH基も含まれてよく、この反応性−OH基は、より高い温度で無水物、有機酸、アミノ樹脂、フェノール樹脂、又はエポキシ基(触媒される場合)と反応してさらなる架橋を引き起こすことができる。一実施形態では、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルをビスフェノール化合物、例えば、ビスフェノールA又はテトラブロモビスフェノールAなどと接触させてオキサゾリジノン部分を形成することにより生成される。
【0010】
一般に、エポキシ樹脂は、グリシジル化樹脂、脂環式樹脂、エポキシ化油などであってよい。グリシジル化樹脂(the glycidated resins)は、しばしばグリシジルエーテル、例えばエピクロロヒドリンなどとビスフェノール化合物、例えばビスフェノールAなどの反応生成物;C−C28アルキルグリシジルエーテル;C−C28アルキル−及びアルケニル−グリシジルエステル;C−C28アルキル−、モノ−及びポリ−フェノールグリシジルエーテル;多価フェノールのポリグリシジルエーテル、例えばピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン(又はビスフェノールF)、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン(又はビスフェノールA)、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルプロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、及びトリス(4−ヒドロキシフェニル(hydroxyphynyl))メタンなど;上記のジフェノールの塩素化及び臭素化生成物のポリグリシジルエーテル;ノボラックのポリグリシジルエーテル;芳香族ヒドロカルボン酸の塩をジハロアルカン又はジハロゲンジアルキルエーテルによってエステル化することにより得られるジフェノールのエーテルをエステル化することにより得られるジフェノールのポリグリシジルエーテル;フェノールと、少なくとも2個のハロゲン原子を含有する長鎖ハロゲンパラフィンを縮合することにより得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテルである。本明細書に開示される実施形態において有用なエポキシ樹脂のその他の例としては、ビス−4,4'−(1−メチルエチリデン)フェノールジグリシジルエーテル及び(クロロメチル)オキシランビスフェノールAジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0011】
一部の実施形態では、エポキシ樹脂には、グリシジルエーテル型;グリシジル−エステル型;脂環式型;複素環式型、及びハロゲン化エポキシ樹脂などが含まれ得る。適切なエポキシ樹脂の限定されない例としては、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、ヒドロキノンエポキシ樹脂、スチルベンエポキシ樹脂、ならびにそれらの混合物及び組合せを挙げることができる。
【0012】
適切なポリエポキシ化合物としては、レゾルシノールジグリシジルエーテル(1,3−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン)、ビスフェノールA(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン)のジグリシジルエーテル、トリグリシジルp−アミノフェノール(4−(2,3−エポキシプロポキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、ブロモビスフェノールA(2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)3−ブロモ−フェニル)プロパン)のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)メタン)のジグリジシルエーテル、メタ−及び/又はパラ−アミノフェノール(3−(2,3−エポキシプロポキシ)N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)のトリグリシジルエーテル、ならびにテトラグリシジルメチレンジアニリン(N,N,N’,N'−テトラ(2,3−エポキシプロピル)4,4'−ジアミノジフェニルメタン)、ならびに2又はそれ以上のポリエポキシ化合物の混合物を挙げることができる。見出される有用なエポキシ樹脂のより完全なリストは、1982年に再発行されたLee, H. and Neville, K., Handbook of Epoxy Resins, McGraw-Hill Book Companyに見出すことができる。
【0013】
その他の適切なエポキシ樹脂としては、芳香族アミン及びエピクロロヒドリンに基づくポリエポキシ化合物、例えばN,N’−ジグリシジル−アニリン;N,N’−ジメチル−N,N’−ジグリシジル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン;N−ジグリシジル−4−アミノフェニルグリシジルエーテル;及びN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−プロピレンビス−4−アミノベンゾエートなどが挙げられる。また、エポキシ樹脂には、芳香族ジアミン、芳香族モノ一級(monoprimary)アミン、アミノフェノール、多価フェノール、多価アルコール、ポリカルボン酸:の1又はそれ以上のグリシジル誘導体も含まれ得る。
【0014】
有用なエポキシ樹脂としては、例えば、多価ポリオール、例えばエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどのポリグリシジルエーテル;脂肪族及び芳香族ポリカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレン(napthalene)ジカルボン酸、及び二量体化リノール酸などのポリグリシジルエーテル;ポリフェノール、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、及び1,5−ジヒドロキシナフタレン(napthalene)のポリグリシジルエーテル;アクリレート又はウレタン部分を含む改質エポキシ樹脂;グリシジルアミンエポキシ樹脂;及びノボラック樹脂が挙げられる。
【0015】
エポキシ化合物は、脂環式(cycloaliphatic又はalicyclic)エポキシドであってよい。脂環式エポキシドの例としては、ジカルボン酸、例えばビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメラートなどの脂環式エステルのジエポキシド;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;リモネンジエポキシド;ジシクロペンタジエンジエポキシド;及び同類のものが挙げられる。その他の適切なジカルボン酸の脂環式エステルのジエポキシドは、例えば、米国特許第2,750,395号に記載されている。
【0016】
その他の脂環式エポキシドには、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど;3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート及び同類のものが含まれる。その他の適切な3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートは、例えば、米国特許第2,890,194号に記載されている。
【0017】
有用なさらなるエポキシ含有材料には、グリシジルエーテルモノマーに基づくものが含まれる。例としては、多価フェノール、例えばビスフェノール化合物などを過剰なクロロヒドリン、例えばエピクロロヒドリンなどと反応させることにより得られる多価フェノールのジ−もしくはポリグリシジルエーテルである。かかる多価フェノールには、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールFとして公知)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールAとして公知)、2,2−ビス(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジブロモフェニル)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(4'−ヒドロキシ−フェニル)エタン又は酸性条件下で得られるフェノールとホルムアルデヒドの縮合物、例えばフェノールノボラック及びクレゾールノボラックなどが含まれる。この種類のエポキシ樹脂の例としては、米国特許第3,018,262号に記載されている。その他の例としては、多価アルコール、例えば1,4−ブタンジオールなど、又はポリアルキレングリコール、例えばポリプロピレングリコールなどのジ−もしくはポリグリシジルエーテル、及び脂環式ポリオール、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどのジ−もしくはポリグリシジルエーテルが挙げられる。その他の例としては、単官能樹脂、例えばクレシルグリシジルエーテル又はブチルグリシジルエーテルなどがある。
【0018】
別のクラスのエポキシ化合物は、多価カルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はヘキサヒドロフタル酸などのポリグリシジルエステル及びポリ(β−メチルグリシジル)エステルである。さらなるクラスのエポキシ化合物は、アミン、アミド及び複素環式窒素塩基のN−グリシジル誘導体、例えばN,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビス(4−アミノフェニル)メタン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N’−ジグリシジルエチルウレア、N,N’−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、及びN,N’−ジグリシジル−5−イソプロピルヒダントインなどである。
【0019】
さらにその他のエポキシ含有材料は、グリシドール、例えばグリシジルアクリレートなどとグリシジルメタクリレートのアクリル酸エステルと、1又はそれ以上の共重合可能なビニル化合物との共重合体である。かかる共重合体の例としては、1:1スチレン−グリシジルメタクリレート、1:1メチル−メタクリレートグリシジルアクリレート及び62.5:24:13.5メチルメタクリレート−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレートがある。
【0020】
容易に入手可能なエポキシ化合物としては、オクタデシレンオキシド;グリシジルメタクリレート;ビスフェノールAのジグリシジルエーテル;The Dow Chemical Company,Midland,Michiganより入手可能なD.E.R.(商標)331(ビスフェノールA液状エポキシ樹脂)及びD.E.R.(商標)332(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル);ビニルシクロヘキセンジオキシド;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート;ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル;ポリプロピレングリコールで改質された脂肪族エポキシ;ジペンテンジオキシド;エポキシ化ポリブタジエン;エポキシ官能基を含有するシリコーン樹脂;難燃剤エポキシ樹脂(例えば、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganより入手可能な、D.E.R.(商標)580の商標名で市販されている、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂など);フェノールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテル(例えばThe Dow Chemical Company,Midland,Michiganより入手可能なD.E.N.(商標)431及びD.E.N.(商標)438の商標名で市販されているものなど);ならびにレゾルシノールジグリシジルエーテルが挙げられる。具体的には述べないが、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganより入手可能な、D.E.R.(商標)及びD.E.N.(商標)の商標名の表示のあるその他のエポキシ樹脂も使用することができる。
【0021】
一実施形態では、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルをビスフェノール化合物及びポリイソシアネートに接触させることにより生成することができる。もう一つの実施形態では、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルをビスフェノール化合物及びビスイソシアネートに接触させることにより生成することができる。
【0022】
任意の適切な金属含有化合物を本明細書に開示される実施形態で安定剤として使用することができる。一般に、金属含有化合物中の金属は、元素周期律表の第11〜13族金属及びそれらの組合せからなる群より選択される。これらの金属には、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、及びタリウムが含まれる。第11〜13族金属に加えて、鉛及び錫も使用してよい。一実施形態では、該金属は亜鉛である。
【0023】
本明細書に開示される実施形態では、金属含有化合物は、一般に、金属塩、金属水酸化物、金属酸化物、金属アセチルアセトナート、有機金属化合物、及びそれらの任意の2又はそれ以上の組合せであってよい。金属が亜鉛である実施形態では、金属含有化合物は、亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、有機亜鉛化合物及びそれらの任意の2又はそれ以上の組合せからなる群より選択される。一実施形態では、金属含有化合物は、酸化亜鉛であってよい。一実施形態では、金属含有化合物は亜鉛ジメチルジチオカルバメートである(「ジラム」としても公知)。
【0024】
酸化亜鉛を金属含有化合物として使用する実施形態では、酸化亜鉛は、酸化亜鉛前駆体をエポキシ樹脂に添加することにより現場で形成することができる。一実施形態では、酸化亜鉛前駆体は、亜鉛フェナート(phenates)(フェノキシド)及びその誘導体からなる群より選択され得る。一実施形態では、酸化亜鉛前駆体は、亜鉛フェナートである。
【0025】
安定剤は任意の適切な粒径を有してよい。一実施形態では、粒子はマイクロ又はナノのスケールであってよい。
【0026】
実施形態では、任意の適切なフェノール含有化合物又はイソシアネート含有化合物を前進反応に使用してよい。一実施形態では、該フェノール含有化合物は、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、及びリン含有フェノール化合物からなる群より選択される。実施形態において有用なリン含有化合物としては、限定されるものではないが、DOP(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシド)のキノン及びナフトキノンの付加物、DOP−HQ(1,4−ベンゼンジオール、2−(6−オキシド−6H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−イル)、DOP−NQ(1,4−ナフタレンジオール、2−(6−オキシド−6H−ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリン−6−イル)−)、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0027】
もう一つの実施形態では、イソシアネート含有化合物を前進反応に使用してよい。一実施形態では、イソシアネート含有化合物は、トルエンジイソシアネート又はメチレンジイソシアネート(MDI又はビス(イソシアナトフェニル)メタンとしても公知)。
【0028】
前進反応域における前進反応条件には、約100〜約250℃の範囲内の温度が含まれ得る。一実施形態では、前進反応は約100〜110℃で開始する。触媒を投入し(pitched)、次いで温度を約180℃まで増加させる。2時間以下の期間後、多量の溶媒、例えばアセトン又はメチルエチルケトンなどを導入して、前進した(advanced)樹脂を80%固体溶液に希釈する。
【0029】
一実施形態では、前進反応条件には、約0.1〜約3バールの範囲内の絶対圧力も含まれ得る。
【0030】
一実施形態では、前進反応生成物は、250〜5000g/モルの範囲内の数平均分子量を有する。前進反応生成物は、一般に200〜600g/当量の範囲内のエポキシド当量を有する。一実施形態では、該生成物は、250〜500g/当量のエポキシド当量を執する。前進反応生成物は、一般に350〜500g/当量の範囲内のエポキシ当量(EEW)を有する。
【0031】
上記の実施形態中の前進反応生成物を用いて、ワニスを生成することができる。エポキシ樹脂に加えて、ワニスは硬化剤(curing agents)、硬化剤(hardeners)、及び触媒も含み得る。ワニスは、次に、限定されるものではないが、プレプレグ、電気積層板、塗料、複合材料、注型品(casting)及び接着剤を含む、多様な生成物を生成するために使用することができる。
【0032】
生成したワニス中の成分の割合は、一部分、生成される予定の熱硬化性樹脂、電気積層板、又は塗料に求められる特性によって決まり得る。例えば、硬化剤及び硬化剤の量の選択の際に考慮する変数としては、エポキシ組成物(ブレンドの場合)、電気積層板用組成物の所望の特性(T、T、柔軟性、電気特性など)、所望の硬化速度、及び1触媒分子あたりの反応性基の数、例えば1つのアミン中の活性水素の数などを挙げることができる。
【0033】
一部の実施形態では、前進反応生成物から形成される熱硬化性樹脂は、示差走査熱量測定を用いて測定して、少なくとも190℃のガラス転移温度を有し得る。その他の実施形態では、上記の硬化性組成物から形成される熱硬化性樹脂は、示差走査熱量測定を用いて測定して、少なくとも200℃;その他の実施形態では少なくとも210℃;その他の実施形態では少なくとも220℃;さらにその他の実施形態では少なくとも230℃のガラス転移温度を有してよい。
【0034】
一部の実施形態では、前進反応生成物から形成される熱硬化性樹脂は、熱重量分析(TGA)を用いて測定して、少なくとも300℃の5%分解温度、Tを有し得る。その他の実施形態では、上記の硬化性組成物から形成される熱硬化性樹脂は、TGAを用いて測定して、少なくとも320℃;その他の実施形態では少なくとも330℃;その他の実施形態では少なくとも340℃;さらにその他の実施形態では少なくとも350℃のTを有してよい。
【0035】
一部の実施形態では、複合材料を、本明細書に開示される組成物を硬化させることにより形成することができる。その他の実施形態では、複合材料は、硬化性エポキシ樹脂組成物を基材又は補強材に適用することにより、例えば基材又は補強材を含浸させるか被覆してプレプレグを形成し、そのプレプレグを圧力下で硬化させて電気積層板組成物を形成することにより、形成することができる。
【0036】
上記のようにワニスが生成された後で、ワニスは、電気積層板組成物の硬化の前、間、又は後に、上記の基材の上に、中に、又は間に配置されてよい。例えば、複合材料は、基材をワニスでコーティングすることにより形成することができる。コーティングは、スプレーコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーター又はグラビアコーターによるコーティング、ブラシコーティング、及びディッピング又は浸漬コーティングを含む様々な手順により行うことができる。
【0037】
様々な実施形態では、基材は、単層であっても多層であってもよい。例えば、基材は、例えば、数ある中でも、2種類の合金からなる複合材料、多層ポリマー物品、及び金属被覆ポリマーであってよい。その他の様々な実施形態では、硬化性組成物の1又はそれ以上の層が基材の上に配置され得る。基材層と電気積層板組成物層の様々な組合せにより形成された、その他の多層複合材料も、本明細書において想定される。
【0038】
一部の実施形態では、ワニスの加熱は、例えば、温度感受性の基材の過熱を避けるために、局部的であってよい。その他の実施形態では、加熱には、基材及び組成物を加熱することが含まれ得る。
【0039】
本明細書に開示される組成物の硬化は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び使用する場合には触媒に応じて、数分から数時間の時間少なくとも約30℃から約250℃までの温度を必要とし得る。その他の実施形態では、硬化は、少なくとも100℃の温度で数分から数時間の時間起こり得る。そのうえ後処理も使用してよい。かかる後処理は、通常約100℃〜250℃の間の温度である。
【0040】
一部の実施形態では、硬化は発熱を避けるために段階を分けて行ってよい。段階分けには、例えば、ある温度での一定時間の硬化の後に、それより高い温度での一定時間の硬化が続くことが含まれる。段階分けされた硬化には、2又はそれ以上の硬化段階が含まれてよく、一部の実施形態では約180℃より低い温度で開始してよく、その他の実施形態では約150℃より低い温度で開始してよい。
【0041】
一部の実施形態では、硬化温度は、下限の30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、又は180℃から、上限の250℃、240℃、230℃、220℃、210℃、200℃、190℃、180℃、170℃、160℃の範囲であってよく、この際、この範囲は任意の下限から任意の上限までであってよい。
【0042】
本明細書に開示されるワニスは、高強度フィラメント又は繊維、例えば炭素(グラファイト)、ガラス、ホウ素、及び同類のものなどを含有する複合材料において有用であり得る。複合材料は、複合材料の全容積に基づいて、一部の実施形態では約30%〜約70%、その他の実施形態では40%〜70%のこれらの繊維を含むことができる。
【0043】
例えば、繊維強化複合材料は、ホット・メルト・プレプレッギング(prepregging)により形成することができる。このプレプレッギング法は、長繊維のバンド又は織物に、溶融形態の本明細書に記載される熱硬化性組成物を含浸させてプレプレグを得ることを特徴とし、これを蓄えて(laid-up)硬化させると、繊維とエポキシ樹脂の複合材料が得られる。
【0044】
その他の加工技法を使用して、本明細書に開示される組成物を含有する電気積層板複合材料を形成してよい。例えば、フィラメント・ワインディング、溶媒プレプレッギング、及び引抜成形が、硬化性組成物を使用してよい典型的な加工技法である。さらに、フィラメント・ワインディングにより蓄えた(laid-up)、束の形の繊維を硬化性組成物でコーティングし、硬化させて複合材料を形成することができる。
【0045】
本明細書に記載される硬化性組成物及び複合材料は、接着剤、構造及び電気積層板、塗料、船舶用塗料(marine coatings)、複合材料、粉末塗料、接着剤、注型品、航空宇宙産業用の構造として、ならびに回路板及び電子産業用の同類のものとして有用であり得る。
【0046】
一部の実施形態では、ワニス及び得られる熱硬化性樹脂は、様々な基材の上に、中に、又は間に配置することのできる、複合材料、注型品、塗料、接着剤、又はシーラントに使用され得る。その他の実施形態では、硬化性組成物を基材に適用してエポキシ系プレプレグを得てよい。本明細書において、基材には、例えば、ガラスクロス、ガラス繊維、ガラスペーパー、紙、及びポリエチレンとポリプロピレンからなる同様の基材が含まれる。得られたプレプレグは、所望のサイズに切断することができる。導電層は、積層板/導電性材料を含むプレプレグに形成されてよい。本明細書において、適切な導電性材料には、導電性金属、例えば銅、金、銀、白金及びアルミニウムなどが含まれる。そのような電気積層板は、例えば、電気もしくは電子装置用の多層印刷回路板として使用することができる。マレイミド−トリアジン−エポキシポリマーブレンドから製造した積層板は、HDI(高密度インターコネクト)ボードの製造に特に有用である。HDIボードの例としては、携帯電話に使用されているもの、又はインターコネクト(IC)基材に使用されているものが挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下の実施例は、本発明を作成及び使用するために、本発明の説明となり、かつ当業者に教示することを目的としている。実施例は、決して本発明を限定するためのものではない。
【0048】
試験方法
ガラス転移温度、Tは、非晶質固体が硬いガラスのような状態からゴムのような状態となる温度である。Tは、示差走査熱量測定(DSC)により決定される(IPC法IPC−TM−650 2.4.25)。
【0049】
熱分解温度、Tは、窒素下の熱重量分析(TGA)によって、TA Instruments Thermal Analysis−TGA 1000を用いて、40から400℃まで10℃/分の加熱傾斜で測定した。Tは、熱板(250〜300秒で171℃)から5%重量損失で完全に硬化した樹脂フィルムについて測定した(換気の良好なオーブン中、90分で200℃)。T(重量損失5%)測定値は、サンプルの5重量パーセントが失われて生成物を分解する温度である。T(重量損失10%)は、サンプルの10重量パーセントが失われて生成物を分解する温度である。
【0050】
エポキシ当量(EEW)は、g/当量(1当量当たりのグラム数)で報告され、少量の樹脂を塩化メチレンに溶解させることにより決定される。次に、この溶液を、ASTM D 1652に参照されるように、過剰なテトラアンモニウムブロミドの存在下、過塩素酸中で滴定する。所与樹脂中の固体の割合を、約1グラムの樹脂アリコートを170℃の熱板上に60分置くことにより決定した。単純計算は次の通りである:前重量/後重量×収率100%=固体%。
【0051】
これらの実施例で使用した成分を下の表Iに示す。
【表1】

安定剤
【表2】

【0052】
実施例1
様々な前進反応を、D.E.R.(商標)530及びD.E.R.(商標)539ならびに様々な量の酸化亜鉛で行った。
【0053】
1phr ZnOを生じさせるD.E.R.(商標)530樹脂による前進
窒素雰囲気下で乾燥させ、機械攪拌機、窒素入口、冷却凝縮装置、及び熱電対プローブを装備した、4口500mL丸底フラスコに、100gのD.E.R.(商標)383、50.30gのTBBA、及び1.52gのZnOを添加した。得られる白色のスラリーを一定攪拌下で115℃に加熱した。TBBAが溶解されれば、反応を100℃まで冷却し、0.065g エチルトリフェニルホスホニウムアセテート(触媒)を一度に添加した。次に、温度を1〜2℃/分の加熱速度で徐々に180℃まで上昇させた。温度が180℃に達したら、分析用のアリコートを採取し、反応混合物を37.96gのアセトンを用いて約80%固体に希釈した。生成物をEEW(ニート)が290.8g/当量、80%固体溶液(以降「A80」と呼ぶ)が368.2g/当量の乳白色の液体として得る。
【0054】
D.E.R.(商標)530−2phr ZnO
上記と同じ手順であるが、3.07g ZnOを反応ポットに装入して2phr.EEW(ニート)278.7g/当量、(A80)352.3g/当量を得た。
【0055】
D.E.R.(商標)539−1phr ZnO
上に指定される手順に従い、1.53g テトラフェノールエタン(TPE)を添加して、1phr TPE.EEW(ニート)299.5g/当量、(A80)379.8g/当量を得た。
【0056】
D.E.R.(商標)539−1phr ZnO
上記の手順と同じであるが、1.54g TPEを導入し、加熱速度を標準的な1〜2℃/分ではなく0.7℃/分まで遅くした。EEW(ニート)402.3g/当量、(A80)488.1g/当量。
【0057】
実施例2
−D.E.R.(商標)539−1phr ZnO樹脂から調製されたワニス。
8オンスのスクリューキャップ付きガラス瓶に、130.030g 樹脂、0.530gのメタノール中20% 2−メチルイミダゾール溶液、及び27.050gの1:1ジメチルホルムアミド:DOWANOL(商標)PM中10% ジシアンジアミド溶液を添加した。ストロークキュア反応性は、205秒と測定された。サンプルに対して2つのT測定値を得た:T(1)及びT(2)は、それぞれ139.1℃及び140.3℃であった。T値は、324.1℃であった。
【0058】
実施例3
−亜鉛添加剤の存在下での実験室規模のD.E.R.(商標)592樹脂前進
D.E.R.(商標)592を、Aldrich製ZnOの存在下で前進反応と同時に合成した。機械攪拌機、温度プローブ及び窒素入口を装備した250mLの3口丸底フラスコ及び滴下漏斗に、132.53gのD.E.R.(商標)383を装入した。この樹脂がガラスの内側で均一に広がった後、87.44gのD.E.R.(商標)560及び2.46gのZnO(Aldrich)を導入した。得られる混合物を、D.E.R.(商標)560が溶解するまで120℃にて攪拌させた。次に、0.100グラム量の10% 2−フェニルイミダゾール(メタノール中)を導入し、温度を130℃まで上昇させた。30.13グラム量のPAPI(商標)27を、滴下漏斗に装入し、2時間にわたって滴下した。温度は130℃から、PAPI(商標)27添加の終わりに165℃に安定して上昇した。PAPI(商標)27を添加し終わると、反応混合物を1時間消化させた。次に、得られる樹脂を、55.57gのアセトンで落として(let down with)、1phr ZnOのD.E.R.(商標)592−A80の乳白色の溶液を得た。EEW(ニート)は346.9g/当量であり、A80は424.6g/当量であった。
【0059】
実施例4
様々な供給源由来の異なるZn系添加剤を用いる、合計18例の実験室規模の樹脂の前進を完了させた。その結果を表3にまとめる。
【表3】

【0060】
本発明を説明の目的で詳細に記載したが、本発明はそれによって限定されるものではなく、その精神及び範囲内の全ての変更及び改変形態を網羅することを目的としているものと解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前進反応生成物を生成するための、
a)エポキシ樹脂;
b)フェノール含有化合物、イソシアネート含有化合物及びそれらの混合物からなる群より選択される化合物;および
c)金属含有化合物を含む安定剤であって、前記金属含有化合物は、第11〜13族金属及びそれらの組合せから選択される金属を含む安定剤;を
触媒の存在下、前進反応条件下で前進反応域において接触させる段階を含む、プロセス。
【請求項2】
前記安定剤が、前記前進反応生成物の総重量に基づいて約0.1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲内の量で存在する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記エポキシ樹脂が、臭素化されている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂が、ハロゲン含有化合物を実質的に含まない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記フェノール含有化合物が、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、及びリン含有フェノール化合物からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記イソシアネート含有化合物が、トルエンジイソシアネート及びメチレンジイソシアネートからなる群より選択されるジイソシアネートである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記金属含有化合物が、亜鉛塩、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、亜鉛ジメチルジチオカルバメート及びそれらの任意の2又はそれ以上の組合せからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項8】
前記エポキシ樹脂が、フェノール樹脂、ベンゾキサジン樹脂、アリールシアナート樹脂、アリールトリアジン樹脂、マレイミド樹脂、及びそれらの任意の2又はそれ以上の組合せからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記触媒が、ホスホニウム触媒及び複素環式アミン触媒からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記前進反応条件に、約100〜250℃の温度が含まれる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記前進反応条件に、約0.1〜3バールの範囲内の絶対圧力が含まれる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記前進反応生成物が、250〜5000g/モルの範囲内の数平均分子量を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記前進反応生成物が、200〜600g/当量の範囲内のエポキシド当量を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
請求項1に記載の前進反応生成物から製造されたワニス。
【請求項15】
請求項16に記載のワニスから製造されたプレプレグ。
【請求項16】
請求項16に記載のワニスから製造された電気積層板。
【請求項17】
請求項16に記載のワニスから製造された注型品。
【請求項18】
請求項16に記載のワニスから製造された印刷回路板。
【請求項19】
請求項16に記載のワニスから製造された複合材料。

【公表番号】特表2012−514664(P2012−514664A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544460(P2011−544460)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/068052
【国際公開番号】WO2010/080400
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】