説明

エレベータ用ロープ及びエレベータ装置

エレベータ装置では、エレベータ用ロープは、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の内層子縄を含む内層ロープと、内層ロープの外周を被覆する樹脂製の内層被覆体と、内層被覆体の外周部に設けられ、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の外層子縄を含む外層とを有している。駆動綱車のロープ溝のエレベータ用ロープとの接触面は、高摩擦樹脂材により構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、エレベータに用いられ、かごを吊り下げるエレベータ用ロープ及びそのロープを用いたエレベータ装置に関するものである。
【背景技術】
従来、エレベータ装置においては、ロープの早期の摩耗や断線を防止するため、ロープ径の40倍以上の直径を持つ綱車が使用されている。従って、綱車の径を小さくするためには、ロープの径も小さくする必要がある。
しかし、ロープ径を小さくすると、かごに積載する荷物や乗降する乗客の荷重変動でかごが振動し易くなったり、綱車でのロープの振動がかごに伝わったりする恐れがある。また、ロープの本数が増え、エレベータ装置の構成が複雑になってしまう。さらに、駆動シーブの径を小さくすると、駆動摩擦力が低下し、かごの重量を増す必要があった。
【発明の開示】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高強度、長寿命、高摩擦を維持しつつ小径化を図ることができるエレベータ用ロープ、及びそのロープを用いたコンパクトなレイアウトのエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ用ロープは、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の内層子縄を有する内層ロープ、内層ロープの外周を被覆する樹脂製の内層被覆体、及び内層被覆体の外周部に設けられ、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の外層子縄を有する外層を備えている。
また、この発明によるエレベータ装置は、ロープ溝が設けられた駆動綱車を有している駆動装置、ロープ溝内に挿入されて駆動綱車に巻き掛けられているエレベータ用ロープ、及びエレベータ用ロープにより昇降路内に吊り下げられ、駆動装置により昇降されるかご及び釣合おもりを備え、エレベータ用ロープは、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の内層子縄を含む内層ロープと、内層ロープの外周を被覆する樹脂製の内層被覆体と、内層被覆体の外周部に設けられ、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の外層子縄を含む外層とを有しており、ロープ溝のエレベータ用ロープとの接触面は、高摩擦樹脂材により構成されている。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す概略の正面図、
図2は図1のエレベータ装置を示す平面図、
図3は図1のエレベータ用ロープの断面図、
図4は図3のエレベータ用ロープを層毎に破断して示す側面図、
図5は図1の駆動綱車、かご吊り車、釣合おもり吊り車、かご側案内車及び釣合おもり側案内車を示す正面図、
図6は図5のロープ溝の断面図、
図7はこの発明の実施の形態2によるエレベータ用ロープの断面図、
図8はこの発明の実施の形態3によるエレベータ用ロープを層毎に破断して示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す概略の正面図、図2は図1のエレベータ装置を示す平面図である。図において、昇降路31内の上部には、支持台32が固定されている。支持台32上には、薄形の駆動装置33が搭載されている。駆動装置33は、モータ34と、モータ34により回転される駆動綱車35とを有している。また、駆動装置33は、駆動綱車35の回転軸が垂直に延びるように水平に配置されている。
駆動綱車35には、複数本(図では1本のみ示す)のエレベータ用ロープ36が巻き掛けられている。各エレベータ用ロープ36は、支持台32に接続された第1端部36a及び第2端部36bを有している。
エレベータ用ロープ36の第1端部36aと駆動綱車35との間には、かご37が吊り下げられている。かご37の下部には、エレベータ用ロープ36が巻き掛けられる一対のかご吊り車38が設けられている。
エレベータ用ロープ36の第2端部36bと駆動綱車35との間には、釣合おもり39が吊り下げられている。釣合おもり39の上部には、エレベータ用ロープ36が巻き掛けられる一対の釣合おもり吊り車40が設けられている。かご37及び釣合おもり39は、エレベータ用ロープ36を介して駆動装置33により昇降路31内を昇降される。
昇降路31内の上部には、駆動綱車35から延びるエレベータ用ロープ36をかご37に導くかご側案内車41が配置されている。また、昇降路31内の上部には、駆動綱車35から延びるエレベータ用ロープ36を釣合おもり39に導く釣合おもり側案内車42が配置されている。
駆動装置33、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42は、垂直投影面内でかご37と重なるように配置されている。また、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42の径は、エレベータ用ロープ36の径の15倍以上、20倍以下になっている。
また、昇降路31内には、かご37の昇降を案内する一対のかごガイドレール43と、釣合おもり39の昇降を案内する一対の釣合おもりガイドレール44とが設置されている。なお、図1では、ガイドレール43,44を省略した。
次に、図3は図1のエレベータ用ロープ36の断面図、図4は図3のエレベータ用ロープ36を層毎に破断して示す側面図である。
図において、内層ロープ1は、芯ロープ2と、芯ロープ2の外周部に設けられている複数の内層子縄3とを有している。芯ロープ2は、複数の芯子縄4を有している。各芯子縄4は、複数の鋼製の素線5を互いに撚り合わせることにより構成されている。芯子縄4は、互いに撚り合わされており、内層子縄3は、芯子縄4とは逆向きに撚られている。
内層子縄3は、複数の鋼製の素線6を互いに撚り合わせることにより構成されている。内層子縄3の断面構造は、ウォリントン形(JIS G 3525)である。内層ロープ1の径は、駆動綱車35の径の1/27以下に設定されている。
内層ロープ1の外周には、樹脂製の内層被覆体7が被覆されている。内層被覆体7は、例えばポリエチレン樹脂からなっている。
内層被覆体7の外周部には、外層8が設けられている。外層8は、複数の外層子縄9を有している。各外層子縄9は、中心に配置された中心素線10と、中心素線10の外周に配置された6本の外周素線11とから構成されている。また、外層子縄9は、内層子縄3とは逆向きに撚られている。
全ての素線5,6,10,11の径は、駆動綱車35の径の1/400以下に設定されている。
次に、図5は図1の駆動綱車35、かご吊り車38、釣合おもり吊り車40、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42を示す正面図、図6は図5のロープ溝の断面図である。
図において、駆動綱車35、かご吊り車38、釣合おもり吊り車40、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42の外周部には、エレベータ用ロープ36が挿入されるロープ溝45が設けられている。ロープ溝45のエレベータ用ロープ36との接触面は、高摩擦樹脂材(樹脂製ライニング)46により構成されている。高摩擦樹脂材46の材料としては、摩擦係数が0.2以上の材料、例えばポリウレタン樹脂が用いられる。
このようなエレベータ装置では、エレベータ用ロープ36の中心部に鋼製の内層ロープ1が配置され、かつ内層ロープ1の外周には、内層子縄3よりも小径の外層子縄9が配置されているため、全体の直径を抑えつつ、鋼製の素線5,6,10,11の実装密度を高くすることができ、エレベータ用ロープ36の高強度化を図ることができる。
また、内層ロープ1と外層8との間に樹脂製の内層被覆体7が配置されているため、内層子縄3と外層子縄9とが直接接触して擦れるのが防止され、摩耗による劣化を防止するとともに緩衝作用により曲げ応力を緩和することができ、エレベータ用ロープ36の長寿命化を図ることができる。
さらに、ロープ溝45のエレベータ用ロープ36との接触面は、高摩擦樹脂材46により構成されているため、綱車35,38,40,41,42との直接の接触により外層子縄9が摩耗するのを防止することができる。また、外層子縄9の素線10,11が綱車35,38,40,41,42に押し潰されることにより発生する曲げ応力も緩和することができ、エレベータ用ロープ36の長寿命化を図ることができるとともに、綱車35,38,40,41,42の小径化を図ることができる。従って、エレベータ用ロープ36全体としての強度をさらに高くすることができるとともに、綱車35,38,40,41,42を安価に構成することができる。
さらにまた、ロープ溝45に高摩擦樹脂材46を設けたことにより、駆動綱車35の径を小さくしても、十分な駆動力の伝達効率を確保することができる。従って、エレベータ用ロープ36と駆動綱車35との間の摩擦力を上げるためにかご37の重量を増加させたり、エレベータ用ロープ36の駆動綱車35への巻き付け角度を増加させるために案内車を追加したりする必要がなく、エレベータ装置の構成が複雑になることもない。
ここで、高摩擦樹脂材46としては、摩擦係数が0.2以上のものが好適であり、十分な駆動力の伝達効率を確保することができる。また、摩擦係数が0.2以上であれば、ポリウレタンに限らず、ポリビニル等を用いることもできる。
また、ポリウレタン樹脂は、軟質から硬質まで自由に選定できるが、エレベータ用ロープ36が綱車35,38,40,41,42の表面で微少に滑る現象に対する耐摩耗性能を確保するためには、硬度85〜98の硬質のポリウレタン樹脂を用いるのが好適である。特に、硬度90度以上のポリウレタン樹脂が好適である。また、使用環境で起こる加水分解を防ぐためには、エステル系よりもエーテル系の樹脂が望ましい。
さらに、ロープ溝45に高摩擦樹脂材46を設けたので、エレベータ用ロープ36の最外周を高摩擦樹脂材で被覆する場合に比べて加工が容易である。
さらにまた、内層被覆体7の材料として、エレベータ用ロープ36が綱車35,38,40,41,42で曲げられたときに自由に滑り易いものを選択することにより、曲げ抵抗を減らすことができる。さらにまた、内層被覆体7は、内層子縄3の素線6間及び外層子縄9の素線11間で押し潰されない硬さを必要とする。このような材料としては、低摩擦で硬質のポリエチレン材が適している。
また、内層被覆体7の材料としては、例えばナイロン、シリコン、ポリプロピレン、又はポリ塩化ビニルなどの樹脂を用いてもよい。このような内層被覆体7を用いることにより、鋼製の内層ロープ1を用いる場合の寿命の低下を抑制することができる。
さらに、外層子縄9は、中心素線10と6本の外周素線11とを含む単純な7本素線構造を有しているため、エレベータ用ロープ36の径を小さくできるとともに、形崩れを抑制することができる。
さらにまた、内層子縄3の断面構造をシール形やフィラー形とせず、ウォリントン形としたので、極端に細い素線6を使用することがなく、摩滅による素線6の断線を防止することができ、長寿命化を図ることができる。また、長寿命化を図るため、内層子縄3の素線6は、交差撚りではなく、平行撚りとするのが好適である。このとき、外周部に位置する素線6の数を、その内側に位置する素線6の数と同じかその2倍とすることにより、素線6を無理なくバランス良く配置することができ、素線6の摩滅をより一層防止することができる。
また、多層構造のエレベータ用ロープ36では、負荷による張力や綱車による経年的な繰り返し曲げにより、撚りが戻る方向の回転トルクが内部に発生し、各層の荷重負担バランスが崩れ、切断強度や寿命が低下する恐れがある。
これに対して、内層子縄3を芯子縄4とは逆向きに撚り、外層子縄9を内層子縄3とは逆向きに撚ることにより、内部の回転トルクをバランスさせることができ、ロープ全体の撚り戻しトルクを低減することができる。
また、上記のように柔軟性の高いエレベータ用ロープ36を小径の綱車35,38,40,41,42に巻き掛ける場合、綱車35,38,40,41,42と外層子縄9との接触圧力が増し、綱車35,38,40,41,42及び外層子縄9の損耗が著しく進む恐れがある。
このため、エレベータ用ロープ36の径の20倍の径の綱車に適用する場合には、外層子縄9の本数を12本以上(図3では19本)とするのが好適である。また、エレベータ用ロープ36の径の15倍の径の綱車に適用する場合には、外層子縄9の本数を16本以上とするのが好適である。
これにより、綱車と外層子縄9との接触圧力が高くなるのを抑えることができ、綱車及び外層子縄9の損耗を抑制することができる。従って、綱車の材料を特に高価なものにする必要がなく、綱車を安価に構成することができる。
さらに、ロープ溝の表面が金属で構成されている場合には、張力と綱車による曲げ応力との繰り返し回数で寿命が決まり、ロープ表面の素線から先に断線が起こる。しかし、ロープ溝45に高摩擦樹脂材46を設けた場合には、綱車との接触圧力が低減されるため、ロープの表面ではなく、内部の素線が曲げ疲労で優先的に断線し易くなる。
このような曲げ疲労による寿命回数は、発明者の試験研究によると、次式で示される関係にあることが判った。
寿命計算式
綱車と接触する素線が断線する計算式
寿命回数Nc=10.0×k×1.05D/d
ロープ内部の素線が断線する計算式
寿命回数Nn=19.1×k×1.05D/d
(kは、ロープ構造とロープ強度とで決まる係数)
ここで、寿命回数Nnを、D/d=40のときのNc値と同じにするためのD/d値を求めると、26.7となる。従って、従来の一般的なエレベータ用ロープが適用されてきた条件、即ちD/d=40のときと同等の寿命を確保しようとすれば、内層ロープ1の径を綱車径の1/27以下にしなければならない。言い換えれば、内層ロープ1の径の27倍以上の綱車を用いなければならない。
また、上記のエレベータ用ロープでは、全ての素線5,6,10,11の径が、適用する綱車の径の1/400以下に設定されているので、適用する綱車の径を小さくしても曲げ疲労寿命を損なうことがない。
さらに、外層8が外部に露出しているため、外周素線11の断線を目視確認することができる。これにより、断線状態を検査するための探傷装置等を使用する必要がなくなり、保守費用を安くすることができる。
また、上記のようなエレベータ装置では、高強度、長寿命、高摩擦のエレベータ用ロープ36を使用したことにより、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42の径は、エレベータ用ロープ36の径の15倍以上、20倍以下としても、十分なロープ寿命を維持することができる。
従って、昇降路31の高さ寸法を大きくすることなく、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42をかご37の上方のスペースに配置することができ、昇降路31の横断面積を広げる必要がない。
なお、かご側案内車41及び釣合おもり側案内車42の径は、実用上運転頻度の多くないエレベータ装置では、ロープ径の15倍以上、多いエレベータ装置では20倍以上とするのが好適であり、十分な寿命を確保できる。また、昇降路31の高さ寸法を抑えるためには、案内車41,42の径は、ロープ径の30倍以下とするのが好適である。特に、案内車41,42の径をロープ径の15〜20倍の範囲内とすれば、昇降路31の高さ寸法を効果的に小さくできる。さらに、案内車41,42の径を、駆動装置33の設置高さ範囲内とすれば、昇降路31の高さ寸法をより効果的に小さくできる。
実施の形態2.
次に、図7はこの発明の実施の形態2によるエレベータ用ロープの断面図である。図において、内層ロープ23は、芯ロープ24と、芯ロープ24の外周部に設けられている複数の内層子縄25とを有している。芯ロープ24は、複数の芯子縄26を有している。各芯子縄26は、複数の鋼製の素線27を互いに撚り合わせることにより構成されている。
内層子縄25は、複数の鋼製の素線28を互いに撚り合わせることにより構成されている。内層子縄25の素線28の断面は、内層子縄25を外周から圧縮することにより異形化されている。芯子縄26の素線27の断面は、芯子縄26を外周から圧縮することにより異形化されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ用ロープでは、内層子縄25及び芯子縄26の製造時に、仕上げ径よりも5%程度大きく撚り上げた後、仕上げ径のダイスを通すことで、素線同士が点でなく面又は線で接触するようになる。これにより、素線27,28の実装密度を高めることができる。また、素線27間及び素線28間の接触圧力が低減され、素線27,28の摩耗が抑制される。さらに、内層子縄25及び芯子縄26の形崩れが防止され、長寿命化を図ることができる。
なお、外層子縄9の素線10,11の断面についても、外層子縄9を外周から圧縮することにより異形化することができる。
実施の形態3.
次に、図8はこの発明の実施の形態3によるエレベータ用ロープを層毎に破断して示す側面図である。この例では、内層子縄3、芯子縄4及び外層子縄9がそれぞれ同じ向きに撚られている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このようなエレベータ用ロープを用いた場合、子縄3,4,9を同一方向へ撚ったので、エレベータ用ロープに荷重が作用したときや、繰り返し曲げにより撚りが解けた場合でも、子縄3,4,9の荷重分担が不均一になりにくく、高い強度を維持することができるとともに、長寿命化を図ることができる。
なお、実施の形態1〜3に示す多層構造のロープは、経年的な疲労によって各層の荷重負担率が変化する特性がある。そこで、ロープの構造によっても異なるが、優先的に損傷が進む層の強度負担率を少なくする。即ち、一方の層の強度を20〜80%に設定することで、全体強度が著しく低下する前に最弱層の異常を検知し交換するのが好適である。
例えば、曲げ応力が最も大きくなる最弱層である外層子縄9の強度を合算した強度は、エレベータ用ロープ全体の強度の20%以内に設定されるのが好適である。これにより、外層子縄9が断線した場合にも、内層ロープ1だけで80%近くの残存強度を確保することができ、信頼性を向上させることができる。
なお、内層ロープ1の芯子縄4が被覆されない場合や異形加工されないときなど、外層子縄9よりも寿命が短い構造の場合には、内層ロープ1の強度を全体の20%とし、外層子縄9をプリフォーム加工することが有効である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の内層子縄を有する内層ロープ、
上記内層ロープの外周を被覆する樹脂製の内層被覆体、及び
上記内層被覆体の外周部に設けられ、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の外層子縄を有する外層
を備えているエレベータ用ロープ。
【請求項2】
ロープ溝が設けられた駆動綱車を有している駆動装置、
上記ロープ溝内に挿入されて上記駆動綱車に巻き掛けられているエレベータ用ロープ、及び
上記エレベータ用ロープにより昇降路内に吊り下げられ、上記駆動装置により昇降されるかご及び釣合おもり
を備え、
上記エレベータ用ロープは、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の内層子縄を含む内層ロープと、上記内層ロープの外周を被覆する樹脂製の内層被覆体と、上記内層被覆体の外周部に設けられ、複数の鋼製の素線が撚り合わされている複数の外層子縄を含む外層とを有しており、
上記ロープ溝の上記エレベータ用ロープとの接触面は、高摩擦樹脂材により構成されているエレベータ装置。
【請求項3】
上記高摩擦樹脂材の摩擦係数は、0.2以上である請求項2記載のエレベータ装置。
【請求項4】
上記高摩擦樹脂材は、ポリウレタン樹脂である請求項2記載のエレベータ装置。
【請求項5】
上記内層ロープの径が、上記駆動綱車の径の1/27以下に設定されている請求項2記載のエレベータ装置。
【請求項6】
上記各素線の径が、上記駆動綱車の径の1/400以下に設定されている請求項2記載のエレベータ装置。
【請求項7】
上記駆動装置は、上記駆動綱車の回転軸が垂直に延びるように上記昇降路の上部に配置されており、
上記昇降路の上部には、上記駆動綱車から延びる上記エレベータ用ロープを上記かごに導くかご側案内車と、上記駆動綱車から延びる上記エレベータ用ロープを上記釣合おもりに導く釣合おもり側案内車とが配置されており、
上記かご側及び釣合おもり側案内車には、上記エレベータ用ロープが挿入されるロープ溝が設けられており、
上記かご側及び釣合おもり側案内車の少なくともいずれか一方におけるロープ溝の上記エレベータ用ロープとの接触面は、上記高摩擦樹脂材により構成されている請求項2記載のエレベータ装置。
【請求項8】
上記駆動装置、上記かご側案内車及び上記釣合おもり側案内車は、垂直投影面内で上記かごと重なるように配置され、上記かご側案内車及び上記釣合おもり側案内車の径は、上記エレベータ用ロープの径の15倍以上、30倍以下になっている請求項7記載のエレベータ装置。

【国際公開番号】WO2004/043844
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【発行日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−525633(P2004−525633)
【国際出願番号】PCT/JP2002/011790
【国際出願日】平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】