エンジン用プレチャンバ構造
エンジン１のシリンダヘッド２に適合されるプレチャンバ構造は、互いに支持される別体の本体部４及びノズル部５であって、プレチャンバを実質的に画成する別体の本体部４及びノズル部５を含み、前記プレチャンバ３は、シリンダ６の主燃焼領域７に前記ノズル部５のノズル開口５ａを介して接続される。プレチャンバ構造は、前記シリンダヘッド２と前記プレチャンバ３との間に配置された別体のプレチャンバブラケット８を更に含み、前記別体のプレチャンバブラケット８を介して前記本体部４及びノズル部５が前記シリンダヘッド２に支持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、請求項１のプリアンブル部によるエンジン用プレチャンバ構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
エンジンでは、窒素酸化物（ＮＯｘ）が燃料と空気の混合物が燃える際に生成される。典型的には、窒素酸化物の量は、燃焼温度が上昇するにつれて増加する。特に、高いピーク燃焼温度は、窒素酸化物の形成を増加するだろう。ピーク燃焼温度及び従って燃焼で形成される窒素酸化物の量は、燃料混合物の空燃比を増加させることにより、即ちよりリーンな燃料混合物を使用することにより、低減することができる。それ故に、ガスエンジンの使用は、より少ない窒素酸化物が生成されることから、しばしば、望まれている。しかしながら、リーンな燃料混合物に起因して、燃焼は不完全となりえ、シリンダの径が大きい特にピストンエンジンにおいては顕著である。
【０００３】
使用される燃料混合物のリッチさに依存して、オットーエンジン若しくはリーンな混合物における点火は、それ自体必ずしも生じず、むしろ、スパークプラグのような補助が点火を起こすために必要とされる。燃焼を強化し、点火の考えられる手段を保護するために、幾つかのリーン混合物のエンジンでは、シリンダの燃焼領域に接続されるプレチャンバが使用される。燃料混合物は、プレチャンバ内に供給され、点火され、燃焼領域に案内され、燃焼領域内のリーンな燃料混合物が点火する。プレチャンバは、特に、燃料としてガスを用いるリーン混合物のエンジンで使用される。この場合、プレチャンバは、一般的に、スパークプラグを備え、これにより、よりリッチな燃料混合物が点火される。
【０００４】
一般的に、プレチャンバは、回転対称である。燃焼が点火される実際の室領域は、形が変化しうり、例えば、球形や楕円形でありうる。プレチャンバは、幾つかのノズル開口で終端する通路により主燃焼領域に接続される。開口の数、方向及び径は、各状況に応じて最適化され、その際、例えばピストンリリーフが考慮される。比較的高い圧縮比とは無関係に、グロー素子やスパークプラグが点火補助として使用されることができる。
【０００５】
かかる構造の欠点は、プレチャンバの高温であり、従来の材料は耐えられず、例えば熱腐食が生じうる。特に、ノズル開口は、燃焼作用がプレチャンバからノズル開口を介して燃焼領域へと進むときに、応力に耐えるように仕向けられる。この場合、部品交換が必要となり、若しくは、新たな有用な材料を探す必要がある。特に、ガスエンジンでは、プレチャンバは、過度な高圧勾配及び最大圧に晒される。
【０００６】
特許文献１からは、構造及び支持が複雑であり、その製造コストが高いプレチャンバ構造が知られている。この解決策では、セラミック材料がプレチャンバの幾つかの部品で使用される。セラミック材料は熱や腐食に良好な耐性があるが、他方では、脆弱であり、効果であり、製造が困難である。更に、セラミック材料の異なる熱膨張係数は、結合部に問題を引き起こす。これは、ノズル開口を備えるプレチャンバの下部は応力に晒されるためである。
【０００７】
特許文献２からは、構造がシンプルであり、部品の安価な実装及び交換を可能とするプレチャンバ構造が知られている。しかしながら、この解決策では、ノズル部と、プレチャンバ内に配設される考えられるロック部品を備える本体部との間の結合部は、プレチャンバの高温に直接晒される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】米国特許第４，４２６，９６６号
【特許文献２】国際公開第２００９／０６０１１９号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明の目的は、従来技術の問題点を最小化する構造を提供することである。特に、本発明の目的は、構造が複雑でなく耐久性があり、必要に応じて部品の交換及びプレチャンバの簡易な実装が可能であり、整備や修理作業を容易化する構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明の上記目的は、請求項１に示された構成及び他の請求項により詳細に示された構成により達成される。本発明によれば、プレチャンバ構造は、シリンダヘッドとプレチャンバとの間に配置された別体のプレチャンバブラケットを含み、別体のプレチャンバブラケットを介して本体部及びノズル部がシリンダヘッドに支持される。このようにして、結合表面及び部品の取り付けに重要な部品は、プレチャンバ内の高温から離れた外部に維持することができる一方、この解決策は、必要に応じて部品の別の交換を可能とする。
【００１１】
本体部は、好ましくは、別体のカバー部を備え、別体のカバー部を介して当該プレチャンバ構造はシリンダヘッドに取り付けられることができる。
【００１２】
一の好ましい実施例では、ノズル部は、第１円錐表面と第２円錐表面を含み、第１円錐表面によりノズル部がプレチャンバブラケットに支持され、第２円錐表面によりノズル部が本体部に支持される。この場合、第１及び第２円錐表面は、好ましくは、本体部及びプレチャンバブラケットがノズル部を所定位置に固定保持された状態に維持するように構成される。
【００１３】
プレチャンバ構造は、主燃焼領域に対して反対側からシリンダヘッドに実装されるように構成され、プレチャンバブラケットは、主燃焼領域に向けてノズル部の位置を画成する。
【００１４】
実際には、プレチャンバブラケットとシリンダヘッドの間に、シリンダの径方向のギャップが存在し、このギャップにより、部品の異なる大きさの熱膨張を考慮することができる。
【００１５】
実装及び構造に対して、好ましくは、プレチャンバブラケット、本体部及びカバー部は、プレチャンバの取り付け方向で前後して配置される。これらの部品の間、及び、プレチャンバブラケットとシリンダヘッドの間には、最も好ましくは、ガスケットリングが配置される。
【００１６】
構造の安定化のために、好ましくは、プレチャンバブラケットと本体部の間の結合表面は、段付きである。
【００１７】
実際には、カバー部は、例えばパイロット燃料用の供給手段、を備える点火手段、及び／又は、スパークプラグを備え、その機械加工性は、材料の選択のために相当に高い。
【００１８】
ノズル部は、好ましくは、熱、酸化、及び／又は腐食に抗する材料、例えばセラミックから形成される。これらのプレチャンバ部品では、セラミックの最善の特性が最も好ましく利用することができる。
【００１９】
特に製造のために、好ましくは、本体部及びロック部は、回転対称の部材である。従って、可変の熱及び腐食条件下での部品片の挙動も一定であり、これは、部品の破損を防止する上で理想的なものとなる。
【００２０】
本発明は、本体部、ノズル部及びプレチャンバブラケットを容易に交換可能な部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】シリンダヘッド及びエンジンのシリンダの上部を主要断面視で示し、それに関連して実装される本発明によるプレチャンバ構造の切欠き視である。
【図２】図１のプレチャンバの部品の拡大図。
【図３】本発明によるプレチャンバ構造の部品の代替実施例の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、添付の概略図面を参照して、本発明の例示による説明を行う。
【００２３】
各図では、参照符合１は、エンジンを指し、エンジンは、シリンダヘッド２と、シリンダスリーブ６及び主燃焼領域７を含む少なくとも１つのシリンダを有する。シリンダのガス交換は、シリンダヘッド２の通路及びそれらに関連したバルブを介して、とりわけ知られた態様で構成される。
【００２４】
図１から分かるように、シリンダヘッド２に関連して、シリンダに接続される別体のプレチャンバ構造が存在し、プレチャンバ構造はプレチャンバ３を有し、プレチャンバ３は、本体部４と、本体部４の一方の側で支えられるカバー部９と、ノズル開口５ａを備え、他方の側で支持されるノズル部５とを含む。プレチャンバ３は、シリンダの主燃焼室７にノズル部のノズル開口５ａを介して接続される。
【００２５】
シリンダヘッド２は、プレチャンバ構造用の対応する中空若しくは空間１４を有し、本体部４及びノズル部５は、別体のプレチャンバブラケット８によりシリンダヘッド２に支持される。プレチャンバ３のシリンダヘッド２への取り付けは、ボルト１０によりカバー部９を介して構成される。カバー部９は、本体部４に別に取り付けられる必要はなく、また、プレチャンバのいずれの他の部品にも取り付けられる必要はなく、むしろ、これらの部品は、前後に対向して配置され若しくは積層して配置され、適切に形成された対向表面により、ボルト１０が締められたとき、それらは、互いに押圧され、図１から分かるように、シリンダヘッド２に押付けられる。カバー部９は、それ自体知られた態様で、いわゆるパイロット燃料用の供給手段１１及びスパークプラグ１２を有する。図１では、概略的に示すように、リーンな、例えば基本燃料のようなガスを吸入路に供給する。点火若しくは圧縮工程自体は、それ自体知られた態様で生じ、それ故に、ここでは詳細に説明しない。
【００２６】
図１から更に分かるように、本体部４の下部は、段付きの携帯であり、プレチャンバのブラケット８の対応する結合部品１３に嵌合されることができる。この目的のため、部品４、８は，同一の材料から製造され、最も好ましくは、スチール若しくは他の高い耐熱性合金から製造され、同一の種の熱膨張を有するようにし、本解決策は全ての解決策で手堅く安定的である。
【００２７】
プレチャンバのブラケット８は、円錐表面８ａを有し、円錐表面８ａは、ノズル部５の第１円錐表面５ｂと協動して機能して、ノズル部５を支持する。これに対応して、本体部４は、円錐表面４ａを有し、円錐表面４ａは、ノズル部５の第２円錐表面５ｃと協動して機能する。結果として、ノズル部８は、本体部４とプレチャンバのブラケット８の間に保持されたままであり、所定位置に確実に留まる。同時に、プレチャンバのブラケット８は、主燃焼領域７に向けてノズル部５の位置を画成する。好ましくは、ノズル部５は、過度の熱及び腐食に耐性を有するセラミック若しくは対応する材料から形成される。本解決策は、プレチャンバ構造の異なる部品が必要に応じて他から外され、従って別々に交換可能となることを可能とする。
【００２８】
図１から分かるように、プレチャンバのブラケット８とシリンダヘッド２の間には、適切なギャップ１５があり、ギャップ１５により、部品の異なる大きさの膨張を考慮することができる。更に、部品間には、取り付け方向でガスケット１６が存在し、ガスケット１６は、好ましくは、銅からなることができる。同様のガスケット１６は、プレチャンバのブラケット８と本体部４の間、本体部４とカバー部９の間に配置されることができる。ノズル部５のノズル開口５ａの数、サイズ及び向きは必要に応じて選択される。
【００２９】
図１の実施例では、プレチャンバのブラケット８は、好ましくは、連続した環状の部材である。これは、図２及び図３からより明確に分かり、図２及び図３は、図１のプレチャンバ構造のプレチャンバ３の部品を拡大視で示す。図２及び図３の実施例は、それらの表面の形態及び大きさが互いに異なり、これにより、プレチャンバのブラケット８及び本体部４上にノズル部５が着座する。図３から分かるように、楔状の構造により生成される円錐表面５ｂ，８ａは、部品５及び８の全体の結合長さに亘って延在する。
【００３０】
本発明は、開示した実施例に限定されず、多くの変形例は添付の特許請求の範囲内で可能である。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、請求項１のプリアンブル部によるエンジン用プレチャンバ構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
エンジンでは、窒素酸化物（ＮＯｘ）が燃料と空気の混合物が燃える際に生成される。典型的には、窒素酸化物の量は、燃焼温度が上昇するにつれて増加する。特に、高いピーク燃焼温度は、窒素酸化物の形成を増加するだろう。ピーク燃焼温度及び従って燃焼で形成される窒素酸化物の量は、燃料混合物の空燃比を増加させることにより、即ちよりリーンな燃料混合物を使用することにより、低減することができる。それ故に、ガスエンジンの使用は、より少ない窒素酸化物が生成されることから、しばしば、望まれている。しかしながら、リーンな燃料混合物に起因して、燃焼は不完全となりえ、シリンダの径が大きい特にピストンエンジンにおいては顕著である。
【０００３】
使用される燃料混合物のリッチさに依存して、オットーエンジン若しくはリーンな混合物における点火は、それ自体必ずしも生じず、むしろ、スパークプラグのような補助が点火を起こすために必要とされる。燃焼を強化し、点火の考えられる手段を保護するために、幾つかのリーン混合物のエンジンでは、シリンダの燃焼領域に接続されるプレチャンバが使用される。燃料混合物は、プレチャンバ内に供給され、点火され、燃焼領域に案内され、燃焼領域内のリーンな燃料混合物が点火する。プレチャンバは、特に、燃料としてガスを用いるリーン混合物のエンジンで使用される。この場合、プレチャンバは、一般的に、スパークプラグを備え、これにより、よりリッチな燃料混合物が点火される。
【０００４】
一般的に、プレチャンバは、回転対称である。燃焼が点火される実際の室領域は、形が変化しうり、例えば、球形や楕円形でありうる。プレチャンバは、幾つかのノズル開口で終端する通路により主燃焼領域に接続される。開口の数、方向及び径は、各状況に応じて最適化され、その際、例えばピストンリリーフが考慮される。比較的高い圧縮比とは無関係に、グロー素子やスパークプラグが点火補助として使用されることができる。
【０００５】
かかる構造の欠点は、プレチャンバの高温であり、従来の材料は耐えられず、例えば熱腐食が生じうる。特に、ノズル開口は、燃焼作用がプレチャンバからノズル開口を介して燃焼領域へと進むときに、応力に耐えるように仕向けられる。この場合、部品交換が必要となり、若しくは、新たな有用な材料を探す必要がある。特に、ガスエンジンでは、プレチャンバは、過度な高圧勾配及び最大圧に晒される。
【０００６】
特許文献１からは、構造及び支持が複雑であり、その製造コストが高いプレチャンバ構造が知られている。この解決策では、セラミック材料がプレチャンバの幾つかの部品で使用される。セラミック材料は熱や腐食に良好な耐性があるが、他方では、脆弱であり、効果であり、製造が困難である。更に、セラミック材料の異なる熱膨張係数は、結合部に問題を引き起こす。これは、ノズル開口を備えるプレチャンバの下部は応力に晒されるためである。
【０００７】
特許文献２からは、構造がシンプルであり、部品の安価な実装及び交換を可能とするプレチャンバ構造が知られている。しかしながら、この解決策では、ノズル部と、プレチャンバ内に配設される考えられるロック部品を備える本体部との間の結合部は、プレチャンバの高温に直接晒される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】米国特許第４，４２６，９６６号
【特許文献２】国際公開第２００９／０６０１１９号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
本発明の目的は、従来技術の問題点を最小化する構造を提供することである。特に、本発明の目的は、構造が複雑でなく耐久性があり、必要に応じて部品の交換及びプレチャンバの簡易な実装が可能であり、整備や修理作業を容易化する構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明の上記目的は、請求項１に示された構成及び他の請求項により詳細に示された構成により達成される。本発明によれば、プレチャンバ構造は、シリンダヘッドとプレチャンバとの間に配置された別体のプレチャンバブラケットを含み、別体のプレチャンバブラケットを介して本体部及びノズル部がシリンダヘッドに支持される。このようにして、結合表面及び部品の取り付けに重要な部品は、プレチャンバ内の高温から離れた外部に維持することができる一方、この解決策は、必要に応じて部品の別の交換を可能とする。
【００１１】
本体部は、好ましくは、別体のカバー部を備え、別体のカバー部を介して当該プレチャンバ構造はシリンダヘッドに取り付けられることができる。
【００１２】
一の好ましい実施例では、ノズル部は、第１円錐表面と第２円錐表面を含み、第１円錐表面によりノズル部がプレチャンバブラケットに支持され、第２円錐表面によりノズル部が本体部に支持される。この場合、第１及び第２円錐表面は、好ましくは、本体部及びプレチャンバブラケットがノズル部を所定位置に固定保持された状態に維持するように構成される。
【００１３】
プレチャンバ構造は、主燃焼領域に対して反対側からシリンダヘッドに実装されるように構成され、プレチャンバブラケットは、主燃焼領域に向けてノズル部の位置を画成する。
【００１４】
実際には、プレチャンバブラケットとシリンダヘッドの間に、シリンダの径方向のギャップが存在し、このギャップにより、部品の異なる大きさの熱膨張を考慮することができる。
【００１５】
実装及び構造に対して、好ましくは、プレチャンバブラケット、本体部及びカバー部は、プレチャンバの取り付け方向で前後して配置される。これらの部品の間、及び、プレチャンバブラケットとシリンダヘッドの間には、最も好ましくは、ガスケットリングが配置される。
【００１６】
構造の安定化のために、好ましくは、プレチャンバブラケットと本体部の間の結合表面は、段付きである。
【００１７】
実際には、カバー部は、例えばパイロット燃料用の供給手段、を備える点火手段、及び／又は、スパークプラグを備え、その機械加工性は、材料の選択のために相当に高い。
【００１８】
ノズル部は、好ましくは、熱、酸化、及び／又は腐食に抗する材料、例えばセラミックから形成される。これらのプレチャンバ部品では、セラミックの最善の特性が最も好ましく利用することができる。
【００１９】
特に製造のために、好ましくは、本体部及びロック部は、回転対称の部材である。従って、可変の熱及び腐食条件下での部品片の挙動も一定であり、これは、部品の破損を防止する上で理想的なものとなる。
【００２０】
本発明は、本体部、ノズル部及びプレチャンバブラケットを容易に交換可能な部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】シリンダヘッド及びエンジンのシリンダの上部を主要断面視で示し、それに関連して実装される本発明によるプレチャンバ構造の切欠き視である。
【図２】図１のプレチャンバの部品の拡大図。
【図３】本発明によるプレチャンバ構造の部品の代替実施例の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、添付の概略図面を参照して、本発明の例示による説明を行う。
【００２３】
各図では、参照符合１は、エンジンを指し、エンジンは、シリンダヘッド２と、シリンダスリーブ６及び主燃焼領域７を含む少なくとも１つのシリンダを有する。シリンダのガス交換は、シリンダヘッド２の通路及びそれらに関連したバルブを介して、とりわけ知られた態様で構成される。
【００２４】
図１から分かるように、シリンダヘッド２に関連して、シリンダに接続される別体のプレチャンバ構造が存在し、プレチャンバ構造はプレチャンバ３を有し、プレチャンバ３は、本体部４と、本体部４の一方の側で支えられるカバー部９と、ノズル開口５ａを備え、他方の側で支持されるノズル部５とを含む。プレチャンバ３は、シリンダの主燃焼室７にノズル部のノズル開口５ａを介して接続される。
【００２５】
シリンダヘッド２は、プレチャンバ構造用の対応する中空若しくは空間１４を有し、本体部４及びノズル部５は、別体のプレチャンバブラケット８によりシリンダヘッド２に支持される。プレチャンバ３のシリンダヘッド２への取り付けは、ボルト１０によりカバー部９を介して構成される。カバー部９は、本体部４に別に取り付けられる必要はなく、また、プレチャンバのいずれの他の部品にも取り付けられる必要はなく、むしろ、これらの部品は、前後に対向して配置され若しくは積層して配置され、適切に形成された対向表面により、ボルト１０が締められたとき、それらは、互いに押圧され、図１から分かるように、シリンダヘッド２に押付けられる。カバー部９は、それ自体知られた態様で、いわゆるパイロット燃料用の供給手段１１及びスパークプラグ１２を有する。図１では、概略的に示すように、リーンな、例えば基本燃料のようなガスを吸入路に供給する。点火若しくは圧縮工程自体は、それ自体知られた態様で生じ、それ故に、ここでは詳細に説明しない。
【００２６】
図１から更に分かるように、本体部４の下部は、段付きの携帯であり、プレチャンバのブラケット８の対応する結合部品１３に嵌合されることができる。この目的のため、部品４、８は，同一の材料から製造され、最も好ましくは、スチール若しくは他の高い耐熱性合金から製造され、同一の種の熱膨張を有するようにし、本解決策は全ての解決策で手堅く安定的である。
【００２７】
プレチャンバのブラケット８は、円錐表面８ａを有し、円錐表面８ａは、ノズル部５の第１円錐表面５ｂと協動して機能して、ノズル部５を支持する。これに対応して、本体部４は、円錐表面４ａを有し、円錐表面４ａは、ノズル部５の第２円錐表面５ｃと協動して機能する。結果として、ノズル部８は、本体部４とプレチャンバのブラケット８の間に保持されたままであり、所定位置に確実に留まる。同時に、プレチャンバのブラケット８は、主燃焼領域７に向けてノズル部５の位置を画成する。好ましくは、ノズル部５は、過度の熱及び腐食に耐性を有するセラミック若しくは対応する材料から形成される。本解決策は、プレチャンバ構造の異なる部品が必要に応じて他から外され、従って別々に交換可能となることを可能とする。
【００２８】
図１から分かるように、プレチャンバのブラケット８とシリンダヘッド２の間には、適切なギャップ１５があり、ギャップ１５により、部品の異なる大きさの膨張を考慮することができる。更に、部品間には、取り付け方向でガスケット１６が存在し、ガスケット１６は、好ましくは、銅からなることができる。同様のガスケット１６は、プレチャンバのブラケット８と本体部４の間、本体部４とカバー部９の間に配置されることができる。ノズル部５のノズル開口５ａの数、サイズ及び向きは必要に応じて選択される。
【００２９】
図１の実施例では、プレチャンバのブラケット８は、好ましくは、連続した環状の部材である。これは、図２及び図３からより明確に分かり、図２及び図３は、図１のプレチャンバ構造のプレチャンバ３の部品を拡大視で示す。図２及び図３の実施例は、それらの表面の形態及び大きさが互いに異なり、これにより、プレチャンバのブラケット８及び本体部４上にノズル部５が着座する。図３から分かるように、楔状の構造により生成される円錐表面５ｂ，８ａは、部品５及び８の全体の結合長さに亘って延在する。
【００３０】
本発明は、開示した実施例に限定されず、多くの変形例は添付の特許請求の範囲内で可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
エンジンのシリンダヘッドに適合されるプレチャンバ構造であって、
互いに支持される別体の本体部及びノズル部であって、プレチャンバを実質的に画成する別体の本体部及びノズル部を含み、前記プレチャンバは、シリンダの主燃焼領域に前記ノズル部のノズル開口を介して接続され、
当該プレチャンバ構造は、前記シリンダヘッドと前記プレチャンバとの間に配置された別体のプレチャンバブラケットを更に含み、前記別体のプレチャンバブラケットを介して前記本体部及びノズル部が前記シリンダヘッドに支持される、プレチャンバ構造。
【請求項２】
前記本体部は、別体のカバー部を備え、前記別体のカバー部を介して当該プレチャンバ構造は前記シリンダヘッドに取り付けられる、請求項1に記載のプレチャンバ構造。
【請求項３】
前記ノズル部は、第１円錐表面と第２円錐表面を含み、前記第１円錐表面により前記ノズル部が前記プレチャンバブラケットに支持され、前記第２円錐表面により前記ノズル部が前記本体部に支持され、前記第１及び第２円錐表面は、前記本体部及び前記プレチャンバブラケットが前記ノズル部を所定位置に固定保持された状態で維持するように構成される、請求項1又は２に記載のプレチャンバ構造。
【請求項４】
前記プレチャンバは、前記主燃焼領域に対して反対側から前記シリンダヘッドに実装されるように構成され、前記プレチャンバブラケットは、前記主燃焼領域に向けて前記ノズル部の位置を画成する、請求項1〜３のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項５】
前記プレチャンバブラケットと前記シリンダヘッドの間に、前記シリンダの径方向のギャップが存在する、請求項1〜４のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項６】
前記プレチャンバブラケット、前記本体部及び前記カバー部は、前記プレチャンバの取り付け方向で前後して配置され、これらの部品の間、及び、前記プレチャンバブラケットと前記シリンダヘッドの間には、最も好ましくは、ガスケットリングが配置される、請求項1〜５のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項７】
前記プレチャンバブラケットと前記本体部の間の結合表面は、段付きである、請求項1〜６のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項８】
前記カバー部は、例えばパイロット燃料用の供給手段、を備える点火手段、及び／又は、スパークプラグを備える、請求項２に記載のプレチャンバ構造。
【請求項９】
前記ノズル部は、熱、酸化、及び／又は腐食に抗する材料、例えばセラミックから形成される、請求項1〜８のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項１０】
前記本体部及び前記プレチャンバブラケットは、回転対称の部材であり、同一の材料から製造される、請求項1〜９のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項１１】
前記本体部、前記ノズル部及び前記プレチャンバブラケットは、交換可能な部品である、請求項1〜１０のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項１】
エンジンのシリンダヘッドに適合されるプレチャンバ構造であって、
互いに支持される別体の本体部及びノズル部であって、プレチャンバを実質的に画成する別体の本体部及びノズル部を含み、前記プレチャンバは、シリンダの主燃焼領域に前記ノズル部のノズル開口を介して接続され、
当該プレチャンバ構造は、前記シリンダヘッドと前記プレチャンバとの間に配置された別体のプレチャンバブラケットを更に含み、前記別体のプレチャンバブラケットを介して前記本体部及びノズル部が前記シリンダヘッドに支持される、プレチャンバ構造。
【請求項２】
前記本体部は、別体のカバー部を備え、前記別体のカバー部を介して当該プレチャンバ構造は前記シリンダヘッドに取り付けられる、請求項1に記載のプレチャンバ構造。
【請求項３】
前記ノズル部は、第１円錐表面と第２円錐表面を含み、前記第１円錐表面により前記ノズル部が前記プレチャンバブラケットに支持され、前記第２円錐表面により前記ノズル部が前記本体部に支持され、前記第１及び第２円錐表面は、前記本体部及び前記プレチャンバブラケットが前記ノズル部を所定位置に固定保持された状態で維持するように構成される、請求項1又は２に記載のプレチャンバ構造。
【請求項４】
前記プレチャンバは、前記主燃焼領域に対して反対側から前記シリンダヘッドに実装されるように構成され、前記プレチャンバブラケットは、前記主燃焼領域に向けて前記ノズル部の位置を画成する、請求項1〜３のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項５】
前記プレチャンバブラケットと前記シリンダヘッドの間に、前記シリンダの径方向のギャップが存在する、請求項1〜４のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項６】
前記プレチャンバブラケット、前記本体部及び前記カバー部は、前記プレチャンバの取り付け方向で前後して配置され、これらの部品の間、及び、前記プレチャンバブラケットと前記シリンダヘッドの間には、最も好ましくは、ガスケットリングが配置される、請求項1〜５のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項７】
前記プレチャンバブラケットと前記本体部の間の結合表面は、段付きである、請求項1〜６のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項８】
前記カバー部は、例えばパイロット燃料用の供給手段、を備える点火手段、及び／又は、スパークプラグを備える、請求項２に記載のプレチャンバ構造。
【請求項９】
前記ノズル部は、熱、酸化、及び／又は腐食に抗する材料、例えばセラミックから形成される、請求項1〜８のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項１０】
前記本体部及び前記プレチャンバブラケットは、回転対称の部材であり、同一の材料から製造される、請求項1〜９のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【請求項１１】
前記本体部、前記ノズル部及び前記プレチャンバブラケットは、交換可能な部品である、請求項1〜１０のうちのいずれか1項に記載のプレチャンバ構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公表番号】特表２０１３−５２０６００（Ｐ２０１３−５２０６００Ａ）
【公表日】平成２５年６月６日（２０１３．６．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−５５３３６２（Ｐ２０１２−５５３３６２）
【出願日】平成２３年２月１５日（２０１１．２．１５）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＦＩ２０１１／０５０１４０
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／１０１５４１
【国際公開日】平成２３年８月２５日（２０１１．８．２５）
【出願人】（５０３１２９９０３）ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア (73)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２５年６月６日（２０１３．６．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年２月１５日（２０１１．２．１５）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＦＩ２０１１／０５０１４０
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／１０１５４１
【国際公開日】平成２３年８月２５日（２０１１．８．２５）
【出願人】（５０３１２９９０３）ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア (73)
【Ｆターム（参考）】
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