説明

オイルコントロールバルブ及び油圧制御装置

【課題】スプールの軸線方向端部の内部を容易に形成することのできるオイルコントロールバルブ及び油圧制御装置を提供する。
【解決手段】オイルコントロールバルブ10のスプール17が、棒状のスプール本体17aにおける軸線方向のアクチュエータ21側の端部に、そのスプール本体17aとは別体の取付部材17bを固定することによって形成される。このように形成されるスプール17の場合、スプール本体17aから取付部材17bを分離した状態で、同取付部材17bの内部、言い換えればスプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部に相当する部分を形成することが可能になる。そして、上記取付部材17bの内部を形成した後、同取付部材17bをスプール本体17aの軸線方向の端部に固定することで、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部の形成が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルコントロールバルブ及び油圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、燃費改善や出力向上等を意図して、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブタイミングを可変とするための油圧式のバルブタイミング可変機構が油圧機器として設けられたものが実用化されている。こうした内燃機関では、バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排を通じてカムシャフトの端部に固定された可動部材を動作させ、それによってカムシャフトのクランクシャフトに対する相対回転位相を変更するようにしている。このようにクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更することで、内燃機関において機関バルブのバルブタイミングが可変とされる。
【0003】
上記バルブタイミング可変機構のような油圧機器に対するオイルの給排は、その油圧機器とオイルポンプとを繋ぐ油圧回路を構成する複数の油路を通じて行われる。また、油圧回路における複数の油路の途中には、それら油路による油圧機器に対するオイルの給排態様を変更すべく、アクチュエータにより動作されるオイルコントロールバルブが設けられる。そして、このオイルコントロールバルブをアクチュエータにより動作させて油圧機器に対するオイルの給排態様を変更することで、同油圧機器が油圧に基づいて動作されるようになる。なお、上記オイルコントロールバルブ及び上記アクチュエータは、油圧機器を動作させるべく同機器に作用する油圧を制御する油圧制御装置として機能する。
【0004】
こうした油圧制御装置のオイルコントロールバルブとしては、例えば特許文献1に示されるものを採用することが考えられる。同文献のオイルコントロールバルブは、上記各油路にそれぞれ接続可能な複数のポートを形成したハウジングと、そのハウジング内に収容された棒状のスプールとを備えている。そして、スプールの軸線方向についての位置調節を通じてハウジングの各ポート間の接続状態を切り換えることにより、油圧機器に対するオイルの給排態様が変更される。
【0005】
また、オイルコントロールバルブにおいては、油圧機器からハウジング内に流入したオイルを排出するための排出通路が、スプールの内部に同スプールの軸線方向に延びるように形成されたものが知られている。このようにスプールの内部に排出通路を形成することは、例えば、同通路によるオイルの排出効率向上を意図した通路面積の拡大、及びそれに伴う同通路の形成スペースの確保といった問題に対処するために行われる。なお、オイルコントロールバルブの動作は、例えば、スプールをその軸線方向の端面からのアクチュエータの押圧によって軸線方向に変位させることによって実現される。この場合、スプールの内部に上述したように形成される排出通路に関しては、同スプールの軸線方向の端面にて開口させることができないため、スプールの軸線方向端部における径方向側面にて開口されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−127252公報(段落[0077]〜[0083]、図5〜7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オイルコントロールバルブにおけるスプールの内部に同スプールの軸線方向に延びる排出通路を形成し、その排出通路をスプールの軸線方向端部の径方向側面にて開口させる場合、スプールにおける軸線方向端部の内部構造が複雑になることは避けられない。このため、スプールにおける軸線方向端部の内部の形成に時間や手間がかかり、それに伴って製造コストの増大を招くおそれがある。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スプールの軸線方向端部の内部を容易に形成することのできるオイルコントロールバルブ及び油圧制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明によれば、スプールが棒状のスプール本体の軸線方向端部にそのスプール本体とは別体の取付部材を固定することによって形成されるため、次のように容易にスプールにおける軸線方向端部の内部を形成することができる。すなわち、スプール本体から取付部材を分離した状態で同取付部材の内部、言い換えればスプールにおける軸線方向端部の内部に相当する部分を形成し、その後に同取付部材をスプール本体の軸線方向の端部に固定することで、スプールにおける軸線方向端部の内部の形成が実現される。このように、スプールにおける軸線方向端部の内部に相当する部分である取付部材の内部の形成が、その取付部材をスプール本体から分離した状態で行われるため、上述したスプールにおける軸線方向端部の内部の形成が容易になる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、取付部材がスプール本体よりも耐摩耗性が高くなるよう形成されているため、スプールをその軸線方向の端面からの押圧に基づき軸線方向に変位させる際、その端面が擦られて摩耗することは抑制される。また、取付部材とスプール本体とが別体となっているため、スプールにおける軸線方向端部の耐摩耗性を高くするうえで、取付部材のみ上述したように耐摩耗性が高くなるよう形成することが可能になる。仮に、取付部材とスプール本体とが一体形成されている場合、取付部材とスプール本体とからなるスプール全体を耐摩耗性が高くなるよう形成しなければならない。その結果、製造コストの増大を招くおそれがあるが、こうした製造コストの増大を回避することができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、取付部材に熱処理を施すことにより、同取付部材の耐摩耗性がスプール本体よりも高くされる。ここで、取付部材とスプール本体とが別体となっているため、取付部材をスプール本体から切り離した状態で同取付部材に対し上記熱処理を施すことが可能となる。仮に、取付部材とスプール本体とが一体形成されている場合、取付部材とスプール本体とからなるスプール全体に対し熱処理を施さなければならず、その熱処理を通じてスプール本体に歪みが生じるおそれがある。その結果、スプール(スプール本体)の形成精度が低下するおそれがあるが、こうした形成精度の低下を上記スプール本体と切り離した状態の取付部材への熱処理によって回避することができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、取付部材は板状の素材をプレス加工することで形成されるため、その取付部材の形成が容易になる。このように形成された取付部材の内部には、同取付部材をスプール本体に固定したときに排出通路をスプールの軸線方向端部の径方向側面にて開口させるものとして機能する連通部が形成される。従って、こうした連通部を備える取付部材を簡単に形成することができる。
【0013】
請求項5記載の発明によれば、スプールが棒状のスプール本体の軸線方向端部にそのスプール本体とは別体の取付部材を固定することによって形成されるため、次のように容易にスプールにおける軸線方向端部の内部を形成することができる。すなわち、スプール本体から取付部材を分離した状態で同取付部材の内部、言い換えればスプールにおける軸線方向端部の内部に相当する部分を形成し、その後に同取付部材をスプール本体の軸線方向の端部に固定することで、スプールにおける軸線方向端部の内部の形成が実現される。このように、スプールにおける軸線方向端部の内部に相当する部分である取付部材の内部の形成が、その取付部材をスプール本体から分離した状態で行われるため、上述したスプールにおける軸線方向端部の内部の形成が容易になる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、取付部材がスプール本体よりも耐摩耗性が高くなるよう形成されているため、スプールをその軸線方向の端面からのアクチュエータによる押圧に基づき軸線方向に変位させる際、その端面がアクチュエータに対して擦られて摩耗することは抑制される。また、取付部材とスプール本体とが別体となっているため、スプールにおける軸線方向端部の耐摩耗性を高くするうえで、取付部材のみ上述したように耐摩耗性が高くなるよう形成することが可能になる。仮に、取付部材とスプール本体とが一体形成されている場合、取付部材とスプール本体とからなるスプール全体を耐摩耗性が高くなるよう形成しなければならない。その結果、製造コストの増大を招くおそれがあるが、こうした製造コストの増大を回避することができる。
【0015】
請求項7記載の発明によれば、取付部材に熱処理を施すことにより、同取付部材の耐摩耗性がスプール本体よりも高くされる。ここで、取付部材とスプール本体とが別体となっているため、取付部材をスプール本体から切り離した状態で同取付部材に対し上記熱処理を施すことが可能となる。仮に、取付部材とスプール本体とが一体形成されている場合、取付部材とスプール本体とからなるスプール全体に対し熱処理を施さなければならず、その熱処理を通じてスプール本体に歪みが生じるおそれがある。その結果、スプール(スプール本体)の形成精度が低下するおそれがあるが、こうした形成精度の低下を上記スプール本体と切り離した状態の取付部材への熱処理によって回避することができる。
【0016】
請求項8記載の発明によれば、取付部材は板状の素材をプレス加工することで形成されるため、その取付部材の形成が容易になる。このように形成された取付部材の内部には、同取付部材をスプール本体に固定したときに排出通路をスプールの軸線方向端部の径方向側面にて開口させるものとして機能する連通部が形成される。従って、こうした連通部を備える取付部材を簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態のバルブタイミング可変機構、及び、同機構を動作させる油圧回路を示す略図。
【図2】バルブタイミング可変機構における可動部材の固定態様を示す断面図。
【図3】(a)は取付部材を形成するための素材を示す平面図、(b)は取付部材を長さ調整部側から見た正面図、(c)は(b)の取付部材を矢印A−A方向から見た断面図。
【図4】上記取付部材を示す斜視図。
【図5】同取付部材のスプール本体に対する固定態様を示す断面図。
【図6】同取付部材のスプール本体に対する固定態様を示す斜視図。
【図7】(a)は第2実施形態の取付部材を形成するための素材を示す平面図、(b)は取付部材を長さ調整部側から見た正面図、(c)は(b)の取付部材を矢印B−B方向から見た断面図。
【図8】上記取付部材を示す斜視図。
【図9】同取付部材のスプール本体に対する固定態様を示す断面図。
【図10】同取付部材のスプール本体に対する固定態様を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用エンジンのバルブタイミング可変機構に作用する油圧を制御する油圧制御装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
【0019】
図1に示されるように、バルブタイミング可変機構1は、内燃機関のカムシャフト2(例えば吸気カムシャフト)に対しボルトにより固定された可動部材3と、カムシャフト2と同一軸線上に上記可動部材3を囲むように設けられて内燃機関のクランクシャフトの回転が伝達されるケース4とを備えている。このケース4の内周面には、カムシャフト2の軸線に向かって突出する突部5が周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、可動部材3には、カムシャフト2の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン6がそれぞれ上記各突部5の間に位置するように形成されている。これにより、ケース4内における各突部5の間に位置する部分が、ベーン6により進角側油圧室7と遅角側油圧室8とに区画されている。
【0020】
そして、進角側油圧室7にオイルを供給するとともに遅角側油圧室8からオイルを排出すると、可動部材3がケース4に対し図中の右回転方向に相対回転してカムシャフト2のクランクシャフトに対する相対回転位相が進角側に変化し、それによって内燃機関の機関バルブ(この例では吸気バルブ)のバルブタイミングが進角側に変化する。また、遅角側油圧室8にオイルを供給するとともに進角側油圧室7からオイルを排出すると、可動部材3がケース4に対し図中左回転方向に相対回転してカムシャフト2のクランクシャフトに対する相対回転位相が遅角側に変化し、それによって内燃機関の機関バルブのバルブタイミングが遅角側に変化する。
【0021】
上記バルブタイミング可変機構1に対するオイルの給排は、そのバルブタイミング可変機構1とオイルポンプ9とを繋ぐ油圧回路を構成する複数の油路を通じて行われる。また、上記油圧回路においては、バルブタイミング可変機構1に対するオイルの給排態様を変更すべく、アクチュエータ21により動作されるオイルコントロールバルブ10が設けられている。そして、このオイルコントロールバルブ10をアクチュエータ21により動作させてバルブタイミング可変機構1に対するオイルの給排態様を変更することで、同バルブタイミング可変機構1が油圧に基づき上述したように動作される。なお、上記オイルコントロールバルブ10及び上記アクチュエータ21は、バルブタイミング可変機構1を動作させるべく同機構1に作用する油圧を制御する油圧制御装置として機能する。
【0022】
上記オイルコントロールバルブ10は、オイルポンプ9に対し供給油路11を介して接続されるとともに、そのオイルポンプ9により汲み上げられるオイルを貯留するためのオイルパン12に対し排出油路13を介して接続されている。また、オイルコントロールバルブ10は、バルブタイミング可変機構1の進角側油圧室7に対し進角側油路14を介して接続されるとともに、同機構1の遅角側油圧室8に対し遅角側油路15を介して接続されている。上記オイルコントロールバルブ10は、上記油路11,13,14,15にそれぞれ接続可能なポート18,19,22,23を形成したハウジング16と、そのハウジング16内に収容された棒状のスプール17とを備えている。そして、スプール17に対するその軸線方向の端面からの押圧に基づき同スプール17を軸線方向に変位させ、その変位を通じてハウジング16のポート18,19,22,23間の接続状態を切り換えることにより、バルブタイミング可変機構1に対するオイルの給排態様が変更される。
【0023】
スプール17の軸線方向についての移動は、ハウジング16内に設けられて同スプール17を軸線方向に付勢することの可能なコイルスプリング20と、そのコイルスプリング20の付勢力に抗してスプール17を押圧する上記アクチュエータ21とによって実現される。このアクチュエータ21は、スプール17の軸線方向の端面(この例では図中左端の端面)から、同スプール17を上記コイルスプリング20の付勢力に抗して押圧するものとなっている。そして、アクチュエータ21のスプール17に対する押圧力を調整すると、その押圧力とコイルスプリング20の付勢力とが釣り合うようスプール17が軸線方向に移動し、それによってスプール17の軸線方向についての位置が調整される。そして、スプール17をその軸線方向における任意の位置に移動させることで、そのスプール17によってハウジング16に形成された各ポート18,19,22,23間の接続状態が切り換えられる。
【0024】
具体的には、例えば、供給油路11に繋がるポート22と進角側油路14に繋がるポート18とが接続されるとともに、排出油路13に繋がるポート23と遅角側油路15に繋がるポート19とが接続されるよう、スプール17の軸線方向についての位置が調節される。この場合、バルブタイミング可変機構1において、進角側油圧室7にオイルが供給されるとともに遅角側油圧室8からオイルが排出される。その結果、同機構1の可動部材3がケース4に対し図中右回転方向に相対回転して内燃機関のバルブタイミングが進角側に変化する。また、供給油路11に繋がるポート22と遅角側油路15に繋がるポート19とが接続されるとともに、排出油路13に繋がるポート23と進角側油路14に繋がるポート18とが接続されるよう、スプール17の軸線方向についての位置が調節される場合もある。この場合、バルブタイミング可変機構1の遅角側油圧室8にオイルが供給されるとともに進角側油圧室7からオイルが排出される。その結果、同機構1の可動部材3がケース4に対し図中左回転方向に相対回転して内燃機関のバルブタイミングが遅角側に変化する。
【0025】
なお、オイルコントロールバルブ10においては、バルブタイミング可変機構1からハウジング16内に流入したオイルを排出するための排出通路28が、スプール17の内部に同スプール17の軸線方向に延びるように形成されている。こうした排出通路28の形成は、同通路28によるオイルの排出効率向上を意図した通路面積の拡大、及びそれに伴う同通路28の形成スペースの確保といった問題に対処するために行われている。スプール17においては、その軸線方向のアクチュエータ21側の端面にて同アクチュエータ21による押圧が行われるため、スプール17の内部に形成された上記排出通路28を上記端面では開口させることができない。このため、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部では、スプール17の内部の排出通路28が上記端部における径方向側面にて開口される。
【0026】
また、スプール17においては、その軸線方向についての位置調節を通じて上述した各ポート18,19,22,23間の接続状態の切り換えを行うことができるよう、同スプール17の外周面に周方向全体に亘って延びる油溝31,32,33が形成されている。更に、スプール17の軸線方向中央付近には、バルブタイミング可変機構1から排出されてハウジング16内に流れ込んだオイルをスプール17の排出通路28に流すための穴34が、同スプール17の径方向に延びるように形成されている。
【0027】
ところで、バルブタイミング可変機構1においては、同機構1を作動させる際の応答性を向上させることや、油圧回路の油路における同機構1とオイルコントロールバルブ10との間の部分(進角側油路14、遅角側油路15)からのオイル漏れを抑制することが要求されている。こうした要求に応えるためには、油圧回路の上記油路におけるオイルコントロールバルブ10とバルブタイミング可変機構1との間の部分の長さを短くすることが望ましい。そして、上記の部分を短くするための具体的な手法として、本実施形態では上記オイルコントロールバルブ10を、バルブタイミング可変機構1の可動部材3をカムシャフト2に固定するためのボルトとしての機能を併せ持つボルト一体型オイルコントロールバルブとしている。
【0028】
次に、上記ボルト一体型オイルコントロールバルブとして機能するオイルコントロールバルブ10を用いた可動部材3のカムシャフト2への固定について、図2を参照して詳しく説明する。
【0029】
同図に示されるように、オイルコントロールバルブ10のハウジング16において、その一端側(図中右側)にはカムシャフト2の端部にねじ締結されるボルト部16aが形成されている。また、ハウジング16において、その他端側(図中左側)にはボルト部16aがカムシャフト2の端部にねじ締結されたときに同カムシャフト2の端面との間に可動部材3を挟み込んで固定するフランジ部16cが形成されている。
【0030】
オイルコントロールバルブ10のボルト部16aがカムシャフト2の端部にねじ締結された状態にあって、そのカムシャフト2の端面とオイルコントロールバルブ10のフランジ部16cとの間に挟み込まれる上記可動部材3は、フロントブッシュ24、ロータ3a、リヤブッシュ25、及び支持体26を備えている。可動部材3のロータ3aには、上述したベーン6が形成されている。このロータ3aとフランジ部16cとの間にはフロントブッシュ24が設けられるとともに、同ロータ3aとカムシャフト2の端面との間にはリヤブッシュ25及び支持体26が設けられている。そして、上記可動部材3がオイルコントロールバルブ10のボルト部16aがカムシャフト2の端部にねじ締結されたとき、上記ロータ3a、フロントブッシュ24、リヤブッシュ25、及び支持体26は、カムシャフト2に対し一体回転可能に固定されるとともに、カムシャフト2の軸線方向について固定される。
【0031】
上記支持体26は、内燃機関のクランクシャフトからの回転伝達を受けるスプロケット27をカムシャフト2に対し相対回転できるよう支持している。また、上記スプロケット27にはバルブタイミング可変機構1のケース4が固定されている。そして、内燃機関のクランクシャフトの回転がスプロケット27に伝達されると、同スプロケット27及びケース4がカムシャフト2の軸線を中心に回転する。こうしたスプロケット27及びケース4の回転は、そのケース4内のオイルを介して可動部材3に伝達され、その後にカムシャフト2に伝達されるようになる。従って、バルブタイミング可変機構1の可動部材3をケース4に対し相対回転させると、クランクシャフトに対するカムシャフト2の相対回転位相が変化し、その変化に対応して内燃機関のバルブタイミングが変化する。
【0032】
上記オイルコントロールバルブ10とアクチュエータ21とを備える油圧制御装置において、オイルコントロールバルブ10は内燃機関のカムシャフト2に固定されて同カムシャフト2と一体回転することから、同オイルコントロールバルブ10のスプール17もカムシャフト2と一体回転する。一方、スプール17は、カムシャフト2の外部に設けられた状態で、上記オイルコントロールバルブ10におけるスプール17の軸線方向の端面に接触することとなる。従って、内燃機関の運転時には、カムシャフト2に伴ってオイルコントロールバルブ10のスプール17が回転するとき、その回転するスプール17の軸線方向の端面がアクチュエータ21に対し擦られた状態となる。
【0033】
次に、オイルコントロールバルブ10におけるスプール17の詳細な構造について説明する。
スプール17においては、その内部に軸線方向に延びる上記排出通路28が形成されるとともに、同通路28がスプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の径方向側面にて開口している。この場合、上記排出通路28のアクチュエータ21側の開口付近にて同通路28の延びる方向がスプール17の軸線方向から径方向に屈曲するなど、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部構造が複雑になることは避けられない。このため、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部の形成に時間や手間がかかり、それに伴って製造コストの増大を招くおそれがある。
【0034】
こうした問題に対処するため、本実施形態のスプール17は、棒状のスプール本体17aにおける軸線方向のアクチュエータ21側の端部に、そのスプール本体17aとは別体の取付部材17bを固定することによって形成されている。なお、この取付部材17bは、スプール本体17aよりも耐摩耗性が高くなるよう形成されている。具体的には、取付部材17bをスプール本体17aよりも耐摩耗性の高い材料で形成したり、取付部材17bに対し熱処理を施してスプール本体17aよりも耐摩耗性を高くしたりすることが考えられる。
【0035】
上記のように形成されるスプール17の場合、スプール本体17aから取付部材17bを分離した状態で、同取付部材17bの内部、言い換えればスプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部に相当する部分を形成することが可能になる。そして、上記取付部材17bの内部を形成した後、同取付部材17bをスプール本体17aの軸線方向の端部に固定することで、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部の形成が実現される。このように、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部に相当する部分である取付部材17bの内部の形成が、その取付部材17bをスプール本体17aから分離した状態で行われるようにすれば、上述したスプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部の形成が容易になる。
【0036】
取付部材17bの形成及びスプール本体17aに対する固定に関しては、より具体的には、例えば次の[1]〜[4]に示される手順により行われる。
[1]金属からなる板材に対する打ち抜き加工により、図3(a)に示される形状を有する板状の素材35を形成する。この素材35は、円板状の中央部35aと、その中央部35aの周方向に互いに等間隔をおいて同中央部35aから放射状に延びる合計三つの胴体部35bと、それら胴体部35bの先端にそれぞれ形成された長さ調整部35cとを備えている。なお、上記長さ調整部35cとしては、素材35を打ち抜き加工したときに生じるバリを用いることが可能である。
【0037】
[2]上記素材35における中央部35aと胴体部35bとの境界(図3(a)の破線)で谷折りとなるように、言い換えれば各胴体部35bが中央部35aに対し起立した状態となるように、各胴体部35bをプレス加工により中央部35aに対し屈曲させることで、図3(b)、図3(c)、及び図4に示されるように取付部材17bを形成する。このように形成された取付部材17bの内部には、同取付部材17bをスプール本体17a(図2)に固定したときに排出通路28をスプール17の軸線方向端部の径方向側面にて開口させるものとして機能する連通部36(図3(b)、図3(c)、図4)が形成される。
【0038】
[3]取付部材17bの耐摩耗性、特にアクチュエータ21(図2)と接触する予定の中央部35aの耐摩耗性を高めるため、取付部材17b全体に熱処理を施す。これにより、取付部材17bの耐摩耗性がスプール本体17a(図2)よりも高くされる。なお、取付部材17b(素材35)をスプール本体17aよりも耐摩耗性の高い材料で形成する場合には、取付部材17bに対する上述した熱処理を省略してもよい。
【0039】
[4]上記取付部材17bにおける長さ調整部35c側を、図5に示されるスプール本体17aにおける軸線方向の端面、詳しくは図中の左側の端面であってアクチュエータ21(図2)側の端面と向かい合わせる。このスプール本体17aにおける取付部材17b側の端部には、同取付部材17b側に開口するとともに、スプール本体17a内における排出通路28の一部となる部分よりも大きい内径を有する嵌合部37が形成されている。そして、上記取付部材17bにおける長さ調整部35c側の部分をスプール本体17aの嵌合部37の内周面に圧入することにより、取付部材17bがスプール本体17aに対し固定される。なお、取付部材17bにおけるスプール本体17aの軸線方向についての固定位置、言い換えればスプール17の軸線方向長さに関しては、取付部材17bをスプール本体17aの嵌合部37に圧入する際における同取付部材17bの長さ調整部35cの座屈により調整することが可能である。
【0040】
上述したように取付部材17bをスプール本体17aに固定することで形成されたスプール17(図6)は、図2に示される状態で使用されることとなる。すなわち、スプール17は、オイルコントロールバルブ10を構成する部品としてカムシャフト2と一体回転しつつ、同カムシャフト2の外部に設けられたアクチュエータ21からの押圧を取付部材17b側の端部で受けることとなる。従って、スプール17においては、その軸線方向の取付部材17b側の端部(取付部材17bの中央部35a)がアクチュエータ21と接触し、そのことから取付部材17bの中央部35aがカムシャフト2の回転に伴って同アクチュエータ21に対し擦られた状態となる。
【0041】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)オイルコントロールバルブ10のスプール17が、棒状のスプール本体17aにおける軸線方向のアクチュエータ21側の端部に、そのスプール本体17aとは別体の取付部材17bを固定することによって形成される。このように形成されるスプール17の場合、スプール本体17aから取付部材17bを分離した状態で、同取付部材17bの内部、言い換えればスプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部に相当する部分を形成することが可能になる。そして、上記取付部材17bの内部を形成した後、同取付部材17bをスプール本体17aの軸線方向の端部に固定することで、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部の形成が実現される。このように、スプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部に相当する部分である取付部材17bの内部の形成が、その取付部材17bをスプール本体17aから分離した状態で行われるようにすることで、上述したようにスプール17における軸線方向のアクチュエータ21側の端部の内部の形成が容易になる。
【0042】
(2)取付部材17bは、耐摩耗性が高くなるよう熱処理を施すことで、スプール本体17aよりも耐摩耗性が高くなるよう形成されているため、スプール17をその軸線方向の端面からのアクチュエータ21による押圧に基づき軸線方向に変位させる際、その端面がアクチュエータ21との間で擦られて摩耗することは抑制される。また、取付部材17bとスプール本体17aとが別体となっているため、スプール17における軸線方向端部の耐摩耗性を高くするうえで、取付部材17bのみ上述したように耐摩耗性が高くなるよう形成することが可能になる。仮に、取付部材17bとスプール本体17aとが一体形成されている場合、取付部材17bとスプール本体17aとからなるスプール17全体を耐摩耗性が高くなるよう形成しなければならない。その結果、製造コストの増大を招くおそれがあるが、こうした製造コストの増大を回避することができる。
【0043】
(3)取付部材17bの耐摩耗性をスプール本体17aよりも高くするために同取付部材17bに熱処理を施す際、それをスプール本体17aから切り離した状態で同取付部材17bに対し施すことが可能となる。仮に、取付部材17bとスプール本体17aとが一体形成されている場合、スプール17全体に対し熱処理を施さなければならず、その熱処理を通じてスプール本体17aに歪みが生じるおそれがある。その結果、スプール17(スプール本体17a)の形成精度が低下し、ひいてはスプール17における油溝31,32,33,及び穴34の同スプール17の軸線方向についての形成位置が不適切となって、オイルコントロールバルブ10の動作によるバルブタイミング可変機構1に対するオイルの給排が適切に行われなくなるおそれがある。こうしたスプール17の形成精度の低下に伴う問題を、上記スプール本体17aと切り離した状態の取付部材17bへの熱処理によって回避することができる。
【0044】
(4)取付部材17bは板状の素材35をプレス加工することで形成されるため、その取付部材17bの形成が容易になる。更に、このように形成された取付部材17bの内部には、同取付部材17bをスプール本体17aに固定したときに排出通路28をスプール17の軸線方向端部の径方向側面にて開口させるものとして機能する連通部36が形成される。従って、こうした連通部36を備える取付部材17bを簡単に形成することができる。
【0045】
(5)取付部材17bをスプール本体17aに圧入して固定する際、同取付部材17bの長さ調整部35cの座屈によりスプール17の軸線方向長さを調整することができるため、その軸線方向長さを精度よく適正な値に調整することができる。また、上記長さ調整部35cに関しては、取付部材17bを形成するための素材35を打ち抜き加工したときに生じるバリが用いられる。このため、上記長さ調整部35cの形成が容易になる。
【0046】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図7〜図10に基づき説明する。
この実施形態は、取付部材17bの形状が第1実施形態と異なっている。図7(a)は、本実施形態の取付部材17bを形成するための素材38を示している。この素材38は、第1実施形態と同様、金属の板材を打ち抜き加工することによって形成されるとともに、中央部38a及び胴体部38bを備えている。ただし、素材38においては、第1実施形態と異なり、各胴体部38bの先端部分がリング部39によって繋がっており、且つリング部39の外縁が長さ調整部38cとなっている。
【0047】
そして、上記素材38をプレス機械の上金型と下金型との間に配置してプレス加工を行うことにより、図7(b)、図7(c)、及び図8に示される取付部材17bが形成される。この取付部材17bにおいては、長さ調整部38c寄りの部分上記リング部39によって円環状に形成される。このため、取付部材17bが図9及び図10に示されるようにスプール本体17aに固定される際、取付部材17bにおけるリング部39の外周面全周がスプール本体17aの嵌合部37の内周面全周に亘って圧入されることとなる。
【0048】
この実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(5)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)取付部材17bにおけるリング部39の外周面全周をスプール本体17aの嵌合部37の内周面全周に亘って圧入することで、同取付部材17bがスプール本体17aに固定されるため、その固定がより一層確実に行われるようになる。
【0049】
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・取付部材17b(素材35,38)の長さ調整部35c,38cは、素材35,38の打ち抜き加工時のバリを用いるのではなく、スプール17の長さ調整用(取付部材17の固定位置調整用)の部分として専用のものを素材35,38に形成してもよい。
【0050】
・取付部材17bを素材35,38のプレス加工を通じて形成したが、これに代えて鋳造や鍛造により形成したり、素材の切削加工により形成したりしてもよい。
・取付部材17bの耐摩耗性を高める方法として、同取付部材17bを耐摩耗性の高い材料で形成したり熱処理を施したりすること以外に、同取付部材17bに耐摩耗性を高めるためのコーティングを施すという方法を採用することもできる。
【0051】
・取付部材17bの耐摩耗性については必ずしもスプール本体17aよりも高める必要はない。
・取付部材17bのスプール本体17aへの固定を圧入により実現したが、これに代えてかしめなど他の方法を用いることも可能である。
【0052】
・取付部材17bをスプール本体17aに対し取り外し可能に固定してもよい。ここで、油圧制御装置において、オイルコントロールバルブ10は内燃機関のカムシャフト2に固定されて同カムシャフト2と一体回転する。一方、油圧制御装置において、アクチュエータ21はカムシャフト2の外部に設けられた状態で上記オイルコントロールバルブ10におけるスプール17の軸線方向の端面、詳しくはスプール17における取付部材17bにより形成される部分の端面に接触する。従って、内燃機関の運転時には、カムシャフト2に伴ってオイルコントロールバルブ10のスプール17が回転するとき、その回転するスプール17の軸線方向の端面がアクチュエータ21に対し擦られた状態となり、それによってスプール17の軸線方向の端面が摩耗しやすくなる。仮に、このようにスプール17の軸線方向端面が摩耗したとしても、その軸線方向端面に対応した部分である取付部材17bがスプール本体17aに対し上述したように取り外し可能に固定されていれば、同取付部材17bを簡単に新しいものに取り替えることができる。
【0053】
・オイルコントロールバルブ10としては、バルブタイミング可変機構1の可動部材3をカムシャフト2に固定する機能も有するボルト一体型のものを例示したが、そうした機能を持たないオイルコントロールバルブに本発明を適用してもよい。この場合、オイルコントロールバルブはカムシャフト2の外部に設けられる。
【0054】
・バルブタイミング可変機構1以外の油圧機器に対するオイルの給排態様を変更するオイルコントロールバルブ及び油圧制御装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…バルブタイミング可変機構、2…カムシャフト、3…可動部材、3a…ロータ、4…ケース、5…突部、6…ベーン、7…進角側油圧室、8…遅角側油圧室、9…オイルポンプ、10…オイルコントロールバルブ、11…供給油路、12…オイルパン、13…排出油路、14…進角側油路、15…遅角側油路、16…ハウジング、16a…ボルト部、16c…フランジ部、17…スプール、17a…スプール本体、17b…取付部材、18…ポート、19…ポート、20…コイルスプリング、21…アクチュエータ、22…ポート、23…ポート、24…フロントブッシュ、25…リヤブッシュ、26…支持体、27…スプロケット、28…排出通路、31〜33…油溝、34…穴、35…素材、35a…中央部、35b…胴体部、35c…長さ調整部、36…連通部、37…嵌合部、38…素材、38a…中央部、38b…胴体部、38c…長さ調整部、39…リング部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧機器に対しオイルを給排するための油路に接続可能なハウジングと、そのハウジング内での変位により前記油圧機器に対するオイルの給排態様を変更する棒状のスプールとを備え、そのスプールの内部には、前記油圧機器から前記ハウジング内に流れ込んだオイルを排出するための排出通路が、同スプールの軸線方向に延びるように、且つ同スプールの軸線方向端部の径方向側面で開口するように形成されているオイルコントロールバルブにおいて、
前記スプールは、棒状のスプール本体の軸線方向端部に、そのスプール本体とは別体の取付部材を固定することによって形成されることを特徴とするオイルコントロールバルブ。
【請求項2】
前記取付部材は、前記スプール本体よりも耐摩耗性が高くなるよう形成されている請求項1記載のオイルコントロールバルブ。
【請求項3】
前記取付部材は、前記スプール本体よりも耐摩耗性が高くなるよう熱処理が施されている請求項2記載のオイルコントロールバルブ。
【請求項4】
前記取付部材は板状の素材をプレス加工することで内部に連通部が形成されるものであり、その連通部は前記取付部材を前記スプール本体に固定したときに前記排出通路を前記スプールの軸線方向端部の径方向側面にて開口させるものとして機能する請求項1記載のオイルコントロールバルブ。
【請求項5】
内燃機関におけるカムシャフトの端部に固定されて油圧機器に対するオイルの給排態様を変更するオイルコントロールバルブと、そのオイルコントロールバルブを動作させるべく前記カムシャフトの外部に設けられたアクチュエータとを備え、前記オイルコントロールバルブは、ハウジング内に収容された棒状のスプールをその軸線方向の端面からの前記アクチュエータによる押圧に基づき前記軸線方向に変位させることで動作するものであり、前記スプールの内部には前記油圧機器から前記ハウジング内に流れ込んだオイルを排出するための排出通路が同スプールの軸線方向に延びるように、且つ同スプールの軸線方向端部の径方向側面で開口するように形成されている油圧制御装置において、
前記オイルコントロールバルブのスプールは、棒状のスプール本体における軸線方向の前記アクチュエータ側の端部に、そのスプール本体とは別体の取付部材を固定することによって形成されることを特徴とするオイルコントロールバルブ。
【請求項6】
前記取付部材は、前記スプール本体よりも耐摩耗性が高くなるよう形成されている請求項5記載の油圧制御装置。
【請求項7】
前記取付部材は、前記スプール本体よりも耐摩耗性が高くなるよう熱処理が施されている請求項6記載の油圧制御装置。
【請求項8】
前記取付部材は板状の素材をプレス加工することで内部に連通部が形成されるものであり、その連通部は前記取付部材を前記スプール本体に固定したときに前記排出通路を前記スプールの軸線方向端部の径方向側面にて開口させるものとして機能する請求項5記載の油圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−47228(P2012−47228A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188500(P2010−188500)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】