説明

オープニングトリムウエザストリップ

【課題】確実に内装部材の先端をカバーするオープニングトリムウエザストリップを提供する。
【解決手段】オープニングトリムウエザストリップ10は、取付基部20と、中空シール部30を有する。車内側側壁22の外面に、内装部材50の先端部をカバーする内装リップ40を形成し、内装リップは、車内側側壁の外面から車内側側壁に対して直角方向に一体的に所定長さ延設された肉厚の根元部41と、根元部の先端に形成された屈曲部44と、屈曲部から車内方向に斜めに延設した中央部42と、中央部から車内側側壁の外面に向けて屈曲して形成された先端部43とから形成される。中央部42は、屈曲部44から先端にいくにつれて徐々に肉厚を減少する。中央部42と根元部41はソリッド材で形成し、根元部と中央部の表皮部46、47及び先端部43はスポンジ材で形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車開口部開閉部材を開閉する車体開口部開閉部材と車体開口部周縁との間をシールする自動車用のオープニングトリムウエザストリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の開口部開閉部材と車体開口部周縁との間のシールは、図5に示すように、車体開口部周縁6のフランジ7に取付けられるオープニングトリムウエザストリップ110とによりなされる。
なお、図1に示すように、フランジ7は、車体開口部周縁6を規定しているアウターパネル9の先端と車内側のインナーパネル8の先端等とによって形成されている。
【0003】
自動車の車体の車体開口部周縁に取付けられるオープニングトリムウエザストリップ110は、押出成形により成形され、図5に示すように、トリム部120と、中空シール部130から構成されている。
トリム部120は、車外側側壁121、車内側側壁122及び、底壁123から形成され、車体開口部周縁6に形成されたフランジ7を把持して、オープニングトリムウエザストリップ110を車体開口部の全周に亘り保持する。トリム部120は、ソリッド材又は微発泡材で形成され、内部にインサート部材が埋設され、内面にはフランジ7を保持する車外側保持リップ124と車内側保持リップ125が形成され、フランジ7を保持している。
【0004】
中空シール部130は、トリム部120の底壁123の車外側面に一体的に形成され、開口部開閉部材であるバックドアが閉じられたときに、バックドアの外周に当接して、バックドアと車体開口部周縁6との間をシールしている。中空シール部130は、ドアフレーム2の凹凸や曲面等の形状に合わせて柔軟に当接し、確実にシールするようにスポンジ材で形成されている。
【0005】
このオープニングトリムウエザストリップ110は、フランジ7に取付けられたときに、車内の内装部品であるガーニッシュ150等の先端と当接し、ガーニッシュ150等とトリム部120との間をシールする中空状の衝合部126が形成されているものがある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、中空状の衝合部126では、変形の自由度が少なく、重量も増加し、スペースも必要であった。
【0006】
また、図6に示すように、ドアガラス5に当接してシールするルーフウエザストリップ210において、車内側側壁222の先端に内装リップ240を形成し、ガーニッシュ250等の先端を当接させて、ガーニッシュ250等とルーフウエザストリップ210との間をカバーして、シールするものがある(例えば、特許文献2及び3参照。)。しかしながら、ガーニッシュ250等の寸法のバラツキや組付け時のバラツキにより、内装リップ240とガーニッシュ250等の間に隙間や皺が生じて、美観上も好ましくなく、シール性も低下していた。
【0007】
さらに、図7に示すように、オープニングウエザストリップ310に中空シール部330とトリム部320を設け、そのトリム部320の車内側側壁322の外面にガーニッシュ350等の内装部材に当接するスポンジ材の内装リップ340を形成し、ガーニッシュ350等の先端をカバーするものもある。この場合には、ガーニッシュ350等の寸法のバラツキや、組付け時のバラツキがあっても、確実にガーニッシュ350等の先端をカバーするためには、内装リップ340を長く形成する必要があった。
【0008】
しかしながら、ガーニッシュ350等の先端を確実にカバーするように内装リップ340を充分長く形成すると、オープニングウエザストリップ310を車体開口部周縁6のコーナー部に取付けた場合には、内装リップ340が波打つように皺が寄り、美観上も好ましくなく、シール性も低下していた。そのため、内装リップ340に屈曲部341を設けて、皺を防止するものがある(例えば、特許文献4参照。)。この場合では、スポンジ材のため、剛性が低く必ずしも充分な皺防止ができなかった。
【0009】
さらに、図8に示すように、オープニングウエザストリップ410に中空シール部430とトリム部420を設け、そのトリム部420の車内側側壁422の外面にガーニッシュ450等の内装部材に当接する内装リップ440を形成し、ガーニッシュ450等の先端をカバーするものもある。この内装リップ440はソリッド部441とスポンジ部442から構成され、ソリッド部441が大きく内装リップ440の先端付近まで形成されている(例えば、特許文献5参照。)。
この場合には、内装リップ440の剛性が大きく、ガーニッシュ350等の寸法のバラツキや、組付け時のバラツキにより、ガーニッシュ350等の先端を確実にカバーすることが不充分であった。
【0010】
【特許文献1】特開平5−238328号公報
【特許文献2】特開2000−280835号公報
【特許文献3】実開平5−89055号公報
【特許文献4】実開平6−69013号公報
【特許文献5】特開平10−329623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、本発明は、オープニングトリムウエザストリップを車体開口部周縁に取付けても、内装部材の先端がばらついても、確実に内装部材の先端をカバーするオープニングトリムウエザストリップを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車の開口部開閉部材と自動車の車体開口部周縁との間をシールするオープニングトリムウエザストリップにおいて、
オープニングトリムウエザストリップは、車体開口部周縁に設けられているフランジに取付けられる取付基部と、取付基部に一体的に設けられ開口部開閉部材に当接して開口部開閉部材と車体開口部周縁との間をシールする中空シール部を有し、
取付基部は、断面略U字形で、車外側側壁、車内側側壁及び底壁を有し、
車内側側壁の外面に、車内に取付けられた内装部材の先端部をカバーする内装リップを形成し、内装リップは、車内側側壁の外面から車内側側壁に対して直角方向に一体的に所定長さ延設された肉厚の根元部と、根元部の先端に形成された屈曲部と、屈曲部から車内方向に斜めに延設した中央部と、中央部から車内側側壁の外面に向けて屈曲して形成された先端部とから形成され、
根元部の内面は平面状に形成され、中央部は、屈曲部から先端にいくにつれて徐々に肉厚を減少し、
中央部と根元部はソリッド材で形成し、根元部と中央部の表皮部及び先端部はスポンジ材で形成したことを特徴とする自動車用オープニングトリムウエザストリップである。
【0013】
請求項1の本発明では、オープニングトリムウエザストリップは、車体開口部周縁に設けられているフランジに取付けられる取付基部と、取付基部に一体的に設けられ開口部開閉部材に当接して開口部開閉部材と車体開口部周縁との間をシールする中空シール部を有している。このため、取付基部が車体開口部周縁に取付けられ固定すると、中空シール部が確実に開口部開閉部材に当接して車体開口部周縁と開口部開閉部材の間をシールすることができる。
【0014】
取付基部は、断面略U字形で、車外側側壁、車内側側壁及び底壁を有しているため、断面略U字形の内部にフランジを挿入して、車外側側壁と車内側側壁のそれぞれの内部に形成した保持リップでフランジを挟持して確実にオープニングトリムウエザストリップを保持することができる。
【0015】
車内側側壁の外面に車内に取付けられた内装部材の先端部をカバーする内装リップを形成したため、内装部材の先端部とオープニングトリムウエザストリップの車内側側壁との間の隙間をカバーして、車内側からの見栄えを向上して、シール性も確保することができる。
【0016】
内装リップは、車内側側壁の外面から車内側側壁に対して直角方向に一体的に所定長さ延設された肉厚の根元部を有しているため、内装リップと車内側側壁とで形成する空間部を大きく形成することができ、内装部材の先端部の位置がばらついても、先端部を確実に内装リップと車内側側壁とで形成する空間部に収容することができ、見栄えがよい。根元部が厚肉に形成されているため、剛性が大きく、オープニングトリムウエザストリップをコーナー部に取付けた場合でも、内装リップが異常変形することがなく、確実に内装部材を内装リップでカバーすることができる。
【0017】
屈曲部が根元部の先端に形成されたため、オープニングトリムウエザストリップをコーナー部に取付けた場合でも、根元部が変形せず、屈曲部において確実に内装リップが曲がることができ、内装リップの形状を安定させ、内装リップと車内側側壁とで形成する空間部を確保することができる。
【0018】
根元部の先端の屈曲部からは、車内方向に斜めに延設した中央部と、中央部から車内側側壁の外面に向けて屈曲して形成された先端部とから形成されている。このため、車内側に形成された内装リップの先端部が、車内に取付けられ、取付基部の車内側側壁に近接して取付けられた内装部材の先端部を確実にカバーすることができる。
【0019】
根元部の内面は平面状に形成され、中央部は、屈曲部から先端にいくにつれて徐々に肉厚を減少して形成されているため、根元部の剛性を大きくして、内装部材の先端を収納する空間を大きくすることができるとともに、中央部の弾力性を増加させて、内装リップが柔軟に撓むことができ、内装部材の先端の位置がばらついても、確実にカバーすることができる。
【0020】
中央部と根元部はソリッド材で形成し、根元部と中央部の表皮部及び先端部はスポンジ材で形成したため、中央部と根元部で内装リップの全体形状が変形して潰れないようにするとともに、先端部が内装部材の先端に柔軟に当接することができる。また、スポンジ材で内装リップの表面全体を覆うことができ、ソリッド材との境界が表面には現れなく、見栄えを向上させることができる。
【0021】
請求項2の本発明は、先端部は、車内側に円弧状に湾曲して形成された自動車用オープニングトリムウエザストリップである。
【0022】
請求項2の本発明では、車内側に円弧状に湾曲して形成された内装リップの先端部が、車内に取付けられ、取付基部の車内側側壁に近接して取付けられた内装部材の先端部に弾力性を持って当接することができ、内装部材とオープニングトリムウエザストリップとの間の隙間をカバーして、車内側からの見栄えを向上して、シール性も確保することができる。内装リップは、円弧状に湾曲しているので、内装部材の形状や寸法に合わせて撓むことができ、内装部材に確実に当接することができる。
【0023】
請求項3の本発明は、根元部の表面を覆うスポンジ材は、薄層で形成され、中央部の表面を覆うスポンジ材は、屈曲部から中央部の先端にかけて徐々に肉厚を増加し、中央部の先端では先端部と同じ肉厚である自動車用オープニングトリムウエザストリップである。
【0024】
請求項3の本発明では、根元部の表面を覆うスポンジ材は、薄層で形成されたため、内装リップ根元部での剛性を損なうことなく、内装リップの表面を確実に覆うことができる。
中央部の表面を覆うスポンジ材は、屈曲部から中央部の先端にかけて徐々に肉厚を増加し、中央部の先端では先端部と同じ肉厚であるため、先端部とスムースに連続し、先端部と一体的に撓むことができ、中央部の先端部分で折れ曲ることがない。
【0025】
請求項4の本発明は、取付基部は、ソリッド材で形成された自動車用オープニングトリムウエザストリップである。
【0026】
請求項4の本発明では、取付基部は、ソリッド材で形成されたため、剛性が大きく、オープニングウエザストリップをフランジに確実に保持することができる。
【0027】
請求項5の本発明は、内装リップと車内側側壁との間に形成された空間部に、車内に取付けられた内装部材の先端部が挿入される自動車用オープニングトリムウエザストリップである。
【0028】
請求項5の本発明では、内装リップと車内側側壁との間に形成された空間部に、車内に取付けられた内装部材の先端部が挿入されるため、内装部材と内装リップの隙間をなくすことができ、見栄えがよい。
【発明の効果】
【0029】
内装リップは、車内側側壁の外面から車内側側壁に対して直角方向に一体的に所定長さ延設された肉厚の根元部を有しているため、内装リップと車内側側壁とで形成する空間部を大きく形成することができ、内装部材の先端部の位置がばらついても、確実に内装リップと車内側側壁とで形成する空間部に収容することができる。
屈曲部が根元部の先端に形成されたため、コーナー部に取付けた場合でも、根元部が変形せず、屈曲部において確実に内装リップが曲がることができ、内装リップの形状を安定させることができる。
根元部の内面は平面状に形成され、中央部は、屈曲部から先端にいくにつれて徐々に肉厚を減少して形成されているため、内装部材の先端を収納する空間を大きくすることができるとともに、中央部の弾力性を増加させて、内装リップが柔軟に撓むことができる。
中央部と根元部はソリッド材で形成し、根元部と中央部の表皮部及び先端部はスポンジ材で形成したため、中央部と根元部で内装リップの全体形状が変形して潰れないようにするとともに、先端部が内装部材の先端に柔軟に当接することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態を、図1〜図4に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のオープニングトリムウエザストリップ10が図3における車体開口部周縁6に装着された状態の図4におけるA−A線に沿った部分の断面図である。図2は、本発明の第2の実施の形態のオープニングトリムウエザストリップ10のB−B線に沿った部分の断面図である。
図3は自動車の開口部開閉部材であるバックドアを閉じた状態において、車体1を後方から見た、車体開口部周縁6を示す斜視図である。図4は、車体開口部周縁6に装着されるオープニングトリムウエザストリップ10の全体の正面図である。
【0031】
図3に示すように、自動車の車体1は、車体開口部を有し、その車体開口部は、車体開口部開閉部材であるバックドアにより開閉される。車体開口部の周囲は、車体開口部周縁6を形成し、車体開口部周縁6には、車体1を構成するアウターパネル9とインナーパネル8等の先端が溶接されたフランジ7(図1参照)を備えている。このフランジ7に車体開口部周縁6とドアの外周とドアフレーム2との間をシールするオープニングトリムウエザストリップ10が装着される。
フランジ7は、車体1の車体開口部周縁6の部位により、溶接されるパネルの数が2枚〜8枚程度まで変化する。
【0032】
オープニングトリムウエザストリップ10は、押出成形により直線状に押出成形部12として成形される。この直線状に形成された1本のオープニングトリムウエザストリップ10は、図4に示すように、車体開口部周縁6の形状に沿って、環状となるようにフランジ7に装着される。装着は、オープニングトリムウエザストリップ10の押出成形部12の一方の端末から順次、フランジ7に装着され、装着が完了すると、他方の端末が一方の端末と接合することとなる。押出成形部12の端末は、接続部により型接合されて環状に形成されていてもよい。
また、オープニングトリムウエザストリップ10の押出成形部12の端末同士を装着前に接着剤で接着して環状にしてもよい。
【0033】
次に、図1に基づき、本発明の実施の形態の車体1の上辺に取付けられたオープニングトリムウエザストリップ10の断面形状について説明する。
オープニングトリムウエザストリップ10は、フランジ7に取付けられる、断面略U字形のトリム部(取付基部)20と、トリム部20から一体的に形成され、バックドアのドアフレーム2の膨出部2aに当接して、ドアと車体開口部周縁6との間をシールする中空状の中空シール部30を有する。
【0034】
トリム部20は、車外側側壁21、車内側側壁22と底壁23からなり、断面略U字形に形成されている。トリム部20の内部には、フランジ7を把持する強度を増加させるためにインサート部材26が埋設されている。インサート部材26は、板金や硬質樹脂で形成され、コーナー部に取付けられるときの柔軟性を確保するため、梯子状や、魚の骨状、ジグザグ状等に形成されている。
トリム部20はゴム又は熱可塑性エラストマー等のソリッド材でインサート部材26を被覆して形成されている。
【0035】
車外側側壁21の内面には、車外側保持リップ24が複数本形成されている。車内側側壁22は、同様に内面に車内側保持リップ25が複数本形成されている。
フランジ7が断面略U字形のトリム部20内に挿入されたときに、車外側保持リップ24と車内側保持リップ25がフランジ7の両側の側面に当接して、フランジ7を挟持することができる。車外側保持リップ24と車内側保持リップ25のそれぞれの先端は、フランジ7を挟持し易いように先端が屈曲している。
【0036】
車内側側壁22の外面の底壁23との連結部分に近接した部分に内装リップ40が形成されている。内装リップ40は、車内に取付けられた内装部材であるガーニッシュ50の先端部をカバーしている。
内装リップ40は、車内側側壁22側の根元から先端まで順に、根元部41、屈曲部44、中央部42、先端部43で構成されるとともに、根元部41の表面に根元表皮部46と中央部42の表面に中央表皮部47が形成されている。また、車内側側壁22と内装リップ40により囲まれた空間部48が形成されている。
【0037】
根元部41は、車内側側壁22の外面の底壁23との連結部分に近接した部分から、車内側側壁22外面と直角に一体的に所定長さ延設されている。根元部41は、後述する中央部42よりも肉厚に形成されており、車内側側壁22側が最も肉厚で、屈曲部44にかけて徐々に厚さを減少している。根元部41の内面は平面に形成されており、外面は若干斜面状に形成されている。
【0038】
根元部41の内面45が車内側側壁22の外面と直角に形成されたため、内装リップ40と車内側側壁22とで形成する空間部48を大きく形成することができ、内装部材であるガーニッシュ50の先端部の位置がばらついても、確実に空間部48に収容することができ、見栄えがよい。
根元部41が厚肉に形成されているため、剛性が大きく、オープニングトリムウエザストリップ10をコーナー部に取付けて曲げた場合でも、内装リップ40が異常変形することや皺が発生することがなく、確実にガーニッシュ50の先端部を内装リップ40でカバーすることができる。
【0039】
根元部41の内面45は、車内側側壁22から直角に延びた、平面状に形成されている。このため、ガーニッシュ50の先端を収納する内装リップ40と車内側側壁22で形成される空間部48を大きくすることができる。従って、ガーニッシュ50の先端の位置がばらついても、内装リップ40で確実にカバーすることができる。
【0040】
根元部41の先端に屈曲部44が形成され、屈曲部44を介して中央部42が根元部41から屈曲して一体的に形成されている。
屈曲部44が根元部41の先端に形成されたため、オープニングトリムウエザストリップ10をコーナー部に取付けてトリム部20を折り曲げた場合でも、根元部41は屈曲したり、皺が寄ったりすることはなく、屈曲部41において確実に内装リップ40が曲がることができ、内装リップ40の全体が潰れたり、捲れたりすることがなく、内装リップ40と車内側側壁22とで形成する空間部48を大きく確保することができる。
【0041】
根元部41の先端の屈曲部44から車内方向に斜めに、図1では斜め下方に、中央部42が延設されている。中央部42は、屈曲部44と連続する部分から先端にいくにつれて徐々に肉厚を減少して形成されている。このため、中央部42の弾力性を増加させて、内装リップ40が柔軟に撓むことができ、ガーニッシュ50の先端の位置がばらついても、確実にカバーすることができる。
【0042】
中央部42と根元部41は、車内側側壁22と一体に、同じ材料のソリッド材で形成されている。このため、中央部42と根元部41の剛性を高くして、オープニングウエザストリップ10がコーナー部に取付けられた場合に曲げられても、内装リップ40の全体形状が変形して潰れないようにすることができる。
【0043】
根元部41の表面には、スポンジ製の根元表皮部46が形成され、中央部42の表面には、スポンジ製の中央表皮部47が形成されている。中央部42の先端から、スポンジ材で先端部43が形成されている。先端部43はスポンジ材で形成したため、先端部43がガーニッシュ50の先端に柔軟に当接することができる。また、根元表皮部46と中央表皮部47と先端部43は、連続して形成されて、スポンジ材で内装リップ40の表面全体を覆うことができ、中央部42と根元部41のソリッド材との境界が表面にはなく、見栄えを向上させることができる。
【0044】
先端部43は、円弧状に湾曲して形成されることができる。この場合には、先端部43が、車内に取付けられ取付基部20の車内側側壁22に近接して取付けられたガーニッシュ50の先端部に、弾力性を持って当接することができ、ガーニッシュ50の先端をカバーして、車内側からの見栄えを向上して、シール性も確保することができる。先端部43は、円弧状に湾曲しているので、ガーニッシュ50の形状や寸法に合わせて撓むことができ、ガーニッシュ50に確実に当接することができる。
【0045】
車内側側壁22の先端は、スポンジゴムで形成され、トリム部20にフランジ7が挿入されたときは、スポンジゴムで形成された先端がインナーパネル8に当接し、インナーパネル8の形状に応じて撓んで、インナーパネル8との間をシールしている。
【0046】
車外側側壁21の先端には車内側方向の斜めに車外側シールリップ28が形成されている。車外側シールリップ28は、トリム部20がフランジ7に取付けられたときにアウターパネル9に当接し、トリム部20とアウターパネル9との間をシールして、車外から雨水等が浸入することを防止できる。
【0047】
さらに、車外側側壁21の先端には車外側方向の斜めに車外側カバーリップ27が形成されている。車外側カバーリップ27は、トリム部20がフランジ7に取付けられたときにアウターパネル9に当接し、トリム部20とアウターパネル9との間をシールするとともに、後述する中空シール部30がドアフレーム2等に当接して、トリム部20が車外側に倒れる方向に傾いた場合にトリム部20が倒れることを防止して、中空シール部30の位置を保持し、中空シール部30のシール性を確保することができる。
【0048】
本発明に実施の形態では、トリム部20の底壁23の外面に、中空シール部30が一体的に設けられている。
中空シール部30は、スポンジ材から形成され、その先端は、それぞれ底壁23の外面から一体的に延設されている。
【0049】
中空シール部30の表面には、ソリッド材で形成された皮膜を形成しても良い。この場合は、表面が円滑になり見栄えが良い。
中空シール部30は、ドア閉時にはドアフレーム2に当接するように、スポンジ材から形成されているため、柔軟性に富み、ドア閉時にドアフレーム2の凹凸や曲がり形状に合わせて柔軟に当接し、シール性を確保することができる。
【0050】
次に、図2に基づき、本発明の実施の形態の車体1の縦辺部に取付けられたオープニングトリムウエザストリップ10について説明する。図2は、図4のB−B線に沿った部分の断面図である。この実施の形態は、図1の実施の形態とは、ガーニッシュ50の先端が内装リップ40の先端部43に当接する形態が異なり、オープニングトリムウエザストリップ10の形状は同様である。このため、異なる部分を説明し同様な部分の説明を省略する。
【0051】
縦辺部では、図2に示すように、ガーニッシュ50の先端部分が屈曲して、その先端面が内装リップ40の先端部43に斜め方向から当接している。このため、ガーニッシュ50の先端が寸法や組付けのばらつきにより、その位置がばらついても先端部43によりガーニッシュ50の先端部分をカバーして、位置が安定するため、内装リップ40の先端部43はガーニッシュ50の先端部分を確実にカバーすることができる。
【0052】
オープニングトリムウエザストリップ10において、中空シール部30や内装リップ40の先端部43は、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのスポンジ材で形成され、トリム部(取付基部)20のソリット材の部分は、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーのソリッド材または微発泡材で形成されると、耐候性のよい製品を得ることができる。また、この場合は、オープニングトリムウエザストリップ10は全体としてオレフィン系でありそのまま一緒に粉砕等を行い、リサイクルして使用することができる。
【0053】
次に、オープニングトリムウエザストリップ10の製造方法を説明する。
このオープニングトリムウエザストリップ10は、押出成形により成形され、トリム部20と、インサート部材27と中空シール部30を構成するスポンジ材を押出成形機で一体に押出すことができる。
その後、ゴムの場合は、通常の方法により加硫、切断され、熱可塑性エラストマーの場合は、すぐに切断される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるオープニングトリムウエザストリップが図4におけるA−A線に沿った部分の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態であるオープニングトリムウエザストリップが図4におけるB−B線に沿った部分の断面図である。
【図3】自動車のバックドアを開いた状態における後方から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態であるドアオープニングトリムウエザストリップの正面図である。
【図5】従来のドアオープニングトリムウエザストリップの断面図である。
【図6】従来の他のドアオープニングトリムウエザストリップの断面図である。
【図7】従来の他のドアオープニングトリムウエザストリップの断面図である。
【図8】従来の他のドアオープニングトリムウエザストリップの断面図である。
【符号の説明】
【0055】
6 車体開口部周縁
7 フランジ
10 オープニングトリムウエザストリップ
20 トリム部(取付基部)
21 車外側側壁
22 車内側側壁
30 中空シール部
40 内装リップ
41 根元部
42 中央部
43 先端部
44 屈曲部
50 ガーニッシュ(内装部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の開口部開閉部材と自動車の車体開口部周縁との間をシールするオープニングトリムウエザストリップにおいて、
該オープニングトリムウエザストリップは、上記車体開口部周縁に設けられるフランジに取付けられる取付基部と、該取付基部に一体的に設けられ上記開口部開閉部材に当接して上記開口部開閉部材と上記車体開口部周縁との間をシールする中空シール部を有し、
上記取付基部は、断面略U字形で、車外側側壁、車内側側壁及び底壁を有し、
上記車内側側壁の外面に、車内に取付けられた内装部材の先端部をカバーする内装リップを形成し、該内装リップは、上記車内側側壁の外面から車内側側壁に対して直角方向に一体的に所定長さ延設された肉厚の根元部と、該根元部の先端に形成された屈曲部と、該屈曲部から車内方向に斜めに延設した中央部と、該中央部から車内側側壁の外面に向けて屈曲して形成された先端部とから形成され、
上記根元部の内面は平面状に形成され、上記中央部は、屈曲部から先端にいくにつれて徐々に肉厚を減少し、
上記中央部と上記根元部はソリッド材で形成し、上記根元部と上記中央部の表皮部及び上記先端部はスポンジ材で形成したことを特徴とする自動車用オープニングトリムウエザストリップ。
【請求項2】
上記先端部は、車内側に円弧状に湾曲して形成された請求項1に記載の自動車用オープニングトリムウエザストリップ。
【請求項3】
上記根元部の表面を覆うスポンジ材は、薄層で形成され、上記中央部の表面を覆うスポンジ材は、上記屈曲部から中央部の先端にかけて徐々に肉厚を増加し、上記中央部の先端では上記先端部と同じ肉厚である請求項1又は請求項2に記載の自動車用オープニングトリムウエザストリップ。
【請求項4】
上記取付基部は、ソリッド材で形成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用オープニングトリムウエザストリップ。
【請求項5】
上記内装リップと上記車内側側壁との間に形成された空間部に、車内に取付けられた上記内装部材の先端部が挿入される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動車用オープニングトリムウエザストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−107470(P2009−107470A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281651(P2007−281651)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】