説明

カバー体の開閉装置、それを備えた画像読取装置さらに画像読取装置を備えた画像記録装置

【課題】原稿の厚さの如何に拘らずカバー体を円滑に開き回動ができる。
【解決手段】下部ケースの上面を覆う自動原稿搬送機構付きのカバー体14の1側辺に沿って離間配置された一対のヒンジ手段が下部ケースの上面に対して上下方向に移動可能且つ上下回動可能に設けられ、カバー体の重心に対して遠い側の第1のヒンジ手段のブロック体51の側面の抵抗部61に対して、ブロック体51を上下動可能に収容する収容部52内に固定した板バネ体60の自由端側の突起部が押圧してブロック体51の上向き移動時の少なくとも初期の区間(段階)で制動力を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部ケースに対してカバー体を一対のヒンジ手段により、昇降可能且つ開閉回動可能に装着するめのカバー体の開閉装置及びこの開閉装置を備えた画像読取装置、さらにその画像読取装置を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機などに搭載されている画像読取装置が公知である。この画像読取装置は、読取ガラス板上に載置される原稿を覆って押圧するカバー体を備え、読取ガラス板と対向した原稿の被読取面に記載されている画像を読み取るものである。このような画像読取装置においては、厚さの厚い書籍(本)などのいわゆるブック原稿も読み取ることができる。ブック原稿を画像読取装置で読み取るために、ブック原稿を覆うカバー体が、読取ガラス板を備えた下部ケースの一側に一対のヒンジ手段を介して開閉回動可能で且つ読取ガラス板の広巾面(通常水平面)と直交する方向に移動(昇降)可能に装着されている。このような画像読取装置が、特許文献1及び2により、公知である。なお、上記下部ケースは一般に多機能装置などの画像記録部が内蔵されたハウジングの上面に固着されていることが多い。
【0003】
より詳しく説明すると、特許文献1及び2にも開示され、図19(A)及び図19(B)に示されているように、多機能装置などのハウジング100の上面に固定された画像読取装置における下部ケース101の上面には読取ガラス板(図示せず)が固定されており、この読取ガラス板の下面側にライン形の画像読取手段(図示せず)が配置されている。下部ケース101の上面全体を覆うカバー体102の上面側には、部分ケース103が上向きに突出している。この部分ケース103内に原稿の自動給紙機構(図示せず)を備える。そして、部分ケース103に対して、下向きに傾斜して近づくように原稿トレイ部104を備える。また、原稿トレイ部104に堆積させた原稿は自動給紙機構で1枚ずつに分離しながら搬送され、部分ケース103の下方の読取ガラス板の一側で停止されている画像読取手段で画像を読み取られた後排出される。排出された原稿が堆積される排紙トレイ部105が原稿トレイ部104より下方であって、カバー体102の上面に形成されている。なお、読取ガラス板上に載置された原稿に対しては、画像読取手段が読取ガラス板の下面に沿って移動走査して画像を読み取る。
【0004】
そして、厚さの厚い書籍(本)における画像を読み取る(コピーする)ために、この本の上面(背表紙)を押えるカバー体102は、下部ケース101の一側(図19(A)を画像読取装置の正面図とするとき、その背面側をいう)に対して一対のヒンジ手段106、107が設けられており、このヒンジ手段106、107を介して読取ガラス板の上面に対してカバー体102が昇降可能で且つ開閉回動可能に連結されている(特許文献1及び2の記述も参照のこと)。
【0005】
一対のヒンジ手段106、107は、図19(A)に示されているように、部分ケース103から離れた側の第1ヒンジ手段106と部分ケース103に近い側に配置された第2ヒンジ手段107である。第1ヒンジ手段106におけるヒンジブロック体106a及び第2ヒンジ手段107におけるヒンジブロック体107aの上端の軸受部がそれぞれ水平な回動軸(図示せず)を介してカバー体102の一側部に連結されている。そして、上下に長いヒンジブロック体106a及び107aが下部ケース101に設けられた収納部106b、107bに対して昇降(摺動)可能となるように収容されているものであった。
【特許文献1】特開2007−228528号公報(図4〜図7参照)
【特許文献2】特開2007−228529号公報(図4、図5及び図7参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2のような構成では、読取ガラス板の部分を露出させて、そこに原稿を載せるべく、カバー体102を開いて回動させるときに不具合が生じていた。即ち、特許文献1及び2のようなカバー体102のうち、上部分ケース103の内部には、自動給紙機構のための、吸込みローラ、給紙ローラ、原稿搬送のガイド部材など複数の部品が内蔵されているため、図19(A)及び図19(B)において、カバー体102全体重量Wの重心Goが左側、つまり第2ヒンジ手段107に近い側に位置することになる。
【0007】
その場合、カバー体102の他側部(一対のヒンジ手段106、107が設けられている側と対峙する側(図19(A)及び図19(B)において手前側)の側面に、横長の凹溝状の把手部108を形成し、この把手部108に作業者が指を掛けて上向きにカバー体102を開こうとしたとき、上記重心Goより遠い側(図19(B)においては右側)の第1ヒンジ手段106の負荷が少なく、逆に重心Goに近い側(図19(B)においては左側)の第2ヒンジ手段107の負荷が大きいため、図19(B)に示されているように、カバー体102の右側が先に浮き上がるようにヒンジブロック体106aが収納部106bから上に移動してしまう。その結果、左右のヒンジ手段106、107にこじれが発生し、カバー体102が円滑に開き回動できなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を解消し、原稿の厚さの如何に拘らず、円滑な開き回動が可能なカバー体の開閉装置を提供することを第1の目的とし、他の目的はこのようなカバー体の開閉装置を備えた画像読取装置、さらには、この画像読取装置を備えた画像記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、下部ケースの上面を覆うカバー体の一側部と前記下部ケースの一側部とを、その側辺に沿って離間配置された一対のヒンジ手段により開閉可能に連結してなるカバー体の開閉装置であって、前記一対のヒンジ手段は、それぞれ前記カバー体が前記下部ケースの上面に対して上下方向に移動可能となるように構成され、前記カバー体の重心が前記一対のヒンジ手段のうちの第1のヒンジ手段から遠い側に偏倚され、第2のヒンジ手段は前記重心に近い側に配置され、前記第1のヒンジ手段は、前記カバー体の一側部に対して回動可能に取付けられたブロック体と、前記下部ケースの一側部に設けられて前記ブロック体の上下方向の移動のうち上向きの移動に制動力を付与する制動手段とを備えたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカバー体の開閉装置において、前記制動手段は、前記下部ケースの一側部に設けられて前記ブロック体を上下動可能に収容する収容部に設けられているものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカバー体の開閉装置において、前記制動手段は、前記収容部内又は前記ブロック体のうち何れか一方に一端部が固定されるとともに自由端である他端部側に突起部を備えた板バネ体と、前記収容部内又は前記ブロック体の側面のうち前記板バネ体が固定されていない他方に設けられ当該ブロック体の上向きの移動時に前記板バネ体の突起部が抵抗を有して摺接する抵抗部と、からなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のカバー体の開閉装置において、前記制動手段は、前記ブロック体若しくは前記収容部内のいずれか一方に設けられた磁石体と、前記ブロック体若しくは前記収容部内の他方に設けられて、前記磁石体に吸引可能な金属片とからなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のカバー体の開閉装置において、前記制動手段は、前記ブロック体若しくは前記収容部内のいずれか一方に設けられた吸盤と、前記ブロック体若しくは前記収容部内の他方に設けられて、前記吸盤に吸着可能な平面とからなることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のカバー体の開閉装置において、前記カバー体には、前記一対のヒンジ手段が配置された一側と反対側の一側のうち前記重心に近い側に把手部が備えられているものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の下部ケースは、上面に設けられた光透過板と、この光透過板の下方に配置される画像読取手段とを備え、前記カバー体には、その下面側に前記光透過板と対向配置される押圧板を備え、前記第2のヒンジ手段に近い側には、堆積された原稿を1枚ずつ分離搬送する自動給紙機構が配置されていることを特徴とする画像読取装置である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の画像読取装置を搭載したハウジング内には、被記録媒体に画像を記録するための前記被記録媒体の給紙部と、画像記録部とを備えたことを特徴とする画像記録装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、下部ケースの上面を覆うカバー体の一側部と前記下部ケースの一側部とを、その側辺に沿って離間配置された一対のヒンジ手段により開閉可能に連結してなるカバー体の開閉装置であって、前記一対のヒンジ手段は、それぞれ前記カバー体が前記下部ケースの上面に対して上下方向に移動可能となるように構成され、前記カバー体の重心が前記一対のヒンジ手段のうちの第1のヒンジ手段から遠い側に偏倚され、第2のヒンジ手段は前記重心に近い側に配置され、前記第1のヒンジ手段は、前記カバー体の一側部に対して回動可能に取付けられたブロック体と、前記下部ケースの一側部に設けられて前記ブロック体の上下方向の移動のうち上向きの移動に制動力を付与する制動手段とを備えたものである。
【0018】
従って、カバー体の重心から遠い側の第1のヒンジ手段におけるブロック体が最下降位置から上昇するとき、前記制動手段により、上昇移動に対する制動力を付与することになる。その結果、カバー体に対する第1及び第2ヒンジ手段の回動中心軸の高さ位置が同じに保持できるので、カバー体にこじれ力が作用せず、原稿の厚さの如何に拘らず、カバー体を円滑に開き回動ができるという効果を奏する。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、前記制動手段は、前記下部ケースの一側部に設けられて前記ブロック体を上下動可能に収容する収容部に設けられているものであるから、ブロック体を上下動するための案内部と前記制動手段とを1つの収容部に設けて、構成をコンパクトにすることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、前記制動手段は、前記収容部内又は前記ブロック体のうち何れか一方に一端部が固定されるとともに自由端である他端部側に突起部を備えた板バネ体と、前記収容部内又は前記ブロック体の側面のうち前記板バネ体が固定されていない他方に設けられ当該ブロック体の上向きの移動時に前記板バネ体の突起部が抵抗を有して摺接する抵抗部とからなる。
【0021】
収容部内に、突起部を備えた板バネ体と、ブロック体の上向きの移動時に前記突起部が抵抗を有して摺接する抵抗部とが備えられるので、外部からの異物の侵入等の干渉を受けなくできる。
【0022】
そして、ブロック体の上向きの移動するとき、前記板バネ体における突起部が、この板バネ体の固定されていない収容部内又はブロック体に設けられた抵抗部に摺接して上向きの移動に抵抗力を与えることができるので、第1及び第2ヒンジ手段のカバー体に対する回動軸の高さ位置は同じに保持でき、カバー体にこじれ力が作用せず、カバー体は円滑な開き回動ができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、前記制動手段は、前記ブロック体若しくは前記収容部内のいずれか一方に設けられた磁石体と、前記ブロック体若しくは前記収容部内の他方に設けられて、前記磁石体に吸引可能な金属片とからなることを特徴とするものである。このような構成によっても、ブロック体の上向きの移動時の所定区間に磁石体と金属片とが接近するときの吸引力(磁力)で上昇動に対する抵抗力を付与することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、前記制動手段は、前記ブロック体若しくは前記収容部内のいずれか一方に設けられた吸盤と、前記ブロック体若しくは前記収容部内の他方に設けられて、前記吸盤に吸着可能な平面とからなることを特徴とするものである。このような構成によっても、ブロック体の上向きの移動時の初期区間における吸盤と平面部の吸着力で上昇動に対する抵抗力を付与することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、前記カバー体には、前記一対のヒンジ手段が配置された一側と反対側の一側のうち前記重心に近い側に把手部が備えられているものである。このように、把手部がカバー体の重心に近い側に配置されていれば、カバー体を開くときに把手部で作用する上向き操作力が前記重心に近いことによってカバー体に発生する回転モーメントも小さくなり、カバー体を正常な姿勢で開くことができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、上面に設けられた光透過板と、この光透過板の下方に配置される画像読取手段とを備え、前記カバー体には、その下面側に前記光透過板と対向配置される押圧板を備え、前記第2のヒンジ手段に近い側には、堆積された原稿を1枚ずつ分離搬送する自動給紙機構が配置されていることを特徴とする画像読取装置である。
【0027】
このように、画像読取装置における自動給紙機構付きのカバー体のヒンジ手段に本発明のカバー体開閉装置を適用すれば、光透過板上に厚さの薄い原稿または厚さの厚い書籍を載置してこの上側をカバー体で実質的に水平状態で押圧するいずれの操作時でもカバー体の開閉回動が円滑にできるという効果を奏する。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の画像読取装置を搭載したハウジング内には、被記録媒体に画像を記録するための前記被記録媒体の給紙部と、画像記録部とを備えたことを特徴とする画像記録装置である。
【0029】
従って、原稿をコピーする画像記録の場合も請求項7と同様の効果を得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。 本発明の実施形態は、ファクシミリ機能、スキャナ機能、複写機能及びプリンタ機能を備えた多機能装置1(複合装置)等における画像読取装置10のカバー体の開閉装置に適用したものである。
【0031】
多機能装置1は、図示されていないコンピュータや電話通信網に接続可能であり、このコンピュータや他のファクシミリ装置から送信された画像データや文書データに基づいて、被記録媒体の一例としての記録用紙や樹脂シート等に画像や文書を記録することができる。
【0032】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、合成樹脂製の本体ケース(ハウジング)2の底部のカセット収納部(収納空間)に対して、ハウジング2の前側に開口された挿入口2aから挿抜可能(実質上水平方向に出し入れ可能)な下段側の第1給紙カセット30及び上段側の第2給紙カセット40が配置され、第2給紙カセット40の上方には、インクジェットなどの画像記録部12が設けられている。なお、第1給紙カセット30は、例えばA3サイズの用紙をその短辺が主走査方向(図1に示すY軸方向)に沿うように配置した状態で多数枚(250枚程度)堆積されて収納できる収容部を備えている。第2給紙カセット40での用紙の収容量は第1給紙カセット30の収容量より少ない。以下、合成樹脂製のハウジング2の挿入口2aがある側を前側または前方といい、これを基準に装置の前側、左右側、後側(奥側)という。ハウジング2の前面部にはスロット部6が備えられ、このスロット部6にメモリカード等の各種記憶媒体が装填されることによって当該記憶媒体に記憶された画像データ等を記録用紙に記録することも可能である。
【0033】
ハウジング2の上面前側には、後述する画像読取装置10の前方に液晶表示部7aや各種操作ボタン7b等を備えた操作パネル部7が設けられている。ハウジング2の前部であって、挿入口2aの右側には、インクカートリッジの収納装置(図示せず)が内蔵されている。この収納装置は蓋体2bにて覆われている。この蓋体2bの下端には蝶番が設けられており、蓋体2bはこの蝶番を介してハウジング2の前部側に回動開閉可能に配設されている。
【0034】
第2給紙カセット40の奥側(搬送下流側端部、図2の右側)には、上段傾斜分離板41が設けられている。また、第2給紙カセット40の底面における奥側寄りの位置に対向して、上段給紙アーム42の先端に軸支された上段給紙ローラ43が配置されている。上段給紙アーム42は下向きに付勢されていて、上段給紙カセット40に堆積収容されている用紙の最上面に、上段給紙ローラ43が押圧状態で当接するようになっている。図示しない駆動源から駆動力が伝達されて上段給紙ローラ43が回転すると、上段傾斜分離板41との公知の協働作用によって、最上層の用紙が1枚ずつ分離されて、上方に案内される。
【0035】
上段用紙搬送路44は、上段傾斜分離板41から上方に向かった後、多機能装置1の前面側へ曲がるUターン形状に形成されていて、用紙Pは画像記録部12へと搬送される。この画像記録部12で画像記録が行われた後に、第2給紙カセット40の上面のカバーを兼ねる排紙トレイ部45に排出される。上段給紙アーム42は、図示しない構成により、第2給紙カセット40を挿抜する動作に伴って昇降動作するように構成されている。従って、第2給紙カセット40を挿抜する際に、上段給紙ローラ43は上段傾斜分離板41と衝突しないのである。
【0036】
第1給紙カセット30も基本的に第2給紙カセット40と同様に形成されていて、その奥側(図2の右側)には、下段傾斜分離板31が設けられている。また、第1給紙カセット30の底面における奥側寄りの位置に対向して、下段給紙アーム32の先端に軸支された下段給紙ローラ33が配置されている。下段給紙アーム32は下向きに付勢されていて、第1給紙カセット30に収容されている用紙Pの最上面に、下段給紙ローラ33が押圧状態で当接するようになっている。図示しない駆動源から駆動力が伝達されて下段給紙ローラ33が回転すると、下段傾斜分離板31との公知の協働作用によって、最上層の用紙が1枚ずつ分離されて、上方に案内される。
【0037】
下段用紙搬送路34は、上段用紙搬送路44よりも外側に設けられていて、下段傾斜分離板31から上方に向かった後、多機能装置1の前面側へ曲がるUターン形状(上段用紙搬送路44よりも大きな円弧状)に形成されている。下段用紙搬送路34を経て搬送された用紙は画像記録部12で画像記録が行われた後に、排紙トレイ部45に排出される。下段給紙アーム32も、図示しない構成により、第1給紙カセット30を挿抜する動作に伴って、昇降動作するように構成されている。従って、第1給紙カセット30を挿抜する際に、下段給紙ローラ33は下段傾斜分離板31と衝突しない。排紙トレイ部45には、第2給紙カセット40から給送された用紙だけでなく、第1給紙カセット30から給送された用紙も排出されて堆積される。
【0038】
本発明の画像読取装置10はコピー機能やファクシミリ機能やスキャナ機能における原稿の画像読取の動作を実行するものである。
【0039】
本発明の画像読取装置10は下部ケース13と、この下部ケース13の上面に配置した原稿読取用のガラス板15を覆うカバー体14とを備える。下部ケース13及びカバー体14は合成樹脂製である。カバー体14は下部ケース13の後側縁に設けた一対のヒンジ手段16、17を介して開閉するように回動可能に装着される(図4、図6(A)及び図6(B)参照)。ガラス板15(請求項にいう光透過板)の下側には、原稿読取り用の密着型イメージスキャナ(CIS:Contact Image Sensor)やCCD素子(Charge−Coupled Devise)などの画像読取手段18が図2の紙面と直交する方向(Y軸方向)に往復移動可能に設けられている。イメージスキャナ装置18は、ガラス板15の下面側にて、光源からガラス板15を通して原稿に光を照射し、原稿からの反射光をレンズ及び受光子に集光して電気的信号に変換するいわゆるライン形イメージセンサ等であり、周知の走行機構により図示しないガイド軸に沿って図3のY軸方向に往復移動可能に設けられている。後述する自動原稿搬送機構20を利用して原稿の画像を読み取るときには、イメージスキャナ装置18を自動原稿搬送機構20の下方の読取位置(ガラス板の下面)に静止させておくものである。なお、カバー体14の下面には、ガラス板15に当接可能なスポンジ及び白板等からなる押え体19が設けられている(図4参照)。
【0040】
図1、図3に示すように、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder)20の上部を覆う蓋カバー22は、カバー体14の左側から立設する一対の側カバー21の間に位置し、一対の側カバー21の左端に設けられた蝶番(図示せず)を中心として開閉可能に装着されている。
【0041】
[自動原稿搬送機構20]
自動原稿搬送機構20は、給紙部23に堆積された原稿を1枚ずつに分離しながら搬送する分離搬送機構部24と、読取位置に原稿を搬送し、且つ排紙トレイ部25に読取後の原稿を排出する複数のローラなどからなる搬送手段27とを備えている。給紙部23は、上面に一対のサイドガイド26が備えられた給紙トレイ23a及び原稿載置台23bを有する。原稿搬送路は、原稿を分離搬送機構部24から読取位置を経て排紙トレイ部25まで搬送するUターン形状に形成されている。排紙トレイ部25はカバー体4の上面に一体的に形成されている。給紙部23は排紙トレイ部25より上方にて分離搬送機構部24に向かって下向き傾斜状に設けられている(図1、図2参照)。不使用時の原稿載置台23bは給紙トレイ23aの上面に向かって折り畳み可能に構成されている(図1、図4参照)。なお、図3では原稿載置台23bの図示が省略されている。
【0042】
[ヒンジ手段]
次に、第1のヒンジ手段16及び第2のヒンジ手段17について説明する。左側の第2のヒンジ手段17は、下部ケース13の一側(図1で奥側)のうちの左側寄り部位、即ち、重量の重い自動原稿搬送機構20が配置されている部位に近い側に設けられている。つまり第2ヒンジ手段17に近い側にカバー体14の重心が位置することになる。実施形態では、カバー体14の全体重量Wの重心Goが図4において左側に位置するので、第2のヒンジ手段17は重心Goに近い側に配置され、第1のヒンジ手段16は第2のヒンジ手段17よりも重心Goから遠い側(離間した側)に配置される。
【0043】
左側の第2のヒンジ手段17は、図6(A)に示すように、カバー体14の下面にねじ止め(図示せず)された第1カム部材47aと、この第1カム部材47aを貫通する横軸46と、この横軸46を図示しない一対の側壁間に貫通させて固定支持するとともに上向き開放状の箱体である支持ブロック体49と、この支持ブロック体49内に収納されたバネ体48と、第1カム部材47aと常に当接状態にあって、支持ブロック体49内でバネ体48を覆うように収納され、バネ体48によって上下動可能な第2カム部材47bと、から構成されている。なお、第1カム部材47a、第2カム部材47b、支持ブロック体49は、本実施形態においては、合成樹脂(POM:ポリアセタール)により形成されている。バネ体48は金属スプリングである。また、下部ケース13には、この支持ブロック体49が上下動可能に収納される収納部50が一体的に設けられている。従って、カバー体14は横軸46を中心に開閉回動可能であり、かつ重量の重い自動原稿搬送機構20の部分を第1カム部材47aと第2カム部材47bと、バネ体48とで弾性的に支持する。そして、後に説明するように、ガラス板15に厚さの厚い書籍を載置し、その書籍の上面をカバー体14にて覆う場合には、支持ブロック体49が収納部50の内部から上方向に上昇することができる。その結果、カバー体14はガラス板15の表面から離間するように上昇できるのである。なお、第1カム部材47a、第2カム部材47b、支持ブロック体49は、本実施形態と同様の効果を奏することができる素材であれば、POM以外の合成樹脂製であっても良いし、合成樹脂以外の他の素材であっても良い。
【0044】
右側の第1のヒンジ手段16は、図5、図6(B)、図7(A)及び図7(B)に示すように、上下方向に長辺を有して横軸53を介してカバー体14に装着されたブロック体51と、下部ケース13側に一体的に形成され、このブロック体51を上下動可能に収容する収容部52と、この収容部52内に設けられ、ブロック体51が上向きに移動するときの少なくとも初期段階で、上向きの移動に対する抵抗力をブロック体51に付与する制動手段54と、を備えている。合成樹脂製のブロック体51の上端部には横軸53を回動可能に軸支するための軸受部55が一体的に形成されている。この軸受部55の一側には開放部55aが設けられている。従って、丸軸の左右を削除した断面小判型の横軸53がその幅の狭い側がほぼ横向きとなったとき、この横軸53が開放部55aから出入り可能となっている。なお、横軸53がカバー体14と一体的に形成されていることは言うまでもない。
【0045】
ブロック体51の軸受部55は、ブロック体51の上下動の如何に拘らず、常に収容部52の上端の開口部52aから更に上方に突出している。開口部52aから下方に軸受部55が落ち込まないようにするため、図8に示すように、軸受部55の下部側には横向きのストッパー55bが一体成形されている。収容部52に対してブロック体51が直線状に上下動してガタつかないように、収容部52の内側には一対のガイド部56a、56bが設けられている。また、ブロック体51の上下に延びる一側のうち下部側にビスなどのストッパー体57を螺着し、このストッパー体57が一方のガイド部56aの下端に衝突するなどして、ブロック体51が収容部52の上面から完全に抜け出すことを防止できる構成である。なお、ブロック体51を収容部52内に収納した状態で、ストッパー体57をブロック体51に固定するため、収容部52の側面に窓孔58が設けられている。
【0046】
[制動手段]
図5、図6(B)、図7(A)及び図7(B)に示すように、制動手段54の第1実施形態は、板バネ体60とブロック体51における前記ストッパー体57が取付けられた側面以外の側面、例えば反対である側面51aのうちの下部側に設けられた溝部たる凹部64のうち下側の傾斜面からなる抵抗部61とを備えている。
【0047】
板バネ体60は下方向に延びる本体部60aと本体部60aの一端(上端)に連設された基端部(請求項にいう一端部)60bと、本体部60aの下端側(自由端側)で横V字状に屈曲形成された突起部60cとを備えている。
【0048】
板バネ体60の基端部60bが収容部52内の固定部62にビス63などにて固定されている。突起部60cは、ブロック体51における側面51a及び抵抗部61に当接可能なように配置されている。なお、第1実施形態では、上述した通り、ブロック体の側面51aの下部側に設けられている凹部64における下側の傾斜面で構成される抵抗部61が設けられている。そして、図7(A)に示すように、ブロック体51が最下降位置にあるとき、凹部64内に板バネ体60の突起部60cが嵌まり込んでいる。ブロック体51が最下降位置から上昇するとき、抵抗部61に突起部60cが当接し、ブロック体51の上昇に対する制動力を付与することになる。
【0049】
次に、この制動手段54の第1実施形態の作用及び効果について説明する。まず最初に、通常のコピー用紙などからなる厚さの薄い原稿(いわゆるブック原稿以外の薄い原稿:図示せず)をガラス板15上に載せるため、カバー体14を開く場合について説明する。そのとき、上述したように、従来の一対のヒンジ手段では、重量の大きい自動原稿搬送機構20(ひいてはカバー体の重心)から遠い側(実施形態では右側)のヒンジ手段のブロックが先に上昇するため、左右のヒンジ手段の回動位置に食い違いが生じていた。
【0050】
本発明の1つである第1実施形態では、カバー体14の4周側(4つの側面)のうち、多機能装置1の前面側に横長に凹み形成された把手部65(図1参照)に作業者の指を掛けて、カバー体14を上向きに開く。その場合、カバー体14の重心から遠い側(実施形態では右側)の第1のヒンジ手段16におけるブロック体51が収容部52内で最下降位置から上昇しようとするが、そのとき、ブロック体51の抵抗部61に板バネ体60の突起部60cが当接し、ブロック体51の上昇に対する制動力を付与することになる。従って、図7(A)及び図9に示すように、ブロック体51は収容部52内で最下降位置のままに保持できる。その結果、左右(第1及び第2)ヒンジ手段16、17の横軸53、46の高さ位置は同じに保持できるので、カバー体14にこじれ力が作用せず、カバー体14は円滑な開き回動ができるのである。
【0051】
他方、通常のコピー用紙よりも厚さの厚い書籍(いわゆるブック原稿:図示せず)をガラス板15上に載せるため、カバー体14を開く場合には、作業者は上述のようにして、カバー体14を一旦大きく開く。その後、カバー体14をその下面である押え体19が上記書籍の上(背表紙)を押圧するように閉じ回動する。そうすると、カバー体14と上記書籍との接触個所を中心にしてカバー体14の把手部65側が下向き回動する。そうすると、左右両ヒンジ手段16、17に上向きの引張力が作用する。
【0052】
第1のヒンジ手段16では、抵抗部61は上向きの傾斜面を形成しているので、上向きに引っ張られるブロック体51は、その側面51aの抵抗部61にて側面視横向きV字状の突起部60cを板バネ体60の弾性力に抗して押し戻す。当該突起部60cがブロック体51の抵抗部61より下側の側面51aに至ると、制動力が無くなるので、その後ブロック体51は軽く上昇できるのである。図7(B)のように、突起部60cがブロック体51の下面側に来ると、板バネ体60の傾斜状の本体部60aにてブロック体51の下端角部を支えることができる。従って、ストッパー体57がガイド部56bの下端に衝突する高さ位置までブロック体51は軽い力で上昇できる。
【0053】
第2のヒンジ手段17では、上述のように、支持ブロック49が収納部50に対して昇降移動可能であるので、第1のヒンジ手段16と協調して、カバー体14を軽い力で開閉できる。
【0054】
普通紙等の厚さの薄い原稿を押えるため、カバー体14を元の高さに戻すときには、次のようになる。即ち、カバー体14の自体の自重により、第1のヒンジ手段16では、ブロック体51に下向きの荷重が作用する。このとき、ブロック体51の下端角部51bにて板バネ体60の傾斜状の本体部60aをその弾性力に抗して下向きに押圧する。ブロック体51の側面51aに板バネ体60の突起部60cが接すると制動力がほとんど無くなる。従って、突起部60cが凹部64に嵌まるまで、すなわちブロック体51が図6(B)の状態になるまで、ブロック体51がほとんど抵抗無く速やかに下降できるのである。

図10は、本発明にかかる第2実施形態であって、第1のヒンジ手段16におけるブロック体51の側面51aには抵抗部61を備える凹部66を上方向に長く形成したものである。すなわち、ブロック体51の昇降範囲で一対のガイド部56a、56bがブロック体51の側面51aに摺接する範囲よりも下側に凹部66及び抵抗部61が形成されている。
【0055】
図11及び図12は、本発明にかかる第3実施形態であって、第1のヒンジ手段16におけるブロック体51の平面形状を有する側面51aの下部寄りに抵抗部61が一体的に形成されたものである。本実施形態では、抵抗部61と板バネ体60の突起部60cとの摺接面積を少なくするように、3つの並列状の抵抗部61の間に溝67が形成されている。
【0056】
図13及び図14は、本発明にかかる第4実施形態であって、第1のヒンジ手段16における板バネ体60の突起部60cの形状を変更したものである。この実施形態では、突起部60cの自由端側60c1を本体部60aの上面側に凸湾曲状に屈曲形成したものである。
【0057】
上記第2実施形態〜第4実施形態で、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を附して、詳細な説明は省略する。
【0058】
図15及び図16は本発明にかかる第5実施形態を示す。この実施形態では、第1のヒンジ手段16におけるブロック体51に板バネ体60の基端部60bをビス63にて固定する。ビス63は第1実施形態のストッパー体57の作用を兼ねたものである。この実施形態では、基端部60bに連設された上向き略コ字状の本体部60aの上端に側面視横向き略V字状の突起部60cが一体的に形成されている。収容部52におけるブロック体51の上下移動方向に沿った1つの側面52b(突起部60cと対峙する側面)には、抵抗部68が形成されている。この抵抗部68は、図15及び図16に示すように、ブロック体51の上方向の移動つれてブロック体51の一側面51aに接近する傾斜面である。
【0059】
ブロック体51が最低高さ位置から上向きに移動する初期の区間で板バネ体60の突起部60cが抵抗部68に摺接して、ブロック体51が上昇する動作に対する抵抗力が発生するようになっている。第5実施形態では、図16に示すように、抵抗部68より上方の1つの側面52bがブロック体51の一側面51aに接近した縦方向の直線状の壁であるため、ブロック体51が大きく上昇する間も連続してある程度の抵抗力を受けることになる。従って、抵抗部68より上方の区間では、ブロック体51は第1〜第4実施形態の場合よりもゆっくりと昇降できる。その結果、例えば、ブック原稿をガラス板15から取り除いた後に、カバー体14を閉じるとき、このカバー体14が急激に下降せず、ガラス板15に対する衝撃力を少なくして大きな音が発生するのを防止できるという効果がある。
【0060】
制動手段に関し、本発明にかかる第6実施形態では、第1ヒンジ手段16において、ブロック体80若しくは収容部52内のいずれか一方に設けられた磁石体81と、ブロック体80若しくは収容部52内の他方に設けられて、磁石体81に吸引可能な金属片82とからなる。図17に示す実施形態では、ブロック体80の下面に金属片82を接着剤などにて固定する一方、収容部52内の底板には、金属片82と対面するように磁石体81を接着剤などにて固定したものである。なお、本実施形態では、ブロック体80の下面に磁石体81を固定し、収容部52内の底板に金属片82を固定するようにしてもよい。ブロック体80には第1実施形態のような凸状の抵抗部や凹部を形成していない。その他の構成は、第1実施形態とほぼ同じ構成であるので、同じ構成については同じ符号を附して詳細な説明は省略する。
【0061】
第6実施形態でも、ブロック体80が下降位置にある時には、磁石体81と金属片82との吸引力(磁力)により、ブロック体80を上昇移動するときの初期段階で制動力が作用し、ブロック体80の上昇移動を抑制する。上記吸引力(磁力、ひいては制動力)が作用しなくなると、ブロック体80は軽い力で昇降移動可能となるという効果を奏する。ブロック体80の下降時においても、ブロック体80が最下降位置の近くになると、上記大きい吸引力(磁力)が作用し、安定した最下降位置でブロック体80は位置保持できるという効果を奏する。
【0062】
制動手段の第7実施形態では、第1ヒンジ手段16において、ブロック体80若しくは収容部52内のいずれか一方に設けられた吸盤84と、ブロック体80若しくは収容部52内の他方に設けられて、吸盤84に吸着可能な平面部85とからなる。図18に示す実施形態では、ブロック体80の下面に吸盤84の基部を接着剤などにて固定する。吸盤84の吸盤面は下向きにとなるように設けられている。一方、収容部52の底面には、吸盤84の吸盤面と対面する個所に吸盤84の吸盤面と吸着できる平面部85が形成されている。ブロック体80には第1実施形態のような凸状の抵抗部や凹部を形成していない。その他の構成は、第1実施形態とほぼ同じ構成であるので、同じ構成については同じ符号を附して詳細な説明は省略する。なお、本実施形態においても吸盤84と平面部85の配置位置が逆であっても良い。
【0063】
第7実施形態においては、吸盤84の吸盤面が平面部85と吸着できる、ブロック体80の最下降位置で、吸盤84による吸着力が大きい制動力となり、ブロック体80の上昇移動を抑制する。上記吸着力(ひいては制動力)が作用しなくなると、ブロック体80は軽い力で昇降移動可能となる。ブロック体80が最下降位置となると、吸盤84と平面部85とによる吸着力が作用して、ブロック体80の下降位置を保持することができるのである。
【0064】
図1では、カバー体14の把手部65が、画像読取装置10の幅方向(Y軸方向)の長さのほぼ中央に設けられている。しかし、図1の破線(及び図3の二点鎖線)で示すように、把手部65′を重量の大きい自動原稿搬送機構20が配置されている部位に近い側(重心Goに近い側)に設けることにより、本発明の制動手段との協働作用によって更に効果的である。つまり、第1及び第2のヒンジ手段16、17が設けられているカバー体14の1側面と反対側面であって、カバー体14の全体重量Wの重心Goに近い側に把手部65′が設けられているので、カバー体14を上向きに開くとき、把手部65′個所でのカバー体14のモーメントを小さくできて、軽い力でカバー体14を開く向きに回動できるのである。
【0065】
以上、本発明にかかる各種実施形態を詳述したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において上述した実施形態を適宜改変することができる。例えば、抵抗部61の傾斜角度や突起部60cの傾斜角度、更にはそれらの材質や表面荒さ等によって制動力が変動するので、カバー体14の全体重量Wや重心Goの位置に応じてこれらの値や形状を適宜設定できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明を適用した多機能装置の斜視図である。
【図2】図2のII−II線での概略断面図である。
【図3】カバー体の平面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】図3のV−V線矢視断面図である。
【図6】(A)は図3のVIA −VIA 線で示す第2ヒンジ手段の拡大断面図、(B)は図3のVIB −VIB 線で示す第1実施形態の第1ヒンジ手段の拡大断面図である。
【図7】(A)はブロック体が最下降位置から上昇する初期段階の作用説明のための断面図、(B)はブロック体が上昇した状態での作用説明のための断面図である。
【図8】制動手段の第1実施形態の部品の分解斜視図である。
【図9】図7(A)で示すブロック体51及び制動手段の作用説明のための一部切欠き斜視図である。
【図10】制動手段の第2実施形態の拡大断面図である。
【図11】制動手段の第3実施形態の部品の分解斜視図である。
【図12】制動手段の第3実施形態の断面図である。
【図13】制動手段の第4実施形態の部品の分解斜視図である。
【図14】制動手段の第4実施形態の断面図である。
【図15】制動手段の第5実施形態の部品の分解斜視図である。
【図16】制動手段の第5実施形態の断面図である。
【図17】制動手段の第6実施形態の断面図である。
【図18】制動手段の第7実施形態の断面図である。
【図19】(A)は従来技術の自動原稿搬送機構付のカバー体の閉じた状態の正面図、(B)は同じくカバー体を開こうとしたとき作用を説明するための正面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 多機能装置
2 本体ケース
13 下部ケース
14 カバー体
15 光透過板としてのガラス板
16 第1のヒンジ手段
17 第2のヒンジ手段
18 画像読取手段
20 自動原稿搬送機構
51、80ブロック体
52 収容部
53 横軸
54 制動手段
55 軸受部
57 ストッパー体
60 板バネ体
60a 本体部
60b 基端部
60c 突起部
61、68 抵抗部
62 固定部
63 ビス
81 磁石
82 金属片
84 吸盤
85 平面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ケースの上面を覆うカバー体の一側部と前記下部ケースの一側部とを、その側辺に沿って離間配置された一対のヒンジ手段により開閉可能に連結してなるカバー体の開閉装置であって、
前記一対のヒンジ手段は、それぞれ前記カバー体が前記下部ケースの上面に対して上下方向に移動可能となるように構成され、
前記カバー体の重心が前記一対のヒンジ手段のうちの第1のヒンジ手段から遠い側に偏倚され、第2のヒンジ手段は前記重心に近い側に配置され、
前記第1のヒンジ手段は、前記カバー体の一側部に対して回動可能に取付けられたブロック体と、前記下部ケースの一側部に設けられて前記ブロック体の上下方向の移動のうち上向きの移動に制動力を付与する制動手段とを備えたことを特徴とするカバー体の開閉装置。
【請求項2】
前記制動手段は、前記下部ケースの一側部に設けられて前記ブロック体を上下動可能に収容する収容部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカバー体の開閉装置。
【請求項3】
前記制動手段は、前記収容部内又は前記ブロック体のうち何れか一方に一端部が固定されるとともに自由端である他端部側に突起部を備えた板バネ体と、前記収容部内又は前記ブロック体の側面のうち前記板バネ体が固定されていない他方に設けられ当該ブロック体の上向きの移動時に前記板バネ体の突起部が抵抗を有して摺接する抵抗部と、からなることを特徴とする請求項2に記載のカバー体の開閉装置。
【請求項4】
前記制動手段は、前記ブロック体若しくは前記収容部内のいずれか一方に設けられた磁石体と、前記ブロック体若しくは前記収容部内の他方に設けられて、前記磁石体に吸引可能な金属片とからなることを特徴とする請求項2に記載のカバー体の開閉装置。
【請求項5】
前記制動手段は、前記ブロック体若しくは前記収容部内のいずれか一方に設けられた吸盤と、前記ブロック体若しくは前記収容部内の他方に設けられて、前記吸盤に吸着可能な平面とからなることを特徴とする請求項2に記載のカバー体の開閉装置。
【請求項6】
前記カバー体には、前記一対のヒンジ手段が配置された一側と反対側の一側のうち前記重心に近い側に把手部が備えられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカバー体の開閉装置。
【請求項7】
前記請求項1乃至6のいずれかに記載の下部ケースは、上面に設けられた光透過板と、この光透過板の下方に配置される画像読取手段とを備え、
前記カバー体には、その下面側に前記光透過板と対向配置される押圧板を備え、前記第2ヒンジ手段に近い側には、堆積された原稿を1枚ずつ分離搬送する自動給紙機構が配置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
前記請求項7に記載の画像読取装置を搭載したハウジング内には、被記録媒体に画像を記録するための前記被記録媒体の給紙部と、画像記録部とを備えたことを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−28465(P2010−28465A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187612(P2008−187612)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】