説明

カメラヘッド

【課題】 CCDの入射角特性による周辺光量の劣化を改善するためにテレセントリックな光学系で、しかも、収差が十分に補正されたコンパクトな光学系を用いたカメラヘッド。
【解決手段】 内視鏡の接眼部に取り付けて撮影を行う撮影レンズ6を備えたカメラヘッドにおいて、撮影レンズ6が、少なくとも物体側に凹面を向けたメニスカスレンズを持ち、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4とからなり、撮影レンズ6の光学系の全長を規定した条件(1)と第1レンズL1のパワーを規定した条件(2)を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラヘッドに関し、特に、内視鏡の接眼部に取り付けてテレビカメラ観察を行い得るようにするための撮影レンズを備えたカメラヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡により得られる体腔内等の画像を撮像部へ導くためには、接眼レンズの後方に着脱自在な内視鏡テレビカメラが用いられる。この内視鏡用テレビカメラは、例えば図1に示すように、硬性鏡1等の接眼レンズ4の後方に撮影レンズ6を備えたカメラヘッド5を取り付けて、撮像部7内のCCD等の撮像素子上に結像させて、画像処理装置8を介して、モニターテレビ9で観察ができるようにするためのものである。なお、硬性鏡1内には、対物レンズ2、リレーレンズ3等が備えられている。
【0003】
上述のように、撮像素子としてCCDを用いる場合には、輝度シェーディングに注意する必要がある。CCDには、感度向上のために受光部の上部に各画素に対応したマイクロレンズが配置されていたりして、光の入射方向に対して厚みを持っている。この積層構造に対し、撮影レンズ光学系からの斜め入射光が入ると、入射光がCCDの構造物に遮られて受光面への入射光量が減少してしまう。これが輝度シェーディングであり、したがって、像高が高くなる程CCD面への入射角が大きくなり、画像としては画面の周辺が暗くなるという現象が起こる。また、近年CCDの高画素化に伴い被写体の高解像化が可能になる一方、CCDの画素サイズに対する光の入射方向の厚みが相対的に大きくなるため、上記の現象が起こりやすくなってきている。
【0004】
CCD受光面に入射した光は光電変換され、電気信号が画像処理装置8に送られる。この画像処理装置8では、撮影された被写体をモニターテレビ9に映し出す際に、被写体像の輝度にある閾値を設けて画面上最も明るい領域が上記の閾値以下となるような、あるいは、最も暗い領域が上記の閾値以上となるような電気的処理がなされている。これと前述の輝度シェーディングを考慮すると、前者の場合は、画面中心と比較して周辺が暗くなり、後者の場合は画面上に白い輝点、所謂白飛びの現象が起きてしまい、観察に支障をきたすことになり、好ましくない。
【0005】
上述の欠点を改善するためには、テレセントリックな光学系を用いた撮影レンズ6が望まれる。しかし、一般に、内視鏡、特に外科手術等に用いられる硬性鏡では、眼視観察での利便性を考慮して、接眼レンズ4の射出瞳位置が接眼部より10mm程度突出していることが多い。したがって、内視鏡接眼光学系の射出瞳位置と撮影レンズ光学系の入射側焦点位置を合わせてテレセントリック光学系とするためには、例えば3枚構成の光学系である特許文献1に記載の装置が知られている。しかしながら、特許文献1に記載の装置の光学系では、前述の瞳位置を一致させるようにしているものの、入射側焦点位置が第1レンズ第1面から離れているため光学系全長が大きくなってしまい、コンパクト性に欠けるという欠点がある。この欠点を対策するために単純に全長を小さくしようとした場合、瞳位置がレンズ系の内側に入り込むことになるが、相対的に光線高が低くなるためレンズのパワー不足を招き、パワーを上げようとすると加工が困難となってりまう。また、バックフォーカスも所望の長さを確立できず、テレセントリック性も崩れてしまう。
【0006】
一方、4枚構成で収差補正、コンパクト化という点を考慮した従来例として特許文献2に記載されているものが知られている。前述のように、CCD高画素化に伴い画素サイズが小さくなるため、テレセントリック性の向上が必要である。しかしながら、この従来例のタイプであると、パワー配分、光線高等の違いから、テレセントリック性を容易に実現できないという問題があった。
【特許文献1】特許第3,270,591号公報
【特許文献2】特許第2,582,144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上述したように、CCDの入射角特性による周辺光量の劣化を改善するためにテレセントリックな光学系で、しかも、収差が十分に補正されたコンパクトな光学系を用いたカメラヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のカメラヘッドは、内視鏡の接眼部に取り付けて撮影を行う撮影レンズを備えたカメラヘッドにおいて、前記撮影レンズが、少なくとも物体側に凹面を向けたメニスカスレンズを持ち、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズとからなり、以下の条件(1)、(2)を満足することを特徴とするものである。
【0009】
(1) 1.1<L/f<1.4
(2) 0.55<f1 /f<0.85
ただし、Lは第1レンズ第1面から像面までの軸上空気換算長、fは撮影レンズ全系の焦点距離、f1 は第1レンズの焦点距離である。
【0010】
以下に、本発明のカメラヘッドにおいて上記構成をとる理由と作用を説明する。
【0011】
条件(1)は、撮影レンズの光学系の全長を規定したものである。条件(1)において、下限の1.1を超えると、光学系全長が短くなり過ぎて、レンズを配設する際にレンズ同士がぶつかってしまったり、レンズ取り付け枠のためのスペースがなくなったりする。また、各レンズの肉厚が薄くなってしまい、加工コストがアップしてしまうという問題が起こる。また、上限の1.4を超えると、光学系の全長が長くなり、それに応じて光線高が高くなるために、レンズの外径が大きくなり、コンパクト化の妨げになる。さらに加えて、球面収差やコマ収差等も適切に補正できなくなってしまう。
【0012】
条件(2)は、第1レンズのパワーを規定したものである。長いバックフォーカスを得るため、また、光学系の全長を短くするために、全系の前側焦点位置を第1レンズの第1面に近づける必要があり、そのため、第1レンズのパワーを弱くする必要がある。条件(2)において、下限の0.55を超えると、長いバックフォーカスを得ることができなくなる。また、近軸理論より得られる全系の焦点距離fと第1レンズ焦点距離、第2レンズの倍率β2 、第3レンズの倍率β3 、第4レンズの倍率β4 との関係式f=f1 ×β2 ×β3 ×β4 から、第1レンズの焦点距離f1 が小さくなると、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズの倍率β2 、β3 、β4 が大きくなり、前側で発生した収差をこれら第2レンズ、第3レンズにより拡大することになるため、諸収差の補正が難しくなる。また、条件(2)において、上限の0.85を超えると、バックフォーカスが長くなりすぎてコンパクト性に欠ける。
【0013】
以上の条件(1)、(2)を満足することにより、4枚構成といった比較的簡単な構成であるにも係わらず、コンパクトな光学系を実現することができる。
【0014】
また、さらに他の諸収差を良好に補正した光学系を得るためには、上記条件(1)、(2)に加え、以下の条件(3)、(4)も満足することが好ましい。
【0015】
(3) 0.4<r1 /f<0.75
(4) 0.1<|φ2 |<0.3
ただし、r1 は第1レンズの第1面の曲率半径、φ2 は第2レンズの屈折力(mm-1)である。
【0016】
条件(3)は、第1レンズの第1面のパワーを規定することで、良好な画質を得るための条件である。条件(3)において、下限の0.4を超えると、球面収差が補正過剰になり、良好な画質が得られなくなる。また、上限の0.75を超えると、上側光線によるコマ収差が負への補正過剰となり、例えば画像周辺の画質が劣化して好ましくない。
【0017】
条件(4)は、第2レンズのパワーを規定したものである。本発明のカメラヘッドを硬性鏡等の接眼レンズと組み合わせたときに、片ボケのない画面周辺まで良好な画像が得られるようにするためには、像面湾曲を十分に補正する必要がある。そのためには、負レンズのパワーを適切なものにすることが重要である。条件(4)において、下限の0.1を超えると、像面湾曲が補正不足になる。また、上限の0.3を超えると、像面湾曲の補正が過剰になる。
【0018】
なお、撮像部にCCD等の固体撮像素子を用いる場合、撮影レンズの光学系に対する内視鏡接眼レンズの射出瞳位置は固定であり、諸収差の変動が少ないので、固体撮像素子を光軸方向に繰り出すことによってピント調整を行うことが好ましいが、撮影レンズの光学系を前後に移動することによってピント調整を行うようにしてもよい。また、撮像部が複数のCCDを含む色分解プリズムユニットからなるものであってもよい。
【0019】
また、さらに、以下の条件(5)、(6)を満足すると、より良好な画像を得られる光学系を実現することができる。
【0020】
(5) |TW|<2°
(6) (ν3 +ν4 )/2>50
ただし、TWは最大像高主光線の像面への入射角度、ν3 は第3レンズのアッベ数、ν4 は第4レンズのアッベ数である。
【0021】
条件(5)は、撮影レンズの光学系のテレセントリック性について規定したものである。撮像素子として使用するCCDの高画素化が進めば、前述したように、当然画素サイズが小さくなり、シェーディングに対する光線の入射角の許容範囲も狭くなる。図2に示されているのは、画素サイズが5μm程度であるCCDの感度特性である。また,3板カメラ等では色分解プリズムを使用するが、この場合、プリズム面への光線の入射角特性も重要となる。一般的に、色分解プリズムへの入射角が大きくなると、色シェーディングが発生してしまう。したがって、近年のCCDの高画素化、色分解プリズムの色シェーディングを考慮すると、条件(5)を満足することが望ましい。
【0022】
条件(6)は、第3レンズと第4レンズのアッベ数について規定したものである。本発明では、第3レンズ、第4レンズで光線高を高くすることによってテレセントリックな光学系を実現している。このため、色収差、特に倍率の色収差の補正は、この第3レンズ、第4レンズに負うところが大きい。したがって、条件(6)の下限の50を超えると、色収差、特に倍率の色収差が補正し切れなくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、周辺光量が不足することがなく、しかも、収差が十分に補正されたコンパクトな光学系のカメラヘッドを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明におけるカメラヘッド光学系の実施例1〜4を説明する。
【0025】
実施例1のカメラヘッド光学系の構成は、図3の断面図に示す通りである。この光学系中のカバーガラス10を含めた撮影レンズ6の数値データは後記する。この光学系は、カバーガラス10と撮影レンズ6と撮像部7とからなり、撮影レンズ6は、絞りSと、凸平レンズである第1レンズL1と、両凹レンズである第2レンズL2と、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである第3レンズL3と、両凸レンズである第4レンズL4とからなる。撮像部7は、色分解プリズム11と、色分解プリズム11でRGB3色に色分解された像面に配置されたCCD12R、12G、12Bとからなる。
【0026】
この実施例1の撮影レンズ6の球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、コマ収差についての収差状況は図7の収差図に示す通りである。この収差図中において、“FIY”は像高を表す。以下、同じ。
【0027】
実施例1の場合は、光学系のコンパクト化と撮像面への光線入射角、つまりテレセントリック性を重視したものとなっている。すなわち、第3レンズL3と、第4レンズL4のパワー配分のバランスを取り、第3レンズL3で上げた光線高を第4レンズで下げる際、撮像面への光線入射角が小さくなることを優先させた。
【0028】
実施例2のカメラヘッド光学系の構成は、図4の断面図に示す通りである。この光学系中のカバーガラス10を含めた撮影レンズ6の数値データは後記する。この光学系は、カバーガラス10と撮影レンズ6と撮像部7とからなり、撮影レンズ6は、絞りSと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである第1レンズL1と、両凹レンズである第2レンズL2と、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである第3レンズL3と、凸平レンズである第4レンズL4とからなる。撮像部7は、色分解プリズム11と、色分解プリズム11でRGB3色に色分解された像面に配置されたCCD12R、12G、12Bとからなる。
【0029】
この実施例2の撮影レンズ6の図7同様の収差状況は図8の収差図に示す通りである。
【0030】
実施例2の場合は、実施例1と後記の実施例4で重視した項目のバランスを取ったものとなっている。すなわち、テレセントリック性を確保しつつ、コンパクト化、画質を考慮している。
【0031】
実施例3のカメラヘッド光学系の構成は、図5の断面図に示す通りである。この光学系中のカバーガラス10を含めた撮影レンズ6の数値データは後記する。この光学系は、カバーガラス10と撮影レンズ6と撮像部7とからなり、撮影レンズ6は、絞りSと、凸平レンズである第1レンズL1と、両凹レンズである第2レンズL2と、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである第3レンズL3と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである第4レンズL4とからなる。撮像部7は、色分解プリズム11と、色分解プリズム11でRGB3色に色分解された像面に配置されたCCD12R、12G、12Bとからなる。
【0032】
この実施例3の撮影レンズ6の図7同様の収差状況は図9の収差図に示す通りである。
【0033】
実施例3の場合は、光学系のレンズ、特に凸メニスカスレンズの加工性を重視したものとなっている。すなわち、2つの正メニスカスレンズにおいて、各面の曲率半径の差を大きくすることで、加工性の向上を図った。
【0034】
実施例4のカメラヘッド光学系の構成は、図6の断面図に示す通りである。この光学系中のカバーガラス10を含めた撮影レンズ6の数値データは後記する。この光学系は、カバーガラス10と撮影レンズ6と撮像部7とからなり、撮影レンズ6は、絞りSと、凸平レンズである第1レンズL1と、両凹レンズである第2レンズL2と、像面側に凸面を向けた正メニスカスレンズである第3レンズL3と、両凸レンズである第4レンズL4とからなる。撮像部7は、色分解プリズム11と、色分解プリズム11でRGB3色に色分解された像面に配置されたCCD12R、12G、12Bとからなる。
【0035】
この実施例4の撮影レンズ6の図7同様の収差状況は図10の収差図に示す通りである。
【0036】
実施例4の場合は、光学系のコンパクト化を最も重視し、また、像面湾曲量つまり画質を重視したものとなっている。すなわち、正メニスカスレンズである第3レンズL3の凹面の曲率半径を小さくすることで、光線高を上げる効果を大きくして、像面湾曲を他の実施例よりも良く補正している。
【0037】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の他、fは全系の焦点距離、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。
【0038】

実施例1
1 = ∞ d1 = 0.7 nd1 =1.7682 νd1 =71.79
2 = ∞ d2 = 6.1
3 = ∞(絞り) d3 = 1.9
4 = 10.484 d4 = 3.5 nd2 =1.788 νd2 =47.37
5 = ∞ d5 = 4.0
6 = -11.061 d6 = 2.2 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 11.061 d7 = 2.0
8 = -22.182 d8 = 3.1 nd4 =1.72916 νd4 =54.68
9 = -10.691 d9 = 0.54
10= 13.408 d10= 3.1 nd5 =1.788 νd5 =47.37
11= -60.966
f =18.46
(1)L/f = 1.212
(2)f1 /f = 0.72
(3)r1 /f = 0.57
(4)|φ2 | = 0.16
(5)|TW| = 0.03 °
(6)(ν3 +ν4 )/2=51.03 。
【0039】

実施例2
1 = ∞ d1 = 0.7 nd1 =1.7682 νd1 =71.79
2 = ∞ d2 = 6.1
3 = ∞(絞り) d3 = 4.0651
4 = 10.1651 d4 = 2.5831 nd2 =1.83481 νd2 =42.71
5 = 127.9514 d5 = 3.5
6 = -17.1888 d6 = 2.2339 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 8.9058 d7 = 1.9
8 = -14.2003 d8 = 2.7002 nd4 =1.7725 νd4 =49.6
9 = -9.3 d9 = 0.9889
10= 11.2501 d10= 2.7031 nd5 =1.72916 νd5 =54.68
11= ∞
f =18.45
(1)L/f = 1.209
(2)f1 /f = 0.71
(3)r1 /f = 0.55
(4)|φ2 | = 0.15
(5)|TW| = 0.25 °
(6)(ν3 +ν4 )/2=52.14 。
【0040】

実施例3
1 = ∞ d1 = 0.7 nd1 =1.7682 νd1 =71.79
2 = ∞ d2 = 6.1
3 = ∞(絞り) d3 = 4.3292
4 = 13 d4 = 3.2 nd2 =1.883 νd2 =40.76
5 = ∞ d5 = 3.1
6 = -14.1245 d6 = 2.5574 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 14.7074 d7 = 2.7
8 = -32.0904 d8 = 3.0913 nd4 =1.7725 νd4 =49.6
9 = -11.1301 d9 = 1
10= 13.4383 d10= 3.0947 nd5 =1.72916 νd5 =54.68
11= 63.8046
f =18.44
(1)L/f = 1.31
(2)f1 /f = 0.80
(3)r1 /f = 0.70
(4)|φ2 | = 0.12
(5)|TW| = 0.33 °
(6)(ν3 +ν4 )/2=52.14 。
【0041】

実施例4
1 = ∞ d1 = 0.7 nd1 =1.7682 νd1 =71.79
2 = ∞ d2 = 6.1
3 = ∞(絞り) d3 = 1.9
4 = 8.2 d4 = 3.5 nd2 =1.7859 νd2 =44.2
5 = ∞ d5 = 2.7
6 = -10.2063 d6 = 2.2 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 6.993 d7 = 2.3
8 = -10.7952 d8 = 2.8 nd4 =1.51823 νd4 =58.9
9 = -6.3724 d9 = 0.7
10= 10.8202 d10= 3 nd5 =1.7725 νd5 =49.6
11= -460.807
f =18.46
(1)L/f = 1.17
(2)f1 /f = 0.57
(3)r1 /f = 0.44
(4)|φ2 | = 0.22
(5)|TW| = 0.13 °
(6)(ν3 +ν4 )/2=54.25 。
【0042】
以上、本発明のカメラヘッド光学系の撮影レンズは、何れの実施例においても、各条件式(1)〜(6)を満足することにより、良好な性能が得られる。
【0043】
なお、各実施例において、撮影レンズ6の第1レンズL1の前には、平行平板のカバーガラス10が配置されているが、これはゴミ、塵等がカメラヘッド5内部へ侵入するのを防止するためのものである。また、カバーガラス10にサファイアを使用し、メタライズ後に半田付けして封止ユニットとすることで、オートクレーブにも対応することができる。この際、サファイアの屈折率が大きく反射率が高いため、カバーガラス10を図3〜図6に示すように傾けて配置することにより、カバーガラス10の面での反射光によるゴーストを防止するようにしている。あるいは、サファイア表面に反射防止コートを施しても効果的である。
【0044】
一般に、上記実施例のように、撮影レンズ6と撮像部7が一体となっている内視鏡用カメラヘッド5の場合、図11に示すように、複数の内視鏡(硬性鏡)11 〜1n が選択的に接続される内視鏡テレビカメラシステムとなる。なお、以上の本発明のカメラヘッドでは、輝度シェーディングによる光量の低下を撮影レンズをテレセントリックとすることで改善を図っているが、より多くの仕様の異なる複数の内視鏡11 〜1n に対応するために、画像処理装置8のDSP(Digital Signal Processor)にて輝度平均化を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】硬性内視鏡とテレビカメラシステムの構成を示す図である。
【図2】CCD相対感度の入射角特性を示す図である。
【図3】本発明の実施例1のカメラヘッド光学系の断面図である。
【図4】本発明の実施例2のカメラヘッド光学系の断面図である。
【図5】本発明の実施例3のカメラヘッド光学系の断面図である。
【図6】本発明の実施例4のカメラヘッド光学系の断面図である。
【図7】本発明の実施例1のカメラヘッド光学系における撮影レンズの収差図である。
【図8】本発明の実施例2のカメラヘッド光学系における撮影レンズの収差図である。
【図9】本発明の実施例3のカメラヘッド光学系における撮影レンズの収差図である。
【図10】本発明の実施例4のカメラヘッド光学系における撮影レンズの収差図である。
【図11】複数の内視鏡と本発明のカメラヘッドを含む内視鏡テレビカメラシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1、11 〜1n …硬性鏡(内視鏡)
2…対物レンズ
3…リレーレンズ
4…接眼レンズ
5…カメラヘッド
6…撮影レンズ
7…撮像部
8…画像処理装置
9…モニターテレビ
10…カバーガラス
11…色分解プリズム
12R、12G、12B…CCD
S…絞り
L1…第1レンズ
L2…第2レンズ
L3…第3レンズ
L4…第4レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の接眼部に取り付けて撮影を行う撮影レンズを備えたカメラヘッドにおいて、前記撮影レンズが、少なくとも物体側に凹面を向けたメニスカスレンズを持ち、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズとからなり、以下の条件(1)、(2)を満足することを特徴とするカメラヘッド。
(1) 1.1<L/f<1.4
(2) 0.55<f1 /f<0.85
ただし、Lは第1レンズ第1面から像面までの軸上空気換算長、fは撮影レンズ全系の焦点距離、f1 は第1レンズの焦点距離である。
【請求項2】
前記撮影レンズがさらに以下の条件(3)、(4)を満足することを特徴とする請求項1記載のカメラヘッド。
(3) 0.4<r1 /f<0.75
(4) 0.1<|φ2 |<0.3
ただし、r1 は第1レンズの第1面の曲率半径、φ2 は第2レンズの屈折力(mm-1)である。
【請求項3】
前記撮影レンズの撮像部が固体撮像素子を備え、前記固体撮像素子を光軸方向に繰り出すことによってピント調整を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のカメラヘッド。
【請求項4】
前記撮影レンズの撮像部は、複数のCCDを含む色分解プリズムユニットからなることを特徴とする請求項3記載のカメラヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−53218(P2006−53218A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233152(P2004−233152)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】