カメラ・システムを有する携帯端末装置
【課題】本発明は、携帯端末とともに使用可能なカメラ・システムを提供する。
【解決手段】カメラ・システムを有する携帯端末装置が提供される。そのカメラシステムは、レンズ・モジュール20と、携帯端末装置に対して脱着可能な携帯端末装置のハウジングの一部分30とを備え、ハウジングの一部分30は、レンズ・モジュール20の光学特性を変更する変更手段10を備え、変更手段10は、カメラ・システムのレンズ・モジュール20とともに動作するようになっている。
【解決手段】カメラ・システムを有する携帯端末装置が提供される。そのカメラシステムは、レンズ・モジュール20と、携帯端末装置に対して脱着可能な携帯端末装置のハウジングの一部分30とを備え、ハウジングの一部分30は、レンズ・モジュール20の光学特性を変更する変更手段10を備え、変更手段10は、カメラ・システムのレンズ・モジュール20とともに動作するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置のカメラ・システムの光学性能を高めるための装置、方法、およびシステムに関する。特に本発明は、可変レンズが一体化されたカバーを用いる可変カメラ・システムを有する携帯端末装置の光学性能を高めるための装置、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
GSMなどの第2世代の携帯電話システムによって、移動体通信ユーザ数がここ数年間で大きく増加した。無線市場が進んでいる国では、携帯電話の普及率が80%を超えている。第2世代の移動体通信システムは、音声トラフィックに最適化されている。来るべき第3世代の移動体通信システムによって、第2世代の移動体通信システムの中間標準だけでなく、高いデータ速度サービスの扱いも可能になり、さらなるサービスとして音声トラフィックも提供される。無線通信は、第2世代の移動体通信システムではデータ速度が低いために制限されているサービスが、さらに拡大されるであろう。
【0003】
高いデータ速度を必要とするサービスの1つは、高品質の画像およびビデオの送受信を可能にすることである。高いデータ速度を実現できることによって、このサービスを、許容できる伝送時間および許容できるコストで実現することができる。
【0004】
すなわち来るべき携帯電話には、デジタル・カメラが含まれ、写真を撮影した後、移動体通信システムの他の加入者、たとえば移動体通信システムに何らかの形で接続されている友人もしくは同僚または適切な受信者に送ることができるようになる。たとえば内蔵型デジタル・カメラによって、テレビ電話を動作させることができるようになる。内蔵型デジタル・カメラおよび携帯電話にプラグ接続されるカメラ・モジュールを用いたアプリケーションの数は非常に多く、写真を送信できることによって通信性能が向上して便利になる。簡単な低分解能の写真を送信できるショート・メッセージ・サービス(SMS)標準によるメッセージが成功したことは、高分解能のビデオおよび写真送信による成功が次に来ることを暗示するものであると考えられる。
【0005】
デジタル・カメラは、携帯電話に内蔵されても、または携帯電話にプラグ接続される外部デジタル・カメラ・モジュールとして設けられても、その機能を実現するであろうが、サイズ、重量、電力消費などのいくつかの制限がデジタル・カメラに課される。市場および消費者の要求を満たすのは、低重量で小さい携帯サイズの電話である。したがってさらなる内蔵装置またはプラグ・オンされる装置も、同じ要求を満足しなければユーザに受け入れられるものにはならない。
【0006】
好ましくは、CMOSセンサを、デジタル・カメラ用の検出システムとして用いる。電荷結合素子(CCD)のサイズのおかげで、小型および低重量のデジタル・カメラを設計することができる。携帯装置のサイズおよび重量に応じて、デジタル・カメラ・システムの光学系も、同じ制限を受けなければならない。これは、従来のスタンド・アロンのデジタル・カメラから知られる高性能な光学系では、携帯端末に内蔵されるデジタル・カメラには使用できないことを意味する。高性能な光学系のサイズおよび重量は、制限を超えてしまう。そのためデジタル・カメラには、固定焦点の結像光学系が備え付けられるが、これだとシャープに結像できる距離が、固定焦点結像光学系の設計に起因する結像距離に制限されてしまう。多くの場合、結像は、約50cmから無限遠に制限される。さらに(水平だけでなく垂直の)視野が、所定の値に固定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それにもかかわらず、短距離の写真撮影または異なる視野での写真撮影を可能にする携帯端末(特に携帯電話)向けデジタル・カメラ用の光学系を向上させる必要性が、このカメラ・システムのユーザから生じる。この必要性は、本発明によって解決される。
【0008】
本発明は、固体焦点カメラ・システムの、特に携帯電話に内蔵されるカメラ・システムの制限を克服する装置、システム、および方法を提供する。
【0009】
本発明の第1の目的は、結像用のレンズ・モジュールを備えるカメラ・システムと、カメラ・システム全体の光学特性をユーザの要求に適合させるためのレンズ・モジュール光学特性の変更手段とが備え付けられた携帯端末装置、特に携帯電話を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、レンズ・モジュール光学特性の変更手段が一体化されたハウジングの一部、たとえば前面カバーもしくは背面カバーまたはそれぞれのカバーの一部であって、レンズ・モジュールが携帯端末装置のカメラ・システムを動作させる、ハウジングの一部を提供することである。
【0011】
本発明の第3の目的は、レンズ・モジュールを備えて携帯端末装置のカメラ・システムとして動作させられるカメラ・システムの光学特性の変更手段であって、ハウジングの一部に一体化された光学特性の変更手段を提供することである。
【0012】
本発明の第4の目的は、携帯端末装置のカメラ・システムの光学特性の変更方法であって、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性を光学特性の変更手段を用いて変更する変更方法を提供することである。光学特性の変更手段は、携帯端末装置のカメラ・システムが入るハウジングの一部に一体化される。
【0013】
本発明の第5の目的は、携帯端末装置のカメラ・システム、ハウジングの一部、およびカメラ・システムのレンズ・モジュール光学特性の変更手段を備えるシステムであって、レンズ・モジュール光学特性の変更手段がハウジングの一部に一体化されたシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、添付の特許請求の範囲によって解決される。
【0015】
全体としては、本発明による解決方法の考えによって、携帯端末装置に標準的なカメラ・システムを備え付けることで、そのユーザが写真を撮影できるようにすることができる。これらの標準的なカメラ・システムは、全体的なコスト効率が、市場区分の要望に見合う小サイズで低重量の低コスト・システムという基本的な要求を満たす。標準的なカメラ・システムによって、カメラ・システムを用いて写真または景色を撮影したいというユーザの要求の大部分をカバーするある種の標準的な結像が得られる。カメラのレンズ・システムについてのさらなる要求は、カメラのレンズ・モジュールの光学特性を変更する手段によって実現される。光学特性の変更手段を、脱着可能に接続されるハウジングまたはハウジングの一部に一体化して、ユーザからの要求に応じてカメラ・システムに接続しても良い。このカメラ・システムの任意の拡張部分によって、カメラを個々の要求に適合させることができる。この拡張部分は、迅速に交換することができる。さらに種々の拡張部分が、種々の要求に適合できるようになっていても良く、ユーザが、本人の個人的な要求を満たすサイズおよび重量を決められるようになっていても良い。と言うのは、高性能な光学系では、標準的なカメラ・システムのサイズおよび重量に対する要求を満足しない場合があるからである。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、携帯端末装置が提供される。携帯端末装置は、レンズ・モジュールとその光学特性の変更手段とを備えるカメラ・システムを有し、光学特性の変更手段は、レンズ・モジュールとともに動作するようになっている。レンズ・モジュールは、カメラ・システム内に含まれる検出器システムによって検出された像を再生するための標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは電荷結合素子(CCD)を備えて、レンズ・モジュールによってCCD上に焦点を合わせられた像を再生する。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置のカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点対物レンズであっても良い。固定焦点対物レンズは、像をフォーカスする距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることが都合が良い。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュール光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。
【0017】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、写真撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0018】
カメラ・システムが入るハウジングの一部が光学特性の変更手段を備えていても良いことが好都合である。ハウジングの一部は、前面カバーまたは背面カバーであっても良い。さらにハウジングの一部は、前面カバーの一部または背面カバーの一部であっても良い。光学特性の変更手段は、ハウジングの一部に固定しても良いが、ハウジングの一部に脱着可能に接続しても良い。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0019】
さらに、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。
【0020】
好ましくはハウジングの一部は、光学特性の変更手段だけでなく、特性の異なる複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを備える。ハウジングの一部が備えるアセンブリを、駆動によって変えることで、種々の光学特性の変更手段がカメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作できるようにしても良い。またアセンブリは、レンズ・モジュールの光学特性を変更することがない間はレンズ・モジュール用の単純な保護カバーまたはレンズ・モジュールを保護する単純なガラス面のようなさらなるエレメントを備えていても良い。
【0021】
アセンブリの駆動は、少なくとも1つのレンズが動作位置に配置される手動駆動、または電動駆動、または他の何らかの電気制御駆動(たとえば可変レンズのアセンブリを駆動する)であっても良いことが、都合が良い。光学特性の変更手段を電気的に制御するために、カメラ・システムのエレクトロニクスを光学特性の変更手段に接続するさらなる電気接続を設けても良い。さらに電気接続は、光学特性の変更手段の電動機能用の電源接続を備えていても良い。
【0022】
加えて、駆動はスライディング駆動であっても良い。光学特性の変更手段のアセンブリを、直線状に一列に、たとえば交換可能な光学レンズが隣接する列で配列して、一度に前記レンズの少なくとも1つが動作位置に配置されるようにしても良い。アセンブリ全体を、対応する指示ガイドに沿ってスライドさせることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して好適に配置しても良い。
【0023】
さらに駆動は、回転駆動であっても良い。これはアセンブリを回転盤上に配置しても良いことを意味する。これに対応して、回転盤を回転盤軸の周りに回転させることによって、たとえば、複数の周辺レンズを周辺に有する回転盤を外周に沿って回転させることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して好適に配置しても良い。
【0024】
さらに、複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを脱着可能に接続することが有益であると考えられる。アセンブリを迅速かつ容易に交換できれば、使用する可能性を高めることができる。光学特性の変更手段を回転盤上に配置する場合には、種々の回転盤を設けても良い。たとえば結像比の異なるマクロおよび接写レンズを保持する回転盤、または倍率の異なる遠距離すなわち望遠レンズを保持する回転盤である。アセンブリの数、および種々の光学特性変更手段の配置の仕方は、限定されない。
【0025】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0026】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる結像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0027】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性の変更手段として設けて良い。
【0028】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0029】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータ(wide converter)またはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0030】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの不利な点が示されるからである。
【0031】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0032】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、手動駆動または電気駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0033】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0034】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所要の光学特性を提供するいくつかのレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、結像された被写体を像面上に焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0035】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0036】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵される。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0037】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0038】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0039】
本発明の第2の態様によれば、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部が、提供される。光学特性の変更手段は、カメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作するようになっている。携帯端末装置が、カメラ・システムを備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。
【0040】
好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュールの光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし、視野を変えても良い。
【0041】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、写真撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0042】
加えて、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0043】
好ましくはハウジングの一部は、光学特性の変更手段だけでなく、特性の異なる複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを備える。ハウジングの一部が備えるアセンブリを、駆動によって変えることで、種々の光学特性の変更手段がカメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作できるようにしても良い。またアセンブリは、レンズ・モジュールの光学特性を変更することがない間、レンズ・モジュール用の単純な保護カバーまたはレンズ・モジュールを保護する単純なガラス面のようなさらなるエレメントを備えていても良い。
【0044】
アセンブリの駆動は、手動駆動、または電動駆動、または他の何らかの電気制御駆動であっても良いことが、都合が良い。光学特性の変更手段を電気的に制御するために、カメラ・システムのエレクトロニクスを光学特性の変更手段に接続するさらなる電気接続を設けても良い。さらに電気接続は、光学特性の変更手段の電動機能用の電源接続を備えていても良い。
【0045】
加えて、駆動はスライディング駆動であっても良い。光学特性の変更手段のアセンブリを、直線状に一列に配置しても良い。アセンブリ全体を、対応する支持ガイドに沿ってスライドさせることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0046】
さらに駆動は、回転駆動であっても良い。これはアセンブリを回転盤上に配置しても良いことを意味する。これに対応して、回転盤を回転盤軸の周りに回転させることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0047】
さらに、複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを脱着可能に接続することが有益であると考えられる。アセンブリを迅速かつ容易に交換できれば、使用する可能性を高めることができる。光学特性の変更手段を回転盤上に配置する場合には、種々の回転盤を設けても良い。たとえば結像比の異なるマクロおよび接写レンズを保持する回転盤、または倍率の異なる遠距離すなわち望遠レンズを保持する回転盤である。アセンブリの数、および種々の光学特性変更手段の配置の仕方は、限定されない。
【0048】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0049】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる結像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0050】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性変更手段として設けても良い。
【0051】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0052】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータまたはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0053】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの欠点が示されるからである。
【0054】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0055】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、電気的の手動駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0056】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0057】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所望の光学特性を得るように数個のレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、結像面上に結像された被写体の焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0058】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0059】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵されている。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0060】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0061】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0062】
本発明の第3の態様によれば、光学特性の変更手段が提供される。光学特性の変更手段は、カメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作するようになっている。携帯端末装置が、カメラ・システムを備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュールの光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。
【0063】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、画像撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0064】
カメラ・システムが入るハウジングの一部が、光学特性の変更手段を備えていても良いことが、都合が良い。ハウジングの一部は、前面カバーまたは背面カバーであっても良い。さらにハウジングの一部は、前面カバーの一部または背面カバーの一部であっても良い。光学特性の変更手段は、ハウジングの一部に固定しても良いが、ハウジングの一部に脱着可能に接続しても良い。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0065】
加えて、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。
【0066】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0067】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0068】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性変更手段として設けても良い。
【0069】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0070】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータまたはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0071】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの欠点が示されるからである。
【0072】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0073】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、手動駆動または電気駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0074】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0075】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所要の光学特性を得るように数個のレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、像面上に結像された被写体の焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0076】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0077】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵されている。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0078】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0079】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0080】
本発明の第4の態様によれば、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性の変更方法が提供される。光学特性の変更手段を、カメラ・システムのレンズ・モジュールの前に、光軌跡内に配置する。携帯端末装置は、カメラ・システムを備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュール光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。従って、光学特性の変更手段は、レンズ・モジュールとともに動作するようになっている。光学特性の変更手段をレンズ・モジュールの前に配置することによって、カメラ・システムの結像を拡張およびその画質を向上できるように光学特性が所望の仕方で変更される。
【0081】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、写真撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0082】
カメラ・システムが入るハウジングの一部が光学特性の変更手段を備えていても良いことが好都合である。ハウジングの一部は、前面カバーまたは背面カバーであっても良い。さらにハウジングの一部は、前面カバーの一部または背面カバーの一部であっても良い。光学特性の変更手段は、ハウジングの一部に着脱可能に接続してもよい。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0083】
加えて、ハウジングの一部が光学特性の変更手段を一体化していても良い。電気接続が、カメラ・システムのエレクトロニクスへの接続を与えるように一体化されていても良いことが、都合が良い。
【0084】
好ましくは、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。
【0085】
好ましくはハウジングの一部は、光学特性の変更手段だけでなく、特性の異なる複数の光学特性の変更手段からなるアセンブリを備える。ハウジングの一部が備えるアセンブリを、駆動によって変えることで、種々の光学特性の変更手段がカメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作できるようにしても良い。またアセンブリは、レンズ・モジュールの光学特性を変更することの無い間、レンズ・モジュール用の単純な保護カバーまたはレンズ・モジュールを保護する単純なガラス面のようなさらなるエレメントを備えていても良い。
【0086】
アセンブリの駆動は、手動駆動、または電動駆動、または他の何らかの電気制御駆動であっても良いことが、都合が良い。光学特性の変更手段を電気的に制御するために、カメラ・システムのエレクトロニクスを光学特性の変更手段に接続するさらなる電気接続を設けても良い。さらに電気接続は、光学特性の変更手段の電動機能用の電源接続を備えていても良い。
【0087】
加えて、駆動はスライディング駆動であっても良い。光学特性の変更手段のアセンブリを、直線状に一列に配置しても良い。アセンブリ全体を、対応する支持ガイドに沿ってスライドさせることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0088】
さらに駆動は、回転駆動であっても良い。これはアセンブリを回転盤上に配置しても良いことを意味する。これに対応して、回転盤を回転盤軸の周りに回転させることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0089】
さらに、複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを脱着可能に接続することが有益であると考えられる。アセンブリを迅速かつ容易に交換できれば、使用する可能性を高めることができる。光学特性の変更手段を回転盤上に配置する場合には、種々の回転盤を設けても良い。たとえば結像比の異なるマクロおよび接写レンズを保持する回転盤、または倍率の異なる遠距離または望遠レンズを保持する回転盤である。アセンブリの数、および種々の光学特性変更手段の配置の仕方は、限定されない。
【0090】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0091】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる結像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0092】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性変更手段として設けても良い。
【0093】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0094】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータまたはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0095】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの欠点が示されるからである。
【0096】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0097】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、手動駆動または電気駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0098】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0099】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所望の光学特性を得るように数個のレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、像面上に結像された被写体の焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0100】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0101】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵されている。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0102】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0103】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0104】
本発明の第5の態様によれば、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性を変更するシステムが提供される。このシステムは、カメラ・システムを備える携帯端末装置と、カメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作するようになっている光学特性の変更手段と、を備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュール光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。
【0105】
従って光学特性の変更手段は、レンズ・モジュールとともに動作するようになっている。光学特性の変更手段をレンズ・モジュールの前に配置することによって、カメラ・システムの結像を拡張および向上できるように光学特性が所望の仕方で変更される。
【0106】
携帯端末装置は、本発明の実施例に関する携帯端末装置についての前述の態様による携帯端末装置である。
【0107】
光学特性の変更手段は、本発明の実施例に関する光学特性の変更手段についての前述の態様による光学特性の変更手段である。
【0108】
添付の図面は、本発明をさらに理解できるように含まれ、本明細書の一部として取り入れられて本明細書の一部を構成している。図面は、本発明の実施例を例示し、説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0109】
図において、対応する参照数字は、対応する機能を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0110】
携帯電話などの携帯端末装置は、検出器システム、通常はCCDチップとカメラ・システム、通常はレンズ配列とから構成されるデジタル・カメラ・システムを一体化している。結像用CCDチップの使用はさらに、CCDチップの損傷を回避するために赤外(IR)フィルタを用いることが必要な場合がある。可視領域で写真撮影ができるためには、IRフィルタが必要である。そうでないとIR光によってセンサが飽和する。このようなセット・アップによって、写真撮影が可能になる。さらにCCDチップおよびレンズ・モジュールを配置することで、低重量の小型サイズカメラ・モジュールの設計が可能になることが考えられる。
【0111】
図1に、本発明の一実施例による一体化されたデジタル・カメラ・モジュールと光学アセンブリとの配置を示す。カメラ・モジュール20は、プリント配線板13上に直接配置して、携帯端末装置(図示せず)に接続しても良い。プリント配線板13に結合されたカメラ・ユニット20として実装されるように結像用レンズ・モジュールとIRフィルタとを含むカメラ・モジュールを十分小さく設計しても良い。
【0112】
光学特性を変更するためのレンズ10、ガラス・カバー12またはハード・コーテッド・プラスチック・カバー、およびハード・カバー11の配置が、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュール開口部の前に配置されている。レンズ10は、たとえば接写レンズ、マクロ・レンズ、遠距離レンズなどとして機能するように、カメラ・ユニット20の光学特性に適合されている。カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの本来の光学設計が既知である場合には、レンズ・モジュールの光学特性を変更するためのレンズを、カメラ・システムに対して設計して適合させることは、容易に行なうことができる。
【0113】
レンズ10、ガラス・カバー12、およびハード・カバー11は、矢印14で示される軸に沿って駆動することができるアセンブリとして配置しても良い。アセンブリを動かすことで、カメラ・ユニット20の開口部の前に配置するアセンブリ・エレメントを変えることができる。ガラス・カバー12は、写真撮影を、結像特性を修正しないですなわちカメラ・ユニット20に含まれるレンズ・モジュールの光学結像特性に従って行なうために用いる。ハード・カバー11は、カメラ・ユニット20を使用していないときにカメラ・ユニット20のレンズ・モジュールを保護するために用いる。特に低コストで低重量のポリマーレンズは、引っかき傷に対して非常に敏感である。ガラス・カバー12とハード・カバー11とは、レンズ・モジュールの外面を保護するための好ましい方法である。
【0114】
カメラ・ユニット20の前にレンズ10を配置する場合には、レンズ10の個々の設計に従って光学結像特性が変更される。複数のレンズまたは数個のレンズからなるアセンブリを、カメラ・ユニット20に適合させても良い。レンズを、マクロ結像、接写結像、遠距離結像用に設計しても良い。当然のことながら、カメラ・ユニット20と組み合わせても良いのは、図1に示すような単一レンズに限らない。ズーム対物レンズまたは自動焦点対物レンズを、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールに適合させて、カメラ・ユニット20の光学特性を高めるように変更しても良い。レンズまたは対物レンズに電力および制御信号を送る電源および制御線をさらに含むこともできる。制御信号は、自動焦点および/またはズーム対物レンズの場合に有益であると考えられる。と言うのは、このような対物レンズの駆動は、たとえば電動駆動を用いて、自動的に作動されるからである。
【0115】
補助レンズを標準的なカメラ・ユニット20と組み合わせて用いる利点を、下表に示すことができる。この表では、焦点距離が適合された補助レンズによって結像することができる被写体の寸法が示されている。与えられた値は、標準的なレンズ・モジュールの仕様として、固定焦点光学系、50cm〜無限遠の範囲でシャープなフォーカス、CCDチップ分解能が800×600画素(VGA:ビデオ・グラフィック・アダプタ)、および水平視野(HFVO)が55°であることに基づく。各結像距離に焦点距離が適合された特定の接写距離を用いて、個々の被写体を結像することができる。
【0116】
【表1】
【0117】
したがってハガキの撮影は、約150mmの距離で行なうことができる。これは、ハガキの写真を撮るには、焦点距離が150mmの接写レンズが適していることを意味する。
【0118】
好ましくは、レンズ10とカバー11および12とからなるアセンブリを、カメラ・モジュール20のハウジング全体(図示せず)に一体化することが考えられる。適切なガイド、この場合は支持ガイドをハウジングに取り付けることで、軸に沿ってアセンブリを移動させることができる。
【0119】
追加のレンズを用いて撮影した写真の品質が十分なものであるためには、カメラ・ユニット20およびレンズ10の配置の光学品質を保たなければならない。たとえば標準的なレンズ・モジュールと、適合された150mm接写レンズとの変調伝達関数(MTF)、歪み、および相対照度を与えても良い。標準的なレンズ・モジュールは、VGA(ビデオ・グラフィック・アダプタ)分解能として800×600画素を与えるCCDチップ上で結像するように設計されている。さらに標準的なレンズ・モジュールは、50cm〜無限遠の範囲ではっきりとした焦点の固定焦点光学系に基づく。
【0120】
【表2】
【0121】
変調伝達関数を、2つの値を考慮して分析する。すなわち25線対/ミリメートル(lp/mm)と、50線対/ミリメートル(lp/mm)である。さらに、3つの異なる値の視野(FOV)を試験する。標準的なレンズ・モジュールと標準的なレンズ・モジュールおよび接写レンズの組み合わせとの、結像に対する性能を比べると、変調伝達関数(MTF)に対して得られる値は実質的に等しく、25lp/mm値において、観察される違いが最小となり得る。分析した標準的なレンズ・モジュールおよび接写レンズの組み合わせの方が、歪みおよび相対照度が少し悪いが、値は依然として許容限界内にあり、追加のレンズに帰することができる。
【0122】
レンズ10、カバー11および12からなるアセンブリの移動方向(x軸)に沿って0.5mmだけ偏心した接写レンズの値の方が興味深いことは、都合が良い。加えてレンズを、y軸に沿って約3°傾けても良い。標準的なレンズ・モジュールと接写レンズとの組み合わせについて得られた値と比較すると、得られた値は実際には、狭い範囲内で同じである。上に示した許容範囲分析は、カメラ・ユニットのレンズ・モジュールの光学特性を変更するように光学レンズを設計できることを教えていると考えられる。レンズ・モジュールの前に配置される追加のレンズを機械的に支持するために考慮しなければならない機械的な許容範囲は、カメラ・ユニットを追加のレンズと組み合わせて撮影して得られる写真の品質の妨げにはならない。レンズ10などの追加のレンズの好適な支持を設計することは、カメラ・ユニットを入れるハウジングにレンズの支持を取り付ける場合でも可能である。
【0123】
カメラ・モジュールを、携帯電話に一体化しても良いし、携帯電話に拡張モジュールの種類でプラグ接続しても良い。いずれの場合にも、カメラ・モジュールは、最新技術の携帯端末装置の設計に基づいておよび市場が受け入れるところに基づいて、小型で低重量でなくてはならない。そのためデジタル・カメラから知られるレンズ・カメラ・システムを適切に具体化できる方法は限られている。特に複数の光学結像特性が得られるレンズ・カメラ・システムは、通常使用するコスト、サイズ、重量仕様の範囲を超えている。
【0124】
以下の図では、本発明によりカメラ・ユニットまたはモジュールを備え付けた携帯電話の可能な実施例を示す。
【0125】
図2aに、本発明のさらなる実施例によりカメラ・モジュールを備え付けた携帯電話を示す。本発明によるカメラ・モジュール41は、携帯電話1にプラグ接続することができる外部モジュールとして与えても良い。標準的な結像用のレンズ・モジュールを含むカメラ・ユニット21が、恒久的にカメラ・モジュールに一体化されている。カメラ・モジュール41のハウジングは、追加のレンズ、レンズ・モジュール、フィルタ、または他の手段を、カメラ・ユニットの内蔵レンズ・モジュールの光学特性を変更するために備えていても良い。
【0126】
図2bに、本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す。本発明によるカメラ・モジュール42は、携帯電話2にプラグ接続することができる内部モジュールとして与えても良い。標準的な結像用のレンズ・モジュールを含むカメラ・ユニット22が、恒久的にカメラ・モジュールに一体化されている。カメラ・モジュール42のハウジングは、追加のレンズ、レンズ・モジュール、フィルタ、または他の手段をカメラ・ユニットの内蔵レンズ・モジュールの光学特性を変更するために備えていても良い。またカメラ・モジュール42のハウジングは、携帯電話2のハウジングであっても良い。さらに、携帯電話2のハウジングは、異なる部分に分かれていても良い。その結果、カメラ・ユニット22の光学特性を変更するさらなる手段を交換する場合に、携帯電話のハウジングの一部が入る特定のカメラ・ユニット22のみを交換するだけで良い。
【0127】
この種のカメラ・ユニットを具体化することは、テレビ電話にとって有益であると考えられる。
【0128】
図2cに、図2bによるカメラ・モジュールを一体化した携帯電話の側面図を示す。携帯電話のハウジングは、2つの部分、前面カバー30と、背面カバー31とからなっていても良い。カメラ・ユニット20が携帯電話に一体化されて、前面カバー30が光の通路(pass through)を示すようになっている。光学的手段10によって示される補助レンズ、フィルタなどを、前面カバー30に脱着可能に接続しても良い。さらに前面カバー30を携帯電話の背面カバー31に脱着可能に接続して、前面カバー30全体を交換するようにしても良い。その結果、恒久的にレンズ、フィルタなどを前面カバー30に取り付けることができる。
【0129】
図2dに、本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話の側面図を示す。この実施例では、背面カバー33がカメラ・ユニット20に対して、光の通路を示すようにカメラ・ユニット20が携帯電話に一体化されている。携帯電話のハウジングは、2つの部分、前面カバー32と背面カバー33とからなる。カメラ・ユニット20の一体化に従って、光学的手段10が携帯電話の背面カバー33に取り付けられている。
【0130】
要約すれば、一体化されたまたは外部モジュールとしてのカメラ・モジュールと組み合わせた携帯電話について与えられた実施例は、本発明の基本的な考え方を教えている。標準的なカメラ・モジュールが携帯電話用に提供されており、標準的な光学レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットを用いて写真を撮ることができる。光学レンズ・モジュールによって標準的な結像が得られる。より高性能な結像を行なうには、補助レンズ、フィルタなどのさらなる光学的手段を用いる必要がある。これらの光学的手段を、カメラ・モジュールのハウジングに取り付ける。外部カメラ・モジュールの場合には、モジュールは、モジュール用のハウジングに入り、一体化されたカメラ・モジュールの場合には、ハウジングに、携帯電話および一体化されたカメラ・モジュールの両方が入る。光学的手段は、写真撮影の要求に応じて交換しても良い。たとえば、光学的手段を個々のハウジングに脱着可能に接続しても良い。さらに数個の異なる光学的手段を、ハウジング上に取り付けても良いし、適切な手動または自動(電動)駆動によって交換しても良い。
【0131】
カメラ・ユニット20の光学特性を変更する手段を備えるカバーの種々の実施例を、以下の図に示す。
【0132】
図3aに、本発明のさらなる実施例による脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーの側面図を示す。図3bに、図3aによる脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーの背面図を示す。図3aおよび図3bに示すハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。光学的手段70を、カバー34に脱着可能に接続しても良い。したがって光学的手段を、ユーザが容易に交換しても良い。適切な種々の光学的手段70を、カバー34に接続しカメラ・ユニット20に適合するように、ユーザに与えても良い。光学的手段70を交換できるように、特別な接続メカニズムをカバー34に一体化しても良い。ある種のスナップ・イン・エレメントによって、カバー34に対する脱着可能な接続が得られ、正しい配置が保証される。さらにスナップ・イン・エレメントによって、適切で適合された光学的手段70のみがカバー34に接続できるように、保証することができる。
【0133】
カバー34に接続することができる高性能な光学系には、電気接続が必要となる場合がある。これらの接続を、スナップ・イン・エレメントによって与えても良いし、またはさらなる電気的手段71によって与えて、光学的手段70と、参照番号71で示されるカメラ・ユニット20のエレクトロニクスとの間の電気接続が得られるようにしても良い。
【0134】
図4aに、本発明のさらなる実施例に関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーの側面図を示す。図4bに、図4aに関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーの背面図を示す。図4aおよび4bに示したハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。アセンブリ50には、数個の光学的手段が配置されている。アセンブリは、マクロ・レンズ、接写レンズ、遠距離レンズ、フィルタなどの光学的手段を備えていても良い。これらの手段を、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールに適合させても良い。さらにアセンブリは、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールを保護するカバー手段、たとえば標準的な結像に使用するガラス・カバー、または保護遮光カバーを備えていても良い。アセンブリを、スライディング駆動によって移動させても良い。スライディング駆動は、手動駆動であっても良いが、自動駆動、たとえば電動スライディング駆動であっても良い。適切な支持ガイドをカバー35に一体化して、さらなる手段(図示せず)によってアセンブリ50のスライディング駆動を可能にしても良い。所望の光学的手段51、52、または53を、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの前に配置して、それに応じて光学特性を変更しても良い。
【0135】
加えて、アセンブリ50が一体化されたカバー35を、脱着可能に接続して、図3aおよび3bに示すカバー34を、より使い心地の良いカバー35と交換できるようにしても良い。
【0136】
図5aに、本発明のさらなる実施例による回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーの側面図を示す。図5bに、図5aによる回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーの背面図を示す。図5aおよび図5bに示すハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。アセンブリ60には、数個の光学的手段が配置されている。アセンブリは、マクロ・レンズ、接写レンズ、遠距離レンズ、フィルタなどの光学的手段を備えていても良い。これらの手段は、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールに適合させても良い。さらにアセンブリは、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールを保護するカバー手段を備えていても良い。光学的手段は、回転する回転盤に一体化されていても良い。アセンブリを、回転駆動によって移動させても良い。回転駆動は、手動駆動であっても良いが、自動駆動、たとえば電動回転駆動であっても良い。適切な支持ガイドをカバー36に一体化して、さらなる手段(図示せず)によってアセンブリ60の回転駆動を可能にしても良い。アセンブリ60の所望の光学的手段A、B、C、D、またはEを、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの前に配置して、それに応じて光学特性を変更しても良い。
【0137】
加えて、アセンブリ60が一体化されたカバー36を脱着可能に接続して、図3aおよび3bに示すカバー34を、より使い心地の良いカバー36と交換できるようにしても良い。
【0138】
図6aに、本発明のさらなる実施例に関する高性能な光学系が一体化されたカバーの側面図を示す。図6bに、図6aに関する高性能な光学系が一体化されたカバーの背面図を示す。図6aおよび図6bに示したハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。高性能な光学的手段80をカバー37上に取り付けられても良い。高性能な光学系は、ズーム光学系、自動焦点光学系などであっても良い。高性能な光学系は、手動で駆動しても良いし、自動(電動)で駆動しても良い。したがって高性能な光学系80を駆動および制御するために、電気接続81を設けることが有益であると考えられる。電気接続81によって、高性能な光学系80が、カメラ・ユニット20のエレクトロニクスに、または携帯装置(図示せず)のエレクトロニクスに接続される。カメラ・ユニット20または携帯装置によって、たとえば撮影すべき被写体に焦点を合わせるために、制御信号および電力が高性能な光学系に与えられても良い。特に対物レンズが小さい場合には、焦点合わせまたはズームのような対物レンズ機能を電動で駆動することが、有益であると考えられる。と言うのは、小さい対物レンズを手動で駆動することは、駆動手段が小さくなるために難しい場合があるからである。
【0139】
好ましくは高性能な光学系を、カバー37に恒久的に取り付けても良いし、図3aおよび3bで前述したように、スナップ・イン・コネクタによってカバー37に脱着可能に接続しても良い。加えて、高性能な光学系80が一体化されたカバー37を脱着可能に接続して、高性能な光学系を恒久的に取り付ける場合に、図3aおよび3bに示すカバー34を、より使い心地の良いカバー37と交換できるようにしても良い。
【0140】
図7に、本発明のさらなる実施例によるカメラ・モジュールと脱着可能に接続される種々のカバー部分とを備える携帯電話を示す。携帯電話2には、カメラ・モジュール42が含まれている。カメラ・ユニットとレンズ・モジュールとは、レンズ・モジュールの光学特性に従って標準的な写真撮影を行なうが、これらを参照番号22によって示すことができる。カメラ・モジュール42を覆う携帯電話2のハウジングの部分を、携帯電話2のハウジングの残り部分に、脱着可能に接続しても良い。適切な種々のカバー部分を用意して、個々の携帯電話2に接続するようにしても良い。標準的なカバー部分を、カバー部分38.1、38.2、または38.3の1つと交換しても良い。以下に説明するカバー部分とカバー部分が備える光学的手段とを、典型的で限定されないものとして理解しても良い。さらなるカバー部分とカメラ・ユニット22のレンズ・モジュールの光学特性を変更する光学的手段、たとえば前述したようなものとを、さらに設けても良い。
【0141】
たとえばカバー部分38.1は、モータ・ドライブによって駆動される高性能なズーム対物レンズを備えていても良い。したがってカバー部分38.1に、さらなる電気接続が含まれていても良い。
【0142】
カバー部分38.2は、単一レンズ、たとえばマクロ・レンズ、接写レンズ、または遠距離レンズを保持するスナップ・イン・エレメントを与えても良い。これらのレンズを、カメラ・モジュール42に含まれるカメラ・ユニット22のレンズ・モジュールに適合させても良い。当然のことながら、適合された他の光学系、フィルタ、および他の光学的手段を、カバー部分38.2のスナップ・イン・コネクタに対して与えても良い。38.2のスナップ・イン・エレメントによって、取り付けられた光学的手段の交換を迅速かつ容易に行なうことができるように、この手段の脱着可能な接続が得られる。現在は未使用の光学的手段を格納するさらなるスナップ・イン・コネクタを設けることが有益であると考えられる。このような格納手段は、携帯電話2の背面上に設けても良いが、カバー部分38.2内に含めても良い。加えて、制御信号および電源用の電気接続を設けて、スナップ・イン・エレメントと、カメラ・ユニット22もしくはカメラ・モジュール42のエレクトロニクス、または携帯電話2のエレクトロニクスとを、それぞれ接続するようにしても良い。
【0143】
カバー部分38.3は、レンズ・モジュールの光学特性を変更するためにレンズ・モジュールに適合された光学的手段のアセンブリを与えても良い。アセンブリは、いくつかの光学的手段とさらに保護手段とを一体化していても良い。さらに種々の光学的手段を、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの前に、スライディングまたは回転駆動によって配置しても良い。駆動は、手動駆動であっても良いし、自動のモータ・ドライブ駆動であっても良い。
【0144】
各カバー部分38.1、38.2、および38.3を、カメラ・モジュール42を含む携帯電話と組み合わせて用いても良い。需要および要求に応じて、各ユーザは、これらの光学的増強カバー部分の1つまたはいくつかを選んでも良い。またユーザは、光学的増強カバー部分を、そのサイズおよび重量の点で選ぶことができても良い。また各ユーザは、複数個の光学的増強カバー部分を購入して、写真撮影の状況に対する現在の要求に応じてカバー部分を交換することができても良い。脱着可能なカバー部分または前述のスナップ・イン・コネクタによって、ユーザに、光学特性が様々に異なるカメラ・モジュールが与えられる一方で、多くの携帯電話が同じカメラ・モジュールに一体化されることで、これらの携帯電話の全体的なコスト効率が可能になる。
【0145】
本発明を、現時点で好ましい実施例に関して説明してきたが、このような開示は限定するものと解釈してはならないことを理解されたい。前述の開示内容を読んだ後であれば、種々の代替および変更が当業者にとって明らかとなることは疑う余地もない。したがって添付の特許請求の範囲を、本発明の真の精神および範囲内にあるすべての代替および変更に及ぶものと解釈すべきことが、意図される。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は本発明の一実施例による一体化されたデジタル・カメラ・モジュールと光学アセンブリとの配置を示す図である。
【図2a】図2aは本発明のさらなる実施例によるカメラ・モジュールを備え付けた携帯電話を示す図である。
【図2b】図2bは本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す図である。
【図2c】図2cは図2bによるカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す側面図である。
【図2d】図2dは本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す側面図である。
【図3a】図3aは本発明のさらなる実施例による脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーを示す側面図である。
【図3b】図3bは図3aによる脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーを示す背面図である。
【図4a】図4aは本発明のさらなる実施例に関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す側面図である。
【図4b】図4bは図4aに関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す背面図である。
【図5a】図5aは本発明のさらなる実施例による回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す側面図である。
【図5b】図5bは図5aによる回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す背面図である。
【図6a】図6aは本発明のさらなる実施例に関する高性能な光学系が一体化されたカバーを示す側面図である。
【図6b】図6bは図6aに関する高性能な光学系が一体化されたカバーを示す背面図である。
【図7】図7は本発明のさらなる実施例によるカメラ・モジュールと脱着可能に接続される種々のカバー部分とを備える携帯電話を示す図である。
【符号の説明】
【0147】
10 光学的手段
20 カメラ・ユニット
30 前面カバー
31 背面カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置のカメラ・システムの光学性能を高めるための装置、方法、およびシステムに関する。特に本発明は、可変レンズが一体化されたカバーを用いる可変カメラ・システムを有する携帯端末装置の光学性能を高めるための装置、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
GSMなどの第2世代の携帯電話システムによって、移動体通信ユーザ数がここ数年間で大きく増加した。無線市場が進んでいる国では、携帯電話の普及率が80%を超えている。第2世代の移動体通信システムは、音声トラフィックに最適化されている。来るべき第3世代の移動体通信システムによって、第2世代の移動体通信システムの中間標準だけでなく、高いデータ速度サービスの扱いも可能になり、さらなるサービスとして音声トラフィックも提供される。無線通信は、第2世代の移動体通信システムではデータ速度が低いために制限されているサービスが、さらに拡大されるであろう。
【0003】
高いデータ速度を必要とするサービスの1つは、高品質の画像およびビデオの送受信を可能にすることである。高いデータ速度を実現できることによって、このサービスを、許容できる伝送時間および許容できるコストで実現することができる。
【0004】
すなわち来るべき携帯電話には、デジタル・カメラが含まれ、写真を撮影した後、移動体通信システムの他の加入者、たとえば移動体通信システムに何らかの形で接続されている友人もしくは同僚または適切な受信者に送ることができるようになる。たとえば内蔵型デジタル・カメラによって、テレビ電話を動作させることができるようになる。内蔵型デジタル・カメラおよび携帯電話にプラグ接続されるカメラ・モジュールを用いたアプリケーションの数は非常に多く、写真を送信できることによって通信性能が向上して便利になる。簡単な低分解能の写真を送信できるショート・メッセージ・サービス(SMS)標準によるメッセージが成功したことは、高分解能のビデオおよび写真送信による成功が次に来ることを暗示するものであると考えられる。
【0005】
デジタル・カメラは、携帯電話に内蔵されても、または携帯電話にプラグ接続される外部デジタル・カメラ・モジュールとして設けられても、その機能を実現するであろうが、サイズ、重量、電力消費などのいくつかの制限がデジタル・カメラに課される。市場および消費者の要求を満たすのは、低重量で小さい携帯サイズの電話である。したがってさらなる内蔵装置またはプラグ・オンされる装置も、同じ要求を満足しなければユーザに受け入れられるものにはならない。
【0006】
好ましくは、CMOSセンサを、デジタル・カメラ用の検出システムとして用いる。電荷結合素子(CCD)のサイズのおかげで、小型および低重量のデジタル・カメラを設計することができる。携帯装置のサイズおよび重量に応じて、デジタル・カメラ・システムの光学系も、同じ制限を受けなければならない。これは、従来のスタンド・アロンのデジタル・カメラから知られる高性能な光学系では、携帯端末に内蔵されるデジタル・カメラには使用できないことを意味する。高性能な光学系のサイズおよび重量は、制限を超えてしまう。そのためデジタル・カメラには、固定焦点の結像光学系が備え付けられるが、これだとシャープに結像できる距離が、固定焦点結像光学系の設計に起因する結像距離に制限されてしまう。多くの場合、結像は、約50cmから無限遠に制限される。さらに(水平だけでなく垂直の)視野が、所定の値に固定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それにもかかわらず、短距離の写真撮影または異なる視野での写真撮影を可能にする携帯端末(特に携帯電話)向けデジタル・カメラ用の光学系を向上させる必要性が、このカメラ・システムのユーザから生じる。この必要性は、本発明によって解決される。
【0008】
本発明は、固体焦点カメラ・システムの、特に携帯電話に内蔵されるカメラ・システムの制限を克服する装置、システム、および方法を提供する。
【0009】
本発明の第1の目的は、結像用のレンズ・モジュールを備えるカメラ・システムと、カメラ・システム全体の光学特性をユーザの要求に適合させるためのレンズ・モジュール光学特性の変更手段とが備え付けられた携帯端末装置、特に携帯電話を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、レンズ・モジュール光学特性の変更手段が一体化されたハウジングの一部、たとえば前面カバーもしくは背面カバーまたはそれぞれのカバーの一部であって、レンズ・モジュールが携帯端末装置のカメラ・システムを動作させる、ハウジングの一部を提供することである。
【0011】
本発明の第3の目的は、レンズ・モジュールを備えて携帯端末装置のカメラ・システムとして動作させられるカメラ・システムの光学特性の変更手段であって、ハウジングの一部に一体化された光学特性の変更手段を提供することである。
【0012】
本発明の第4の目的は、携帯端末装置のカメラ・システムの光学特性の変更方法であって、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性を光学特性の変更手段を用いて変更する変更方法を提供することである。光学特性の変更手段は、携帯端末装置のカメラ・システムが入るハウジングの一部に一体化される。
【0013】
本発明の第5の目的は、携帯端末装置のカメラ・システム、ハウジングの一部、およびカメラ・システムのレンズ・モジュール光学特性の変更手段を備えるシステムであって、レンズ・モジュール光学特性の変更手段がハウジングの一部に一体化されたシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、添付の特許請求の範囲によって解決される。
【0015】
全体としては、本発明による解決方法の考えによって、携帯端末装置に標準的なカメラ・システムを備え付けることで、そのユーザが写真を撮影できるようにすることができる。これらの標準的なカメラ・システムは、全体的なコスト効率が、市場区分の要望に見合う小サイズで低重量の低コスト・システムという基本的な要求を満たす。標準的なカメラ・システムによって、カメラ・システムを用いて写真または景色を撮影したいというユーザの要求の大部分をカバーするある種の標準的な結像が得られる。カメラのレンズ・システムについてのさらなる要求は、カメラのレンズ・モジュールの光学特性を変更する手段によって実現される。光学特性の変更手段を、脱着可能に接続されるハウジングまたはハウジングの一部に一体化して、ユーザからの要求に応じてカメラ・システムに接続しても良い。このカメラ・システムの任意の拡張部分によって、カメラを個々の要求に適合させることができる。この拡張部分は、迅速に交換することができる。さらに種々の拡張部分が、種々の要求に適合できるようになっていても良く、ユーザが、本人の個人的な要求を満たすサイズおよび重量を決められるようになっていても良い。と言うのは、高性能な光学系では、標準的なカメラ・システムのサイズおよび重量に対する要求を満足しない場合があるからである。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、携帯端末装置が提供される。携帯端末装置は、レンズ・モジュールとその光学特性の変更手段とを備えるカメラ・システムを有し、光学特性の変更手段は、レンズ・モジュールとともに動作するようになっている。レンズ・モジュールは、カメラ・システム内に含まれる検出器システムによって検出された像を再生するための標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは電荷結合素子(CCD)を備えて、レンズ・モジュールによってCCD上に焦点を合わせられた像を再生する。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置のカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点対物レンズであっても良い。固定焦点対物レンズは、像をフォーカスする距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることが都合が良い。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュール光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。
【0017】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、写真撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0018】
カメラ・システムが入るハウジングの一部が光学特性の変更手段を備えていても良いことが好都合である。ハウジングの一部は、前面カバーまたは背面カバーであっても良い。さらにハウジングの一部は、前面カバーの一部または背面カバーの一部であっても良い。光学特性の変更手段は、ハウジングの一部に固定しても良いが、ハウジングの一部に脱着可能に接続しても良い。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0019】
さらに、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。
【0020】
好ましくはハウジングの一部は、光学特性の変更手段だけでなく、特性の異なる複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを備える。ハウジングの一部が備えるアセンブリを、駆動によって変えることで、種々の光学特性の変更手段がカメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作できるようにしても良い。またアセンブリは、レンズ・モジュールの光学特性を変更することがない間はレンズ・モジュール用の単純な保護カバーまたはレンズ・モジュールを保護する単純なガラス面のようなさらなるエレメントを備えていても良い。
【0021】
アセンブリの駆動は、少なくとも1つのレンズが動作位置に配置される手動駆動、または電動駆動、または他の何らかの電気制御駆動(たとえば可変レンズのアセンブリを駆動する)であっても良いことが、都合が良い。光学特性の変更手段を電気的に制御するために、カメラ・システムのエレクトロニクスを光学特性の変更手段に接続するさらなる電気接続を設けても良い。さらに電気接続は、光学特性の変更手段の電動機能用の電源接続を備えていても良い。
【0022】
加えて、駆動はスライディング駆動であっても良い。光学特性の変更手段のアセンブリを、直線状に一列に、たとえば交換可能な光学レンズが隣接する列で配列して、一度に前記レンズの少なくとも1つが動作位置に配置されるようにしても良い。アセンブリ全体を、対応する指示ガイドに沿ってスライドさせることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して好適に配置しても良い。
【0023】
さらに駆動は、回転駆動であっても良い。これはアセンブリを回転盤上に配置しても良いことを意味する。これに対応して、回転盤を回転盤軸の周りに回転させることによって、たとえば、複数の周辺レンズを周辺に有する回転盤を外周に沿って回転させることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して好適に配置しても良い。
【0024】
さらに、複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを脱着可能に接続することが有益であると考えられる。アセンブリを迅速かつ容易に交換できれば、使用する可能性を高めることができる。光学特性の変更手段を回転盤上に配置する場合には、種々の回転盤を設けても良い。たとえば結像比の異なるマクロおよび接写レンズを保持する回転盤、または倍率の異なる遠距離すなわち望遠レンズを保持する回転盤である。アセンブリの数、および種々の光学特性変更手段の配置の仕方は、限定されない。
【0025】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0026】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる結像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0027】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性の変更手段として設けて良い。
【0028】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0029】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータ(wide converter)またはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0030】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの不利な点が示されるからである。
【0031】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0032】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、手動駆動または電気駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0033】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0034】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所要の光学特性を提供するいくつかのレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、結像された被写体を像面上に焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0035】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0036】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵される。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0037】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0038】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0039】
本発明の第2の態様によれば、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部が、提供される。光学特性の変更手段は、カメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作するようになっている。携帯端末装置が、カメラ・システムを備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。
【0040】
好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュールの光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし、視野を変えても良い。
【0041】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、写真撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0042】
加えて、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0043】
好ましくはハウジングの一部は、光学特性の変更手段だけでなく、特性の異なる複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを備える。ハウジングの一部が備えるアセンブリを、駆動によって変えることで、種々の光学特性の変更手段がカメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作できるようにしても良い。またアセンブリは、レンズ・モジュールの光学特性を変更することがない間、レンズ・モジュール用の単純な保護カバーまたはレンズ・モジュールを保護する単純なガラス面のようなさらなるエレメントを備えていても良い。
【0044】
アセンブリの駆動は、手動駆動、または電動駆動、または他の何らかの電気制御駆動であっても良いことが、都合が良い。光学特性の変更手段を電気的に制御するために、カメラ・システムのエレクトロニクスを光学特性の変更手段に接続するさらなる電気接続を設けても良い。さらに電気接続は、光学特性の変更手段の電動機能用の電源接続を備えていても良い。
【0045】
加えて、駆動はスライディング駆動であっても良い。光学特性の変更手段のアセンブリを、直線状に一列に配置しても良い。アセンブリ全体を、対応する支持ガイドに沿ってスライドさせることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0046】
さらに駆動は、回転駆動であっても良い。これはアセンブリを回転盤上に配置しても良いことを意味する。これに対応して、回転盤を回転盤軸の周りに回転させることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0047】
さらに、複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを脱着可能に接続することが有益であると考えられる。アセンブリを迅速かつ容易に交換できれば、使用する可能性を高めることができる。光学特性の変更手段を回転盤上に配置する場合には、種々の回転盤を設けても良い。たとえば結像比の異なるマクロおよび接写レンズを保持する回転盤、または倍率の異なる遠距離すなわち望遠レンズを保持する回転盤である。アセンブリの数、および種々の光学特性変更手段の配置の仕方は、限定されない。
【0048】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0049】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる結像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0050】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性変更手段として設けても良い。
【0051】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0052】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータまたはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0053】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの欠点が示されるからである。
【0054】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0055】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、電気的の手動駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0056】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0057】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所望の光学特性を得るように数個のレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、結像面上に結像された被写体の焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0058】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0059】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵されている。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0060】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0061】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0062】
本発明の第3の態様によれば、光学特性の変更手段が提供される。光学特性の変更手段は、カメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作するようになっている。携帯端末装置が、カメラ・システムを備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュールの光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。
【0063】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、画像撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0064】
カメラ・システムが入るハウジングの一部が、光学特性の変更手段を備えていても良いことが、都合が良い。ハウジングの一部は、前面カバーまたは背面カバーであっても良い。さらにハウジングの一部は、前面カバーの一部または背面カバーの一部であっても良い。光学特性の変更手段は、ハウジングの一部に固定しても良いが、ハウジングの一部に脱着可能に接続しても良い。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0065】
加えて、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。
【0066】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0067】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0068】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性変更手段として設けても良い。
【0069】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0070】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータまたはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0071】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの欠点が示されるからである。
【0072】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0073】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、手動駆動または電気駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0074】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0075】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所要の光学特性を得るように数個のレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、像面上に結像された被写体の焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0076】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0077】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵されている。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0078】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0079】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0080】
本発明の第4の態様によれば、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性の変更方法が提供される。光学特性の変更手段を、カメラ・システムのレンズ・モジュールの前に、光軌跡内に配置する。携帯端末装置は、カメラ・システムを備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュール光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。従って、光学特性の変更手段は、レンズ・モジュールとともに動作するようになっている。光学特性の変更手段をレンズ・モジュールの前に配置することによって、カメラ・システムの結像を拡張およびその画質を向上できるように光学特性が所望の仕方で変更される。
【0081】
好ましくは、光学特性の変更手段を、携帯端末装置またはカメラ・システムにそれぞれ脱着可能に接続しても良い。脱着可能な接続によって、写真撮影に対する現時点の要求に応じて種々の光学特性変更手段を使用できるようにしても良い。この脱着可能な接続は、光学特性の変更手段を適切な方法で受け入れて支持する特別なスナップ・イン接続であっても良い。スナップ・イン接続によって、さらなる接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続が与えられても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0082】
カメラ・システムが入るハウジングの一部が光学特性の変更手段を備えていても良いことが好都合である。ハウジングの一部は、前面カバーまたは背面カバーであっても良い。さらにハウジングの一部は、前面カバーの一部または背面カバーの一部であっても良い。光学特性の変更手段は、ハウジングの一部に着脱可能に接続してもよい。ハウジングの一部はさらに、接続、特にカメラ・システムのエレクトロニクスへの電気接続を備えていても良い。電気接続は、制御信号用の信号接続および電源接続を備えていても良い。
【0083】
加えて、ハウジングの一部が光学特性の変更手段を一体化していても良い。電気接続が、カメラ・システムのエレクトロニクスへの接続を与えるように一体化されていても良いことが、都合が良い。
【0084】
好ましくは、光学特性の変更手段を備えるハウジングの一部を、脱着可能に接続しても良い。種々の光学特性変更手段の交換を、個々の光学特性変更手段を備えるハウジングの一部を交換することによって行なっても良い。
【0085】
好ましくはハウジングの一部は、光学特性の変更手段だけでなく、特性の異なる複数の光学特性の変更手段からなるアセンブリを備える。ハウジングの一部が備えるアセンブリを、駆動によって変えることで、種々の光学特性の変更手段がカメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作できるようにしても良い。またアセンブリは、レンズ・モジュールの光学特性を変更することの無い間、レンズ・モジュール用の単純な保護カバーまたはレンズ・モジュールを保護する単純なガラス面のようなさらなるエレメントを備えていても良い。
【0086】
アセンブリの駆動は、手動駆動、または電動駆動、または他の何らかの電気制御駆動であっても良いことが、都合が良い。光学特性の変更手段を電気的に制御するために、カメラ・システムのエレクトロニクスを光学特性の変更手段に接続するさらなる電気接続を設けても良い。さらに電気接続は、光学特性の変更手段の電動機能用の電源接続を備えていても良い。
【0087】
加えて、駆動はスライディング駆動であっても良い。光学特性の変更手段のアセンブリを、直線状に一列に配置しても良い。アセンブリ全体を、対応する支持ガイドに沿ってスライドさせることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0088】
さらに駆動は、回転駆動であっても良い。これはアセンブリを回転盤上に配置しても良いことを意味する。これに対応して、回転盤を回転盤軸の周りに回転させることによって、種々の光学特性変更手段を、カメラ・システムおよびそのレンズ・モジュールに対して適切に配置しても良い。
【0089】
さらに、複数の光学特性変更手段からなるアセンブリを脱着可能に接続することが有益であると考えられる。アセンブリを迅速かつ容易に交換できれば、使用する可能性を高めることができる。光学特性の変更手段を回転盤上に配置する場合には、種々の回転盤を設けても良い。たとえば結像比の異なるマクロおよび接写レンズを保持する回転盤、または倍率の異なる遠距離または望遠レンズを保持する回転盤である。アセンブリの数、および種々の光学特性変更手段の配置の仕方は、限定されない。
【0090】
好ましくは、携帯端末装置のカメラ・システムのレンズ・システムの光学特性の変更手段は、少なくとも1つのレンズであっても良い。カメラ・システムのレンズ・モジュール前に配置されるレンズによって、焦点距離、視野、倍率、または最短結像距離のようなレンズ・モジュールの光学特性を変更することができる。レンズの製造は、種々のレンズ材料に基づいて行なっても良い。一般的な材料は、ポリマーまたは種々のガラス基板であるが、レンズ用材料は、一般に使用されているものに限定されない。
【0091】
少なくとも1つのレンズはマクロ・レンズであっても良いことが、都合が良い。通常、用語マクロは、カメラ・システムによる結像面上への被写体の約1:1(被写体サイズ対画像サイズ)の再生を示す。これに対応して、結像された被写体の倍率は、1以上である。
【0092】
加えて、結像された被写体の倍率が約2を超えるレンズを、接写レンズと呼ぶ。これは、被写体サイズ対被写体画像サイズが1:2以下であることを意味する。このようなレンズも、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性変更手段として設けても良い。
【0093】
さらに少なくとも1つのレンズが、遠距離にある被写体を結像できる遠距離レンズであっても良い。
【0094】
好ましくは、光学特性の変更手段は、ワイド・コンバータまたはもっと極端に魚眼レンズを備えていても良い。
【0095】
さらに好ましくは、少なくとも1つのレンズが電気的なレンズであっても良い。たとえば、電気的なレンズは、異なる電圧を印加することでその焦点距離を変更できるものであっても良い。レンズの光学特性を変更することは好ましいことであると考えられる。と言うのは、数個のレンズを必要とする機械的な類似の解決方法では、比較的高重量の複雑な機構となるなどの多くの欠点が示されるからである。
【0096】
前述した光学特性の変更手段はすべて、単一レンズで設計しても良いが、数個のレンズで設計して、レンズの組み合わせを適合させて個々の光学特性を与えるようにしても良い。
【0097】
光学特性の変更手段が、通常は数個のレンズを組み合わせた対物レンズを使用することを伴っていても良いことが、都合が良い。対物レンズは、視野の範囲を選択できるズーム対物レンズであっても良い。通常、視野は、与えられた視野の範囲の中から、手動駆動または電気駆動によるユーザ操作によって、たとえば視野を電動的に調整することによって、選んでも良い。
【0098】
さらに対物レンズは、数個のレンズを備えて望遠写真撮影ができる望遠対物レンズであっても良い。望遠対物レンズは、種々の倍率で望遠写真が撮影できるズーム望遠対物レンズとして設計しても良い。
【0099】
加えて、光学特性の変更手段は、通常は数個のレンズを組み合わせた自動焦点対物レンズを使用することを含んでいても良い。所望の光学特性を得るように数個のレンズを備えた対物レンズは、多くの場合、像面上に結像された被写体の焦点を合わせる必要がある。焦点合わせは、電動で駆動しても良いし、類似の制御可能な手段によって駆動しても良い。数個のレンズを備える対物レンズの焦点合わせを自動的に駆動することが、好ましい解決方法であると考えられる。
【0100】
光学特性の変更手段がフィルタを備えていても良いことが、都合が良い。フィルタを用いることは、写真撮影では良く知られていることである。種々のフィルタを用いることで、カメラ・システムによって撮影される写真を改善することができる。たとえばスカイライト・フィルタは、晴れた日に空から出る青色の一部を減らし、入ってくる紫外(UV)線の一部を減らす。または偏光フィルタによって、反射を減らして、鮮やかな色を出すことができる。また色フィルタも、カメラ・システムによって撮影される写真を改善して、特別な効果を出すことができる。
【0101】
好ましくは、カメラ・システムは携帯端末装置に内蔵されている。携帯端末装置と、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムとは、同じハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段は、カメラ・システムを備える携帯端末装置のハウジングに一体化されていても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む携帯端末装置のハウジングの一部であっても良い。
【0102】
加えて、レンズ・モジュールを備えるカメラ・システムは、携帯端末装置にプラグ接続してカメラ・システムを動作させることができる別個の外部モジュールであっても良い。カメラ・システムは、カメラ・システム用のハウジングに入っている。カメラ・システムの光学特性の変更手段を、カメラ・システムを備える外部モジュールのハウジングに一体化しても良い。ハウジングのその部分が、カメラ・システムを含む外部モジュールのハウジングの一部であっても良い。
【0103】
携帯端末装置は、移動体通信の既知の標準に従う携帯電話であっても良いことが、都合が良い。標準はたとえば、移動体通信グローバル・システム(GSM)、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)、デジタル通信システム(DCS)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、IS−136(主に米国無線通信標準)、IS−95(主に米国無線通信標準)などである。
【0104】
本発明の第5の態様によれば、カメラ・システムのレンズ・モジュールの光学特性を変更するシステムが提供される。このシステムは、カメラ・システムを備える携帯端末装置と、カメラ・システムのレンズ・モジュールとともに動作するようになっている光学特性の変更手段と、を備える。レンズ・モジュールは、カメラ・システムの標準的な結像光学系として動作する。好ましくは、カメラ・システムは、画像を検出するためのCCDチップを備えるデジタル・カメラ・システムであっても良い。レンズ・モジュールは、CCDチップ上に画像の焦点を合わせる。典型的には、レンズ・モジュールは、携帯端末装置が備えるカメラ・システムに恒久的に一体化された固定焦点の対物レンズであっても良い。好都合であるのは、固定焦点の対物レンズが、画像の焦点を合わせる距離範囲が制限されていて、すなわち最短距離から無限遠までであり、たとえば50cmから無限遠であることである。さらに水平および垂直視野(それぞれHFOVまたはVFOV)のようなさらなる特性が、同様の制限下にある。レンズ・モジュール光学特性の変更手段によって、制限されたレンズ・モジュール特性を変更できるようにして、たとえば最短距離を短くしても良いし視野を変えても良い。
【0105】
従って光学特性の変更手段は、レンズ・モジュールとともに動作するようになっている。光学特性の変更手段をレンズ・モジュールの前に配置することによって、カメラ・システムの結像を拡張および向上できるように光学特性が所望の仕方で変更される。
【0106】
携帯端末装置は、本発明の実施例に関する携帯端末装置についての前述の態様による携帯端末装置である。
【0107】
光学特性の変更手段は、本発明の実施例に関する光学特性の変更手段についての前述の態様による光学特性の変更手段である。
【0108】
添付の図面は、本発明をさらに理解できるように含まれ、本明細書の一部として取り入れられて本明細書の一部を構成している。図面は、本発明の実施例を例示し、説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0109】
図において、対応する参照数字は、対応する機能を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0110】
携帯電話などの携帯端末装置は、検出器システム、通常はCCDチップとカメラ・システム、通常はレンズ配列とから構成されるデジタル・カメラ・システムを一体化している。結像用CCDチップの使用はさらに、CCDチップの損傷を回避するために赤外(IR)フィルタを用いることが必要な場合がある。可視領域で写真撮影ができるためには、IRフィルタが必要である。そうでないとIR光によってセンサが飽和する。このようなセット・アップによって、写真撮影が可能になる。さらにCCDチップおよびレンズ・モジュールを配置することで、低重量の小型サイズカメラ・モジュールの設計が可能になることが考えられる。
【0111】
図1に、本発明の一実施例による一体化されたデジタル・カメラ・モジュールと光学アセンブリとの配置を示す。カメラ・モジュール20は、プリント配線板13上に直接配置して、携帯端末装置(図示せず)に接続しても良い。プリント配線板13に結合されたカメラ・ユニット20として実装されるように結像用レンズ・モジュールとIRフィルタとを含むカメラ・モジュールを十分小さく設計しても良い。
【0112】
光学特性を変更するためのレンズ10、ガラス・カバー12またはハード・コーテッド・プラスチック・カバー、およびハード・カバー11の配置が、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュール開口部の前に配置されている。レンズ10は、たとえば接写レンズ、マクロ・レンズ、遠距離レンズなどとして機能するように、カメラ・ユニット20の光学特性に適合されている。カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの本来の光学設計が既知である場合には、レンズ・モジュールの光学特性を変更するためのレンズを、カメラ・システムに対して設計して適合させることは、容易に行なうことができる。
【0113】
レンズ10、ガラス・カバー12、およびハード・カバー11は、矢印14で示される軸に沿って駆動することができるアセンブリとして配置しても良い。アセンブリを動かすことで、カメラ・ユニット20の開口部の前に配置するアセンブリ・エレメントを変えることができる。ガラス・カバー12は、写真撮影を、結像特性を修正しないですなわちカメラ・ユニット20に含まれるレンズ・モジュールの光学結像特性に従って行なうために用いる。ハード・カバー11は、カメラ・ユニット20を使用していないときにカメラ・ユニット20のレンズ・モジュールを保護するために用いる。特に低コストで低重量のポリマーレンズは、引っかき傷に対して非常に敏感である。ガラス・カバー12とハード・カバー11とは、レンズ・モジュールの外面を保護するための好ましい方法である。
【0114】
カメラ・ユニット20の前にレンズ10を配置する場合には、レンズ10の個々の設計に従って光学結像特性が変更される。複数のレンズまたは数個のレンズからなるアセンブリを、カメラ・ユニット20に適合させても良い。レンズを、マクロ結像、接写結像、遠距離結像用に設計しても良い。当然のことながら、カメラ・ユニット20と組み合わせても良いのは、図1に示すような単一レンズに限らない。ズーム対物レンズまたは自動焦点対物レンズを、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールに適合させて、カメラ・ユニット20の光学特性を高めるように変更しても良い。レンズまたは対物レンズに電力および制御信号を送る電源および制御線をさらに含むこともできる。制御信号は、自動焦点および/またはズーム対物レンズの場合に有益であると考えられる。と言うのは、このような対物レンズの駆動は、たとえば電動駆動を用いて、自動的に作動されるからである。
【0115】
補助レンズを標準的なカメラ・ユニット20と組み合わせて用いる利点を、下表に示すことができる。この表では、焦点距離が適合された補助レンズによって結像することができる被写体の寸法が示されている。与えられた値は、標準的なレンズ・モジュールの仕様として、固定焦点光学系、50cm〜無限遠の範囲でシャープなフォーカス、CCDチップ分解能が800×600画素(VGA:ビデオ・グラフィック・アダプタ)、および水平視野(HFVO)が55°であることに基づく。各結像距離に焦点距離が適合された特定の接写距離を用いて、個々の被写体を結像することができる。
【0116】
【表1】
【0117】
したがってハガキの撮影は、約150mmの距離で行なうことができる。これは、ハガキの写真を撮るには、焦点距離が150mmの接写レンズが適していることを意味する。
【0118】
好ましくは、レンズ10とカバー11および12とからなるアセンブリを、カメラ・モジュール20のハウジング全体(図示せず)に一体化することが考えられる。適切なガイド、この場合は支持ガイドをハウジングに取り付けることで、軸に沿ってアセンブリを移動させることができる。
【0119】
追加のレンズを用いて撮影した写真の品質が十分なものであるためには、カメラ・ユニット20およびレンズ10の配置の光学品質を保たなければならない。たとえば標準的なレンズ・モジュールと、適合された150mm接写レンズとの変調伝達関数(MTF)、歪み、および相対照度を与えても良い。標準的なレンズ・モジュールは、VGA(ビデオ・グラフィック・アダプタ)分解能として800×600画素を与えるCCDチップ上で結像するように設計されている。さらに標準的なレンズ・モジュールは、50cm〜無限遠の範囲ではっきりとした焦点の固定焦点光学系に基づく。
【0120】
【表2】
【0121】
変調伝達関数を、2つの値を考慮して分析する。すなわち25線対/ミリメートル(lp/mm)と、50線対/ミリメートル(lp/mm)である。さらに、3つの異なる値の視野(FOV)を試験する。標準的なレンズ・モジュールと標準的なレンズ・モジュールおよび接写レンズの組み合わせとの、結像に対する性能を比べると、変調伝達関数(MTF)に対して得られる値は実質的に等しく、25lp/mm値において、観察される違いが最小となり得る。分析した標準的なレンズ・モジュールおよび接写レンズの組み合わせの方が、歪みおよび相対照度が少し悪いが、値は依然として許容限界内にあり、追加のレンズに帰することができる。
【0122】
レンズ10、カバー11および12からなるアセンブリの移動方向(x軸)に沿って0.5mmだけ偏心した接写レンズの値の方が興味深いことは、都合が良い。加えてレンズを、y軸に沿って約3°傾けても良い。標準的なレンズ・モジュールと接写レンズとの組み合わせについて得られた値と比較すると、得られた値は実際には、狭い範囲内で同じである。上に示した許容範囲分析は、カメラ・ユニットのレンズ・モジュールの光学特性を変更するように光学レンズを設計できることを教えていると考えられる。レンズ・モジュールの前に配置される追加のレンズを機械的に支持するために考慮しなければならない機械的な許容範囲は、カメラ・ユニットを追加のレンズと組み合わせて撮影して得られる写真の品質の妨げにはならない。レンズ10などの追加のレンズの好適な支持を設計することは、カメラ・ユニットを入れるハウジングにレンズの支持を取り付ける場合でも可能である。
【0123】
カメラ・モジュールを、携帯電話に一体化しても良いし、携帯電話に拡張モジュールの種類でプラグ接続しても良い。いずれの場合にも、カメラ・モジュールは、最新技術の携帯端末装置の設計に基づいておよび市場が受け入れるところに基づいて、小型で低重量でなくてはならない。そのためデジタル・カメラから知られるレンズ・カメラ・システムを適切に具体化できる方法は限られている。特に複数の光学結像特性が得られるレンズ・カメラ・システムは、通常使用するコスト、サイズ、重量仕様の範囲を超えている。
【0124】
以下の図では、本発明によりカメラ・ユニットまたはモジュールを備え付けた携帯電話の可能な実施例を示す。
【0125】
図2aに、本発明のさらなる実施例によりカメラ・モジュールを備え付けた携帯電話を示す。本発明によるカメラ・モジュール41は、携帯電話1にプラグ接続することができる外部モジュールとして与えても良い。標準的な結像用のレンズ・モジュールを含むカメラ・ユニット21が、恒久的にカメラ・モジュールに一体化されている。カメラ・モジュール41のハウジングは、追加のレンズ、レンズ・モジュール、フィルタ、または他の手段を、カメラ・ユニットの内蔵レンズ・モジュールの光学特性を変更するために備えていても良い。
【0126】
図2bに、本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す。本発明によるカメラ・モジュール42は、携帯電話2にプラグ接続することができる内部モジュールとして与えても良い。標準的な結像用のレンズ・モジュールを含むカメラ・ユニット22が、恒久的にカメラ・モジュールに一体化されている。カメラ・モジュール42のハウジングは、追加のレンズ、レンズ・モジュール、フィルタ、または他の手段をカメラ・ユニットの内蔵レンズ・モジュールの光学特性を変更するために備えていても良い。またカメラ・モジュール42のハウジングは、携帯電話2のハウジングであっても良い。さらに、携帯電話2のハウジングは、異なる部分に分かれていても良い。その結果、カメラ・ユニット22の光学特性を変更するさらなる手段を交換する場合に、携帯電話のハウジングの一部が入る特定のカメラ・ユニット22のみを交換するだけで良い。
【0127】
この種のカメラ・ユニットを具体化することは、テレビ電話にとって有益であると考えられる。
【0128】
図2cに、図2bによるカメラ・モジュールを一体化した携帯電話の側面図を示す。携帯電話のハウジングは、2つの部分、前面カバー30と、背面カバー31とからなっていても良い。カメラ・ユニット20が携帯電話に一体化されて、前面カバー30が光の通路(pass through)を示すようになっている。光学的手段10によって示される補助レンズ、フィルタなどを、前面カバー30に脱着可能に接続しても良い。さらに前面カバー30を携帯電話の背面カバー31に脱着可能に接続して、前面カバー30全体を交換するようにしても良い。その結果、恒久的にレンズ、フィルタなどを前面カバー30に取り付けることができる。
【0129】
図2dに、本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話の側面図を示す。この実施例では、背面カバー33がカメラ・ユニット20に対して、光の通路を示すようにカメラ・ユニット20が携帯電話に一体化されている。携帯電話のハウジングは、2つの部分、前面カバー32と背面カバー33とからなる。カメラ・ユニット20の一体化に従って、光学的手段10が携帯電話の背面カバー33に取り付けられている。
【0130】
要約すれば、一体化されたまたは外部モジュールとしてのカメラ・モジュールと組み合わせた携帯電話について与えられた実施例は、本発明の基本的な考え方を教えている。標準的なカメラ・モジュールが携帯電話用に提供されており、標準的な光学レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットを用いて写真を撮ることができる。光学レンズ・モジュールによって標準的な結像が得られる。より高性能な結像を行なうには、補助レンズ、フィルタなどのさらなる光学的手段を用いる必要がある。これらの光学的手段を、カメラ・モジュールのハウジングに取り付ける。外部カメラ・モジュールの場合には、モジュールは、モジュール用のハウジングに入り、一体化されたカメラ・モジュールの場合には、ハウジングに、携帯電話および一体化されたカメラ・モジュールの両方が入る。光学的手段は、写真撮影の要求に応じて交換しても良い。たとえば、光学的手段を個々のハウジングに脱着可能に接続しても良い。さらに数個の異なる光学的手段を、ハウジング上に取り付けても良いし、適切な手動または自動(電動)駆動によって交換しても良い。
【0131】
カメラ・ユニット20の光学特性を変更する手段を備えるカバーの種々の実施例を、以下の図に示す。
【0132】
図3aに、本発明のさらなる実施例による脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーの側面図を示す。図3bに、図3aによる脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーの背面図を示す。図3aおよび図3bに示すハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。光学的手段70を、カバー34に脱着可能に接続しても良い。したがって光学的手段を、ユーザが容易に交換しても良い。適切な種々の光学的手段70を、カバー34に接続しカメラ・ユニット20に適合するように、ユーザに与えても良い。光学的手段70を交換できるように、特別な接続メカニズムをカバー34に一体化しても良い。ある種のスナップ・イン・エレメントによって、カバー34に対する脱着可能な接続が得られ、正しい配置が保証される。さらにスナップ・イン・エレメントによって、適切で適合された光学的手段70のみがカバー34に接続できるように、保証することができる。
【0133】
カバー34に接続することができる高性能な光学系には、電気接続が必要となる場合がある。これらの接続を、スナップ・イン・エレメントによって与えても良いし、またはさらなる電気的手段71によって与えて、光学的手段70と、参照番号71で示されるカメラ・ユニット20のエレクトロニクスとの間の電気接続が得られるようにしても良い。
【0134】
図4aに、本発明のさらなる実施例に関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーの側面図を示す。図4bに、図4aに関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーの背面図を示す。図4aおよび4bに示したハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。アセンブリ50には、数個の光学的手段が配置されている。アセンブリは、マクロ・レンズ、接写レンズ、遠距離レンズ、フィルタなどの光学的手段を備えていても良い。これらの手段を、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールに適合させても良い。さらにアセンブリは、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールを保護するカバー手段、たとえば標準的な結像に使用するガラス・カバー、または保護遮光カバーを備えていても良い。アセンブリを、スライディング駆動によって移動させても良い。スライディング駆動は、手動駆動であっても良いが、自動駆動、たとえば電動スライディング駆動であっても良い。適切な支持ガイドをカバー35に一体化して、さらなる手段(図示せず)によってアセンブリ50のスライディング駆動を可能にしても良い。所望の光学的手段51、52、または53を、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの前に配置して、それに応じて光学特性を変更しても良い。
【0135】
加えて、アセンブリ50が一体化されたカバー35を、脱着可能に接続して、図3aおよび3bに示すカバー34を、より使い心地の良いカバー35と交換できるようにしても良い。
【0136】
図5aに、本発明のさらなる実施例による回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーの側面図を示す。図5bに、図5aによる回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーの背面図を示す。図5aおよび図5bに示すハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。アセンブリ60には、数個の光学的手段が配置されている。アセンブリは、マクロ・レンズ、接写レンズ、遠距離レンズ、フィルタなどの光学的手段を備えていても良い。これらの手段は、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールに適合させても良い。さらにアセンブリは、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールを保護するカバー手段を備えていても良い。光学的手段は、回転する回転盤に一体化されていても良い。アセンブリを、回転駆動によって移動させても良い。回転駆動は、手動駆動であっても良いが、自動駆動、たとえば電動回転駆動であっても良い。適切な支持ガイドをカバー36に一体化して、さらなる手段(図示せず)によってアセンブリ60の回転駆動を可能にしても良い。アセンブリ60の所望の光学的手段A、B、C、D、またはEを、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの前に配置して、それに応じて光学特性を変更しても良い。
【0137】
加えて、アセンブリ60が一体化されたカバー36を脱着可能に接続して、図3aおよび3bに示すカバー34を、より使い心地の良いカバー36と交換できるようにしても良い。
【0138】
図6aに、本発明のさらなる実施例に関する高性能な光学系が一体化されたカバーの側面図を示す。図6bに、図6aに関する高性能な光学系が一体化されたカバーの背面図を示す。図6aおよび図6bに示したハウジングの一部は、携帯電話のカバー、たとえば背面カバーまたは前面カバーの一部であっても良い。レンズ・モジュールを備えるカメラ・ユニットの位置を、エレメント20によって示すものとする。高性能な光学的手段80をカバー37上に取り付けられても良い。高性能な光学系は、ズーム光学系、自動焦点光学系などであっても良い。高性能な光学系は、手動で駆動しても良いし、自動(電動)で駆動しても良い。したがって高性能な光学系80を駆動および制御するために、電気接続81を設けることが有益であると考えられる。電気接続81によって、高性能な光学系80が、カメラ・ユニット20のエレクトロニクスに、または携帯装置(図示せず)のエレクトロニクスに接続される。カメラ・ユニット20または携帯装置によって、たとえば撮影すべき被写体に焦点を合わせるために、制御信号および電力が高性能な光学系に与えられても良い。特に対物レンズが小さい場合には、焦点合わせまたはズームのような対物レンズ機能を電動で駆動することが、有益であると考えられる。と言うのは、小さい対物レンズを手動で駆動することは、駆動手段が小さくなるために難しい場合があるからである。
【0139】
好ましくは高性能な光学系を、カバー37に恒久的に取り付けても良いし、図3aおよび3bで前述したように、スナップ・イン・コネクタによってカバー37に脱着可能に接続しても良い。加えて、高性能な光学系80が一体化されたカバー37を脱着可能に接続して、高性能な光学系を恒久的に取り付ける場合に、図3aおよび3bに示すカバー34を、より使い心地の良いカバー37と交換できるようにしても良い。
【0140】
図7に、本発明のさらなる実施例によるカメラ・モジュールと脱着可能に接続される種々のカバー部分とを備える携帯電話を示す。携帯電話2には、カメラ・モジュール42が含まれている。カメラ・ユニットとレンズ・モジュールとは、レンズ・モジュールの光学特性に従って標準的な写真撮影を行なうが、これらを参照番号22によって示すことができる。カメラ・モジュール42を覆う携帯電話2のハウジングの部分を、携帯電話2のハウジングの残り部分に、脱着可能に接続しても良い。適切な種々のカバー部分を用意して、個々の携帯電話2に接続するようにしても良い。標準的なカバー部分を、カバー部分38.1、38.2、または38.3の1つと交換しても良い。以下に説明するカバー部分とカバー部分が備える光学的手段とを、典型的で限定されないものとして理解しても良い。さらなるカバー部分とカメラ・ユニット22のレンズ・モジュールの光学特性を変更する光学的手段、たとえば前述したようなものとを、さらに設けても良い。
【0141】
たとえばカバー部分38.1は、モータ・ドライブによって駆動される高性能なズーム対物レンズを備えていても良い。したがってカバー部分38.1に、さらなる電気接続が含まれていても良い。
【0142】
カバー部分38.2は、単一レンズ、たとえばマクロ・レンズ、接写レンズ、または遠距離レンズを保持するスナップ・イン・エレメントを与えても良い。これらのレンズを、カメラ・モジュール42に含まれるカメラ・ユニット22のレンズ・モジュールに適合させても良い。当然のことながら、適合された他の光学系、フィルタ、および他の光学的手段を、カバー部分38.2のスナップ・イン・コネクタに対して与えても良い。38.2のスナップ・イン・エレメントによって、取り付けられた光学的手段の交換を迅速かつ容易に行なうことができるように、この手段の脱着可能な接続が得られる。現在は未使用の光学的手段を格納するさらなるスナップ・イン・コネクタを設けることが有益であると考えられる。このような格納手段は、携帯電話2の背面上に設けても良いが、カバー部分38.2内に含めても良い。加えて、制御信号および電源用の電気接続を設けて、スナップ・イン・エレメントと、カメラ・ユニット22もしくはカメラ・モジュール42のエレクトロニクス、または携帯電話2のエレクトロニクスとを、それぞれ接続するようにしても良い。
【0143】
カバー部分38.3は、レンズ・モジュールの光学特性を変更するためにレンズ・モジュールに適合された光学的手段のアセンブリを与えても良い。アセンブリは、いくつかの光学的手段とさらに保護手段とを一体化していても良い。さらに種々の光学的手段を、カメラ・ユニット20のレンズ・モジュールの前に、スライディングまたは回転駆動によって配置しても良い。駆動は、手動駆動であっても良いし、自動のモータ・ドライブ駆動であっても良い。
【0144】
各カバー部分38.1、38.2、および38.3を、カメラ・モジュール42を含む携帯電話と組み合わせて用いても良い。需要および要求に応じて、各ユーザは、これらの光学的増強カバー部分の1つまたはいくつかを選んでも良い。またユーザは、光学的増強カバー部分を、そのサイズおよび重量の点で選ぶことができても良い。また各ユーザは、複数個の光学的増強カバー部分を購入して、写真撮影の状況に対する現在の要求に応じてカバー部分を交換することができても良い。脱着可能なカバー部分または前述のスナップ・イン・コネクタによって、ユーザに、光学特性が様々に異なるカメラ・モジュールが与えられる一方で、多くの携帯電話が同じカメラ・モジュールに一体化されることで、これらの携帯電話の全体的なコスト効率が可能になる。
【0145】
本発明を、現時点で好ましい実施例に関して説明してきたが、このような開示は限定するものと解釈してはならないことを理解されたい。前述の開示内容を読んだ後であれば、種々の代替および変更が当業者にとって明らかとなることは疑う余地もない。したがって添付の特許請求の範囲を、本発明の真の精神および範囲内にあるすべての代替および変更に及ぶものと解釈すべきことが、意図される。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は本発明の一実施例による一体化されたデジタル・カメラ・モジュールと光学アセンブリとの配置を示す図である。
【図2a】図2aは本発明のさらなる実施例によるカメラ・モジュールを備え付けた携帯電話を示す図である。
【図2b】図2bは本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す図である。
【図2c】図2cは図2bによるカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す側面図である。
【図2d】図2dは本発明のさらなる実施例に関するカメラ・モジュールが一体化された携帯電話を示す側面図である。
【図3a】図3aは本発明のさらなる実施例による脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーを示す側面図である。
【図3b】図3bは図3aによる脱着可能に接続されるレンズが一体化されたカバーを示す背面図である。
【図4a】図4aは本発明のさらなる実施例に関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す側面図である。
【図4b】図4bは図4aに関するスライディング配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す背面図である。
【図5a】図5aは本発明のさらなる実施例による回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す側面図である。
【図5b】図5bは図5aによる回転配置の数個のレンズが一体化されたカバーを示す背面図である。
【図6a】図6aは本発明のさらなる実施例に関する高性能な光学系が一体化されたカバーを示す側面図である。
【図6b】図6bは図6aに関する高性能な光学系が一体化されたカバーを示す背面図である。
【図7】図7は本発明のさらなる実施例によるカメラ・モジュールと脱着可能に接続される種々のカバー部分とを備える携帯電話を示す図である。
【符号の説明】
【0147】
10 光学的手段
20 カメラ・ユニット
30 前面カバー
31 背面カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ・システムを有する携帯端末装置であって、
前記カメラ・システムは、
レンズ・モジュールと、
前記携帯端末装置に対して脱着可能な前記携帯端末装置のハウジングの一部分とを備え、
前記ハウジングの一部分は、前記レンズ・モジュールの光学特性を変更する変更手段を備え、該変更手段は、前記カメラ・システムの前記レンズ・モジュールとともに動作するようになっている携帯端末装置。
【請求項1】
カメラ・システムを有する携帯端末装置であって、
前記カメラ・システムは、
レンズ・モジュールと、
前記携帯端末装置に対して脱着可能な前記携帯端末装置のハウジングの一部分とを備え、
前記ハウジングの一部分は、前記レンズ・モジュールの光学特性を変更する変更手段を備え、該変更手段は、前記カメラ・システムの前記レンズ・モジュールとともに動作するようになっている携帯端末装置。
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図4a】
【図5a】
【図6a】
【図7】
【図1】
【図3b】
【図4b】
【図5b】
【図6b】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図4a】
【図5a】
【図6a】
【図7】
【図1】
【図3b】
【図4b】
【図5b】
【図6b】
【公開番号】特開2009−37246(P2009−37246A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226268(P2008−226268)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【分割の表示】特願2003−545062(P2003−545062)の分割
【原出願日】平成14年9月18日(2002.9.18)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【分割の表示】特願2003−545062(P2003−545062)の分割
【原出願日】平成14年9月18日(2002.9.18)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】
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