説明

カメラ付きブザー

【課題】ブザーの防犯機能を高めることが目的とされる。
【解決手段】カメラ付きブザーは、スイッチ1、ブザー2、撮像部3及び記憶部4を備える。ブザー2は、スイッチ1がオンした場合に鳴動する。記憶部4は、スイッチ1がオンした場合に、撮像部3で撮像された映像Pを記録する。撮像部3は、撮像した映像Pを記憶部4に記録する場合には動作している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はカメラ付きブザーに関し、例えば防犯に適用できる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、紐を引くことで鳴動する防犯ブザーが紹介されているおり、当該防犯ブザーは特にランドセルに設置されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−75924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、防犯ブザーだけでは昨今の児童誘拐等の犯罪を防止できないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ブザーの防犯機能を高めることが目的とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1にかかるカメラ付きブザーは、撮像部と、スイッチと、前記スイッチがオンした場合に鳴動するブザーと、前記スイッチがオンした場合に、前記撮像部で撮像された映像を記録する記憶部とを備える。
【0007】
この発明の請求項2にかかるカメラ付きブザーは、請求項1記載のカメラ付きブザーであって、前記ブザーは前記スイッチに接続される紐を有し、前記紐を引くことで前記スイッチがオンする。
【0008】
この発明の請求項3にかかるカメラ付きブザーは、音の周波数と振幅とを検知する第1の検知部と、撮像部と、ブザーと、記憶部とを備え、前記周波数が所定の範囲にあって前記振幅が所定値以上である場合に、前記ブザーの鳴動と前記撮像部で撮像された映像の前記記憶部への記録とを並行して行う。
【0009】
この発明の請求項4にかかるカメラ付きブザーは、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のカメラ付きブザーであって、心拍または脈拍の数値を検知する第2の検知部を更に備え、前記数値が所定値以上である場合に、前記ブザーを鳴動させずに前記撮像部で撮像された映像を前記記憶部に記録する。
【0010】
この発明の請求項5にかかるカメラ付きブザーは、心拍または脈拍の数値を検知する検知部と、撮像部と、ブザーと、記憶部とを備え、前記数値が所定値以上である場合に、前記ブザーの鳴動と前記撮像部で撮像された映像の前記記憶部への記録とを並行して行う。
【0011】
この発明の請求項6にかかるカメラ付きブザーは、心拍または脈拍の数値を検知する検知部と、撮像部と、ブザーと、記憶部とを備え、前記数値の時間変化量が所定値以上である場合に、前記ブザーの鳴動と前記撮像部で撮像された映像の前記記憶部への記録とを並行して行う。
【0012】
この発明の請求項7にかかるカメラ付きブザーは、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のカメラ付きブザーであって、前記記憶部に前記映像を記録している場合に点灯するランプを更に備える。
【0013】
この発明の請求項8にかかるカメラ付きブザーは、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のカメラ付きブザーであって、前記記憶部への前記映像の記録に並行して、所定の信号を送信する送信部を更に備える。
【0014】
この発明の請求項9にかかるカメラ付きブザーは、請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載のカメラ付きブザーであって、前記撮像部と前記記憶部とは分離可能であって、両者は被固定部を介して相互に反対側から装着されて前記被固定部に固定される。
【0015】
この発明の請求項10にかかるカメラ付きブザーは、請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載のカメラ付きブザーであって、前記撮像部と前記ブザーとは分離可能である。
【0016】
この発明の請求項11にかかるカメラ付きブザーは、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載のカメラ付きブザーであって、肩ベルトに装着可能である。
【発明の効果】
【0017】
この発明の請求項1にかかるカメラ付ブザーによれば、スイッチをオンすることで、ブザーが鳴動する状況での周囲の映像を記録することができる。
【0018】
この発明の請求項2にかかるカメラ付ブザーによれば、スイッチを直接操作できない位置に設置しても、紐を介してスイッチをオンすることができる。
【0019】
この発明の請求項3にかかるカメラ付ブザーによれば、音を検知してブザーの鳴動と記憶部への映像の記録とを並行して行うので、スイッチの操作が不要である。しかも、音の周波数が所定の範囲であって振幅が所定値以上の場合にブザーを鳴動させるので、誤報が低減できる。
【0020】
この発明の請求項4にかかるカメラ付ブザーによれば、誤報を回避することができる。
【0021】
この発明の請求項5にかかるカメラ付ブザーによれば、心拍または脈拍の数値を検知してブザーの鳴動と記憶部への映像の記録とを並行して行うので、スイッチの操作が不要である。しかも、当該数値が所定値以上である場合にブザーを鳴動させるので、誤報が低減できる。
【0022】
この発明の請求項6にかかるカメラ付きブザーによれば、心拍または脈拍の数値を検知してブザーの鳴動と記憶部への映像の記録とを並行して行うので、スイッチの操作が不要である。しかも、前記数値の時間変化量が所定値以上である場合にブザーを鳴動させるので、誤報が低減できる。
【0023】
この発明の請求項7にかかるカメラ付ブザーによれば、ランプの点灯により撮像した映像を記録していることを認識できる。
【0024】
この発明の請求項8にかかるカメラ付ブザーによれば、所定の信号を送信することで、例えば非常時であることを通知したり、記録した映像を転送したりすることができる。
【0025】
この発明の請求項9にかかるカメラ付ブザーによれば、撮像部が取り外されても記憶部は残る。よって、それまでに記録された映像を保持することができる。
【0026】
この発明の請求項10にかかるカメラ付ブザーによれば、撮像部が取り外されても、ブザーを鳴動させることができる。また、ブザーが取り外されても、撮像部で映像を撮像することができる。
【0027】
この発明の請求項11にかかるカメラ付ブザーによれば、当該カメラ付きブザーを装着した人に近づく者を撮像しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
第1の実施の形態.
図1は、本実施の形態にかかるカメラ付きブザーを概念的に示すブロック図である。当該カメラ付きブザーは、スイッチ1、ブザー2、撮像部3及び記憶部4を備える。
【0029】
ブザー2は、スイッチ1がオンした場合に鳴動する。
【0030】
記憶部4は、スイッチ1がオンした場合に、撮像部3で撮像された映像Pを記録する。
【0031】
撮像部3は、撮像した映像Pを記憶部4に記録する場合には動作している。撮像部3は、例えば充電可能なバッテリで駆動される。
【0032】
上述したカメラ付きブザーによれば、スイッチをオンすることで、ブザー2が鳴動する状況での周囲の映像Pを記憶部4に記録することができる。
【0033】
カメラ付きブザーは、送信部5を更に備えても良く、図1にはこの態様が示されている。
【0034】
送信部5は、スイッチ1がオンした場合に所定の信号Sを送信する。この送信は、記憶部4への映像Pの記録に並行した、送信部5による所定の信号Sの送信と把握できる。所定の信号Sには、例えば非常時であることを通知する信号や、記憶部4に記録された映像等が採用できる。当該信号Sは、例えば子供110番の家や警備会社等に設置された受信部6で受信される。
【0035】
図2は、カメラ付きブザーの構造を概念的に示す。カメラ付きブザーは、本体部分11と記憶部4とを備える。本体部分11は、これに格納された撮像部3及びブザー2と、スイッチ1とを備える。
【0036】
本体部分11と記憶部4とは分離可能であり、肩ベルト9を介して互いに反対側から装着することで、カメラ付きブザーが肩ベルト9に固定される。図3では、ランドセルの肩ベルト9に当該カメラ付きブザーを装着した場合が示されている。ランドセルの肩ベルト9にカメラ付きブザーを装着することは、当該カメラ付きブザーを装着した人に近づく者を撮像しやすい点で望ましい。
【0037】
本体部分11と記憶部4とを装着することで、記憶部4は撮像部3及びスイッチ1とそれぞれ接続される。
【0038】
このような構造を有するカメラ付きブザーによれば、本体部分11がもぎ取られるなどして撮像部3が取り外されても記憶部4は残る。よって、それまでに記録された映像Pを保持することができる。
【0039】
スイッチ1は、これに接続された紐を引くことでオンするものであっても良い。これによれば、スイッチ1を直接操作できない位置に設置しても、紐を介してスイッチ1をオンすることができる。
【0040】
図2では、撮像部3とブザー2とが本体部分11に格納された場合が示されているが、例えば撮像部3とブザー2とが分離可能であっても良い。これによれば、撮像部3がもぎ取られるなどして取り外されても、ブザー2を鳴動させることができる。また、ブザー2がもぎ取られるなどして取り外されても、撮像部3で映像Pを撮像することができる。
【0041】
第2の実施の形態.
図4は、本実施の形態にかかるカメラ付きブザーを概念的に示すブロック図である。当該カメラ付きブザーは、ブザー2、撮像部3、記憶部4、検知部7及び制御部8を備える。
【0042】
検知部7には、音の周波数fと振幅Aとを検知するセンサが採用できる。この場合、検知された周波数f及び振幅Aは制御部8に与えられる。
【0043】
制御部8は、周波数fが所定の範囲にあって振幅Aが所定値以上であると判断した場合に、ブザー2を鳴動させ、これに並行して撮像部3で撮像された映像Pを記憶部4に記録させる。制御部8は、記憶部4に映像Pを記録する場合には撮像部3を動作させる。
【0044】
所定の範囲には、カメラ付きブザーを装着する者の声の周波数領域が採用できる。また、互いに異なる複数の周波数領域を予め登録しておき、これらを例えばスイッチで切り換えることで、選択される周波数領域を所定の範囲として採用しても良い。
【0045】
このようなカメラ付きブザーによれば、音を検知してブザー2の鳴動と記憶部4への映像Pの記録とを並行して行うので、スイッチ1の操作が不要である。しかも、音の周波数fが所定の範囲であって振幅Aが所定値以上の場合にブザー2を鳴動させるので、誤報が低減できる。
【0046】
検知部7には、心拍または脈拍の数値aを検知するセンサを採用しても良い。この場合、検知された数値aは制御部8に与えられる。
【0047】
制御部8は、数値aが所定値以上であると判断した場合に、ブザー2を鳴動させ、これに並行して撮像部3で撮像された映像Pを記憶部4に記録させる。制御部8は、記憶部4に映像Pを記録する場合には撮像部3を動作させる。
【0048】
このようなカメラ付きブザーによれば、心拍または脈拍の数値aを検知してブザー2の鳴動と記憶部4への映像Pの記録とを並行して行うので、スイッチ1の操作が不要である。しかも、数値aが所定値以上である場合にブザー2を鳴動させるので、誤報が低減できる。
【0049】
心拍や脈拍の数値aは変化しやすい。例えば、不審者が近づいてきた場合などの非常時でなくても、運動などをすれば数値aが向上する。このような場合にまでブザーを鳴動させれば誤報を招き、あまり望ましくない。
【0050】
そこで、制御部8で次のような制御を行っても良い。すなわち、数値aが所定値以上であると判断した場合に、ブザー2を鳴動させずに撮像部3で撮像された映像Pを記憶部4に記録させる。ブザー2は、これに例えばスイッチ1が接続され、スイッチ1をオンした場合に鳴動する。あるいは、音の周波数fと振幅Aとを検知するセンサを更に備え、周波数fが所定の範囲にあって振幅Aが所定値以上であると制御部8が判断した場合に、制御部8の制御によってブザー2は鳴動する。これにより、誤報を回避することができる。
【0051】
例えば、制御部8は次のような制御を行っても良い。すなわち、ある時刻t1で所定値L1以下であった数値aが、所定の時間経過後の時刻t2で所定値L2(L2>L1)以上になったと判断した場合に、ブザー2を鳴動させ、これに並行して撮像部3で撮像された映像Pを記憶部4に記録させる。
【0052】
所定の時間には、例えば10秒程度の短い時間を採用することが望ましい。なぜなら、制御部8の上記判断が、例えば不審者の接近などによって心拍または脈拍の数値aが著しく増加した場合に行われ、以って誤報が低減されるからである。この内容は、数値aの時間変化量が所定値以上である場合に、ブザー2の鳴動と映像Pの記憶部4への記録とを並行して行うと把握できる。
【0053】
上述したカメラ付きブザーのいずれにおいても、記憶部4に映像Pを記録している場合に点灯するランプを更に備えることが望ましい。なぜなら、ランプの点灯により撮像した映像Pを記録していることが認識できるからである。例えば、不審者がランプの点灯を見て、逃げ出すことが想定できる。
【0054】
また、上述したカメラ付きブザーは送信部5を更に備えて良く、図4にはこの態様が示されている。
【0055】
送信部5は、記憶部4への映像Pの記録に並行して所定の信号Sを送信する。所定の信号Sや受信部6は、第1の実施の形態と同様に選定できる。
【0056】
本実施の形態で説明したカメラ付きブザーのいずれにおいても、第1の実施の形態で説明したスイッチ1を更に備えても良い。すなわち、スイッチ1を手動でオンした場合には、本実施の形態で説明した制御とは独立して、第1の実施の形態で説明した動作が行われる。
【0057】
検知部7に替えてスイッチ1を採用しても良い。すなわち、スイッチ1がオンした場合には、オンしたことが制御部に伝えられ、そして制御部は上述したのと同様の制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1の実施の形態で説明される、カメラ付きブザーを概念的に示すブロック図である。
【図2】カメラ付きブザーの構造を概念的に示す図である。
【図3】カメラ付きブザーをランドセルの肩ベルトに装着した場合を示す図である。
【図4】第2の実施の形態で説明される、カメラ付きブザーを概念的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1 スイッチ
2 ブザー
3 撮像部
4 記憶部
5 送信部
7 検知部
9 肩ベルト
41 ランプ
S 信号
P 映像
f 周波数
A 振幅
a 数値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
スイッチと、
前記スイッチがオンした場合に鳴動するブザーと、
前記スイッチがオンした場合に、前記撮像部で撮像された映像を記録する記憶部と
を備える、カメラ付きブザー。
【請求項2】
前記ブザーは前記スイッチに接続される紐を有し、
前記紐を引くことで前記スイッチがオンする、請求項1記載のカメラ付きブザー。
【請求項3】
音の周波数と振幅とを検知する第1の検知部と、
撮像部と、
ブザーと、
記憶部と
を備え、
前記周波数が所定の範囲にあって前記振幅が所定値以上である場合に、前記ブザーの鳴動と前記撮像部で撮像された映像の前記記憶部への記録とを並行して行う、カメラ付きブザー。
【請求項4】
心拍または脈拍の数値を検知する第2の検知部
を更に備え、
前記数値が所定値以上である場合に、前記ブザーを鳴動させずに前記撮像部で撮像された映像を前記記憶部に記録する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のカメラ付きブザー。
【請求項5】
心拍または脈拍の数値を検知する検知部と、
撮像部と、
ブザーと、
記憶部と
を備え、
前記数値が所定値以上である場合に、前記ブザーの鳴動と前記撮像部で撮像された映像の前記記憶部への記録とを並行して行う、カメラ付きブザー。
【請求項6】
心拍または脈拍の数値を検知する検知部と、
撮像部と、
ブザーと、
記憶部と
を備え、
前記数値の時間変化量が所定値以上である場合に、前記ブザーの鳴動と前記撮像部で撮像された映像の前記記憶部への記録とを並行して行う、カメラ付きブザー。
【請求項7】
前記記憶部に前記映像を記録している場合に点灯するランプを更に備える、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のカメラ付きブザー。
【請求項8】
前記記憶部への前記映像の記録に並行して、所定の信号を送信する送信部を更に備える、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のカメラ付きブザー。
【請求項9】
前記撮像部と前記記憶部とは分離可能であって、両者は被固定部を介して相互に反対側から装着されて前記被固定部に固定される、請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載のカメラ付きブザー。
【請求項10】
前記撮像部と前記ブザーとは分離可能である、請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載のカメラ付きブザー。
【請求項11】
肩ベルトに装着可能である、請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載のカメラ付きブザー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−74071(P2007−74071A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256032(P2005−256032)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(500040908)株式会社メガチップスシステムソリューションズ (80)
【Fターム(参考)】