カメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末
【課題】新たに撮影禁止用の余分な無線装置等を設けること無く、カメラ付き携帯電話機の撮影機能を制限することを可能とする。
【解決手段】基地局1はそのエリアに、BCCHにより隣接する周辺基地局の使用周波数のリストを報知するとともに、撮影禁止エリア等とすべき基地局エリアを特定するためその基地局の使用周波数f0を撮影制限情報としても報知する。カメラ付き携帯端末2は、前記特定の基地局の周波数f0が報知され、更に周波数f0の基地局エリア4に移動した場合、前記周辺監視機能により該周波数f0を検出してカメラ撮影が禁止状態に切り替わる。屋内基地局等に適用したり、簡単な撮影制限用発信器から周波数f0の信号を出力することで、店舗内や限られたエリアのみでカメラ撮影を制限できる。
【解決手段】基地局1はそのエリアに、BCCHにより隣接する周辺基地局の使用周波数のリストを報知するとともに、撮影禁止エリア等とすべき基地局エリアを特定するためその基地局の使用周波数f0を撮影制限情報としても報知する。カメラ付き携帯端末2は、前記特定の基地局の周波数f0が報知され、更に周波数f0の基地局エリア4に移動した場合、前記周辺監視機能により該周波数f0を検出してカメラ撮影が禁止状態に切り替わる。屋内基地局等に適用したり、簡単な撮影制限用発信器から周波数f0の信号を出力することで、店舗内や限られたエリアのみでカメラ撮影を制限できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラ付き携帯端末に関し、特にカメラ付き携帯電話機等の撮影機能を制限する撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ付き携帯端末に搭載されるデジタルカメラが高性能化してきており、書籍を購入せずに店頭にて書籍の内容を撮影して持ち帰ってしまうデジタル万引きや、企業内において企業機密となりうるものを撮影し持ち出してしまう機密漏洩事件等を危惧しなければならない状況となっている。
【0003】
その反面、カメラ付き携帯端末は、使用者が携帯して必要な時に携帯電話機として使用できる点に最大の利便性があるのであり、所定エリアへの持ち込みや使用を制限する事は不満がでやすく容易ではない。
【0004】
そこで、撮影禁止信号を無線送信する近距離無線送信手段を有する発信器を撮影禁止場所等に設置することにより、カメラ付き携帯端末に当該場所等での撮影動作を禁止する技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−152217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発信器によりカメラ付き携帯端末の撮影機能を規制する従来の方式は、発信器の近距離通信範囲で携帯端末の撮影を禁止することができるから、限られた領域での撮影を禁止するのに効果的な方式である。しかしながら、かかる方式では、携帯端末にそのための専用の近距離無線通信手段等を設ける必要があり、小型化、軽量化、低コスト化に逆行するという問題がある。
【0006】
(目的)
本発明の目的は、携帯端末の内部構成を殆ど変更することなく撮影機能を制限可能なカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、携帯端末に新たに近距離無線通信手段等を設ける等、撮影制限用の余分な無線装置等を設置すること無く、撮影機能を制限できるカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、基地局からの撮影制限情報により、基地局、撮影制限用発信器からの信号により撮影機能を制限することが可能なカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、携帯電話システムの基地局が使用する周波数(BCCH)の消費を伴うことなく、基地局、撮影制限用発信器から撮影制限情報を報知可能なカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
現在普及している携帯電話システムの既存の仕組みである周辺監視(周辺レベル測定)機能を利用して、基地局の報知チャネル又は簡単な撮影制限用発信器により、任意の場所や範囲においてカメラの撮影機能を制限する方式、方法に関し、カメラ付き携帯端末が基地局又は撮影制限用発信器から受信する無線信号を利用してカメラの撮影の機能を制限する機能を備えることにより、携帯端末としての利便性を損なわずに、デジタル万引きや企業内における機密漏洩等を防止する事を可能とする。
【0011】
本発明のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式は、カメラ付き携帯端末の撮影機能を制限する撮影機能制限方式であって、基地局は制御チャネルにより撮影機能を制限する情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づきカメラ撮影を禁止する等、撮影機能を制限する制御を行うことを特徴とし、カメラ付き携帯端末は、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去し、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影機能の実行/非実行を制御する手段を有することを特徴とする。また、前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の基地局は、撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する基地局であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として制御チャネルを介して報知することを特徴とする。
【0013】
本発明の撮影制限用発信器は、撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する撮影制限用発信器であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として、該周波数の信号を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明のカメラ付き携帯端末は、圏在する基地局から受信した特定の基地局の使用周波数の信号を周辺監視機能により検出した場合に、カメラ撮影の機能を制限することを特徴とし、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去する手段と、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影の実行/非実行を制御する手段とを有することを特徴とする。また、前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする。
【0015】
より具体的には、カメラ付き携帯端末は、基地局が送信している制御チャネル内の報知チャネル(BCCH)を選択、定位し待ち受け状態となる。一方、前記BCCHからは周辺基地局の周波数のリストを携帯電話側に告知されており、携帯端末はそのリストに従い周辺の基地局の制御チャネル(BCCH)の周波数の電波の強さをモニター(監視)し、監視信号の中に現在待ち受け中のBCCHより強い受信信号があれば、そちらを新しいBCCHとして選択、定位し待ち受けに移る。通話中の周辺監視も同様である。
【0016】
基地局は監視すべき周辺基地局の前記周波数リストとは別に、撮影制限情報として特定の基地局の使用周波数(BCCHの周波数)を告知し、携帯端末は告知された周辺基地局の周波数と撮影制限情報としての基地局周波数をモニターし、当該周波数の信号がある程度以上の強さで受信できた時、カメラ付き携帯端末の撮影機能を制限する制御情報とする。基地局の使用周波数としては、その地域では使われていない、空いているBCCHの周波数とすると、元々受信可能な周波数であるから無線回路自体を変更する必要ない。また、特定のBCCHの周波数を撮影制限情報として全国的に一律に設定するわけではないので、BCCHのCH数を目減りさせることもない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基地局は制御チャネルにより撮影制限情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づきカメラ撮影を制限する制御を行うように構成しているので、カメラ撮影の機能を制限したい場所をカバーする前記特定の基地局のエリアでの撮影を禁止する等の撮影機能の制限が可能である。
【0018】
また、本発明を比較的狭いエリアをカバーする屋内基地局等に適用することにより店舗等、限られたエリアのみでカメラ撮影を禁止する等、撮影機能を制限する事が可能である。
【0019】
また、特定の基地局の使用周波数の信号は、簡易な撮影制限用発信器により出力することで、基地局エリア内外の何れでもカメラ撮影の機能の制限を可能とし、制限エリアの範囲はその出力レベルの設定により調節することも可能である。また、基地局エリア内での前記撮影制限用発信器の使用時には当該基地局を介する通話も可能である。
【0020】
また、本発明のカメラ付き携帯端末及び基地局構成としては、基本的には現在普及している携帯端末システムのものを殆ど変更すること無く利用することが可能である。
【0021】
更に、基地局からの撮影制限情報は、その地域では使われていない、空いている基地局の使用周波数(空いているBCCHの周波数)とすることにより、カメラ付き携帯端末は元々受信できる周波数となり無線回路等の構成自体の変更を必要とせずに撮影機能の制限が可能である。
【0022】
また、特定の基地局の周波数を撮影制限情報として全国的に一律に決めるわけではないので、基地局に割り当てる周波数の数(BCCHのCH数)を目減りさせないで済むという利点も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(構成の説明)
図1は本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。複数の無線基地局(基地局)がサービス範囲の広いセル(基地局エリア)に設置されたPDC方式で代表されるセルラー方式への適用例を示している。
【0024】
セルラー方式は、各基地局が隣接する基地局と異なる搬送波周波数(周波数)でそれぞれのエリア内の複数の携帯端末と時分割タイムスロット上にバースト状の無線信号を送受するTDMA方式で通信する携帯通信システムであり、基地局側から各種情報を報知する報知チャネル(BCCH)を含む制御チャネルと、基地局と携帯端末間の通話信号等を送受する複数の通信チャネルとからなるフレーム構成が採用され、携帯端末は前記制御チャネルにより着信情報、通話チャネル、周辺基地局の使用周波数の情報(周波数リスト)等を含む各種情報を受信し、前記基地局から指定された空き通信チャネルにより基地局との間で通話データを送受するシステムである。
【0025】
本実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式は、基地局はそのエリアに対し、制御チャネルのBCCHにより隣接する周辺基地局等の使用周波数の情報(周波数リスト)を報知するとともに、撮影禁止エリア等とすべき基地局エリアを特定するためその基地局(特定の基地局)の使用周波数を撮影制限情報としても報知する。また、カメラ付き携帯端末は、常に在圏する現基地局から報知された隣接する周辺基地局の使用周波数の信号を受信しその信号レベルを現基地局から受信される信号レベルと比較する携帯端末の通常の機能(周辺監視機能)に加えて、撮影制限情報としての特定の基地局の周波数が報知されるとこれを記憶し、該周波数の信号が高い受信レベルで検出されるとカメラ撮影が不可能に切り替わる等、撮影機能を制限するシステムである。
【0026】
以下、本実施の形態の動作を図1に基づきより詳細に説明する。
図1に示す基地局エリアの配置において、基地局3のエリア4を撮影禁止等の撮影制限エリアとすると、その周辺エリアの各基地局は基地局3に割り当てられた周波数f0を撮影制限エリアの周波数としてエリア内のカメラ付き携帯端末に報知する。
【0027】
いま、カメラ付き携帯端末2が基地局1のエリアに在圏し待ち受け状態とすると、カメラ付き携帯端末2は基地局1の制御チャネルの信号を受信してそのBCCHを選択し、定位しており、BCCHの報知情報により周波数f0が撮影制限情報として受信され、これを記憶する。
【0028】
次に、カメラ付き携帯端末2が撮影禁止エリア4に移動とすると、基地局3からの無線信号が大きく受信されるようになり、基地局1からの無線信号の信号レベルより大きい一定レベル以上の高い信号レベルの無線信号が基地局3から受信されるようになると、カメラ付き携帯端末2は基地局3のBCCHの選択、定位により、基地局1に代えて基地局3での通話の待ち受け状態となる。また、カメラ付き携帯端末2は受信される周波数f0が撮影制限情報であることによりカメラの撮影機能は実行不能等、制限状態に切り替わる。
【0029】
更に、カメラ付き携帯端末2が撮影制限エリアからその周辺エリアの何れかに移動する場合もBCCHの選択、定位動作は同様であり周波数f0以外の基地局の使用周波数の検出により撮影機能が実行可能な非制限状態に切り替わる。
【0030】
以上、カメラ付き携帯端末が各基地局で待ち受け状態として説明したが、通話状態の場合も同様である。つまり、携帯端末が通話状態で他の基地局のエリアに移動する場合は、移動先のエリアでも通話が途切れることなく移動先の通信チャネルへの切り替え(ハンドオーバ)が必要であり、この場合も在圏する基地局から報知される周辺エリアの基地局の使用周波数の信号を通話中の空きタイムスロットによりその信号レベルを受信し、比較する周辺監視機能により無線信号をモニターしているから、この動作は基本的に待ち受け時の検出動作と同様である。なお、通話中のカメラ撮影は撮影制限状態でなければ通話保留状態で撮影が可能となる。
【0031】
なお、本実施の形態の撮影制限情報としての周辺基地局の使用周波数の報知は、より広域の基地局に拡張して遠方の基地局でも報知するようなシステムとすることができる。ただし、通常の携帯端末の当該撮影禁止エリアへの移動ではその周辺エリアを経由することから当該周辺エリアでのみ報知するように構成しても十分な撮影機能制限の効果をあげることが可能である。
【0032】
更に、撮影制限情報としての基地局の周波数は1つに限られるものでは無く、撮影禁止エリアの数だけBCCHを介して報知されるように構成することが可能である。
【0033】
図2は、本実施の形態の他のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。本例では建物内等、外からの電波が届かない場所の限られたエリアで実現する例を示している。小型で低出力の屋内基地局を当該エリアがカバーされるように設置することにより実現される。建物の屋内6、8が撮影禁止等の撮影制限エリアであり、それぞれの屋内基地局5、7の使用周波数がそれぞれf1、f2とすると、当該建物が所在するエリアをカバーする屋外の基地局からBCCHにより撮影制限情報としての周波数f1、f2が報知されるようにシステムを構成することにより、屋外から入室したユーザのカメラ付き携帯端末の撮影機能は実行不能に切り替わるように制御される。
【0034】
次に、本発明のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法を構成する基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末について詳細に説明する。
図3は本発明の基地局の一実施の形態のブロック構成を示す図である。同図は基地局の主に携帯端末とのアクセス制御等に関する概念図を示すものであり、制御部1−1と、無線回路部1−2と、アンテナ1−3により構成される。以下各部の機能を説明する。
【0035】
制御部1−1は、送受信のタイミング制御を行うとともに在圏する携帯端末の位置登録、エリア間で移動する携帯端末の待ち受け状態の制御及び通話中のハンドオーバ等の制御を行う位置登録/ハンドオーバ機能、制御チャネル(BCCH等)により携帯端末側に報知する各種情報を作成し無線回路部1−2を介して送出する制御を行うためのデータ作成等を行う制御チャネル(BCCH等)処理機能、及び通信チャネルを介して通話データ等を送受信する通信チャネル処理機能を有する。
【0036】
特に、制御チャネルのBCCHでは、他の携帯端末からの着信情報やメッセージ等の情報に加えて、周辺基地局に割り当てられた周辺監視を行うべき周波数の情報(周波数のリスト)、更に撮影制限エリアとして特定されたエリアをカバーする基地局の周波数を撮影制限情報として基地局1のエリアに報知する機能を有する。
【0037】
図4は本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末のブロック構成を示す図である。制御回路部2−1、無線回路部2−2、アンテナ2−3、LCD表示装置2−4、記憶部2−5、操作部2−6、カメラ2−7、マイク/スピーカ2−8、バッテリー2−9等から構成される。以下各部の機能を説明する。
【0038】
無線回路部2−2は、送受信周波数を切替可能なシンセサイザーチューナを備え、アンテナ2−3を介する基地局との間のTDMA方式の無線信号の送受信機能を有する。記憶部2−5はBCCHを介して基地局から受信される周辺基地局の周波数リスト、撮影制限情報等を含む各種情報を記憶する機能、及び撮影制限エリアか否かにより“撮影制限”又は“撮影非制限”情報を記憶する機能を有する。操作部2−6は携帯端末に対する各種のキー入力機能に加え、カメラ撮影時のシャッタ操作機能を有する。カメラ2−7はC−MOSまたはCCDを使用するデジタルカメラであり、撮影データはメモリー、記憶部等に保存したり、LCD表示装置2−4に表示したり、無線回路部2−2と基地局を介しネットワークに送信する事も可能である。LCD表示装置2−4は携帯端末の各種情報(操作メニュー、電話帳、時刻等)の表示が可能であり、カメラ使用時にはカメラからの画像を表示するファインダーとしても利用され、更に、撮影禁止エリアにおいて警告表示等を行う。マイク/スピーカ2−8は音声通話に使用され、バッテリー2−9は携帯端末の電源となる蓄電池である。
【0039】
制御回路部2−1は、CPU、メモリーIC等で構成され、携帯端末に実装される前述の各種デバイス及び相互の信号処理、制御に加え、位置登録している現基地局において、特定の基地局の周波数の情報を取得して記憶部2−5に記憶する撮影制限情報の取得、周辺エリアの基地局の無線信号の信号レベルを計測して監視する周辺監視(周辺レベル測定)、及びカメラ2−7による撮影操作時に、取得した撮影制限情報に相当する周波数を使用する基地局の無線信号の受信状態で、撮影動作の実行を禁止する等、撮影機能の制限の各機能を備える。
【0040】
より具体的には制御回路部2−1は、或るセルから隣接するセルへの移動時に、待ち受け状態の場合には当該隣接するセルの基地局の待つ受け状態に切り替える機能と、通話状態の場合には当該隣接するセルの基地局経由による通話に切り替えるハンドオーバ機能を有する。このため常時無線回路部2−2で受信される現基地局からの受信電波の受信レベル(電界強度)を計測するとともに、空きタイムスロットでシンセサイザーを切り替えることにより受信周波数を隣接するセルの基地局の使用周波数とし当該他の基地局からの電波の受信レベルを測定し、両者を比較し、現基地局の信号レベルが一定値以下となり、隣接するセルの基地局の受信信号レベルが現基地局の受信信号レベルを上回り、所定値以上となった場合にこれを検出する周辺レベル測定機能を有する。
【0041】
更に、制御回路部2−1は、周辺監視機能により受信、記憶した撮影制限情報に相当する基地局の使用周波数を検出した場合に、記憶部2−5に“撮影制限”情報を記憶する機能、ユーザがカメラの撮影操作時に記憶部2−5に“撮影制限”情報が記憶されている場合に撮影の実行を禁止する等、撮影機能を制限する制御機能を有する。
【0042】
以上、本実施の形態の携帯端末の機能は基本的には現在普及している携帯電話システムにおける制御機能と同様である。また、基地局の機能は、BCCHで報知する情報に撮影制限情報を追加するのみであり、やはり基本的には現在普及している携帯電話システムにおける構成の変更は不要であり制御機能も同様である。
【0043】
(動作の説明)
図5は基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。基地局は、特定の基地局のエリアが撮影制限エリアとして設定された場合(ステップs11)、携帯端末側への制御チャネルのBCCHにより周辺エリアの周波数リストに加え、撮影制限エリアの基地局の使用周波数f0を撮影制限情報として報知する(ステップs12)。
【0044】
図6は、カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。前記基地局に在圏するカメラ付き携帯端末は該基地局から使用周波数f0を撮影制限情報として報知を受けると(s21)、この撮影制限情報の検出を記憶部に記憶し(s22)、周辺監視動作により周波数f0の基地局からの受信信号の信号レベルが現基地局から受信される信号レベルより大きく所定閾値以上か否かを判断し(s23)、この条件を満たせば記憶部に“撮影制限”情報を記憶し(s24)、前記条件を満たさなければ“撮影非制限”情報を記憶する(s25)。
【0045】
図7は携帯端末の撮影制限動作に関する処理フローを示す図である。携帯端末が何れかの基地局エリアに在圏している状態で、ユーザが操作部から撮影操作を行うと(s31)、制御回路部2−1は記憶部の記憶情報を参照し、“撮影非制限”情報が記憶されているか否かを判断し(s32)、“撮影非制限”情報が記憶されていれば、LCD表示装置1−2に撮影制限エリアであることを示す警告情報を表示し(s33)、撮影操作に対し撮影処理を実行しない(s34)。ステップs32で“撮影制限”情報が記憶されていれば(s35)、撮影処理を実行する(s35)。
【0046】
(実施の形態2)
以上の実施の形態では、基地局のエリア単位で撮影機能の制限を行う例を説明したが、携帯電話システムの基本的構成を変更することなく撮影制限用発信器を使用することにより、基地局内又は圏外で比較的狭い範囲の撮影の機能制限が可能な撮影機能制限方式を構成することができる。
【0047】
図8は、本発明の他の実施の形態の撮影機能制限方式を示す図である。セルラー方式のサービス範囲の広いセル(基地局エリア)12内にカメラ付き携帯端末の撮影機能の制限を行う無線信号を出力する撮影制限用発信器10を設置する例である。設置した撮影制限用発信器10が出力する電波により基地局エリア内の影響範囲11において撮影制限を実現する。電波の影響範囲11は撮影制限用発信器10の出力を増減させる事により調整可能とし、これにより屋外においても所望の範囲でのカメラの撮影制限が可能となる。
【0048】
図9は、本実施の形態の撮影制限用発信器10のブロック構成を示す図である。無線信号の基準信号を発信する発振器10−1、出力周波数及び信号レベルを調整するための制御部10−2、前記制御部10−2により電波の出力周波数及び出力レベルを設定する周波数/出力設定部10−3、電波を放射するアンテナ10−4から構成される。
【0049】
本実施の形態の基地局及びカメラ付き携帯端末の機能は前述の実施の形態と同様の内部構成を持つものであるが、基地局が報知する周波数の情報のうち、撮影制限情報の周波数としては、当該基地局の周辺エリアを含む地域において使用しない遠方等の基地局の周波数f10とし、一方、撮影制限用発信器10は周波数f10の電波を出力するように設定される。
【0050】
カメラ付き携帯端末の制御回路部1−1は、周辺監視機能により一定時間の繰り返しの空きタイムスロットで他の基地局の電波の受信レベルを測定する機能を有し、複数の基地局からの電波が受信される状況では、それらの受信レベルを比較して最適な基地局を選択し、位置登録し、制御チャンネルによる発着信により通話の制御が可能である。また、基地局及び撮影制限用発信器からの電波が受信される状況においても、撮影制限用発信器からの周波数の電波の受信レベルの測定が可能であり、基地局からの電波の受信レベルとを比較し、基地局の受信レベルに対する撮影制限用発信器の電波が所定の受信レベルを示すときに、当該撮影制限用発信器の出力を検出可能であるから、これによりユーザによるカメラ撮影の機能を禁止する等の制御が可能である。
【0051】
図10は基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。基地局は、撮影制限用発信器により撮影禁止エリアを設定する場合(ステップs41)、携帯端末側への制御チャネルのBCCHに撮影制限用発信器10の使用周波数f10を撮影制限情報として報知する(ステップs42)。
【0052】
図11は、カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。前記基地局に在圏するカメラ付き携帯端末は該基地局から使用周波数f10を撮影制限情報として報知を受けると(s51)、この撮影制限情報の検出を記憶部に記憶し(s52)、周辺監視動作により周波数f0の受信信号の信号レベルが現基地局から受信される信号レベルより大きく所定閾値以上か否かを判断し(s53)、この条件を満たせば記憶部に“撮影制限”情報を記憶し(s54)、前記条件を満たさなければ“撮影非制限”情報を記憶する(s55)。
【0053】
図12は携帯端末の撮影禁止動作に関する処理フローを示す図である。携帯端末が周波数f0の情報を受信した基地局エリア又はその周辺エリアに在圏している状態で、ユーザが操作部から撮影操作を行うと(s61)、制御回路部2−1は記憶部の記憶情報を参照し、“撮影非制限”情報が記憶されているか否かを判断し(s62)、“撮影制限”情報が記憶されていれば、LCD表示装置1−2に撮影制限エリアであることを示す警告情報を表示し(s63)、撮影操作に対し撮影処理を実行しない(s64)。ステップs62で“撮影非制限”情報が記憶されていれば(s65)、撮影処理を実行する(s65)。
【0054】
以上説明したように本実施の形態では、撮影制限用発信器は電波を送信するだけの簡単な構成で撮影機能の制限を実現する事が可能である。また、既存の基地局システムとは独立して存在させる事が可能で、屋外屋内を問わず任意の場所に設置する事が可能である。
また、撮影制限用発信器10は周波数f10の電波を出力することにより、カメラ付き携帯端末はかかる電波でも受信される信号レベルを監視する周辺監視機能により当該周波数f10の検出自体は可能である。しかし、撮影制限用発信器10の出力する電波は制御チャネルのBCCHの信号そのものではないから、カメラ付き携帯端末20は範囲11内に移動した場合にBCCHの定位動作は行われず、基地局30に対する待ち受け動作は継続し、基地局30を介して発着信動作及び通話動作が可能である。
【0055】
更に、基地局からの撮影制限情報は、その地域では使われていない、空いている基地局の使用周波数とすることにより、カメラ付き携帯端末は元々受信できる周波数となり無線回路等の構成自体の変更を必要とせずに撮影機能の制限を可能とする。
【0056】
また、特定基地局の周波数を撮影制限情報として全国的に一律に決めるわけではないので、基地局に割り当てる周波数の数(BCCHのCH数)を目減りさせないで済むという利点も有する。
【0057】
以上の実施の形態では、撮影制限情報としての特定の基地局の使用周波数の報知を、基地局から報知する例と撮影制限用発信器から行う例をそれぞれ別に説明したが、本発明は両者により撮影機能の制限が可能であることは明らかである。
【0058】
また、PDC方式を例に説明したが、本発明はPHS方式等、周辺監視機能を備える携帯端末を使用する他の携帯通信システムにも適用可能であることは明らかである。
【0059】
更に、本発明の撮影機能の制限は、撮影禁止に限られるものではなく、ストロボ撮影、撮影情報の記録、送信、動画撮影等、カメラ撮影機能に関連する何れかを選択的又は組合せで禁止する制限形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。
【図2】本実施の形態の他のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。
【図3】本発明の基地局の一実施の形態のブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末のブロック構成を示す図である。
【図5】基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。
【図6】カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。
【図7】カメラ付き携帯端末の撮影禁止動作に関する処理フローを示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。
【図9】本実施の形態の撮影制限用発信器10のブロック構成を示す図である。
【図10】基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。
【図11】カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。
【図12】カメラ付き携帯端末の撮影禁止動作に関する処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1、3 基地局
2、20 カメラ付き携帯端末
4、6、8、11 撮影制限エリア
5、7 屋内基地局
10 撮影制限用発信器
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラ付き携帯端末に関し、特にカメラ付き携帯電話機等の撮影機能を制限する撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ付き携帯端末に搭載されるデジタルカメラが高性能化してきており、書籍を購入せずに店頭にて書籍の内容を撮影して持ち帰ってしまうデジタル万引きや、企業内において企業機密となりうるものを撮影し持ち出してしまう機密漏洩事件等を危惧しなければならない状況となっている。
【0003】
その反面、カメラ付き携帯端末は、使用者が携帯して必要な時に携帯電話機として使用できる点に最大の利便性があるのであり、所定エリアへの持ち込みや使用を制限する事は不満がでやすく容易ではない。
【0004】
そこで、撮影禁止信号を無線送信する近距離無線送信手段を有する発信器を撮影禁止場所等に設置することにより、カメラ付き携帯端末に当該場所等での撮影動作を禁止する技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−152217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発信器によりカメラ付き携帯端末の撮影機能を規制する従来の方式は、発信器の近距離通信範囲で携帯端末の撮影を禁止することができるから、限られた領域での撮影を禁止するのに効果的な方式である。しかしながら、かかる方式では、携帯端末にそのための専用の近距離無線通信手段等を設ける必要があり、小型化、軽量化、低コスト化に逆行するという問題がある。
【0006】
(目的)
本発明の目的は、携帯端末の内部構成を殆ど変更することなく撮影機能を制限可能なカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、携帯端末に新たに近距離無線通信手段等を設ける等、撮影制限用の余分な無線装置等を設置すること無く、撮影機能を制限できるカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、基地局からの撮影制限情報により、基地局、撮影制限用発信器からの信号により撮影機能を制限することが可能なカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、携帯電話システムの基地局が使用する周波数(BCCH)の消費を伴うことなく、基地局、撮影制限用発信器から撮影制限情報を報知可能なカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法、基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
現在普及している携帯電話システムの既存の仕組みである周辺監視(周辺レベル測定)機能を利用して、基地局の報知チャネル又は簡単な撮影制限用発信器により、任意の場所や範囲においてカメラの撮影機能を制限する方式、方法に関し、カメラ付き携帯端末が基地局又は撮影制限用発信器から受信する無線信号を利用してカメラの撮影の機能を制限する機能を備えることにより、携帯端末としての利便性を損なわずに、デジタル万引きや企業内における機密漏洩等を防止する事を可能とする。
【0011】
本発明のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式は、カメラ付き携帯端末の撮影機能を制限する撮影機能制限方式であって、基地局は制御チャネルにより撮影機能を制限する情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づきカメラ撮影を禁止する等、撮影機能を制限する制御を行うことを特徴とし、カメラ付き携帯端末は、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去し、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影機能の実行/非実行を制御する手段を有することを特徴とする。また、前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の基地局は、撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する基地局であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として制御チャネルを介して報知することを特徴とする。
【0013】
本発明の撮影制限用発信器は、撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する撮影制限用発信器であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として、該周波数の信号を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明のカメラ付き携帯端末は、圏在する基地局から受信した特定の基地局の使用周波数の信号を周辺監視機能により検出した場合に、カメラ撮影の機能を制限することを特徴とし、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去する手段と、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影の実行/非実行を制御する手段とを有することを特徴とする。また、前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする。
【0015】
より具体的には、カメラ付き携帯端末は、基地局が送信している制御チャネル内の報知チャネル(BCCH)を選択、定位し待ち受け状態となる。一方、前記BCCHからは周辺基地局の周波数のリストを携帯電話側に告知されており、携帯端末はそのリストに従い周辺の基地局の制御チャネル(BCCH)の周波数の電波の強さをモニター(監視)し、監視信号の中に現在待ち受け中のBCCHより強い受信信号があれば、そちらを新しいBCCHとして選択、定位し待ち受けに移る。通話中の周辺監視も同様である。
【0016】
基地局は監視すべき周辺基地局の前記周波数リストとは別に、撮影制限情報として特定の基地局の使用周波数(BCCHの周波数)を告知し、携帯端末は告知された周辺基地局の周波数と撮影制限情報としての基地局周波数をモニターし、当該周波数の信号がある程度以上の強さで受信できた時、カメラ付き携帯端末の撮影機能を制限する制御情報とする。基地局の使用周波数としては、その地域では使われていない、空いているBCCHの周波数とすると、元々受信可能な周波数であるから無線回路自体を変更する必要ない。また、特定のBCCHの周波数を撮影制限情報として全国的に一律に設定するわけではないので、BCCHのCH数を目減りさせることもない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基地局は制御チャネルにより撮影制限情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づきカメラ撮影を制限する制御を行うように構成しているので、カメラ撮影の機能を制限したい場所をカバーする前記特定の基地局のエリアでの撮影を禁止する等の撮影機能の制限が可能である。
【0018】
また、本発明を比較的狭いエリアをカバーする屋内基地局等に適用することにより店舗等、限られたエリアのみでカメラ撮影を禁止する等、撮影機能を制限する事が可能である。
【0019】
また、特定の基地局の使用周波数の信号は、簡易な撮影制限用発信器により出力することで、基地局エリア内外の何れでもカメラ撮影の機能の制限を可能とし、制限エリアの範囲はその出力レベルの設定により調節することも可能である。また、基地局エリア内での前記撮影制限用発信器の使用時には当該基地局を介する通話も可能である。
【0020】
また、本発明のカメラ付き携帯端末及び基地局構成としては、基本的には現在普及している携帯端末システムのものを殆ど変更すること無く利用することが可能である。
【0021】
更に、基地局からの撮影制限情報は、その地域では使われていない、空いている基地局の使用周波数(空いているBCCHの周波数)とすることにより、カメラ付き携帯端末は元々受信できる周波数となり無線回路等の構成自体の変更を必要とせずに撮影機能の制限が可能である。
【0022】
また、特定の基地局の周波数を撮影制限情報として全国的に一律に決めるわけではないので、基地局に割り当てる周波数の数(BCCHのCH数)を目減りさせないで済むという利点も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(構成の説明)
図1は本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。複数の無線基地局(基地局)がサービス範囲の広いセル(基地局エリア)に設置されたPDC方式で代表されるセルラー方式への適用例を示している。
【0024】
セルラー方式は、各基地局が隣接する基地局と異なる搬送波周波数(周波数)でそれぞれのエリア内の複数の携帯端末と時分割タイムスロット上にバースト状の無線信号を送受するTDMA方式で通信する携帯通信システムであり、基地局側から各種情報を報知する報知チャネル(BCCH)を含む制御チャネルと、基地局と携帯端末間の通話信号等を送受する複数の通信チャネルとからなるフレーム構成が採用され、携帯端末は前記制御チャネルにより着信情報、通話チャネル、周辺基地局の使用周波数の情報(周波数リスト)等を含む各種情報を受信し、前記基地局から指定された空き通信チャネルにより基地局との間で通話データを送受するシステムである。
【0025】
本実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式は、基地局はそのエリアに対し、制御チャネルのBCCHにより隣接する周辺基地局等の使用周波数の情報(周波数リスト)を報知するとともに、撮影禁止エリア等とすべき基地局エリアを特定するためその基地局(特定の基地局)の使用周波数を撮影制限情報としても報知する。また、カメラ付き携帯端末は、常に在圏する現基地局から報知された隣接する周辺基地局の使用周波数の信号を受信しその信号レベルを現基地局から受信される信号レベルと比較する携帯端末の通常の機能(周辺監視機能)に加えて、撮影制限情報としての特定の基地局の周波数が報知されるとこれを記憶し、該周波数の信号が高い受信レベルで検出されるとカメラ撮影が不可能に切り替わる等、撮影機能を制限するシステムである。
【0026】
以下、本実施の形態の動作を図1に基づきより詳細に説明する。
図1に示す基地局エリアの配置において、基地局3のエリア4を撮影禁止等の撮影制限エリアとすると、その周辺エリアの各基地局は基地局3に割り当てられた周波数f0を撮影制限エリアの周波数としてエリア内のカメラ付き携帯端末に報知する。
【0027】
いま、カメラ付き携帯端末2が基地局1のエリアに在圏し待ち受け状態とすると、カメラ付き携帯端末2は基地局1の制御チャネルの信号を受信してそのBCCHを選択し、定位しており、BCCHの報知情報により周波数f0が撮影制限情報として受信され、これを記憶する。
【0028】
次に、カメラ付き携帯端末2が撮影禁止エリア4に移動とすると、基地局3からの無線信号が大きく受信されるようになり、基地局1からの無線信号の信号レベルより大きい一定レベル以上の高い信号レベルの無線信号が基地局3から受信されるようになると、カメラ付き携帯端末2は基地局3のBCCHの選択、定位により、基地局1に代えて基地局3での通話の待ち受け状態となる。また、カメラ付き携帯端末2は受信される周波数f0が撮影制限情報であることによりカメラの撮影機能は実行不能等、制限状態に切り替わる。
【0029】
更に、カメラ付き携帯端末2が撮影制限エリアからその周辺エリアの何れかに移動する場合もBCCHの選択、定位動作は同様であり周波数f0以外の基地局の使用周波数の検出により撮影機能が実行可能な非制限状態に切り替わる。
【0030】
以上、カメラ付き携帯端末が各基地局で待ち受け状態として説明したが、通話状態の場合も同様である。つまり、携帯端末が通話状態で他の基地局のエリアに移動する場合は、移動先のエリアでも通話が途切れることなく移動先の通信チャネルへの切り替え(ハンドオーバ)が必要であり、この場合も在圏する基地局から報知される周辺エリアの基地局の使用周波数の信号を通話中の空きタイムスロットによりその信号レベルを受信し、比較する周辺監視機能により無線信号をモニターしているから、この動作は基本的に待ち受け時の検出動作と同様である。なお、通話中のカメラ撮影は撮影制限状態でなければ通話保留状態で撮影が可能となる。
【0031】
なお、本実施の形態の撮影制限情報としての周辺基地局の使用周波数の報知は、より広域の基地局に拡張して遠方の基地局でも報知するようなシステムとすることができる。ただし、通常の携帯端末の当該撮影禁止エリアへの移動ではその周辺エリアを経由することから当該周辺エリアでのみ報知するように構成しても十分な撮影機能制限の効果をあげることが可能である。
【0032】
更に、撮影制限情報としての基地局の周波数は1つに限られるものでは無く、撮影禁止エリアの数だけBCCHを介して報知されるように構成することが可能である。
【0033】
図2は、本実施の形態の他のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。本例では建物内等、外からの電波が届かない場所の限られたエリアで実現する例を示している。小型で低出力の屋内基地局を当該エリアがカバーされるように設置することにより実現される。建物の屋内6、8が撮影禁止等の撮影制限エリアであり、それぞれの屋内基地局5、7の使用周波数がそれぞれf1、f2とすると、当該建物が所在するエリアをカバーする屋外の基地局からBCCHにより撮影制限情報としての周波数f1、f2が報知されるようにシステムを構成することにより、屋外から入室したユーザのカメラ付き携帯端末の撮影機能は実行不能に切り替わるように制御される。
【0034】
次に、本発明のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式、方法を構成する基地局、撮影制限用発信器及びカメラ付き携帯端末について詳細に説明する。
図3は本発明の基地局の一実施の形態のブロック構成を示す図である。同図は基地局の主に携帯端末とのアクセス制御等に関する概念図を示すものであり、制御部1−1と、無線回路部1−2と、アンテナ1−3により構成される。以下各部の機能を説明する。
【0035】
制御部1−1は、送受信のタイミング制御を行うとともに在圏する携帯端末の位置登録、エリア間で移動する携帯端末の待ち受け状態の制御及び通話中のハンドオーバ等の制御を行う位置登録/ハンドオーバ機能、制御チャネル(BCCH等)により携帯端末側に報知する各種情報を作成し無線回路部1−2を介して送出する制御を行うためのデータ作成等を行う制御チャネル(BCCH等)処理機能、及び通信チャネルを介して通話データ等を送受信する通信チャネル処理機能を有する。
【0036】
特に、制御チャネルのBCCHでは、他の携帯端末からの着信情報やメッセージ等の情報に加えて、周辺基地局に割り当てられた周辺監視を行うべき周波数の情報(周波数のリスト)、更に撮影制限エリアとして特定されたエリアをカバーする基地局の周波数を撮影制限情報として基地局1のエリアに報知する機能を有する。
【0037】
図4は本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末のブロック構成を示す図である。制御回路部2−1、無線回路部2−2、アンテナ2−3、LCD表示装置2−4、記憶部2−5、操作部2−6、カメラ2−7、マイク/スピーカ2−8、バッテリー2−9等から構成される。以下各部の機能を説明する。
【0038】
無線回路部2−2は、送受信周波数を切替可能なシンセサイザーチューナを備え、アンテナ2−3を介する基地局との間のTDMA方式の無線信号の送受信機能を有する。記憶部2−5はBCCHを介して基地局から受信される周辺基地局の周波数リスト、撮影制限情報等を含む各種情報を記憶する機能、及び撮影制限エリアか否かにより“撮影制限”又は“撮影非制限”情報を記憶する機能を有する。操作部2−6は携帯端末に対する各種のキー入力機能に加え、カメラ撮影時のシャッタ操作機能を有する。カメラ2−7はC−MOSまたはCCDを使用するデジタルカメラであり、撮影データはメモリー、記憶部等に保存したり、LCD表示装置2−4に表示したり、無線回路部2−2と基地局を介しネットワークに送信する事も可能である。LCD表示装置2−4は携帯端末の各種情報(操作メニュー、電話帳、時刻等)の表示が可能であり、カメラ使用時にはカメラからの画像を表示するファインダーとしても利用され、更に、撮影禁止エリアにおいて警告表示等を行う。マイク/スピーカ2−8は音声通話に使用され、バッテリー2−9は携帯端末の電源となる蓄電池である。
【0039】
制御回路部2−1は、CPU、メモリーIC等で構成され、携帯端末に実装される前述の各種デバイス及び相互の信号処理、制御に加え、位置登録している現基地局において、特定の基地局の周波数の情報を取得して記憶部2−5に記憶する撮影制限情報の取得、周辺エリアの基地局の無線信号の信号レベルを計測して監視する周辺監視(周辺レベル測定)、及びカメラ2−7による撮影操作時に、取得した撮影制限情報に相当する周波数を使用する基地局の無線信号の受信状態で、撮影動作の実行を禁止する等、撮影機能の制限の各機能を備える。
【0040】
より具体的には制御回路部2−1は、或るセルから隣接するセルへの移動時に、待ち受け状態の場合には当該隣接するセルの基地局の待つ受け状態に切り替える機能と、通話状態の場合には当該隣接するセルの基地局経由による通話に切り替えるハンドオーバ機能を有する。このため常時無線回路部2−2で受信される現基地局からの受信電波の受信レベル(電界強度)を計測するとともに、空きタイムスロットでシンセサイザーを切り替えることにより受信周波数を隣接するセルの基地局の使用周波数とし当該他の基地局からの電波の受信レベルを測定し、両者を比較し、現基地局の信号レベルが一定値以下となり、隣接するセルの基地局の受信信号レベルが現基地局の受信信号レベルを上回り、所定値以上となった場合にこれを検出する周辺レベル測定機能を有する。
【0041】
更に、制御回路部2−1は、周辺監視機能により受信、記憶した撮影制限情報に相当する基地局の使用周波数を検出した場合に、記憶部2−5に“撮影制限”情報を記憶する機能、ユーザがカメラの撮影操作時に記憶部2−5に“撮影制限”情報が記憶されている場合に撮影の実行を禁止する等、撮影機能を制限する制御機能を有する。
【0042】
以上、本実施の形態の携帯端末の機能は基本的には現在普及している携帯電話システムにおける制御機能と同様である。また、基地局の機能は、BCCHで報知する情報に撮影制限情報を追加するのみであり、やはり基本的には現在普及している携帯電話システムにおける構成の変更は不要であり制御機能も同様である。
【0043】
(動作の説明)
図5は基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。基地局は、特定の基地局のエリアが撮影制限エリアとして設定された場合(ステップs11)、携帯端末側への制御チャネルのBCCHにより周辺エリアの周波数リストに加え、撮影制限エリアの基地局の使用周波数f0を撮影制限情報として報知する(ステップs12)。
【0044】
図6は、カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。前記基地局に在圏するカメラ付き携帯端末は該基地局から使用周波数f0を撮影制限情報として報知を受けると(s21)、この撮影制限情報の検出を記憶部に記憶し(s22)、周辺監視動作により周波数f0の基地局からの受信信号の信号レベルが現基地局から受信される信号レベルより大きく所定閾値以上か否かを判断し(s23)、この条件を満たせば記憶部に“撮影制限”情報を記憶し(s24)、前記条件を満たさなければ“撮影非制限”情報を記憶する(s25)。
【0045】
図7は携帯端末の撮影制限動作に関する処理フローを示す図である。携帯端末が何れかの基地局エリアに在圏している状態で、ユーザが操作部から撮影操作を行うと(s31)、制御回路部2−1は記憶部の記憶情報を参照し、“撮影非制限”情報が記憶されているか否かを判断し(s32)、“撮影非制限”情報が記憶されていれば、LCD表示装置1−2に撮影制限エリアであることを示す警告情報を表示し(s33)、撮影操作に対し撮影処理を実行しない(s34)。ステップs32で“撮影制限”情報が記憶されていれば(s35)、撮影処理を実行する(s35)。
【0046】
(実施の形態2)
以上の実施の形態では、基地局のエリア単位で撮影機能の制限を行う例を説明したが、携帯電話システムの基本的構成を変更することなく撮影制限用発信器を使用することにより、基地局内又は圏外で比較的狭い範囲の撮影の機能制限が可能な撮影機能制限方式を構成することができる。
【0047】
図8は、本発明の他の実施の形態の撮影機能制限方式を示す図である。セルラー方式のサービス範囲の広いセル(基地局エリア)12内にカメラ付き携帯端末の撮影機能の制限を行う無線信号を出力する撮影制限用発信器10を設置する例である。設置した撮影制限用発信器10が出力する電波により基地局エリア内の影響範囲11において撮影制限を実現する。電波の影響範囲11は撮影制限用発信器10の出力を増減させる事により調整可能とし、これにより屋外においても所望の範囲でのカメラの撮影制限が可能となる。
【0048】
図9は、本実施の形態の撮影制限用発信器10のブロック構成を示す図である。無線信号の基準信号を発信する発振器10−1、出力周波数及び信号レベルを調整するための制御部10−2、前記制御部10−2により電波の出力周波数及び出力レベルを設定する周波数/出力設定部10−3、電波を放射するアンテナ10−4から構成される。
【0049】
本実施の形態の基地局及びカメラ付き携帯端末の機能は前述の実施の形態と同様の内部構成を持つものであるが、基地局が報知する周波数の情報のうち、撮影制限情報の周波数としては、当該基地局の周辺エリアを含む地域において使用しない遠方等の基地局の周波数f10とし、一方、撮影制限用発信器10は周波数f10の電波を出力するように設定される。
【0050】
カメラ付き携帯端末の制御回路部1−1は、周辺監視機能により一定時間の繰り返しの空きタイムスロットで他の基地局の電波の受信レベルを測定する機能を有し、複数の基地局からの電波が受信される状況では、それらの受信レベルを比較して最適な基地局を選択し、位置登録し、制御チャンネルによる発着信により通話の制御が可能である。また、基地局及び撮影制限用発信器からの電波が受信される状況においても、撮影制限用発信器からの周波数の電波の受信レベルの測定が可能であり、基地局からの電波の受信レベルとを比較し、基地局の受信レベルに対する撮影制限用発信器の電波が所定の受信レベルを示すときに、当該撮影制限用発信器の出力を検出可能であるから、これによりユーザによるカメラ撮影の機能を禁止する等の制御が可能である。
【0051】
図10は基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。基地局は、撮影制限用発信器により撮影禁止エリアを設定する場合(ステップs41)、携帯端末側への制御チャネルのBCCHに撮影制限用発信器10の使用周波数f10を撮影制限情報として報知する(ステップs42)。
【0052】
図11は、カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。前記基地局に在圏するカメラ付き携帯端末は該基地局から使用周波数f10を撮影制限情報として報知を受けると(s51)、この撮影制限情報の検出を記憶部に記憶し(s52)、周辺監視動作により周波数f0の受信信号の信号レベルが現基地局から受信される信号レベルより大きく所定閾値以上か否かを判断し(s53)、この条件を満たせば記憶部に“撮影制限”情報を記憶し(s54)、前記条件を満たさなければ“撮影非制限”情報を記憶する(s55)。
【0053】
図12は携帯端末の撮影禁止動作に関する処理フローを示す図である。携帯端末が周波数f0の情報を受信した基地局エリア又はその周辺エリアに在圏している状態で、ユーザが操作部から撮影操作を行うと(s61)、制御回路部2−1は記憶部の記憶情報を参照し、“撮影非制限”情報が記憶されているか否かを判断し(s62)、“撮影制限”情報が記憶されていれば、LCD表示装置1−2に撮影制限エリアであることを示す警告情報を表示し(s63)、撮影操作に対し撮影処理を実行しない(s64)。ステップs62で“撮影非制限”情報が記憶されていれば(s65)、撮影処理を実行する(s65)。
【0054】
以上説明したように本実施の形態では、撮影制限用発信器は電波を送信するだけの簡単な構成で撮影機能の制限を実現する事が可能である。また、既存の基地局システムとは独立して存在させる事が可能で、屋外屋内を問わず任意の場所に設置する事が可能である。
また、撮影制限用発信器10は周波数f10の電波を出力することにより、カメラ付き携帯端末はかかる電波でも受信される信号レベルを監視する周辺監視機能により当該周波数f10の検出自体は可能である。しかし、撮影制限用発信器10の出力する電波は制御チャネルのBCCHの信号そのものではないから、カメラ付き携帯端末20は範囲11内に移動した場合にBCCHの定位動作は行われず、基地局30に対する待ち受け動作は継続し、基地局30を介して発着信動作及び通話動作が可能である。
【0055】
更に、基地局からの撮影制限情報は、その地域では使われていない、空いている基地局の使用周波数とすることにより、カメラ付き携帯端末は元々受信できる周波数となり無線回路等の構成自体の変更を必要とせずに撮影機能の制限を可能とする。
【0056】
また、特定基地局の周波数を撮影制限情報として全国的に一律に決めるわけではないので、基地局に割り当てる周波数の数(BCCHのCH数)を目減りさせないで済むという利点も有する。
【0057】
以上の実施の形態では、撮影制限情報としての特定の基地局の使用周波数の報知を、基地局から報知する例と撮影制限用発信器から行う例をそれぞれ別に説明したが、本発明は両者により撮影機能の制限が可能であることは明らかである。
【0058】
また、PDC方式を例に説明したが、本発明はPHS方式等、周辺監視機能を備える携帯端末を使用する他の携帯通信システムにも適用可能であることは明らかである。
【0059】
更に、本発明の撮影機能の制限は、撮影禁止に限られるものではなく、ストロボ撮影、撮影情報の記録、送信、動画撮影等、カメラ撮影機能に関連する何れかを選択的又は組合せで禁止する制限形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。
【図2】本実施の形態の他のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。
【図3】本発明の基地局の一実施の形態のブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態のカメラ付き携帯端末のブロック構成を示す図である。
【図5】基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。
【図6】カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。
【図7】カメラ付き携帯端末の撮影禁止動作に関する処理フローを示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式を示す図である。
【図9】本実施の形態の撮影制限用発信器10のブロック構成を示す図である。
【図10】基地局による撮影制限情報の報知に関する処理フローを示す図である。
【図11】カメラ付き携帯端末の撮影制限情報の取得に関する処理フローを示す図である。
【図12】カメラ付き携帯端末の撮影禁止動作に関する処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1、3 基地局
2、20 カメラ付き携帯端末
4、6、8、11 撮影制限エリア
5、7 屋内基地局
10 撮影制限用発信器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ付き携帯端末の撮影機能を制限する撮影機能制限方式であって、基地局は制御チャネルにより撮影を制限する情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づきカメラ撮影の機能を制限する制御を行うことを特徴とするカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式。
【請求項2】
前記カメラ付き携帯端末は、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去し、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影機能の実行/非実行を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式。
【請求項3】
前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする請求項1又は2記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式。
【請求項4】
基地局は制御チャネルにより撮影を制限する情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による報知された基地局の使用周波数の信号が検出された場合にカメラ撮影の機能を制御することを特徴とするカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方法。
【請求項5】
前記カメラ付き携帯端末は、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づき撮影制限情報を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去し、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影機能の実行/非実行を制御することを特徴とする請求項4記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方法。
【請求項6】
前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする請求項4又は5記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方法。
【請求項7】
撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する基地局であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として制御チャネルを介して報知することを特徴とする基地局。
【請求項8】
撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する撮影制限用発信器であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として、該周波数の信号を出力することを特徴とする撮影制限用発信器。
【請求項9】
圏在する基地局から受信した特定の基地局の使用周波数の信号を周辺監視機能により検出した場合に、カメラ撮影の機能を制限することを特徴とするカメラ付き携帯端末。
【請求項10】
前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去する手段と、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影の実行/非実行を制御する手段とを有することを特徴とする請求項9記載のカメラ付き携帯端末。
【請求項11】
前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする請求項9又は10記載のカメラ付き携帯端末。
【請求項1】
カメラ付き携帯端末の撮影機能を制限する撮影機能制限方式であって、基地局は制御チャネルにより撮影を制限する情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づきカメラ撮影の機能を制限する制御を行うことを特徴とするカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式。
【請求項2】
前記カメラ付き携帯端末は、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去し、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影機能の実行/非実行を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式。
【請求項3】
前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする請求項1又は2記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方式。
【請求項4】
基地局は制御チャネルにより撮影を制限する情報として特定の基地局の使用周波数を報知し、カメラ付き携帯端末は周辺監視機能による報知された基地局の使用周波数の信号が検出された場合にカメラ撮影の機能を制御することを特徴とするカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方法。
【請求項5】
前記カメラ付き携帯端末は、前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出に基づき撮影制限情報を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去し、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影機能の実行/非実行を制御することを特徴とする請求項4記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方法。
【請求項6】
前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする請求項4又は5記載のカメラ付き携帯端末の撮影機能制限方法。
【請求項7】
撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する基地局であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として制御チャネルを介して報知することを特徴とする基地局。
【請求項8】
撮影制限情報に基づき撮影機能が制限される周辺監視機能を有するカメラ付き携帯端末に対し前記撮影制限情報を出力する撮影制限用発信器であって、特定の基地局の使用周波数を前記撮影制限情報として、該周波数の信号を出力することを特徴とする撮影制限用発信器。
【請求項9】
圏在する基地局から受信した特定の基地局の使用周波数の信号を周辺監視機能により検出した場合に、カメラ撮影の機能を制限することを特徴とするカメラ付き携帯端末。
【請求項10】
前記特定の基地局の使用周波数の信号の検出を記録し、前記特定の基地局の使用周波数の信号の非検出により前記記録を消去する手段と、カメラ撮影の操作時に前記記録の有無により撮影の実行/非実行を制御する手段とを有することを特徴とする請求項9記載のカメラ付き携帯端末。
【請求項11】
前記特定の基地局の使用周波数の信号は、撮影制限用発信器が出力することを特徴とする請求項9又は10記載のカメラ付き携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−295816(P2006−295816A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117252(P2005−117252)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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