説明

カリウムイオンチャンネル開口薬としての新規なピリジン誘導体

本発明は式(I)で表される新規なピリジン誘導体、これらを含有させた製薬学的組成物、そしてそれらをイオンチャンネル、例えばカリウムチャンネルなどに関係した疾患の治療で用いることに向けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なピリジンおよびキノリン誘導体、それらを含有させた製薬学的組成物そしてそれらをイオンチャンネル、例えばカリウムチャンネルなどに関係した疾患の治療で用いることに向けたものである。従って、本発明の化合物はいろいろな疾患の治療で用いるに有用であり、そのような疾患には、これらに限定するものでないが、尿失禁、過活動膀胱、高血圧、勃起不全、良性前立腺過形成、女性の性的障害、早産、月経困難症、過敏性腸症候群、気道過敏性、てんかん、発作、虚血、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋障害、冠動脈疾患、狭心症、痛み、摂食障害、脱毛、脱毛症およびはげ頭症が含まれる。
【背景技術】
【0002】
イオンチャンネルは、イオンの膜貫通移動を調節することを通して細胞機能の恒常性に関して基本的な役割を果たしている。細胞の活動はイオンチャンネルの活動が変わると影響を受け得る。それによって膜電位差の変化がもたらされる。カリウムチャンネルは多様で遍在する群のイオンチャンネルである。それらは原則として細胞の静止膜電位を調節しかつ細胞の興奮度を減衰させる。機能的KATPチャンネルは、4種類の内向整流性カリウムチャンネルサブユニット(Kir6.2)と4種類のスルホニル尿素受容体(SUR)サブユニットで組み立てられたヘテロ8量体である。2種類のSUR遺伝子、即ちSUR1およびSUR2が存在する。SUR1/Kir6.2チャンネルは膵臓および脳に存在する。SUR2遺伝子から2種類の主要なスプライス変異体、即ちSUR2AおよびSUR2Bが生じるが、これらの相違点はC末端の42個のアミノ酸の相違のみである。SUR2A/Kir6.2チャンネルは心臓および骨格組織に存在する一方、SUR2B/Kir6.2チャンネルは膀胱を包含するいろいろな組織の平滑筋に存在する(非特許文献1)。カリウムチャンネル開口薬を用いていろいろな病気または状態を治療することができる。それらには過活動膀胱、尿失禁、男性の勃起不全、女性の性的障害、早産、良性前立腺過形成(BPH)、月経困難症、神経変性、発作、痛み、冠動脈疾患、狭心症、虚血、摂食障害、過敏性腸症候群および脱毛症が含まれる。
【0003】
尿失禁(UI)は患者の生活の質の全体に影響を与え得る疾患である。過活動膀胱(OAB)はUIの最も一般的な形態であり、報告された罹患率はUIと診断されたケース全体の40から70%である(非特許文献2)。OABは頻尿、尿意切迫および失禁の症状で特徴づけられる。OABの主要な原因は、膀胱が過敏で収縮を予想外かつ不随意に起こすことにある。理想的な薬剤は正常な排尿時収縮をそのままにしながら不随意に起こる収縮を抑制すべきである。ATP感受性カリウムチャンネル開口薬(KCO)はそのような薬剤として働く可能性がある。ATP感受性カリウムチャンネル(KATP)は膀胱の平滑筋ないで発現してそれらの細胞の静止膜電位の鍵となる調節因子として機能する。前記チャンネルの開口を選択的にもたらす化合物は前記細胞を過分極させかつ細胞の興奮を静め、その結果として、正常な排尿回路をそのままにしながら不随意に起こる膀胱収縮を抑制する。
【非特許文献1】Aguilar−Bryan,L.;Clement J.P.;Gonzales,G.他(1998)、「Toward understanding the assembly and structure of KATP channels」、Physiol.Rev.8:227−245
【非特許文献2】Wein,A.J.(2000)「Overactive bladder:defining the disease」、Am.J.Manag.Care.6:S559−564
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
本発明は、式(I)
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
aは、0から1の整数であり、
は、−C(O)−およびCH(OH)−から成る群から選択され、
bは、0から2の整数であり、
は、ハロゲン、アルキル、ハロゲン置換アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルコキシ、シアノ、アルキル−カルボニル−、アルコキシ−カルボニル−、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択され、
は、−C(O)−、−CH(OH)−および−CH−から成る群から選択されるか、別法として、
とLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しており、
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、トリフルオロメチル、アリールおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシから成る群から選択され、ここで、
前記アリールは、場合により、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ−、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいが、但し
がヒドロキシの時にはLとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成していることを条件とし、
aが1であり、Lが−CH(OH)−であり、bが1であり、RがCFでありそしてLがCHの時にはRがアルキル以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが1であり、RがアルコキシでありそしてLが−CH(OH)−の時にはRが水素以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが0から1の整数であり、Rがハロゲン、アルコキシ、CFまたはアミノでありそしてLが−CH−の時にはRが水素でもアルキルでもないことをさらなる条件とする]
で表される化合物およびこれらの製薬学的に受け入れられる塩に向けたものである。
【0007】
本発明は、更に、式(II)
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、
cは、0から2の整数であり、
は、ハロゲン、アルキル、ハロゲン置換アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルコキシ、シアノ、アルキル−カルボニル−、アルコキシ−カルボニル−、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択され、
は、C1−4アルキルから成る群から選択され、
は、メチルおよびトリフルオロメチルから成る群から選択される]
で表される化合物およびこれらの製薬学的に受け入れられる塩にも向けたものである。
【0010】
本発明の実例は、製薬学的に受け入れられる担体とこの上に記述した化合物のいずれかを含んで成る製薬学的組成物である。本発明の実例は、この上に記述した化合物のいずれかと製薬学的に受け入れられる担体を混合することで作られた製薬学的組成物である。本発明の実例は、この上に記述した化合物のいずれかと製薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物製造方法である。
【0011】
本発明の実例は、イオンチャンネル、好適にはカリウムイオンチャンネル、より好適にはATP感受性カリウムイオンチャンネルが媒介する疾患の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する方法であり、この方法は、前記被験体にこの上に記述した化合物または製薬学的組成物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0012】
本発明の一例は、尿失禁、過活動膀胱、高血圧、勃起不全、良性前立腺過形成、女性の性的障害、早産、月経困難症、過敏性腸症候群、気道過敏性、てんかん、発作、虚血、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋障害、冠動脈疾患、狭心症、痛み、摂食障害、脱毛、脱毛症およびはげ頭症、好適には尿失禁または過活動膀胱から成る群から選択される疾患の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する方法であり、この方法は、前記被験体にこの上に記述した化合物または製薬学的組成物のいずれかを有効な量で投与することを含んで成る。
【0013】
本発明の別の例は、本明細書に記述する化合物のいずれかを(a)尿失禁、(b)過活動膀胱、(c)高血圧、(d)勃起不全、(e)良性前立腺過形成、(f)女性の性的障害、(g)早産、(h)月経困難症、(i)過敏性腸症候群、(j)気道過敏性、(k)てんかん、(l)発作、(m)虚血、(n)アルツハイマー病、(o)パーキンソン病、(p)心筋障害、(q)冠動脈疾患、(r)狭心症、(s)痛み、(t)摂食障害、(u)脱毛、(v)脱毛症および(w)はげ頭症の治療を必要としている被験体におけるそれを治療するための薬剤を製造する時に用いる例である。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物
【0015】
【化3】

【0016】
[式中、
a、L、b、R、L、R、c、R、RおよびRは、本明細書で定義する通りである]
に向けたものである。本発明の化合物は、イオンチャンネル開口薬、より具体的にはカリウムチャンネル開口薬、より具体的にはATP感受性カリウムチャンネル開口薬である。従って、本化合物はいろいろな疾患の治療で用いるに有用であり、そのような疾患には、これらに限定するものでないが、尿失禁、過活動膀胱、高血圧、勃起不全、良性前立腺過形成、女性の性的障害、早産、月経困難症、過敏性腸症候群、気道過敏性、てんかん、発作、虚血、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋障害、冠動脈疾患、狭心症、痛み、摂食障害、脱毛、脱毛症およびはげ頭症が含まれる。本発明の化合物は好適には尿失禁または過活動膀胱の治療で用いるに有用である。
【0017】
本発明の1つの態様におけるaは0である。本発明の別の態様におけるaは1である。本発明の1つの態様におけるbは0である。本発明の別の態様におけるbは1から2の整数である。
【0018】
本発明の1つの態様では、Lを−C(O)−およびCH(OH)−から成る群から選択する。好適には、Lは−C(O)−である。
【0019】
本発明の1つの態様では、Rをハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、ハロゲン置換C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Rをヒドロキシ置換C1−4アルキル、シアノ、C1−4アルコキシおよびホルミルから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Rをヒドロキシメチル−、シアノ、メトキシおよびホルミルから成る群から選択する。好適には、Rはシアノである。
【0020】
本発明の1つの態様では、Lを−C(O)−、−CH(OH)−および−CH−から成る群から選択する。好適には、Lは−CH(OH)−である。
【0021】
本発明の1つの態様では、Rを水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、フェニルおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシ[ここで、前記フェニルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ−、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]から成る群から選択する。
【0022】
本発明の別の態様では、Rを水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、フェニルおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシ[ここで、前記フェニルは場合によりハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ−、
アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]から成る群から選択する。
【0023】
本発明の別の態様では、Rを水素、ヒドロキシ、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシ−フェニル、2,6−ジメトキシフェニル、4−メチルチオフェニル、ジメチルアミノ−フェニル、3−フルオロ−4−メチル−フェニル、3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル、2−メチル−5−フルオロ−フェニルおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシから成る群から選択する。
【0024】
好適には、Rをトリフルオロメチル、フェニル、3−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシ−フェニルおよび3−フルオロ−4−メトキシ−フェニルから成る群から選択する。より好適には、Rをフェニル、3−フルオロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニルおよび3−フルオロ−4−メトキシ−フェニルから成る群から選択する。
【0025】
1つの態様において、本発明は、式(Ir)
【0026】
【化4】

【0027】
[式中、c、RおよびRは、本明細書の上で定義した通りである]
で表される化合物およびこれらの製薬学的に受け入れられる塩に向けたものである。
【0028】
本発明の1つの態様では、LとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成している。本発明の別の態様では、LとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しており、bが0から1の整数であり、Rがシアノであり、そしてRを水素およびヒドロキシから成る群から選択する。
【0029】
1つの態様において、本発明は、1−フェニル−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オール;3−(1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリル;3−(3−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリルおよびこれらの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択した化合物に向けたものである。別の態様において、本発明は、3−(1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリルおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩に向けたものである。
【0030】
本発明の1つの態様では、Rをハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アル
コキシ、ハロゲン置換C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、C1−4アルキル−カルボニル−、C1−4アルコキシ−カルボニル−、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択する。好適には、Rをフルオロ、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ−メチル−、メチル−カルボニル−、エトキシ−カルボニル−、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択する。
【0031】
本発明の1つの態様では、RをC1−4アルキルから成る群から選択する。好適には、Rはエチルである。
【0032】
本発明の1つの態様におけるRはトリフルオロメチルである。
【0033】
1つの態様において、本発明は、4−(5−ホルミル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル;4−(5−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルおよびこれらの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択した式(II)で表される化合物に向けたものである。
【0034】
本発明の別の態様における化合物は、以下の表1−6に挙げる代表的化合物から選択した単一の化合物またはサブセットの化合物のいずれかである。
【0035】
本発明の追加的態様は、本明細書で定義した変項の中の1つ以上に関して選択した置換基(即ち、a、L、b、R、L、R、R、RおよびR)が独立して本明細書に定義した如き完全なリストから選択される個々の置換基のいずれかまたは置換基のサブセットのいずれかであるようにそれらを選択した化合物が含まれる。
【0036】
本発明の代表的な化合物は、以下の表1から5に挙げる如き化合物である。特に明記しない限り、挙げる化合物に立体中心が存在する場合、そのような化合物を立体配置(stereo−configuration)の混合物として生じさせた。立体中心が存在する場合のSおよびR表示は、その中心の正確な立体配置を測定しなかったことを示すことを意図する。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
追加的化合物、例えば本発明の化合物を調製する時の中間体などは以下の表6に挙げる如くである。
【0043】
【表6】

【0044】
本明細書で用いる如き「ハロゲン」は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素、好適にはフッ素または塩素、より好適にはフッ素を意味する。
【0045】
本明細書で用いる如き用語「アルキル」は、特に明記しない限り、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘らず、直鎖および分枝鎖を包含する。例えば、アルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。同様に、用語「C1−4アルキル」は、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘らず、炭素原子を1−4個含有する直鎖および分枝鎖を包含する。例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルおよびt−ブチル。
【0046】
本明細書で用いる如き用語「ハロゲン置換アルキル」は、特に明記しない限り、少なくとも1個のハロゲン原子で置換、好適には少なくとも1個のフルオロ原子で置換されているこの上で定義した如きアルキル基のいずれかを意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、−CF、−CH−CF、−CF−CF−CF−CFなどが含まれる。同様に、用語「フッ素置換アルキル」は、少なくとも1個のフッ素原子で置換、好適には1から3個のフッ素原子で置換されているこの上で定義した如きアルキル基のいずれかを意味する。
【0047】
本明細書で用いる如き用語「ヒドロキシ置換アルキル」は、特に明記しない限り、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているこの上で定義した如きアルキル基のいずれかを意味する。好適には、アルキル基が1個のヒドロキシ基で置換されている。好適には、アルキル基の末端炭素がヒドロキシ基で置換されている。適切な例には、これらに限定するものでないが、−CH(OH)、−CH−CH(OH)、−CH−CH(OH)−CHなどが含まれる。
【0048】
本明細書で用いる如き「アルコキシ」は、特に明記しない限り、上述した直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を表す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
【0049】
本明細書で用いる如き「アリール」は、特に明記しない限り、置換されていない炭素環式芳香基、例えばフェニル、ナフチルなどを指す。
【0050】
本明細書で用いる如き記号「」は立体中心の存在を表す。
【0051】
個々の基(例えばアルキル、アリールなど)が「置換されている」場合、そのような基は置換基のリストから独立して選択される置換基を1つ以上、好適には置換基を1から5個、より好適には置換基を1から3個、最も好適には置換基を1から2個持っていてもよい。
【0052】
置換基の言及に関して、用語「独立して」は、そのような置換基が2個以上可能な場合にそのような置換基が互いに同じまたは異なってもよいことを意味する。
【0053】
説明をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による制限を受けさせていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが所定の実際の値を指すことを意味しかつまた前記所定値の近似値(本分野の通常の技術を基にして妥当であると推測される)[実験および/または測定条件による前記所定値の近似値を包含]も指すことを意味すると理解する。
【0054】
本明細書で用いる如き用語「脱離基」は、特に明記しない限り、置換または置き換え反応中に脱離する帯電もしくは非帯電原子もしくは基を意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、Br、Cl、I、メシレート、トシレートなどが含まれる。
【0055】
本明細書で用いる如き用語「窒素保護基」は、特に明記しない限り、窒素原子が反応に参与しないようにそれを保護する目的で前記窒素原子と結合させることができそして反応後に容易に除去することができる基を意味する。適切な窒素保護基には、これらに限定するものでないが、カルバメート、即ち式−C(O)O−R[式中、Rは、例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CH−CH−などである]で表される基など、アミド、即ち式−C(O)−R’[式中、R’は、例えばメチル、フェニル、トリフルオロメチルなどである]で表される基など、N−スルホニル誘導体、即ち式−SO−R”[式中、R”は、例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンなどである]で表される基などが含まれる。他の適切な窒素保護基を教科書、例えばT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991などに見ることができる。
【0056】
本開示の全体に渡って用いる標準的命名法の下では、表示する側鎖の末端部分を最初に記述し、その後、それに隣接する官能性を結合点に向かって記述する。従って、例えば「フェニル−C−Cアルキル−アミノ−カルボニル−C−Cアルキル−」置換基は、式
【0057】
【化5】

【0058】
で表される基を指す。
【0059】
本明細書、特にスキームおよび実施例で用いる省略形は下記の通りである:
【0060】
【表7】

【0061】
本明細書で用いる如き用語「被験体」は、治療、観察または実験の対象である動物、好適には哺乳動物、最も好適には人を指す。
【0062】
本明細書で用いる如き用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求している活性化合物または薬剤が組織系、動物または人に生物学的もしくは医薬的反応(治療を受けさせる病気または障害の症状の軽減を包含)を引き出す量を意味する。
【0063】
本明細書で用いる如き用語「組成物」は、これに、指定材料を指定量で含んで成る製品ばかりでなく指定材料を指定量で組み合わせる結果として直接または間接的にもたらされる如何なる生成物も包含させることを意図する。
【0064】
本発明に従う化合物がキラル中心を少なくとも1つ有する場合、それらはそれに応じて
鏡像異性体として存在し得る。本化合物がキラル中心を2つ以上有する場合、それらは追加的にジアステレオマーとしても存在し得る。そのような異性体およびこれらの混合物の全部を本発明の範囲内に包含させると理解されるべきである。その上、本化合物が示す結晶形態のいくつかは多形として存在する可能性があり、このように、それらも本発明に包含させることを意図する。加うるに、本化合物の数種は水と一緒に溶媒和物(即ち水化物)または一般的有機溶媒と一緒に溶媒和物を形成する可能性があり、そのような溶媒和物もまた本発明の範囲内に包含させることを意図する。
【0065】
本発明に従う化合物を生じさせる過程で立体異性体の混合物がもたらされる場合には、通常の技術、例えば調製用クロマトグラフィーなどを用いてそのような異性体を分離することができる。このような化合物はラセミ形態で調製可能であるか、或は鏡像特異的合成または分割のいずれかを用いて個々の鏡像異性体を生じさせることも可能である。標準的技術、例えば光活性酸、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などを用いて塩を生じさせた後に分別結晶化を行いそして遊離塩基を再生させてジアステレオマー対を生じさせることなどで、そのような化合物を例えばそれらの成分である鏡像異性体に分割することも可能である。また、ジアステレオマーであるエステルまたはアミドを生じさせた後にクロマトグラフィーによる分離を行いそしてキラル補助剤を除去することで、そのような化合物の分割を行うことも可能である。別法として、キラルHPLCカラムを用いてそのような化合物の分割を行うことも可能である。
【0066】
本発明の化合物を調製する過程のいずれかを実施する時、関係する分子のいずれかが有する敏感もしくは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性がある。これは通常の保護基、例えばJ.F.W.McOmie編集「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、1973、そしてT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1991などに記述されている如きそれらを用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。
【0067】
本分野の技術者は、本発明の反応段階をいろいろな溶媒もしくは溶媒系中で実施することができることを認識するであろうが、前記反応段階をまた適切な溶媒もしくは溶媒系の混合物中で実施することも可能である。
【0068】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグを本発明の範囲内に包含する。そのようなプロドラッグは、一般に、生体内で必要な化合物に容易に変化し得る前記化合物の機能的誘導体である。このように、本発明の治療方法では、用語「投与する」に、具体的に開示した化合物を用いるか或は具体的には開示することができなかったが患者に投与した後に生体内で指定化合物に変化する化合物を用いて記述したいろいろな障害を治療することを包含させる。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製する通常の手順は、例えばH.Bundgaard、Elsevier編集の「Design of Prodrugs」(1985)などに記述されている。
【0069】
本発明の化合物の塩を薬剤で用いる場合、これは無毒の「製薬学的に受け入れられる塩」を指す。しかしながら、本発明に従う化合物またはこれらの製薬学的に受け入れられる塩を調製する時に他の塩を用いることも有用である。本化合物の適切な製薬学的に受け入れられる塩には酸付加塩が含まれ、これらは、例えば本化合物の溶液を製薬学的に受け入れられる酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、こはく酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸などの溶液と一緒に混合することで調製可能である。更に、本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、これらの適切な製薬学的に受け入れられる塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩など、そして適切な有機配位子と一緒にした時に生じる塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に受け入れられる塩には下記が含まれる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、こはく酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
【0070】
製薬学的に受け入れられる塩を調製する時に使用可能な代表的酸および塩基には下記が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、ヒプリックアシッド(hipuric acid)、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、しゅう酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、こはく酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を包含する酸、および
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
【0071】
aが0であり(Lが存在せず)そしてLが−CH(OH)−でありそしてRが水素以外である式(I)で表される化合物の調製は、スキーム1に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0072】
【化6】

【0073】
従って、式(X)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とMがMgCl、MgBr、MIまたはLiである式(XI)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサンなど中で反応させることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせる。
【0074】
前記式(XII)で表される化合物と式(XIII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を触媒、例えばPd(PPh、Pd(CHCN)Clなどの存在下で塩基、例えばNaHCO、KPO、NaCO、KCOなどを存在させて有機溶媒、例えばトルエン、ジオキサン、DMF、水など中で反応させることで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる。
【0075】
別法として、式(X)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と式(XIII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を触媒、例えばPd(PPh、Pd(CHCN)Clなどの存在下で塩基、例えばNaHCO、KPO、NaCO、KCOなどを存在させて有機溶媒、例えばトルエン、ジオキサン、DMF、水など中で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせる。
【0076】
前記式(XIV)で表される化合物とMがMgCl、MgBr、MIまたはLiである式(XI)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサンなど中で反応さ
せることで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる。
【0077】
本分野の技術者は、前記式(Ia)で表される化合物に更に場合により酸化を公知方法に従って受けさせることでLが−C(O)−である相当する式(I)で表される化合物を生じさせることも可能であることを認識するであろう。別法として、前記式(Ia)で表される化合物に更に場合により還元を公知方法に従って受けさせることでLが−CH−である相当する式(I)で表される化合物を生じさせることも可能である。
【0078】
aが1であり、Lが−CH(OH)−でありそしてLが−CH(OH)−であるか或はLとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成している式(I)で表される化合物の調製は、スキーム2に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0079】
【化7】

【0080】
従って、式(XV)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とMgまたはLiの適切な源、例えばn−ブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムブロマイドなどを有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサン、ヘキサンなど中で反応させることでMがMgまたはLiである相当する式(XVI)で表される化合物を生じさせる。好適には、前記式(XVI)で表される化合物の単離は行わない。
【0081】
前記式(XVI)で表される化合物と式(XVII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサン、ヘキサンなど中で反応させることで相当する式(Ib)で表される化合物を生じさせる。
【0082】
前記式(Ib)で表される化合物を更に場合によりプロトン酸、例えばHCl、HSO、TFAなどと有機溶媒、例えばTHF、DCMなど中で反応させることで相当する式(Ic)で表される化合物を生じさせることも可能である。
【0083】
別法として、aが1であり、Lが−CH(OH)−でありそしてLが−CH(OH)−である式(I)で表される化合物の調製をスキーム3に概略を示す方法に従って実施することも可能である。
【0084】
【化8】

【0085】
従って、ピリジン−3−カルバルデヒド(公知化合物)を(CHN−CHCH−NCHLi(公知化合物)と約−78℃の温度で反応させた後、n−ブチルリチウムとTHF中で反応させ、約−42℃に約3時間加熱することで式(XVIII)で表される化合物を生じさせる。好適には、前記式(XVIII)で表される化合物を単離しない。
【0086】
前記式(XVIII)で表される化合物と式(XVII)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Id)で表される化合物を生じさせる。
【0087】
前記式(Id)で表される化合物とMがMgCl、MgBr、MgIまたはLiである式(XI)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Ib)で表される化合物を生じさせる。
【0088】
本分野の技術者は、LとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しておりそしてRがヒドロキシ以外である式(I)で表される化合物の調製を公知方法に従って相当する式(Ib)で表される化合物を反応させることで実施することができることを認識するであろう。
【0089】
aが1であり、Lが−C(O)−でありそしてLが−C(O)−である式(I)で
表される化合物の調製は、スキーム4に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0090】
【化9】

【0091】
従って、式(XV)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とMgまたはLiの適切な源、例えばn−ブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムブロマイドなどを有機溶媒、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジオキサン、ヘキサンなど中で反応させることでMがMgまたはLiである相当する式(XVI)で表される化合物を生じさせる。好適には、前記式(XVI)で表される化合物の単離は行わない。
【0092】
前記式(XVI)で表される化合物と式(XIX)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ヘキサンなど中で反応させることで相当する式(Ie)で表される化合物を生じさせる。
【0093】
別法として、aが1であり、Lが−C(O)−でありそしてLが−C(O)−である式(I)で表される化合物の調製をスキーム5に概略を示す方法に従って実施することも可能である。
【0094】
【化10】

【0095】
従って、ピリジン−3−カルバルデヒド(公知化合物)を(CHN−CHCH−NCHLi(公知化合物)と約−78℃の温度で反応させた後、n−ブチルリチウムとTHF中で反応させ、約−42℃に約3時間加熱することで式(XVIII)で表される化合物を生じさせる。好適には、前記式(XVIII)で表される化合物を単離しない。
【0096】
前記式(XVIII)で表される化合物と式(XIX)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(XX)で表される化合物を生じさせる。
【0097】
前記式(XX)で表される化合物とMがMgCl、MgBr、MgIまたはLiである式(XI)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を有機溶媒、例えばTHF、ジオキサン、ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Ie)で表される化合物を生じさせる。
【0098】
本分野の技術者は、Lが−C(O)−または−CH−である式(I)で表される化合物の調製をLが−CH(OH)−である相当する式(I)で表される化合物にそれぞれ酸化または還元を公知方法に従って受けさせることで実施することができることを認識するであろう。
【0099】
式(II)で表される化合物の調製はスキーム6に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0100】
【化11】

【0101】
従って、式(XXX)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と式(XXXI)で表される適切に置換されている化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を触媒、例えばPd(PPh、Pd(CHCN)Clなどの存在下で塩基、例えばNaHCO、KPO、NaCO、KCOなどを存在させて有機溶媒、例えばトルエン、ジオキサン、ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(II)で表される化合物を生じさせる。
【0102】
本発明は、更に、1種以上の式(I)で表される化合物および/または式(II)で表される化合物を製薬学的に受け入れられる担体と一緒に含有する製薬学的組成物も包含する。本明細書に記述する本発明の1種以上の化合物をとして含有する製薬学的組成物の調製は、本化合物1種または2種以上を通常の薬剤配合技術に従って製薬学的担体と一緒に密に混合することで実施可能である。そのような担体は所望の投与経路(例えば経口、非経口)に応じて幅広く多様な形態を取り得る。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセルおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。固体状の経口用製剤にまた糖などの如き物質による被覆または腸溶性被膜による被覆を受けさせることで主要な吸収部位を調節することも可能である。非経口投与の場合の担体を一般に無菌水で構成させるが、溶解性または防腐性を向上させる他の材料を添加することも可能である。また、注射可能な懸濁液または溶液を調製することも可能であり、この場合には水性担体を適切な添加剤と一緒に用いてもよい。
【0103】
本発明の製薬学的組成物を調製する時、本発明の1種以上の化合物を有効成分として製薬学的担体と通常の薬剤配合技術に従って密に混合するが、そのような担体は投与で望まれる製剤の形態、例えば経口または非経口、例えば筋肉内投与などに応じて幅広く多様な形態を取り得る。本組成物を経口投薬形態で調製する時、通常の製薬学的媒体のいずれも使用可能である。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセル、カプレット、ゲルカップおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。投与が容易なことが理由で錠剤およびカプセルが最も有利な経口投薬単位形態物に相当し、この場合には明らかに固体状の製薬学的担体を用いる。望まれるならば、錠剤に糖による被覆または腸溶性被膜による被覆を標準的な技術で受けさせてもよい。非経口投与の場合の担体は一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助するか或は防腐の目的などで他の材料を含有させることも可能である。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。本明細書に示す製薬学的組成物では、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、茶サジ1杯など当たりの有効成分含有量を、それをこの上に記述した如き有効量で送達するに必要な量にする。本明細書に示す製薬学的組成物では、単位投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、座薬、茶サジ1杯など当たりの含有量を約0.01−500mgにして、それを約0.01−300mg/kg/日、好適には約0.05−10.0mg/kg/日、より好適には約0.05−3.0mg/kg/日の投薬量で投与してもよい。しかしながら、このような投薬量は当該患者の要求、治療すべき病気のひどさおよび用いる化合物に応じて変わり得る。毎日の投与またはポストペリオディックドーシング(post−periodic dosing)のいずれの使用も利用可能である。
【0104】
本組成物を好適には単位投薬形態にし、例えば経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与または吸入もしくは吹送による投与に適した錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、無菌の非経口用溶液もしくは懸濁液、定量エーロゾルもしくは液体スプレー、滴、アンプル、自動注入デバイスまたは座薬などの形態にする。別法として、本組成物を週に1回または月に1回投与するに適した形態で提供することも可能であり、例えば本活性化合物の不溶塩、例えばデカン酸塩などは筋肉内注射用持続性薬剤製剤を生じさせるに適合し得る。固体状組成物、例えば錠剤などを調製する場合、本主要有効成分を製薬学的担体、例えば通常の錠剤用材料、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸ジカルシウムまたはゴムなどおよび他の製薬学的希釈剤、例えば水などと混合して本発明の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩の均一な混合物を含有する固体状の予備調合組成物を生じさせる。このような予備調合組成物が均一であると述べる場合、これは、この組成物を等しく有効な投薬形態物、例えば錠剤、ピルおよびカプセルなどに容易に細分可能なように有効成分が組成物全体に渡ってむらなく分散していることを意味する。次に、このような固体状の予備調合組成物を細分して本発明の有効成分を0.1から約500mg含有する前記種類の単位投薬形態物にする。作用が長期に渡ると言った利点を与える投薬形態が得られるように本新規組成物の錠剤またはピルに被覆を受けさせてもよいか或は他の様式で配合してもよい。例えば、そのような錠剤またはピルに内部の投薬成分と外側の投薬成分を含めて、その後者が前者の上を覆う形態にしてもよい。この2成分を腸溶性層[これは胃の中で起こる崩壊に抵抗して前記内部成分が無傷のまま十二指腸の中に運ばれるようにするか或は放出が遅れるようにする働きをする]で分離しておいてもよい。そのような腸溶性層または被膜ではいろいろな材料が使用可能であり、そのような材料には数多くの高分子量酸に加えてシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの如き材料が含まれる。
【0105】
本発明の新規な組成物を経口または注射で投与する目的で添加することができる液体形態には、水溶液、適切な風味のシロップ、水性または油懸濁液、そして食用油、例えば綿実油、ゴマ油、椰子油または落花生油などが用いられている風味付き乳液ばかりでなく、エリキシルおよび同様な製薬学的媒体が含まれる。水性懸濁液用の適切な分散もしくは懸濁剤には、合成および天然のゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンなどが含まれる。
【0106】
本発明に記述するイオンチャンネル、好適にはカリウムイオンチャンネル、より好適にはATP感受性カリウムイオンチャンネルに関係する疾患を治療する方法は、また、本明細書で定義した如き化合物のいずれかと製薬学的に受け入れられる担体を含んで成る製薬学的組成物を用いることでも実施可能である。この製薬学的組成物の本化合物含有量は約0.1mgから500mg、好適には約50から100mgの範囲であってもよく、そしてこれを選択した投与様式に適した如何なる形態に構築してもよい。担体には、必要かつ不活性な製薬学的賦形剤が含まれ、これには、これらに限定するものでないが、結合剤、懸濁剤、滑剤、風味剤、甘味剤、防腐剤、染料およびコーティングが含まれる。経口投与
に適した組成物には、固体形態物、例えばピル、錠剤、カプレット、カプセル[各々に瞬時放出、好機放出および徐放製剤が含まれる]、顆粒および粉末など、そして液状形態物、例えば溶液、シロップ、エリキシル、乳液および懸濁液などが含まれる。非経口投与で用いるに有用な形態物には無菌の溶液、乳液および懸濁液が含まれる。
【0107】
本発明の化合物は有利に1日1回の投与で投与可能であるか、或は1日当たりの投薬量全体を1日当たり2回、3回または4回に分割した用量で投与することも可能である。更に、本発明の化合物を適切な鼻内媒体を局所的に用いることによる鼻内形態で投与するか或は本分野の通常の技術者に良く知られた経皮皮膚パッチを用いて投与することも可能である。投与を経皮送達系の形態で行う時には、勿論、そのような投与は断続的ではなくむしろ投薬療法全体に渡って連続的であろう。
【0108】
例えば錠剤またはカプセル形態の経口投与の場合には、本活性薬剤成分を無毒で製薬学的に受け入れられる不活性な経口用担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと一緒にしてもよい。その上、望まれるか或は必要な場合には、また、適切な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤をそのような混合物に添加することも可能である。適切な結合剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトースなど、コーン甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントなど、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。
【0109】
液状形態には適切な風味の懸濁もしくは分散剤、例えば合成および天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどを含有させてもよい。非経口投与の場合には無菌の懸濁液および溶液が望まれる。静脈内投与が望まれる場合には一般に適切な防腐剤が入っている等浸透圧性製剤を用いる。
【0110】
また、本発明の化合物をリポソーム送達系、例えば小型の単層ベシクル、大型の単層ベシクルおよび多層ベシクルなどの形態で投与することも可能である。いろいろな燐脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどを用いてリポソームを生じさせることができる。
【0111】
また、本化合物の分子を結合させたモノクローナル抗体を個々の担体として用いて本発明の化合物を送達することも可能である。また、本発明の化合物を標的可能薬剤担体としての可溶重合体と結合させおくことも可能である。そのような重合体には、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタアクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキサイドポリリジンが含まれ得る。更に、本発明の化合物を薬剤の徐放の達成で用いるに有用な種類の生分解性重合体、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、そしてヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロック共重合体などに結合させておくことも可能である。
【0112】
本発明の化合物はこの上に示した組成物のいずれかの状態でイオンチャンネルに関係した疾患、好適にはカリウムイオンチャンネルに関係した疾患の治療が必要とされている時にはいつでも本技術分野で確立された投薬療法に従って投与可能である。
【0113】
本製品の1日当たりの投薬量は成人1人当たり0.01から1,000mg/日に及んで幅広い範囲に渡って多様であり得る。経口投与の場合には、本組成物を、好適には、治
療を受けさせるべき患者の症状に応じて投薬量を調整して、本有効成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250および500ミリグラム含有する錠剤の形態で提供する。通常は、有効量の本薬剤を体重1kg当たり約0.01mg/日から体重1kg当たり約300mg/日の投薬レベルで供給する。この範囲は好適には体重1kg当たり約0.05から約5.0mg/日、最も好適には体重1kg当たり約0.05から約3.0mg/日である。本化合物を1日当たり1から4回の計画で投与してもよい。
【0114】
本分野の技術者は投与すべき最適な投薬量を容易に決定することができ、これは使用する個々の化合物、投薬様式、製剤の濃度、投与様式および病気の状態の進行に伴って変わるであろう。加うるに、治療を受けさせる個々の患者に関連した要因の結果として投薬量を調整する必要もあり、そのような要因には、患者の年齢、体重、食事および投与時期が含まれる。
【0115】
以下に示す実施例は本発明の理解の補助で示すものであり、決して本明細書に示す請求の範囲に挙げる発明を限定することを意図するものでなく、そのように解釈されるべきでない。
【0116】
以下に示す実施例では、いくつかの合成生成物を残留物として単離したと示すかもしれない。本分野の通常の技術者は、用語「残留物」は生成物を単離した物理的状態を限定するものでなく、例えば固体、油、発泡体、ゴム、シロップなどを包含し得ることを理解するであろう。
【実施例1】
【0117】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#15)
【0118】
【化12】

【0119】
ジクロロメタン(50mL)とピリジン(20mL)の混合物に−20℃で4−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(2.85g、10ミリモル)を入れて懸濁させた。次に、その反応混合物を無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.85mL、11ミリモル)で処理した。次に、その反応混合物を室温に温めて3日間撹拌した。次に、この反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、飽和硫酸銅(II)溶液、水(2x200ml)に続いて食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮することで4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを褐色の固体として得た。HNMR(DMSO−d、300MHz)δ(ppm)9.78(s、1H)、9.06(s、1H)、8.11(d、J=8.7Hz、1H)、7.72(d、J=8.7Hz、1H)、4.20(q、J=7.2Hz、2H)、1.09(t、J=7.2Hz、3H);
LCMS:2.585分、m/z:347。
【実施例2】
【0120】
4−(3−シアノ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#1)
【0121】
【化13】

【0122】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(417mg、1ミリモル)と2−シアノフェニルホウ素酸(162mg、1.1ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg)と燐酸カリウム(318mg、1.5ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(3−シアノ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを白色の固体として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)9.52(s、1H)、8.53(s、1H)、7.9−7.5(m、6H)、4.20(q、J=7.2Hz、2H)、1.13(t、J=7.2Hz、3H);
LCMS:4.015分、m/z:371(M+1)。
【実施例3】
【0123】
4−フェニル−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#6)
【0124】
【化14】

【0125】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)とフェニルホウ素酸(65mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−フェニル−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを無色の油として得た。
【実施例4】
【0126】
4−(3−メトキシ−5−メチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#2)
【0127】
【化15】

【0128】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と4−メチル−2−メトキシルフェニルホウ素酸(92mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することで黄色の油を得て、それをフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製した後、エチルエーテルを用いて再結晶化させることで4−(3−メトキシ−5−メチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを白色の粉末として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)9.54(s、1H)、8.49(s、1H)、8.3−8.1(m、2H)、8.08(s、1H)、7.77(d、J=10.2Hz、1H)、6.98(d、J=8.7Hz、1H)、4.32(q、J=7.2Hz、2H)、3.97(s、3H)、2.29(s、3H)、1.19(t、J=7.2Hz、3H);
LCMS:4.091分、m/z:434。
【実施例5】
【0129】
4−(3,4−ジメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#13)
【0130】
【化16】

【0131】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−
カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と3,4−ジメチルフェニルホウ素酸(82.5mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(3,4−ジメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを若干黄色の油として得た。
LCMS:4.115分、m/z:374(M+1)。
【実施例6】
【0132】
4−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#3)
【0133】
【化17】

【0134】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルホウ素酸(142mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを白色の固体として得た。
【実施例7】
【0135】
4−(4−エトキシカルボニル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#4)
【0136】
【化18】

【0137】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と4−エチルカルボキシルフェニルホウ素酸(107mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(4−エトキシカルボニル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを若干黄色の油として得た。
LCMS:3.895分、m/z:418(M+1)。
【実施例8】
【0138】
4−ビフェニル−4−イル−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#5)
【0139】
【化19】

【0140】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と4−フェニルフェニルホウ素酸(109mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−ビフェニル−4−イル−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カ
ルボン酸エチルエステルを白色の固体として得た。
LCMS:4.177分、m/z:422(M+1)。
【実施例9】
【0141】
4−(3−アセチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#7)
【0142】
【化20】

【0143】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と3−アセチルフェニルホウ素酸(90mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(3−アセチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを無色の油として得た。
LCMS:3.894分、m/z:388(M+1)。
【実施例10】
【0144】
4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#8)
【0145】
【化21】

【0146】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニルホウ素酸(142mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを若干黄色の油として得た。
LCMS:4.308分、m/z:432(M+1)。
【実施例11】
【0147】
4−(5−ホルミル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#9)
【0148】
【化22】

【0149】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と5−ホルマール−2−メトキシフェニルホウ素酸(100mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(5−ホルミル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを黄色の固体として得た。
LCMS:3.361分、m/z:404(M+1)。
【実施例12】
【0150】
7−トリフルオロメチル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#10)
【0151】
【化23】

【0152】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と3−トリフルオロメチルフェニルホウ素酸(105mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して7−トリフルオロメチル−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを白色の固体として得た。
LCMS:4.111分、m/z:414(M+1)。
【実施例13】
【0153】
4−(3−ホルミル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#11)
【0154】
【化24】

【0155】
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(208mg、0.5ミリモル)と3−ホルマールフェニルホウ素酸(82.5mg、0.55ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg)と燐酸カリウム(159mg、0.75ミリモル)をジオキサン(5mL)に入れて一緒に80℃に一晩加熱した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、食塩水で2回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュカラムにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(3−ホルミル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを白色の固体として得た。
LCMS:3.557分、m/z:374(M+1)。
【実施例14】
【0156】
4−(5−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#14)
【0157】
【化25】

【0158】
4−(5−ホルミル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(30mg、0.074ミリモル)をエタノール(1mL)に溶解させた後、ホウ水素化ナトリウム(26mg)を一度に用いて処理した。撹拌
を室温で15分間実施した後、塩化アンモニウム水溶液を用いてその反応混合物の反応を消滅させた。次に、その反応混合物に酢酸エチルを用いた抽出を受けさせ、その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。粗化合物の精製をカラムクロマトグラフィーを用いて30%の酢酸エチルで溶離させることで実施して4−(5−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを白色の固体として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)9.46(s、1H)、8.48(s、1H)、7.7−7.4(m、3H)、7.13−7.03(m、2H)、4.71(s、2H)、4.17(q、J=7.2Hz、2H)、3.68(s、3H)、1.09(t、J=7.2Hz、3H);
LCMS:3.175分、m/z:406(M+1)。
【実施例15】
【0159】
4−(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(化合物#12)
【0160】
【化26】

【0161】
4−(3−ホルミル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステル(16mg、0.034ミリモル)をエタノール(1mL)に溶解させた後、ホウ水素化ナトリウム(15mg)を一度に用いて処理した。撹拌を室温で15分間実施した後、塩化アンモニウム水溶液を用いてその反応混合物の反応を消滅させた。次に、その反応混合物に酢酸エチルを用いた抽出を受けさせ、その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をカラムクロマトグラフィーにかけて30%の酢酸エチルで溶離させることで精製して4−(3−ヒドロキシメチル−フェニル)−7−トリフルオロメチル−キノリン−3−カルボン酸エチルエステルを黄色の固体として得た。
LCMS:3.452分、m/z:376(M+1)。
【実施例16】
【0162】
4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(化合物#60)
【0163】
【化27】

【0164】
表題の化合物の調製をJ.Org.Chem.1992、57、1593−1598およびTetrahedron Letters、1999、40、4073−4076に記述されている如く実施した。
【実施例17】
【0165】
(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−メタノール(化合物#68)
【0166】
【化28】

【0167】
4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(240mg)をエタノール(10mL)に入れて0℃でホウ水素化ナトリウム(139mg)で30分間処理した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、塩化アンモニウム水溶液そして食塩水で洗浄することで(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−メタノールを白色の固体として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)10.4(s、1H)、9.01(s、1H)、8.56(d、J=5.1Hz、1H)、7.63(d、J=5.1Hz、1H)。
【実施例18】
【0168】
3−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(ID 50)
【0169】
【化29】

【0170】
フラスコに(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−メタノール(90mg、0.48ミリモル)と3−シアノフェニルホウ素酸(84.4mg、0.57ミリモル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(28mg)を仕込んだ後、これに2MのNaCO(2mL)およびトルエン(3mL)を加えた。その反応混合物を一晩還流させた後、酢酸エチルで抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、カラムクロマトグラフィーで精製することで3−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリルを白色の固体として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.74(s、1H)、8.60(d、J=4.8Hz、1H)、7.9−7.2(m、7H)、4.62(s、2H)、3.34(bs、1H);
LCMS:2.815分、m/z:211(M+1)。
【実施例19】
【0171】
1−(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−エタノール(化合物#19)
【0172】
【化30】

【0173】
4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(400mg、2.15ミリモル)をTHF(10mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中3.0Mのメチルマグネシウムブロマイド溶液(1.08mL)を滴下した。15分後に飽和塩化アンモニウム溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させ、酢酸エチルを用いた抽出を実施した後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけてヘキサン中50%の酢酸エチルで溶離させることで精製して1−(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−エタノールを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.70(s、1H)、8.18(d、J=5.1Hz、1H)、7.42(d、J=5.1Hz、1H)、5.20(q、J=6.6Hz、1H)、4.22(bs、1H)、1.51(d、J=6.6Hz、3H);
LCMS:1.275分、m/z:202(M+1)、204(M+3)。
【実施例20】
【0174】
(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−フェニル−メタノール(化合物#62)
【0175】
【化31】

【0176】
4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(400mg、2.15ミリモル)をTHF(10mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中3.0Mのフェニルマグネシウムブロマイド溶液(1.08mL)を滴下した。15分後に飽和塩化アンモニウム溶液を用いて反応を消滅させ、酢酸エチルを用いた抽出を実施した後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけてヘキサン中50%の酢酸エチルで溶離させることで精製して(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−フェニル−メタノールを若干黄色の結晶として得た。
HNMR(DMSO−d、300MHz)δ(ppm)8.74(s、1H)、8.31(d、J=5.1Hz、1H)、7.65(d、J=5.1Hz、1H)、7.4−7.2(m、5H)、6.30(d、J=4.5Hz、1H)、5.96(d、J=4.5Hz、1H);
LCMS:1.893分、m/z:264(M+1)、266(M+3)。
【実施例21】
【0177】
1−(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(化合物#63)
【0178】
【化32】

【0179】
4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(400mg、2.15ミリモル)をTHF(10mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mのイソプロピル−マグネシウムブロマイド溶液(3.23mL)を滴下した。15分後に飽和塩化アンモニウム溶液を用いて反応を消滅させ、酢酸エチルを用いた抽出を実施した後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけてヘキサン中50%の酢酸エチルで溶離させることで精製して1−(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールを若干黄色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.60(s、1H)、8.18(d、J=5.4Hz、1H)、7.43(d、J=5.1Hz、1H)、4.85(d、J=4.8Hz、1H)、3.46(bs、1H)、2.07(m、1H)、0.98(d、J=2.4Hz、3H)、0.95(d、J=2.4Hz、3H);
LCMS:1.524分、m/z:230(M+1)、232(M+3)。
【実施例22】
【0180】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(化合物#51)
【0181】
【化33】

【0182】
フラスコに4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(186mg、1ミリモル)、3−シアノフェニルホウ素酸(176mg、1.2ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg、0.05ミリモル)、燐酸カリウム(319mg、1.5ミリモル)および1,4−ジオキサン(10mL)を仕込んだ。この反応混合物を50℃に一晩保持した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、水に続いて食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)10.1(s、1H)、9.20(s、1H)、8.88(d、J=5.1Hz、1H)、7.9−7.6(m、4H)、7.36(d、J=5.1Hz、1H);
MS:m/z:209(M+1)、227(M+HO+1)。
【実施例23】
【0183】
3−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−4−イル]−ベンゾニトリル(化合物#52)
【0184】
【化34】

【0185】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg)をTHF(2mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中3.0Mのメチルマグネシウムブロマイド(0.144mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで3−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−4−イル]−ベンゾニトリルを白色の発泡体として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.91(s、1H)、8.53(d、J=5.1Hz、1H)、7.8−7.5(m、4H)、7.10(d、J=5.1Hz、1H)、4.92(m、1H)、2.92(bs、1H)、1.471(d、J=8.6Hz、3H);
LCMS:2.968分、m/z:225(M+1)。
【実施例24】
【0186】
3−[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−イル]−ベンゾニトリル(化合物#19)
【0187】
【化35】

【0188】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(21mg、0.1ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中3.0Mのフェニルマグネシウムブロマイド(0.1mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで3−[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−イル]−ベンゾニトリルを無色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.85(s、1H)、8.52(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−7.0(m、10H)、5.81(d、J=3.6Hz、1H)、3.36(d、J=3.Hz、1H);
LCMS:2.993分、m/z:287(M+1)。
【実施例25】
【0189】
4−(5−ホルミル−2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(化合物#53)
【0190】
【化36】

【0191】
フラスコに4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(93mg、0.5ミリモル)、5−ホルマール−2−メトキシルフェニルホウ素酸(88mg、0.6ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29mg、0.025ミリモル)、燐酸カリウム(160mg、0.75ミリモル)および1,4−ジオキサン(5mL)を仕込んだ。この反応混合物を50℃に一晩保持した。次に、その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、水に続いて食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで4−(5−ホルミル−2−メトキシ−フェニル)−ピリジン−3−カルバルデヒドを黄色の固体として得た。
LCMS:1.16分、m/z:242(M+1)。
【実施例26】
【0192】
3−{3−[(4−フルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#20)
【0193】
【化37】

【0194】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(50mg、0.24ミリモル)をTHF(2mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mの4−フルオロフェニルマグネシウムブロマイド(0.5mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(4−フルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを無色の油として得た。
LCMS:2.207分、m/z:305(M+1)。
【実施例27】
【0195】
3−{3−[(3−フルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#21)
【0196】
【化38】

【0197】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(41mg、0.20ミリモル)をTHF(2mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mの3−フルオロフェニルマグネシウムブロマイド(0.4mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(3−フルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを無色の油として得た。
LCMS:2.517分、m/z:305(M+1)。
【実施例28】
【0198】
3−{3−[(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#22)
【0199】
【化39】

【0200】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(41mg、0.20ミリモル)をTHF(2mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3−フルオロ−4−メチルフェニルマグネシウムブロマイド(0.8mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを無色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.79(s、1H)、8.52(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.6(m、9H)、5.77(s、1H)、3.79(bs、1H)、2.22(s、3H);
LCMS:2.358分、m/z:319(M+1)。
【実施例29】
【0201】
3−{3−[(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#23)
【0202】
【化40】

【0203】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3,4−ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイド(0.6mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.70(s、1H)、8.51(d、J=5.1Hz、1H)、7.8−6.7(m、8H)、5.30(s、1H)、4.33(bs、1H);
LCMS:2.281分、m/z:323(M+1)。
【実施例30】
【0204】
3−{3−[(3,4−ジクロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#24)
【0205】
【化41】

【0206】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3,4−ジクロロフェニルマグネシウムブロマイド(0.6mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(3,4−ジクロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.69(s、1H)、8.53
(d、J=5.1Hz、1H)、7.8−6.8(m、8H)、5.80(s、1H)、4.15(bs、1H);
LCMS:2.545分、m/z:355(M+1)。
【実施例31】
【0207】
3−{3−[(3,5−ジクロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#25)
【0208】
【化42】

【0209】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3,5−ジクロロフェニルマグネシウムブロマイド(0.6mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(3,5−ジクロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
LCMS:2.575分、m/z:355(M+1)。
【実施例32】
【0210】
3−{3−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#26)
【0211】
【化43】

【0212】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの4−クロロフェニルマグネシウムブロマイド(0.6mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
LCMS:2.366分、m/z:321(M+1)。
【実施例33】
【0213】
3−{3−[(4−t−ブチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#27)
【0214】
【化44】

【0215】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中2.0Mの4−t−ブチルフェニルマグネシウムブロマイド(0.15mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(4−t−ブチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを無色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.90(s、1H)、8.47(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.9(m、9H)、5.77(s、1H)、3.57(bs、1H)、1.30(s、9H);
LCMS:2.733分、m/z:343(M+1)。
【実施例34】
【0216】
3−{3−[ヒドロキシ−(2−メトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#28)
【0217】
【化45】

【0218】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mの2−メトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(2−メトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.79(s、1H)、8.55(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.7(m、9H)、6.06(s、1H)、3.64(s、3H)、3.23(bs、1H);
LCMS:2.467分、m/z:317(M+1)。
【実施例35】
【0219】
3−{3−[ヒドロキシ−(3−メトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#29)
【0220】
【化46】

【0221】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mの3−メトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(3−メトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.78(s、1H)、8.47(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.6(m、9H)、5.77(s、1H)、3.96(bs、1H)、3.73(s、3H);
LCMS:2.433分、m/z:317(M+1)。
【実施例36】
【0222】
3−{3−[ヒドロキシ−(4−メトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#30)
【0223】
【化47】

【0224】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの4−メトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.6mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(4−メトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.88(s、1H)、8.49(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.7(m、9H)、5.74(s、1H)、3.77(s、3H)、3.68(bs、1H);
LCMS:2.402分、m/z:317(M+1)。
【実施例37】
【0225】
3−{3−[ヒドロキシ−(2−メチル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#31)
【0226】
【化48】

【0227】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(30mg、0.15ミリモル)をTHF(1.5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中2.0Mの2−メチルフェニルマグネシウムブロマイド(0.15mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(2−メチル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.64(s、1H)、8.48(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.7(m、9H)、5.83(s、1H)、3.75(s、1H)、1.80(s、3H);
LCMS:2.185分、m/z:301(M+1)。
【実施例38】
【0228】
3−{3−[ヒドロキシ−(4−メチル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#32)
【0229】
【化49】

【0230】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの4−メチルフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(2−メチル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
LCMS:2.282分、m/z:301(M+1)。
【実施例39】
【0231】
3−{3−[ヒドロキシ−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#33)
【0232】
【化50】

【0233】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの2,5−ジメトキシルフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.77(s、1H)、8.55(d、J=3.9Hz、1H)、7.7−6.7(m、8H)、6.03(s、1H)、3.75(s、3H)、3.60(s、3H)、3.40(bs、1H);
LCMS:2.516分、m/z:347(M+1)。
【実施例40】
【0234】
3−{3−[(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#37)
【0235】
【化51】

【0236】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3−フルオロ−4−メトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを無色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.81(s、1H)、8.54(d、J=3.9Hz、1H)、7.8−6.6(m、8H)、5.76(s、1H)、3.87(s、3H)、3.66(bs、1H);
LCMS:2.495分、m/z:335(M+1)。
【実施例41】
【0237】
3−{3−[(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#38)
【0238】
【化52】

【0239】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3−フルオロ−5−メチルフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.533(s、1H)、8.525(s、1H)、7.8−6.6(m、8H)、5.78(s、1H)、3.69(bs、1H)、1.73(s、3H);
LCMS:2.547分、m/z:319(M+1)。
【実施例42】
【0240】
3−{3−[ヒドロキシ−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#35)
【0241】
【化53】

【0242】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの2,4,6−トリメチルフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)9.012(s、1H)、8.50(d、J=4.8Hz、1H)、7.6−6.9(m、5H)、6.66(s、1H)、6.08(s、1H)、2.73(bs、1H)、2.24(s、3H)、1.91(s、6H);
LCMS:2.417分、m/z:329(M+1)。
【実施例43】
【0243】
3−{3−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#34)
【0244】
【化54】

【0245】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの4−メチルスルファニルフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.814(s、1H)、8.50(d、J=5.1Hz、1H)、7.7−6.6(m、9H)、5.76(s、1H)、3.71(bs、1H)、2.45(s、3H);
LCMS:2.591分、m/z:333(M+1)。
【実施例44】
【0246】
3−{3−[(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリル(化合物#36)
【0247】
【化55】

【0248】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(15mg、0.075ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの3−フルオロ−6−メトキシフェニルマグネシウムブロマイド(0.3mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−{3−[(5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.75(s、1H)、8.61(d、J=3.9Hz、1H)、7.8−6.6(m、8H)、6.04(s、1H)、3.63(s、3H)、2.07(bs、1H);
LCMS:2.191分、m/z:335(M+1)。
【実施例45】
【0249】
3−[3−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−4−イル]−ベンゾニトリル(化合物#39)
【0250】
【化56】

【0251】
3−(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ベンゾニトリル(31mg、0.15ミ
リモル)とフッ化セシウム(23mg)をDMF(2mL)に入れることで生じさせた室温の溶液にトリメチル−トリフルオロメチル−シラネイン(0.44mL)を加えた。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−[3−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−4−イル]−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.92(s、1H)、8.59(d、J=5.1Hz、1H)、7.8−7.2(m、5H)、5.64(s、1H)、5.09(q、J=6.6Hz、1H);
LCMS:2.519分、m/z:279(M+1)。
【実施例46】
【0252】
3−[ヒドロキシ−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−メチル]−ベンゾニトリル(化合物#57)
【0253】
【化57】

【0254】
(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−メタノール(20mg、0.11ミリモル)をTHF(1mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液に2.5Mのn−ブチルリチウム(0.22mL)を滴下した。15分後に3−シアノベンズアルデヒド(69mg)をTHF(0.5mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた。この反応混合物を15分間撹拌した後、塩化アンモニウム溶液を用いて反応を消滅させ、そして酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して3−[ヒドロキシ−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−メチル]−ベンゾニトリルを白色の固体として得た。
【実施例47】
【0255】
3−{ヒドロキシ−[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−イル]−メチル}−ベンゾニトリル(化合物#42)
【0256】
【化58】

【0257】
(4−ブロモ−ピリジン−3−イル)−メタノール(53mg、0.2ミリモル)をT
HF(2mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液に2.5Mのn−ブチルリチウム(0.24mL、0.6ミリモル)を滴下した。15分後に3−シアノベンズアルデヒド(79mg)をTHF(0.5mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた。この反応混合物を15分間撹拌した後、塩化アンモニウム溶液を用いて反応を消滅させ、そして酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して3−{ヒドロキシ−[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−イル]−メチル}−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
LCMS:2.250分、m/z:317(M+1)。
【実施例48】
【0258】
3−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(ID 54)
【0259】
【化59】

【0260】
フラスコに4−ブロモ−ピリジン−3−カルバルデヒド(376mg、2ミリモル)、3−ホルマール−6−メトキシルフェニルホウ素酸(432mg、2.4ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.1ミリモル)、燐酸カリウム(638mg、3ミリモル)および1,4−ジオキサン(20mL)を仕込んだ。この反応混合物を80℃に一晩保持し、次に酢酸エチルで希釈した後、水に続いて食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで3−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアルデヒドを黄色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)9.90(s、1H)、8.76(s、1H)、8.50(d、J=5.1Hz、1H)、7.95(dd、J=8.4Hz、J=2.1Hz、1H)、7.70(d、J=2.1Hz、1H)、7.1(m、2H)、4.52(s、2H)、4.52(s、2H)、3.86(s、3H);
LCMS:1.834分、m/z:244(M+1)。
【実施例49】
【0261】
3−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−4−イル]−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(化合物#40)
【0262】
【化60】

【0263】
3−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(240mg、1ミリモル)とt−ブチルクロロジメチルシラン(226mg)とイミダゾール(102mg)を室温のDMF(2mL)に溶解させた後、1時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、水で3回に続いて食塩水で1回洗浄した。その結果として得た生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することで3−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−4−イル]−4−メトキシ−ベンズアルデヒドを無色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)9.93(s、1H)、8.80(s、1H)、8.57(d、J=4.8Hz、1H)、7.95(dd、J=8.7Hz、J=2.1Hz、1H)、7.71(d、J=2.1Hz、1H)、7.11(m、2H)、4.53(bs、2H)、3.86(s、3H)、0.85(s、9H)、−0.05(s、6H);
LCMS:2.874分、m/z:358(M+1)。
【実施例50】
【0264】
{3−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−4−イル]−4−メトキシ−フェニル}−メタノール(化合物#41)
【0265】
【化61】

【0266】
3−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−4−イル]−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(160mg)をエタノール(3mL)に溶解させた後、ホウ水素化ナトリウム(85mg)で処理した。その反応混合物を1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した後、食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで{3−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ピリジン−4−イル]−4−メトキシ−フェニル}−メタノールを無色の油として得た。
HNMR(CDCl、300MHz)δ(ppm)8.80(s、1H)、8.51(d、J=4.8Hz、1H)、7.95(dd、J=8.7Hz、J=2.1Hz、1H)、7.71(d、J=2.1Hz、1H)、7.10(d、J=4.8Hz、1H)、6.98(d、J=8.7Hz、1H)、4.70(s、2H)、4.59(bs、2H)、3.78(s、3H)、2.70(bs、1H)、0.89(s、9H)、0.00(s、6H);
LCMS:2.752分、m/z:360(M+1)。
【実施例51】
【0267】
1−フェニル−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オール(化合物#65)
【0268】
【化62】

【0269】
N,N,N’−トリメチルエタン(1.55ml、12ミリモル)をTHF(30mL)に溶解させて−78℃に冷却した。次に、この反応混合物に2.5Mのn−ブチルリチウム(4.4mL)を加えて15分間撹拌した後、ピリジン−3−カルバルデヒド(0.94mL、10ミリモル)を加えた。この反応混合物を−78℃に15分間維持した後、n−ブチルリチウム(8mL)を温度が常に−42℃未満になるようにゆっくり加えた。この反応混合物を−42℃で1時間撹拌した後、−78℃に冷却した。次に、この反応混合物にベンズアルデヒド(3mL)をゆっくり加えた後、15分間撹拌した。塩化アンモニウムを用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、フラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して1−フェニル−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オールを黄色の固体として得た。
LCMS:1.829分、m/z:214(M+1)。
【実施例52】
【0270】
3−(3−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリル(化合物#55)
【0271】
【化63】

【0272】
N,N,N’−トリメチルエタン(1.55mL、12ミリモル)をTHF(30mL)に溶解させて−78℃に冷却した。次に、この反応混合物に2.5Mのn−ブチルリチウム(4.4mL)を加えて15分間撹拌した後、ピリジン−3−カルバルデヒド(0.94mL、10ミリモル)を加えた。この反応混合物を−78℃に15分間維持した後、n−ブチルリチウム(8mL)を温度が常に−42℃未満になるようにゆっくり加えた。この反応混合物を−42℃で1時間撹拌し、次に−78℃に冷却した後、それをカニューレで3−シアノベンズアルデヒド(23.9g)をTHF(5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液に移し、次に撹拌を再び15分間実施した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、フラッシュクロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールで溶離させることで精製して3−[(3−ホルミル−ピリジン−4−イル)−ヒドロキシ−メチル]−ベンゾニトリルを黄色の固体として得た。
LCMS:2.752分、m/z:239(M+1)。
【実施例53】
【0273】
(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−フェニル−メタノール(化合物#56)
【0274】
【化64】

【0275】
1−フェニル−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オール(50mg)をエタノール(2mL)に溶解させた後、ホウ水素化ナトリウム(13mg)で処理した。その反応混合物を1時間撹拌し、次に酢酸エチルで希釈した後、食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−フェニル−メタノールを無色の発泡体として得た。
LCMS:0.614分、m/z:216(M+1)。
【実施例54】
【0276】
3−[ヒドロキシ−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−メチル]−ベンゾニトリル(化合物#57)
【0277】
【化65】

【0278】
3−(3−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリル(110mg)をエタノール(5mL)に溶解させた後、ホウ水素化ナトリウム(51mg)で処理した。その反応混合物を1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した後、食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製することで3−[ヒドロキシ−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−メチル]−ベンゾニトリルを無色の発泡体として得た。
HNMR(DMSO−d、300MHz)δ(ppm)8.53(s、1H)、8.49(d、J=5.4Hz、1H)、7.8−7.4(m、5H)、6.29(d、J=4.2Hz、1H)、6.04(d、J=4.2Hz、1H)、5.37(t、J=5.4Hz、1H)、4.53(m、2H);
LCMS:0.544分、m/z:241(M+1)。
【実施例55】
【0279】
[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−イル]−フェニル−メタノン(化合物#43)
【0280】
【化66】

【0281】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(97mg、ol)をTHF(5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mのフェニルマグネシウムブロマイド(0.46mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカ使用調製用TLCにかけてジクロロメタン中10%のメタノールを用いて精製することで[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−イル]−フェニル−メタノンを白色の結晶として得た。
LCMS:3.107分、m/z:290(M+1)。
【実施例56】
【0282】
[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−4−イル]−フェニル−メタノン(化合物#59)
【0283】
【化67】

【0284】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(114mg、0.54ミリモル)をTHF(3mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中3.0Mのメチルマグネシウムブロマイド(0.27mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールを用いて精製することで[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−4−イル]−フェニル−メタノンを白色の結晶として得た。
LCMS:2.118分、m/z:228(M+1)。
【実施例57】
【0285】
{3−[(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノン(化合物#44)
【0286】
【化68】

【0287】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(62mg、0.29ミリモル)をTHF(3mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの4−(N,N−ジメチル)マグネシウムブロマイド(0.88mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールを用いて精製することで3−[(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノンを黄色の固体として得た。
LCMS:2.195分、m/z:333(M+1)。
【実施例58】
【0288】
{3−[(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノン(化合物#45)
【0289】
【化69】

【0290】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(62mg、0.29ミリモル)をTHF(3mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中0.5Mの4−(N,N−ジメチル)マグネシウムブロマイド(0.88mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールを用いて精製することで{3−[(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノンを白色の固体として得た。
LCMS:2.353分、m/z:338(M+1)。
【実施例59】
【0291】
{3−[(2,5−ジメトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノン(化合物#46)
【0292】
【化70】

【0293】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(110mg、0.52ミリモル)をTHF(3mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mの2,5−ジメトキシマグネシウムブロマイド(1.04mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールを用いて精製することで{3−[(2,5−ジメトキシ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノンを白色の固体として得た。
LCMS:2.382分、m/z:350(M+1)。
【実施例60】
【0294】
{3−[(3−フルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノン(化合物#47)
【0295】
【化71】

【0296】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(80mg、0.38ミリモル)をTHF(3mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mの3−フルオロマグネシウムブロマイド(0.76mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールを用いて精製することで{3−[(3−フルオロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−ピリジン−4−イル}−フェニル−メタノンを白色の固体として得た。
LCMS:2.458分、m/z:308(M+1)。
【実施例61】
【0297】
3−[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−カルボニル]−ベンゾニトリル(化合物#48)
【0298】
【化72】

【0299】
4−ベンゾイル−ピリジン−3−カルバルデヒド(111mg、0.47ミリモル)をTHF(5mL)に入れることで生じさせた−78℃の溶液にTHF中1.0Mのフェニルマグネシウムブロマイド(0.47mL)を加えた後、その反応混合物を15分間撹拌した。次に、塩化アンモニウム水溶液を用いて反応混合物の反応を消滅させた後、酢酸エチルを用いた抽出を実施した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン中5%のメタノールを用いて精製することで3−[3−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−ピリジン−4−カルボニル]−ベンゾニトリルを白色の結晶として得た。
LCMS:2.603分、m/z:315(M+1)。
【実施例62】
【0300】
3−(1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリル(化合物#66)
【0301】
【化73】

【0302】
3−[ヒドロキシ−(3−ヒドロキシメチル−ピリジン−4−イル)−メチル]−ベンゾニトリル(100mg、0.42ミリモル)と塩化トシル(96mg、0.50ミリモル)をジクロロメタン(5mL)に溶解させた後、その反応混合物をトリエチルアミン(0.09mL、0.65ミリモル)で処理した。その反応混合物を室温で一晩撹拌した後、酢酸エチルで抽出しそして5%の重炭酸ナトリウムで洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてヘキサン中30%の酢酸エチルを用いて精製することで3−(1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリルを白色の固体として得た。
【実施例63】
【0303】
カリウムチャンネル検定
TE671ヒト髄芽腫細胞をATCCから入手した後、ウシ胎仔血清を10%とペニシリンを100U/mlとストレプトマイシンを100U/ml補充しておいたダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)中で増殖させた。
【0304】
試験前日に前記細胞を黒色の96穴プレートに入れて50K/穴になるように平板培養した。試験日にその増殖用培地を除去した後、各穴にFLIPR緩衝液(20mMのHEPES、120mMのNaCl、2mMのKCl、2mMのCaCl、1mMのMgCl、5mMのグルコース)を100μlおよびFLIPR緩衝液に溶解させておいた膜電位検定用色素(Molecular Devices)を100μl加えた。前記細胞を室温で15から30分間インキュベートした。
【0305】
試験化合物がKATPチャンネルに対して示す効果を蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR、Molecular Devices)を用いて室温で評価した。ベースライン期間後、FLIPR緩衝液を用いて調製しておいた5Xの試験化合物原液を50μl加え、そして蛍光の変化を3分間監視した。この読み取りを実施した後、試験化合物がKATPチャンネル開口薬として示す特異性を検査する目的でKATPチャンネル遮断薬であるグリブリドを最終濃度が5μMになるように加えた。KATPチャンネル開口の結果としてもたらされる過分極を蛍光強度の低下として観察した。
【0306】
本発明の代表的な化合物に試験をこの上に記述した手順に従って受けさせた結果は以下の表7に示す如くであった。
【0307】
【表8】

【0308】
【表9】

【0309】
実施例 EXTRA1
経口用組成物の具体的な態様として、実施例62と同様にして調製した化合物を100mg用いて、これをサイズOの硬質ゲル製カプセルを満たす総量である580から590mgになるに充分な量の微細ラクトースと一緒に配合する。
【0310】
この上に示した明細に説明の目的で与えた実施例を伴わせて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は本請求項およびこれらの相当物の範囲内に入る如き通常の変形、応用形および/または修飾形の全部を包含することは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
aは、0から1の整数であり、
は、−C(O)−およびCH(OH)−から成る群から選択され、
bは、0から2の整数であり、
は、ハロゲン、アルキル、ハロゲン置換アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルコキシ、シアノ、アルキル−カルボニル−、アルコキシ−カルボニル−、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択され、
は、−C(O)−、−CH(OH)−および−CH−から成る群から選択されるか、別法として、
とLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しており、
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、トリフルオロメチル、アリールおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシから成る群から選択され、ここで、
前記アリールは、場合により、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ−、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいが、但し
がヒドロキシの時にはLとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成していることを条件とし、
aが1であり、Lが−CH(OH)−であり、bが1であり、RがCFでありそしてLがCHの時にはRがアルキル以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが1であり、RがアルコキシでありそしてLが−CH(OH)−の時にはRが水素以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが0から1の整数であり、Rがハロゲン、アルコキシ、CFまたはアミノでありそしてLが−CH−の時にはRが水素でもアルキルでもないことをさらなる条件とする]
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項2】
aが0から1の整数であり、
が−C(O)−および−CH(OH)−から成る群から選択され、
bが0から2の整数であり、
がハロゲン、C1−4アルキル、ヒドロキシ置換C1−4アルキル、ハロゲン置換C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ホルミルおよびフェニルから成る群から選択され、
が−C(O)−、−CH(OH)−および−CH−から成る群から選択されるか、別法として、
とLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しており、
が水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、フェニルおよびt−
ブチル−ジメチル−シリルオキシから成る群から選択され、ここで、
前記フェニルが場合によりハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ−、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいが、但し
がヒドロキシの時にはLとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成していることを条件とし、
aが1であり、Lが−CH(OH)−であり、bが1であり、RがCFでありそしてLがCHの時にはRがアルキル以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが1であり、RがC1−4アルコキシでありそしてLが−CH(OH)−の時にはRが水素以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが0から1の整数であり、Rがハロゲン、C1−4アルコキシまたはCFでありそしてLが−CH−の時にはRが水素でもC1−4アルキルでもないことをさらなる条件とする、
請求項1記載の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項3】
aが0から1の整数であり、
が−C(O)−および−CH(OH)−から成る群から選択され、
bが0から2の整数であり、
がヒドロキシ置換C1−4アルキル、シアノ、C1−4アルコキシおよびホルミルから成る群から選択され、
が−C(O)−、−CH(OH)−および−CH−から成る群から選択されるか、別法として、LとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しており、
が水素、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、フェニルおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシから成る群から選択され、ここで、
前記フェニルが場合によりハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ−、アミノ、C1−4アルキルアミノおよびジ(C1−4アルキル)アミノから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいが、但し
がヒドロキシの時にはLとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成していることを条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが1であり、RがC1−4アルコキシでありそしてLが−CH(OH)−の時にはRが水素以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが0から1の整数であり、RがC1−4アルコキシでありそしてLが−CH−の時にはRが水素でもCアルキルでもないことをさらなる条件とする、
請求項2記載の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項4】
aが0から1の整数であり、
が−C(O)−および−CH(OH)−から成る群から選択され、
bが0から2の整数であり、
がヒドロキシメチル−、シアノ、メトキシおよびホルミルから成る群から選択され、Lが−C(O)−、−CH(OH)−および−CH−から成る群から選択されるか、別法として、LとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成しており、
が水素、ヒドロキシ、メチル、トリフルオロメチル、フェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシ−フェニル、2,6−ジメトキシフェニル、4−メチルチオフェニル、ジメチルアミノ−フェニル、3−フルオロ−4−メチル−フェニル、3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル、2−メチル−5−フルオロ−フェニルおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシから成る群から選択されるが、但し
がヒドロキシの時にはLとLが一緒になって5員の酸素含有環を形成していることを条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが1であり、RがメトキシでありそしてLが−CH(OH)−の時にはRが水素以外であることをさらなる条件とし、
aが1であり、Lが−C(O)−であり、bが0から1の整数であり、RがメトキシでありそしてLが−CH−の時にはRが水素でもメチルでもないことをさらなる条件とする、
請求項3記載の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項5】
aが0から1の整数であり、
が−C(O)−であり、
bが0から1の整数であり、
がシアノであり、
が−CH(OH)−であり、
がトリフルオロメチル、フェニル、3−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニルおよび3−フルオロ−4−メトキシ−フェニルから成る群から選択される、
請求項4記載の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項6】
aが0から1の整数であり、
が−C(O)−であり、
bが0から1の整数であり、
がシアノであり、
が−CH(OH)−であり、
がフェニル、3−フルオロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニルおよび3−フルオロ−4−メトキシ−フェニルから成る群から選択される、
請求項5記載の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項7】
とLが一緒になって5員の酸素含有環を形成している請求項1記載の化合物。
【請求項8】
とLが一緒になって5員の酸素含有環を形成している請求項2記載の化合物。
【請求項9】
bが0から1の整数であり、
がシアノであり、
が水素およびヒドロキシから成る群から選択される、
請求項8記載の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩。
【請求項10】
3−(1,3−ジヒドロ−フロ[3,4−c]ピリジン−1−イル)−ベンゾニトリルおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択される請求項9記載の化合物。
【請求項11】
製薬学的に受け入れられる担体と請求項1記載の化合物を含んで成る製薬学的組成物。
【請求項12】
請求項1記載の化合物と製薬学的に受け入れられる担体を混合することで作られた製薬学的組成物。
【請求項13】
請求項1記載の化合物と製薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物製造方法。
【請求項14】
イオンチャンネルに関係した疾患の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する方法であって、前記被験体に請求項1記載の化合物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る方法。
【請求項15】
前記イオンチャンネルがカリウムイオンチャンネルである請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記イオンチャンネルがATP感受性カリウムイオンチャンネルである請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記イオンチャンネルに関係した疾患が尿失禁、過活動膀胱、高血圧、勃起不全、良性前立腺過形成、女性の性的障害、早産、月経困難症、過敏性腸症候群、気道過敏性、てんかん、発作、虚血、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋障害、冠動脈疾患、狭心症、痛み、摂食障害、脱毛、脱毛症およびはげ頭症から成る群から選択される請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記イオンチャンネルに関係した疾患が尿失禁および過活動膀胱から成る群から選択される請求項17記載の方法。
【請求項19】
尿失禁、過活動膀胱、高血圧、勃起不全、良性前立腺過形成、女性の性的障害、早産、月経困難症、過敏性腸症候群、気道過敏性、てんかん、発作、虚血、アルツハイマー病、パーキンソン病、心筋障害、冠動脈疾患、狭心症、痛み、摂食障害、脱毛、脱毛症およびはげ頭症から成る群から選択される疾患の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する方法であって、前記被験体に請求項11記載の組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る方法。
【請求項20】
(a)尿失禁、(b)過活動膀胱、(c)高血圧、(d)勃起不全、(e)良性前立腺過形成、(f)女性の性的障害、(g)早産、(h)月経困難症、(i)過敏性腸症候群、(j)気道過敏性、(k)てんかん、(l)発作、(m)虚血、(n)アルツハイマー病、(o)パーキンソン病、(p)心筋障害、(q)冠動脈疾患、(r)狭心症、(s)痛み、(t)摂食障害、(u)脱毛、(v)脱毛症および(w)はげ頭症の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する薬剤を製造するための請求項1記載化合物の使用。

【公表番号】特表2008−531592(P2008−531592A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557188(P2007−557188)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006566
【国際公開番号】WO2006/091800
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】