説明

ガスタンク及びガスタンクの製造方法

【課題】水素ガスなどの分子の小さいガスに対しても高いガスバリア性を確保できるガスタンクを提供する。
【解決手段】FRP層21の内側に樹脂ライナ20を有する高圧ガスタンク2において、樹脂ライナ20の内面に酸化層22を形成する。フィラメントワイディング法により樹脂ライナ20の外面に補強繊維Fを巻回する際に、空気を樹脂ライナ20の内部に封入しておき、次の補強繊維Fを熱硬化しFRP層21を形成する際に、樹脂ライナ20の内面を熱酸化して酸化層22を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタンク及びガスタンクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車等の車両に搭載される燃料電池システムには、燃料ガスの供給源として高圧ガスタンクが用いられている。この種のガスタンクには、例えば樹脂ライナ(内容器)の外面に補強層が形成されたものが用いられている(特許文献1参照)。補強層は、一般的にFW(フィラメントワイディング)法により樹脂含有繊維を樹脂ライナの外面に巻き付け、その後熱硬化することによって形成されている。
【0003】
上記ガスタンクは、透過による燃料ガスの漏れを防止するため、高いガスバリア性が要求されている。ガスバリア性を確保する方法として、特許文献2には、ガスボンベの内殻の内表面にフッ素樹脂の被膜を形成し、燃料ガスである天然ガスの透過を防止することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−242247号公報
【特許文献2】特開平8−1813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記方法では、比較的分子の大きい天然ガスに対するガスバリア性は確保できるが、水素ガスなどの比較的分子の小さいガスに対しては十分なガスバリア性が得られない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、水素ガスなどの分子の小さいガスに対しても高いガスバリア性を確保できるガスタンク及び、当該ガスタンクの製造方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、補強層の内側に樹脂ライナを有するガスタンクであって、前記樹脂ライナには、酸化層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、酸化層により、水素ガスなどの分子の小さいガスに対しても高いガスバリア性を確保できる。
【0009】
前記樹脂ライナの内面に前記酸化層が形成されていてもよい。かかる場合、タンク内部のガスが樹脂ライナ自体を透過することが抑制されるので、ガスによる樹脂ライナの劣化を防止できる。
【0010】
前記酸化層は、50〜100μmの厚みに形成されていてもよい。酸化層をかかる厚みに形成することにより、ガスバリア性を十分に確保しつつ、樹脂ライナ全体の伸びの特性も維持できる。樹脂ライナ全体の伸びの特性を維持することにより、熱変形や荷重による変形に柔軟に対応でき、ガスタンクの強度を確保できる。
【0011】
前記酸化層は、前記樹脂ライナと同じ樹脂の酸化層であってもよい。かかる場合、酸化層が樹脂ライナと同じ母材であるので、例えば熱変形や荷重による変形が同程度に行われる。このため、例えば樹脂ライナと酸化層の接着性が高くなる。
【0012】
前記酸化層は、前記樹脂ライナを酸化することにより形成されていてもよい。かかる場合、酸化層が樹脂ライナから剥離することがなくなる。
【0013】
前記樹脂ライナは、ポリアミド系樹脂により形成されていてもよい。かかる場合、酸化層のガスバリア性がさらに向上する。
【0014】
上記ガスタンクは、水素ガスを貯留するためのものであってもよい。水素ガスは、比較的分子が小さいため透過しやすく、本発明に係るガスタンクを水素ガスの貯留用に用いる効果は大きい。
【0015】
別の観点による本発明は、ガスタンクの製造方法であって、酸素を含むガスを樹脂ライナの内部に封入し、フィラメントワイディング法により前記樹脂ライナの外面に補強繊維を巻回する工程と、前記樹脂ライナの外面の補強繊維を熱硬化し補強層を形成すると共に、前記樹脂ライナの内面を熱酸化して酸化層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
かかる場合、樹脂ライナの外面に補強層を形成しながら、樹脂ライナの内面に酸化層を形成できるので、既存の工程を利用して簡単に酸化層のあるガスタンクを製造できる。
【0017】
前記ガスタンクの製造方法は、前記補強繊維を巻回する工程の前に、前記樹脂ライナを射出成形し、その後前記樹脂ライナを加熱処理する工程をさらに有し、前記加熱処理する工程において、前記樹脂ライナの内部に酸素を含むガスを供給して、前記樹脂ライナの内面を熱酸化するようにしてもよい。
【0018】
前記樹脂ライナの内面の熱酸化は、空気雰囲気内で温度が130℃で10〜20時間行われるようにしてもよい。かかる場合、ガスバリア性と伸び性の両方に優れた樹脂ライナを実現できる。なお、前記樹脂ライナを加熱処理する工程において熱酸化が行われる場合は、前記補強層を形成する際の熱酸化と、樹脂ライナを加熱処理する際の熱酸化とを合わせた合計時間が10〜20時間となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水素ガスなどの分子の小さいガスに対しても高いガスバリア性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るガスタンクを搭載した燃料電池自動車1の模式図である。
【0021】
燃料電池自動車1には、例えば3つの高圧ガスタンク2が車体のリア部に搭載されている。高圧ガスタンク2は、燃料電池システム3の一部を構成し、ガス供給ライン4を通じて各高圧ガスタンク2から燃料電池5に燃料ガスが供給可能になっている。高圧ガスタンク2に貯留される燃料ガスは、可燃性の高圧ガスであり、例えば水素ガスである。なお、高圧ガスタンク2は、燃料電池自動車1のみならず、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両のほか、各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置設備(住宅、ビル)にも適用できる。
【0022】
図2は、高圧ガスタンク2の構成の概略を示す縦断面図である。高圧ガスタンク2は、例えば略楕円体のタンク本体10と、当該タンク本体10の長手方向の両端部に取り付けられた口金部11、12を有する。
【0023】
タンク本体10は、例えば二層構造を有し、内側の樹脂ライナ20とその樹脂ライナ20の外面を覆う補強層としてのFRP(Fiber Reinforced Plastics)層21を有している。
【0024】
樹脂ライナ20は、タンク本体10とほぼ同じ略楕円体形状を有している。樹脂ライナ20は、例えばナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂により形成されている。樹脂ライナ20は、例えば3mm程度の厚みを有している。
【0025】
FRP層21は、樹脂を含有する繊維により形成されている。FRP層21の樹脂には、例えばエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、又は不飽和ポリエステル樹脂等が用いられている。また、繊維としては、炭素繊維、金属繊維などが用いられている。
【0026】
樹脂ライナ20の内面の全面には、酸化層22が形成されている。図3は、高圧ガスタンク2の壁部を拡大した説明図である。酸化層22は、後述するように樹脂ライナ20の内面の樹脂を酸化させることにより形成されている。酸化層22は、例えば3mm程度の厚みの樹脂ライナ20に対し、例えば50〜100μm程度の厚みに形成されている。
【0027】
次に、以上のように構成される高圧ガスタンク2の製造方法について説明する。図4は、かかる製造方法の主な工程の一例を示すフローチャートである。
【0028】
先ず、樹脂ライナ20が射出成形される(図4の工程S1)。例えば金型にポリアミド系樹脂を流し込んで、略半楕円体を2つ成型し、それらを溶着して樹脂ライナ20が成形される。この射出成形により、厚みの均一な樹脂ライナ20が成形される。
【0029】
次に、樹脂ライナ20は、例えば図5に示すように加熱室30において所定の条件で加熱処理(アニール処理)される。このアニール処理では、例えば樹脂ライナ20の内部に酸素を含むガスとしての空気40が供給される。アニール処理は、例えば内部圧力が大気圧、温度が130℃程度の条件で5時間程度行われる。これにより、樹脂ライナ20の残留応力が除去されると共に、樹脂ライナ20の内表面の一部が熱酸化される(図4の工程S2)。
【0030】
アニール処理の終了後、樹脂ライナ20は、図6に示すように繊維巻き付け装置50の回転支持部51に設置される。この回転支持部51には、例えば酸素を含むガスとしての空気のガスボンベ52に通じるガス供給管53が接続されており、ガスボンベ52の空気をガス供給管53及び回転支持部51を通じて樹脂ライナ20内に供給できる。
【0031】
樹脂ライナ20が回転支持部51に支持されると、当該回転支持部51の回転により、樹脂ライナ20が回転され、ポリアミド系の樹脂繊維Fが樹脂ライナ20の外面に巻き付けられる。樹脂繊維Fは、上流部で熱可塑性の樹脂が含浸され、その後繊維ガイド部54で角度調整されて、樹脂ライナ20に巻き付けられる。この際、ガス供給管53を通じて樹脂ライナ20内に空気が供給され、封入される。これにより、樹脂繊維Fの巻き付けにより樹脂ライナ20が凹むのを防止できる。こうして、樹脂ライナ20の外面の全体に樹脂繊維Fが所定の厚みで巻き付けられる(図4の工程S3)。
【0032】
樹脂繊維Fの巻き付け工程後、高圧ガスタンク2は、図7に示すように加熱炉60において熱処理される。高圧ガスタンク2は、例えば図8に示すように90℃程度で予備加熱され、その後130℃程度で、5〜15時間程度本加熱される。この本加熱により、樹脂繊維Fが熱硬化され、FRP層21が形成される。また、図7に示すように本加熱により、樹脂ライナ20の内部の空気70により樹脂ライナ20の内面の樹脂が熱酸化され、樹脂ライナ20の内面に50〜100μm程度の厚みの酸化層22が形成される(図4の工程S4)。その後、高圧ガスタンク2は冷却される。こうして、樹脂ライナ20の内面に酸化層22のある高圧ガスタンク2が製造される。
【0033】
ここで、樹脂ライナの内面に酸化層を有するガスタンクのガスバリア性及び伸び性について検証する。図9は、各種条件の下での樹脂ライナの水素ガス透過量を検証する実験と、各条件の酸化層の引張強度、破断伸びを検証する実験の結果を示す。
【0034】
実験は、酸化層無し(99.9%ヘリウムガス環境下、130℃、15時間の熱酸化)、酸化層有り(A)(大気環境下、130℃、5時間の熱酸化)、酸化層有り(B)(大気環境下、130℃、15時間の熱酸化)、酸化層有り(C)(大気環境下、130℃、50時間の熱酸化)の条件で行われている。
【0035】
図9から、酸化層有り(A)、(B)、(C)の場合は、酸化層無しの場合に比べて水素ガスの透過量が大幅に減少していることが確認できる。また、酸化層有り(A)、(B)、(C)の順、つまり熱酸化時間が長いほど水素ガスの透過量が少ないことが確認できる。また、一般的にガスバリア性と伸び性はトレードオフの関係にあり、ガスバリア性が向上すると伸び性は低下するが、酸化層有り(A)〜(C)の引張強度及び破断伸びについては、全体的に大幅に悪化することはなく、酸化層有り(C)より酸化層有り(A)、(B)の方が優れていることが確認できる。なお、図9の引張強度と破断伸びの相対比較は、酸化層無しの場合を1として各酸化層有り(A)、(B)、(C)を相対比較したものである。
【0036】
かかる実験によれば、酸化層を形成することにより、水素ガスのなどの分子の小さいガスに対するガスバリア性が向上することが確認できる。また、酸化層有り(B)の条件に近い130℃で10〜20時間程度熱酸化することにより、ガスバリア性が高く、伸び性も低下しない酸化層が得られることが確認できる。
【0037】
上述の本実施の形態によれば、樹脂ライナ20に酸化層22を形成するので、水素ガスなどの分子の小さいガスに対しても高いガスバリア性を確保できる。
【0038】
ところで、上述の特許文献2(特開平8−1813号公報)に記載されたフッ素樹脂の被膜を用いる方法では、ガスボンベのブロー成形時に、吹込ガスとしてフッ素を含む窒素ガスを用いることによりフッ素樹脂の被膜を形成している。しかしながら、このやり方で実際にフッ素樹脂の被膜を形成するには、高温高圧などの厳しい条件が要求され、多数の工程が必要になり、製造が容易ではない。また当該方法では、何らかの理由によりフッ素樹脂が分解された場合に有害なフッ素化合物が発生することが懸念される。これに対し、本実施の形態によれば、酸化層22を簡単に形成できるので、高圧ガスタンク2を容易に製造できる。また、酸化層22であるので、万一分解されても有害な化合物が生じ難く、安全性を向上できる。
【0039】
また、上記実施の形態では、樹脂ライナ20の内面に酸化層22が形成されているので、タンク内部のガスが樹脂ライナ20自体を透過することが抑制されるので、ガスによる樹脂ライナ20の劣化を防止できる。
【0040】
酸化層22は、50〜100μmの厚みに形成されているので、高いガスバリア性を確保しつつ、樹脂ライナ20全体の伸びの特性も十分に確保できる。樹脂ライナ20全体の伸びの特性を確保することにより、高圧ガスタンク2の十分な強度を確保できる。
【0041】
酸化層22は、樹脂ライナ20の樹脂からなる酸化層であるので、酸化層22は、樹脂ライナ20と同じ母材であり、例えば熱変形や荷重による変形が同程度に行われる。このため、例えば樹脂ライナ20と酸化層22の接着性が高くなる。
【0042】
特開2006−316934号公報には、樹脂ライナの内面に金属層を設けることが開示されている。この場合、金属層と樹脂ライナとの接着性、剥離性が問題となるが、本実施の形態によれば、酸化層22が樹脂ライナ20を酸化させて形成されているので、酸化層22と樹脂ライナ20の接着性が高く、酸化層22が樹脂ライナ20から剥離することがなくなる。
【0043】
上記実施の形態によれば、樹脂ライナ20がポリアミド系樹脂により形成されているので、酸化層22のガスバリア性がさらに高くなる。これは、ポリアミド系樹脂が酸化された際に、樹脂の分子構造が三次元化し、緻密性が向上するためと考えられる。例えばナイロン6,6の場合、カルボキシル基のα位のメチレン基が酸化されてケトンになりエノール基を有する化合物に変化し、この化合物が別のポリアミドのアミノ基末端と反応して、環化し三次元化の構造となる。
【0044】
上記実施の形態で記載した高圧ガスタンク2の製造方法では、樹脂ライナ20の外面に樹脂繊維Fを巻回する工程で、樹脂ライナ20の内部に空気70を封入し、樹脂繊維Fを熱硬化する工程で、樹脂ライナ20の内面を熱酸化して酸化層22を形成できるので、既存の工程を利用して簡単に酸化層22のある高圧ガスタンク2を製造できる。
【0045】
また、上記実施の形態では、樹脂ライナ20を射出成形し、その後樹脂ライナ20をアニール処理する工程でも、樹脂ライナ20の内部に空気40を供給して、樹脂ライナ20の内面を熱酸化するようにした。こうすることにより、射出成形後の樹脂ライナ20の加熱処理を利用して酸化層22の一部を形成できるので、より効率的に酸化層22を形成できる。
【0046】
上記実施の形態では、樹脂ライナ20のアニール処理時の熱酸化(図4の工程S2)と樹脂繊維Fの熱硬化時の熱酸化(図4の工程S4)を合わせて、樹脂ライナ20の熱酸化を空気雰囲気内で130℃、10〜20時間行っている。こうすることにより、上述の実験で検証したようにガスバリア性と伸び性の両方に優れた樹脂ライナ20を実現できる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
例えば以上の実施の形態では、酸化層22を形成するために樹脂ライナ20内に供給されるガスが空気であったが、酸素を含むものであれば、酸素ガスなどの他のガスであってもよい。また、樹脂ライナ20の材質は、ポリアミド系樹脂に限られず、ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、又はその他の熱可塑性樹脂などの他の樹脂であってもよい。
【0049】
さらに、以上の実施の形態では、樹脂ライナ20の射出成形後のアニール処理時にも樹脂ライナ20の内面を熱酸化していたが、この段階では必ずしも熱酸化する必要はなく、樹脂繊維Fの熱硬化時のみに行うようにしてもよい。また、以上の実施の形態では、樹脂ライナ20の内面に酸化層22を形成していたが、樹脂ライナ20の外面や中間層に酸化層22を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】高圧ガスタンクを搭載した燃料電池自動車の模式図である。
【図2】高圧ガスタンクの構成の概略を示す縦断面図である。
【図3】高圧ガスタンクの壁部の拡大縦断面図である。
【図4】高圧ガスタンクの製造方法の主な工程を示すフローチャートである。
【図5】樹脂ライナを加熱処理する工程の様子を示す説明図である。
【図6】樹脂ライナに樹脂繊維を巻き付ける工程の様子を示す説明図である。
【図7】樹脂繊維を熱硬化する工程の様子を示す説明図である。
【図8】樹脂繊維を熱硬化する工程の加熱温度の変動を示す説明図である。
【図9】各種条件で形成された酸化層のガスバリア性と伸び性を検証する実験結果である。
【符号の説明】
【0051】
2 高圧ガスタンク
20 樹脂ライナ
21 FRP層
22 酸化層
F 樹脂繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強層の内側に樹脂ライナを有するガスタンクであって、
前記樹脂ライナには、酸化層が形成されていることを特徴とする、ガスタンク。
【請求項2】
前記樹脂ライナの内面に前記酸化層が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のガスタンク。
【請求項3】
前記酸化層は、50〜100μmの厚みに形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスタンク。
【請求項4】
前記酸化層は、前記樹脂ライナと同じ樹脂の酸化層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガスタンク。
【請求項5】
前記酸化層は、前記樹脂ライナを酸化することにより形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のガスタンク。
【請求項6】
前記樹脂ライナは、ポリアミド系樹脂により形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のガスタンク。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のガスタンクは、水素ガスを貯留するためのものである。
【請求項8】
ガスタンクの製造方法であって、
酸素を含むガスを樹脂ライナの内部に封入し、フィラメントワイディング法により前記樹脂ライナの外面に補強繊維を巻回する工程と、
前記樹脂ライナの外面の補強繊維を熱硬化し補強層を形成すると共に、前記樹脂ライナの内面を熱酸化して酸化層を形成する工程と、を有することを特徴とする、ガスタンクの製造方法。
【請求項9】
前記補強繊維を巻回する工程の前に、前記樹脂ライナを射出成形し、その後前記樹脂ライナを加熱処理する工程をさらに有し、
前記加熱処理する工程においても、前記樹脂ライナの内部に酸素を含むガスを供給して、前記樹脂ライナの内面を熱酸化することを特徴とする、請求項8に記載のガスタンクの製造方法。
【請求項10】
前記樹脂ライナの内面の熱酸化は、空気雰囲気内で温度が130℃で10〜20時間行われることを特徴とする、請求項8又は9に記載のガスタンクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−19315(P2010−19315A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179210(P2008−179210)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】