ガスタービン
【課題】タービン動翼と静止体との間隙を最小化しガスタービン性能を向上させることができ、なおかつシュラウドカバーの欠損を防止することができるガスタービンを提供する。
【解決手段】圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービン3を駆動するガスタービンにおいて、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合ってタービン動翼6の剛性を高めるシュラウドカバー12と、シュラウドカバー12に対し径方向外側に対向するようにシュラウドブロック10に設けたハニカムシール14と、ハニカムシール14と対向するようにシュラウドカバー12の径方向外側面に突設された翼回転方向とほぼ平行なシュラウドフィン13と、シュラウドフィン13の直線部分の輪郭線が描く回転軌跡Rから外側に突出した突出部16及び翼回転方向前方側に向かって回転軌跡Rの内側に進入するように傾斜した重量調整部17から画定される切削部15とを備える。
【解決手段】圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービン3を駆動するガスタービンにおいて、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合ってタービン動翼6の剛性を高めるシュラウドカバー12と、シュラウドカバー12に対し径方向外側に対向するようにシュラウドブロック10に設けたハニカムシール14と、ハニカムシール14と対向するようにシュラウドカバー12の径方向外側面に突設された翼回転方向とほぼ平行なシュラウドフィン13と、シュラウドフィン13の直線部分の輪郭線が描く回転軌跡Rから外側に突出した突出部16及び翼回転方向前方側に向かって回転軌跡Rの内側に進入するように傾斜した重量調整部17から画定される切削部15とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービンに係り、さらに詳しくは、タービン動翼先端にはにかむシールに切り込むシュラウドフィンを有するガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンのタービン動翼は後流段にいくほど翼長が長くなり、単翼状態における流体振動応力やガス曲げ応力に対する強度が低下する。そこで翼先端にシュラウドカバーを設け、隣接翼同士のシュラウドカバーを当接させてリング状にすることで剛性を高めたものがある。
【0003】
また、ガスタービンの性能上、タービン動翼とこのタービン動翼に対し径方向外側に対向するシュラウドブロックとの間隙は極力小さいことが望ましい。そこで、シュラウドカバー外周面に翼回転方向に伸びるシュラウドフィンを設け、運転中の遠心力によってタービン動翼が伸長した際にシュラウドフィンをシュラウドブロックの内周側に設けたハニカムシールに切り込ませることにより、タービン動翼とシュラウドブロックとの間隙を極小とする構成を採ったものがある。
【0004】
そして、こうしたハニカムシールを採用したガスタービンにおいては、ハニカムシールとシュラウドフィンとの間隙を適正化するためにハニカムシールを切削する切削刃を直線状のシュラウドフィンに突設した構成が一般に採用されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−303204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術においては、シュラウドフィンに対して単に切削刃全体を突出させた構成であるため、シュラウドカバーのタービン動翼からオーバーハングした部位に切削刃があると、切削刃を設けたことによる増加重量が運転中にシュラウドカバーに作用する遠心力を増大させる。その結果、シュラウドカバーのタービン動翼との境界部に応力が集中しクラックが発生し易くなり、甚だしい場合には、そのクラックからシュラウドカバーが欠損し後流段のタービン翼等の各部品を損傷させガスタービンに多大な損害を与える恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、タービン動翼と静止体との間隙を最小化しガスタービン性能を向上させることができ、なおかつシュラウドカバーの欠損を防止することができるガスタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、このシュラウドフィンに設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、突出部によってハニカムシールを円滑に切削してタービン動翼と静止体との間隙を最小化しガスタービン性能を向上させることができ、なおかつ重量調整部によってシュラウドフィンの重量増加を抑制することができるので、シュラウドカバーの欠損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明のガスタービンの実施の形態を説明する。
図1は本発明の適用対象となるガスタービンの一例の全体構成を表す側断面図である。
図1において、図示したガスタービンは、吸い込んだ大気を圧縮して圧縮空気を得る圧縮機1を備えており、燃焼器2において圧縮機1からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して高温高圧(例えば1300℃程度)の燃焼ガスHを得て、得られた燃焼ガスHをタービン3に噴射してタービン3を駆動するようになっている。特に図示していないが、タービン3で得られた動力は、回転軸(ロータ)4に連結された負荷機器(例えば発電機)に伝達され負荷機器を駆動させるとともに、連結された圧縮機1の駆動力としても利用される。
【0011】
また、圧縮機1から吐出される圧縮空気の一部は、燃焼器2或いはタービン3のタービン静翼5やタービン動翼6等といった各部の冷却空気としても用いられる。タービン静翼5はタービンケーシング7の内壁側に支持され、タービン動翼6は回転軸4の周囲に設置されており、これらタービン静翼5及びタービン動翼6は各段落において周方向に複数枚設けられている。
【0012】
また、本例のガスタービンにおいて、タービン3は3段の翼列を有する1軸式のタービンであり、第1段静翼5a、第2段静翼5b、第3段静翼5c、第1段動翼6a、第2段動翼6b、第3段動翼6cを有している。しかしながら、本発明は1軸式のガスタービンに限らず互いに独立して回転可能な高圧タービン及び低圧タービンを有する2軸式タービンにも適用可能であり、また段落数も3段に限らず2段以下又は4段以上のタービンであっても適用可能である。2軸式タービンの場合、高圧タービンで得られた動力は圧縮機の駆動力に利用され、低圧タービンで得られた動力は負荷機器の駆動力として利用される。
【0013】
図2は上記タービン3の概略構成を表す側断面図で、図1と同様の部分には同符号が付してある。
図2に示すように、各段落のタービン動翼6とタービンケーシング7との間には、高温高圧の燃焼ガスHの流路外周壁を形成し燃焼ガスHが直接タービンケーシング7に接触するのを防止するシュラウドブロック10が翼回転方向全周に亘って複数列設され環状に配置されている。これらシュラウドブロック10はタービンケーシング7の内壁に設けた断面が例えばT型のシュラウドレール11に嵌込まれ固定されている。タービン静翼5は、シュラウドブロック10に支持されている。
【0014】
図3は上記タービン3の要部構成を表す拡大図で、図1及び図2と同様の部分には同符号を付してある。
ここで、タービン動翼6は図1にも示したように後流段にいくほど翼長が長くなっているので、単翼状態における流体振動応力やガス曲げ応力に対する強度が後流段にいくほど低下する。そこで、例えば第2段タービン動翼6b及び第3段タービン動翼6cの翼先端にシュラウドカバー12を設け、翼回転方向(周方向)に隣接するタービン翼6のシュラウドカバー12同士が接触し合うことによって翼列の剛性を高める構成としてある(後述の図5も参照)。
【0015】
タービン動翼6とシュラウドブロック10の間隙はガスタービンの性能面において極力小さいことが望ましい。そこで、本実施の形態においては、シュラウドカバー12の径方向外側面に、シュラウドブロック10側に突出するように翼回転方向とほぼ平行に略直線状のシュラウドフィン13が設けてある。このシュラウドフィン13は隣接するシュラウドカバー12のもの同士がほぼ当接して環状に構成される。しかし、シュラウドフィン13とシュラウドブロック10の間隙が小さ過ぎると、運転中の遠心力でタービン動翼6の翼長が伸長した際、シュラウドフィン13とシュラウドブロック10が接触してタービン動翼6の折損等といった損傷が生じる可能性がある。
【0016】
そこで、静止体(本例ではシュラウドブロック10)の内周側にシュラウドカバー12及びシュラウドフィン13に対し径方向外側に間隙を介して対向するようにしてハニカム形状を有するハニカムシール14が設置されている。このハニカムシール14は、図4の斜視図に示した通り、薄い部材で多数の六角形状の部屋を確定した形状をしている。したがって、運転中にタービン動翼6が遠心力によって伸長すると、シュラウドフィン13がハニカムシール14に干渉し、シュラウドフィン13がハニカムシール14をカットして(切り込んで)タービン動翼6と静止体との間隙寸法が最良となるように構成されている。
【0017】
図5は本発明のガスタービンの第1の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図6は図5中の矢印VI方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図7は図5中のVII部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図5〜図7において、シュラウドカバー12は翼回転方向前方側(図5中の右側)及び翼回転方向後方側(図5中の左側)の端面がZ状に形成されており、この部分で周方向に隣接するもの同士が接触し合っている。シュラウドフィン13は前述したように翼回転方向と平行にレール状に形成されており、切削部15を備えている。
【0018】
上記切削部15は、シュラウドフィン13の直線部分の輪郭線が描く回転軌跡R(図7参照)から外側に突出した突出部16と、翼回転方向前方側に向かって回転軌跡Rの内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部17とで画定されている。本実施の形態において、突出部16は、翼回転方向前方側に向かって燃焼ガスHの流れ方向上流側及び下流側に一旦広がるように回転軌跡Rから突出している。対して重量調整部17は、突出部16から翼回転方向前方側に向かうにつれてガスの流れ方向上流側及び下流側から回転軌跡Rの内側に進入するようにテーパ状につぼまっている。
【0019】
なお、図5〜図7では、切削部15をシュラウドフィン13の回転方向前方側端部に設けているが、シュラウドフィン13のタービン動翼6からオーバーハングしたその他の部位に設けても良いし、或いはタービン動翼6上に位置が重なり合うようにシュラウドフィン13に設けても良い。
【0020】
次に、上記構成の本実施の形態のガスタービンの動作及び作用を説明する。
前述したように、吸い込まれた大気が圧縮機1にて圧縮され吐出されると、燃焼用の圧縮空気が燃焼器2に供給され燃料とともに燃焼される。すると、高温高圧(例えば1300℃程度)の燃焼ガスHが発生し、発生した燃焼ガスHがタービン3に噴射されてタービン3が駆動される。タービン3で得られた回転動力は、図示しない負荷機器(例えば発電機)に伝達される。負荷機器が発電機の場合、タービン3の回転動力が電気エネルギーに変換される(発電される)。また、圧縮機1から吐出される圧縮空気の一部は、燃焼器2或いはタービン3のタービン静翼5やタービン動翼6等といった各部の冷却空気としても用いられる。
【0021】
このとき、本実施の形態では、運転中の遠心力の作用によってタービン動翼6が径方向外側に伸長すると、タービン動翼6のシュラウドカバー12の外周面に設けたシュラウドフィン13が対向するハニカムシール14に干渉し、ハニカムシール14に切り込むので、タービン動翼6と静止体(本例ではシュラウドブロック10)との間の間隙が必要最小限に抑制され、ガスタービンの性能の面において十分な効率確保に寄与する。
【0022】
ここで、仮にシュラウドフィン13を全長に亘って単に直線的に形成した場合の構成を本発明のガスタービンの特徴に対する一比較例として説明する。
図8は本比較例におけるシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図9は図8中の矢印IX方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図10は図8中のX部の拡大図である。これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
【0023】
図8〜図10に示した通り、本比較例におけるシュラウドフィン13は切削部を備えない単なる直線状の部材である。ところが、このような単純なストレートな形状のシュラウドフィン13であるとハニカムシール14に切り込む際の切削抵抗に負けてしまう恐れがある。そのため、ハニカムシール14が十分にカットできずシュラウドフィン13とハニカムシール14の間に最良の間隙を形成できないばかりか、シュラウドフィン13の翼回転方向前方側端部が摩耗損傷あるいは折損する場合がある。
【0024】
そこで上記問題点に対策を講じた他の比較例として、図11〜図13に示すようにシュラウドフィン13の翼回転方向前方側端部に燃焼ガスHの流れ方向上流側及び下流側に広がる突起50を設けることが考えられる。
図11は本比較例におけるシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図12は図11中の矢印XII方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図13は図11中のXIII部の拡大図である。これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
【0025】
図11〜図13に示した比較例によれば、運転中にシュラウドフィン13とハニカムシール14が接する際に突起50が切削刃(カッター)の役目を果たしてハニカムシール14を円滑にカットし、シュラウドフィン13とハニカムシール14の間隙を必要最小限として最良のガスタービン性能を得ることができる。
【0026】
しかしながら、突起50はシュラウドフィン13の回転軌跡Rから全体が突出しており、突起50を設けたことによってこの部位のシュラウドフィン13の重量が図8〜図10の比較例に対して大幅に増加する。このような形状の突起50を図示したように(図11等参照)シュラウドカバー12のタービン動翼6からオーバーハングする部位に設置すると、突起50が錘となって遠心力によりシュラウドカバー12を起き上がらせようとする力が大きく増大する。その結果、タービン動翼6とシュラウドカバー12の境界に発生する応力が著しく増大し、このタービン動翼6とシュラウドカバー12の境界にクラックCが発生してしまい、発生したクラックCを起点にシュラウドカバー12が欠損して後流段を損傷させてしまう恐れが生じる。
【0027】
それに対し、本実施の形態においては、前述した如く突出部16及び重量調整部17を有する切削部15を設けている。この構成によれば、第一に、運転中にシュラウドフィン13とハニカムシール14が接する際に突出部16が切削刃の役割を果たし(くさび効果が得られ)ハニカムシール14を円滑にカットすることができるので、シュラウドフィン13と静止体(ハニカムシール14)の間隙を必要最小限に維持して最良のガスタービンの性能を発揮させることができる。切削抵抗に対する強度が向上するので、ハニカムシールに切り込む機能を持たないストレート状のシュラウドフィン(図8〜図10参照)を有するタービン動翼と同等の翼寿命を確保することが可能である。
【0028】
そして第二に、シュラウドフィン13の回転軌跡Rの内側に進入する重量調整部17を備えているので、重量調整部17による重量減少分が突出部16による重量増加分と相殺し、切削部15を設けたことによるシュラウドフィン13の重量増加を抑制する(又は重量増加を無くす或いは重量を減少させる)ことができる。これにより、切削部15が錘となってシュラウドカバー12を起き上がらせようとする力の増大を抑制することができるので、タービン動翼6とシュラウドカバー12の境界に作用する応力を極力抑制することができる。したがって、タービン動翼6とシュラウドカバー12の境界におけるクラックの発生を防止することができ、シュラウドカバー12の欠損を防止することができるので後流段の損傷を未然に防止することができる。
【0029】
なお、本実施の形態の切削部15において、その突出部16はシュラウドフィン13に対して燃焼ガスの流れ方向上流側及び下流側に突出するように、重量調整部17は突出部16から翼回転方向前方に向かって燃焼ガスの流れ方向上流側及び下流側に傾斜するようにそれぞれ形成した。しかしながら、本発明の基本的効果は、切削部に、シュラウドフィン13の直線部分の回転軌跡Rから突出した突出部と、回転軌跡Rの内側に進入する重量調整部とを設けることで、切削抵抗に打ち勝つための切削部を設けたことによるシュラウドフィンの局部的重量変化を極力抑制し前述したクラックを防止することにある。したがって、前述のように機能する突出部と重量調整部さえ備えていれば、切削部の形状は図5〜図7に示した態様に限定されない。以下に、切削部の他の構成例をその他の実施の形態として幾つか説明する。
【0030】
図14は本発明のガスタービンの第2の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図15は図14中の矢印XV方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図16は図14中のXVI部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図14〜図16において、本実施の形態における切削部15aは、その突出部16aがシュラウドフィン13の直線部分の回転軌跡Rから径方向外側に突出しており、シュラウドフィン13より翼長方向に高く形成されている。それに対して、重量調整部17aはその突出部16aから翼回転方向前方側に向かって下り傾斜となるように、すなわち径方向外側から回転軌跡Rの内側に進入するようにテーパ状に形成されている。
【0031】
このような構成により、切削部15aの高さはシュラウドフィン13より翼長方向に高くなるが、翼回転方向前方側に向かうにつれてテーパ状に低くなっており、その平均高さがシュラウドフィン13の高さとほぼ同じになるように形成されている。切削部15aをこのように形成すれば、切削部15aを設けても図8〜図10に示した単にストレートに形成したシュラウドフィン13と同程度の重量になるので、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
図17は本発明のガスタービンの第3の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図18は図17中の矢印XVIII方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図19は図17中のXIX部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図17〜図19において、本実施の形態における切削部15bは、その突出部16bが回転軌跡Rからガスの流れ方向上流側及び下流側に突出している。それに対し、重量調整部17bは前記回転軌跡から翼回転方向前方側に向かって下り傾斜に形成されている。つまり、切削刃の役割を果たす突出部16bは、シュラウドフィン13の回転軌跡Rに対して燃焼ガスHの流れ方向に突出するのに対して、重量調整部17bはその突出方向とは異なる方向である翼長方向に傾斜している。このように構成しても、上記同様の効果を得ることができる。
【0033】
図20は本発明のガスタービンの第4の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図21は図20中の矢印XXI方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図22は図20中のXXII部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図20〜図22に示すように、本実施の形態の切削部15cの突出部16c及び重量調整部17cは、図5〜図7に示した第1の実施の形態と同様に形成されている。本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、切削部15cの表面に硬質系コーティング層20(ハッチング箇所)を形成した点である。この硬質系コーティング層20の一例としてはクロムカーバイトが挙げられ、例えばCr−Cコーティングを溶射することにより形成される。なお、本例では、切削部15cの表面全体に硬質系コーティング層20を形成しているが、硬質系コーティング層20は少なくとも重量調整部17cの表面に形成されていれば良い。
【0034】
本実施の形態においても上記同様の効果が得られることは言うまでもないが、硬質コーティング層20を形成したことにより、切削部15cの硬度を向上させることができ、ハニカムシール14をより円滑にカットすることができるので、シュラウドフィン13自体の損耗も低減することができる。
【0035】
図23は本発明のガスタービンの第5の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図24は図23中の矢印XXIV方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図25は図23中のXXV部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図23〜図25に示すように、本実施の形態の切削部15dの突出部16d及び重量調整部17dは、図14〜図16に示した第2の実施の形態と同様に形成されている。本実施の形態が第2の実施の形態と相違する点は、切削部15dの表面に硬質系コーティング層20(ハッチング箇所)を形成した点である。この硬質系コーティング層20の一例としてはクロムカーバイトが挙げられ、例えばCr−Cコーティングを溶射することにより形成される。なお、本例においても、切削部15dの表面全体に硬質系コーティング層20を形成しているが、硬質系コーティング層20は少なくとも重量調整部17dの表面に形成されていれば良い。本実施の形態においても先の第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0036】
図26は本発明のガスタービンの第6の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図27は図26中の矢印XXVII方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図28は図26中のXXVIII部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図26〜図28に示すように、本実施の形態の切削部15eの突出部16e及び重量調整部17eは、図17〜図19に示した第3の実施の形態と同様に形成されている。本実施の形態が第3の実施の形態と相違する点は、切削部15eの表面に硬質系コーティング層20(ハッチング箇所)を形成した点である。この硬質系コーティング層20の一例としてはクロムカーバイトが挙げられ、例えばCr−Cコーティングを溶射することにより形成される。なお、本例においては、硬質系コーティング層20を重量調整部17eの表面にのみ形成しているが、第4及び第5の実施の形態と同様に切削部15eの表面全体に形成しても良い。本実施の形態においても先の第4及び第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の適用対象となるガスタービンの一例の全体構成を表す側断面図である。
【図2】本発明の適用対象となるガスタービンの一例に備えられたタービンの概略構成を表す側断面図である。
【図3】本発明の適用対象となるガスタービンの一例に備えられたタービンの要部構成を表す拡大図である。
【図4】本発明の適用対象となるガスタービンの一例に備えられたハニカムシールの斜視図である。
【図5】本発明のガスタービンの第1の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図6】図5中の矢印VI方向から見た図である。
【図7】図5中のVII部の拡大図である。
【図8】本発明のガスタービンに対する一比較例におけるシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図9】図8中の矢印IX方向から見た図である。
【図10】図8中のX部の拡大図である。
【図11】本発明のガスタービンに対する他の比較例におけるシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図12】図11中の矢印XII方向から見た図である。
【図13】図11中のXIII部の拡大図である。
【図14】本発明のガスタービンの第2の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図15】図14中の矢印XV方向から見た図である。
【図16】図14中のXVI部の拡大図である。
【図17】本発明のガスタービンの第3の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図18】図17中の矢印XVIII方向から見た図である。
【図19】図17中のXIX部の拡大図である。
【図20】本発明のガスタービンの第4の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図21】図20中の矢印XXI方向から見た図である。
【図22】図20中のXXII部の拡大図である。
【図23】本発明のガスタービンの第5の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図24】図23中の矢印XXIV方向から見た図である。
【図25】図23中のXXV部の拡大図である。
【図26】本発明のガスタービンの第6の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図27】図26中の矢印XXVII方向から見た図である。
【図28】図26中のXXVIII部の拡大図である。
【符号の説明】
【0038】
3 タービン
6 タービン動翼
7 タービンケーシング
10 シュラウドブロック
12 シュラウドカバー
13 シュラウドフィン
14 ハニカムシール
15,15a〜e 切削部
16,16a〜e 突出部
17,17a〜e 重量調整部
20 硬質系コーティング層
R 回転軌跡
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービンに係り、さらに詳しくは、タービン動翼先端にはにかむシールに切り込むシュラウドフィンを有するガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンのタービン動翼は後流段にいくほど翼長が長くなり、単翼状態における流体振動応力やガス曲げ応力に対する強度が低下する。そこで翼先端にシュラウドカバーを設け、隣接翼同士のシュラウドカバーを当接させてリング状にすることで剛性を高めたものがある。
【0003】
また、ガスタービンの性能上、タービン動翼とこのタービン動翼に対し径方向外側に対向するシュラウドブロックとの間隙は極力小さいことが望ましい。そこで、シュラウドカバー外周面に翼回転方向に伸びるシュラウドフィンを設け、運転中の遠心力によってタービン動翼が伸長した際にシュラウドフィンをシュラウドブロックの内周側に設けたハニカムシールに切り込ませることにより、タービン動翼とシュラウドブロックとの間隙を極小とする構成を採ったものがある。
【0004】
そして、こうしたハニカムシールを採用したガスタービンにおいては、ハニカムシールとシュラウドフィンとの間隙を適正化するためにハニカムシールを切削する切削刃を直線状のシュラウドフィンに突設した構成が一般に採用されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−303204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術においては、シュラウドフィンに対して単に切削刃全体を突出させた構成であるため、シュラウドカバーのタービン動翼からオーバーハングした部位に切削刃があると、切削刃を設けたことによる増加重量が運転中にシュラウドカバーに作用する遠心力を増大させる。その結果、シュラウドカバーのタービン動翼との境界部に応力が集中しクラックが発生し易くなり、甚だしい場合には、そのクラックからシュラウドカバーが欠損し後流段のタービン翼等の各部品を損傷させガスタービンに多大な損害を与える恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、タービン動翼と静止体との間隙を最小化しガスタービン性能を向上させることができ、なおかつシュラウドカバーの欠損を防止することができるガスタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、このシュラウドフィンに設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、突出部によってハニカムシールを円滑に切削してタービン動翼と静止体との間隙を最小化しガスタービン性能を向上させることができ、なおかつ重量調整部によってシュラウドフィンの重量増加を抑制することができるので、シュラウドカバーの欠損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明のガスタービンの実施の形態を説明する。
図1は本発明の適用対象となるガスタービンの一例の全体構成を表す側断面図である。
図1において、図示したガスタービンは、吸い込んだ大気を圧縮して圧縮空気を得る圧縮機1を備えており、燃焼器2において圧縮機1からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して高温高圧(例えば1300℃程度)の燃焼ガスHを得て、得られた燃焼ガスHをタービン3に噴射してタービン3を駆動するようになっている。特に図示していないが、タービン3で得られた動力は、回転軸(ロータ)4に連結された負荷機器(例えば発電機)に伝達され負荷機器を駆動させるとともに、連結された圧縮機1の駆動力としても利用される。
【0011】
また、圧縮機1から吐出される圧縮空気の一部は、燃焼器2或いはタービン3のタービン静翼5やタービン動翼6等といった各部の冷却空気としても用いられる。タービン静翼5はタービンケーシング7の内壁側に支持され、タービン動翼6は回転軸4の周囲に設置されており、これらタービン静翼5及びタービン動翼6は各段落において周方向に複数枚設けられている。
【0012】
また、本例のガスタービンにおいて、タービン3は3段の翼列を有する1軸式のタービンであり、第1段静翼5a、第2段静翼5b、第3段静翼5c、第1段動翼6a、第2段動翼6b、第3段動翼6cを有している。しかしながら、本発明は1軸式のガスタービンに限らず互いに独立して回転可能な高圧タービン及び低圧タービンを有する2軸式タービンにも適用可能であり、また段落数も3段に限らず2段以下又は4段以上のタービンであっても適用可能である。2軸式タービンの場合、高圧タービンで得られた動力は圧縮機の駆動力に利用され、低圧タービンで得られた動力は負荷機器の駆動力として利用される。
【0013】
図2は上記タービン3の概略構成を表す側断面図で、図1と同様の部分には同符号が付してある。
図2に示すように、各段落のタービン動翼6とタービンケーシング7との間には、高温高圧の燃焼ガスHの流路外周壁を形成し燃焼ガスHが直接タービンケーシング7に接触するのを防止するシュラウドブロック10が翼回転方向全周に亘って複数列設され環状に配置されている。これらシュラウドブロック10はタービンケーシング7の内壁に設けた断面が例えばT型のシュラウドレール11に嵌込まれ固定されている。タービン静翼5は、シュラウドブロック10に支持されている。
【0014】
図3は上記タービン3の要部構成を表す拡大図で、図1及び図2と同様の部分には同符号を付してある。
ここで、タービン動翼6は図1にも示したように後流段にいくほど翼長が長くなっているので、単翼状態における流体振動応力やガス曲げ応力に対する強度が後流段にいくほど低下する。そこで、例えば第2段タービン動翼6b及び第3段タービン動翼6cの翼先端にシュラウドカバー12を設け、翼回転方向(周方向)に隣接するタービン翼6のシュラウドカバー12同士が接触し合うことによって翼列の剛性を高める構成としてある(後述の図5も参照)。
【0015】
タービン動翼6とシュラウドブロック10の間隙はガスタービンの性能面において極力小さいことが望ましい。そこで、本実施の形態においては、シュラウドカバー12の径方向外側面に、シュラウドブロック10側に突出するように翼回転方向とほぼ平行に略直線状のシュラウドフィン13が設けてある。このシュラウドフィン13は隣接するシュラウドカバー12のもの同士がほぼ当接して環状に構成される。しかし、シュラウドフィン13とシュラウドブロック10の間隙が小さ過ぎると、運転中の遠心力でタービン動翼6の翼長が伸長した際、シュラウドフィン13とシュラウドブロック10が接触してタービン動翼6の折損等といった損傷が生じる可能性がある。
【0016】
そこで、静止体(本例ではシュラウドブロック10)の内周側にシュラウドカバー12及びシュラウドフィン13に対し径方向外側に間隙を介して対向するようにしてハニカム形状を有するハニカムシール14が設置されている。このハニカムシール14は、図4の斜視図に示した通り、薄い部材で多数の六角形状の部屋を確定した形状をしている。したがって、運転中にタービン動翼6が遠心力によって伸長すると、シュラウドフィン13がハニカムシール14に干渉し、シュラウドフィン13がハニカムシール14をカットして(切り込んで)タービン動翼6と静止体との間隙寸法が最良となるように構成されている。
【0017】
図5は本発明のガスタービンの第1の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図6は図5中の矢印VI方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図7は図5中のVII部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図5〜図7において、シュラウドカバー12は翼回転方向前方側(図5中の右側)及び翼回転方向後方側(図5中の左側)の端面がZ状に形成されており、この部分で周方向に隣接するもの同士が接触し合っている。シュラウドフィン13は前述したように翼回転方向と平行にレール状に形成されており、切削部15を備えている。
【0018】
上記切削部15は、シュラウドフィン13の直線部分の輪郭線が描く回転軌跡R(図7参照)から外側に突出した突出部16と、翼回転方向前方側に向かって回転軌跡Rの内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部17とで画定されている。本実施の形態において、突出部16は、翼回転方向前方側に向かって燃焼ガスHの流れ方向上流側及び下流側に一旦広がるように回転軌跡Rから突出している。対して重量調整部17は、突出部16から翼回転方向前方側に向かうにつれてガスの流れ方向上流側及び下流側から回転軌跡Rの内側に進入するようにテーパ状につぼまっている。
【0019】
なお、図5〜図7では、切削部15をシュラウドフィン13の回転方向前方側端部に設けているが、シュラウドフィン13のタービン動翼6からオーバーハングしたその他の部位に設けても良いし、或いはタービン動翼6上に位置が重なり合うようにシュラウドフィン13に設けても良い。
【0020】
次に、上記構成の本実施の形態のガスタービンの動作及び作用を説明する。
前述したように、吸い込まれた大気が圧縮機1にて圧縮され吐出されると、燃焼用の圧縮空気が燃焼器2に供給され燃料とともに燃焼される。すると、高温高圧(例えば1300℃程度)の燃焼ガスHが発生し、発生した燃焼ガスHがタービン3に噴射されてタービン3が駆動される。タービン3で得られた回転動力は、図示しない負荷機器(例えば発電機)に伝達される。負荷機器が発電機の場合、タービン3の回転動力が電気エネルギーに変換される(発電される)。また、圧縮機1から吐出される圧縮空気の一部は、燃焼器2或いはタービン3のタービン静翼5やタービン動翼6等といった各部の冷却空気としても用いられる。
【0021】
このとき、本実施の形態では、運転中の遠心力の作用によってタービン動翼6が径方向外側に伸長すると、タービン動翼6のシュラウドカバー12の外周面に設けたシュラウドフィン13が対向するハニカムシール14に干渉し、ハニカムシール14に切り込むので、タービン動翼6と静止体(本例ではシュラウドブロック10)との間の間隙が必要最小限に抑制され、ガスタービンの性能の面において十分な効率確保に寄与する。
【0022】
ここで、仮にシュラウドフィン13を全長に亘って単に直線的に形成した場合の構成を本発明のガスタービンの特徴に対する一比較例として説明する。
図8は本比較例におけるシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図9は図8中の矢印IX方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図10は図8中のX部の拡大図である。これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
【0023】
図8〜図10に示した通り、本比較例におけるシュラウドフィン13は切削部を備えない単なる直線状の部材である。ところが、このような単純なストレートな形状のシュラウドフィン13であるとハニカムシール14に切り込む際の切削抵抗に負けてしまう恐れがある。そのため、ハニカムシール14が十分にカットできずシュラウドフィン13とハニカムシール14の間に最良の間隙を形成できないばかりか、シュラウドフィン13の翼回転方向前方側端部が摩耗損傷あるいは折損する場合がある。
【0024】
そこで上記問題点に対策を講じた他の比較例として、図11〜図13に示すようにシュラウドフィン13の翼回転方向前方側端部に燃焼ガスHの流れ方向上流側及び下流側に広がる突起50を設けることが考えられる。
図11は本比較例におけるシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図12は図11中の矢印XII方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図13は図11中のXIII部の拡大図である。これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
【0025】
図11〜図13に示した比較例によれば、運転中にシュラウドフィン13とハニカムシール14が接する際に突起50が切削刃(カッター)の役目を果たしてハニカムシール14を円滑にカットし、シュラウドフィン13とハニカムシール14の間隙を必要最小限として最良のガスタービン性能を得ることができる。
【0026】
しかしながら、突起50はシュラウドフィン13の回転軌跡Rから全体が突出しており、突起50を設けたことによってこの部位のシュラウドフィン13の重量が図8〜図10の比較例に対して大幅に増加する。このような形状の突起50を図示したように(図11等参照)シュラウドカバー12のタービン動翼6からオーバーハングする部位に設置すると、突起50が錘となって遠心力によりシュラウドカバー12を起き上がらせようとする力が大きく増大する。その結果、タービン動翼6とシュラウドカバー12の境界に発生する応力が著しく増大し、このタービン動翼6とシュラウドカバー12の境界にクラックCが発生してしまい、発生したクラックCを起点にシュラウドカバー12が欠損して後流段を損傷させてしまう恐れが生じる。
【0027】
それに対し、本実施の形態においては、前述した如く突出部16及び重量調整部17を有する切削部15を設けている。この構成によれば、第一に、運転中にシュラウドフィン13とハニカムシール14が接する際に突出部16が切削刃の役割を果たし(くさび効果が得られ)ハニカムシール14を円滑にカットすることができるので、シュラウドフィン13と静止体(ハニカムシール14)の間隙を必要最小限に維持して最良のガスタービンの性能を発揮させることができる。切削抵抗に対する強度が向上するので、ハニカムシールに切り込む機能を持たないストレート状のシュラウドフィン(図8〜図10参照)を有するタービン動翼と同等の翼寿命を確保することが可能である。
【0028】
そして第二に、シュラウドフィン13の回転軌跡Rの内側に進入する重量調整部17を備えているので、重量調整部17による重量減少分が突出部16による重量増加分と相殺し、切削部15を設けたことによるシュラウドフィン13の重量増加を抑制する(又は重量増加を無くす或いは重量を減少させる)ことができる。これにより、切削部15が錘となってシュラウドカバー12を起き上がらせようとする力の増大を抑制することができるので、タービン動翼6とシュラウドカバー12の境界に作用する応力を極力抑制することができる。したがって、タービン動翼6とシュラウドカバー12の境界におけるクラックの発生を防止することができ、シュラウドカバー12の欠損を防止することができるので後流段の損傷を未然に防止することができる。
【0029】
なお、本実施の形態の切削部15において、その突出部16はシュラウドフィン13に対して燃焼ガスの流れ方向上流側及び下流側に突出するように、重量調整部17は突出部16から翼回転方向前方に向かって燃焼ガスの流れ方向上流側及び下流側に傾斜するようにそれぞれ形成した。しかしながら、本発明の基本的効果は、切削部に、シュラウドフィン13の直線部分の回転軌跡Rから突出した突出部と、回転軌跡Rの内側に進入する重量調整部とを設けることで、切削抵抗に打ち勝つための切削部を設けたことによるシュラウドフィンの局部的重量変化を極力抑制し前述したクラックを防止することにある。したがって、前述のように機能する突出部と重量調整部さえ備えていれば、切削部の形状は図5〜図7に示した態様に限定されない。以下に、切削部の他の構成例をその他の実施の形態として幾つか説明する。
【0030】
図14は本発明のガスタービンの第2の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図15は図14中の矢印XV方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図16は図14中のXVI部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図14〜図16において、本実施の形態における切削部15aは、その突出部16aがシュラウドフィン13の直線部分の回転軌跡Rから径方向外側に突出しており、シュラウドフィン13より翼長方向に高く形成されている。それに対して、重量調整部17aはその突出部16aから翼回転方向前方側に向かって下り傾斜となるように、すなわち径方向外側から回転軌跡Rの内側に進入するようにテーパ状に形成されている。
【0031】
このような構成により、切削部15aの高さはシュラウドフィン13より翼長方向に高くなるが、翼回転方向前方側に向かうにつれてテーパ状に低くなっており、その平均高さがシュラウドフィン13の高さとほぼ同じになるように形成されている。切削部15aをこのように形成すれば、切削部15aを設けても図8〜図10に示した単にストレートに形成したシュラウドフィン13と同程度の重量になるので、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
図17は本発明のガスタービンの第3の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図18は図17中の矢印XVIII方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図19は図17中のXIX部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図17〜図19において、本実施の形態における切削部15bは、その突出部16bが回転軌跡Rからガスの流れ方向上流側及び下流側に突出している。それに対し、重量調整部17bは前記回転軌跡から翼回転方向前方側に向かって下り傾斜に形成されている。つまり、切削刃の役割を果たす突出部16bは、シュラウドフィン13の回転軌跡Rに対して燃焼ガスHの流れ方向に突出するのに対して、重量調整部17bはその突出方向とは異なる方向である翼長方向に傾斜している。このように構成しても、上記同様の効果を得ることができる。
【0033】
図20は本発明のガスタービンの第4の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図21は図20中の矢印XXI方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図22は図20中のXXII部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図20〜図22に示すように、本実施の形態の切削部15cの突出部16c及び重量調整部17cは、図5〜図7に示した第1の実施の形態と同様に形成されている。本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、切削部15cの表面に硬質系コーティング層20(ハッチング箇所)を形成した点である。この硬質系コーティング層20の一例としてはクロムカーバイトが挙げられ、例えばCr−Cコーティングを溶射することにより形成される。なお、本例では、切削部15cの表面全体に硬質系コーティング層20を形成しているが、硬質系コーティング層20は少なくとも重量調整部17cの表面に形成されていれば良い。
【0034】
本実施の形態においても上記同様の効果が得られることは言うまでもないが、硬質コーティング層20を形成したことにより、切削部15cの硬度を向上させることができ、ハニカムシール14をより円滑にカットすることができるので、シュラウドフィン13自体の損耗も低減することができる。
【0035】
図23は本発明のガスタービンの第5の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図24は図23中の矢印XXIV方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図25は図23中のXXV部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図23〜図25に示すように、本実施の形態の切削部15dの突出部16d及び重量調整部17dは、図14〜図16に示した第2の実施の形態と同様に形成されている。本実施の形態が第2の実施の形態と相違する点は、切削部15dの表面に硬質系コーティング層20(ハッチング箇所)を形成した点である。この硬質系コーティング層20の一例としてはクロムカーバイトが挙げられ、例えばCr−Cコーティングを溶射することにより形成される。なお、本例においても、切削部15dの表面全体に硬質系コーティング層20を形成しているが、硬質系コーティング層20は少なくとも重量調整部17dの表面に形成されていれば良い。本実施の形態においても先の第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0036】
図26は本発明のガスタービンの第6の実施の形態に備えられたシュラウドフィン13を径方向外周側から見た図、図27は図26中の矢印XXVII方向から(ガスの流れ方向下流側から)見た図、図28は図26中のXXVIII部の拡大図で、これらの図において先の各図と同様の部分には同符号が付してある。
図26〜図28に示すように、本実施の形態の切削部15eの突出部16e及び重量調整部17eは、図17〜図19に示した第3の実施の形態と同様に形成されている。本実施の形態が第3の実施の形態と相違する点は、切削部15eの表面に硬質系コーティング層20(ハッチング箇所)を形成した点である。この硬質系コーティング層20の一例としてはクロムカーバイトが挙げられ、例えばCr−Cコーティングを溶射することにより形成される。なお、本例においては、硬質系コーティング層20を重量調整部17eの表面にのみ形成しているが、第4及び第5の実施の形態と同様に切削部15eの表面全体に形成しても良い。本実施の形態においても先の第4及び第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の適用対象となるガスタービンの一例の全体構成を表す側断面図である。
【図2】本発明の適用対象となるガスタービンの一例に備えられたタービンの概略構成を表す側断面図である。
【図3】本発明の適用対象となるガスタービンの一例に備えられたタービンの要部構成を表す拡大図である。
【図4】本発明の適用対象となるガスタービンの一例に備えられたハニカムシールの斜視図である。
【図5】本発明のガスタービンの第1の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図6】図5中の矢印VI方向から見た図である。
【図7】図5中のVII部の拡大図である。
【図8】本発明のガスタービンに対する一比較例におけるシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図9】図8中の矢印IX方向から見た図である。
【図10】図8中のX部の拡大図である。
【図11】本発明のガスタービンに対する他の比較例におけるシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図12】図11中の矢印XII方向から見た図である。
【図13】図11中のXIII部の拡大図である。
【図14】本発明のガスタービンの第2の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図15】図14中の矢印XV方向から見た図である。
【図16】図14中のXVI部の拡大図である。
【図17】本発明のガスタービンの第3の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図18】図17中の矢印XVIII方向から見た図である。
【図19】図17中のXIX部の拡大図である。
【図20】本発明のガスタービンの第4の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図21】図20中の矢印XXI方向から見た図である。
【図22】図20中のXXII部の拡大図である。
【図23】本発明のガスタービンの第5の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図24】図23中の矢印XXIV方向から見た図である。
【図25】図23中のXXV部の拡大図である。
【図26】本発明のガスタービンの第6の実施の形態に備えられたシュラウドフィンを径方向外周側から見た図である。
【図27】図26中の矢印XXVII方向から見た図である。
【図28】図26中のXXVIII部の拡大図である。
【符号の説明】
【0038】
3 タービン
6 タービン動翼
7 タービンケーシング
10 シュラウドブロック
12 シュラウドカバー
13 シュラウドフィン
14 ハニカムシール
15,15a〜e 切削部
16,16a〜e 突出部
17,17a〜e 重量調整部
20 硬質系コーティング層
R 回転軌跡
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、
前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、
このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、
このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、
このシュラウドフィンに設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部と
を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項2】
圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、
前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、
このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、
このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、
このシュラウドフィンの前記タービン動翼からオーバーハングした部位に設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部と
を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項3】
圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、
前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、
このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、
このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、
このシュラウドフィンの翼回転方向前方側端部に設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部と
を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、前記突出部が前記回転軌跡からガスの流れ方向上流側及び下流側に突出しており、前記重量調整部がガスの流れ方向上流側及び下流側から前記回転軌跡の内側に進入していることを特徴とするガスタービン。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、前記突出部が前記回転軌跡から径方向外側に突出しており、前記重量調整部が径方向外側から前記回転軌跡の内側に進入していることを特徴とするガスタービン。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、前記突出部が前記回転軌跡からガスの流れ方向上流側及び下流側に突出しており、前記重量調整部は前記回転軌跡から翼回転方向前方側に向かって径方向内側に傾斜していることを特徴とするガスタービン。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、少なくとも前記重量調整部の表面に硬質系コーティング層が形成されていることを特徴とするガスタービン。
【請求項8】
請求項7に記載のガスタービンにおいて、前記硬質系コーティング層はクロムカーバイトであることを特徴とするガスタービン。
【請求項1】
圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、
前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、
このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、
このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、
このシュラウドフィンに設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部と
を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項2】
圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、
前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、
このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、
このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、
このシュラウドフィンの前記タービン動翼からオーバーハングした部位に設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部と
を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項3】
圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスによってタービンを駆動するガスタービンにおいて、
前記タービンのタービン動翼先端に設けられ、翼回転方向に隣接するもの同士が接触し合って前記タービン動翼の剛性を高めるシュラウドカバーと、
このシュラウドカバーに対し径方向外側に間隙を介して対向するように静止体側に設けたハニカムシールと、
このハニカムシールと対向するように前記シュラウドカバーの径方向外側面に突設され、翼回転方向とほぼ平行でかつ略直線状に形成されたシュラウドフィンと、
このシュラウドフィンの翼回転方向前方側端部に設けられ、前記シュラウドフィンの直線部分の輪郭線が描く回転軌跡から外側に突出した突出部、及び翼回転方向前方側に向かって前記回転軌跡の内側に進入するように傾斜させて形成した重量調整部から画定される切削部と
を備えたことを特徴とするガスタービン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、前記突出部が前記回転軌跡からガスの流れ方向上流側及び下流側に突出しており、前記重量調整部がガスの流れ方向上流側及び下流側から前記回転軌跡の内側に進入していることを特徴とするガスタービン。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、前記突出部が前記回転軌跡から径方向外側に突出しており、前記重量調整部が径方向外側から前記回転軌跡の内側に進入していることを特徴とするガスタービン。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、前記突出部が前記回転軌跡からガスの流れ方向上流側及び下流側に突出しており、前記重量調整部は前記回転軌跡から翼回転方向前方側に向かって径方向内側に傾斜していることを特徴とするガスタービン。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のガスタービンにおいて、前記切削部は、少なくとも前記重量調整部の表面に硬質系コーティング層が形成されていることを特徴とするガスタービン。
【請求項8】
請求項7に記載のガスタービンにおいて、前記硬質系コーティング層はクロムカーバイトであることを特徴とするガスタービン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2006−63837(P2006−63837A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245435(P2004−245435)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリングサービス (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリングサービス (276)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]