説明

ガス使用状況監視方法および装置

【課題】 ガス消費場所でのガス使用の有無等の状況を精度良く判断でき、また、異常や異変発生を未然に防止可能なガス使用状況監視装置を提案すること。
【解決手段】 ガス使用状況監視装置1では、判定部21において単位時間当たりのガス使用量Qを監視し、これが判定値Jを超えるとガス使用中であると判断し、この判定結果に基づき、ガス使用状況データ作成・更新部23において時間毎のガス使用状況データを作成している。作成したデータに基づき、高い精度でガス使用の有無を判別できる。また、ガスの連続使用が設定時間Lcoを超えた場合、およびガスの連続未使用が設定時間Luoを超えた場合には警報を発生しているので、ガス消費場所での異常や異変を高い確率に未然に察知できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスの使用状況を監視する方法および装置に関するものである。また、本発明はガスの連続使用状況および連続未使用状況を監視して、必要な場合に警報を発生するガス連続使用監視・警告方法および装置、並びにガス連続未使用監視・警告方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ガス消費場所、例えば、各家庭においてガスが使用されているか否かを知るためには、各家庭に電話を入れて確認するか、あるいは、各家庭でガス器具が使用されているか否か、あるいはガスメータが動いているか否か等を実際に確認する必要がある。また、電話回線を利用したガス検針システムの場合には、一定時間間隔で「連続検針」を行なう必要がある。
【0003】ここで、近年においてはマイクロコンピュータが搭載された多機能型の電子式ガスメータ、いわゆるマイコンガスメータが普及している。このマイコンガスメータを設置しておけば、ガスコンロ等でのガスの消し忘れ等を予測してガスを強制遮断することができる。
【0004】一般的には、マイコンガスメータには、予め設定されている時間以上に亘りガスが連続使用された場合に、「ガスの消し忘れの疑いがある」と判断して、ガスを強制遮断する使用時間オーバー遮断機能が備わっている。また、この使用時間オーバー遮断機能を補完する機能として、ガスを強制遮断する少し前の時点、例えば5ないし8分前の時点でガスを強制遮断することを予告する使用時間オーバー遮断予告機能も備わっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、住宅や工場等のガス消費場所でガスが使用されているか否かを知るためには、現場に出向いて計器類を実際に確認するか、あるいは、電話回線を介して連続検針を行なって確認する必要があるので不便である。また、ガスの使用状況は各ガス消費場所に応じて異なるので、単発的な連続検針を行なっても精度良くガス使用の状況を確認できない。
【0006】また、従来のマイコンガスメータによる使用時間オーバー機能では、安全上の観点からガスが強制遮断される時間を簡単に変更して短縮する等の操作ができない。このために、場合によって、使用時間オーバー遮断予告が行われる時点では、既に「鍋が焦げる」「ヤカンが真っ赤になる」等の危険な状況に陥っていることもある。
【0007】本発明の課題は、このような点に鑑みて、各ガス消費場所でのガスの使用状況を監視することにより、ガスの使用パターンを把握し、これに基づきガス使用の有無を精度良く推測可能なガス使用状況監視方法および装置を提案することにある。
【0008】また、本発明の課題は、現在使用されているマイコンガスメータの使用時間オーバー遮断予告機能を補完して、ガスの消し忘れ等に起因する弊害を未然に防止可能なガス連続使用監視・警告方法および装置を提案することにある。
【0009】さらに、本発明の課題は、業務用設備などにおけるガス機器の故障や独居世帯での安否確認等を把握することのできるガス連続未使用監視・警告方法および装置を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明のガス使用状況監視方法は、ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視する工程と、このガス使用量を予め設定されている判定値と比較する工程と、前記ガス使用量が前記判定値よりも大きい場合にはガス使用中であると判定する工程と、前記ガス使用量が前記判定値以下の場合にはガス未使用中であると判定する工程と、前記判定結果に基づき、前記ガス消費場所における時間毎のガス使用状況データを作成する工程とを含むことを特徴としている。
【0011】ここで、前記ガス使用状況データを所定期間蓄積し、当該蓄積したガス使用状況データに基づき、前記ガス消費場所における時間単位、日単位、週単位あるいは月単位のガス使用パターンを推測することが望ましい。
【0012】また、本発明のガス使用状況監視装置は、ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量に基づきガスの使用状況を監視するものであり、単位時間当たりのガス使用量を予め設定されている判定値と比較することにより、ガス使用中であるかガス未使用中であるのかを判定する判定部と、前記判定結果に基づき、前記ガス消費場所における時間毎のガス使用状況データを作成するガス使用状況データ作成部と、作成されたガス使用状況データを記憶保持する記憶部とを有していることを特徴としている。
【0013】ここで、前記判定値としてはガス消費場所でのガス使用量に応じて適切な値を採用すれば精度良くガスの使用、未使用を判別できるので、前記判定値を変更可能な入力部を有していることが望ましい。
【0014】また、ガス使用状況監視装置は、単位時間当たりのガス使用量を計測するガス計測部を内蔵した構成とすることもでき、この代わりに、単位時間当たりのガス使用量が、外部機器としてのガスメータから供給されるように構成することも可能である。
【0015】さらに、ガス使用状況監視装置は、得られたガス使用状況データを通信回線を介して外部に出力する通信部を備えていれば、遠隔地にある集中監視センタ等に、各ガス消費場所で得られたガス使用状況データを収集することができ、また、このようなデータに基づき、ガス使用状況を集中監視できるので好ましい。
【0016】次に、本発明はガス連続使用監視・警告方法に関するものであり、ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視する工程と、このガス使用量を予め設定されている判定値と比較する工程と、前記ガス使用量が前記判定値よりも大きい場合にはガス使用中であると判定する工程と、ガス使用中であると判定される継続時間を計数する工程と、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定する工程と、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力する工程とを含むことを特徴としている。
【0017】かかる方法を利用した本発明のガス連続使用監視・警告装置は、単位時間当たりのガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値よりも大きい場合にはガス使用中であると判定するガス使用判定部と、ガス使用中であると判定される継続時間を計数する使用時間計数部と、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定し、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力する警報レベル判定部とを有していることを特徴としている。
【0018】ここで、各ガス消費場所に応じて精度良くガスが使用されていること検出するためには、判定値をガス消費場所に応じた適切な値に変更できるように、本発明のガス連続使用監視・警告装置は、前記判定値を変更可能な入力部を有していることが望ましい。
【0019】同様に、各ガス消費場所に応じて適切な時点で警告を発することができるように、本発明のガス連続使用監視・警告装置は、前記警告レベル時間を変更可能な入力部を有していることが望ましい。
【0020】本発明のガス連続使用監視・警告装置を、単位時間当たりのガス使用量を内蔵のガス計測部で計測するように構成することができ、この代わりに、外部機器としてのガスメータから単位時間当たりのガス使用量が供給されるように構成することもできる。
【0021】ここで、本発明のガス連続使用監視・警告装置は、通信回線を介して前記警報を外部に出力する通信部を備えていることが望ましい。
【0022】次に、本発明のガス連続未使用監視・警告方法は、ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視する工程と、このガス使用量を予め設定されている判定値と比較する工程と、前記ガス使用量が前記判定値以下の場合にはガス未使用中であると判定する工程と、ガス未使用中であると判定される継続時間を計数する工程と、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定する工程と、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力する工程とを含むことを特徴としている。
【0023】この方法を利用した本発明のガス連続未使用監視・警告装置は、単位時間当たりのガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値以下の場合にはガス未使用中であると判定するガス未使用判定部と、ガス未使用中であると判定される継続時間を計数する未使用時間計数部と、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定し、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力する警報レベル判定部とを有することを特徴としている。
【0024】ここで、ガス連続未使用を精度良く判定するためには、前記判定値を変更可能な入力部を有していることが望ましい。
【0025】同様に、適切な時点で警告を発することができるように、前記警告レベル時間を変更可能な入力部を有していることが望ましい。
【0026】本発明のガス連続未使用監視・警告装置においても、単位時間当たりのガス使用量を計測するガス計測部を内蔵していてもよいし、単位時間当たりのガス使用量が、外部機器としてのガスメータから供給されるようになっていてもよい。
【0027】また、一個所の集中監視センタ等で監視を行なうためには、本発明のガス連続未使用監視・警告装置は、通信回線を介して前記警報を外部に出力する通信部を備えていることが望ましい。
【0028】次に、本発明のガス使用監視方法は、ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視し、このガス使用量から前記ガス消費場所における単位時間毎のガス使用量のデータを作成することを特徴としている。
【0029】ここで、前記ガス使用量データを所定期間蓄積し、当該蓄積したガス使用量データに基づき、前記ガス消費場所における分単位、時間単位、日単位、週単位、あるいは月単位のガス使用量を把握する構成とすることができる。
【0030】一方、本発明は、かかるガス使用量監視方法を利用して、ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量に基づき、ガス使用量を監視するガス使用監視装置に関するものであり、ガス使用量を把握するガス使用量計測部またはガス使用量入力部と、前記ガス使用量からガス使用量データを作成するガス使用量データ作成部と、作成されたガス使用量データを記憶保持する記憶部とを有していることを特徴としている。
【0031】ここで、単位時間当たりのガスの使用量は、ガス計測部によって計測してもよいし、外部機器としてのメータから供給されるようにしてもよい。
【0032】また、通信回線を介して前記ガス使用量データを外部に出力する通信部を備えていることが望ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明を適用したガス使用状況監視装置の一実施例を説明する。
【0034】図1は本例のガス使用状況監視装置の概略機能ブロック図である。この図を参照して説明すると、本例のガス使用状況監視装置1は、装置本体2と、そこに接続された入力部3および出力表示部4と通信部5を備えている。装置本体2はマイクロコンピュータを中心に構成されており、そのROM内に格納されている制御プログラムを実行することにより図においてブロックで示す各種機能を実現するように構成されている。
【0035】このガス使用状況監視装置1にはガス管6に接続されている一般的なマイコンガスメータ7から単位時間当たりのガス使用量Qが供給される。ガス使用量Qは判定部21において、判定値発生部22から供給される判定値Jと比較される。比較結果はガス使用状況データ作成・更新部23、ガス使用時間計数部24およびガス未使用時間計数部25に供給される。
【0036】ガス使用状況データ作成・更新部23では、判定部21での比較結果(判定結果)に基づき、ガス使用状況データを作成し、作成データを記憶部26に格納する。また、所定の手順に従って、記憶部26に保持されているガス使用状況データの更新も行なう。
【0037】ガス使用時間計数部24では、判定部23の比較結果に基づきガスが連続して使用されている時間を計数する。ここで算出された連続使用時間Lcは、警告レベル判定部27において、予め設定されている警告レベル時間Lcoと比較され、この警告レベル時間Lcoを超える場合には警報信号S(27)が出力される。同様に、ガス未使用時間計数部25では、判定部23の比較結果に基づきガスが連続して未使用状態にある時間を計数する。ここで算出された連続未使用時間Luは、警告レベル判定部28において、予め設定されている警告レベル時間Luoと比較され、この警告レベルLuoを超える場合には警報信号S(28)が出力される。
【0038】これらの警報信号S(27)、S(28)は出力表示部4に供給され、その表示部に警告表示がなされる。あるいは、そのスピーカから警告音が発せられる。また、本例では、ガス使用状況監視装置1は通信部5から公衆電話回線網等の通信回線8を介して、集中監視センタ装置9に接続されており、警報信号S(27)、S(28)は集中監視センタ装置9にも送信される。
【0039】また、本例のガス使用状況監視装置1では、その入力部3から、上記の判定値J、警告レベル時間Lco、Luoを任意の値に変更可能となっている。
【0040】(ガス使用状況データ作成機能)図2には本例のガス使用状況監視装置1のガス使用状況データ作成動作の概略フローを示してあり、図3には作成されたガス使用状況データの一例を示してある。図2のフローチャートに従って説明すると、まず、判定部21では常に単位時間当りのガス使用量Qを監視しており(ステップST21)、これが判定値Jを超える値であるか否かが判定される(ステップST22)。判定値Jを超える場合には「ガスを使っている」と判断し(ステップST23)、判定値J以下の場合には「ガスを使っていない」と判断する(ステップST24)。
【0041】これらの判定結果に基づき、ガス使用状況データ作成・更新部23では、ガス使用状況データの作成、更新動作を行なう(ステップST25)。このガス使用状況データ作成・更新部23によって、例えば、図3R>3に示すようなガス使用状況データテーブルTが形成され、記憶部26内に展開される。
【0042】このテーブルTは、各行が時間帯、各列が曜日からなるテーブルであり、各ます目には使用中の時間帯に該当する部分には「使用」の文字が入力され、未使用中の時間帯は空欄となっている。
【0043】このようなガス使用状況データを収集することにより、各ガス消費場所、例えば各住宅、各工場でのガス使用パターンを推測でき、各時間帯においてガスを使用しているか否かを高い確率に推測できる。また、ガス使用パターンに基づき、或る時間帯における在宅の有無も推測できる。
【0044】また、本例では、作成されたガス使用状況データTを入力部3を操作することにより必要に応じて、出力表示部4に表示できるようになっているので、ガス消費者が自分のガス使用状況を簡単に把握できる。さらに、通信回線8を介して、集中監視センタ装置9の側においても必要に応じてガス使用状況データを取得できるので、外部からのガス使用状況の監視もできる。
【0045】これに加えて、本例では、ガスの使用の有無を判断するための基準となるガス使用量判定値Lを入力部3から任意の値に設定できるようにしてある。従って、各ガス消費場所に応じて適切な値をセットすることにより、精度良くガス使用の有無判定を行なうことができる。
【0046】(ガス連続使用監視・警告機能)図4は本例のガス使用状況監視装置1によるガス連続使用監視・警告機能を示す概略フローチャートであり、図5は警報動作のタイミングチャートである。図4の概略フローチャートに従って説明すると、まず、判定部21では、単位時間当たりのガス使用量Qを監視し、それを判定値Jと比較することにより、ガスが使用中であるか否かを判定する(ステップST41、42)。使用中である場合にはガス使用時間計数部24において連続使用時間Lcをカウントアップし(ステップST43)、未使用である場合はガス使用時間計数部24での連続使用時間Lcをクリアする(ステップST44)。
【0047】ガス使用時間計数部24での計数値Lcが警告レベルLcoを超えたことが警告レベル判定部27で判定された場合には(ステップST45)、当該判定部27からは警報信号S(27)が出力され、出力表示部4に表示あるいは音声出力されると共に、通信回線8を介して集中監視センタ装置9に通報される(ステップST46)。
【0048】ここで、図5に示すように、本例においては、警告レベルLcoが、マイコンガスメータ7に備わっている使用時間オーバー遮断予告が発せられる時間T1よりも短い時間に設定されている。この警告レベルLcoを適切な値に設定しておくことにより、使用時間オーバー遮断予告が行われる時点では、既に「鍋が焦げる」「ヤカンが真っ赤になる」等の危険な状況に陥いることを回避できる。なお、マイコンガスメータ7では、使用時間オーバー遮断予告後の時点T2においてガス管を強制遮断することになる。
【0049】このように、本例では、マイコンガスメータ7の側において、例えば360分のガス連続使用が成立すると使用時間オーバー遮断予告を通報する場合に、それよりも短い任意の時点、例えば120分のガス連続使用が成立した時点で警告を発することができる。よって、従来のマイコンガスメータ7の機能を補完等して、より安全性の高いガス監視システムを構築することが可能である。
【0050】(ガス連続未使用監視・警告機能)次に、図6は本例のガス使用状況監視装置1によるガス連続未使用監視・警告機能を示す概略フローチャートであり、図7は警報動作のタイミングチャートである。図6の概略フローチャートに従って説明すると、まず、判定部21では、単位時間当たりのガス使用量Qを監視し、それを判定値Jと比較することにより、ガスが未使用状態であるか否かを判定する(ステップST61、62)。未使用中である場合にはガス未使用時間計数部25において連続未使用時間Luをカウントアップし(ステップST63)、未使用状態が解除されて使用中となった場合にはガス未使用時間計数部25での連続未使用時間Luをクリアする(ステップST64)。
【0051】ガス未使用時間計数部25での計数値Luが警告レベルLuoを超えたことが警告レベル判定部28で判定された場合には(ステップST65)、当該判定部28からは警報信号S(28)が出力され、出力表示部4に表示あるいは音声出力されると共に、通信回線8を介して集中監視センタ装置9に通報される(ステップST66)。
【0052】図7に示すように、時点Taから時点Tbまで連続して時間Luoを超える時間に渡ってガス連続未使用状態が継続すると、警報信号S(28)が出力される。例えば、500リットル/時間以下の流量しか使用していない場合にガス未使用であると判定される場合、それが例えば24時間以上に渡って継続すると、警報が発せられることにある。
【0053】このように、本例では、一定量以上のガス使用が一定時間以上に亘り行われない場合には、例えば、「ガスが正常に使われていない」、独居世帯においては「在宅者に何らかの異変が発生した」等と判断でき、このような事態を自動的に検出して通報できる。
【0054】(単位時間当りのガス使用量データ作成機能)なお、本例のガス使用状況監視装置1は、単位時間当たりの使用されたガスの使用量(=値)を保持する機能が含まれており、メモリ26に保持されるデータには、当該データが含まれる。図8には、一例として、単位時間当たりに使用されるガス量についてのガス使用量データ100の作成に関する機能ブロック図を示してある。単位時間当たりのガス使用量データは、前述したガス使用状況データなどで判定のために使用するガス使用量をそのまま用いて作成される。例えば、単位時間が「1時間」の場合には図8に示すように、1時間毎のガス使用量のテーブル100が作成される。単位時間が「5分」の場合には5分間毎に使用されたガス使用量のテーブルが作成される。
【0055】(その他の実施の形態)なお、上記の例では、マイコンガスメータを使用しているが、これ以外の通常のガスメータを使用してもよい。
【0056】また、ガス使用状況監視装置にガス計測機能を備えた構成を採用することもできる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ガス消費地での時間毎のガス使用状況を監視して、ガス使用状況データを作成・更新できるようになっている。このガス使用状況データに基づき、実際のガス使用状況の推測や、異変発生等を高い確率で推測できる。
【0058】また、本発明では、ガス使用状況が一定時間以上継続すると警報を発生するようにしているので、例えば、既存のマイコンガスメータと組み合わせて使用することにより、極めて保安性の高いガス監視システムを実現できる。
【0059】さらに、本発明では、ガス未使用状況が一定時間以上継続すると警報を発生するようにしている。従って、従来では不可能であったガス未使用から推測される異常事態や異変を推測できるので、極めて保安性の高いガス監視システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したガス使用状況監視装置の概略機能ブロック図である。
【図2】図1のガス使用状況監視装置のガス使用状況データ作成動作を示す概略フローチャートである。
【図3】作成されたガス使用状況データの一例を示す説明図である。
【図4】図1のガス使用状況監視装置によるガス連続使用監視・警告機能を示す概略フローチャートである。
【図5】ガス連続使用監視・警告動作のタイミングチャートである。
【図6】図1のガス使用状況監視装置によるガス連続未使用監視・警告機能を示す概略フローチャートである。
【図7】ガス連続未使用監視・警報動作のタイミングチャートである。
【図8】単位時間当たりのガス使用量データの作成機能を説明するための概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 ガス使用状況監視装置
2 装置本体
3 入力部
4 出力表示部
5 通信部
6 ガス管
7 マイコンガスメータ
8 通信回線
9 集中監視センタ装置
21 判定部
22 判定値発生部
23 ガス使用状況データ作成・更新部
24 連続使用時間計数部
25 連続未使用時間計数部
26 記憶部
27 警告レベル判定部
28 警告レベル判定部
Q 単位時間当たりのガス使用量
J 判定値
Lco ガス連続使用時の警告レベル
Luo ガス連続未使用時の警告レベル
Lc ガス連続使用時間の計数値
Lu ガス連続不使用時間の計数値
100 単位時間当たりのガス使用量データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視し、このガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値よりも大きい場合にはガス使用中であると判定し、前記ガス使用量が前記判定値以下の場合にはガス未使用中であると判定し、前記判定結果に基づき、前記ガス消費場所における時間毎のガス使用状況データを作成することを特徴とするガス使用状況監視方法。
【請求項2】 請求項1において、前記ガス使用状況データを所定期間蓄積し、当該蓄積したガス使用状況データに基づき、前記ガス消費場所における時間単位、日単位、週単位あるいは月単位のガス使用パターンを推測することを特徴とするガス使用状況監視方法。
【請求項3】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量に基づきガスの使用状況を監視するガス使用状況監視装置であって、単位時間当たりのガス使用量を予め設定されている判定値と比較することにより、ガス使用中であるかガス未使用中であるのかを判定する判定部と、前記判定結果に基づき、前記ガス消費場所における時間毎のガス使用状況データを作成するガス使用状況データ作成部と、作成されたガス使用状況データを記憶保持する記憶部とを有していることを特徴とするガス使用状況監視装置。
【請求項4】 請求項3において、前記判定値を変更可能な入力部を有していることを特徴とするガス使用状況監視装置。
【請求項5】 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、単位時間当たりのガス使用量を計測するガス計測部を有していることを特徴とするガス使用状況監視装置。
【請求項6】 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、単位時間当たりのガス使用量が、外部機器としてのガスメータから供給されることを特徴とするガス使用状況監視装置。
【請求項7】 請求項1ないし6のうちのいずれかの項において、通信回線を介して前記ガス使用状況データを外部に出力する通信部を備えていることを特徴とするガス使用状況監視装置。
【請求項8】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視し、このガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値よりも大きい場合にはガス使用中であると判定し、ガス使用中であると判定される継続時間を計数し、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定し、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力することを特徴とするガス連続使用監視・警告方法。
【請求項9】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量に基づきガス連続使用状態の監視および警告を行なうガス連続使用監視・警告装置であって、単位時間当たりのガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値よりも大きい場合にはガス使用中であると判定するガス使用判定部と、ガス使用中であると判定される継続時間を計数する使用時間計数部と、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定し、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力する警報レベル判定部とを有することを特徴とするガス連続使用監視・警告装置。
【請求項10】 請求項9において、前記判定値を変更可能な入力部を有していることを特徴とするガス連続使用監視・警告装置。
【請求項11】 請求項9または10において、前記警告レベル時間を変更可能な入力部を有していることを特徴とするガス連続使用監視・警告装置。
【請求項12】 請求項9ないし11のうちのいずれかの項において、単位時間当たりのガス使用量を計測するガス計測部を有していることを特徴とするガス連続使用監視・警告装置。
【請求項13】 請求項9ないし12のうちのいずれかの項において、単位時間当たりのガス使用量が、外部機器としてのガスメータから供給されることを特徴とするガス連続使用監視・警告装置。
【請求項14】 請求項9ないし13のうちのいずれかの項において、通信回線を介して前記警報を外部に出力する通信部を備えていることを特徴とするガス連続使用監視・警告装置。
【請求項15】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視し、このガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値以下の場合にはガス未使用中であると判定し、ガス未使用中であると判定される継続時間を計数し、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定し、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力することを特徴とするガス連続未使用監視・警告方法。
【請求項16】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量に基づきガス連続使用状態の監視および警告を行なうガス連続未使用監視・警告装置であって、単位時間当たりのガス使用量を予め設定されている判定値と比較し、前記ガス使用量が前記判定値以下の場合にはガス未使用中であると判定するガス未使用判定部と、ガス未使用中であると判定される継続時間を計数する未使用時間計数部と、この継続時間が予め設定されている警告レベル時間を超えたか否かを判定し、警告レベル時間を超えた場合には警報を出力する警報レベル判定部とを有することを特徴とするガス連続未使用監視・警告装置。
【請求項17】 請求項16において、前記判定値を変更可能な入力部を有していることを特徴とするガス連続未使用監視・警告装置。
【請求項18】 請求項16または17において、前記警告レベル時間を変更可能な入力部を有していることを特徴とするガス連続未使用監視・警告装置。
【請求項19】 請求項16ないし18のうちのいずれかの項において、単位時間当たりのガス使用量を計測するガス計測部を有していることを特徴とするガス連続未使用監視・警告装置。
【請求項20】 請求項16ないし19のうちのいずれかの項において、単位時間当たりのガス使用量が、外部機器としてのガスメータから供給されることを特徴とするガス連続未使用監視・警告装置。
【請求項21】 請求項16ないし20のうちのいずれかの項において、通信回線を介して前記警報を外部に出力する通信部を備えていることを特徴とするガス連続未使用監視・警告装置。
【請求項22】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量を監視し、このガス使用量から前記ガス消費場所における単位時間毎のガス使用量のデータを作成することを特徴とするガス使用監視方法。
【請求項23】 請求項22において、前記ガス使用量データを所定期間蓄積し、当該蓄積したガス使用量データに基づき、前記ガス消費場所における分単位、時間単位、日単位、週単位、あるいは月単位のガス使用量を把握することを特徴とするガス使用量監視方法。
【請求項24】 ガス消費場所での単位時間当たりのガス使用量に基づき、ガス使用量を監視するガス使用監視装置であって、ガス使用量を把握するガス使用量計測部またはガス使用量入力部と、前記ガス使用量からガス使用量データを作成するガス使用量データ作成部と、作成されたガス使用量データを記憶保持する記憶部とを有していることを特徴とするガス使用量監視装置。
【請求項25】 請求項24において、単位時間当たりのガスの使用量を計測するガス計測部を有していることを特徴とするガス使用量監視装置。
【請求項26】 請求項24において、単位時間当たりのガスの使用量が外部機器としてのメータから供給されることを特徴とするガス使用量監視装置。
【請求項27】 請求項24ないし26のうちのいずれかの項において、通信回線を介して前記ガス使用量データを外部に出力する通信部を備えていることを特徴とするガス使用量監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【公開番号】特開2002−71401(P2002−71401A)
【公開日】平成14年3月8日(2002.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−264735(P2000−264735)
【出願日】平成12年9月1日(2000.9.1)
【出願人】(000222657)東洋計器株式会社 (39)
【Fターム(参考)】