説明

ガラスまたはガラスセラミック、特にガラスまたはガラスセラミックの製品の製造方法

強度が増加したガラスまたはガラスセラミック材料を得るために、本発明は、ガラスまたはガラスセラミックの製品を製造する方法であって、原ガラス本体(11)を製造する工程と、浮揚支持体(1)と原ガラス本体(11)の間のガスクッション(13)上に原ガラス本体(11)を載置する工程と、浮揚支持体(1)上の原ガラス本体(11)を少なくとも部分的にセラミック化する工程とを含む。前記浮揚支持体は、ガスクッション(13)用の浮揚ガスを浮揚支持体から供給する少なくとも1つのガス供給領域(151、152、153)、およびガスクッション(13)からのガスを浮揚支持体中に少なくとも部分的に排出する少なくとも1つのガス排出領域(171、172、173)を備える少なくとも1つの連続表面領域(3)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、ガラスまたはガラスセラミックの製造に関し、特にセラミック化する間ガスベッド上に載置することによるガラスまたはガラスセラミックの製造に関し、ならびに本方法により製造されるガラスまたはガラスセラミックの製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスセラミックのプレートは、とりわけ、現代のホブ用の調理表面として、オーブンの窓ガラスまたは耐火グレージングとして広く用いられている。ガラスセラミックの場合、強度および表面条件が、その使用分野での基本的な役割を担う。
【0003】
ホブ用途のためのガラスセラミックのプレートの強度を上げるために、ホブ用に使用されるガラスセラミックは、現在、下側にノブのついた構造を有する場合が多い。
【0004】
特に、ノブは、特にガラスセラミックをセラミック化するプロセスで発生する強度を減少させる損傷からセラミックプレートの下側を保護する。
強度は、下部への損傷を吸収するノブにより最終的に実現される。
【0005】
しかし、こうしたノブつきガラスセラミックのプレートが有する欠点は、なかでも、ガラスセラミックのプレートを通って送られる光の散乱である。従って、ガラスセラミックプレートの下方の展示物または構造体を歪みなしで見えるようにすることは不可能であり、可能であったとしても困難が伴う。
【0006】
従来、両サイドが平滑な表面であるガラスセラミックのホブ表面は、ホブ用としても製造されてきた。プレートの厚さ4mmの場合、落下高さ36cmの平均強度値が、10×10cmの試験フォーマットにおいて実現された。
【0007】
現代のセラミック化方法では、最大50cmの落下高さの強度が、両サイドが平滑である厚さ4mmのガラスセラミックプレートに対して実現されている。十分な強度を備えた、両サイドが平滑であるこうしたガラスセラミックのホブ表面は、これまで、ガラスセラミックプレートを再研磨することにより得られている。このプロセスは、工業生産では経済的に実施することができない。
【0008】
ストーブおよびオーブンの窓ガラス用のガラスセラミックプレートの用途では、一方である程度の強度を実現することが同様に必要である。他方では、ガラスセラミックの表面は、損傷なしであるべきである。というのは、表面への損傷により、光の透過および美的な印象が損なわれるからである。さらに、損傷により、ガラスが衝撃により容易に破壊され得る可能性のある部位が構成される。
【0009】
現在使用されているガラスセラミックプレートは、目に見える散乱効果を有し、強度を著しく減少させる、セラミック化プロセスによる損傷を主として含む。
【0010】
強度特性は、表面の性質により決定される。周知のセラミック化プロセスでは、セラミック化すべきグリーンガラスプレートは、セラミック支持プレート上に置かれ、この場合は、分離手段をグリーンガラスプレートと支持プレートの間に使用することができる。この場合、支持体上でセラミック化されたガラスセラミックは、一般に、支持プレートに面するサイド上に損傷を含む。
【0011】
他の方法では、懸垂セラミック化が使用される。この方法では、グリーンガラスプレートは、一端で懸垂して載置される。ガラスセラミックは、懸垂セラミック化において接触せずに載置されるために、支持体上の損傷は生じ得ないが、それでも、要件を満足するセラミックガラスプレートの平面性を実現することは困難である。さらに、懸垂においてセラミック化されるガラスセラミックの面積全体を利用できない。というのは懸垂点の領域内においてプレートが損傷するからである。
【0012】
高強度のガラスセラミックを製造する他の仕方は、セラミック化後に製品を化学的にプレストレス処理することにより提供される。この点については、独国特許第1803540号の明細書を参照されたい。しかし、この方法の欠点は、さらなるプロセス工程が必要であることであり、そこではガラスセラミックの製品を、さらに加熱する必要がある。さらに、特許明細書において示されているように、このケミカルプレストレッシング法は、非常に特殊な組成物に対してのみ適用することができる。
【0013】
セラミック化すべきプレートを支持体とプレートの間のガスクッション上に載置することは、英国特許第1383202号から公知である。この目的のために、支持体は、その中をガスクッション用のガスが送達される穴あきタイルを備える。穴あきタイルの中を送達されるガスは、プレートの境界までプレートと支持体の間を流れ、最後に排出される。しかし、こうした配置のために、比較的小さいガラスプレートしかセラミック化することができない。大きいガラスプレートでは、ガラスプレート内で創出される圧力が大きすぎるので、プレートの湾曲が生ずる。
【0014】
さらに、英国特許第1383202号では、ガスクッション用の浮揚ガスとして燃焼ガスを使用することが提案されている。しかし、これは、ガラスセラミックの諸特性にとって不利である。というのは、一方では、燃焼ガスは、ガラスセラミック上に堆積し易く、従って強度の減少の元になる粒子を含むからである。同様に、オーブンスペース中のスケール化し易い金属および燃焼生成物は、同様に、ガラスプレートの表面が汚染される元になる。
【0015】
独国特許第10045479号には、平滑なガラスを非接触で載置し輸送するための方法が記載されており、これには同様に、ガスクッション上への載置が含まれている。この目的のために、この支持体は、その中にガスがセグメント中の開口部を通って供給され、再び、セグメント間のギャップを通って排出できるセグメント構造体を備える。
【0016】
米国特許第5078775号には、上方サイドにスロット状のガス供給およびガス出口開口部を備える、ダイアフラムつきのガスクッション支持体が記載されている。ガス出口開口部は、ダイアフラム内のガス出口室に連結している。ガス供給開口部は、マニホールドシャフトを介してダイアフラムの下部サイドに連結している。ダイアフラムの下部サイドで、マニホールドシャフトおよびガス供給開口部を通り、上方サイドまで流れる圧縮ガスが供給され、このガスにより次いでその上にガラスプレートを載置できるガスクッションが生成される。しかし、供給ガスが上方サイドに垂直に供給されるこうした配置では、ガスは、マニホールド容器の壁と比較的簡単にしか接触しないので、十分な熱交換が行われず、従って、ガスは、ダイアフラムの温度、特に、支持ガラスの温度と異なる場合がある温度でガスクッション内に流入する場合がある。
【0017】
【特許文献1】独国特許第1803540号
【特許文献2】英国特許第1383202号
【特許文献3】独国特許第10045479号
【特許文献4】米国特許第5078775号
【非特許文献1】J.L.Glathart、F.W.Prestonの「The behaviour of glass under impact」、Glass Technology、1968年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、特に平滑で火炎研磨されたおよび/またはノブつきの表面を備えるガラスまたはガラスセラミック材料であって、周知のガラスセラミックと比較して著しく強度が増加し、同時に表面の光学的に乱す損傷もより少ない材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本目的は、独立請求項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品の製造方法、およびガラスまたはガラスセラミックの製品により驚くべき非常に簡単な仕方において直接実現される。有利な改良点は従属請求項の主題事項である。
【0020】
従って、本発明に記載の方法は、
原ガラス本体を製造する工程と、
浮揚支持体と原ガラス本体の間のガスクッション上に原ガラス本体を載置する工程と、
浮揚支持体上の原ガラス本体を少なくとも部分的にセラミック化する工程と
を含む。この浮揚支持体は、ガスクッション用の浮揚ガスを浮揚支持体から供給する少なくとも1つのガス供給領域、およびガスクッションからのガスを浮揚支持体中に少なくとも部分的に排出する少なくとも1つのガス排出領域を備える少なくとも1つの連続表面領域を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ガスが、マニホールドシャフトを介してダイアフラム中に送入される米国特許第5078775号において開示されたデバイスと異なり、本発明によれば、ガスクッションに供給されるガスは、1つまたは複数の室から排出される前に、浮揚支持体中に配置された1つまたは複数の室を通っても好ましくは送達される。この仕方では、ガス排出室またはその複数室と連携して、特に均一な圧力分布のみならず良好な温度平衡も実現される。ガス供給中のガスの滞留時間のために、ガスの温度は、ダイアフラムおよび載置されたガラスプレートまたはガラスセラミックプレートの温度によりよく一致する。ガラスまたはガラスセラミックを載置するための本発明によるこの配置および手順は、載置されたプレートに沿って非常に均一な温度分布を実現するのに役立つ。これにより、驚くべき簡単な仕方において、セラミック化する間本発明により載置されたガラスセラミックプレートの強度の増加ももたらされる。
【0022】
ダイアフラムから流出する浮揚ガスとダイアフラムに流入する浮揚ガスの間の熱伝達を効果的にするために、少なくとも1つのガス供給室および少なくとも1つのガス排出室が、ダイアフラム内部の支承面に沿う方向に延在する閉じたチャネルを備えることが有利である。従って、用語、閉じたチャネルとは、チューブ様式で壁によって結合したチャネルを意味することが意図される。特に、チャネルは、支承面の反対側にある浮揚支持体の底部表面から閉じられている、または少なくとも部分的に閉じられているように構成することができる。しかし、本発明の文脈での閉じたチャネルは、完全にシールされた空洞を意味するものではない。というのは、ガス供給室用の少なくとも1つの入口開口部およびガス排出室用の少なくとも1つの出口開口部が、室からの供給および排出のために、またはそれぞれ本実施形態の室に対して用意されているからである。
【0023】
ガス供給室は有利には、ガス入口開口部を備え、ガス排出室はガス出口開口部を備えることができ、それらは、ガス供給室およびガス排出室内部のガスの流れ方向が、支承面の法線に対して横方向に、特に支承面に沿って延在するように配置されている。ダイアフラム内のガス供給室およびガス排出室中の浮揚ガスが、支承面の法線に対して横方向に、特に支承面に沿った方向に流れる場合、該室内のガスの長い流路および同時に該室の壁への効果的な熱伝達は、浮揚支持体としての薄いダイアフラムにおいてさえ実現することができる。
【0024】
本発明のさらなる他の好ましい実施形態によれば、浮揚ガスは、ダイアフラムまたは浮揚支持体の下部サイド上の少なくとも1つのガス透過性連結部を通りガス供給室中に供給される。次いで、ガスをガス供給室中に供給するために、少なくとも1つのガス透過性連結部を介してガス供給室に連結され、ガス供給およびガス排出室の下方に配置された、好ましくは、セラミック壁を備えた副室を用意することができる。副室それ自体がダイアフラムもしくは浮揚支持体の1つのコンポーネントであること、あるいは少なくとも1つの副室、ガス供給室およびガス排出室を備える統合ダイアフラムを使用することもあり得る。それぞれの場合、ガス供給室は、底部で少なくとも部分的に閉じられ、浮揚ガスが、ダイアフラム内のガス供給室中への下向きのガス透過性連結部により、ガス供給室中に導入される。ガスは、下方から、例えば、米国特許第5078775号で公知のガスクッション支持体においても供給されるが、このダイアフラムは、底部で閉じられている、または少なくとも部分的に閉じられているガス供給用の室またはチャネルを備えていない。それどころか、チャネルは底部で完全に開放されている。これとは異なり、ガス透過性連結部を備えた、特に、ガス供給室として小さい断面を備えたチャネルの形態におけるガス供給室により実現される効果は、ガスがさらなるガス透過性連結部を介して支承面から排出される前に、ガス供給室中により長い時間滞留することである。本発明のこの実施形態でも、ダイアフラムとの熱交換が改善され、従ってガスクッション内の温度均一性が特に良好になる。特に、本発明によるデバイスでは、浮揚クッションの温度は、ガス供給およびガス排出のための室を備えたダイアフラムにより支承面に沿う方向における温度勾配を10℃未満、好ましくは5℃未満に保持することができる。いくらか複雑であるが、同様にあり得るのが、浮揚クッションからのガスが、ガス排出室を介して副室中に流れ、そこで排出されるように、下向きのガス透過性連結部により副室に対して対応するように取り付けられたのがガス供給室ではなくガス排出室であるような逆配置である。
【0025】
室内の圧力降下は、好ましくは、高くとも0.5ミリバールである。ガス供給室および/またはガス排出室内を流れる場合、浮揚ガスの圧力が、高くとも0.5ミリバール降下すると、次いで、特に均一な圧力分布をガスクッション内に実現することもできる。
【0026】
原ガラス本体は、次いで本発明により、例えば、浮揚オーブン内においてセラミック化される前に、通常の溶融および成型プロセスにより製造することができる。
【0027】
最小の部分セラミック化は、特に、核生成をも含むことができる。ガラスもしくはガラスセラミックが非常に軟化するおよび/またはガラスもしくはガラスセラミックプレートが大きく膨張もしくは収縮する場合はいつでも、一方では、浮揚クッション上にガラスもしくはガラスセラミックを載置することが重要である。通常のセラミック化プロセスでは、これにより、ガラスプレートと支持プレートの間の相対的な移動がもたらされ、その影響としてより敏感なガラスプレート上に擦過傷が形成される。セラミック化するために、ガラスは最初核生成温度まで加熱される。この核生成温度は、ガラスプレートがη=1010dPasからの領域の粘度に到達する温度である。従って、均一性が最高である圧力プロファイルにおける載置が、最終的に製造される製品の諸特性、特に平面性および強度に対して好ましいのは、正確にこの相にある間である。
【0028】
さらに、ガラスが、該粘度で支持体と接触しないことがさらに有利である。原ガラス本体が支持体と接触すると、次いで、ガラスが支持体に接着する場合がある。
セラミック化プロセスの間に、この核生成相の後に結晶成長相が続く。
【0029】
本発明による方法により、原ガラス本体の表面に沿ってと、該本体の上部と下部サイドの間での両方で特に均一な温度プロファイルも実現することができる。というのは、支持体とのいかなる接触ももはや存在しないからである。また、支持体は、セラミック化中に生ずる温度変化に対してゆっくりとかつ不均一においてのみ適合できる熱貯留体にもなる。
【0030】
特に相の結晶形成の間、温度の均一性は、セラミック化ガラスのその後の品質および強度にとって重要であり、そのために本発明において浮揚載置が特に有利である。
【0031】
さらに、結晶成長は、特定の温度に調節した場合に非常に速やかに行われる場合がある。このために、ガラスプレート内部で多量の熱が放出されるので、原ガラス本体が、非常に軟化し、η=1010dPas以下の粘度になる。こうした低粘度においてさえ、消費されるガス上への本発明による浮揚載置によって、損傷のない加工が可能である。
【0032】
また、最小の部分セラミック化は、完全セラミック化を含む必要がない。例えば、原ガラスの材料は、最終的に製造される製品の所望の物理特性を得るためにセミセラミック化されるだけでよい。
【0033】
セラミック化プロセスの過程では、ガラスプレートは、その幾何学的な寸法を変えることができる。この変化は、例えば、セラミック化中の相転移のために生ずる場合が多い。これは、ガラスプレートの収縮と膨張の両方を含むことができる。これらの変化は、核生成範囲と結晶成長の様々な段階の両方において生ずる場合が多い。通常のセラミック化方法では、支持プレートに対するガラスプレートの大きな相対的な移動が、これらの段階において行われ、これにより、製品中の擦過傷がもたらされる場合がある。従って、本発明による方法の有利な改良によれば、ガラスプレートまたは原ガラス本体は、それが収縮または膨張する間に、浮揚しながらガラスクッション上に載置される。
【0034】
その中にガスが供給および排出される領域を備える、連続表面を有する浮揚支持体上に載置することにより、これまで実現しなかった均一な圧力分布が、原ガラス本体の下方に実現される。原ガラスが、一般に、セラミック化中非常に軟化し、この場合、10dPas以下の粘度になる場合があっても、これにより、原ガラスは非常に小さな変形しか、またはいかなる変形をも示さない。さらに、均一な圧力分布のために、セラミック化中、本質的にいかなる引張りまたは圧縮応力も生じない。均一な圧力分布と併せて、さらに原ガラス内の特に均一な圧力分布を、本発明による方法によりセラミック化中に実現することができる。本発明以外では周知の方法において材料に生ずる非常に大きな圧力勾配のために、勾配の方向に沿って横方向に延在するガス流がもたらされる。ガスの温度が、原ガラスの温度に正確に対応しない場合、次いで、局部的に異なるガス流を介して熱が放散または供給される。しかし、原ガラスの下および上における均一な温度分布は、原ガラスのセラミック化および平面性にとって重要である。特に、数度の範囲の温度差でさえ、ガラスの湾曲の元になり得る。
【0035】
浮揚ガスが、少なくとも部分的に再循環されることがさらに有利である。このようにして浮揚ガスの回路が実現する。ガラスまたはガラスセラミックが熱い状態でガスクッション上に、例えばセラミック化のために載置される場合、これは特に有利である。再循環ガスは、ガス供給室に入る場合、従って既に加熱されており、そのために浮揚支持体は、供給される浮揚ガスによりわずかしか冷却されない。これにより、一方では、エネルギーが節約され、他方では温度分布の均一性が、ほとんどまたはまったく乱されない。可能な限り小さい温度差のために、浮揚ガスが、原ガラス本体の周囲、例えば、その中に浮揚支持体が配置されているセラミック化オーブンのオーブン空間から採取されることがさらに有利である。
【0036】
懸垂分離により製造される製品と比較して、本発明により製造されるガラスまたはガラスセラミックの製品は、平面的な表面によりさらに差別化される。懸垂セラミック化の場合、原ガラス本体の軟化状態では、材料の流動が、重力方向、すなわち、原ガラス本体の表面に沿って行われる場合があり、これは、最終的なセラミック化製品の厚さが、著しく不均一になる元である。本発明により平面支持体上に存在してセラミック化される原ガラス本体では、湾曲した場合の復元力が、懸垂で載置された原ガラス本体の場合よりもやはりはるかに大きい。本発明によるセラミック化では、原ガラス本体の表面は、支持体の表面に一致するので、非所望の湾曲が補償される。しかし、この効果は、自由懸垂された本体では起こらないので、湾曲が残留し得る。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、表面全体をセラミック化したガラス壁のガラスセラミックの製品を得るために、原ガラス本体の表面全体をセラミック化することが行われる。これは、浮揚支持体のために可能である。というのは、原ガラス本体を保持または案内するために、保持または案内を、まったくまたは最小限にしか必要としないからである。逆に、例えば、懸垂セラミック化では、保持領域のセラミック化を行うことがまったくできない。というのはそこにある材料は、軟らかすぎるか、または大きな損傷が生じているからである。
【0038】
本発明による方法を実施する、すなわち、本発明によるガラスまたはガラスセラミックの製品を製造するために適したデバイスは、やはりその開示が本発明の主題事項に全体として組み込まれている、発明の名称「ガラスまたはガラスセラミックの非接触での移送また支持のための方法および装置」として本発明と同じ日に出願された本出願人の独国出願においても記載されている。
【0039】
原ガラス本体または予備ガラス本体の製造は、原ガラスウエブからセクションを分離することを含むのがやはり有利である。次いで、この分離したセクションを別個にセラミック化することができる。これにより、ガラスセラミックの強度を減少させる損傷を引き起こす場合がある、続いてのセラミック化材料のコーティングが避けられる。
【0040】
反対に、原ガラスの結晶化プロセスは、本発明による方法により乱されない。従って、これにより、新規で驚くべき特性を有する、本発明による方法により製造可能なガラスセラミック、あるいはガラスまたはガラスセラミックの製品がもたらされる。本発明による方法により製造可能なガラスまたはガラスセラミックの製品とは、ガラスおよび/または特にガラスセラミックおよび/またはセミセラミック化ガラスを含むことができる材料を含む製品を意味することが意図される。
【0041】
本発明により製造可能なガラスセラミックの製品は、化学的なプレストレッシングなしで強度が増加するので、本発明の一実施形態によればプレストレッシングは除外される、すなわち、本発明によるガラスセラミックの製品は、本発明中では化学的にプレストレス処理されない。
【0042】
本発明により製造されたガラスまたはガラスセラミックの製品の強度を特徴付けるために、強度測定として標準化された落下試験を実施することができる。この場合、試験すべきプレートを、規定フォーマット(100mm×100mm)を有する試料に切断し、またはこの規定フォーマットで製造し、ボール落下試験により試験する。このボール落下試験は、規定質量(m=200g)および規定直径(Φ36mm)の鋼球を最初の高さから試料の中心に自由落下させることにより実施される。試料がこの落下により破壊することなく存在したら、次いで、落下高さを増してこの落下を繰り返す。それぞれ規定された仕方で落下高さを増やしながら、この反復方法を試料の破壊が起こるまで実施する。破壊が起こる落下高さをこの試料の強度の指標として採用する。試験すべきプレート全体、または製造された製品のバッチの強度は、それから切断された試料の個々の強度の平均値として与えられる。
【0043】
従って、特に、この製造方法のために、本発明により製造可能な製品は、周知のガラスセラミック材料と比較して、破壊強度が著しく増加しており、これは、上記の試験における対応する平均落下高さの増加により明らかにされている。この強度の増加は、追加のプレストレス処理を受けていない、特に化学的なプレストレッシングなしのガラスセラミックの製品によりすでに示されている。従って、本発明によるガラスまたはガラスセラミックの製品は、10cm×10cmのフォーマットのガラスまたはガラスセラミックの製品の厚さ1ミリメートル当り少なくとも15cmである平均の破壊落下高さにより区別される。ガラスまたはガラスセラミックの製品の厚さ1ミリメートル当り18cmである平均の破壊落下高さも、容易に実現されるか、または凌駕される。これらの値は、特に製品の材料の厚さが3〜5ミリメートルの範囲において証明されているが、この範囲より上および下の厚さの他の材料に対しても適用され得る。というのは破壊強度と平均破壊落下高さの間には、基本的な直線関係があるからである。
【0044】
最初の発見によれば、本発明により製造可能なガラスセラミックの製品の強度の増加は、なかでも、製品の表面上に形成されるガラス質フィルムによるものである。
【0045】
一般に、セラミック製品の厚さ1ミリメートル当り20cmまたはセラミック製品の厚さ1ミリメートル当りの平均破壊落下高さが少なくとも25cmさえもが実現される。さらに、プレートの厚さ1ミリメートル当りの平均破壊落下高さ30センチメートル以上さえもが、製造パラメーターを最適化することにより実現可能である。
【0046】
本発明により製造可能なガラスセラミックの製品のこれらの有利な強度特性により、通常製造される製品と比較して等しい強度に対する厚さを減少させることが可能になり、このために、とりわけ材料のコスト、従ってこうした製品の価格が低下する。
【0047】
ガラスプレートが、ボールの衝撃を曲げにより吸収するのに十分な機会を有する限り、プレートの厚さと破壊落下高さの間の直線関係は適用される。しかし、特に厚いガラスプレートの場合、プレートはより早期に破壊する場合がある。直線関係からの乖離は、厚さ約10mmを超える範囲の厚いガラスプレートで起る場合があり、この場合、落下高さの平均値の勾配は、従って、一般にプレートの厚さの増加とともに減少する。広い範囲に適用される、破壊落下高さとプレートの厚さの間の直線関係は、とりわけ、J.L.Glathart、F.W.Prestonの「The behaviour of glass under impact」、Glass Technology、1968年において周知である。
【0048】
本発明により製造可能なガラスまたはガラスセラミックの製品は、特に、両方のサイドが平面である厚さ3ミリメートルのプレート形態において10cm×10cmのフォーマットを用いて45センチメートルを超える落下高さの破壊しにくい材料からなることができる。一般に、少なくとも60cmの破壊落下高ささえ実現される。
【0049】
特に、その材料が、両方のサイドが平面である厚さ3ミリメートルのプレート形態において少なくとも80センチメートルの落下高さで平均として破壊しにくいように、本発明によるガラスまたはガラスセラミックの製品を製造することも可能である。
【0050】
本発明によるガラスまたはガラスセラミックの製品の他の実施形態によれば、それは、両方のサイドが平面である厚さ5ミリメートルのプレート形態において少なくとも140センチメートルの落下高さで平均として破壊しにくい材料からなる。これは、落下高さで測定された、化学的なストレッシングのない周知のガラスセラミックの製品の強度を2倍を超えて凌駕する。
【0051】
上記の特定の値は、特定の形状および厚さを有する材料に関するものである。これは一般的に、ガラスまたはガラスセラミックの製品それ自体が、10cm×10cmのフォーマットでなければならないことを意味するものではなく、ガラスまたはガラスセラミックの製品からそれぞれ指示された厚さで切断された試験体が、該平均破壊落下高さであることを意味する。従って、本発明によるガラスまたはガラスセラミックの製品は、多数の他の形状およびまた他の厚さを有することができる。
【0052】
特に、強度に関する規格は、その形状および厚さではなく、製品の材料を特徴付けるのに役立つ。本発明による製品が、プレート様でない形状、または異なる厚さを有する場合、落下試験によりその機械特性を求める目的で、落下試験を実施するために、規定された厚さを有する1枚または複数のプレートを製造し、本発明により同じ原ガラスからセラミック化することができる。例えば、強度値は、上記で特定された値を内挿することにより、様々なプレート厚さに対して簡単な仕方で得ることができる。本発明の一実施形態によれば、従って本発明による製品は、鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、フォーマットが10×10cmで厚さが3〜5ミリメートルの範囲である両サイドが平面の厚いプレートの形態で、少なくともxセンチメートル、少なくとも60センチメートルの平均落下高さを有する破壊しにくい材料からなり、xが、内挿関係式:x=(140cm−45cm)/2mm*(mmで表されたプレート厚さ−3mm)+45cmで与えられる。
【0053】
本発明による方法の一実施形態によれば、予備ガラス本体を、両サイド上で動ける対応するガラスまたはガラスセラミックの製品が得られるように、例えば、厚さ3または5ミリメートルで両サイドが平面のガラスプレートの形態において製造し、続いて少なくとも部分的に浮揚させながらセラミック化する。こうした製品は、例えば、ガラスセラミックホットプレート、ストップ窓ガラス、防炎もしくは防火板ガラスとして適している。本発明による浮揚させながら実施されるセラミック化プロセスにより、製品の火炎研磨表面が提供される。機械的にあとから研磨された表面に比較して、火炎研磨表面の表面損傷は、実質的により少なく、または周知でさえあり、そのために、そうしたあとから研磨されたプレートに比較して、本発明による製品の強度の増加がもたらされることにもつながる。従って、本発明により製造可能なガラスまたはガラスセラミックの製品は、安全グレージングとして使用することができる。こうした安全グレージングは、特に、強化グレージングまたは防弾ガラスにもなり得る。十分に高い破壊安全性を実現するために今日製造される場合が多いノブつきプレートを、本発明による方法により製造し、浮揚させながらセラミック化することもできる。この目的のために、対応する予備または原ガラス本体を、特に、一方のサイドにノブをつけたガラスプレートの形態において製造する。本発明による方法のこの実施形態に対しては、ノブが、ダイアフラムに面したサイドに存在する場合、浮遊高さを一定にしたいくらかより大きいガス流が一般に必要とされる。ノブつき構造体は、例えば、溶融および成型プロセスにおいて成形中、予備ガラスウエブの一方のサイド、特にガラスウエブの下部サイドにノブつきローラにより型押しされてもよい。ノブつき構造体は、円形もしくは楕円形、または他の突起である規則パターンの突出物を有することができる。
【0054】
その外形では通常製造されるノブつきプレートに対応する、こうした本発明により製造可能なガラスまたはガラスセラミックの製品も、そうした通常製造されるノブつきプレートに比較して、少なくとも20%破壊安全性が増加している。
【0055】
本発明によるガラスまたはガラスセラミックの製品は、SiO−Al−LiO系、SiO−Al−MgO系、SiO−Al−BaO系の少なくとも1種の材料系からなることが有利である。
【0056】
この材料は、原ガラスの機械的および光学的特性ならびに粘度に影響を与えるために、通常の濃度における酸化物TiO、ZrO、Pの少なくとも1種をさらに含むことができる。
【0057】
原ガラス本体の製造は、原ガラスのファイニング工程を含むことが有利である。基本的に泡のない原ガラスは、ファイニングにより得られ、これは、本発明による製品の強度に大きな寄与をもたらす。この目的のために、原ガラスに、As、Sb、CeOまたはSnOなどのファイニング剤を添加することができ、従って、これらは、最終的に製造される製品の材料中にも存在する。
【0058】
特に光学的特性に影響を与えるために、例えば、本発明による製品に所望の着色をするために、少なくとも1種の着色用酸化物を原ガラスの材料に添加することができる。
【0059】
本発明による一実施形態によれば、最終製品または原ガラスの材料は、以下の成分を含む:
LiO 2.5〜5.5%、
NaO 0〜3.0%、
O 0〜3.0%、
ΣNaO+KO 0〜4.0%、
MgO 0〜3.0%、
CaO 0〜2.5%、
SrO 0〜2%、
BaO 0〜3.5%、
ZnO 0〜3.5%、
Al 18〜27%、
SiO 52〜75%、
TiO 1.0〜5.5%、
ZrO 0〜3.0%、
SnO <1.0%、
ΣTiO+ZrO+SnO 2.0〜6.0%、
0〜8.0%。
【0060】
量の明細は、重量割合として重量%により与えられる。総和記号「Σ」は、総和記号のあとに挙げられた成分の物質量の和を示す。
【0061】
ガラスまたはガラスセラミックの製品の第2の実施形態によれば、その材料は以下の組成の1種を有する:
【0062】
【表1】

上記の表中の割合は、同様に重量%で与えられる。
【0063】
ホブに対して所望される場合が多い暗い着色は、その組成が0.02〜0.6重量%のVを含む製品または原ガラスの材料の組成物により有利に実現され得る。従って、透明な製品に対しては、基本的にVを含まない組成物を有利には選択することができる。
【0064】
最終的にセラミック化される材料の原ガラスの組成物は、有利には、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Ni、Se、Cl化合物を含む群からの少なくとも1種の化合物をさらに含むことができる。こうした化合物は、特に、着色を支持し、特定の色軌跡に調整するのに適している。
【0065】
本発明による方法の一実施形態によれば、原ガラス本体のセラミック化は、特に、原ガラス本体を、好ましくは浮揚オーブン中で清浄に電気により加熱する工程を含む。
【0066】
異物の沈殿を防止し、これによる強度の低下を避けるために、浮揚ガスは、例えば精製用フィルタを用いて、精製し、従って可能な限り清浄に保つこともできる。
【0067】
浮揚支持体は、有利には、連続表面領域を備えた少なくとも1つのダイアフラムおよび少なくとも1つのガス供給室および少なくとも1つのガス排出室を備えることができる。これらの室は、好ましくは、それぞれガス供給およびガス排出領域の下方に配置される。このようにして、ガスは、ガス供給室を介してガス供給領域に供給され、連続表面領域と原ガラス本体の間のガスクッションを形成する。他方、過剰のガスは、ガス排出領域を通り、下方に配置されたガス排出室中を通過することができる。ガス供給およびガス排出は、ガス供給室とガス供給領域の間及びガス排出室とガス排出領域の間のそれぞれの圧力勾配を適切に設定することにより調整することができる。これを実現するために、圧力勾配を、ガス供給室とガス排出室の間に直線的に設定することができる。特に、室を備えた適切な形状のダイアフラムは、押出しにより製造することができる。
【0068】
本発明の好ましい実施形態によれば、ガスは、浮揚支持体の穴あき表面に供給され、供給および排出チャネルを介して排出される。浮揚支持体の表面は、有利には、それを通りガスクッションへのガスが供給または排出される多孔質材料を備えることもできる。浮揚ガスは、空気供給システムにより、ダイアフラムを通り、ダイアフラムとガラスプレートの間に形成されるガスクッション中に輸送される。原ガラス下の圧力は、特にガス排出領域およびガス排出室を備える空気排出システムにより安定化される。このようにして安定化されたガス膜のために、次いで、原ガラス本体は、ダイアフラムの上方を流れ、従って非接触で載置される。
【0069】
最高に均一な圧力プロファイルが形成されるように、押し出されたダイアフラムは孔をあけられる。この均一な圧力プロファイルは、本発明により製造されるガラスまたはガラスセラミックの製品の高度な平面性を実現するために有利である。
【0070】
ガラスの上部サイドと下部サイド間の温度差が可能な限り小さい、セラミック化のための所望の温度プロファイルは、有利には、押し出されたダイアフラムのガス供給室内で行われる浮揚ガスの温度均一化によりもたらすことができる。原ガラス本体は、セラミック化プロセス中ガラス膜上に一部または全部載置することができる。
【0071】
本発明による方法の一実施形態によれば、特定の時間的な温度プロファイルが、セラミック化プロセス中実行される。この温度プロファイルのために、原ガラス本体は、温度T1まで最初に加熱される。この温度は、例えば、650〜800℃の範囲にある。この本体は、オーブンユニットおよび原ガラス本体の形状に応じて最長4時間この温度に保持することができる。この本体を、続いて、850〜950℃の範囲内の温度T2までさらに加熱する。この本体を、次いで最長約50分間この温度T2に、保持することができる。この本体を、続いて、再び室温まで冷却する。
【0072】
平らなガラスセラミックプレートはもとより、例えば、湾曲した平面状のプレートを備えたガラスまたはガラスセラミックの製品も本発明により製造することができる。この目的のために、浮揚支持体は、湾曲した表面を備えることができる。これにより、加熱状態にある原ガラス本体は、浮揚支持体上方で重力沈降により湾曲させることができる。この場合、湾曲が非接触で行われ得るように、浮揚ガスを湾曲プロセス中に供給することが有利である。本発明の改良によれば、製品は、一方向に沿った湾曲、すなわち、一軸湾曲を備える。こうした製品は、例えば、均一湾曲を備えることができるために、円筒状の側方表面セグメントを有する。それにもかかわらず、湾曲の半径は、表面に沿って変えることもできる。こうした形状の製品の製造は、この場合一軸方向に湾曲させたダイアフラムの上方で重力沈降により上述したようにして実施することができる。
【0073】
本発明を、添付の図を参照しながら以下でより詳細に説明する。同じおよび類似である部材は、図中同じ参照番号が提供される。
【0074】
図1は、全体として1により示されたダイアフラムの形態における浮揚支持体の横断面図を表す。ダイアフラムは、好ましくは、耐火セラミックなどの適切な材料を押し出すことにより製造される。ダイアフラム1は、ダイアフラムの一方のサイド上に配置された連続支承面3の下方にあるダイアフラム中に配置された、多数の室51、52、53、71、72、73を備える。室51、52、53を介して浮揚ガスを供給することにより、ダイアフラムのセラミック化すべき原ガラス本体と、ダイアフラムの連続支承面3との間に形成されるガスクッションの浮揚ガスのために、室51、52、53は、ガス供給室として、室71、72、73は、ガス排出室として使用される。例示のために、図1は、ガスクッションまたはガス膜13上の表面領域3上方の浮揚内にあり、両サイドが平面であるプレートの形態の原ガラス本体11を示す。
【0075】
表面領域3は孔あきであり、孔としてガス供給チャネル91、92、93およびガス排出チャネル101、102、103を備える。浮揚ガスは、表面領域1および室51、52、53および71、72、73に連結しているガス供給チャネル91、92、93およびガス排出チャネル101、102、103を介して供給および排出される。ガスの流れ方向は、図1中の矢印により示されている。この目的のために、室51、52、53および71、72、73の間に、圧力差を生じさせ、ガス供給室51、52、53内がガス排出室71、72、73より圧力が高くなるように設定されている。セラミック化のために、次いで、沈殿を避けるために、原ガラス本体を例えば電気で加熱することができる。浮揚ガスは、例えば、軟化状態の原ガラス本体の表面上に堆積する場合がある懸濁粒子が基本的にないように、ガス供給室に入る前にフィルタ(示さず)により精製することができる。
【0076】
浮揚ガスは、有利には、対応する装置により再循環させることができる。この目的のために、ガスは、ガスクッションと浮揚させながら載置された原ガラス本体11の周囲との間の温度平衡を良好にするように、原ガラス本体11の周囲、例えば、ダイアフラムが配置されているオーブン空間から採取され、ダイアフラム1に再供給される。
【0077】
原ガラス本体11は、特に収縮中または膨張中および/または、他の方法では支持体に接着するおそれのあるような低粘度保有中である時のいずれの場合も、ダイアフラム1上方のガスクッション13上に載置される。収縮および成長過程は、特に結晶成長中に行われる。結晶成長段階における浮揚載置は、本発明により製造される製品の品質にとっても一般に好ましい。というのは、ガスクッション上に載置することにより、ガラス本体の上部サイドおよび下部サイド間の最小の表面温度差を伴う特に均一な温度分布を実現することが可能であるからである。
【0078】
セラミック化中、浮揚クッションの温度は、浮揚支持体の支承面に沿う方向において10℃未満、好ましくは5℃未満の温度勾配に保持される。この均一な温度分布により特に均一なセラミック化が実現される。
【0079】
図2は、ダイアフラムの形態の浮揚支持体1の一実施形態の連続表面の平面図を示す。浮揚支持体1の表面領域3は、そこでガスクッションに対する浮揚ガスが供給されるガス供給領域151、152、153およびそこでガスクッションからのガスが少なくとも部分的に排出されるガス排出領域171、172、173を備える。領域151、152、153、171、172、173は、図2の破線により示される。ガスは、ガス供給領域151、152、153内に配置されたガス供給チャネル95を介して供給され、そしてガスは、ガス排出領域内に配置されたガス排出チャネル105を介して排出される。明確にするために、チャネル95および105のうちの数個しか図2に表示されていない。図1に示されているように、チャネル95および105は、表面領域3の下方に配置された室に連結されている。特に、室51〜53、71〜73は、ガス供給およびガス排出領域の下方にあるダイアフラム3の内部上の支承面に沿う方向に延在する閉じたチャネルとして形成される。チャネルはまた、ダイアフラム1の低部に対する熱バリアが存在するように、原ガラス11に対する支承面と反対側にあるダイアフラム1の底表面から少なくとも部分的に閉鎖されている。
【0080】
図3は、ガスが、ダイアフラム1の下方に配置されている副室6を介してガス供給室内に導入されるような本発明の改良を表す。本発明のこの改良でも、ガス供給室51、52、53は、少なくとも部分的に底部において、ダイアフラム1の壁と結合している。ガス供給室51、52、53は、それぞれ、副室6からのガスを供給するために、下側または底表面4上のチャネル96の形態における下向きのガス透過性連結部を備える。副室6は、底表面4に結合した副室格納室5により形成される。副室格納室5は、好ましくは、浮揚ガスの汚染を避けるために、ダイアフラム1類似のセラミック材料から作製される。
【0081】
図2および3の補助により実施例を用いて記載されたように、本発明によるダイアフラムにより、ガラスまたはガラスセラミック11は、浮揚クッションにより支承面の上方少なくとも高さ750マイクロメートル、好ましくは最高で高くとも2ミリメートルに保持される。
【0082】
湾曲したガラスまたはガラスセラミックの製品を製造するための方法の工程を、本発明による方法を実施するためのデバイスの2つの実施形態の概略図を補助とする実施例により、図4Aおよび4Bならびに4Cおよび4Dにおいて示す。第1に、プレート状の原ガラス本体11を、成形により通常の仕方で成形する。続いてこれを、原ガラス本体11が、図4Aにおいて示すように表面領域3の上方に存在するように、ダイアフラム1の形態においてその中に配置されている浮揚支持体を備えた浮揚オーブン19の中に入れる。ダイアフラム1は、図1〜3に示したのと同様に作られている。図1〜3に示した実施形態と異なり、図4A〜4Dに示したダイアフラム1の実施形態は、湾曲した表面領域3を備える。図4Aおよび4Bの実施例により凸に湾曲した表面領域を示す。しかし、凹の湾曲または凸および凹に湾曲した領域の組合せ、例えば、波形表面も同様に可能である。図4Cおよび4Dは、凹に湾曲した表面領域を備えた実施形態を示す。
【0083】
支持体1との接触を避けるようにダイアフラム1の上方に原ガラス本体を浮遊しつづけさせるために、支持体と原ガラス本体11の間のガスクッションを、表面領域3のガス供給領域を介してのガス供給により生成させる。有利には、原ガラス本体は、本体が流されるのを防止するために、側面を少し保持または案内することもできる。こうした保持または案内には、浮揚支持体上にある間、最小の保持力しか必要としない。従って、保持または案内装置との接触点は、非常に狭い状態にあるので、原ガラス本体の表面全体のセラミック化が実現される。
【0084】
続いて、浮揚オーブン内に配置された電熱デバイス21により、原ガラス本体を軟化するまで加熱する。原ガラス本体に作用する重力のために、これは同様に湾曲し、浮揚支持体1から離れた位置にある原ガラス本体の領域は、ガスクッションにより基本的に均一な圧力分布が生成するまで沈降する。この状況は、それぞれ図4Bおよび4Dにより示される。支持体1上のセラミック化は、湾曲プロセスに組み込むことができるまたは続いて実施することができる。特に核生成プロセス中、ガラスは一般に、非常に軟らかくなり、この段階において重力沈降により容易に湾曲させることができる。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、ダイアフラムは、一軸方向に、すなわち、一方向に沿って湾曲した表面を備えるので、対応して一軸方向に湾曲したガラスセラミックの製品が得られる。
【0086】
本発明により製造されたガラスまたはガラスセラミックの製品の特性を、応用の実施例を補助として以下の実施例によりさらに説明する。
【0087】
厚さ5ミリメートルである、本発明により製造された第1のプレート状製品に対して、実現された強度値は、平均の破壊強度として140センチメートルを超える落下高さであった。この製品のガラスセラミック材料の組成は、2型ガラスに対応した。厚さ5mmのガラスプレートに対するこの値は、この厚さの非プレストレス処理ガラスセラミックプレートに対して通常得られる落下高さ60cmの値を2倍を超えて凌駕する。
【0088】
1型ガラスに対応するガラスセラミックの組成を有する、別の厚さ3ミリメートルのプレート状ガラスセラミックの製品に対して、80cmを超える平均破壊落下高さが得られた。本発明により製造されたプレート状ガラスセラミックの製品に対して、上記の実施例で示したように、少なくとも55センチメートルまたはガラスセラミックの厚さ1ミリメートル当り18cmの平均破壊落下高さが、容易に得られるまたはそれを大きく凌駕さえする。
【0089】
この場合でも、平均破壊強度に対して実現可能な落下高さは、周知のガラスセラミックの製品について実現可能な約40cmの落下高さの約2倍である。
測定値を、以下の表においてより正確に再度挙げる。
【0090】
【表2】

【0091】
この表の補助により、本発明により製造されたプレートは、連続表面およびガス供給およびガス排出領域を備え、それらによりガスクッション内に実現される高度な圧力均一性および原ガラス本体内の均一な温度分布を有する浮揚支持体上でのセラミック化の新規な方法のために非常な高強度を実現することが明らかである。示された測定値は、追加の化学的なプレストレッシングなしで実現された。
【0092】
測定値を補助として厚いガラスセラミックの製品の平均破壊落下高さの依存性を示す以下の図5を参照する。通常法で製造されたガラスセラミックプレートおよび本発明によるガラスセラミックの製品が、それぞれ示されている。この図を補助として、強度に関して、本発明により製造されたガラスセラミックの製品は、支持体上に置かれ、支持体と接触しながら通常どおりセラミック化されたガラスセラミックの製品をはるかに凌駕することが再度明らかである。
【0093】
通常どおり製造されたプレートの測定値および図5を補助として、プレートの厚さと平均破壊落下高さの直線関係も知ることができる。従って、この直線関係によれば、試験した通常どおり製造されたガラスセラミックプレートは、「A」により示された直線に対応して、プレートの厚さ1ミリメートル当り約12.5cmの平均破壊落下高さである。逆に、本発明による試験されたガラスセラミックプレートに対する図5に示した測定値は、プレートの厚さ1ミリメートル当り約28.5cmの平均破壊落下高さを示した。これらの実現された強度値は、本発明によるそれらの生産方法により実現可能な最小値、すなわち、プレートの厚さ1ミリメートル当り約15、18、20または25cmの平均破壊落下高さより上方にある。落下試験用のプレートは、実験用の配置内でセラミック化された。温度の均一性および圧力プロファイルの均一性は、産業用途においてさらに改善できるので、プレートの厚さ1ミリメートル当り30cm以上の平均破壊落下高さが可能である。
【0094】
本発明により製造されたプレートの強度の大幅な増加が、厚さ3mmおよび5mmのプレートについての例示的な実施形態において実際に示された。異なる厚さ、例えば、3mm〜5mmのプレートについても本発明により製造されたプレートは、やはり強度が対応して増加することは、当業者には明らかである。厚さ3mm〜5mmの本発明により製造されたプレートの強度の増加は、適切な文献の補助により内挿することができる。(例えば、J.L.Glathart、F.W.Prestonの「The behaviour of glass under impact」、Glass Technology、1968年を参照されたい。)従って、厚さ3mm〜5mmのプレートに対して、例示的な実施形態の強度値から直線的に内挿できる増加した強度が得られる。
【0095】
本発明は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではなく、様々な仕方で改変できることは当業者には明らかである。特に、個々の例示的な実施形態の特徴を、相互に合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明による方法を実施するためのデバイスの浮揚支持体の横断面図である。
【図2】浮揚支持体の実施形態の平面図である。
【図3】図1および図2に示された実施形態の改良を示す図である。
【図4A】本発明による方法を実施するためのデバイスの実施形態の図の補助により、湾曲ガラスまたはガラスセラミックの製品を製造するための方法の工程を示す図である。
【図4B】本発明による方法を実施するためのデバイスの実施形態の図の補助により、湾曲ガラスまたはガラスセラミックの製品を製造するための方法の工程を示す図である。
【図4C】本発明による方法を実施するためのデバイスの他の実施形態の概略図の補助により、湾曲製品を製造するための方法の工程を示す図である。
【図4D】本発明による方法を実施するためのデバイスの他の実施形態の概略図の補助により、湾曲製品を製造するための方法の工程を示す図である。
【図5】平均破壊落下高さのガラスセラミックの製品の厚さに対する依存性を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスまたはガラスセラミックの製品を製造する方法であって、
原ガラス本体(11)を製造する工程と、
浮揚支持体(1)と原ガラス本体(11)の間のガスクッション(13)上に原ガラス本体(11)を載置する工程と、
浮揚支持体(1)上の原ガラス本体(11)を少なくとも部分的にセラミック化する工程と
を含み、浮揚支持体が、ガスクッション(13)用の浮揚ガスを浮揚支持体から供給する少なくとも1つのガス供給領域(151、152、153)、およびガスクッション(13)からのガスを浮揚支持体中に少なくとも部分的に排出する少なくとも1つのガス排出領域(171、172、173)を備える、少なくとも1つの連続表面領域(3)を備える方法。
【請求項2】
浮揚支持体内部の支承面に沿った方向に延在する閉じたチャネルをそれぞれが備える、少なくとも1つのガス供給室(51〜55)および少なくとも1つのガス排出室(71〜75)を介して浮揚ガスが供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガス供給室(51〜55)およびガス排出室内の浮揚ガスが、支承面の法線に対して横方向に、特に支承面に沿った方向にダイアフラムまたは浮揚支持体に流入する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ガス供給室が、底部で少なくとも部分的に閉じ、浮揚ガスは、浮揚支持体中にあるガス供給室内への下向きのガス透過性連結部を通りガス供給室内へ導入される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
ガスが、ガス供給室およびガス排出室の下方に配置されている副室を通り、少なくとも1つのガス透過性連結部を介してガス供給室内へ導入される、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ガス供給室(51〜55)またはガス排出室(71〜75)内を流れる場合、浮揚ガスの圧力が、最大0.5ミリバール降下する、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
原ガラスの少なくとも部分的なセラミック化が、核生成を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
浮揚支持体(1)が、連続表面領域(3)を備える少なくとも1つのダイアフラムおよび少なくとも1つのガス供給室(51、52、53)および少なくとも1つのガス排出室(71、72、73)を備え、ガス供給およびガス排出に対する圧力勾配が、それぞれ、ガス供給室(51、52、53)とガス供給領域(151、152、153)との間およびガス排出室(71、72、73)とガス排出領域(171、172、173)との間に設定されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ガス供給室(51、52、53)とガス排出室(71、72、73)の間に圧力勾配が設定されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
原ガラス本体(11)のセラミック化が、原ガラス本体を電気により加熱する工程を含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
原ガラス本体(11)のセラミック化が、
650〜800℃の範囲の温度T1まで原ガラス本体を加熱する工程と、
850〜950℃の範囲の温度T2まで加熱する工程と、
室温まで冷却する工程と
を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
温度T1まで加熱した後、原ガラス本体(11)をこの温度に最長4時間保持する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
温度T2まで加熱した後、原ガラス本体(11)をこの温度に最長50分間保持する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
原ガラス本体(11)の製造が、原ガラスウエブからセクションを分離することを含む、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
原ガラス本体(11)が、両サイドが平面であるガラスプレートの形態において製造される、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
原ガラス本体が、特に一方のサイドにノブをつけたガラスプレートの形態において製造される、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
ノブつき構造体が、成形中予備ガラスウエブの一方のサイド上にノブつきローラにより型押しされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
原ガラス本体(11)の製造が、原ガラスのファイニング工程を含む、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
浮揚ガスが精製される、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
浮揚支持体(1)が湾曲表面を備え、加熱状態にある原ガラス本体(11)を、浮揚支持体(1)の上で重力沈降により湾曲させる、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
原ガラス本体(11)が、一軸湾曲を受ける、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
原ガラス本体(11)が、収縮または膨張しながら、ガラスクッション上に浮揚した状態で載置される、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
原ガラス本体(11)が、表面全体でセラミック化される、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
浮揚ガスが、少なくとも部分的に再循環される、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
ガラスクッションの温度が、浮揚支持体の支承面に沿った方向に、温度勾配10℃未満、好ましくは5℃未満で保持される、請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ガラスまたはガラスセラミック(11)が、浮揚クッションにより浮揚支持体の支承面の上方高さ少なくとも750マイクロメートル、好ましくは高くとも最高2ミリメートルに保持される、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
請求項1乃至26のいずれか1項に記載の方法により製造できる、ガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項28】
平均破壊落下高さが、フォーマット10×10cmで鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、特に厚さが3〜5ミリメートルの範囲であるガラスまたはガラスセラミックの製品の厚さ1ミリメートル当り少なくとも15cm、特に厚さ1ミリメートル当り少なくとも18cmであり、特に、好ましくは厚さが3〜5ミリメートルの範囲であるガラスまたはガラスセラミックの製品から切り出され、フォーマットが10×10cmを有する試料体が、この平均破壊落下高さを有する、請求項27に記載のガラスまたは特にガラスセラミックの製品。
【請求項29】
平均破壊落下高さが、フォーマット10×10cmで鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、特に厚さが3〜5ミリメートルの範囲であるガラスまたはガラスセラミックの製品の厚さ1ミリメートル当り少なくとも20cm、特に厚さ1ミリメートル当り少なくとも25cmであり、特に、好ましくは厚さが3〜5ミリメートルの範囲であるガラスまたはガラスセラミックの製品から切り出され、フォーマットが10×10cmである試料体が、この平均破壊落下高さを有する、請求項28に記載のガラスまたは特にガラスセラミックの製品。
【請求項30】
平均破壊落下高さが、フォーマット10×10cmで鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、特に厚さが3〜5ミリメートルの範囲であるガラスまたはガラスセラミックの製品の厚さ1ミリメートル当り少なくとも30cmであり、特に、好ましくは厚さが3〜5ミリメートルの範囲であるガラスまたはガラスセラミックの製品から切り出され、フォーマットが10×10cmである試料体が、この平均破壊落下高さを有する、請求項27乃至29のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項31】
特にフォーマット10×10cmの両サイドが平面である厚さ3ミリメートルのプレートの形態、および鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、45センチメートルを超える平均落下高さを有する破壊しにくい材料からなる、請求項27乃至30のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項32】
フォーマット10×10cmの両サイドが平面である厚さ3ミリメートルのプレートの形態、および鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、少なくとも60センチメートルの平均落下高さを有する破壊しにくい材料からなる、請求項27乃至31のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項33】
フォーマット10×10cmの両サイドが平面である厚さ3ミリメートルのプレートの形態、および鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、少なくとも80センチメートルの平均落下高さを有する破壊しにくい材料からなる、請求項27乃至32のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項34】
フォーマット10×10cmの両サイドが平面である厚さ5ミリメートルのプレートの形態、および鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、少なくとも140センチメートルの平均落下高さを有する破壊しにくい材料からなる、請求項27乃至33のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項35】
鋼製ボールの質量が200gである鋼製ボール落下試験において、フォーマットが10×10cmで厚さが3〜5ミリメートルの範囲である両サイドが平面の厚いプレートの形態で、少なくともxセンチメートル、少なくとも60センチメートルの平均落下高さを有する破壊しにくい材料からなり、xが、内挿関係式:x=(140cm−55cm)/2mm*(mmで表されたプレート厚さ−3mm)+55cmで与えられる、請求項27乃至34のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項36】
両サイドが平滑であるプレートを備える、請求項27乃至35のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項37】
一方のサイドがノブつきであるプレートを備える、請求項27乃至35のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項38】
火炎研磨された表面を有する、請求項27乃至37のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項39】
湾曲プレートを備える、請求項27乃至38のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項40】
一軸曲面を有する、請求項39に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項41】
SiO−Al−LiO系、
SiO−Al−MgO系、
SiO−Al−BaO系、
の少なくとも1種の材料系からなる、請求項27乃至40のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項42】
酸化物TiO、ZrO、Pの少なくとも1種を有する材料を含む、請求項27乃至41のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項43】
重量%における以下の成分
LiO 2.5〜5.5%、
NaO 0〜3.0%、
O 0〜3.0%、
ΣNaO+KO 0〜4.0%、
MgO 0〜3.0%、
CaO 0〜2.5%、
SrO 0〜2%、
BaO 0〜3.5%、
ZnO 0〜3.5%、
Al 18〜27%、
SiO 52〜75%、
TiO 1.0〜5.5%、
ZrO 0〜3.0%、
SnO <1.0%、
ΣTiO+ZrO+SnO 2.0〜6.0%、
0〜8.0%、
を有する材料からなる、請求項27乃至42のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項44】
重量%における以下の成分
成分: 割合:
SiO 63〜67、好ましくは65.5
Al 22〜24、好ましくは23.2
LiO 2.5〜4、好ましくは3.3
NaO 0〜0.5、好ましくは0.4
MgO 0.2〜0.8、好ましくは0.5
BaO 0〜0.5、好ましくは0.05
ZnO 0〜0.5、好ましくは0.05
ZrO 2〜2.5、好ましくは2.2
TiO 1.5〜2.5、好ましくは2.09
As 1.0〜2.5、好ましくは1.13
0.5〜1.5、好ましくは1.3
O 0〜0.5、好ましくは0.3
0〜0.1、好ましくは0.03
または以下の成分 成分: 割合:
SiO 65〜69、好ましくは67.5
Al 19〜21、好ましくは20
NaO 0〜0.5、好ましくは0.1
MgO 0.5〜1.5、好ましくは1.1
BaO 0.5〜1.5、好ましくは0.9
ZnO 1.5〜2、好ましくは1.6
ZrO 1.5〜2、好ましくは1.8
TiO 2〜3、好ましくは2.7
As 0.5〜1、好ましくは0.81
O 0〜0.5、好ましくは0.2
を有する材料からなる、請求項27乃至43のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項45】
ファイニング剤As、Sb、CeO、SnOの少なくとも1種を有する材料を含む、請求項27乃至44のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項46】
少なくとも1種の着色用酸化物を有する材料を含む、請求項27乃至45のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項47】
その組成が、0.02〜0.6重量%のVを含む材料を含む、請求項27乃至35のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項48】
その組成が、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Ni、Se、Cl化合物を含む群からの少なくとも1種の化合物を含む材料を含む、請求項27乃至47のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項49】
ガラスセラミックの製品が、表面全体でセラミック化される、請求項27乃至48のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項50】
ガラスセラミックの製品が、化学的にプレストレス処理されていない、請求項27乃至49のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品。
【請求項51】
請求項27乃至50のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品を備えるホットプレート。
【請求項52】
請求項27乃至50のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品を含む難燃性板ガラスまたは耐火性グレージング。
【請求項53】
請求項27乃至50のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品を含むストーブ用窓ガラス。
【請求項54】
請求項27乃至50のいずれか1項に記載のガラスまたはガラスセラミックの製品を備える安全なグレージング、特に強化ガラス、特に好ましくは防弾強化ガラス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−522935(P2008−522935A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544833(P2007−544833)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013245
【国際公開番号】WO2006/061243
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】