説明

ガラスセラミックス組成物および素子搭載用基板

【課題】従来よりも低い温度で焼成することができ、かつ高い反射率を有するLTCC基板を得ることが可能なガラスセラミックス組成物を提供する。
【解決手段】25〜60質量%のガラス粉末と15〜50質量%のアルミナ粉末および10〜40質量%の高屈折率フィラーを含み、前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種以上を合計で0〜20質量%、Biを0〜50質量%含有し、「(B+Biの含有量)の3倍」+「(ZnO+CaO+SrO+BaOの含有量)の2倍」+「(LiO+NaO+KOの含有量)の10倍」の値が200を超えることを特徴とするガラスセラミックス組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスセラミックス組成物および素子搭載用基板に係り、特に、発光素子等を搭載するための基板の製造に用いられるガラスセラミックス組成物、ならびにこのガラスセラミックス組成物の焼結体から構成され、発光素子等を搭載する基板として適する素子搭載用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(以下、LEDと記す。)素子の高輝度化、高効率化に伴い、携帯電話や大型液晶TV等のバックライトあるいは一般照明などに、LED素子を用いた発光装置が使われるようになっている。それに伴い、LED素子周辺の部材についてもより高性能なものが求められるようになっている。例えば、LED素子を搭載するための基板としては、樹脂材料からなるものが使用されているが、LED素子の高輝度化に伴う熱や光により劣化しやすく、例えばセラミックスのような無機材料からなるものの使用が検討されている。
【0003】
セラミックス基板としては、例えば配線基板に使用されているアルミナ基板や窒化アルミニウム基板が挙げられる。セラミックス基板は、樹脂基板に比べて熱や光に対する耐久性が高いことから、LED素子搭載用基板として有望である。しかしながら、セラミックス基板は、樹脂基板に比べて反射率が低いため、LED素子からの光が基板の後方へ漏れてしまい、前方の光度が低下するという問題がある。また、セラミックス基板は、一般に難焼結性であることから1500℃を超える高温焼成が必要となり、プロセスコストが高くなるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、低温同時焼成セラミックス(以下、LTCCと記すことがある。)基板の使用が検討されている。LTCC基板は、一般にガラスとアルミナ等のセラミックスフィラーとの複合物からなるものであり、ガラスの低温流動性によって焼結するために、従来のセラミックスよりも低い850〜900℃程度で焼結させることができる。これにより、配線導体であるAg導体と同時に焼成することができ、従来のセラミックス基板に比べてコストを低減することができる。また、ガラスとセラミックスフィラーとの界面で光が拡散反射するために、アルミナ基板や窒化アルミニウム基板よりも高い反射率を得ることができる。さらに、無機物からなるために熱や光に対する十分な耐久性を得ることができる。
【0005】
近年、LED素子の性能の向上とともに、さらに高い反射率を有するLTCC基板が求められている。さらに、従来のLTCC基板はAg導体と同時に焼成することが可能であるが、Ag導体に比べてより安価なAl導体を配線導体層として使用するには、さらに低い温度で焼成することが求められる。
【0006】
従来から、LTCC基板の反射率を高めるために、アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスのフィラー(高屈折率フィラー)を含有させる方法が検討されている。そして、Si−B−Al−Ca系のガラスに対して、アルミナ粉末とともにジルコニア粉末等の高屈折率フィラーを配合し、反射率を向上させたLTCC基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ジルコニア粉末等の高屈折率フィラーは、アルミナ粉末に比べてガラスとの屈折率差が大きいため、ガラス−セラミックス界面での拡散反射がより大きくなる結果、基板の反射率が向上する。特許文献1のLTCC基板では、ガラスの組成を調整して高屈折率フィラーの配合による焼結性の低下を補うことで、抗折強度の低下を防止している。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたLTCC基板においても、850℃〜900℃の温度での焼成を必要としているため、配線導体として、Ag導体に比べて低い温度(600℃〜650℃)での焼成を必要とするAl導体を用いることはできなかった。
【0008】
このように、従来からのLTCC基板はいずれも850℃〜900℃程度の温度での焼成を必要としているので、配線層としてAg導体よりさらに安価なAl導体を使用することはできなかった。したがって、650℃程度の温度で焼結可能であり、Al導体とともに焼成することができるLTCC用のガラスセラミックス組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2009/128354
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、従来のLTCC基板の焼成温度よりもさらに低い温度で焼成することができ、かつ高い反射率を有するLTCC基板を得ることが可能なガラスセラミックス組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、ある特定のガラス組成を有するガラス粉末とアルミナ粉末および高屈折率フィラーを組み合わせたガラスセラミックス組成物が、焼結性に優れ、従来のLTCCより低い600℃〜650℃の温度で焼成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明のガラスセラミックス組成物は、25〜60質量%のガラス粉末と、15〜50質量%のアルミナ粉末、および10〜40質量%の前記アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末を含み、半導体素子を搭載するための基板の製造に用いられるガラスセラミックス組成物であって、前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜20質量%、Biを0〜50質量%含有し、該ガラス粉末中の質量%表記での「(B+Biの含有量)の3倍」+「(ZnO+CaO+SrO+BaOの含有量)の2倍」+「(LiO+NaO+KOの含有量)の10倍」の値が、200を超えることを特徴とする。
【0013】
本発明のガラスセラミックス組成物において、前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜20質量%、Biを0〜10質量%含有することができる。また、前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜3質量%、Biを10〜50質量%含有することができる。さらに、本発明のガラスセラミックス組成物において、前記アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスは、ジルコニア、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアであることが好ましい。
【0014】
本発明の素子搭載用基板は、半導体素子を搭載するための基板であって、上記した本発明のガラスセラミックス組成物を成形および焼成してなるガラスセラミックス基板と、前記ガラスセラミックス組成物と同時焼成された配線導体層とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の素子搭載用基板において、前記配線導体層は、アルミニウムを主体とする導体金属からなる層であることができる。また、前記半導体素子は、発光ダイオード素子であることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のガラスセラミックス組成物によれば、従来のLTCC基板よりも低い温度(600℃〜650℃)で焼成することができるので、従来は同時焼成することができなかったアルミニウムを主体とする導体金属を、素子搭載用基板の配線導体として使用することができ、素子搭載用基板のコストの低減が可能である。また、本発明のガラスセラミックス組成物を焼成してなる基板は、高い反射率を有するので、LED素子のような発光素子の搭載用基板として使用すると、発光素子からの光を効率よく前方に取り出すことができ、高効率の発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の素子搭載用基板の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0019】
本発明のガラスセラミックス組成物は、LED素子のような半導体素子を搭載するための基板の製造に用いられるものであって、ガラス粉末25〜60質量%と、アルミナ粉末、15〜50質量%、およびアルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末(高屈折率フィラー)10〜40質量%をそれぞれ含有する。そして、ガラス粉末は、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜20質量%、Biを0〜50質量%含有する。さらに、このガラス粉末中の質量%表記での「(B+Biの含有量)の3倍」+「(ZnO+CaO+SrO+BaOの含有量)の2倍」+「(LiO+NaO+KOの含有量)の10倍」の値は、200を超えるものである。
【0020】
このようなガラスセラミックス組成物によれば、ガラス粉末を構成する各成分の含有量を所定の範囲とすることで、従来のガラスセラミックス組成物の焼成温度よりも低い温度(例えば600℃〜650℃)で焼成(焼結)することができる。したがって、融点が低いために従来は同時焼成することができなかったアルミニウムを主体とする導体金属を、配線導体として使用することができ、より材料コストの安いLTCC基板を得ることができる。また、本発明のガラスセラミックス組成物によれば、高屈折率フィラーが所定の割合で含有されているので、可視光領域の光に対して高い反射率を有する焼結体を得ることができる。さらに、ガラス相の結晶化が抑制されるため、反りが抑制され形状安定性が良好な焼結体を得ることができる。
【0021】
本発明のガラスセラミックス組成物におけるガラス粉末の含有量が25質量%未満であると、焼成不足になり緻密な焼結体(LTCC基板)を得ることができない。より緻密な焼結体を得る観点から、28質量%以上が好ましく、31質量%以上がより好ましい。また、ガラス粉末の含有量が60質量%を超えると、焼結体の抗折強度が不足するおそれがある。より抗折強度の高い焼結体を得る観点から、55質量%以下が好ましく、53質量%以下がより好ましい。
【0022】
このガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5〜5μmであることが好ましい。D50が0.5μm未満になると、工業的に製造しにくくまた凝集しやすくなるため、取り扱いが難しい。また、ガラスセラミックス組成物中にも分散しにくくなる。D50はより好ましくは0.8μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上である。一方、D50が5μmを超えると、焼成によって緻密な焼結体を得ることが困難になる。焼成により緻密な焼成体を得るために、ガラス粉末のD50は4μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。なお、本明細書における50%粒径(D50)は、レーザ回折散乱法で測定された値である。
【0023】
アルミナ粉末は、焼結体の抗折強度を高くするために添加される成分である。アルミナ粉末の含有量が15質量%未満であると、所望の抗折強度を実現することが困難になる。より抗折強度の高い焼結体を得る観点から、17質量%以上が好ましく、18質量%以上がより好ましい。一方、アルミナ粉末の含有量が50質量%を超えると、焼成不足になり緻密な焼結体を得ることが困難になるばかりでなく、焼結体表面の平滑性が損なわれるおそれがある。より緻密で表面の平滑な焼結体を得る観点から、45質量%以下が好ましく、42質量%以下がより好ましい。
【0024】
アルミナ粉末のD50は0.3〜5μmであることが好ましい。D50が0.3μm未満では十分な抗折強度を達成することが困難になる。より抗折強度の高い焼結体を得る観点から、D50は0.6μm以上が好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。一方、D50が5μmを超えると焼結体表面の平滑性が損なわれる、あるいは焼成により緻密な焼結体を得ることが困難になる。より緻密かつ表面の平滑な焼結体を得る観点から、D50は4μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。
【0025】
高屈折率フィラーは、焼結体(基板)の反射率を向上させるための成分であり、例えばチタニアフィラー、ジルコニアフィラー、安定化ジルコニアフィラー等を挙げることができる。アルミナフィラーの屈折率が1.8程度であるのに対して、チタニアフィラーの屈折率は2.7程度、ジルコニアフィラーの屈折率は2.2程度であり、アルミナフィラーに比べて高い屈折率を有している。
【0026】
高屈折率フィラーの添加によって十分な反射率を得るためには、高屈折率フィラーとガラスとの屈折率の差が0.4以上であることが好ましい。本発明のガラスの屈折率は1.5〜1.6程度であるので、高屈折率フィラーの屈折率は1.95を超えることが好ましく、2.0以上がより好ましく、2.05以上がさらに好ましい。ここで、屈折率は波長460nmの光に対する屈折率である。屈折率が1.95を超えるものであれば、前記した材料に限らず使用することができる。屈折率が1.95を超えるセラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム等のチタン化合物、チタンやジルコニウムを主成分とするその他の複合材が挙げられる。
【0027】
高屈折率フィラーとしては、特にジルコニア粉末を用いることが好ましい。ジルコニア粉末を用いることで、例えばチタニア粉末を用いた場合のような、400nm付近の光の吸収による反射率の低下を抑制することができる。さらに、ジルコニア粉末としては、安定化されていないジルコニアからなるものであってもよいが、Y、CaO、またはMgOの添加により部分安定化された部分安定化ジルコニアからなる粉末が好ましい。部分安定化ジルコニアを用いることで、例えば高温下での相転移を抑制し、諸特性の安定した焼結体を得ることができる。部分安定化ジルコニアの種類については、必ずしも限定されるものではないが、工業的に安価に入手することが容易な、Y添加ジルコニアが好ましい。Yの添加量としては、0.1〜10mol%であることが好ましい。
【0028】
このような高屈折率フィラーの含有量が10質量%未満であると、反射率の高い焼結体、具体的には実用上十分な反射率である85%以上の反射率(厚さ300μm)を有する焼結体を得ることができない。なお、ここで反射率は、波長460nmにおけるものである。より反射率の高い焼結体を得る観点から、高屈折率フィラーの含有量は、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上とする。一方、高屈折率フィラーの含有量が40質量%を超えると、緻密な焼結体を得ることが困難になる。より緻密な焼結体を得る観点から、35質量%以下が好ましく、31質量%以下がより好ましい。
【0029】
このような高屈折率フィラー粉末のD50は0.05〜5μmであることが好ましい。D50が0.05μm未満では、光の波長(本発明では460nm)よりも粉体の大きさが小さくなりすぎるため、十分な反射率を得ることが困難になる。D50はより好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.15μm以上である。また、D50が5μmを超えると、光の波長よりも粉体が大きくなりすぎるために十分な反射率を得ることが困難になる。より好ましくは、3μm以下であり、さらに好ましくは1.5μm以下である。
【0030】
工業的に入手可能な高屈折率フィラーの中には、非常に小さい(例えばD50が0.05μm以下)1次粒子が凝集することで比較的大きな(例えばD50が0.05μm〜5μm程度)2次粒子を形成しているものもあるが、そのような場合、所望の反射率を達成するために重要なのは1次粒子径ではなく2次粒子径である。すなわち、高屈折率フィラーが2次粒子(凝集粉)からなる場合には、所望の反射率を達成するためには、2次粒子のD50が0.05〜5μmであることが好ましい。より高い反射率を得る観点から、2次粒子のD50は、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.15μm以上である。また、2次粒子のD50が5μmを超えると十分な反射率を得ることが困難になる。高い反射率を得る観点から、2次粒子のD50は、より好ましくは3μm以下であり、さらに好ましくは1.5μm以下である。なお、上記2次粒子のD50も、凝集していない1次粒子のD50と同様にレーザ回折散乱法で測定した値である。
【0031】
次に、本発明のガラスセラミックス組成物に配合されるガラス(以下、「本発明のガラス」と記すことがある。)粉末の各成分について説明する。
【0032】
SiOは、ガラスの結晶化を抑制して安定性を向上させる成分である。ガラス粉末におけるSiOの含有量は50質量%以下とする。SiOの含有量が50質量%を超えると、ガラスの溶解性が悪化し、均質なガラスを安価に生産することが困難になる。より生産性、焼結性に優れたガラスを得る観点から、SiOの含有量は45質量%以下であることが好ましい。
【0033】
は、ガラスの焼結性を向上させる成分であり、必須成分である。ガラス粉末におけるBの含有量は15質量%以上とする。15質量%未満では焼結性が不十分となり、緻密な焼結体を得ることが困難になる。より焼結性に優れたガラスを得る観点から、Bの含有量は、16質量%以上がより好ましく、17質量%以上がさらに好ましい。一方、Bの含有量が50質量%を超えると、溶解時にガラスが分相しやすくなり、焼結体を安定して量産することができないおそれがある。安定的な量産の観点から、Bの含有量は、45質量%以下がより好ましく、43質量%以下がさらに好ましい。
【0034】
Alは、ガラスの分相を抑制して安定性を向上させる成分である。ガラス粉末におけるAlの含有量は10質量%以下とする。Alの含有量が10質量%を超えると、焼成時にアノーサイト(SiO−Al−CaO)に代表される結晶が析出し、基板が反りやすくなる。Alの含有量は、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
【0035】
ガラス粉末には、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上が含有される。ZnO、CaO、SrOおよびBaOは、いずれもガラスの溶融温度を低下させるとともに、焼結性を向上させる成分である。
【0036】
ZnO、CaO、SrOおよびBaO(以下、ROと記す。)のガラス粉末における含有量の合計(以下、ROの合計と記す。)は、3質量%以上とする。ROの合計が3質量%未満になると、焼結性が不十分となり、緻密な基板を得ることが困難になる。ROの合計は13質量%以上がより好ましく、16質量%以上がさらに好ましい。一方、ROの合計は65質量%以下とする。ROの合計が65質量%を超えると、焼成時に結晶が析出し、基板が反りやすくなる。ROの合計は、63質量%以下がより好ましく、59質量%以下がさらに好ましい。
【0037】
NaOおよびKOは、いずれもガラスの焼結性を向上させる成分である。また、NaOおよびKOとともに、必要に応じてLiOを使用することもできる。
【0038】
NaO、KO、およびLiO(以下、ROと記す。)のガラス粉末における含有量の合計(以下、ROの合計と記す。)は、20質量%以下とする。ROの合計が20質量%を超えると、結晶化が生じやすく、また焼結体の耐酸性が悪化するおそれがある。ROの合計は18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい。
【0039】
Biは、ガラスの高耐酸性を維持しつつ、焼結性を向上させる成分である。特に、耐酸性が求められる用途では、有用な材料であるが、非常に高価であるため、含有量が50質量%を超えないことが好ましい。Biの含有量は、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
【0040】
このような各成分を含む「本発明のガラス」においては、各成分の質量%表記での含有量から計算される「(BOの合計)の3倍」+「(ROの合計)の2倍」+「(ROの合計)の10倍」の値が、200を超える値となっている。なお、BOの合計は、Bの含有量とBiの含有量の合計を示している。
【0041】
本発明者は、BO(BおよびBiを示す。)、RO、ROの各成分がガラスの焼結性に与える影響を実験的に調べた結果、これらの成分の影響度の比率がおよそBO:RO:RO=3:2:10であることを突き止め、「(BOの合計)の3倍」+「(ROの合計)の2倍」+「(ROの合計)の10倍」の値(3BO+2RO+10RO)を焼結性の高さの指標に用いることが可能であることを見出した。
【0042】
「本発明のガラス」では、前記した3BO+2RO+10ROの値が200を超えるように、各成分の含有量を調整することで、このガラス粉末を使用したガラスセラミックス組成物の焼成温度を、600℃〜650℃と従来のガラスセラミックス組成物に比べて大幅に低くすることができる。3BO+2RO+10ROの値は、ガラス中の各成分の含有量(質量%表記)を基にして算出される数値である。「本発明のガラス」では、この値が210を超えることがより好ましく、218を超えることがさらに好ましい。
【0043】
「本発明のガラス」は本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。例えば、化学的耐久性を向上させる目的で、ZrO、La、Gd等を含有させることもできる。その場合、これらの成分は10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは7質量%、さらに好ましくは5質量%以下である。なお、環境への負荷を考慮して、このガラスはPbOを含有しない。
【0044】
次に、「本発明のガラス」に含まれる2つのタイプのガラスについて記載する。「本発明のガラス」は、前記した各成分の含有量の範囲で、Biの含有量を少なくして材料コストを安くしたガラス(以下、「ガラスA」と示す。)と、Biの含有量をより多くして脱バインダー性を向上させたガラス(以下、「ガラスB」と示す。)の2つのタイプのガラスを含む。
【0045】
「ガラスA」は、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜20質量%、Biを0〜10質量%含有し、3BO+2RO+10ROの値が200を超えるものである。すなわち、前記した「本発明のガラス」の組成範囲の中で、ROの含有量が多くBiの含有量が少ない組成系のガラスが、「ガラスA」となる。
【0046】
「ガラスA」は、材料コストが高いBiの含有量が少なくなっているので、原材料費が安くなり、量産性の観点から好ましい。焼結性、耐酸性、ガラスの安定性等のバランスの観点から、「ガラスA」のより好ましい組成範囲は、酸化物換算で、SiOを5〜45質量%、Bを25〜45質量%、Alを0〜5質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜20質量%、Biを0〜10質量%含有し、3BO+2RO+10ROの値が250を超えるものである。
【0047】
「ガラスB」は、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜3質量%、Biを10〜50質量%含有し、3BO+2RO+10ROの値が200を超えるものである。すなわち、前記した「本発明のガラス」の組成範囲の中で、ROの含有量が少なくあるいはゼロ(無含有)で、Biの含有量が多い組成系のガラスが、「ガラスB」となる。
【0048】
「ガラスB」は、ROの含有量が少なくBiの含有量が多くなっているので、前記した「ガラスA」より材料コストは高くなるが、耐酸性が良好であるので、基板を酸性めっき液により処理することができる。すなわち、本発明のガラスセラミックス組成物を焼成してなるLTCC基板を使用した半導体装置では、配線導体層の保護のためにめっき処理を施すことがあるが、本発明の「ガラスB」は耐酸性が良好であるので、酸性めっき液によるめっき処理が必要な場合などに好ましく使用することができる。焼結性、耐酸性、ガラスの安定性等のバランスの観点から、「ガラスB」のより好ましい組成範囲は、酸化物換算で、SiOを0〜18質量%、Bを15〜28質量%、Alを0〜5質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で20〜50質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜3質量%、Biを10〜50質量%含有し、3BO+2RO+10ROの値が210を超えるものである。
【0049】
ガラス粉末は、通常、溶融法によって上記組成を有するガラスを製造した後、このガラスを粉砕することによって製造することができる。粉砕の方法は特に限定されず、乾式粉砕でもよいし湿式粉砕でもよい。湿式粉砕の場合には溶媒として水を用いることが好ましい。また粉砕には、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を適宜用いることができる。ガラスは粉砕後、必要に応じて乾燥し、分級してもよい。
【0050】
ガラスセラミックス組成物は、このようなガラス粉末と、アルミナ粉末と、高屈折率フィラー、および必要に応じてその他の成分を所定の質量割合で配合し、混合することによって調製することができる。ガラスセラミックス組成物は、通常、グリーンシート化して使用される。すなわち、このガラスセラミックス組成物に、ポリビニルブチラールやアクリル樹脂等の樹脂をバインダーとして配合し、必要に応じてフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等の可塑剤等を配合し、混合する。次に、この混合物にトルエン、キシレン、ブタノール等の溶剤を添加してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法等によってポリエチレンテレフタレート等のフィルム上にシート状に成形する。さらに、シート状に成形されたものを乾燥させて溶剤を除去することによりグリーンシートとする。
【0051】
グリーンシートには、Alを主体とする導体金属のペーストをスクリーン印刷等の方法で印刷することにより、配線パターンや貫通導体であるビア等が形成される。また、配線等を保護するためのオーバーコートガラスをスクリーン印刷等によって形成してもよい。
【0052】
導体金属のペーストとしては、例えばAlを主成分とする金属粉末、具体的にはAlを50質量%以上含有する金属粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを用いることができる。なお、本発明においては、基板に含まれるガラス成分により導体金属と基板との接着力を十分に確保でき、また導体金属の電気抵抗(抵抗値)を上げないためにも、導体金属のペーストにはガラスフリットを配合しないことが好ましい。
【0053】
グリーンシートは、所望の形状に加工後、焼成することによってLED素子等の搭載用基板とすることができる。ここで、素子搭載用基板は、1枚のグリーンシートを焼成したものとしてもよいし、複数枚のグリーンシートを重ねて焼成したものとしてもよい。焼成は、ガラスが流動しない温度域(550℃付近)で1時間程度加熱し、樹脂等のバインダーを分解して除去する脱バインダー(脱脂)を行った後、600℃〜650℃の温度に20〜60分間保持することにより行われる。Alの融点が660℃程度であることから、600℃〜650℃の加熱により、Alペーストを十分に焼成することができる。また、焼成時のAlの過度の軟化が抑制され、配線パターンやビア等の形状が維持される。なお、ガラス粉末として、ROの含有量が少なくBiの含有量を多くした「ガラスB」の粉末を使用した場合には、脱バインダー性が良好であるので、脱バインダー工程の時間を短くあるいは省くことができる。
【0054】
こうして得られる本発明の素子搭載用基板は、従来からのガラスセラミックス組成物の焼成温度よりも低い600℃〜650℃で焼成されており、融点が低いために従来は使用することができなかったAlを主体とする導体金属が配線導体として使用されているので、安価で量産に適している。また、この素子搭載用基板は、可視光領域の光に対して高い反射率を有するので、LED素子のような発光素子からの光を効率よく前方に取り出すことができ、高効率の発光装置を提供することができる。実用上十分な光学特性とする観点から、素子搭載用基板の反射率(後述する測定方法によって求められる)は厚さ300μmで85%以上であることが好ましく、87%以上であることがより好ましい。さらに、この素子搭載用基板は、ガラス相の結晶化度が35体積%以下と低いので、焼成時(製造時)の反りが抑制され、形状安定性が良好である。ここで、結晶化率とは、ガラス相における結晶質領域の存在割合(体積割合)を指す。結晶化率は、例えば、作製した素子搭載用基板のX線回折を測定し、アルミナ粒子(あるいはジルコニア粒子)による回折ピーク強度と、ガラス相から析出した結晶による回折ピーク強度の比率を評価することによって求めることができる。あるいは、作製した素子搭載用基板の断面を、電子顕微鏡で観察し、析出した結晶と、非晶質領域の面積比を評価することによっても結晶化度を求めることが可能である。
【0055】
図1は、上記した素子搭載用基板の一例を示す断面図である。図1に示す本発明の素子搭載用基板1は、前記した本発明のガラスセラミックス組成物の焼結体から構成されるガラスセラミックス基板(LTCC基板)2を有している。LTCC基板2の一方の主面は、半導体素子、例えばLED素子のような発光素子が搭載される搭載面2aとなっている。なお、LTCC基板2の形状、厚さ、大きさ等は必ずしも制限されるものではない。また、LTCC基板2の搭載面2aには、中央部を囲み内側が例えば円形状となる側壁(図示を省略。)が設けられていてもよい。
【0056】
LTCC基板2の搭載面2aには、アルミニウムを主体とする導体金属からなる厚膜導体層3が形成されている。この厚膜導体層3は、半導体素子との接続端子(電極)となるもので、前記導体金属のペーストをスクリーン印刷等で印刷し、LTCC基板2とともに600℃〜650℃の温度で焼成することに形成されている。
【0057】
一方、LTCC基板2の搭載面2aと反対側の非搭載面2bには、外部接続用の接続端子(電極)となる厚膜導体層3が形成されている。また、LTCC基板2の内部には、搭載面2aの素子接続用の接続端子と非搭載面2bの外部接続用の接続端子とを電気的に接続する貫通導体4が設けられている。非搭載面2b側の厚膜導体層3および貫通導体4も、搭載面2aに形成された厚膜導体層3と同様に、アルミニウムを主体とする導体金属から構成されている。搭載面2a側および非搭載面2b側の厚膜導体層3の表面には、ワイヤボンディング性、密着強度、耐候性等を良好にするために、例えばニッケル/金めっき層のような導電性金属からなるめっき層を形成することができる。
【実施例】
【0058】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
実施例1〜6、比較例1〜4
表1のガラス組成の欄に質量%で示す組成となるように原料を調合・混合し、混合された原料を白金ルツボに入れて1100〜1300℃で60分間加熱溶融後、溶融ガラスを流し出し冷却した。得られたガラスをアルミナ製ボールミルで水を溶媒として20〜60時間粉砕して、ガラス粉末を得た。得られたガラス粉末の50%粒径(D50)を、島津製作所社製レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD2100)を用いて測定したところ、いずれも2.0μmであった。なお、実施例1〜3のガラスは、ROの含有量が多くBiの含有量が少ない組成系のガラス(「ガラスA」)であり、実施例4〜6のガラスは、ROの含有量が少なく(ゼロであり)Biの含有量が多い組成系のガラス(「ガラスB」)である。また、表1のガラス組成の欄には、これらの組成における「(B+Biの含有量)の3倍」+「(ZnO+CaO+SrO+BaOの含有量)の2倍」+「(LiO+NaO+KOの含有量)の10倍」の計算値を、3BO+2RO+10ROの値として示した。なお、含有量は、全て質量%で表したものとする。
【0060】
次いで、得られたガラス粉末とアルミナ粉末およびジルコニア粉末をそれぞれ表1に示す質量百分率で混合した粉末50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、樹脂(デンカ社製ポリビニルブチラールPVK#3000K)5gおよび分散剤(ビックケミー社製DISPERBYK180)をそれぞれ混合してスラリーとした。このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法を用いて塗布し、塗膜を乾燥して厚さが0.2mmのグリーンシートを作製した。なお、本実施例および比較例では、アルミナ粉末は、昭和電工社製のAL47−H(D50=2.1μm)を用いた。また、ジルコニア粉末は、部分安定化ジルコニア粉末である第一稀元素化学工業社製のHSY−3F−J(D50=0.56μm)を用いた。
【0061】
こうして得られたグリーンシートを焼成し、焼成基板(焼結体)を作製した。焼成は、550℃に1時間保持して樹脂(バインダー)を分解除去する脱バインダー工程を行なった後、650℃の温度に30分間加熱保持することにより行った。得られた基板の反射率と吸水率をそれぞれ測定した。結果をそれぞれ表1に示す。
【0062】
(反射率)
反射率は以下の方法で測定した。すなわち、幅が30mm程度の正方形のグリーンシートを1枚としたもの、2枚積層したもの、3枚積層したものを前記したように焼成し、厚さが140μm、280μm、420μm程度の3種類の焼結体サンプルを得た。得られた3つのサンプルの反射率を、オーシャンオプティクス社の分光器USB2000と小型積分球ISP−RFを用いて測定し、厚さに関して線形補完することで、厚さ300μmの焼成基板の反射率(単位:%)を算出した。反射率は波長460nmにおけるものとし、リファレンスとしては硫酸バリウムを使用した。反射率は86%以上であることが好ましい。より好ましくは87%以上である。
【0063】
(吸水率)
吸水率は以下の方法で測定した。すなわち、一辺が30mm程度の正方形のグリーンシートを6枚積層したものを前記したように焼成し、焼成基板(焼結体)を作製した。こうして得られた焼結体を0.1気圧以下の減圧下において水に1時間浸漬し、その吸水量を焼結体(浸漬前)の質量に対する割合として求めた。焼結体の吸水率は、焼結性を簡易に評価するための値であり、吸水率が0に近いほど、焼結体の組織が緻密であり焼結性が高い。一般に、吸水率が1%未満であれば焼結性が十分であると評価される。
【0064】
【表1】

【0065】
表1より、本発明の実施例1〜6のガラスは、3BO+2RO+10ROの値が200以上と、比較例1〜4のガラスより大きく、焼結性が高いことがわかる。そして、そのように3BO+2RO+10ROの値が200以上であるガラス粉末とアルミナ粉末およびジルコニア粉末を所定の割合で混合し、650℃で焼成して得られた実施例1〜6の焼成基板は、LED素子搭載用基板として好適する高い反射率(85%以上)を有するうえに、吸水率が0%となっており、650℃の温度で完全に焼結体となっていることがわかる。
【0066】
これに対して、3BO+2RO+10ROの値が140未満であるガラス粉末を、実施例と同様にアルミナ粉末およびジルコニア粉末と混合し、650℃で焼成して得られた比較例1〜3の基板は、吸水率が20%以上となっており、650℃の焼成温度では緻密な組織を有する焼結体が得られていないことがわかる。
【符号の説明】
【0067】
1…素子搭載用基板
2…LTCC基板
3…厚膜導体層
4…貫通導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25〜60質量%のガラス粉末と、15〜50質量%のアルミナ粉末、および10〜40質量%の前記アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末を含み、半導体素子を搭載するための基板の製造に用いられるガラスセラミックス組成物であって、
前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜20質量%、Biを0〜50質量%含有し、該ガラス粉末中の質量%表記での「(B+Biの含有量)の3倍」+「(ZnO+CaO+SrO+BaOの含有量)の2倍」+「(LiO+NaO+KOの含有量)の10倍」の値が、200を超えることを特徴とするガラスセラミックス組成物。
【請求項2】
前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜20質量%、Biを0〜10質量%含有することを特徴とする請求項1記載のガラスセラミックス組成物。
【請求項3】
前記ガラス粉末が、酸化物換算で、SiOを0〜50質量%、Bを15〜50質量%、Alを0〜10質量%、ZnO、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる1種または2種以上を合計で3〜65質量%、LiO、NaOおよびKOから選ばれる1種または2種以上を合計で0〜3質量%、Biを10〜50質量%含有することを特徴とする請求項1記載のガラスセラミックス組成物。
【請求項4】
前記アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスが、ジルコニア、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガラスセラミックス組成物。
【請求項5】
半導体素子を搭載するための基板であって、
請求項1乃至4のいずれか1項記載のガラスセラミックス組成物を成形および焼成してなるガラスセラミックス基板と、前記ガラスセラミックス組成物と同時焼成された配線導体層とを有することを特徴とする素子搭載用基板。
【請求項6】
前記配線導体層が、アルミニウムを主体とする導体金属からなる層であることを特徴とする請求項5記載の素子搭載用基板。
【請求項7】
前記半導体素子が、発光ダイオード素子であることを特徴とする請求項5または6記載の素子搭載用基板。

【図1】
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【公開番号】特開2011−230965(P2011−230965A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103423(P2010−103423)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】