説明

ガラス成分の化学的還元が回避可能なガラス製造方法及びシステム

【課題】少なくとも1.7の屈折率をもつ高屈折率ガラスの製造において、ガラスに含まれる還元感受性成分の還元が減じられ、さらに好ましくは防止される製造方法を提供する。
【解決手段】清澄槽及び/又は溶融るつぼ・均質化装置へ酸化剤を導入することによって、ガラスの還元感受性成分が清澄処理中に還元されることが減じられ、さらに好ましくは回避されるようにする。酸化剤として、酸素及び/又はオゾンが好ましく用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスの還元感受性成分の溶融及び清澄処理中における還元が減じられるか、または好ましくは回避される、ガラスの製造方法及び製造システムに関する。これらのガラスは好ましくは高屈折率ガラスである。本発明に従った用語「還元感受性」には、還元及び酸化双方に対する感受性、すなわち「酸化還元感受性」が含まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの高屈折率材料及びガラス、特に光学、ファイバオプティクス及びディスプレイ用途、さらには電子部品及び構成成分の保護及び不動態化用途に用いられる材料及びガラスは、溶融技術を用いて生産を行った場合、従来のシステム及び設備では透過率、屈折率の適性及び均質性、電気抵抗及び圧縮性等の上記用途にとって極めて重要な特性に関して性能ロスを生じ、そのため生産性が非効率的となっている。
【0003】
これらの材料及びガラスは、溶融状態において還元感受性及び/または腐食性である成分から成る。還元感受性である所謂多価成分は、溶融状態において種々の酸化還元状態(酸化状態)となることが可能である。このような成分の酸化還元平衡は下記式によって表わされる。
【化1】

式中、M(x+n)+は元素種Mの酸化型を表し、Mx+は元素種Mの還元型を表す。酸化還元の担い手は通常溶融液中に存在する酸素イオン(O2−)及び溶融液中に溶解した酸素(O)である。
【0004】
この酸化還元平衡について、及び酸素濃度が一定であるという前提条件において、平衡常数Kを下記式で表わすことが可能である。
K=([Mx+]・[On/4)/([M(x+n)+]) (1)
【0005】
上記式(1)及び式△H−T△S=−RT1nk(2)から、温度T及び酸素濃度[O]における酸化還元平衡[M(x+n)+]/[Mx+],[Ox]/[Red]それぞれについて下記依存関係式が導かれる。
In([M(x+n)+]/[Mx+]) = △H/(R・T)-△S/R + (n/4)・In[O2] (3)
上記式中、△Hは反応のエンタルピー、△Sは反応のエントロピー、及びRは特定のガス定数を表す。
【0006】
この結果、温度Tが上昇し、及び/または酸素濃度[O]が減少すると、酸化還元平衡は還元種Mx+の方へ移動する。
【0007】
他方温度Tの減少及び/または酸素濃度[O]の上昇に伴い、酸化還元平衡は酸化種M(x+n)+の方へ移動する。
【0008】
特定温度及び特定酸素濃度における一成分の酸化型及び還元型の酸化還元関係は、該成分溶融液の組成、物質及びマトリックス特有の熱力学的変数(△H及び△S)、及び他の多価成分との酸化還元反応可能性によって最終的に決まる。例えば、8.8重量%NaO、29.6重量%SrO、61.1重量%PO5及び0.5重量%SnOから成る組成物の溶融液中では、温度1200℃及び酸素分圧0.21バールにおいて亜鉛の約94%はSn4+(酸化型)の状態で存在し、他方Sn2+(還元型)で存在する亜鉛は僅か6%である。温度が1500℃まで上昇すれば(酸素濃度、すなわち酸素分圧が変化しない場合でも)、酸化還元関係は変化する。熱力学的平衡状態にある配列においては、亜鉛の47%はSn4+(酸化型)、50%はSn2+(還元型)として存在し、3%はすでに元素金属亜鉛として存在している。酸素濃度が上昇、すなわちその分圧が1500℃において1バール上がると、亜鉛の57.5%はSn4+(酸化型)、41%はSn2+(還元型)の形で存在し、元素金属の形で存在する亜鉛は僅か1.5%である。この溶融液中のリン酸イオンも同様に熱力学的酸化還元平衡状態下に置かれる。温度1200℃及び酸素分圧0.21バール(大気中における分圧)の条件下において、リンの約99.9%はP5+(酸化型)で存在し、P3+(還元型)は僅か0.1%である。温度1500℃及び還元条件下において、例えば酸素分圧10−5バールではリンの約89%がP5+(酸化型)として存在するが、11%はすでにP3+(還元型)として存在し、さらに0.1%は元素状態のリンとして存在する(出典:”Das Redoxverhalten polyvalenter Elemente in Phosphatschmelzen und Phosphatglaessern”, Dissertation Annegret Matthai, Jena 1999)。
【0009】
製造される材料の製品特性における難点は、構成成分の還元に関連して、一方で還元種それ自体を通過する光透過率値に直接的影響(減少)が及ぶこと、さらに還元種が容器材料と反応を起こすことによって光透過率に間接的影響(減少)が及ぶことである。さらに、電気抵抗、誘電強度等の重要材料特性に不利な影響が及び、結晶化及び成形特性にも還元種あるいは還元によって生ずる腐食生成物によって影響が及ぶ可能性がある。
【0010】
還元能をもつ種によって示される透過特性の直接的影響は、これらの種が可能な最も高い酸化状態で存在していない場合に生ずる。高い酸化状態では、通常可視スペクトル域内における光吸収下での電子移動が妨げられる電子構造となっており、このような電子構造によっても材料の光透過率はさらに影響を受ける。しかしこれら材料成分が低い酸化状態下にある場合には、電子移動を許容する電子構造が生ずる可能性がある。このような電子構造によって可視スペクトル域内で光の吸収、すなわち変色が引き起こされる。このような所謂多価成分としては、例えばニオブ、リン、バナジウム、チタン、錫、モリブデン、タングステン、鉛、そしてビスマスがある。
【0011】
これら成分が熱的あるいは化学的にさらに還元されると、Oで示される酸化状態となることができるため、元素状態で存在することが可能となる。その結果、粒子沈澱及び/または結晶化がナノメートルの範囲で起こる。これにより、光の影響下において、可視スペクトル域内においても透過率に影響を与える回析及び散乱効果が材料中に生ずる。さらに、電気抵抗、誘電強度及び結晶化特性等の他の特性にも影響が生ずる。
【0012】
沈澱した粒子あるいは結晶が成長すると、高エネルギー密度をもつ光(例えばレーザー)の照射中にガラスの崩壊を引き起こす可能性のある張力及び欠陥が材料中に生ずる。DE10138109A1に記載されているように、このような粒子は、溶融処理後ガラスの光学特性を改善するために、例えば極めて有毒な塩素ガスを用いた入念な工程を通して再度酸化されなければならない。ガラスバッチ中へ硝酸塩を添加してNO及び他の含窒素ガスを遊離させて溶融液へ強酸化条件を与えることは環境及び作業安全上の理由から禁じられるべきである。上記方法は、遊離リン酸(P)が爆発性反応を引き起こす可能性があることからも極めて危険な方法である。
【0013】
溶融液中において元素状態まで熱的及び/または化学的に還元可能な成分としては、例えばリン、錫、ゲルマニウム、鉛、ヒ素、アンチモン、モリブデン、ビスマス、銀、銅、白金及び金を挙げることができる。
【0014】
溶融液中で還元された成分と容器材料との間で合金形成を生ずる親和性あるいは傾向がある場合には、還元成分は容器材料と合金形成して溶融液中における化学的平衡状態から連続的に取り出され、合金の形成によって反応が減衰されると考えられる。これにより、合金形成に伴ってるつぼ材料の抵抗及び融点が大きく低下することから、最終的にるつぼの崩壊を引き起こすサイクルが開始される。かかる事態は特にるつぼが白金族金属から成る場合には重要である。例えば、白金へリンを5%含ませて合金形成することにより融点は1770℃から588℃まで低下し、その結果るつぼの耐久性にも影響が及ぶ。
【0015】
実際的な問題として、現場で形成された合金が溶融液中にすぐに溶解し、るつぼ材料が大量に溶融液中へ流入することもある。白金成分の場合には、さらに変色や透過特性の悪化とも関連している。
【0016】
1.7、好ましくは1.75を超える高い屈折率n、及び/または精密かつ正確なプレス加工を行うためにきわめて重要な可能な限り低い軟化温度を得るためには、材料及びガラスへ大量の還元能をもつ化合物を導入することは特に危険である。
【0017】
酸化物あるいは酸化物・セラミック基材、例えばジルコニウム、ケイ酸塩、あるいは酸化アルミニウム材等の所謂耐火性材料の使用によっては上述した問題の一部のみしか解決できず、さらにこれら材料の使用は経済的観点からも妥当な解決策とは言えるものではない。これらの材料は実際上還元性ではなく、合金形成を起こして元素沈澱を生ずる特性をもたず、また腐食や耐用期間に関する限り多くの溶融成分と共存しても比較的安定である。しかしながら、溶融処理を受ける際に一部が不良状態で溶解してガラス中に欠陥を生ずる可能性がある。
【0018】
正確なプレス処理によってさらに加工可能となる特に高屈折率の溶融性組成物にとって腐食性攻撃は許容できないものである。何故なら、るつぼの溶解及び溶融液へのるつぼ材料の混入によって材料及びガラスに透過率変化だけでなく特に変形温度の上昇、粘性特性の変化、屈折率及びアッベ数の変化等の望ましくない変化が引き起こされるからである。さらに、耐火性材料に富んだ部分が条溝として目に見えて形成され、容積中の屈折率変化が生じる。
【0019】
耐火材に対して強い攻撃性の別の影響として、ガラスの特性及び均質性に対して少なからぬ劣悪化が起こることの他に、溶融装置の耐用期間が一部極端に短縮化されコスト増加が引き起こされることがある。また一方においては溶融装置の更新により、また他方においては操業中止の繰り返しによってもコストは増加する。
【0020】
壁上において材料が凍結して特定材料の接触部分を形成する冷却壁を備えた装置中において腐食性材料及びガラスを連続的に溶融し清澄する方法は多くの工業用ガラス及び光学ガラスにおいて周知であり、また特許化されている(DE10244807A1、DE19939779A1、DE10133469A1)。容器中において溶融液が加熱され、及び清澄処理が行われる該容器は、通常冷却回路が形成された蛇行構造を成し、溶融液の加熱には通常高周波輻射が用いられる。特定材料の形成境界層によって溶融液による壁材に対する攻撃が大幅に妨げられる。従って壁材によって溶融液が汚染されることはない。上記特許発明においては、所謂スカル装置中における腐食性高純度光学ガラスの溶融及び一部清澄に対して特に権利化が求められている。高屈折率溶融液の注入及び溶融には高い還元能と比較的高温が要求されるため、特に酸化ニオブ/酸化リンから成る系においては、前記引用された特許のいずれによっても必要な品質及び特性を備えたガラスを製造することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明によって解決されるべき課題は、ガラスに含まれる還元感受性成分の還元が減じられ、かつ好ましくは防止されるガラス製造方法を提供することである。本発明においては、例えば重金属リン酸ガラス、重金属硼酸ガラス、あるいは重金属ケイ酸ガラス等の高屈折率ガラスが特に対象とされる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的は、本発明に従って、酸化剤を清澄槽中へ、及び好ましくは同様に溶融るつぼ中へ注入することによって達成される。用いられる酸化剤は好ましくは酸素及び/またはオゾンである。
【0023】
本発明方法では、溶融処理は、清澄処理と同様に、好ましくは冷却剤を用いて冷却された溶融容器中において実施される。
【0024】
意外にも、処理開始当初から酸素濃度を不変的に増加させて溶融液の酸化状態を強酸化範囲内に保持でき、かつ溶融液自体が溶融るつぼと接触しなければ、還元感受性高屈折率材料及びガラスの溶融処理が該処理に必要とされる高温において十分制御可能であることが見出された。かかる溶融処理の制御は、特定材料の固化皮膜(スカル)が生成されるように、冷却剤を用いて容器壁を冷却することによって果たされる。全工程を通して酸素及び/またはオゾンを用いて気泡処理を加えることにより、塩素、フッ素等の極めて有毒な酸化剤の使用を止め、あるいは使用された硝酸塩からの二酸化窒素の発生を止めることが可能である。
【0025】
還元感受性ガラスの場合、酸素及び/またはオゾンを用いた気泡処理が、調整区域において透過率値をさらに改善するために有効であることも立証された。
【0026】
溶融液中へのエネルギーの流入は、電極を介して直接伝導され、あるいは高周波輻射を介して直接誘導される電気抵抗に依存して実施される。
【0027】
電極を用いて加熱を行う場合、溶融液に対する攻撃的影響を最小限に抑えるため、該電極は強冷却されなければならない。錫酸化物、金あるいは白金属(特に白金及びイリジウム)のような伝導性がよく、耐腐食性、かつ非還元性である材料が電極材料として用いられる。
【0028】
高周波輻射を用いて加熱を行う場合、冷却剤を用いて冷却される溶融るつぼは、高周波電磁交番磁界に対して透過性となるように作製されなければならない。
【0029】
これら可能な2つの加熱方法間のしきい値は、それぞれ必要な処理温度における溶融液の特定電気抵抗値ρであるおよそ10Ω・cmにある。この抵抗値はシステム及び状況それぞれによってある程度変化し得るので、一定のしきい値というよりもしきい値域というべきものである。
【0030】
溶融るつぼは、好ましくは冷却剤を用いて冷却される複数の壁部(高周波加熱の場合は通常スリット)と、同じく冷却剤を用いて冷却される1個の底部(高周波加熱の場合は通常スリット)から成る。壁材料としては、高熱伝動性材料が用いられる。この目的のためには、好ましくは金属または金属合金が用いられる。これらの金属または金属合金にはコーティング処理を施すことができ、あるいはコーティング処理は行われなくともよい。好ましい実施態様として、るつぼ壁はアルミニウム合金から作製される。さらに別の実施態様として、るつぼ壁はニッケル基材の合金、銅、真鍮、貴金属、あるいは高品質スチールから作製される。コーティングは含フッ素合成材料あるいは種々金属から作製可能である。
【0031】
好ましくは、溶融液は操作中に直接誘導される高周波電磁交番磁界を用いて加熱される。電極を介した伝導型電気加熱は、許容可能な最高融点における電気伝導度が溶融液の直接高周波加熱に十分でない場合のみ利用される。電気的あるいは化石燃料を用いたバーナー作動式の輻射型ヒーターによる溶融液の加熱も可能である。開始段階(例えば電磁交番磁界中へのるつぼ内容物の注入)においては、上記付加型ヒーターは好ましくは化石燃料バーナー型式で使用される。
【0032】
るつぼ底部全面に亘る酸素分圧は、酸素及び/またはオゾンを用いた気泡処理を通して保持されるため、溶融液の容積全体に亘って強酸化条件が整えられる。気泡ガスの投入は従来型の気泡ノズルを通して、あるいは発泡形成された有孔あるいは穴あけされた被冷却構造体を経て層流により正確に実施可能である。他方、このような条件によって単一溶融液成分、特にリン酸あるいはP、及び原子価の低い着色あるいは金属色及び合金形成種のうちの多価重金属酸化物の還元が防止される。他方において、(清澄剤を含めた)すべての多価種は酸化される。特定のスカル・皮膜中において溶融を行うことにより溶融るつぼに対する攻撃が回避されるため、溶融液中へのるつぼ材料の混入は起こらない。これにより、特に極めて腐食性であるPのガラスバッチ中の含量をほぼ任意的に高く選定することが可能となる。(所謂「遊離型の」)Pの利点はガラスバッチ中に得られるその高純度にある。高純度な所謂「遊離型」リン酸(P)とは対照的に、「結合型」リン酸にはその製造方法に起因して常に大量の不純物が含まれる。
【0033】
溶融液はその後に溶融るつぼから清澄槽中へ移される。
【0034】
特殊な実施態様において、前記溶融液の移動を可能な限り短い(500mm以下)高品質スチール製(溶融液にケイ酸が皆無でなければならない場合)の直接加熱型連結管を通して、あるいはケイ酸ガラスまたはセラミック製(例えば溶融物に貴金属が皆無でなければならない場合)の間接加熱型連結管を通して実施することも可能である。このようなシステムの有利な特徴は、溶融液と清澄容積との熱的及び/または流体としての分断、傑出した制御能、及び溶融液流の温度監視が可能なことである。
【0035】
別の実施態様においては、溶融液は冷却壁をもつ短い(300mm以下)区分(実際の操作では冷却されない)を通して溶融るつぼから清澄槽中へ移される。処理を開始するに当たり、溶融液はこの区分中において輻射型ヒーター(化石燃料バーナー型式あるいは電気型式)を用いて加熱される。このシステムの有利な特徴は、高温区分全体が腐食を受ける構成成分から完全に仕切られており、そのため溶融液への異物の混入をほぼ完全に防止できることである。
【0036】
前記清澄槽は、好ましくは前記溶融るつぼと同様に冷却剤を用いて冷却される複数の壁部と1個の底部(高周波加熱の場合は通常スリット)から構成される。これらの壁部及び底部は好ましくは金属あるいは金属合金から作製され、これらへコーティングを施してもよいが、コーティング処理は行われなくともよい。好ましい一実施態様においては、前記清澄槽はアルミニウム合金から作製される。しかしながら、別の実施態様では、前記槽はニッケルを基材とする合金、銅、真鍮、貴金属あるいはスチールを用いても作製される。コーティングは含フッ素合成材料あるいは他の材料を用いて形成可能である。好ましくは、溶融液は操作中に高周波電磁界を介して直接誘導加熱される。電極を介した電気伝導方式の加熱も実施可能であるが、この方式は適用可能な最高融点における電気伝導度が溶融液の直接高周波加熱に十分でない場合のみ利用可能である。電気あるいは化石燃料を用いたバーナー型式の輻射ヒーターを介して加熱を行うことも可能である。るつぼ内容物を電磁交番磁界中へ注入する開始段階においては、好ましくは化石燃料バーナー型式の付加的ヒーターが用いられる。
【0037】
酸素分圧は酸素及び/またはオゾンを用いた気泡処理を行うことによりるつぼ底部全面に亘って保持されるため、溶融液全容積に亘って強酸化状態が整えられる。気泡ガスの投入は従来型の気泡ノズルを通して、あるいは発泡形成された有孔あるいは穴あけされた被冷却構造体を経て層流により正確に実施可能である。
【0038】
この第二の気泡処理段階において、溶融液中の酸素分圧は溶融るつぼ中において調整された開始レベルまで戻される。このようにして還元プロセスは効果的に回避され、還元種は再び酸化され、清澄処理に用いる酸化還元緩衝層が溶融液中に形成される。酸素分圧は清澄剤(例えばAs、SbあるいはSn)からの酸素の遊離が清澄温度において猶可能であるように調整されるが、(不活性度の低い)ガラス成分の還元は効果的に抑制される。
【0039】
気泡処理工程で処理される気泡ガスの最少気泡サイズは、気泡が溶融液容積中を完全に上昇し、かつ清澄処理が溶融液容積中への小さな気泡の侵入に妥協することなく行われるように大形の気泡(>0.5mm)が選定されるべきであることに注意が払われなければならない。
【0040】
その後の清澄槽のより熱い区分において起こる清澄処理においては、溶融液の化学的清澄は好ましくは清澄剤の選択的熱還元と該還元に伴う酸素の遊離を通して為され、そして同時に物理的清澄は溶融液の粘度減少を通して為される。
【0041】
前記処理には、好ましくは溶融液流の清澄温度までの加熱が一時的かつ迅速に為されるような処理方法が選択される。この目的のため、清澄区分の構造は溶融液容積の滞留時間範囲を制限することができ、かつ溶融液容積中への熱供給が効率的に起こるように形状化され、さらに該構造には流れを左右できる固定型部材が設けられる。
【0042】
前記固定型部材により、その形状を介して溶融液が上方流とされ、従って気泡の上昇を補助することが可能である。このような固定型部材の好ましい形態は冷却剤を用いて冷却されるスリットスカル切片である。これら固定型部材は冷却あるいは非冷却の非還元性セラミック及び/または貴金属から作製することも可能である。
【0043】
溶融液が清澄槽の最も熱い領域を通過し、実際の清澄が終了した後、溶融液はより冷えた領域へと進入する。他方、これらのより冷えた領域においてスカル系からの出口温度の調節が為され、この出口温度は次の貴金属系に対する腐食が始まる温度よりも低く設定される。もし温度が貴金属合金とガラス成分の適合によって定まる明示的温度以下に留まれば、溶融液を介した容器壁の有意な腐食は生じない。他方、清澄処理工程において生成された、溶融液容積を上昇してそこから抜け出るほど大きくない、気泡の再吸収は、還元された清澄剤種を介して為される。
【0044】
冷却剤を用いて冷却されるスカル系における種々温度域への調節は、システム構成と処理方法を組み合わせることによって為される。
【0045】
溶融液中への高周波エネルギーの投入も高周波の場の形状及び構造に従って同様に行われる。溶融液中の場の強度は、誘導子と溶融液との距離及び作用範囲によって変更及び調整することが可能である。溶融液中への高周波エネルギーの投入はこのようにして調整及び変更可能である。高周波短絡回路の位置決め等の構成上の基準をさらに設定することにより、高周波エネルギー投入による効果を増強あるいは減弱し、それによって場を変位させることが可能である。
【0046】
広範囲に亘る気泡処理を行って溶融液容積を強くかつ荒々しく混合し、あるいは冷却剤を用いて冷却された機械的攪拌装置を用いることにより、溶融液温度を一様とし、さらに相対的に低温となる領域を温めることが可能である。これに対し、強力な気泡処理を行わずとも、ほぼ層状の流れが、温度層、強冷却された界面間の安定な温度勾配、及び溶融液あるいは無冷却界面の熱中心核領域をそれぞれ伴って形成される。これらの効果を組み合わせることにより、溶融液中へ放射される高周波エネルギー及び調整された溶融液スループットに従って、溶融液系全体に所望の温度分布が形成される。
【0047】
清澄槽のより冷たい領域を溶融液が通過した後、溶融液は冷却剤を用いて冷却される壁部あるいは底部に配置された貴金属回収システムを通して回収され、次いで後続の処理工程へと送り出される。このような回収システムはDE10329718.9−45によって公知であり、該システムの冷却は実施してもしなくてもよい。
【0048】
さらに別の処理工程が貴金属合金あるいは無水ケイ酸ガラスから成る冷却路と均質化装置から構成される。無水ケイ酸ガラス、貴金属、あるいは貴金属合金から成るこの均質化装置において溶融液の能動的(攪拌装置が介在)あるいは受動的(固定型部材が介在)な集中的混合物が生成され、これによって屈折率が均質に調整され、溝条に関する品質が特定の要求に従った必要レベルまで適合化される。前記攪拌装置及び固定型部材は貴金属、貴金属合金、無水ケイ酸ガラス、及び/またはセラミックを用いて作製可能である。
【0049】
前記冷却路は、前記均質化装置と同様に、直接あるいは間接に加熱可能である。冷却路の少なくとも一部は能動的に冷却可能である。
【0050】
冷却路の長さ及び外形は得られる溶融液の入口温度及び出口温度に従って選定される。
【0051】
均質化装置においては、容器底部にある回収用開口部を通して、溶融液流の向きを水平方向から縦方向下方へ変えることが可能である。この場合、直接あるいは間接に加熱可能である、溶融液を成形装置へ送り込むための1または2つの部材片から成るフィーダー系が取り付けられる。このフィーダー系は貴金属、貴金属合金、ケイ酸ガラス、あるいはセラミックを用いて作製される。フィーダー系の長さ及び直径は所望される時間当たりの送り込み容積に合わせて選定される。
【0052】
特に還元感受性である溶融液の場合、すでに相対的に冷たくなり、それに伴って粘度も高くなっている溶融処理部分にある溶融液中へ酸素及び/またはオゾンをさらに別途導入すると有利であると考えられる。このような低温において酸化性の酸素及び/またはオゾンを送り込むことの有利な点は、この送り込みによって酸化種の対応還元型への逆反応が熱力学的にも(低温のため)、また動力学的にも(高粘度のため)強く抑制されることである。その結果として、透過率をさらに改善することが可能となる。
【0053】
非光学用途用のガラスの場合、溶融液体積中に残存する気泡に注意することは重要ではない。代わりに、例えば貴金属製の気泡槍を単純に用いて溶融液体積中へ酸素及び/またはオゾンを注入することが可能である。
【0054】
光学用途用のガラスの場合、気泡処理されるガスの注入量は好ましくは30リットル/時間未満に選定される。溶融液中に荒々しい流れが生ぜず、かつ溶融液中に小さな酸素の気泡(<0.5mm)が生じて溶融液中に残留しないように、ノズル径及び切り取り端部はガス処理量と適合させなければならない。
【0055】
スカル型るつぼが好ましく用いられる場合、金属管は高周波コイル部分において短絡される。特殊な実施態様においては、冷却剤によって冷却される金属壁は白金または白金合金から、あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金から作製される。さらに別の実施態様では、金属壁は銅、真鍮、あるいはインコネルから作製され、白金、白金合金、あるいは含フッ素合成材料から成る層でコーティングされる。
【0056】
溶融液のガラスバッチの添加は好ましくは小さくした状態で溶融処理中に実施され、さらにガラスバッチが混合されれば有利である。
【0057】
本発明はさらに本発明に従った方法を実施するための、成分溶融るつぼ、清澄槽、及び上述したような変更が可能な均質化装置から成る装置に関する。
【0058】
本発明に従った装置の特に非限定的な実施態様を図1〜4に示す。
【0059】
これらいずれの図にも溶融液(1)とガラス液面(2)が示されている。図1に示したシステムにおいては、冷却剤によって冷却されるスカル壁部(3)と耐火性材料(6)から成る蓋部から構成される溶融るつぼ(13)が、貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る加熱可能な連結部(5)を介して、同様に冷却剤によって冷却されるスカル壁(3)部と耐火性材料(6)から成る蓋部から構成される清澄槽(14)へ連結されている。溶融るつぼ及び清澄槽の双方とも誘電子(4)で取り囲まれ、それら双方の底部には気泡処理ノズルが設置されている。
【0060】
清澄槽の内部は、流れに影響を及ぼすスカル壁部(12)形成されており、そして清澄槽は貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る冷却路を介して、耐火性材料(6)から成る蓋部と、貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る攪拌装置(9)と、貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る加熱可能なフィーダー系(10)を備えた貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る均質化装置(8)へ連結されている。
【0061】
図2に示したシステムは、溶融るつぼ(13)と清澄槽(14)がスカル部分(5a)を介して相互に連結され、及び均質化装置(8)には気泡処理ノズル(11)がさらに備えられている点で異なっている。
【0062】
図3に示したシステムでは、均質化装置にさらに変更が加えられ、攪拌装置に代わって静止型の均質化装置(9a)が設けられている。さらに、冷却路と均質化装置が一体化されている。
【0063】
この一体化部分は図4に示したシステムでは分離されている。このシステムでは、均質化装置(8)と清澄槽(14)との間に連結部として貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る冷却路(7)が設けられている。
【0064】
本発明のすべての実施態様において、貴金属の代わりに貴金属合金を用いることが可能である。また、気泡形成ノズル(11)に代えて、発泡形成された有孔あるいは穴あけされた被冷却構造体を用いることも可能である。
【0065】
本発明に従った方法を用いて製造されるガラスは好ましくは表1に示した組成から成る。
【0066】
【表1】

【0067】
上記表及び以下に示すすべての表において、複数の成分が列記されている場合、これら成分それぞれを表示された範囲内で組成物中へ別個に混合できることを意味する。
【0068】
本発明に従った方法を用いて製造可能なガラスは、特に好ましくは表2に示した組成から成る。
【0069】
【表2】

【0070】
本発明に従った方法を用いて製造可能なガラスは、例外的に好ましくは表3に示した組成から成るように製造される。
【0071】
【表3】

【0072】
本発明に従った方法を用いて製造可能なガラスは、極めて例外的に好ましくは表4に示した組成から成るように製造される。
【0073】
【表4】

【0074】
好ましくは前記ガラスのケイ酸塩及び/または貴金属含量は低く、特に好ましくは前記ガラスにはケイ酸塩及び/または貴金属は含まれない。
【発明を実施するための手段】
【0075】
実施例1〜4に本発明に従って製造されたガラスの例をそれらガラスの特性と共に示す。以下の実施例において、nは屈折率、υはアッベ数、△Pg,F,τは内部透過率を表す。なお、本発明は下記具体的実施例に限定されない。
【0076】
実施例1
下記組成から成るガラスを製造した。
:21.0%
ΣNb、Ta、Sb:50.5%
ΣMgO、CaO、SrO、BaO:19.0%
ΣLiO、NaO、KO、RbO、CsO:4.5%
ΣZnO、TiO:5.0%
【0077】
溶融スカル型るつぼ及び清澄スカル型るつぼはAlMgSi1から成るものであり、連結部分、均質化装置、攪拌装置及びフィーダーはPtIr1から成るものである。
【0078】
溶融パラメータは下記のように調整した。
溶融:1200〜1210℃、O気泡処理:3×50リットル/時間
清澄:1220〜1230℃、O気泡処理:2×20リットル/時間
混合:1180℃
フィーダー:1150℃
【0079】
上記条件によりインゴットを製造した。
【0080】
測定された光学値は下記の通りである。
=1.92773
ν=20.61
△Pg,F=−0.0312
τ(400nm;25mm)=0.104;0.002;0.115
τ(420nm;25mm)=0.435;0.232;0.495
τ(460nm;25mm)=0.812;0.748;0.846
τ(500nm;25mm)=0.898;0.858;0.932
【0081】
AlMgSi1製の溶融スカル型るつぼ中において1230℃で溶融され、かつPtIr1製の従来型清澄室中において1230℃で清澄された同一成分から成るガラスについて一定の基準値()を測定した。前記冷却路、均質化装置、攪拌装置、及びフィーダーはいずれもPtIr1製である。基準溶融液への酸素を用いた気泡処理は行わなかった。
【0082】
上記と同一溶融条件においてさらに溶融液へ酸素を用いて気泡処理することにより一定の数値()を得た。この目的のため、溶融液を混合るつぼ中、1175〜1180℃において酸素を用い1×15リットル/時間の流量で気泡処理した。
【0083】
実施例2
下記組成から成るガラスを製造した。
:22.8%
ΣNb,Ta,Sb:47.0%
ΣMoO,WO:14.0%
ΣMgO,CaO,SrO,BaO:2.0%
ΣLiO,NaO,KO,RbO,CsO:9.2%
ΣTiO,GeO:5.0%
【0084】
溶融スカル型るつぼ及び清澄スカル型るつぼはAlMgSi1から成るものであり、連結部分、冷却路、均質化装置、攪拌装置、及びフィーダーはPtIr1から成るものである。
【0085】
溶融条件は下記のように調整した。
溶融:1110〜1120℃、O気泡処理:3×30リットル/時間
清澄:1130〜1150℃、O気泡処理:2×150リットル/時間
混合:1110〜1120℃
フィーダー:1100℃
【0086】
上記条件によりインゴットを製造した。
【0087】
測定された光学値は下記の通りである。
=1.97242
ν=22.65
△Pg,F=0.0223
τ(400nm;25mm)=0.070(0.06)
τ(420nm;25mm)=0.423(0.36)
τ(500nm;25mm)=0.875(0.668)
【0088】
AlMgSi1製の溶融スカル型るつぼ中において1120℃で溶融され、かつPtIr1製の従来型清澄室中において1150℃で清澄された同一成分から成るガラスについて括弧内に与えられた基準値を測定した。冷却路、均質化装置、攪拌装置、及びフィーダーはPtIr1製のものである。溶融スカル中における流量3×30リットル/時間での酸素を用いた気泡処理は行わなかった。
【0089】
実施例3
下記組成から成る光学及び電子用途のガラスを製造した。
ΣB,SiO:10.5%
ΣSb,Bi:77.0%
ΣMgO,CaO,ZnO:12.5%
【0090】
溶融スカル型るつぼ、連結部分、冷却路、及びフィーダーはPtIr1から成るものである。
【0091】
溶融パラメータは下記の通り調整した。
溶融:1000〜1050℃、O気泡処理:3×50リットル/時間
冷却路:900〜950℃
フィーダー:850℃
【0092】
上記条件によりガラスフレークを製造した。
【0093】
測定された光学値は下記の通りである。
=2.101
【0094】
実施例4
下記組成から成る光学ガラスを製造した。
SiO:29.0%
ΣPbO,Sb:64.3%
ΣMgO,CaO,SrO,BaO:2.0%
ΣLiO,NaO,KO,RbO,CsO:6.7%
【0095】
溶融スカル型るつぼ及び清澄スカル型るつぼはAlMgSi1製のものであり、連結部分、冷却路、均質化装置、攪拌装置、及びフィーダーはPtIr1製のものである。
【0096】
溶融パラメータは下記の通り調整した。
溶融:1200〜1210℃、O気泡処理:3×30リットル/時間
清澄:1275℃、O気泡処理:2×20リットル/時間
混合:1180〜1190℃
フィーダー:1150℃
【0097】
上記条件よりインゴットを製造した。
【0098】
測定された光学的数値は下記の通りである。
=1.75815
ν=26.64
△Pg,F=0.6067
τ(400nm;25mm)=0.984
【0099】
上記ガラスは本質的にその他成分が含まれないガラスである。つまり本発明によるガラスにはその他成分が添加されていないこと、またたとえ存在しても不純物として存在するものであることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に従ったシステムの実施態様を示した図である。
【図2】本発明に従ったシステムの別の実施態様を示した図である。
【図3】本発明に従ったシステムのさらに別の実施態様を示した図である。
【図4】本発明に従ったシステムのさらに別の実施態様を示した図である。
【符号の説明】
【0101】
1:ガラス溶融液
2:溶融液面
3:冷却剤を用いて冷却されるスカル壁
4:誘導子
5:貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る加熱可能な連結部
5a:スカル連結部
6:耐火性材料から成る蓋部
7:貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る加熱可能あるいは冷却可能な冷却路
8:貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る加熱可能な均質化装置
9:貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る攪拌装置
9a:貴金属から成る静止型均質化装置
10:貴金属あるいはケイ酸ガラスから成る加熱可能なフィーダー系
11:気泡処理ノズル
12:冷却剤を用いて冷却される(流れに作用する)スカル壁
13:溶融るつぼ
14:清澄槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清澄槽へ酸化剤を導入することにより、ガラスの還元感受性成分が清澄処理中に還元されることが減じられ、好ましくは回避されることを特徴とするガラス製造方法。
【請求項2】
溶融るつぼ中へ酸化剤を導入することにより、ガラスの還元感受性成分が溶融処理中に還元されることがさらに減じられ、好ましくは回避されることを特徴とする請求項1項記載の方法。
【請求項3】
均質化装置中へ酸化剤を導入することにより、ガラスの還元感受性成分の還元が均質化処理中に還元されることがさらに減じられ、好ましくは回避されることを特徴とする請求項1項または2項記載の方法。
【請求項4】
前記酸化剤が酸素及び/またはオゾンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ガラスが少なくとも1.7の屈折率をもつ高屈折率ガラスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ガラスが下記組成から成ることを特徴とする請求項5項記載の方法;
【表1】

【請求項7】
溶融るつぼ及び/または清澄槽が高周波電磁交番磁界によって加熱されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
溶融るつぼ及び/または清澄槽が、白金、金、SnOまたはイリジウムから成る冷却型電極によって加熱されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
溶融処理が化石燃料を用いて加熱されるバーナーによって開始されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
酸化剤が、溶融るつぼ及び/または清澄槽の底部に存在する気泡処理ノズルを通して溶融液中へ導入されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
酸化剤が溶融るつぼ及び/または清澄槽の底部に存在する発泡形成された有孔あるいは穴あき構造を通して溶融液中へ層流に導入されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
溶融るつぼから清澄槽へのガラス組成物の移行が加熱可能な白金製あるいはケイ酸ガラス製の管を通して行われることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
溶融るつぼから清澄槽へのガラス組成物の移行がスカル部分を介して行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
ガラスが、少なくとも40重量%の重金属及び、少なくとも8重量%、最大で50重量%のPが含まれる重金属リン酸ガラスであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
ガラスが、少なくとも40重量%の重金属及び、少なくとも8重量%、最大で50重量%のBが含まれる重金属硼酸ガラスであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
ガラスが、少なくとも40重量%の重金属及び、少なくとも8重量%、最大で50重量%のSiOが含まれる重金属ケイ酸ガラスであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
溶融るつぼ(13)及び清澄槽(14)が含まれ、清澄槽(14)に酸化性物質、特に酸素及び/またはオゾンを導入させる手段が備えられていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項記載の方法を実施するためのシステム。
【請求項18】
前記溶融るつぼ(13)に酸化性物質、特に酸素及び/またはオゾンを導入させる手段がさらに備えられていることを特徴とする請求項17項記載のシステム。
【請求項19】
前記酸化性物質導入手段が気泡処理ノズル(11)であることを特徴とする請求項17または18項記載のシステム。
【請求項20】
前記酸化性物質導入手段が発泡形成された有孔あるいは穴あきの被冷却構造体であることを特徴とする請求項17または18項記載のシステム。
【請求項21】
溶融るつぼ(13)及び/または清澄槽(14)が高周波を用いて加熱可能な、金属製のスカル型るつぼから成る集合体であり、前記るつぼの壁は冷却剤を用いて冷却され、かつ前記壁にはスリット幅が1.5mm〜4.0mm、好ましくは2.0〜3.0mmである高周波透過性スリットが含まれることを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項記載のシステム。
【請求項22】
冷却剤を用いて冷却されるスカル型るつぼが、コーティング処理された、あるいはコーティング無処理の金属あるいは金属合金から作製されることを特徴とする請求項17〜21のいずれか1項記載のシステム。
【請求項23】
前記金属あるいは金属合金が、アルミニウム合金、ニッケルを基材とした合金、銅、真鍮、貴金属、あるいはスチールであることを特徴とする請求項22項記載のシステム。
【請求項24】
前記金属あるいは金属合金が含フッ素合成材料を用いてコーティングされることを特徴とする請求項22項または23項記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−44838(P2008−44838A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−208199(P2007−208199)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】