説明

キナーゼ阻害剤の組成物ならびに癌およびキナーゼに関連する他の疾患の治療のためのそれらの使用

本発明は、CSCPK及び関連するキナーゼの阻害剤としての新規なチアゾール置換インドリン−2−オン、キナーゼ阻害剤を用いることにより癌幹細胞を阻害する方法、そのような化合物を含む薬剤組成物、哺乳動物におけるプロテインキナーゼ関連障害の治療におけるそのような化合物を使用する方法、並びにそのような化合物及びその中間体を製造するプロセスに関する。他の態様において、本発明は、哺乳動物におけるCSCPKsの望ましくない活性を阻害又は低下させることにより、哺乳動物における癌幹細胞の生存及び/又は増殖を阻害/低減/減衰させる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2007年9月6日に出願された米国仮特許出願第60/970,410号、2007年12月13日に出願された米国仮特許出願第61/013,389号、および2008年6月20日に出願された米国仮特許出願第61/074,295号の優先権を主張し、この米国仮特許出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、癌幹細胞並びに癌幹細胞経路キナーゼ(Cancer Stem Cell Pathway Kinase−CSCPK)及び他の関連するキナーゼの阻害剤としての新規なチアゾール置換インドリン−2−オンの組成物及びその使用の方法、そのような化合物を含む薬剤組成物、哺乳動物におけるプロテインキナーゼ関連障害の治療におけるそのような化合物を使用する方法、並びにそのような化合物及びその中間体を製造するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
癌療法において何十年にもわたる努力が払われたにもかかわらず、癌は依然として公衆衛生上の大きい負担となっている。手術及び放射線療法は、原発性腫瘍の治療においてかなりの成功を収めている。しかし、癌が一旦遠隔部位に広がれば、疾患を治療するために化学療法がしばしば必要である。細胞毒性薬は、現代の癌療法において重要な役割を果たしている。しかし、それらは、通常、正常組織における実質的な細胞毒性を誘発する。癌の治療の原則が変化した。細胞毒性薬物は化学療法の世界におけるその優位を失いつつあり、癌細胞をより特異的に標的にするという目的で標的療法が開発されつつある。標的癌療法剤は、腫瘍の成長に関係する標的に対する選択性を有する比較的新しいクラスの薬剤である。それらは、著しい有効性を示し、細胞毒性薬より毒性がはるかに低い。
【0004】
プロテインキナーゼは、細胞成長、細胞増殖、細胞分化及び代謝などの広範囲の細胞過程を調節する酵素のファミリーである。プロテインキナーゼは、経路パートナーの逐次化学修飾により、細胞成長シグナルを伝達する。したがって、所定のシグナル伝達カスケード上のいずれかのキナーゼの薬理学的阻害により、全経路にわたる伝達が理論的には阻止される。さらに、プロテインキナーゼが疾患状態及び障害においてある役割を果たしていることが公知であり、例えば、キナーゼの突然変異及び/又は過剰発現は、癌においてしばしば特徴づけられ、制御されていない細胞成長としばしば相関する過剰活性をもたらす。その理由のため、プロテインキナーゼは、治療的阻害の可能な標的である[1]。癌幹細胞(CSC)は、様々な腫瘍型の範囲内の残りの細胞に欠けている腫瘍形成能を有する細胞の亜集団である。そのような細胞がほぼすべての腫瘍型に存在するという多くの証拠がある。CSCは、腫瘤の大部分を形成し、表現型特性を疾患に与える分化細胞を生じさせる。癌幹細胞は、基本的に発癌、癌転移及び癌再発の原因であることが示された。多くの腫瘍において、CSC及びそれらの分化した子孫細胞は、著しく異なる生物学的特性を有すると思われる。成熟腫瘍細胞を標的にする従来の療法は、臨床的改善をもたらす可能性があるが、CSCsも標的にしない限り、治癒をもたらすことはあり得ない。臨床的活動を癌の大部分に対する治療の効果を反映する基準によってのみ判断する場合には、まれな癌幹細胞に特有な適切な標的が見落とされる可能性がある。
【0005】
我々は、本発明における化合物がキナーゼを阻害し、癌幹細胞を死滅させることを最近示し、キナーゼが、癌幹細胞を死滅させ、又は阻害するための重要な標的であることを示した。CSCsに対して重要なこれらのキナーゼは、以後CSCPKと総称する。我々の結果は、CSCPK阻害剤を用いた癌幹細胞を標的にする方法を提供する。
【0006】
PDGFRαは、細胞増殖、血管新生及びアポトーシスに寄与する、そのリガンドであるPDGFに結合した後に活性化される受容体チロシンキナーゼ(RTK)である。それは、クラスIII受容体チロシンキナーゼファミリーに属し、CFS−1受容体/c−fms及び幹細胞成長因子/c−kit癌原遺伝子ファミリーに関連する。PDGFRα経路は、初期の胎児の発達において活性であり、肝細胞癌(HCC)、頭頚部癌、脳腫瘍、消化管腫瘍、皮膚癌、前立腺癌、卵巣癌、乳癌、肉腫並びに白血病などの多くの癌において再活性化される[2〜15]。さらに、PDGFRαの活性化は、前立腺癌の骨転移に重要な役割を果たしていることが最近示された[16、17]。さらに、PDGFRα−p70S6K経路は、インビボでの血管新生に必須であることが示された[18]。モノクローナル抗体を用いてPDGFRαを特異的に標的にすることは、比較的無毒性の療法であると同時に、腫瘍細胞の増殖及び生存の有意な減少をもたらすことが示された[11]。したがって、PDGFRαは、広域スペクトルの癌に対する毒性がより低い標的化学療法の開発の標的である。
【0007】
癌以外では、染色体の再配列がFIP1L1との融合によりPDGFRαを活性化し、特発性好酸球増多症候群が引き起こされることが十分に実証されている[5]。さらに、プロモーターの多型によるPDGFRαの活性化が、マウス突然変異モデルにより確認された二分脊椎を含む神経管欠損に関連づけられた[19]。PDGFRαの活性化は、線維症とも関連づけられた[20〜23]。そのような理由のため、PDGFRαは、抗線維症療法の可能な標的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様において、本発明は、式I
【0009】
【化1】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
は、複素環又は置換複素環、アリール又は置換アリールであり、
は、水素、アルキル又は置換アルキル、シクロアルキル又は置換シクロアルキル、複素環又は置換複素環、アリール又は置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル又は置換アルキル、複素環又は置換複素環、アリール又は置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0010】
1つの態様において、本発明は、式II
【0011】
【化2】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0012】
他の態様において、本発明は、式III
【0013】
【化3】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
11は、水素又はC1〜4アルキルであり、
12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0014】
他の態様において、本発明は、式IV
【0015】
【化4】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0016】
他の態様において、本発明は、式V
【0017】
【化5】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
11は、水素又はC1〜4アルキルであり、
12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0018】
さらなる態様において、本発明は、上文で述べた化合物又はその薬剤学的に許容できる塩及び薬剤学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤を含む薬剤組成物を提供する。特定の実施形態において、薬剤組成物は、少なくとも1つの他の抗癌療法をさらに含む。場合によっては、少なくとも1つの他の抗癌療法は、放射線療法(XRT)、細胞毒性薬、標的薬、補助薬を含む。非限定的な例としては、ゲムシタビン、エルロチニブ、タキソール/タキソテレ、白金(カルボプライン及びシスプラチン)、5−FU、アドリアマイシン、ソラフェニブ、イマチニブ、アバスチン、エルビタックス又はヘルセプチンなどがある。
【0019】
1つの態様において、本発明は、上文で述べた、治療有効量の薬剤組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌を治療する方法を提供する。
【0020】
さらなる態様において、本発明は、CSCPKsを阻害するために、上文で述べた、治療有効量の薬剤組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌を治療する方法を提供する。
【0021】
他の態様において、本発明は、哺乳動物におけるCSCPKsの望ましくない活性を阻害又は低下させることにより、哺乳動物における癌幹細胞の生存及び/又は増殖を阻害/低減/減衰させる方法を提供する。
【0022】
さらなる態様において、本発明は、上文で述べた、治療有効量の薬剤組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における癌幹細胞の生存及び/又は増殖を阻害/低減/減衰させる方法を提供する。
【0023】
他の態様において、本発明は、上文で述べた、治療有効量の薬剤組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるプロテインキナーゼ関連障害を治療する方法を提供する。
【0024】
他の態様において、本発明は、前記プロテインキナーゼを上文で述べた化合物又はその薬剤学的に許容できる塩と接触させることを含む、プロテインキナーゼの触媒活性を調節する方法を提供する。
【0025】
他の態様において、本発明は、上文で述べた化合物又はその薬剤学的に許容できる塩及びその中間体を製造するプロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】細胞アッセイにおいて、化合物10−2が、EGFR、c−Met及びHer2の活性化を遮断することを示す図である。
【図2】化合物10−2が、EGFR、c−Met及びHer2の活性化を阻害するが、チロシンキナーゼ活性の広範囲な減少を起こさないことを示す図である。
【図3】化合物10−2及び対照TKIのkimomeプロファイルを示す図である。
【図4】図4Aは、癌幹細胞が濃縮されたHoechstのサイドポピュレーション(SP)の同定を示す図である。図4Bは、化合物10−2が、癌幹細胞が濃縮されたHoechstのSPに対してより強力であることを示す図である。図4Cは、化合物10−2が、Hoechstサイドポピュレーション細胞をアポトーシスにより死滅させることを示す図である。
【図5】化合物10−2が、インビトロでCSCの球形成性を阻害することを示す図である。
【図6】化合物10−2が、インビボでCSCの球形成性を阻害することを示す図である。
【図7】化合物10−2が、ヒト前立腺癌PC3異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示す図である。
【図8】化合物10−2が、ヒト肝臓癌HepG2異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示す図である。
【図9】化合物10−2が、ヒト頭頚部癌FaDu異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示す図である。
【図10】化合物10−2が、ヒト胃癌MKN45異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
A.定義
以下は、本明細書で用いる用語の定義である。本明細書における基又は用語について示す最初の定義は、特に示さない限り、本明細書を通して当基又は用語に個別に又は他の基の一部として適用される。
【0028】
「アルキル」及び「alk」という用語は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルカン(炭化水素)基を意味する。具体例としての「アルキル」基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどがある。「C〜Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルなどの1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルカン(炭化水素)基を意味する。「置換アルキル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキル基を意味する。具体例としての置換基は、1つ又は複数の次の基:水素、ハロゲン(例えば、1つのハロゲン置換基又は複数のハロ置換基、後者の場合、CF又はClを有するアルキル基などの基を形成する)、シアノ、ニトロ、CF、OCF、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)を含むが、これらに限定されず、ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環又はアリールであり、R、R及びRは、独立に水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環又はアリールである。前述の具体例としての置換基において、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、複素環又はアリールは、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0029】
「アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、エテニル又はアリルなどである。「置換アルケニル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルケニル基を意味する。具体例としての置換基は、アルキル若しくは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0030】
「アルキニル」という用語は、2〜12個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、エチニルなどである。「置換アルキニル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたアルキニル基を意味する。具体例としての置換基は、アルキル若しくは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0031】
「シクロアルキル」という用語は、1〜4つの環及び環当たり3〜8個の炭素を含む完全に飽和した環状炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどである。「置換シクロアルキル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたシクロアルキル基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シアノ、アルキル若しくは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、スピロ結合若しくは縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合複素環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環、又は縮合アリールを含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環及びアリール置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0032】
「シクロアルケニル」という用語は、1〜4つの環及び環当たり3〜8個の炭素を含む部分的に不飽和の環状炭化水素基を意味する。具体例としてのそのような基は、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどである。「置換シクロアルケニル」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換されたシクロアルケニル基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シアノ、アルキル若しくは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、スピロ結合若しくは縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合複素環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環、又は縮合アリールを含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環及びアリール置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0033】
「アリール」という用語は、1〜5つの芳香環を有する環状芳香族炭化水素基、特にフェニル、ビフェニル又はナフチルなどの単環又は二環基を意味する。2つ又はそれ以上の芳香環(二環など)を含む場合、アリール基の芳香環は、1つの点で結合している(例えば、ビフェニル)か、又は縮合していてよい(例えば、ナフチル、フェナントレニルなど)。「置換アリール」は、いずれかの結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜3個の置換基で置換されたアリール基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、シアノ、アルキル若しくは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、縮合環基、特に、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環、又は縮合アリールを含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環及びアリール置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0034】
「複素環」又は「複素環式」という用語は、少なくとも1つの炭素原子含有環に少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族(すなわち、「ヘテロアリール」)環状基(例えば、4〜7員単環、7〜11員二環、又は8〜16員三環系)を含む、完全に飽和した、又は部分的若しくは完全に不飽和のものを意味する。ヘテロ原子を含む複素環基の各環は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有していてよく、窒素及び硫黄ヘテロ原子は、場合によって酸化されていてよく、また、窒素ヘテロ原子は、場合によって四級化されていてよい。(「ヘテロアリーリウム」という用語は、四級窒素原子、及びしたがって正電荷を有するヘテロアリール基を意味する。)複素環基は、分子の残りの部分の環若しくは環系のいずれかのヘテロ原子又は炭素原子に結合していてよい。具体例としての単環式複素環基は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン及びテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどである。具体例としての二環式複素環基は、インドリル、イソインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラザニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノオキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニル又はフロ[2,3−b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ−4−オキソキナゾリニルなど)、トリアジニルアゼピニル、テトラヒドロキノリニルなどである。具体例としての三環式複素環基は、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどである。
【0035】
「置換複素環」及び「置換複素環式」(「置換ヘテロアリール」など)は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換された置換複素環又は置換複素環基を意味する。具体例としての置換基は、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、ニトロ、オキソ(すなわち、=O)、シアノ、アルキル若しくは置換アルキル、並びに具体例としてのアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。具体例としての置換基はまた、いずれかの利用可能な結合点若しくは複数の結合点において、スピロ結合若しくは縮合環状置換基、特にスピロ結合シクロアルキル、スピロ結合シクロアルケニル、スピロ結合複素環(ヘテロアリールを除く)、縮合シクロアルキル、縮合シクロアルケニル、縮合複素環、又は縮合アリールを含み、前述のシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環及びアリール置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0036】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素を意味する。
【0037】
「炭素環式」という用語は、環のすべての原子が炭素原子である、芳香族又は非芳香族3〜7員単環式及び7〜11員二環式基を意味する。「置換炭素環式」は、いずれかの利用可能な結合点において、1つ又は複数の置換基、好ましくは1〜4個の置換基で置換された炭素環式基を意味する。具体例としての置換基は、ニトロ、シアノ、OR(Rは上文で定義した通りである)、並びに具体例としてのシクロアルキル置換基として上で引用した基を含むが、それらに限定されない。具体例としての置換基は、それら自体が場合によって置換されていてよい。
【0038】
「加熱」という用語は、変換加熱(例えば、電気加熱、蒸気加熱、ガス加熱など)並びにマイクロ波加熱を含むが、これらに限定されない。
【0039】
「薬剤学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤」という用語は、本明細書で用いているように、1つの器官又は身体の部分から他の器官又は身体の部分に対象薬剤を運搬又は輸送するのに必要とする液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料などの薬剤学的に許容できる材料、組成物又は媒体を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に危害を与えないという意味で「許容できる」ものでなければならない。薬剤学的に許容できる担体として機能することができる物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体、粉末状トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター及び坐剤ワックスなどの賦形剤、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、発熱物質不含有水、等張食塩液、リンゲル液、エチルアルコール、リン酸緩衝液、並びに医薬品製剤に用いられる他の非毒性の適合性物質などである。ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及びポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマーなどの湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、着香料及び香料、保存剤並びに抗酸化剤も組成物中に存在していてよい。
【0040】
特に示さない限り、満たされていない原子価を有するヘテロ原子は、原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると推定される。
【0041】
本発明の化合物は、本発明の範囲内にもある塩を形成していてよい。本明細書における本発明の化合物の言及は、特に示さない限り、その塩の言及を含むと理解される。「塩」という用語は、本明細書で用いているように、無機及び/又は有機酸及び塩基により形成される酸性及び/又は塩基性塩を意味する。さらに、本発明の化合物がピリジン又はイミダゾールなどであるが、これらに限定されない塩基性部分と、カルボン酸などであるが、これに限定されない酸性部分との両方を含む場合、両性イオン(「内部塩」)が形成される可能性があり、これは、本明細書で用いている「塩」という用語に含まれる。他の塩も、例えば、調製中に用いられる可能性がある分離又は精製段階において有用であるが、薬剤学的に許容できる(すなわち、非毒性の生理学的に許容できる)塩が好ましい。本発明の化合物の塩は、塩が沈殿するような媒体中で、又は水性媒体中で(後に凍結乾燥を行う)、例えば、化合物I、II又はIIIを当量などの量の酸又は塩基と反応させることにより生成させることができる。
【0042】
アミン又はピリジン又はイミダゾール環などであるが、これらに限定されない塩基部分を含む本発明の化合物は、種々の有機及び無機酸との塩を形成することができる。具体例としての酸付加塩は、酢酸塩(酢酸又はトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸により形成されるものなど)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩(例えば、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2−ナフタレンスルホン酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩(例えば、3−フェニルプロピオン酸塩)、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(硫酸により形成されるものなど)、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラートなどのトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などである。
【0043】
カルボン酸などであるが、これに限定されない、酸部分を含む本発明の化合物は、種々の有機及び無機酸との塩を形成することができる。具体例としての塩基性塩は、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ベンゾアチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンにより形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グリカミド、t−ブチルアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、並びにアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩などである。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル及びシアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジル及びフェネチル)並びにその他などの作用物質により四級化されていてよい。
【0044】
本発明の化合物の溶媒和物も本明細書において考慮する。本発明の化合物の溶媒和物は、例えば、水和物などである。
【0045】
本発明の化合物及びその塩は、それらの互変異性体(例えば、アミド又はイミノエーテルとして)として存在していてよい。そのようなすべての互変異性体は、本明細書において本発明の一部として考慮する。
【0046】
鏡像異性体及びジアステレオマーを含む、本発明の化合物のすべての立体異性体(例えば、種々の置換基上の不斉炭素に起因して存在する可能性のあるもの)は、本発明の範囲内であると考慮する。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まない(例えば、規定の活性を有する純粋又は実質的に純粋な光学異性体として)か、或いは、例えば、ラセミ体として、又は他のすべて若しくは他の選択される立体異性体と混合されていてよい。本発明のキラル中心は、IUPACの1974年勧告により定義されたS又はR立体配置を有する可能性がある。ラセミ体は、例えば、ジアステレオマー誘導体の分別結晶化、分離若しくは結晶化又はキラルカラムクロマトグラフィーによる分離などの物理的方法により分割することができる。個々の光学異性体は、例えば、光学的に活性な酸との塩の形成の後の結晶化などの従来の方法を制限なしに含む、適切な方法によりラセミ体から得ることができる。
【0047】
本発明の化合物は、それらの調製の後に、分離し、精製して、本明細書で述べるように使用され、調合される、95%に等しい又はそれを超える重量の(「実質的に純粋な」化合物I)を含む組成物を得ることが好ましい。特定の実施形態において、本発明の化合物は、99%を超える純度である。
【0048】
本発明の化合物のすべての立体配置異性体は、混合物又は純粋若しくは実質的に純粋な形のものを考慮する。本発明の化合物の定義は、シス(Z)及びトランス(E)アルケン異性体、並びに環状炭化水素又は複素環のシス及びトランス異性体を含む。
【0049】
本明細書を通して、基及びその置換基は、安定な部分及び化合物を得るように選択することができる。
【0050】
B.化合物
1つの態様において、本発明は、式I
【0051】
【化6】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
は、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0052】
特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、Rは、水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。
【0053】
特定の実施形態において、Rは、アルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよい。特定の他の実施形態において、Rは、アリール又は置換アリールである。他の実施形態において、Rは、フェニル又は置換フェニルである。他の実施形態において、Rは、複素環又は置換複素環である。他の実施形態において、Rは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、Rは、ピリジン又は置換ピリジンである。
【0054】
特定の実施形態において、Rは、アリール又は置換アリールである。特定の他の実施形態において、Rは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、Rは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環である。
【0055】
1つの態様において、本発明は、式II
【0056】
【化7】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0057】
特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、Rは、水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。
【0058】
特定の実施形態において、Rは、アルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよい。特定の他の実施形態において、Rは、アリール又は置換アリールである。他の実施形態において、Rは、フェニル又は置換フェニルである。他の実施形態において、Rは、複素環又は置換複素環である。他の実施形態において、Rは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、Rは、ピリジン又は置換ピリジンである。
【0059】
特定の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立に水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。特定の他の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立にメチルである。
【0060】
特定の実施形態において、R14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキルであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している。他の特定の実施形態において、R14及びR15は、独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【0061】
【化8】

を形成しており、mは、1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。他の実施形態において、R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を形成している。他の実施形態において、R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって、Nから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員飽和置換又は非置換複素環を形成している。
【0062】
他の態様において、本発明は、式III
【0063】
【化9】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
11は、水素又はC1〜4アルキルであり、
12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0064】
特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、Rは、水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。
【0065】
特定の実施形態において、Rは、アルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよい。特定の他の実施形態において、Rは、アリール又は置換アリールである。他の実施形態において、Rは、フェニル又は置換フェニルである。他の実施形態において、Rは、複素環又は置換複素環である。他の実施形態において、Rは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、Rは、ピリジン又は置換ピリジンである。
【0066】
特定の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立に水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。特定の他の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立にメチルである。
【0067】
特定の実施形態において、R11は、水素である。特定の他の実施形態において、nは、2又は3である。
【0068】
特定の実施形態において、R12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキルであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している。特定の他の実施形態において、R12及びR13は、独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【0069】
【化10】

を形成しており、mは、1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。
【0070】
他の実施形態において、R12及びR13は、それぞれ独立にエチルである。他の実施形態において、R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を形成している。他の実施形態において、R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって、Nから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員飽和置換又は非置換複素環を形成している。
【0071】
他の態様において、本発明は、式IV
【0072】
【化11】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0073】
特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、Rは、水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。
【0074】
特定の実施形態において、Rは、アルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよい。特定の他の実施形態において、Rは、アリール又は置換アリールである。他の実施形態において、Rは、フェニル又は置換フェニルである。他の実施形態において、Rは、複素環又は置換複素環である。他の実施形態において、Rは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、Rは、ピリジン又は置換ピリジンである。
【0075】
特定の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立に水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。特定の他の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立にメチルである。
【0076】
特定の実施形態において、R14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキルであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している。特定の他の実施形態において、R14及びR15は、独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【0077】
【化12】

を形成しており、mは、1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。他の実施形態において、R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を形成している。他の実施形態において、R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって、Nから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員飽和置換又は非置換複素環を形成している。
【0078】
他の態様において、本発明は、式V
【0079】
【化13】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物を提供し、式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
11は、水素又はC1〜4アルキルであり、
12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである。
【0080】
特定の実施形態において、Rは、水素である。特定の他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、Rは、水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。他の実施形態において、Rは、水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。他の実施形態において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素である。
【0081】
特定の実施形態において、Rは、アルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよい。特定の他の実施形態において、Rは、アリール又は置換アリールである。他の実施形態において、Rは、フェニル又は置換フェニルである。他の実施形態において、Rは、複素環又は置換複素環である。他の実施形態において、Rは、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、Rは、ピリジン又は置換ピリジンである。
【0082】
特定の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立に水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである。特定の他の実施形態において、R及びR10は、それぞれ独立にメチルである。
【0083】
特定の実施形態において、R11は、水素である。特定の他の実施形態において、nは、2又は3である。
【0084】
特定の実施形態において、R12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキルであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している。特定の他の実施形態において、R12及びR13は、独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【0085】
【化14】

を形成しており、mは、1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。
【0086】
他の実施形態において、R12及びR13は、それぞれ独立にエチルである。他の実施形態において、R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を形成している。他の実施形態において、R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって、Nから選択される追加のヘテロ原子を場合によって含む、6員飽和置換又は非置換複素環を形成している。
【0087】
他の態様において、本発明は、
【0088】
【化15】

【0089】
【化16】

及びその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物からなる群から選択される化合物を提供する。
【0090】
C.使用、製剤及び投与
本発明はまた、上文で述べた本発明の化合物を含む、治療有効量の薬剤組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるプロテインキナーゼ関連障害を治療、予防又は改善する方法を一部提供する。哺乳動物は、治療を必要としていてよく、或いは治療は、プロテインキナーゼ関連障害の予防又は改善のために予防的に適用してよい。
【0091】
「プロテインキナーゼ関連障害」は、プロテインキナーゼが役割を果たしている、あらゆる疾患又は有害な状態である。例は、セリン−トレオニンキナーゼ関連障害、受容体チロシンキナーゼ関連障害、非受容体チロシンキナーゼ関連障害、EGFR関連障害、IGFR関連障害、PDGFR関連障害及びflk関連障害などである。本発明の化合物は、これらのプロテインキナーゼ関連障害のいずれに対しても用いることができる。
【0092】
特定の実施形態において、プロテインキナーゼ関連障害は、肺癌、膀胱癌、頭頚部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、尿生殖器癌、膵臓癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管癌、胃癌、肝癌、消化管間質腫瘍、扁平細胞癌、腎細胞癌、星状細胞腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患及び神経膠芽腫などの癌である。
【0093】
本発明の1つ又は複数の実施形態によれば、「癌幹細胞(単数)」(「CSC」)又は「癌幹細胞(複数)」(「CSCs」)は、自己再生能を有し、腫瘍形成性である癌細胞の最小集団を意味する。それらはまた、「癌開始細胞」、「腫瘍開始細胞」、「癌幹様細胞」、「幹様癌細胞」、「侵襲性癌細胞」及び「超悪性癌細胞」等と呼ばれている。これらの細胞を分離する方法は、Hoechst33342を排出するそれらの能力による濃縮、CD133、CD44及びその他などの表面マーカーの濃縮、並びにそれらの腫瘍形成特性による濃縮を含むが、これらに限定されない。
【0094】
「CSCPK」又は「CSCPKs」という用語は、癌幹細胞の生存又は自己再生に必須であるプロテインキナーゼを意味する。
【0095】
特定の実施形態において、プロテインキナーゼは、CSCPKである。本発明の化合物は、CSCPKsを阻害することによる肺癌、膀胱癌、頭頚部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、尿生殖器癌、膵臓癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管癌、胃癌、肝癌、消化管間質腫瘍、扁平細胞癌、腎細胞癌、星状細胞腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患及び神経膠芽腫などの癌の治療、予防又は改善に特に有用である。
【0096】
他の実施形態において、プロテインキナーゼは、セリン−トレオニンキナーゼ、受容体チロシンキナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼなどである。
【0097】
他の実施形態において、プロテインキナーゼ関連障害は、糖尿病、自己免疫疾患、過剰増殖性疾患、血管新生、炎症性疾患、免疫疾患、心血管疾患、再狭窄、線維症、乾癬、フォンヘッペルリンダウ病、変形性関節症、神経変性、感染及び慢性関節リウマチなどである。
【0098】
本発明は、CSCPKsの望ましくない活性を阻害又は低下させることにより、哺乳動物における癌幹細胞の生存及び/又は増殖、自己再生を阻害/低減/減衰させる方法を一部提供する。
【0099】
本発明はまた、CSCPKsを標的にすることにより、癌幹細胞ニッチ、又は間質細胞シグナリングを阻害する方法を一部提供する。
【0100】
本発明はさらに、癌を治療し、癌幹細胞の生存及び/又は増殖を阻害/低減/減衰させる方法を一部提供する。
【0101】
本発明はまた、プロテインキナーゼの触媒活性を調節する方法を一部提供する。該方法は、前記プロテインキナーゼを本発明の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩と接触させることを含む。特定の実施形態において、プロテインキナーゼは、セリン−トレオニンキナーゼ、受容体チロシンキナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼなどである。
【0102】
本発明はまた、上文で述べた化合物、或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物、及び薬剤学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤を含む薬剤組成物を一部提供する。
【0103】
本発明の製剤は、経口、鼻、局所(口腔及び舌下を含む)、直腸、膣及び/又は非経口投与に適するものを含む。製剤は、好都合なことに、単位剤形で提供することができ、薬学の技術分野で周知である方法により調製することができる。単一剤形を製造するために担体物質と組み合せることができる有効成分の量は、治療する哺乳動物及び個々の投与方法によって異なる。単一剤形を製造するために担体物質と組み合せることができる有効成分の量は、一般的に治療効果をもたらす化合物の量である。一般的に、この量は、100%のうち、例えば、約0.1%〜約25%の有効成分である。
【0104】
経口投与に適する本発明の治療用組成物又は製剤は、それぞれあらかじめ定められた量の有効成分としての本発明の化合物を含む、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(着香基剤、通常、スクロース及びアラビアゴム又はトラガカントを用いた)、散剤、果粒剤の形で、或いは水性若しくは非水性液体中液剤又は懸濁剤として、或いは水中油型又は油中水型液体乳剤として、或いはエリキシル剤又はシロップ剤として、或いはトローチ剤(ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴムなどの不活性基剤を用いた)及び/又は洗口剤としてなどであってよい。本発明の化合物は、巨丸剤、舐剤又はパスタ剤としても用いることができる。
【0105】
経口投与用の固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、果粒剤など)において、本発明によるアルコール又は阻害剤が、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムなどの1つ又は複数の薬剤学的に許容できる担体、及び/又は以下のいずれかと混合されている:デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び/又はケイ酸などの充填剤若しくは増量剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及び/又はアラビアゴムなどの結合剤、グリセロールなどの湿潤剤、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、炭酸ナトリウム及びデンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール及びポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマーなどの浸潤剤、カオリン及びベントナイト粘土などの吸着剤、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びその混合物などの滑沢剤、並びに着色剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、薬剤組成物は、緩衝剤を含んでいてもよい。ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として用いた同様な種類の固形組成物も用いることができる。
【0106】
本発明の化合物の経口投与用の液体剤形は、薬剤学的に許容できる乳剤、ミクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体剤形は、例えば、水、又はエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにその混合物などの他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤などの当技術分野で一般的に用いられている不活性希釈剤を含んでいてよい。さらに、化合物を可溶化するために、シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを用いることができる。
【0107】
経口組成物は、不活性希釈剤のほかに、浸潤剤、乳化及び懸濁化剤、甘味、着香、着色、芳香及び保存剤などの佐剤も含んでいてよい。懸濁剤は、本発明によるアルコール又は阻害剤に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにその混合物のような懸濁化剤を含んでいてよい。
【0108】
直腸又は膣投与用の本発明の薬剤組成物の製剤は、本発明による1つ又は複数のアルコール又は阻害剤を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックス又はサリチル酸塩を含む1つ又は複数の適切な非刺激性賦形剤又は担体と混合することによって調製することができ、室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって、直腸又は膣腔内で融解し、本発明の活性薬剤を放出する、坐剤として提供することができる。膣投与に適する本発明の製剤は、当技術分野で適切であることが公知であるような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、パスタ、泡又は噴霧製剤も含む。
【0109】
本発明によるアルコール又は他の阻害剤の局所又は経皮投与用の剤形は、散剤、噴霧剤、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、貼付剤及び吸入剤を含む。活性化合物は、無菌条件下で、薬剤学的に許容できる担体と、また必要である可能性のある保存剤、緩衝剤又は噴射剤と混合することができる。
【0110】
軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤及びゲル剤は、本発明によるアルコール又は他の阻害剤に加えて、動物及び植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はその混合物などの賦形剤を含んでいてよい。
【0111】
散剤及び噴霧剤は、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含んでいてよい。噴霧剤は、クロロフルオロ炭化水素並びにブタン及びプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの通常の噴射剤をさらに含んでいてよい。
【0112】
眼科用製剤、眼用軟膏、散剤、液剤なども本発明の範囲内にあると考えられる。
【0113】
非経口投与に適する本発明の薬剤組成物は、1つ又は複数の薬剤学的に許容できる滅菌等張性水性若しくは非水性液剤、分散体、懸濁剤又は乳剤、或いは使用直前に滅菌注射用溶液又は分散体に再構成することができ、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図するレシピエントの血液と等張性にする溶質又は懸濁化若しくは粘稠化剤を含んでいてよい滅菌散剤と共に本発明による1つ又は複数のアルコール又は阻害剤を含む。
【0114】
場合によって、本発明によるアルコール又は阻害剤の効果を長くするために、皮下又は筋肉内注射剤からのアルコール又は阻害剤の吸収を遅くすることが望ましい。これは、難水溶性を有する結晶質又は非晶質物質の液体懸濁剤を用いて達成することができる。薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、ひいては結晶のサイズ及び結晶の形態に依存する可能性がある。或いは、非経口投与した組成物の吸収の遅延は、アルコール又は阻害剤を油媒体に溶解又は懸濁することによって達成される。デポー注射の1つの戦略は、媒体が室温で液体であり、体温で固化する、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマーの使用を含むものである。
【0115】
本発明の薬剤組成物は、単独で、或いは1つ若しくは複数の活性薬、他の薬剤又は上文で述べた他の抗癌若しくは細胞毒性薬と同時に、その後に又は連続的に、また上述のような薬剤学的に許容できる賦形剤、担体若しくは希釈剤と共に投与することができる。
【0116】
1回又は複数回の用量として用いる経口単位剤形中の薬剤の量は、神経障害の治療に有効な量である。当業者が認識するように、用いるべき正確な用量は、例として、状態自体、治療する状態の重症度、用いる個々の成分などの様々な因子並びに治療する個人に関連する様々な身体的因子に依存するであろう。最適用量範囲を特定する助けとするために、インビトロ及びインビボアッセイを任意選択で用いることができる。
【0117】
本発明の化合物は、例えば、本発明の化合物又は遊離塩基として計算されるその生理学的に許容できる塩の経口用量が1mgから2000mgまで、好ましくは30mgから1000mgまで、例えば10〜250mgであり、又は静脈内、皮下又は筋肉内用量が0.1mgから100mgまで、好ましくは0.1mgから50mgまで、例えば1〜25mgである1日投与レジメン(成人患者用)で通常投与され、化合物は1日1〜4回投与されるであろう。化合物は、継続治療の期間、例えば、1週間又はそれ以上の期間投与することが適切であろう。
【0118】
D.化学合成
本発明の化合物は、有機合成の技術分野の技術者に公知である合成方法又はその変形と共に下記の方法を用いて調製することができる。反応は、用いる試薬及び物質に適切であり、もたらされる変換に適する溶媒中で行わせる。本明細書に含まれている実施例用の出発物質は、市販のものであるか、又は公知の物質から標準的方法により容易に調製される。例えば、以下の反応は、実例であるが、本明細書で用いる出発物質及び例の一部の調製を制限するものではない。スキーム1及び2に示すような式の化合物上の種々の置換基は、上文で定義した通りである。
【0119】
スキーム1に示すように、式VIIの化合物は、式VIのチアゾール置換化合物を得るのに有効な条件(例えば、加熱)下で式VIIIの化合物と反応することができる。式VIの化合物は、塩基(例えば、ピペリジン)の存在下で式IXの化合物とさらに反応して式VIの化合物を生じさせることができる。
【0120】
スキーム1
【0121】
【化17】

式IIの化合物は、スキーム2に従って調製することができる。式VIの化合物は、塩基(例えば、ピペリジン)の存在下で式Xの化合物と反応して式XIの化合物を生じさせることができる。式XIの化合物は、ペプチドカップリング試薬及び塩基の存在下で式XIIのアミンとさらに反応して式IIの化合物を生じさせることができる。
【0122】
スキーム2
【0123】
【化18】

以下の実施例は、本発明の化合物の調製を制限なしにさらに例示する。
【実施例】
【0124】
(実施例1)
化合物7−1の調製
スキームA
【0125】
【化19】

5−クロロアセチルオキシインドール1(42mg、0.2mmol)のEtOH/THF(2mL/1mL)懸濁液に、チオアセトアミド2−1(15mg、0.2mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間加熱し、その後冷却した。この溶液を、真空下で濃縮して、オレンジ色の固体3を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ10.50(br.S,1H),7.72−7.80(m,2H),7.33(s,1H),7.16(s,1H),6.86(d,1H,J=8.63Hz),3.42−4.54(m,2H);MS m/z231.10(M+H)。
【0126】
3(53mg、0.2mmol)のEtOH/THF(2mL/1mL)溶液(又は上記反応混合物のEtOH/THF(2mL/1mL)溶液を使用)に、5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸4(33.4mg、0.2mmol)及びピペリジン(21.8μL)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をろ過し、EtOH(1mL)で洗浄して、赤みをおびた固体5を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ13.80(s,1H),12.10(br.s,1H),11.08(s,1H),8.35(s,1H),7.85(s,1H),7.78−7.81(m,2H),6.94(d,1H,J=8.11Hz),2.74(s,3H),2.56(s,3H),2.52(s,3H);MSm/z380.21(M+H)。
【0127】
5(20mg、0.052mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(24mg、0.063mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(30μL、0.168mmol)及び1−メチルピペラジン6−1(10μL、0.090mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、その後真空下で濃縮した。残渣をCHCl(2mL)に加え、HO(3×1.5mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/EtN)により精製して、黄色の固体7−1を得た。H NMR (300MHz,DMSO−d6)δ11.00(s,1H),8.30(s,1H),7.83(s,1H),7.65−7.78(m,2H),6.94(d,1H,J=8.18Hz),3.02−3.20(m,4H),2.74(s,3H),2.5−2.58(m,4H),2.5(s,6H),2.3(s,3H);MSm/z462.20(M+H)。
【0128】
(実施例2)
化合物10−1の調製
スキームB
【0129】
【化20】

5−クロロアセチルオキシインドール1(820mg、4mmol)のEtOH/THF(20mL/20mL)懸濁液に、チオベンズアミド2−2(550mg、4mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間加熱し、その後冷却した。この溶液を真空下で濃縮して、オレンジ色の固体8を得た。MS m/z 293.20 (M+H)。
【0130】
この固体8に、EtOH/THF(20mL/20mL)(又は上記の反応混合物を使用)、5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸4(668mg、4mmol)及びピペリジン(400μL)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をろ過し、EtOH(1mL)で洗浄して、オレンジ色の固体9を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ13.80(s,1H),12.40(s,1H),11.10(s,1H),8.47(s,1H),8.07−8.12(m,3H),7.94(d,1H,J=8.00Hz),7.86(s,1H),7.55−7.6(m,3H),7.01(d,1H,J=8.10Hz),2.59(s,3H),2.57(s,3H);MSm/z442.20(M+H)。
【0131】
9(34mg、0.077mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(35mg、0.092mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(30μL、0.168mmol)及び1−メチルピペラジン6−1(15μL、0.13mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、その後真空下で濃縮した。残渣をCHCl(2mL)に加え、HO(3×1.5mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/EtN)により精製して、黄色の固体10−1を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ13.68(s,1H),11.10(s,1H),8.44(s,1H),8.07−8.10(m,3H),7.91(d,1H,J=8.00Hz),7.80(s,1H),7.68−7.76(m,2H),7.52−7.58(m,1H),7.01(d,1H,J=8.10Hz),3.02−3.15(m,4H),2.52−2.58(m,4H),2.5(s,3H),2.35(s,3H),2.33(s,3H);MS m/z 524.20 (M+H)。
【0132】
(実施例3)
化合物10−2の調製
スキームC
【0133】
【化21】

9(1.55g、3.5mmol)のDMF(130mL)溶液に、HATU(1.6g、4.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.6mL、9.2mmol)及びN,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン6−2(0.6mL、4.2mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をCHCl(800mL)に加え、HO(200mL)、飽和NaHCO(200mL)、HO(2×200mL)及び塩水(200mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を少量のMeOHに加え、ろ過して、黄色い固体10−2を得た。H NMR (300 MHz, DMSO−d6)δ13.70(s,1H),11.10(s,1H),8.44(s,1H),8.07−8.10(m,3H),7.92(d,1H,J=8.10Hz),7.81(s,1H),7.3−7.6(m,3H),7.00(d,1H,J=8.10Hz),3.2−3.3(m,2H),2.5−2.6(m,6H),2.51(s,3H),2.48(s,3H),1.00(t,6H,J=6.90Hz);MS m/z 540.20(M+H)。
【0134】
(実施例4)
化合物13−1の調製
スキームD
【0135】
【化22】

5−クロロアセチルオキシインドール1(42mg、0.2mmol)のEtOH/THF(1mL/1mL)懸濁液に、チオニコチンアミド2−3(27.8mg、0.2mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間加熱し、その後冷却した。溶液を真空下で濃縮して、オレンジの固体11を得た。MS m/z 294.20 (M+H)。
【0136】
この固体11に、EtOH/THF(1mL/1mL)、5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(33.4mg、0.2mmol)及びピペリジン(21.8μL)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を濃縮して、ろ過して、オレンジの固体12を得た。MS m/z 443.20 (M+H)。
【0137】
固体12(44mg、0.10mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(35mg、0.12mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL、0.33mmol)及び1−メチルピペラジン6−1(30μL、0.26mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、その後真空下で濃縮した。残渣をCHCl(2mL)に加え、HO(1.5mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/EtN)により精製して、黄色の固体13−1を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ13.55(s,1H),11.00(s,1H),9.20(d,1H,J=1.60Hz),8.64(dd,1H,J=4.70,1.60Hz),8.35−8.37(m,2H),8.10(s,1H),7.84(dd,1H,J=8.00,1.60Hz),7.71(s,1H),7.52(ddd,J=8.00,4.70,0.70Hz,1H),6.92(d,1H,J=8.00Hz),3.07−3.2(m,4H),2.26(s,3H),2.24(s,3H),2.24−2.3(m,4H),2.13(s,3H);MS m/z 525.20 (M+H)。
【0138】
(実施例5)
化合物13−2の調製
スキームE
【0139】
【化23】

固体12(44mg、0.10mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、HATU(35mg、0.12mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(50μL、0.33mmol)及びN,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン6−2(23μL、0.2mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をCHCl(2mL)に加え、HO(1.5mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/EtN)により精製して、黄色の固体13−2を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ13.60(s,1H),11.00(s,1H),9.18(d,1H,J=1.60Hz),8.64(dd,1H,J=4.80,1.60Hz),8.33−8.37(m,2H),8.09(s,1H),7.83(dd,1H,J=8.00,1.60Hz),7.71(s,1H),7.50(dd,J=8.00,4.80Hz,1H),7.36−7.39(m,1H),6.91(d,1H,J=8.00Hz),3.20(q,J=7.10Hz,4H),2.4−2.6(m,4H),0.90(t,J=7.10Hz,6H);MS m/z 525.20(M+H).MS m/z541.20(M+H)。
【0140】
化合物13−2は、化合物12及びN,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン6−2から、化合物13−1の調製に使用した類似の方法を使用して調製できる。
【0141】
(実施例6)
本発明の化合物の製剤
本発明の化合物は、溶液混合物又は懸濁液混合物として許容可能な経口媒体中に処方できる。例えば、10mg/mlの溶液製剤を下記のように調製した。[実施例3に示した]100mgの化合物10−2を1.25mlのDMA(ジメチルアセトアミド)中に、激しく振とうし超音波処理することによって溶解した。その後、得られた溶液に、PEG400及び20%水溶性ビタミンE TPGS(60:40)からなる8.75mlの溶媒混合物並びに75μlの2.4NのHClを加えた。得られた混合物を加熱し、45℃のウォーターバスにおいて溶液が透明になるまで超音波処理した。10mg/mlの懸濁液製剤を下記のように調製した。100mgの化合物10−2を10mlの0.7%クエン酸に懸濁し、激しく振とうし超音波処理することによって均一な懸濁液となった。
【0142】
(実施例7)
生物学的アッセイ
本発明の化合物は、記載したプロトコルに従って試験できる。
【0143】
細胞培養:HeLa、Dld1、SW480、MDA−MB−231、A549、HT29、A431、PC3、FaDu、HepG2及びH1299細胞(ATCC、Manassas、VA)を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gemini Bio−Products、West Sacramento、CA)及び5%ペニシリン/ストレプトマイシン/アムホテルシンB(Invitrogen)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Invitrogen、Carlsbad、CA)で維持した。
【0144】
細胞の生存の決定:コロニー形成アッセイのために、細胞を6ウェルプレートに2000細胞/ウェルで播種した。播種の24時間後、細胞を化合物で処理した。コロニーを7〜10日間成長させ、改変ギムザ染色(Sigma)を用いて染色した。次いで、染色されたコロニーを計数してIC50を決定した。
【0145】
ウェスタンブロット分析:培養した細胞を収穫し、全細胞抽出バッファー(50mM Tris−HcL pH7.5、150mMのNaCl、1.0%のNP−40、1mM EDTA、0.1mMオルトバナジン酸ナトリウム、1×プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche))中で、氷上で30分間インキュベートすることによって溶解した。微小遠心の13,000×gで遠心分離にかけることによって、可溶性タンパク質を分離し、上清を−70℃で保存した。タンパク質を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析により分離し、ポリフッ化ビニリデン膜(Biorad、Hercules、CA)に、エレクトロブロッティングにより転写した。
【0146】
Hoechstのサイドポピュレーション:SW480細胞を、トリプシン及びエチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)を含む培養皿から取り出し、遠心分離によってペレットにし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、2%のFBS及び1mMの4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)を含有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に37℃で再懸濁した。その後、Hoechst33342(Invitrogen)を5μg/mLの濃度で用いて細胞を標識した。標識した細胞を、単独で、又は50μMのベラパミル(Sigma−Aldrich、St.Louis)と共に37℃で120分間インキュベートした。染色後、細胞を、2%のFBS及び1mMのHEPESを含有するHanksの平衡生理食塩水(HBSS;Invitrogen)に懸濁し、40μmのメッシュのフィルターを通し、フローサイトメトリー分析まで4℃で維持した。Hoechstの色素は350nmで励起され、その蛍光を450DF10(450/20nmのバンドパスフィルター)及び675LP(675nmのロングパスエッジフィルター)光学フィルターを使用して、2種の波長で測定した。前方散乱光及び側方散乱光のゲーティングは、厳しくなく、デブリのみを排除した(Goodellら、1996年J Exp Med183巻、1797〜806頁)。
【0147】
表面マーカーを用いたCSCの単離:CD44又はCD133などの表面マーカー(複数)の差次的発現に主に基づいた腫瘍細胞の分類は、今日までに報告された高度発癌性CSCsの大部分を占めている。CD44細胞を、わずかに修正したPontiらに報告されている方法に従ってFACSにより単離した[24]。簡潔に述べると、トリプシン処理後、細胞を回収し、成長培地において37℃で30分間置き、細胞を400×gでペレットにし、2%のFBS及び1mMのEDTAを含むPBSに1×10細胞/mLで再懸濁した。その後、細胞を、CD44−FITC(BD Biosicences、San Diego、CA)の100倍希釈液と共に、氷上で15分間インキュベートした。又は、CD24−PE(BD Bioscences、San Diego、CA)(1:100)を、負の選択として利用した。3回洗浄した後、細胞を2×10/mLで再懸濁し、40μMのメッシュに通し、その後分類した。
【0148】
免疫蛍光法:示した化合物を用いて示した時間処理した細胞を、アネキシンVの検出のために、4%ホルムアルデヒド又は冷メタノールのいずれかにおいて固定した。カバースリップを風乾し、PBS中で室温において10分間再度水和させた。その後、サンプルを、湿潤チャンバ内のブロッキングバッファー(PBS、5%FBS)中、室温で約10分間インキュベートした。細胞を、一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。洗浄後、細胞をFITC結合抗ウサギ抗体の500倍希釈液と共に、室温で1時間インキュベートした。画像を、落射蛍光及びSPOTモザイクCCDカメラを搭載したNikon TE200顕微鏡で取得し、ポリクローナルアネキシンV−FITCはRoche、Penzberg、Germanyから入手した。
【0149】
スフィアアッセイ:細胞集団の自己再生能を、血清又は接着が存在しない状態で、球として培養できるかどうかについて測定するための信頼性のある方法。CD44FaDu又はHoechstのサイドポピュレーションの癌幹細胞を、超低接着プレートにおいて、癌幹細胞培地(DMEM/F12、B27 Neurobasal添加物、20ng/mlのEGF、10ng/mlのFGF、4μg/mlのインスリン及び0.4%のBSA)中で培養し、球を形成させた。通常、球形成を培養10〜14日後に顕微鏡により評価し、>50細胞を有する球を数えた。
【0150】
ネズミ異種移植モデル:ヒト前立腺癌の異種移植片PC3細胞を内部で継代させ、雄の無胸腺ヌードマウスに8.0×10細胞/マウスのレベルで皮下注射により接種した。診断時、腫瘍はおよそ350mmであった。腫瘍の寸法を、デジタルキャリパーを使用して測定し、[長さ×(幅)/2]として計算した。同様に、ヒト肝臓癌の異種移植片HepG2細胞を、雌のヌードマウスに8.0×10細胞/マウスのレベルで接種し、腫瘍が約700mmの時に処置を開始した。ヒト頭頚部癌の異種移植片FaDu細胞を、雌のヌードマウスに6.0×10細胞/マウスのレベルで接種し、腫瘍が約150mmの時に処置を開始した。
【0151】
被験物質:塩酸塩としての[実施例3に示した]化合物10−2を、腹腔内投与用にDMA/PEG400/HO(10%:50%:40%)中に10mg/ml処方し、osl投与用にDMA/PEG400/20%ビタミンE(12.5%/52.5%/35%)中に10mg/mlで処方した。
【0152】
被験物質の投与:示した通りに投与を実施した。
【0153】
【表1】

寿命評価において:各動物の健康状態の毎日の検査も実施した。体重を3日ごとに確認した。食餌及び水は、施設の畜産手順に従って毎日供給した。処置により、>20%の死亡率及び又は>20%の実体重減量が生じることを毒性と考えた。結果を、平均腫瘍体積(mm)±SEとして表した。P値<0.05は、統計的に関連があると考えられる。
【0154】
畜産:4〜5週齢の雄又は雌の無胸腺ヌードマウス(Charles River Laboratories、Wilmington、MA.)を、試験開始前の少なくとも1週間は、動物飼育設備におい馴化させた。利用したすべての実験手順は、the American Physiology Society及びthe Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsにより要約されたガイドラインに一致し、Institutional Animal Care and Use Committee of Boston Biomedical Inc.によっても承認された。動物を、温度(68°F〜72°F(20℃〜22.2℃))、光(12時間の明暗サイクル)及び湿度(45〜55%)に管理された部屋において、ウッドチップの床材を敷いたケージ中に4匹の群で飼育した。動物は、実験期間水及び食餌を自由に摂取させた。
【0155】
(実施例8)
キナーゼを阻害する化合物の同定
[実施例3に示した]化合物10−2を、特定の発癌性キナーゼを阻害するその能力に関して評価した。細胞を化合物10−2で6時間処理し、その後成長培地にEGFを添加し、15分間置いた。ウェスタンブロット分析を実施し、EGFRのリン酸化形態、c−Met及びHer2受容体チロシンキナーゼのレベルを決定した。細胞を本発明の化合物と共にインキュベートすると、EGFR、c−Met及びHer2の活性化が遮断されることが見出された(図1を参照されたい)。
【0156】
[実施例3に示した]化合物10−2を試験し、チロシンキナーゼ活性の全体的阻害が起こるかどうかを決定した。化合物10−2により細胞を6時間処理し、チロシンリン酸化タンパク質のレベルに対するその効果を調べた。1μMより多い量の10−2を用いて処理された細胞において、チロシンのリン酸化総計がわずかに減少することが観察された。しかし、1μM未満の10−2を用いて処理された細胞において、ホスホチロシンのレベルの減少は観察されなかった(図2を参照されたい)。これらのデータは、化合物10−2が、EGFR、cMet、Her2及び場合により追加のキナーゼの活性化を特異的に阻害するが、チロシンキナーゼ活性の全体的な減少は起こさないことを示唆する。
【0157】
キナーゼプロファイル実験を実施して、一連の約200種のキナーゼに関する化合物10−2のIC50を決定した。[実施例3に示した]化合物10−2は、PDGFRαを選択的に阻害し、IC50が4〜30nMに及び、PDGFRβより約1000倍選択的であることが見出された。化合物10−2のkinomeプロファイルを、対照チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)としての役目をここで果たす参照化合物のkinomeプロファイルと比較した。図3に見られるように、化合物10−2は、非常により明確なkinomeプロファイルを有し、化合物10−2が、参照化合物よりも改善された毒性プロファイルを有することを示唆する。
【0158】
(実施例9)
インビトロの細胞死の誘導
コロニー形成アッセイ(CFA)を使用して、[実施例1に示した]化合物5、[実施例1に示した]3、[実施例1に示した]7−1、[実施例3に示した]10−2、[実施例2に示した]10−1及び[実施例4に示した]13−1を、細胞成長を阻害する、及び細胞死を促進するその能力について試験した。細胞を、6又は24時間のいずれかの間、表示の化合物を用いて処理し、その後さらに7〜10日間成長させた。その後細胞を染色し、コロニーを計数し、IC−50値を決定した。例示の目的だけのために、化合物5、3、7−1、10−2、10−1及び13−1の生物学的結果を表2に示す。
【0159】
【表2】

同様に、[実施例3に示した]化合物10−2を、広範囲の癌細胞系に対して試験した。結果は、化合物10−2がこれらの細胞に対して強力な活性を有することを示す(表3)。
【0160】
【表3】

(実施例10)
癌幹細胞を標的とする化合物10−2の同定
SW480細胞を、Hoechstを用いて染色した。サイドポピュレーション(図4Aに示した、左上のパネルのゲートエリア)を分類して、癌幹細胞を濃縮した。一連の対照SW480細胞を、まずABC輸送体の阻害剤であるベラパミルを用いて処理し、その後Hoechstを用いて染色した。図4Aの左下のパネルに示すように、ベラパミル処理により、サイドポピュレーションの欠損がもたらされる。SPは、親集団の1.3%を表し、7日間培養すると、分類されたSP細胞は98.5%から10.1%に減少する(図4A、右上のパネル)。これらのデータは、CSCsの決定的な特徴である非対称に分裂する能力及び自己再生能力を実証する。
【0161】
Hoechstのサイドポピュレーションに対する化合物10−2のIC50を、コロニー形成アッセイにおいて評価し、非サイドポピュレーションに対するIC50と比較した。図4Bに示すように、サイドポピュレーションは化合物10−2に対して、非サイドポピュレーションより2倍感受性である。さらに、サイドポピュレーションは、非サイドポピュレーションよりドキソルビシンに対して抵抗性である。これらのデータは、化合物10−2が癌幹細胞を死滅させることを示唆する。
【0162】
Hoechstのサイドポピュレーション細胞を、化合物10−2を用いて処理し、細胞死の様式をアネキシンV(アポトーシスの早期マーカー)染色により評価した。図4Cに示すように、瀕死細胞はアネキシンV陽性であり、化合物10−2が癌幹細胞に対してアポトーシス誘導性であることを実証している。
【0163】
癌幹細胞の特質の1つは、それらの自己再生能力である。細胞集団の自己再生能力を測定する信頼性のある方法は、血清又は接着が存在しない状態で、球として培養される能力である。CSCの自己再生についての化合物10−2の効果を決定するために、CSCsをFaDuヒト頭頚部癌細胞から、FACSによって、CSC表面マーカーのCD44を使用して単離した。細胞を、接着及び血清の存在しない状態で5日間培養し、一次球を形成させた。その後、一次球をAccumax中から単一細胞に分離し、上記のように72時間培養し、その後化合物10−2又は対照チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)を添加した。処理の5日後、代表的な球の画像をトリパンブルーの添加前後に取得し、死細胞を同定した(図5A)。球の成長を、>50細胞を保有する球の数を数えることによって採点した。DMSOを用いて処理した細胞の球形成性を100%として設定することによって、球形成性の%を計算した(図5B)。結果は、化合物10−2はCSCの自己再生を阻害するが、対照TKIは阻害しないことを示す。
【0164】
さらに、本発明者らは、化合物10−2が癌幹細胞をインビボで標的とすることができるかどうかについて試験した。6週齢の雌の無胸腺nu/nuマウスを、Charles River Labs(Wilmington、MA)より入手した。マウスに、0.2mLの無血清DMEM中の6×10のFaDu癌細胞を、脇の皮下に注入した。異種移植片が約200mmのサイズに達した後で、FaDu異種移植片腫瘍を担持する動物に、カルボプラチン(30mg/kg)又は化合物10−2(100mg/kg)のいずれかの媒体を、屠殺する前の4日間に毎日経口で投与した。その後FaDu細胞に関して腫瘍を回収した。動物を屠殺にした後で単一細胞懸濁液を得、腫瘍を滅菌下で採取した。簡潔に述べると、腫瘍を滅菌外科用メスを用いて0.1mmの断片に刻み、その後1mg/mLのコラゲナーゼ/HBSS中で15〜30分間、一定に撹拌しながら消化した。40μmのメッシュのフィルターに通した後で、細胞懸濁液を1mLのHistopaque上に重層し、1440×gで30分間遠心分離にかけた後で界面層を回収することによって、RBCs、死細胞及び細胞のデブリを除去した。その後、生細胞を計数し、球を形成するその能力を測定するために使用した。細胞を、超低接着96ウェルプレートに、癌幹細胞培地(DMEM/F12、B27 Neurobasal添加物、20ng/mLのEGF、10ng/mLのFGF、4μg/mLのインスリン及び0.4%のBSA)中に100細胞/ウェルの密度で分配した。新鮮な培地を3日ごとに加え、球の形成を培養の10〜14日後に決定した。>50細胞の球を数えた。実験の終わりにトリパンブルーを加え、死細胞を同定した。図6に示すように、球形成性が変化しないことにより明らかなように、標準的化学療法のカルボプラチンは、癌幹細胞を標的としない。対照的に、球形成性の減少により明らかなように、わずか4日の処理によっても、化合物10−2は癌幹細胞を有意に減少させた。
【0165】
化合物10−2はキナーゼ阻害剤であるので、癌幹細胞においてアポトーシスを誘導し、自己再生を阻害する化合物10−2の能力は、化合物10−2により阻害されるキナーゼがCSC(CSCPKs)にとって重要であることを示唆する。
【0166】
(実施例11)
インビボの抗腫瘍効果
[実施例3に示した]化合物10−2の抗腫瘍活性を、異種移植片マウスモデルにおいて試験した。皮下PC3ヒト前立腺癌腫瘍が確立された、免疫抑制された雄のマウスに、化合物10−2(80mg/kg)又は媒体対照を腹腔内(ip.)投与した。マウスに計3種の処置(図7において矢印で示した)を行い、平均腫瘍体積(MTV)を分析した。媒体対照腫瘍は、PC3モデルを用いて実施された先の試験の媒体対照腫瘍と同等に成長した。図7に示したように、化合物10−2を用いた処置は、腫瘍成長を有意に抑制し、腫瘍成長阻害(TGI)は62.5%(p=0.02<0.05)であった。
【0167】
同様に、[実施例3に示した]化合物10−2の抗腫瘍活性を、ヒト肝臓癌HepG2異種移植モデル(図8)、ヒト頭頚部癌FaDu異種移植モデル(図9)及びヒト胃癌MKN45異種移植モデル(図10)において試験した。化合物10−2を、経口で毎日、100mg/kgでこれら3種のモデルに図に示した期間投与した。本発明者らのデータは、化合物10−2がまた、これら2種の異種移植モデルにおいて腫瘍成長を強力に阻害することを示す。
【0168】
参考文献
【0169】
【数1】

【0170】
【数2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化24】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
は、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項2】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールが場合によって置換されていてよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
がアリール又は置換アリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が複素環又は置換複素環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
がピリジン又は置換ピリジンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
がアリール又は置換アリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
がN、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
式II
【化25】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項29】
が水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
が水素であり、R10が水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項32】
及びRがそれぞれ独立に水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項33】
が水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項34】
、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項35】
、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項36】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項28に記載の化合物。
【請求項37】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールが場合によって置換されていてよい、請求項28に記載の化合物。
【請求項38】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
がアリール又は置換アリールである、請求項28に記載の化合物。
【請求項40】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項42】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
が複素環又は置換複素環である、請求項28に記載の化合物。
【請求項44】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項28に記載の化合物。
【請求項46】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
がピリジン又は置換ピリジンである、請求項28に記載の化合物。
【請求項48】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
14及びR15が独立に水素、アルキル若しくは置換アルキルであるか、或いは前記R14及びR15がそれらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している、請求項28に記載の化合物。
【請求項50】
14及びR15が独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R14及びR15がそれらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【化26】

を形成しており、mが1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である、請求項28に記載の化合物。
【請求項51】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールが場合によって置換されていてよい、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
がアリール又は置換アリールである、請求項51に記載の化合物。
【請求項54】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項51に記載の化合物。
【請求項55】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項51に記載の化合物。
【請求項56】
式III
【化27】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
11は、水素又はC1〜4アルキルであり、
12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項57】
が水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項58】
が水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項59】
及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項60】
が水素又はC1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルである、請求項56に記載の化合物。
【請求項61】
が水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項62】
、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項63】
、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項64】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項65】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールが場合によって置換されていてよい、請求項56に記載の化合物。
【請求項66】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
がアリール又は置換アリールである、請求項56に記載の化合物。
【請求項68】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項67に記載の化合物。
【請求項69】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項56に記載の化合物。
【請求項70】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項69に記載の化合物。
【請求項71】
が複素環又は置換複素環である、請求項56に記載の化合物。
【請求項72】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項71に記載の化合物。
【請求項73】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項56に記載の化合物。
【請求項74】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項73に記載の化合物。
【請求項75】
がピリジン又は置換ピリジンである、請求項56に記載の化合物。
【請求項76】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
11が水素である、請求項56に記載の化合物。
【請求項78】
nが2又は3である、請求項56に記載の化合物。
【請求項79】
12及びR13が独立に水素、アルキル又は置換アルキルであるか、或いは前記R12及びR13がそれらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している、請求項56に記載の化合物。
【請求項80】
12及びR13が独立に水素、C1〜4アルキル又は置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R12及びR13がそれらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【化28】

を形成しており、mが1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である、請求項56に記載の化合物。
【請求項81】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項80に記載の化合物。
【請求項82】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールが場合によって置換されていてよい、請求項81に記載の化合物。
【請求項83】
がアリール又は置換アリールである、請求項81に記載の化合物。
【請求項84】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項81に記載の化合物。
【請求項85】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項81に記載の化合物。
【請求項86】
式IV
【化29】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項87】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項86に記載の化合物。
【請求項88】
及びR10がそれぞれ独立にメチルである、請求項87に記載の化合物。
【請求項89】
14及びR15が独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R14及びR15がそれらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している、請求項87に記載の化合物。
【請求項90】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールが場合によって置換されていてよい、請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
がアリール又は置換アリールである、請求項89に記載の化合物。
【請求項92】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項89に記載の化合物。
【請求項93】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項89に記載の化合物。
【請求項94】
式V
【化30】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
及びR10は、それぞれ独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
11は、水素又はC1〜4アルキルであり、
12及びR13は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R12及びR13は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
nは、2、3、4、5及び6から選択される整数であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項95】
、R、R、R、R、R及びR11がそれぞれ独立に水素である、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
及びR10がそれぞれ独立にメチルであり、nが2である、請求項95に記載の化合物。
【請求項97】
12及びR13が独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R12及びR13がそれらが結合しているNと一緒になって3員、4員、5員、6員若しくは7員飽和置換又は非置換複素環を場合によって形成している、請求項96に記載の化合物。
【請求項98】
がアルキルアリール又はアルキルヘテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよい、請求項97に記載の化合物。
【請求項99】
がアリール又は置換アリールである、請求項97に記載の化合物。
【請求項100】
がヘテロアリール又は置換ヘテロアリールである、請求項97に記載の化合物。
【請求項101】
がフェニル又は置換フェニルである、請求項97に記載の化合物。
【請求項102】
【化31】

【化32】

及びその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項103】
請求項1から102のいずれか一項に記載の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩及び薬剤学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤を含む薬剤組成物。
【請求項104】
哺乳動物における癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項105】
前記癌が肺癌、膀胱癌、頭頚部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、尿生殖器癌、膵臓癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管癌、胃癌、肝癌、消化管間質腫瘍、扁平細胞癌、腎細胞癌、星状細胞腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患及び神経膠芽腫からなる群から選択される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記癌が肺癌、頭頚部癌、皮膚癌、前立腺癌、結腸直腸癌、胃癌、肝癌及び腎細胞癌からなる群から選択される、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
哺乳動物における肝細胞癌(HCC)を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項108】
哺乳動物における胃癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項109】
哺乳動物における頭頚部癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項110】
哺乳動物における前立腺癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項111】
CSCsにおけるキナーゼの望ましくない活性を阻害又は低下させることにより、癌幹細胞の生存及び/又は自己再生を抑制/低減/減衰させる方法。
【請求項112】
CSCPKsを標的にすることにより、癌幹細胞ニッチ、又は間質細胞シグナリングを抑制する方法。
【請求項113】
哺乳動物における癌幹細胞の生存及び/又は増殖を阻害/低減/減衰させる方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項114】
哺乳動物における癌幹細胞の生存及び/又は増殖を阻害/低減/減衰させることにより癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項115】
哺乳動物における癌を治療する方法であって、CSCPKsを阻害するために、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項116】
前記癌が肺癌、膀胱癌、頭頚部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、尿生殖器癌、膵臓癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管癌、胃癌、肝癌、消化管間質腫瘍、扁平細胞癌、腎細胞癌、星状細胞腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患及び神経膠芽腫からなる群から選択される、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
哺乳動物における転移性癌を治療する方法であって、CSCPKsを阻害するために、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、。
【請求項118】
哺乳動物における癌を治療する方法であって、CSCPKsを阻害するために、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項119】
前記癌が肺癌、膀胱癌、頭頚部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、尿生殖器癌、膵臓癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管癌、胃癌、肝癌、消化管間質腫瘍、扁平細胞癌、腎細胞癌、星状細胞腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患及び神経膠芽腫からなる群から選択される、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
哺乳動物における転移性癌を治療する方法であって、CSCPKsを阻害するために、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項121】
血管新生を阻害することにより癌を治療する方法であって、哺乳動物におけるPDGFRαを標的にすることにより、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項122】
哺乳動物におけるPDGFRαを標的にすることにより、癌細胞と間質細胞の相互作用を阻害する方法。
【請求項123】
標的としてのPDGFRαに対する薬物候補をスクリーニングすることにより、癌細胞と間質細胞の相互作用を阻害することができる薬物候補を特定する方法。
【請求項124】
哺乳類における間質細胞動員を阻害することにより癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項125】
哺乳類におけるPDGFRα活性を阻害することにより間質細胞動員を阻害する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記阻害を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項126】
哺乳類におけるプロテインキナーゼ関連障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項103に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項127】
前記プロテインキナーゼがセリン−トレオニンキナーゼ、受容体チロシンキナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼからなる群から選択される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記プロテインキナーゼ関連障害が、肺癌、膀胱癌、頭頚部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、尿生殖器癌、膵臓癌、甲状腺癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、消化管癌、胃癌、肝癌、消化管間質腫瘍、扁平細胞癌、腎細胞癌、星状細胞腫、カポジ肉腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患及び神経膠芽腫からなる群から選択される癌である、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
前記プロテインキナーゼ関連障害が、糖尿病、自己免疫疾患、過剰増殖性疾患、血管新生、炎症性疾患、免疫疾患、心血管疾患、再狭窄、線維症、乾癬、フォンヘッペルリンダウ病、変形性関節症、神経変性、感染及び慢性関節リウマチからなる群から選択される、請求項126に記載の方法。
【請求項130】
前記プロテインキナーゼを請求項1から102のいずれか一項に記載の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩と接触させることを含む、プロテインキナーゼの触媒活性を調節する方法。
【請求項131】
前記プロテインキナーゼがセリン−トレオニンキナーゼ、受容体チロシンキナーゼ及び非受容体チロシンキナーゼからなる群から選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
式VI
【化33】

の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩[式中、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]を調製するプロセスであって、
式VII
【化34】

の化合物[式中、
、R、R及びRは、上文で定義した通りであり、Xは、Cl、Br、I及び−OSORから選択される脱離基であり、Rは、アルキル、置換アルキル、アリール又は置換アリールである]を
式VIII
【化35】

の化合物[式中、
は、上文で定義した通りである]と反応させることを含み、式VIの化合物を得る、プロセス。
【請求項133】
、R、R及びRが独立に水素であり、Rがアリール、複素環、アルキルアリール又はアルキルへテロアリールであり、前記アルキル、アリール又はヘテロアリールは、場合によって置換されていてよく、XがClである、請求項132に記載のプロセス。
【請求項134】
式IVの化合物を式IX
【化36】

の化合物[式中、
は、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールである]と反応させることをさらに含み、式I
【化37】

の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩[式中、
、R、R、R、R、R及びRは上文で定義した通りである]を得る、請求項132に記載のプロセス。
【請求項135】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項134に記載のプロセス。
【請求項136】
式VIの化合物を式X
【化38】

の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩[式中、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、又はORであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
10は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールである]と反応させることをさらに含み、式XI
【化39】

の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩[式中、
Het、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、上文で定義した通りである]を得る、請求項132に記載のプロセス。
【請求項137】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素である、請求項136に記載のプロセス。
【請求項138】
式XIの化合物又はその薬剤学的に許容できる塩を式XII
HNR1415(XII)
の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩[式中、R14及びR15は、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R14及びR15は、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成している]と反応させることをさらに含み、式II
【化40】

の化合物又はその薬剤学的に許容できる塩[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R14及びR15は、上文で定義した通りである]を得る、請求項136に記載のプロセス。
【請求項139】
、R、R、R、R及びRがそれぞれ独立に水素であり、R及びR10がそれぞれ独立に水素、C1〜4アルキル若しくは置換C1〜4アルキルであり、R14及びR15が独立に水素、C1〜4アルキル又は置換C1〜4アルキルであるか、或いは前記R14及びR15が、それらが結合しているNと一緒になって置換又は非置換
【化41】

を形成しており、mが1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である、請求項138に記載のプロセス。
【請求項140】
式XIII
【化42】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項141】
式XI
【化43】

の化合物、
或いはその鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬剤学的に許容できる塩若しくは溶媒和物[式中、記号は、以下の意味を有し、各存在について独立に選択され、
Hetは、N、O及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員芳香環であり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)、S(=O)OR、C(=O)OR、C(=O)R又はC(=O)NRであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、OR、SR、S(=O)R、S(=O)、P(=O)、S(=O)OR、P(=O)OR、NR、NRS(=O)、NRP(=O)、S(=O)NR、P(=O)NR、C(=O)OR、C(=O)R、C(=O)NR、OC(=O)R、OC(=O)NR、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRS(=O)NR、NRP(=O)NR、NRC(=O)R又はNRP(=O)であり、
は、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリール、又はORであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル若しくは置換アルキル、又はORであり、
10は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、アリール若しくは置換アリールであり、
は、水素、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであり、
、R及びRは、独立に水素、アルキル若しくは置換アルキル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールであるか、或いは前記R及びRは、それらが結合しているNと一緒になって複素環若しくは置換複素環を場合によって形成しており、
は、アルキル若しくは置換アルキル、アルケニル若しくは置換アルケニル、アルキニル若しくは置換アルキニル、シクロアルキル若しくは置換シクロアルキル、シクロアルケニル若しくは置換シクロアルケニル、複素環若しくは置換複素環、又はアリール若しくは置換アリールである]。
【請求項142】
【化44】

及びその薬剤学的に許容できる塩からなる群から選択される化合物。
【請求項143】
前記薬剤学的に許容できる賦形剤、担体又は希釈剤が約12.5重量%のDMA、約52.5重量%のPEG400及び約35重量%の20%ビタミンEを含む溶液混合物又は懸濁液混合物である、請求項103に記載の薬剤組成物。
【請求項144】
少なくとも1つの他の抗癌療法をさらに含む、請求項103に記載の薬剤組成物。
【請求項145】
前記抗癌療法が放射線療法(XRT)、細胞毒性薬、標的薬及び補助剤からなる群から選択される少なくとも1つの療法である、請求項144に記載のいずれか1つの薬剤組成物。
【請求項146】
前記抗癌療法がゲムシタビン、エルロチニブ、タキソール/タキソテレ、白金(カルボプライン及びシスプラチン)、5−FU、アドリアマイシン、ソラフェニブ、イマチニブ、アバスチン、エルビタックス又はヘルセプチンから選択される、請求項144又は145に記載の薬剤組成物。
【請求項147】
哺乳動物における癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項144から146のいずれか一項に記載の薬剤組成物を前記治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−538091(P2010−538091A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524187(P2010−524187)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/075418
【国際公開番号】WO2009/033033
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(510055334)ボストン バイオメディカル, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】