説明

キャリーカー兼用折り畳み自転車

【課題】折り畳み自転車を他の荷物とともに公共交通機関に容易に携行できるようにするとともに、建物内に容易に収容できるようにする。また、公共交通機関に容易に携行でき、建物内に容易に収容できるキャリーカーを道路通行においてスムーズに迅速に移動ができるようにする。
【解決手段】自転車を道路走行時には自転車として使用し、公共交通機関乗車時や建物内収容時にはこれを折り畳むことによりキャリーカーとして使用することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリーカーに転用できる折り畳み自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電車やバス等の公共交通機関に簡単に携行できる自転車として、折り畳み自転車や携帯自転車が市場に出されている。
【0003】
しかしながら、折り畳み自転車や携帯自転車が買い物や通勤、通学等の日常活動における公共交通機関乗車時において携行されることは少ない。これは、公共交通機関への乗車時に自転車を携行した場合、持ち込んだ自転車そのものが荷物となって他の荷物を持つことが困難になるため、自転車の携行を諦めるからであると考えられる。また自転車を公共交通機関に携行する場合、突起物を覆うために輪行袋に入れることが一般的であり、その出し入れが煩わしいためであると考えられる。
【0004】
また、同様の理由から、折り畳み自転車や携帯自転車がその機能性を生かして自宅や通勤先、通学先の建物内に収容されることも少なく、依然として迷惑駐輪や放置、盗難等の問題を抱えている。
【0005】
一方、仕事やレジャー等の旅行においては荷物運搬のためのキャリーカーが普及し、公共交通機関への携行や建物内への収容は一般的となっているが、キャリーカーの携行は、道路通行時には足手まといとなってスムーズな歩行の妨げとなったり、時として他の歩行者との事故を招くため慎重な歩行を必要とするなど迅速な移動が困難となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−280184
【特許文献2】特開2010−143559
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、折り畳み自転車が他の荷物とともに公共交通機関や建物内に容易に携行、収容できない点であり、一方公共交通機関や建物内に容易に携行、収容できるキャリーカーはスムーズな道路通行の障害となり迅速な移動ができない点である。
【0008】
本発明は、こうした問題点を解決しようとするものであり、自転車を公共交通機関乗車時や建物内収容時にはキャリーカーとして携行し、同時にバッグ等の他の荷物の搭載も可能とすることを目的とするものである。また、バッグ等を搭載できるキャリーカーを自転車に転用することにより、迅速でスムーズな道路通行を可能とすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、自転車を道路走行時には自転車として使用し、公共交通機関乗車時や建物内収容時にはこれを折り畳むことによりキャリーカーとして使用することを可能にするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、自転車の公共交通機関への持ち込みが容易となる。それにより、買い物や通勤、通学等の日常活動をはじめ、運動やサイクリング等において、自転車と公共交通機関との併用が可能となり、日常生活の利便性向上が期待される。また本発明により、自転車の建物内への収容が容易になることから、迷惑駐輪や放置、盗難等の問題解決への効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る折り畳み自転車又は折り畳み自転車2の正面図である。
【図2】本発明に係る折り畳み自転車の側面図である。
【図3】本発明に係る折り畳み自転車2の側面図である。
【図4】ハンドルシャフト折り畳み部材とハンドルシャフト嵌合部材を示す詳細図である。
【図5】前フレーム、前ホーク、前車輪及びフロントキャリアを示す詳細図である。
【図6】後フレーム、後車輪及びリアキャリアを示す詳細図である。
【図7】メインフレーム折り畳み部材を示す詳細図である。
【図8】自転車を折り畳んだ時のメインフレーム折り畳み部材を示す詳細図である。
【図9】右ハンドルバーを折り畳み式とした場合のハンドルシャフトを折り畳み、該右ハンドルバーを折り畳んだ後、左ハンドルバーを後フレームの下方先端に設置したキャリーカーハンドルポストに接続する詳細図である。
【図10】右ハンドルバーをスライド式とした場合のハンドルシャフトを折り畳み、該右ハンドルバーを左ハンドルバーに収納した後、該左ハンドルバーを後フレームの下方先端に設置したキャリーカーハンドルポストに接続する詳細図である。
【図11】リアキャリアに装着した回転式連結キャリアを示す詳細図である。
【図12】リアキャリアに装着した回転式連結キャリアにより、該リアキャリアとフロントキャリアを連結した状況を示す詳細図である。
【図13】リアキャリアに装着した回転式連結キャリアにより、該リアキャリアとフロントキャリアを連結した状況を示す概要図である。
【図14】リアキャリアに装着した着脱式連結キャリアにより、該リアキャリアとフロントキャリアを連結した状況を示す概要図である。
【図15】リアキャリアに装着した着脱式連結キャリアにより、該リアキャリアとフロントキャリアを連結した状況を示す平面図である。
【図16】連結キャリアに設置した車軸連結アームの先端に設置した車軸連結パイプにより、前車軸と後車軸を連結する状況を示す詳細図である。
【図17】連結キャリアに設置した車軸連結アームの先端に設置した車軸連結パイプの平面図である。
【図18】連結キャリアに設置した車軸連結アームの先端に設置した車軸連結パイプの側面図及び断面図である。
【図19】自転車のリアキャリア又は自転車を折り畳んだ時該リアキャリアとフロントキャリアに、或いはメインフレーム、前フレーム、後フレーム及び左ハンドルによって囲まれた空間に設置するキャリーバッグを示す概要図である。
【図20】自転車のリアキャリア又は自転車を折り畳んだ時該リアキャリアとフロントキャリアに、或いはメインフレーム、前フレーム、後フレーム及び左ハンドルによって囲まれた空間に設置するバスケットを示す概要図である。
【図21】本発明をキャリーカーとして使用する時、必要に応じて使用する前車輪カバーを取り付けた状況を示す概要図である。
【図22】本発明をキャリーカーとして使用する時、必要に応じて使用する後車輪カバーを取り付けた状況を示す概要図である。
【図23】ハンドルポストを折り畳むことにより形成される突起を覆うため、必要に応じて使用する突起カバーを示す概要図である。
【図24】本発明をキャリーカーとして使用する時、キャリーバッグ又はバスケットをリアキャリアとフロントキャリアに設置する状況を示す概要図である。
【図25】本発明をキャリーカーとして使用する時、キャリーバッグ又はバスケットをメインフレーム、前フレーム、後フレーム及び左ハンドルによって囲まれた空間に設置する状況を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の請求項1の1実施例を示す折り畳み自転車又は折り畳み自転車2の正面図である。
また、請求項3に述べるように右ハンドルバー(1R)は、ハンドルポスト(2)に沿って下方に90度折り畳み右ハンドルバー固定テープ(26)によって固定することを可能とする。又は、該右ハンドルバー(1R)を左ハンドルバー(1L)に収納し固定することを可能とする。
【0014】
図2は、本発明の請求項1の1実施例を示す折り畳み自転車の側面図である。
メインフレーム(6)の折り畳み箇所を1か所とする。この時、該メインフレーム(6)における前車軸(17)と後車軸(19)との中間点において、該メインフレーム(6)を右向きに180度に折り畳むメインフレーム折り畳み部材(21)を設置する。該メインフレーム折り畳み部材(21)はスライド式の蝶番とし、詳細については図7及び図8の説明において述べる。
また、請求項4に述べるように後フレーム(7)の下方に伸縮可能なキャリーカーハンドルポスト(24)を設置し、該キャリーカーハンドルポスト(24)の先端に左ハンドルバー(1L)を接続し固定するキャリーカーハンドル固定部材(25)を設置する。
【0015】
図3は、本発明の請求項1の1実施例を示す折り畳み自転車2の側面図である。
メインフレーム(6)の折り畳み箇所を2か所とする。この時、該メインフレーム(6)における前車軸(17)と後車軸(19)との中間点から前後10cmの距離に、右向きに90度に折り畳む2か所のメインフレーム折り畳み部材(21f、21r)を設置する。該メインフレーム折り畳み部材(21f、21r)によって折り畳んだ時、前車輪(16)と後車輪(18)は20cmの間隔を置いて平行に並列することが可能となる。またこの時、該メインフレーム折り畳み部材(21f、21r)に挟まれた該メインフレーム(6)部分は、図8の説明において述べる該メインフレーム折り畳み部材(21)が果たすキャリーカー第二ハンドル(21)と同様の役割を果たす。
【0016】
図4は、本発明の請求項2の1実施例を示すものである。
ハンドルシャフト(3)にハンドルシャフト折り畳み部材(20)を設置し、該ハンドルシャフト(3)を左側に180度折り畳むこととする。この時、折り畳まれた該ハンドルシャフト(3)の上部と後フレーム(7)が対称を成すように該ハンドルシャフト折り畳み部材(20)の設置角度を設定する。また該ハンドルシャフト折り畳み部材(20)の設置位置は、折り畳んだ該ハンドルシャフト(3)上部と前車軸(17)との最短の距離が該後フレーム(7)と後車軸(19)との最短の距離と同じになる位置とする。これにより、請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳んだ後該ハンドルシャフト(3)を折り畳んだ時、該ハンドルシャフト(3)の折り畳まれた上部は該後フレーム(7)と平行することとなる。
また、該ハンドルシャフト(3)を折り畳んだ時、該ハンドルシャフト(3)と該メインフレーム(6)が接する部分の両者にハンドルシャフト嵌合部材(27)を設置する。該ハンドルシャフト嵌合部材(27)には一方を凹部、他方を凸部とするなどにより両者を固着させる措置を講じる。
【0017】
図5は、本発明の請求項6の1実施例を示すものである。
前ホーク(5)にフロントキャリア(13)を設置する。該フロントキャリア(13)は幅5cmのU字型として先端をL字型に上部に湾曲させる。また、該フロントキャリア(13)は先端を前車輪(16)の外側鉛直線上までとする。これにより、請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳み請求項2に述べたとおりハンドルシャフト(3)を折り畳み本発明をキャリーカーとして使用する時、該フロントキャリア(13)は該キャリーカーのスタンドと成すことができる。
図5は又、請求項9に述べる前車輪カバー(30f)及び後車輪カバー(30r)並びに請求項10に述べる突起カバー(31)を収納する車輪カバー・突起カバー収納ボックス(32)の1実施例を示すものである。
図5は又、請求項9に述べる前車軸カバー(171)の1実施例を示す。該前車軸カバー(171)は、前車軸(17)の左の突起を埋没させた円盤とし、周囲に溝を付けるなど該前車輪カバー(30f)の紐を留める措置を講じる。
【0018】
図6は、本発明の請求項6の1実施例を示すものである。
後フレーム(7)にリアキャリア(14)を設置する。該リアキャリア(14)は幅5cmのU字型として先端をL字型に上部に湾曲させる。また、該リアキャリア(14)は先端を後車輪(18)の外側鉛直線上までとする。これにより、請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳み請求項2に述べたとおりハンドルシャフト(3)を折り畳み本発明をキャリーカーとして使用する時、該リアキャリア(14)は該キャリーカーのスタンドと成すことができる。
図6は又、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
図6は又、請求項9に述べる後車軸カバー(191)の1実施例を示す。該後車軸カバー(191)は、後車軸(19)の左の突起を埋没させた円盤とし、周囲に溝を付けるなど後車輪カバー(30r)の紐を留める措置を講じる。
【0019】
図7は、請求項1に述べるメインフレーム折り畳み部材(21)の1実施例を示すものである。
メインフレーム前部(6f)に前部蝶番収納部材(211f)、メインフレーム後部(6r)に後部蝶番収納部材(211r)を設置し、該前部蝶番収納部材(211f)、該後部蝶番収納部材(211r)に蝶番(212)の各一片を収納する。
また、該メインフレーム折り畳み部材(21)に蝶番ロック(213)を設置して自転車使用時のメインフレーム(6)を固定する。
【0020】
図8は、請求項1に述べるメインフレーム折り畳み部材(21)の1実施例を示すものである。
該メインフレーム折り畳み部材(21)に設置した蝶番収納部材(211f、211r)に収納した蝶番(212)の両片は、各々軸から10cmまでスライドして留まるものとする。この時、該蝶番(212)に蝶番留め(214)を設置して固定する。
該メインフレーム折り畳み部材(21)を開くことによりメインフレーム(6)を折り畳み該蝶番(212)の両片をスライドさせた時、前車輪(16)と後車輪(18)は20cmの間隔を置いて平行に並列することが可能となる。この時、該メインフレーム折り畳み部材(21)はキャリーカー第二ハンドル(21)として使用できる。
なお、該メインフレーム折り畳み部材(21)に該蝶番(212)の一片を軸とともに固定し、他の一片のみを蝶番収納部材(211)に収納して多段にスライドさせることによっても同様の機能を実現することが可能である。
【0021】
図9は、請求項3に述べるハンドルバー(1)の1実施例を示すものである。
該ハンドルバー(1)の右ハンドルバー(1R)をハンドルポスト(2)との接続部において、該ハンドルポスト(2)に沿って下方に折り畳む措置を講じる。また、ハンドルシャフト(3)に該右ハンドルバー(1R)を固定するため、右ハンドルバー固定部材(26)を設置する。これにより、請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳み請求項2に述べたとおり該ハンドルシャフト(3)を折り畳み該右ハンドルバー(1R)を折り畳んだ時、該右ハンドルバー(1R)を該ハンドルシャフト(3)に固定し、不必要な突起物を収納させることができる。
図9は又、請求項4に述べるキャリーカーハンドル(1L)の1実施例を示すものである。
後フレーム(7)の下方に伸縮可能なキャリーカーハンドルポスト(24)を設置する。該キャリーカーハンドルポスト(24)の先端に左ハンドルバー(1L)を接続し固定するキャリーカーハンドル固定部材(25)を設置する。これにより、請求項1に述べたとおり該メインフレーム(6)を折り畳み請求項2に述べたとおり該ハンドルシャフト(3)を折り畳んだ時、該左ハンドルバー(1L)はギア(22)の下方を通って該キャリーカーハンドルポスト(24)の下方先端に接する。この時、該左ハンドルバー(1L)と該キャリーカーハンドルポスト(24)の下方先端を接続し固定することにより、該左ハンドルバー(1L)は該キャリーカーハンドル(1L)と成し得る。なお、該ハンドルポスト(2)と該キャリーカーハンドルポスト(24)は伸縮可能であることから、使用者の使い勝手に合わせて該キャリーカーハンドル(1L)の長さを調節することが可能となる。
【0022】
図10は、請求項3に述べるハンドルバー(1)の1実施例を示すものである。
右ハンドルバー(1R)を左ハンドルバー(1L)に収納し固定することにより、不必要な突起物を収納させることができる。
なお、該右ハンドルバー(1R)に設置されたブレーキレバーはクリップ式などの着脱可能なものとして該左ハンドルバー(1L)に付け替えることにより、収納の障害を回避するとともに機能を維持できる。
【0023】
図11は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳んだ時、平行するフロントキャリア(13)とリアキャリア(14)を連結するため、一方を軸として他方を跳ね上げ可能とした回転式の該連結キャリア(15)を設置する。該連結キャリア(15)は、該リアキャリア(14)の左右のパイプの各々2か所に凹部を設け、右の凹部を回転軸として左の凹部に懸かる2本の棒から成る。該連結キャリア(15)の2本の棒は平行する2本の車軸連結アーム支持棒(155)など複数の棒を接続して連結する。また該連結キャリア(15)の2本の棒に、左の凹部に接する所を下に折り曲げるなど固着する措置を講じる。また請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳んだ時該連結キャリア(15)を180度回転させて該フロントキャリア(13)に固着させるため、該連結キャリア(15)の2本の棒の先端をU字状に曲げるなどの措置を施すとともに、該フロントキャリア(13)の右パイプに2か所の凹部を設ける。
また、該連結キャリア(15)に、前車軸(17)と後車軸(19)を連結するための措置を講じる。このため、該連結キャリア(15)の2本の棒の一方に回転式の車軸連結アーム(151)を設置し、該車軸連結アーム(151)の先端に車軸連結パイプ(152)を設置する。該車軸連結パイプ(152)は該車軸連結アーム(151)に接続した車軸連結アーム調節棒(154)により車軸連結アーム移動コマ(156)に接続する。該車軸連結アーム移動コマ(156)は該車軸連結アーム支持棒(155)に設置し前後に移動可能なものとする。
また、該連結キャリア(15)に、請求項5に述べた取り外したギアクランク(10)を収納する措置を講じる。このため、該車軸連結アーム支持棒(155)の間隔は該ギアクランクを挿入して固着できるものに設定する
【0024】
図12は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳み該連結キャリア(15)をリアキャリア(14)の右パイプの2か所に設けた凹部を回転軸として180度回転させた時、該連結キャリア(15)の2本の棒の先端はフロントキャリア(13)の右パイプに設けた2か所の凹部に固着する。この時、車軸連結アーム支持棒(155)に設置した車軸連結アーム移動コマ(156)を移動させることにより、該車軸連結アーム(151)を押し下げることができる。これにより、車軸連結パイプ(152)を前車軸(17)と後車軸(19)が向かい合う位置に移動させ両者を連結する。
なお、該車軸連結アーム(151)に接続した該車軸連結アーム調節棒(154)を屈伸式又は伸縮式にして該連結キャリア(15)又は該車軸連結アーム支持棒(155)に固定することによっても同様の機能を実現できる。
【0025】
図13は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳み請求項2に述べたとおりハンドルシャフト(3)を折り畳んだ時、平行に向かい合うフロントキャリア(13)とリアキャリア(14)、前車軸(17)と後車軸(19)をそれぞれ連結して固定するため、該リアキャリア(14)に回転式の該連結キャリア(15)を設置する。
該フロントキャリア(13)と該リアキャリア(14)は、該連結キャリア(15)を180度回転させて先端を該フロントキャリア(13)の右パイプに設けた2か所の凹部に掛けることにより連結する。これにより、該フロントキャリア(13)と該連結キャリア(15)及び該リアキャリア(14)は、本発明の折り畳み自転車をキャリーカーとして使用する時の荷台と成し得る。
また該前車軸(17)と該後車軸(19)は、車軸連結アーム移動コマ(156)を移動させて車軸連結アーム調節棒(154)を引き出し該連結キャリア(15)に設置した回転式の車軸連結アーム(151)を押し下げることにより、車軸連結パイプ(152)を両車軸の位置に移動させて連結する。
【0026】
図14は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
該連結キャリア(15)を着脱式とした場合を示す。リアキャリア(14)の左右のパイプの凹部に嵌めこんで設置した該連結キャリア(15)を取り外して、該リアキャリア(14)の左パイプの凹部に固着していた2本の棒を右パイプに、右パイプの凹部に固着していた2本の棒をフロントキャリア(13)の右パイプに固着させることにより、該リアキャリア(14)と該フロントキャリア(13)を連結する。
【0027】
図15は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
該連結キャリア(15)を着脱式とした場合を示す平面図である。図14の説明で述べたとおりリアキャリア(14)とフロントキャリア(13)を連結した時、該連結キャリア(15)の2本の車軸連結アーム支持棒(155)の間に取り外したギアクランク(10)を挿入してペダル(11)を置くことによって収納する。
【0028】
図16は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
該連結キャリア(15)に設置した車軸連結アーム(151)の先端に設置した車軸連結パイプ(152)の使用例を示す。該車軸連結パイプ(152)をバネ仕掛けのクリップ式とし、該車軸連結アーム(151)の中に仕組んだ棒を押すことにより該車軸連結パイプ(152)の2片が開く仕組みとする。該車軸連結パイプ(152)の2片を開き、前車軸(17)及び後車軸(19)を挟んで閉じることにより該前車軸(17)と該後車軸(19)を連結する。この時、該車軸連結パイプ(152)に取り付けた車軸連結パイプロック(153)を閉めることにより該車軸連結パイプ(152)の緩みを防止する。
【0029】
図17及び図18は、請求項7に述べる連結キャリア(15)の1実施例を示すものである。
図17は該連結キャリア(15)に設置した車軸連結アーム(151)の先端に設置した車軸連結パイプ(152)の平面図を示す。また、図18は該車軸連結パイプ(152)の側面図及び2か所の縦断面図を示す。
【0030】
図19は、請求項8に述べるキャリーバッグの1実施例を示すものである。
該キャリーバッグをフロントキャリア(13)又はリアキャリア(14)に装着するため、キャリーバッグ装着部材(28)を設置する。該キャリーバッグ装着部材(28)は本発明の折り畳み自転車をキャリーカーとして使用する時の荷台、又はキャリーカーハンドル(1L)及びハンドルポスト(2)及びキャリーカーハンドルポスト(24)及びメインフレーム前部(6f)及びメインフレーム後部(6r)で囲まれた空間に装着するためにも使用する。
【0031】
図20は、請求項7に述べるバスケットの1実施例を示すものである。
該バスケットをフロントキャリア(13)又はリアキャリア(14)に装着するため、バスケット装着部材(29)を設置する。該バスケット装着部材(29)は本発明の折り畳み自転車をキャリーカーとして使用する時の荷台、又はキャリーカーハンドル(1L)及びハンドルポスト(2)及びキャリーカーハンドルポスト(24)及びメインフレーム前部(6f)及びメインフレーム後部(6r)で囲まれた空間に装着するためにも使用する。
【0032】
図21は、請求項9に述べる前車輪カバー(30f)の1実施例を示すものである。
該前車輪カバー(30f)は防水性のある四辺形のシートとし、周囲に伸縮性のある紐を備えたものとする。また該前車輪カバー(30f)は着脱式とし、フロントキャリア(13)の左パイプ、該フロントキャリア(13)と前ホーク(5)との接続部、前車軸カバー(171)、及び右ハンドルバー(1R)の折り畳み部分に突起又は括れを設け、該前車輪カバー(30f)の四隅の紐を引っ掛けて使用する。
なお、該前車輪カバー(30f)は、畳み込むことにより該フロントキャリア(13)の左サイドに常設することも可能である。
【0033】
図22は、請求項9に述べる後車輪カバー(30r)の1実施例を示すものである。
該後車輪カバー(30r)は防水性のある四辺形のシートとし、周囲に伸縮性のある紐を備えたものとする。また該後車輪カバー(30r)は着脱式とし、リアキャリア(14)の左パイプ、該リアキャリア(14)と後フレーム(7)との接続部、後車軸カバー(191)、及び左ハンドルバー(1L)の先端に突起又は括れを設け、該後車輪カバー(30r)の四隅の紐を引っ掛けて使用する。
なお、該後車輪カバー(30r)は、畳み込むことにより該リアキャリア(14)の左サイドに常設することも可能である。
【0034】
図23は、請求項10に述べる突起カバー(31)の1実施例を示すものである。
請求項2に述べたとおりハンドルシャフト(3)を折り畳んだ時、該ハンドルシャフト(3)は折り畳み部分において鋭角の突起となり危険を伴う。このため、該ハンドルシャフト(3)の折り畳み部分を覆う該突起カバー(31)を設置する。該突起カバー(31)は開口部をボタンやテープで留める着脱式とするが、該ハンドルシャフト(3)に縛り付けるなど常設することも可能である。
【0035】
図24は、本発明の折り畳み自転車をキャリーカーとして使用する1実施例を示す概略図である。また請求項8に述べるキャリーバッグ又はバスケットの1実施例を示す。
請求項1に述べたとおりメインフレーム(6)を折り畳んだ後、請求項2に述べたとおりハンドルシャフト(3)を折り畳み、請求項7に述べたとおり連結キャリア(15)によりフロントキャリア(13)とリアキャリア(14)、及び前車軸(17)と後車軸(19)を連結する。また請求項3に述べたとおり右ハンドルバー(1R)を折り畳んで先端を該ハンドルシャフト(3)に留め請求項4に述べたとおり左ハンドルバー(1L)の先端をキャリーカーハンドルポスト(24)に留める。さらに請求項5に述べたとおりギアクランク(10)をペダル(11)とともにクランク軸(12)から取り外し請求項7に述べたとおり該連結キャリア(15)に収納する。
この時、図13の説明で述べたとおり、該フロントキャリア(13)と該連結キャリア(15)及び該リアキャリア(14)により該キャリーカーの荷台が形成される。該キャリーカーの荷台に請求項8に述べたとおり該キャリーバッグ又は該バスケットを設置することにより、一定量の荷物の運搬を可能とする。また該キャリーカーの荷台に荷綱によって荷物を直接括りつけることも可能である。
【0036】
図25は、本発明の折り畳み自転車をキャリーカーとして使用する1実施例を示す概略図である。また請求項8に述べるキャリーバッグ又はバスケットの1実施例を示す。
図19の説明又は図20の説明で述べたとおりキャリーカーハンドル(1L)及びハンドルポスト(2)及びキャリーカーハンドルポスト(24)及びメインフレーム前部(6f)及びメインフレーム後部(6r)によって囲まれた空間に該キャリーバッグ又は該バスケットを装着することにより、効率的且つ確実に荷物を搭載する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明により、自転車と公共交通機関との併用が進み、自家用自動車利用が抑制されることから、CO2排出が抑制され、低炭素社会の推進への貢献が期待される。
【符号の説明】
【0038】
1 ハンドルバー
1R 右ハンドルバー
1L 左ハンドルバー=キャリーカーハンドル
2 ハンドルポスト
3 ハンドルシャフト
4 前フレーム
5 前ホーク
6 メインフレーム
6f メインフレーム前部
6r メインフレーム後部
7 後フレーム
8 シートポスト
9 サドル
10 ギアクランク
11 ペダル
12 クランク軸
13 フロントキャリア
14 リアキャリア
15 連結キャリア
151 車軸連結アーム
152 車軸連結パイプ
153 車軸連結パイプロック
154 車軸連結アーム調節棒
155 車軸連結アーム支持棒
156 車軸連結アーム移動コマ
16 前車輪
17 前車軸
171 前車軸カバー
18 後車輪
19 後車軸
191 後車軸カバー
20 ハンドルシャフト折り畳み部材
21 メインフレーム折り畳み部材=キャリーカー第二ハンドル
21f 前部メインフレーム折り畳み部材
21r 後部メインフレーム折り畳み部材
211 蝶番収納部材
211f 前部蝶番収納部材
211r 後部蝶番収納部材
212 蝶番
213 蝶番ロック
214 蝶番留め
22 ギア
23 チェーン
24 キャリーカーハンドルポスト
25 キャリーカーハンドル固定部材
26 右ハンドルバー固定テープ
27 ハンドルシャフト嵌合部材
28 キャリーバッグ装着部材
29 バスケット装着部材
30 車輪カバー
30f 前車輪カバー
30r 後車輪カバー
31 突起カバー
32 車輪カバー・突起カバー収納ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のメインフレームを折り畳み、前車輪と後車輪を平行に並列させることによりキャリーカーとする折り畳み自転車。該前車輪と該後車輪を平行に並列させるため、該メインフレームの折り畳み位置を前車軸と後車軸の中間点とする。また、折り畳んだ該メインフレームの前部と後部を一定の間隔を置いて平行に保つため、メインフレーム折り畳み部材に蝶番収納部材を設置し蝶番をスライド式とする。これにより、蝶番を開いてスライドさせた時該メインフレーム折り畳み部材を該キャリーカーの第二ハンドルとする。
なお、折り畳んだメインフレーム前部とメインフレーム後部を一定の間隔を置いて平行に並列させるため、自転車の該メインフレームを複数箇所で同一方向に折り畳むことも可能である。この時、折り畳み箇所で挟まれた該メインフレーム部分を該キャリーカーの第二ハンドルとする。
【請求項2】
上記自転車のハンドルシャフトを折り畳み可能とするため、ハンドルシャフト折り畳み部材を設置する。この時、折り畳まれた該ハンドルシャフトの上部と後フレームが対称を成すように該ハンドルシャフト折り畳み部材の設置角度を設定する。また折り畳み位置は折り畳んだ該ハンドルシャフト上部と前車軸との最短の間隔が該後フレームと後車軸との最短の間隔と同じになる位置とする。これにより、該メインフレームを折り畳み該ハンドルシャフトを折り畳んだ時、該ハンドルシャフト上部と該後フレームは平行になる。
またこの時、該ハンドルシャフト上部と該メインフレームを固着させる措置を講じる。
【請求項3】
上記自転車のハンドルバーは、ハンドルポストを中心として該ハンドルポストより右を右ハンドルバー、左を左ハンドルバーとする。該左右ハンドルバーの少なくとも一方は該ハンドルポストに沿って折り畳み固定することを可能とする。又は、該左右ハンドルバーの一方を他方に収納し固定することを可能とする。
【請求項4】
上記自転車のハンドルポストを伸縮可能にするとともに、後フレームの下方に伸縮可能なキャリーカーハンドルポストを設置する。また該キャリーカーハンドルポストの先端に左右ハンドルバーの一方を接続し固定するキャリーカーハンドル固定部材を設置する。これにより、メインフレームを折り畳みハンドルシャフトを折り畳んだ時、該左右ハンドルバーの一方を該キャリーカーハンドルポストの先端に固定し、キャリーカーのハンドルとすることができる。
なお、上記自転車のブレーキレバーはクリップ式で取り付け位置を変更できることとするなど、自転車と該キャリーカーで併用する。
【請求項5】
上記自転車のギアクランクをクランク軸との接続部において着脱できるものとする。
【請求項6】
上記自転車の前ホークにフロントキャリア、後フレームにリアキャリアを設置する。該フロントキャリアと該リアキャリアは自転車の接地面から等距離になるものとする。また該フロントキャリアの先端は前車輪の最前部の鉛直線上にあり、該リアキャリアの先端は後車輪の最後部の鉛直線上にあるものとする。これにより両者は自転車をキャリーカーとした時に使用するスタンドと成す。
【請求項7】
上記自転車を折り畳んだ時、向かい合うフロントキャリアとリアキャリアを連結するため連結キャリアを設置する。また該連結キャリアに前車軸と後車軸を連結するための措置を講じる。
また、該連結キャリアに請求項5に述べた取り外したギアクランクを収納する措置を講じる。
なお、該連結キャリアは自転車使用時は可動式又は着脱式により該フロントキャリア又は該リアキャリアに設置する。
【請求項8】
上記自転車をキャリーカーとした時に使用するためキャリーバッグ又はバスケットを設置する。該キャリーバッグ及び該バスケットは着脱式とし、それぞれにフロントキャリア又はリアキャリア、又はその両者に設置する措置を講じる。また、該キャリーバッグ又は該バスケットをハンドル及びハンドルポストとキャリーカーハンドルポスト、及びメインフレームによって囲まれた空間に設置する措置を講じる。
【請求項9】
上記自転車をキャリーカーとした時に使用するため、前車輪に前車輪カバー、後車輪に後車輪カバーを設置する。該前車輪カバーはフロントキャリアと前車軸及びハンドルポストにより囲まれた該前車輪の外側をカバーし、該後車輪カバーはリアキャリアと後車軸及びキャリーカーハンドルポストにより囲まれた該後車輪の外側をカバーする。また該前車輪カバー及び該後車輪カバーは着脱できるものとし、自転車使用時には該リアキャリア又は該フロントキャリアに該前車輪カバー及び該後車輪カバーを収納できる措置を講じる。
また、上記自転車をキャリーカーとした時、該前車輪及び該後車輪の外側の車軸が突起とならないよう車軸カバーを設置する。
【請求項10】
上記自転車をキャリーカーとした時、ハンドルシャフトの折り畳み箇所の突起部分に危険防止の突起カバーを設置する。該突起カバーは着脱できるものとし、自転車使用時には該リアキャリア又は該フロントキャリアに該突起カバーを収納できる措置を講じる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−82378(P2013−82378A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224730(P2011−224730)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(711010699)
【Fターム(参考)】