説明

キーシートおよび携帯電子機器

【課題】キートップシートあるいはプッシャーシートに対するスライドシートの貼り付きを防止して、円滑なスライド性を確保できるキーシートおよびこのキーシートを用いた携帯電子機器を提供する。
【解決手段】透明部51aを有するキートップシート51と、キートップシート51とドームスイッチ52との間に設けられたプッシャーシート53と、キートップシート51とプッシャーシート53との間に第1の表記部58および第2の表記部59を有するスライドシート54とを積層してキーシート50を構成し、スライドシート54あるいはスライドシート54と面接触するキートップシート51およびプッシャーシート53の少なくとも一方の一部に凹凸61を設けたので、接触面同士の密着を緩和することができ、スライドシート54のスライド性を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表記部の向きに合わせて最適な向きで操作できるキーシートおよびこのキーシートを用いた携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの筐体が重なり合うように連結した携帯電子機器である折り畳み式の携帯端末では、ユーザーは、折り畳み式携帯端末を連結部の第1の回動軸を中心として開いた状態(縦開き状態)にして、テンキーなどの操作部を備えた第1の筐体を手で持ち、表示部を備えた第2の筐体を見るという使い型が一般的である。
【0003】
ところで、近年、テレビジョン放送を受信して表示する携帯端末が実用化され、普及されてきたが、横長のテレビジョン放送画面を見るには、表示部を横長にする横開き状態の方が見やすい。そこで、第2の筐体を、第1の回動軸に直交する第2の回動軸まわりに回動させて開く構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
従来から提案されている折り畳み式の携帯端末の一例を図10と図11に示す。
図10の携帯端末100は、操作部101を有する第1の筐体102と、表示部103を有する第2の筐体104と、連結部105の3つの筐体で構成されている。そして、第1の筐体102に設けた第1回動軸102aに連結部105を矢印A方向に回動自在に支持している。連結部105を矢印A方向に回動することにより、第1の筐体102に対して第2の筐体104を第1の方向に開いて、縦開き状態とできる。
【0005】
また、図11に示すように、連結部105には第2回動軸104aが設けられており、第2の筐体104を矢印B方向に回動自在に支持している。従って、第2の筐体104を矢印B方向へ回動させることにより、第1の筐体102に対して第2の筐体104を第2の方向に開いて、横開き状態とできる。
【0006】
しかしながら、この構造では縦開き状態、もしくは横開き状態のどちらかの状態にしか操作部の表示を合わせることができない。そのため、表示面と操作表示があっていない状態では直感的に操作しにくいという問題があった。
そこで、キートップと、各キーのキー機能表示を外部から確認可能に表示したキー機能表示部を備えた電子機器のキー構造において、キー機能表示部は、キートップとの相対位置が変更可能であり、外部から確認可能なキー機能表示を切り替える電子機器のキー構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−22899号公報
【特許文献2】特開2002−7034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のようなキー機能表示を機械的に切り替える場合、薄型の電子機器では、内部のスライドシートと他の部分とが接触し、接触抵抗が高くなることでスライドシートに表記された印刷内容が透明部の位置まで移動することができず、表示がずれてしまう問題があった。
さらに、指などで操作部を押下した場合、内部で密閉空間が作られて、スライドシートが貼りついてしまう問題が発生した。
【0008】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、キートップシートあるいはプッシャーシートに対して、スライドシートの円滑な摺動性を確保し、貼り付きを防止できるキーシート構成を提供し、このキーシートを用いた携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキーシートは、所定位置に透明部が設けられたキートップシートと、前記キートップシートに対して裏側の面に押圧用の突起を有するプッシャーシートと、前記キートップシートと前記プッシャーシートとの間に設けられ、前記キートップシートおよび前記プッシャーシートに対して第1の位置から第2の位置までの範囲で往復移動可能なスライドシートとを備え、前記スライドシートにおける前記キートップシート側の面には、前記第1の位置において前記透明部から第1の方向に判読可能に表記が設けられた第1の表記部と、前記第2の位置において前記透明部から前記第1の方向とは異なる第2の方向に判読可能に表記が設けられた第2の表記部とが設けられ、前記キートップシートと前記プッシャーシートと前記スライドシートとのうち、互いに対向する二面の少なくとも一方の一部に凹凸が形成されている構成を有している。
【0010】
これにより、スライドシートが第1の位置から第2の位置に移動する場合に、キートップシートあるいはプッシャーシートとの間で発生する接触面同士の抵抗を減らすことができるため、スライドシートを低加重で移動させることができる。そのため、所定の位置までスライドシートを低荷重で動かすことができる。また、凹凸を設けていることによりキートップシートを押した際にキートップシートとスライドシート、あるいはスライドシートとプッシャーシートの間で密閉空間を作り出すことが困難となり、貼り付き現象が発生しなくなる。
【0011】
また、本発明のキーシートは、前記スライドシートの前記表記を覆う被覆層を有し、前記被覆層の表面に前記凹凸が形成されている構成を有している。
【0012】
この構成により、スライドシートの表記を透明な被覆層で覆うので、スライドシートを第1の位置から第2の位置に移動させる際に、キートップシートと接触した場合に、表記に擦過傷がついた場合でも、視認した場合に目立たせなくすることが可能である。
【0013】
また、本発明のキーシートは、前記スライドシートが前記第1の位置および前記第2の位置にあるときに、前記透明部から表記内容が見える領域に前記被覆層が形成されているとともに、前記凹凸が前記表記に対応した形状に形成されている構成を有している。
【0014】
また、本発明のキーシートは、前記プッシャーシートの裏側に発光部が設けられている構成を有している。
【0015】
この構成により、スライドシートの表記が、プッシャーシートの裏側に設けられた発光部からの光により照らされて、キートップシートの透明部から見えるので、表記が見やすいとともに、外観品位も向上する。
【0016】
さらに、本発明の携帯電子機器は、前述したキーシートを備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、周囲が暗いときでも確実に入力したいキーを押すことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、キートップシートあるいはプッシャーシートに対するスライドシートの貼り付きを防止して、円滑な摺動性を確保できるキーシートおよびこのキーシートを用いた携帯電子機器を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態のキーシートおよび携帯電子機器について、図面を用いて説明する。
図1は本発明にかかる実施形態の携帯電子機器の縦開き状態を示す斜視図、図2は携帯電子機器の横開き状態を示す斜視図、図3はキーシートの分解斜視図、図4はキーシートの斜視図、図5(A)はキーシートの分解斜視図、図5(B)はドームスイッチにキーシートを重ねた状態を示す断面図、図6は図4中VI−VI位置の断面図、図7は縦開き状態における表記を示す正面図、図8は横開き状態における表記を示す正面図、図9(A)〜(B)は凹凸の形成の変形例を示す断面図である。
【0020】
図1および図2に示すように、実施形態に係る携帯電子機器としての折り畳み式携帯端末10では、操作部21のある第1の筺体である下筐体20と、表示部31を有する第2の筐体である上筐体30とが、連結部40により回動可能に連結されている。
【0021】
すなわち、図1に示すように、折り畳み式携帯端末10では、例えば通話やメールを行う際に、上筐体30を連結部40の第1回動軸41回りに回動させて、下筐体20に対して縦方向に開く縦開き状態と、図2に示すように、例えばテレビを受信したりゲームをしたりする際に、上筐体30を連結部40の第2回動軸42回りに回動させて、下筐体20に対して横方向に開く横開き状態とが可能となっている。
【0022】
操作部21には、四方向キー22および文字や数字を入力するテンキー23が設けられている。テンキー23では、縦開き状態で使用する際には、電話機として使えるように、規格で定められた電話機用のテンキー23配列で、第1の方向(図1中矢印A方向)を上下とする向きで表示される。また、横開き状態で使用する際には、テレビ放送受信機として使いやすいように、第1列目は左から「1」、「2」、「3」、「4」と並んでいる。第2列目は左から「5」、「6」、「7」、「8」と並んでいる。そして、第3列目は「9」、「10」、「11」、「12」と並んでいる。数字の向きは、第2の方向(図2中矢印B方向)を上下とする向きで表示される。
【0023】
操作部21においては、下筐体20の上面20aに、四方向キー22およびテンキー23に対応して窓22a、23aが設けられており、スライドシート54に表示された各キーの表示が見えるようになっている。
【0024】
下筐体20の内部には、操作部21を構成するキーシート50が設けられている。図3に示すように、キーシート50は、所定位置に透明部51aが窓状に設けられたキートップシート51と、キートップシート51とドームスイッチと52の間に設けられたプッシャーシート53と、キートップシート51とプッシャーシート53との間に設けられ、キートップシート51およびプッシャーシート53に対して面方向に沿って所定の範囲で往復移動可能なスライドシート54とを積層して構成されている。
【0025】
図3、図5および図6に示すように、キートップシート51においては、透明な本体51bの表面に、操作部21における窓22a、23aに対応する部分以外の部分に、不透明な塗料51cを塗布することにより、透明部51aを形成している。これにより、窓22a、23aに対応した位置に透明部51aを容易に形成できる。
従って、透明部51aは、塗料51cの厚さ分だけ凹んで形成されることになる。
【0026】
図3に示すように、スライドシート54は、薄いが、座屈しない程度の剛性を有するプラスチックシートでできており、一端に凸状のフォロア取付部54aが形成されている。フォロア取付部54aには、第1の回動軸41に設けられているフォロア移動機構41aによって往復移動するフォロア部材57が取付けられる。また、スライドシート54の周囲には、枠部56が設けられており、スライドシート54の動きを規制するためにスライドシート54の周囲を囲むように設けられる。
【0027】
なお、枠部56の下面(裏面)の一部には、段差部56aを設けて枠部56の肉厚を薄くし、上述したスライドシート54のフオロア取付部54aが通るようにしている。枠部56の下面には、キーのクリック感を向上させるためにプッシャーシート53が、貼着して固定されている。
【0028】
スライドシート54は、枠部56の下面にプッシャーシート56を貼着して固定した状態で、プッシャーシート56の上に置き、スライドシート54の一端に形成したフォロア取付部54aを枠部56の段差部56aとプッシャーシート53との隙間に通して、フォロア取付部54aにフォロア部材57を固定する。このフォロア部材57は、第1回動軸41の回転に対応することでスライドシート54を往復移動させる。
【0029】
なお、スライドシート54は、第1回動軸41が回転した場合のみ移動し、第1回動軸41が回転しない場合、すなわち、上下筐体20、30を閉じた状態および上筐体30を横開きにした場合には、スライドシート54は図示省略のバネ部材により付勢されて、原点位置(横開き状態に適した位置)にあって移動しない。
【0030】
従って、上筐体30の開き方(第1回動軸41の回転の仕方)に応じたフォロア部材57が往復移動に伴い、スライドシート54は、枠部56の内側で、キートップシート51とプッシャーシート53との隙間を移動可能に保持されることになる。
すなわち、スライドシート54は、例えば上筐体30を第1回動軸41を中心として縦開きにして電話機として使用する際には、図4中A方向へ移動して縦開き状態に適した第1の位置(図7参照)に位置する。
また、上筐体30を第2回動軸42を中心として横開きにしてテレビ受信機として使用する際には、横開き状態に適した第2の位置(図8参照)に位置する。スライドシート54は、この第1の位置と第2の位置の間で往復移動可能となっている。
【0031】
図4に示すように、スライドシート54におけるキートップシート51側の面(ここでは上面)には、第1の位置(縦開き状態)においてキートップシート51の透明部51aから第1の方向(縦開き状態における上下方向)に判読可能に表記が設けられた第1の表記部58(図7参照)と、第2の位置(横開き状態)において透明部51aから第1の方向とは異なる第2の方向(横開き状態における上下方向)に判読可能に表記が設けられた第2の表記部59(図8参照)とが設けられている。第1の表記部58と第2の表記部59により、スライドシート54の表記部が構成される。
【0032】
図7に示すように、第1の表記部58と第2の表記部59とは、キートップシート51における透明部51aの、スライドシート54のスライド方向の間隔をPとした場合に、その半分(P/2)だけずらして配置されている。
なお、スライド方向と直交する方向に対しては、同じ位置である。これにより、スライドシート54をP/2だけずらすことにより、第1の表記部58と第2の表記部59とを容易に変えることができる。
【0033】
すなわち、前述したように、第1の表記部58においては、電話機として使えるように、規格で定められた電話機用のテンキー23配列で、第1の方向(図1中矢印A方向)を上下とする向きで表示される。また、第2の表記部59においては、テレビ放送受信機として使いやすいように、第1列目は左から「1」、「2」、「3」、「4」、第2列目は左から「5」、「6」、「7」、「8」、第3列目は「9」、「10」、「11」、「12」と並んでおり、数字の向きは、第2の方向(図2中矢印B方向)を上下とする向きで表示される。そして、第1の表記部58と第2の表記部59とが、スライドシート54のスライド量に対応して、スライド方向に隣接して設けられている。
【0034】
図6に示すように、キーシート50においては、キートップシート51とプッシャーシート53とスライドシート54とのうち、互いに対向する二面の少なくとも一方の一部に他方との密着を緩和する凹凸61が形成されている。
すなわち、スライドシート54のキートップシート側には、凹凸61が形成されており、スライドシート54と、キートップシート51の密着(貼り付き)を防止して、スライドシート54のスライドをスムーズに行うことができるようにしている。
【0035】
図5(A)および(B)に示すように、ここでは、スライドシート54のキートップシート側に、スライドシート54の第1の表記部58および第2の表記部59を覆う被覆層55を設け、この被覆層55の表面に凹凸61が形成されている。被覆層55は、例えば、スライドシート54が第1の位置および第2の位置にあるときに、キートップシート51の透明部51aから目視できる領域にのみ設けることができる。
あるいは、第1の表記部58および第2の表記部59を覆う全域に被覆層55を設けることができる。この場合には、スライドシート54および被覆層55の製造が容易になる。
なお、図5(A)に示すように、第1の表記部58および第2の表記部59の表記(数字や文字)と重なるように、被覆層55の表面(上面)に例えばUV照射により凹凸61を設けることができる。あるいは、被覆層55の上面全面に凹凸を設けることもできる。
【0036】
これにより、スライドシート54の表記を透明な被覆層55で覆うので、スライドシートがキートップシートと接触した場合に、擦過傷がついた場合でも目立ちにくくできる。また、被覆層55の表面に凹凸61が形成されているので、キートップシート51にスライドシート54が貼り付くのを防止して、スムーズに移動させることができる。
【0037】
なお、凹凸61の表面の凸形状の高さとしては、5〜60μmとするのが効果的である。
また、凹凸を形成するための被覆層55の材質としては、UV硬化のための材料にメジューム剤を混ぜたものを使用するのが一般的である。
【0038】
図3および図5(B)に示すように、スライドシート54の下側にはプッシャーシート53が設けられており、さらにプッシャーシート53の下側にはドームスイッチ52が設けられている。プッシャーシート53は全体の厚さが薄く、キートップシート51を押すことによりスライドシート54を介してプッシャーシート53たわませることで、直下のドームスイッチ52のドーム52a表面をへこませ、ドーム52a内面を下降させて、基板52bに設けられている櫛歯形電極に接触させて、キー入力を実現している。
【0039】
また、ドームスイッチ52におけるドーム52a間の隙間には、バックライトである発光部としてのLED52cが設けられている。これにより、スライドシート54の表記58、59が、プッシャーシート53の裏側に設けられたLED52cからの光により照らされて、キートップシート51の透明部51aから見えるので、第1の表記部58および第2の表記部59が見やすいとともに、外観品位を向上させることができる。
【0040】
次に、縦開き状態および横開き状態における操作部21における表示について説明する。
図7に示すように、下筐体20に対して上筐体30を第1回動軸41周りに縦方向に開けると、第1回動軸41の回転に応じて、第1回動軸41に設けられているフォロア移動機構41aがキーシート50のスライドシート54に取付けられているフォロア部材57を移動させて、スライドシート54を移動させる。
これにより、第1の表記部58がキートップシート51の透明部51aを通して見えるので、電話やメールを容易に行うことができる。
なお、第2の表記部59は、キートップシート51の塗装部分51cに隠れて見えない(破線で表示)。
【0041】
また、図8に示すように、下筐体20に対して上筐体30を第2回動軸42周りに横方向に開けると、第1回動軸41は回転しないので、フォロア部材51も移動せず、スライドシート54は移動しない。上下筐体20、30を閉じた状態および横開き状態においては、スライドシート54は原点位置にあり、第2の表記部59がキートップシート51の透明部51aを通して見える位置にある。
このため、横開き状態では、テレビの受信やゲームの操作を容易に行うことができる。
なお、第1の表記部58は、キートップシート51の塗装部分51cに隠れて見えない(破線で表示)。
【0042】
以上、説明したキーシート50および携帯端末10によれば、透明部51aを有するキートップシート51と、ドームスイッチ52とプッシャーシート53と、キートップシート51とプッシャーシート53との間に設けられた隙間の間に配置された第1の表記部58および第2の表記部59を有するスライドシート54とでキーシート50を構成し、スライドシート54あるいはスライドシート54と面接触するキートップシート51およびプッシャーシート53の少なくとも一方の一部に凹凸61を設けたので、接触面同士の密着を緩和することができ、かつ、接触したときの抵抗を下げることができるためスライドシート54のスライド性を確保できる。
【0043】
このため、スライドシート54をスライドさせることにより、スライドシート54におけるキートップシート51側の面に設けられて、縦開き状態においてキートップシート51の透明部51aから縦開き状態において読む向きに表記が設けられた第1の表記部58と、横開き状態において透明部51aから横開き状態において読む向きに表記が設けられた第2の表記部59とを、スムーズに切り替えることができる。
これにより、縦開き状態で例えば電話として使用する場合および横開き状態で例えばテレビ受信機として使用する場合に適したキー表示を得ることができる。
【0044】
なお、本発明のキーシートおよび携帯電子機器は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
前述した実施形態においては、凹凸61をスライドシート54を覆う被覆層55の全面に設けた場合を例示したが、これに限るものではない。
例えば、図9(A)に示すキーシート50Bのように、スライドシート54の表面に被覆層55を設けず、第1の表記部58および第2の表記部59の表記の表面にのみ凹凸61を設けることができる。
また、図9(B)に示すキーシート50Cのように、キートップシート51においてスライドシート54に対向する面に凹凸61を設けることができる。
さらに、図9(C)に示すキーシート50Dのように、スライドシート54においてプッシャーシート53に対向する面で、第1の表記部58および第2の表記部59の表記に対応する位置に、凹凸61を設けることができる。
このような変形例においても、前述した実施形態にかかるキーシート50および携帯端末10と同様の作用・効果を得ることができる。
また、凹凸61を、例えばスライドシート54の上下両面に設けてもよい。
また、携帯電子機器は、携帯電話だけでなく、PDA、ノートパソコン、ゲーム機等の持ち運び可能な電子機器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明にかかる実施形態の携帯電子機器の縦開き状態を示す斜視図
【図2】本発明にかかる実施形態の携帯電子機器の横開き状態を示す斜視図
【図3】本発明にかかる実施形態のキーシートの分解斜視図
【図4】キーシートの斜視図
【図5】図5(A)はキーシートの分解斜視図、図5(B)はドームスイッチにキーシートを重ねた状態を示す断面図
【図6】図4中VI−VI位置の断面図
【図7】縦開き状態における表記を示す正面図
【図8】横開き状態における表記を示す正面図
【図9】(A)〜(C)は凹凸の形成の変形例を示す断面図
【図10】従来の折り畳み式携帯電話の縦開き状態を示す斜視図
【図11】従来の折り畳み式携帯電話の横開き状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0046】
10 携帯端末(携帯電子機器)
50 キーシート
51 キートップシート
51a 透明部
52 ドームスイッチ
52c LED(発光部)
53 プッシャーシート
54 スライドシート
55 被覆層
58 第1の表記部
59 第2の表記部
61 凹凸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置に透明部が設けられたキートップシートと、
前記キートップシートに対して裏側の面に押圧用の突起を有するプッシャーシートと、
前記キートップシートと前記プッシャーシートとの間に設けられ、前記キートップシートおよび前記プッシャーシートに対して第1の位置から第2の位置までの範囲で往復移動可能なスライドシートとを備え、
前記スライドシートにおける前記キートップシート側の面には、
前記第1の位置において前記透明部から第1の方向に判読可能に表記が設けられた第1の表記部と、
前記第2の位置において前記透明部から前記第1の方向とは異なる第2の方向に判読可能に表記が設けられた第2の表記部とが設けられ、
前記キートップシートと前記プッシャーシートと前記スライドシートとのうち、互いに対向する二面の少なくとも一方の一部に凹凸が形成されているキーシート。
【請求項2】
前記スライドシートの前記表記を覆う被覆層を有し、
前記被覆層の表面に前記凹凸が形成されている請求項1に記載のキーシート。
【請求項3】
前記スライドシートが前記第1の位置および前記第2の位置にあるときに、
前記透明部から判読可能な表記の領域に前記被覆層が形成されているとともに、前記凹凸が前記表記に対応した形状に形成されている請求項2に記載のキーシート。
【請求項4】
前記被覆層が前記スライドシートの全域に形成されている請求項2に記載のキーシート。
【請求項5】
前記プッシャーシートの裏側に発光部が設けられている請求項1に記載のキーシート。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のキーシートを備えた携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−79530(P2010−79530A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246088(P2008−246088)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】