説明

ギヤ装置における軸受の潤滑構造

【課題】外部配管を使用することなく、ギヤケースの内部において軸受を強制的に、かつ効果的に潤滑し、軸受の耐久性を向上させうるようにする。
【解決手段】上位に位置する中間軸16の内部に軸方向を向くように設けられ、かつ一方の開口端より潤滑油が供給されるようにした油路21と、油路21と内部において連通し、かつ開口端がギヤケース2内に開口する油吐出路25と、中間軸16の下方においてギヤケース2の側壁2a、3の内面に取付けられ、かつ受け口が、中間軸16における油吐出路25の開口端より吐出される潤滑油を受け止めうる方向を向くようにした油受け具46と、中間軸16の下方の出力軸26の側端部を支持する軸受28の外側面と油受け具46の受け口とに連通する油導入経路35、43、44とを備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば産業用車両や建設機械等の変速機やギヤボックスのようなギヤ装置において、出力軸等を支持する軸受を強制的に潤滑する潤滑構造に関する。
【背景技術】
【0002】
変速機等において、出力軸等の軸受を潤滑する方式には、ギヤケースのオイルパンに貯留されている潤滑油の油面を、ギヤの回転により跳ね上げ、飛散した潤滑油により行うもの(例えば特許文献1及び2参照)や、オイルポンプに接続した外部配管により、強制的に潤滑するようにしたものがある(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−38072号公報
【特許文献2】特開2006−275136号公報
【特許文献3】特開平6−219174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に記載されているように、潤滑油の油面をギヤにより跳ね上げて軸受を潤滑するものにおいては、跳ね上げられた潤滑油は広範に亘って飛散せず、一定の箇所にのみ集中するので、ギヤから離れた軸端部を支持する軸受を効果的に潤滑することができない。特に、軸受における軸線方向の外側には、潤滑油が十分に行き渡りにくいので、軸受は摩耗し易く、その耐久性が低下する恐れがある。
【0005】
特許文献3に記載のものにおいては、軸受が外部配管により強制的に潤滑されるので、上記の問題が発生する恐れは小さいが、長寸の外部配管を別途設計して製作しなければならないので、コスト高となり、かつ配管作業も煩雑となる。
また、外部配管が、車両の走行時や経時劣化等により、損傷または破損される恐れもある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、外部配管を使用することなく、ギヤケースの内部において軸受を強制的に、かつ効果的に潤滑して、軸受の耐久性を向上させうるようにし、しかも安価なギヤ装置における軸受の潤滑構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。
(1)ギヤケース内に互いに平行をなすように収容され、かつギヤを介して互いに連動して回転する上下複数の回転軸の両端部を、前記ギヤケースの両側壁に設けた軸受により回転自在に支持してなるギヤ装置において、前記複数の回転軸の中の上位に位置する第1回転軸の内部に軸方向を向くように設けられ、かつ一方の開口端より潤滑油が供給されるようにした油路と、前記油路と内部において連通するように前記第1回転軸に設けられ、かつ開口端が前記ギヤケース内に開口する油吐出路と、前記第1回転軸の下方において前記ギヤケースの側壁の内面に取付けられ、かつ受け口が、前記第1回転軸における油吐出路の開口端より吐出される潤滑油を受け止めうる方向を向くようにした油受け具と、前記第1回転軸の下方の第2回転軸の側端部を支持する軸受の外側面と前記油受け具の受け口とに連通し、油受け具に流入した潤滑油を、前記軸受の外側面に導入しうるようにした油導入経路とを備えるものとする。
【0008】
このような構成とすると、上位の第1回転軸の油路に供給され、油吐出路より吐出した潤滑油は、第1回転軸が1回転する毎に、油受け具内に流入し、油導入経路を介して軸受の外側面に導入される。
これにより、潤滑油が十分に行き渡りにくい軸受の外側が強制的に、かつ効果的に潤滑されるため、その摩耗が低減されて耐久性が向上する。
また、軸受を潤滑する潤滑油は、ギヤケースの内部より供給されるので、従来のように、軸受を潤滑するための外部配管を設ける必要がなく、その分、安価な潤滑構造とすることができ、かつ外部配管を損傷させる恐れもない。
【0009】
(2)上記(1)項において、受け口の中心と、油吐出孔の中心とを、第1回転軸の軸線方向に互いに整合させる。
【0010】
このような構成とすると、油吐出路より吐出した潤滑油が、油受け具内に流入し易くなる。
【0011】
(3)上記(1)または(2)項において、受け口の中心を、第1回転軸の中心方向を向くようにする。
【0012】
このような構成とすると、油吐出路より吐出した潤滑油が、油受け具内にさらに流入し易くなるので、軸受の外側がより効果的に潤滑されるようになる。
【0013】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、ギヤケースの側壁に軸孔を設け、この軸孔に第2回転軸の一方の端部を支持する軸受を嵌合するとともに、この軸受の外側面を、前記側壁の外側面に取付けたリテーナにより押さえ、油導入経路を前記リテーナの内部に設ける。
【0014】
このような構成とすると、通常用いられるリテーナに若干加工を施すのみで、油導入経路を簡単に設けることができる。
【0015】
(5)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、ギヤケースの側壁の内側面に凹状の嵌合孔を設け、この嵌合孔に、第2回転軸の一方の端部を支持する軸受を嵌合し、油導入経路を前記側壁の内部に設ける。
【0016】
このような構成とすると、油導入経路を側壁の内部に設けてあるので、潤滑油が外部に漏出するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、潤滑油が十分に行き渡りにくい軸受の外側が強制的に、かつ効果的に潤滑されるため、その摩耗が低減されて耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を適用した変速機を右方より見た側面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿う縦断正面図である。
【図3】図2におけるIII−III線拡大縦断側面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線拡大縦断側面図である。
【図5】左側のベアリングの潤滑部の要部の拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態におけるベアリング潤滑部の拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、工場等に敷設した軌道上を走行する車両の変速機に適用した例について説明する。
図1は、変速機の側面図、図2は、図1のII−II線に沿う縦断正面図で、この変速機1のギヤケース2は、右側が開口する側面視縦長方形の半割筐状をなし、この開口面には、カバー板3が複数のボルト4により止着されている。
【0020】
ギヤケース2内の上部には、左右方向を向く入力軸5が、ギヤケース2の側壁2aとカバー板3との対応位置に設けた軸孔6、6より両端部が突出するようにして収容され、入力軸5の両端部は、左右の軸孔6、6に圧嵌された軸受7、7により回転自在に支持されている。
【0021】
ギヤケース2の側壁2a及びカバー板3より突出する入力軸5の左右の端部は、それぞれ、側壁2aとカバー板3の外側面にねじ止めされた筒状のアタッチメント8、8の内部において、各アタッチメント8に固定された油圧モータ9の回転軸9aに連結され、入力軸5は、左右の油圧モータ9、9により駆動されるようになっている。なお、入力軸5の駆動は、油圧モータ9に代えて、電動モータやエンジン等により行うこともある。
【0022】
ギヤケース2の内部において、入力軸5の中央部には、油圧式の第1速用多板クラッチ10と、第2速用多板クラッチ11が、左右に並べて取り付けられている。
第1速用多板クラッチ10の左方において、入力軸5には、第1速用クラッチギヤ12が、軸受13を介して回転自在に外嵌されている。
また、第2速用多板クラッチ11の右側方において、入力軸5には、第1速用クラッチギヤ12よりも大径の第2速用クラッチギヤ14が、軸受13を介して回転自在に外嵌されている。第1速用クラッチギヤ12と第2速用クラッチギヤ14は、それぞれ、第1速用多板クラッチ10と第2速用多板クラッチ11とが、入力軸5内の油路15、15に供給された圧油により選択的に接続されたときに、入力軸5と共に一体的に回転するようになっている。
【0023】
入力軸5の斜め後下方において、ギヤケース2内には、入力軸5と平行をなす第1回転軸としての中間軸16が収容され、この中間軸16の両端部は、ギヤケース2の側壁2aとカバー板3とに圧嵌された軸受17、17により回転自在に支持されている。左右の軸受17、17の外側面は、それぞれ、側壁2aとカバー板3の外側面にねじ止めされたリテーナ23、23により抜け止めされている。
【0024】
中間軸16の中央部には、後記する大径の出力ギヤ37と噛合する小径の入力ギヤ18が、一体的に形成されている。
また、中間軸16における入力ギヤ18を挟む両側には、第1中間ギヤ19と、それよりも小径の第2中間ギヤ20とが固嵌され、これら第1中間ギヤ19と第2中間ギヤ20は、それぞれ、上記第1速用クラッチギヤ12と第2速用クラッチギヤ14とに噛合している。これにより、中間軸16は、第1速用多板クラッチ10と第2速用多板クラッチ11とを選択的に接続することにより、低速回転と高速回転とのいずれかに変速されて回転させられるようになっている。
【0025】
中間軸16の軸心上には、長手方向を向く油路21が貫設され、その左端の開口部は、閉塞部材22により塞がれ、右端は、カバ−板3の外側面のリテーナ23に螺着した潤滑油供給用の中空状コネクタ24と連通されている。
中間軸16の左右側端部付近には、油路21と連通する半径方向を向く小径の油吐出路25、25が、中間軸16の外周面に開口するようにして穿設され、油路21に導入された潤滑油がギヤケース2内に吐出されるようにしてある。なお、中間軸16における第1中間ギヤ19と第2中間ギヤ20との嵌合部にも、同様の油吐出路25が穿設され、両中間ギヤ19、20の嵌合部を潤滑するようになっている。このような油吐出路25は、円周方向に複数設けてもよい。
【0026】
中間軸16の斜め前下方において、ギヤケース2の内部には、中間軸16と平行をなす第2回転軸としての出力軸26が、ギヤケース2の側壁2aとカバー板3との軸孔27、27より両端部が突出するようにして収容され、出力軸26の両端部は、左右の軸孔27、27に圧嵌された軸受、すなわちボールベアリング28、28により回転自在に支持されている。左右のボールベアリング28、28の外側面は、それぞれ、側壁2aとカバー板3との外側面にボルト29止めされた筒状のリテーナ30、30の内端面により押止され、軸孔27、27より抜け外れるのが防止されている。
【0027】
出力軸26の両端部には、車両における左右の車輪の駆動軸(いずれも図示略)に連結される円筒状のアタッチメント31、31が、スプライン32を介して相対回転不能に連結され、各アタッチメント31は、出力軸26の端面にボルト33止めされた押え板34により抜け止めされている。
左右のリテーナ30、30の内周面と、左右のアタッチメント31、31の外周面との間に形成された環状空間35は、両リテーナ30の外側端部に嵌合されたオイルシール36によりシールされている。
【0028】
出力軸26の中間部には、大径の出力ギヤ37が圧嵌され、出力ギヤ37は、中間軸16上の小径の入力ギヤ18と噛合し、低速または高速に変速して回転させられる中間軸16の回転力が、出力軸26に伝達されるようになっている。
【0029】
ギヤケース2内の下部は、潤滑油38の貯留室となっており、潤滑油38は、カバー板3の下部に取付けたオイルフィルタ39により瀘過されたのち、その排出孔39aから出て、カバー板3の外側面に取付けた中空状のコネクタ40に流入するようになっている。このコネクタ40と中間軸16におけるコネクタ24とは、オイルポンプ41と図示しないオイルクーラーを介して、パイプ42により接続され、オイルポンプ41を作動させることにより、ギヤケース2内の潤滑油38が、中間軸16の油路21に供給されるようになっている。
【0030】
図1〜図3に示すように、出力軸26の斜め前上方において、その左端部を支持しているボールベアリング28と近接するギヤケース2の側壁2aには、左右方向を向く導油孔43が穿設され、この導油孔43の外方の開口端は、リテーナ30の内部に設けた、内側方とボールベアリング28の外側の環状空間35とに開口する空間部44と連通するようにしてある。なお、環状空間35、導油孔43、及び空間部44により、ボールベアリング28の外側面に潤滑油を導入する油導入経路が形成されている。
【0031】
図5に拡大して示すように、導油孔43の内端部に穿設された雌ねじ部45には、中空かつエルボ管状の油受け具46の端部の雄ねじ部47が螺合されている。
図2に示すように、油受け具46の受け口46aの中心と、中間軸16の左端部に設けた油吐出路25の中心とは、中間軸16の軸線方向に整合し、かつ、図3に示すように、受け口46aの中心は、中間軸16の中心方向に向けてある。
【0032】
このようにすることにより、中間軸16は、車両の走行時において常に回転しているため、中間軸16の油路21内に圧送された潤滑油は、左側端部の油吐出路25より、ロータリスプリンクラーのように、中間軸16まわりに勢いよく吐出し、中間軸16が1回転する毎に、油受け具46の受け口46aより内部に効果的に流入する。油受け具46内に流入した潤滑油は、図5の矢印で示すように、側壁2aに設けた導油孔43と、リテーナ30の内部の空間部44を介して、ボールベアリング28の外側の環状空間35内に流入する。
【0033】
これにより、潤滑油が十分に行き渡りにくいボールベアリング28の外側が、強制的に、かつ効果的に潤滑され、その摩耗が低減されて耐久性が向上する。ボールベアリング28の内側は、ギヤケース2内の下部の潤滑油38を出力ギヤ37が跳ね上げることにより、その飛散した潤滑油により潤滑される。
【0034】
図1〜図4に示すように、出力軸26の右端部を支持しているカバー板3におけるボールベアリング28の後側にも、上記と同様の油受け具46が取り付けられている。この油受け具46の受け口46aの中心も、中間軸16に設けた右側端部の油吐出路25の中心と整合させてあり、かつ中間軸16の中心方向に向けてある。
【0035】
右側端部の油吐出路25より油受け具46に流入した潤滑油は、カバー板3の導油孔48を介して、リテーナ30の内周面とアタッチメント31の外周面との間の環状空間35に流入する。これにより、右側のボールベアリング28の外側は、強制的に、かつ効果的に潤滑され、その耐久性は向上させられる。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態においては、中間軸16と、その下方の出力軸26とが、前後方向にやや偏位している変速機1に適用した例を説明したが、両軸線が、上下方向に整合するもの、すなわち、中間軸16の直下に出力軸26を配設した変速機等にも適用することができる。この際には、油受け具46を、中間軸16の下方において、側壁2aとカバー板3とに設け、受け口46aを、真上に向ければよい。
【0037】
また、上記実施形態は、出力軸26の両端部を、側壁2aとカバー板3より突出させ、その両側により車輪を駆動するようにした車両に適用した例であるが、例えば出力軸26の一方のみを、カバー板3より突出させ、出力軸26の片側により駆動する変速機にも、本発明を適用することができる。
【0038】
この際には、図6に示すように、側壁2aの内側面に設けた凹状の嵌合孔49に圧嵌したボールベアリング28により、出力軸26の側壁2a側の端部を支持し、油受け具46を取付けた導油孔43と、ボールベアリング28の外側面とを、側壁2aに設けた油導入経路50により連通させればよい。
【0039】
上記実施形態は、最下位の出力軸26のボールベアリング28、28を強制的に潤滑する例であるが、中間軸16の左右の軸受17の外側を強制的に潤滑させることもできる。この際には、最上位の入力軸5の両側部に、上記と同様の油吐出路25を設けるとともに、両軸受17と近接する側壁2aとカバー板3とに、上記と同様の油受け具46を設け、両軸受17を外側より押さえるリテーナ23の内部に、軸受17の外側面に連通する油導入経路を設ければよい。
【0040】
本発明は、多板クラッチ10、11やクラッチギヤ12、14のないギヤ装置、例えば互いに平行をなす上下複数の回転軸に、径の異なる複数のギヤを固嵌し、これらのギヤ同士を互いに噛合させ、複数の回転軸を、連動させて回転させるようにしたギヤボックス等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 変速機(ギヤ装置)
2 ギヤケース
2a側壁
3 カバー板(側壁)
4 ボルト
5 入力軸
6 軸孔
7 軸受
8 アタッチメント
9 油圧モータ
9a回転軸
10 第1速用多板クラッチ
11 第2速用多板クラッチ
12 第1速用クラッチギヤ
13 軸受
14 第2速用クラッチギヤ
15 油路
16 中間軸(第1回転軸)
17 軸受
18 入力ギヤ
19 第1中間ギヤ
20 第2中間ギヤ
21 油路
22 閉塞部材
23 リテーナ
24 コネクタ
25 油吐出路
26 出力軸(第2回転軸)
27 軸孔
28 ボールベアリング(軸受)
29 ボルト
30 リテーナ
31 アタッチメント
32 スプライン
33 ボルト
34 押え板
35 環状空間(油導入経路)
36 オイルシール
37 出力ギヤ
38 潤滑油
39 オイルフィルタ
39a排出孔
40 コネクタ
41 オイルポンプ
42 パイプ
43 導油孔(油導入経路)
44 空間部(油導入経路)
45 雌ねじ部
46 油受け具
46a受け口
47 雄ねじ部
48 導油孔
49 嵌合孔
50 油導入経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤケース内に互いに平行をなすように収容され、かつギヤを介して互いに連動して回転する上下複数の回転軸の両端部を、前記ギヤケースの両側壁に設けた軸受により回転自在に支持してなるギヤ装置において、
前記複数の回転軸の中の上位に位置する第1回転軸の内部に軸方向を向くように設けられ、かつ一方の開口端より潤滑油が供給されるようにした油路と、
前記油路と内部において連通するように前記第1回転軸に設けられ、かつ開口端が前記ギヤケース内に開口する油吐出路と、
前記第1回転軸の下方において前記ギヤケースの側壁の内面に取付けられ、かつ受け口が、前記第1回転軸における油吐出路の開口端より吐出される潤滑油を受け止めうる方向を向くようにした油受け具と、
前記第1回転軸の下方の第2回転軸の側端部を支持する軸受の外側面と前記油受け具の受け口とに連通し、油受け具に流入した潤滑油を、前記軸受の外側面に導入しうるようにした油導入経路
とを備えることを特徴とするギヤ装置における軸受の潤滑構造。
【請求項2】
受け口の中心と、油吐出孔の中心とを、第1回転軸の軸線方向に互いに整合させてなる請求項1記載のギヤ装置における軸受の潤滑構造。
【請求項3】
受け口の中心を、第1回転軸の中心方向を向くようにしてなる請求項1または2記載のギヤ装置における軸受の潤滑構造。
【請求項4】
ギヤケースの側壁に軸孔を設け、この軸孔に第2回転軸の一方の端部を支持する軸受を嵌合するとともに、この軸受の外側面を、前記側壁の外側面に取付けたリテーナにより押さえ、油導入経路を前記リテーナの内部に設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載のギヤ装置における軸受の潤滑構造。
【請求項5】
ギヤケースの側壁の内側面に凹状の嵌合孔を設け、この嵌合孔に、第2回転軸の一方の端部を支持する軸受を嵌合し、油導入経路を前記側壁の内部に設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載のギヤ装置における軸受の潤滑構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122579(P2012−122579A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275473(P2010−275473)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】