説明

クライオクーラのスプリット撓みサスペンションシステム及び方法

2つの独立可動撓みシステムが単一の磁気構造全体に亘って分割されたクライオクーラ。パッケージのサイズを小さくし、外部からの力による片持ち式の部分の弛みへの耐性を高める。一連の同心的に配置された撓み接続シャフトが、2つの独立可動撓みアセンブリが単一のモータ全体に亘って分割されるように設けられている。また、一連のコネクタが、外側シャフトを通過するモータの前方側に設けられており、内側接続シャフトが干渉なくこの撓み部に装着されることを可能にする。一連の閉鎖接続部が、後方の撓みスタックに設けられており、アセンブリを形成し、干渉なく堅い機械的な接続を果す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温冷却器(cryogenic cooler)に関する。特に、本発明は、極低温冷却器を懸架し、かつ支持するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空間赤外線センサシステムは、センサの性能を高めるために、極低温冷却サブシステムの使用をしばしば必要とする。他のタイプと比べて各々が比較的強い性質や弱い性質を有する数多くのタイプの極低温冷却サブシステムが存在する。ある空間クライオクーラは、強い要請により、代表的には、効率性、動作上の適応性並びに振動性能を有する。しかし、これらの長所は、他の入手可能なシステムと比べて、増えた質量部分及び容積部分のコストを招く。
【0003】
例えば、撓みを受ける(flexure-borne)可動アセンブリのアプリケーションは、最近のクライオクーラにおける最も重要な進展の1つである。なぜならば、通常のラビングシールに代わって、密接に保つ非接触クリアランスシールに対して、関連するかなり堅い径方向の堅さが使用されることを可能にするからである。これにより、クライオクーラの寿命が延びる。なぜならば、非接触クリアランスシールを使用することにより、ラビングシールに関連する数多くの汚染や劣化の問題を防げるからである。それ故、撓みを受ける可動アセンブリを使用することによる利益は、動作中、及び外部からの側部荷重力が加えられたとき(例えば、宇宙船の発射時)、これらのクリアランスシールで適切に中心決めされた可動部品を保つ撓みシステムの能力に依存している。
【0004】
クライオクーラのクリアランスシールのデザインに関連する機械的な実体は、可動システムの質量部分のうちのいくつかの部分が、撓みシステム自体から離れて片持ち式にされていることを規定している。片持ち式の部分は、本来、外部から加えられた力により弛みやすく、測定は、このような弛みが起こるのを防ぐようにして行わなければならない。
【0005】
例えば、インラインのスターリングクライオクーラのデザインに提案された新規な特徴部分は、コンプレッサとスターリングディスプレーサのピストンとの両方を駆動させるために、単一の磁気構造の使用を必要とする。この形態では、コンプレッサとディスプレーサのピストンとの両方のための撓みサスペンションシステムが、単一の磁気構造の周りに何らかの方法で向けられなければならない。
【0006】
通常は、コンプレッサのサスペンションは、クライオクーラの磁気回路の一方の側に完全に配置され、ディスプレーサのサスペンションは、これと対向している側に完全に位置される。コンプレッサとエキスパンダの可動部分との大部分は、サスペンション要素から離れて片持ち式にされている。この形態では、各サスペンションサブアセンブリのそれぞれの撓みスタックは、(コンプレッサとエキスパンダの可動要素との)片持ち式の部分が、側部荷重力が加えられたときに弛まないように、十分な径方向の堅さを与えるために離間されなければならない。撓み部を離間することによって、径方向に対する撓み部の有効な機械的倍率は増加する。
【0007】
しかし、この構成は、パッケージングの観点からは、かなり効率が悪い。特に、モータの各側の撓み部は、片持ち式のピストンの弛みを減らすために、かなり離れた距離に離間されなければならない。撓みスタックの間のこの間隔は、デザイン全体にかなりの長さを加える。
【0008】
従って、従来において、クライオクーラのようなシステムの可動要素を十分に懸架し、かつ必要なパッケージ容積部分及び質量部分を最小にするシステム又は方法に対する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0009】
従来における必要性は、本発明のサスペンションシステムによって対処される。例示的な実施の形態では、本発明のシステムは、第1の長軸に沿って移動するように装着された第1の要素と共に使用するように形成されており、前記第1の要素のアラインメントを維持するために、第1の要素の第1の端部で第1の要素に結合された第1のメカニズムと、前記第1の要素のアラインメントを維持するための第2のメカニズムとを有し、この第2のメカニズムは、前記第1の要素が、大部分が第1と第2のメカニズムの間に配置されるように、第1の要素の第2の端部に配置されている。また、第3のメカニズムは、前記第1のメカニズムを前記第2のメカニズムに機械的に結合するために設けられている。
【0010】
例示的な実施の形態では、前記第1のメカニズムは、第1の撓みスタックであり、前記第2のメカニズムは、第2の撓みスタックであり、前記第3のメカニズムは、チューブである。特定の実施の形態では、第2の要素が、前記第1の長軸に沿って移動するように設けられている。第2の要素は、前記第1と第2のメカニズムの間に少なくとも部分的に配置されている。また、第4のメカニズムが、前記第2の要素のアラインメントを維持するために、第2の要素の第1の端部で前記第2の要素に結合されている。さらに、第5のメカニズムが、第2の要素のアラインメントを維持するために設けられている。第5のメカニズムは、前記第2の要素が、大部分が第4と第5のメカニズムの間に位置されているように、第2の要素の第2の端部に配置されている。第6のメカニズムは、前記第4のメカニズムを前記第5のメカニズムに機械的に結合している。第4のメカニズムは、第3の撓みスタックであり、第5のメカニズムは、第4の撓みスタックである。第6のメカニズムは、第3のメカニズムと同軸である。
【0011】
例示的なアプリケーションでは、第3のメカニズムは、コンプレッサの一部であり、第6のメカニズムは、スターリングディスプレーサの一部である。コンプレッサ及びディスプレーサは、磁気回路の磁場内に設けられたコイルによって駆動される。
【0012】
例示的な実施の形態では、各々が適切な距離だけ離された2つの離れた撓みスタックからなる2つの独立可動撓みシステムが、単一の磁気構造全体に亘って分割されており、パッケージサイズを小さくし、外部からの力による片持ち式の部分の弛みへの耐性をかなり高める。一連の同心向きの撓み接続シャフトが、2つの独立可動撓みアセンブリが単一のモータ全体に亘って分割されるのを可能にするように設けられている。また、一連のコネクタが、外側シャフトを貫通してモータの前方側に設けられており、内側接続シャフトが干渉なく撓み部に装着される。一連の閉じた(close-out)接続が、後方の撓みスタックに形成され、これは、アセンブリを形成可能にし、干渉なく機械的な堅い接続を与える。
【0013】
本質的には、本発明は、各撓みシステムの2つの撓みスタックの間の通常は使用されない空間が、クライオクーラのモータの磁気回路により占められることを可能にし、撓み部の間隔に対して使用されない容積部分がほとんど必要なく、パッケージサイズの減少を果し、片持ち式の部分の弛みを防ぐために機械的に有利な必要性を維持する。本発明は、代表的なスターリングクライオクーラのメカニズムと比べると、本質的に簡単で、精度良く、安定性を与えるアラインメント手順で、比較的低い統合レベルで、組み立てられ、調整されることができる。
【0014】
例示的な実施の形態並びに好ましいアプリケーションが、本発明の効果的な教示を開示するために、添付図面を参照して以下に説明される。
【0015】
本発明は、特定のアプリケーションのための例示的な実施の形態を参照してここに説明されるが、本発明はこれに限定されるものではないことが理解されるべきである。本教示に触れた当業者は、本発明の範囲内でのさらなる変更、アプリケーション並びに実施の形態を認識するであろうし、他の分野においても、本発明が有用とされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、通常の教示に従う2つの撓みスタックを備えたサスペンションシステムを有するクライオクーラの側断面図である。
【図2】図2は、本発明の教示の例示的な実施の形態に従うサスペンションシステムの簡略化した側断面図である。
【図3】図3は、図2のモータ及びサスペンションシステムをより詳細に示す斜視断面図である。
【図4a】図4aは、例示的な実施の形態のシステムのシャフトチューブ、モータコイル及び撓み部の斜視側面図である。
【図4b】図4bは、例示的な実施の形態のサスペンションシステムのシャフトチューブ、モータコイル及び撓み部の断面における部分的な斜視側面図である。
【図4c】図4cは、例示的な実施の形態のサスペンションシステムのシャフトチューブ、モータコイル及び撓み部の側断面図である。
【図5】図5は、明確化のために、ハウジング、撓みスタック、モータケージ及びモータコイルを取り除いたサスペンションシステムのシャフト及び撓み部の部分的な斜視端面図である。
【図6】図6は、本発明の教示の例示的な実施の形態に従う完全な冷却システムの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
R. C. Honらによって_に出願され、「2つのコイルの単一の磁気回路のモータを備えたスターリングサイクル極低温冷却器」と題された米国特許出願番号_(Atty. Docket No. PD 06W124)の教示が、参照としてここに含まれる。この出願は、単一のモータが2つの独立可動アセンブリを駆動させるために使用されるという慣例から出発した新規かつ効果的な2つのコイルの単一の磁気回路のスターリングクライオクーラを開示し、主張している。
【0018】
本発明は、上で参照された特許出願において説明されるようなコンプレッサとスターリングディスプレーサの可動要素とを機械的に支持するために使用されることができるような、2つの独立した撓みシステムを単一のモータ全体に亘って分割するためのシステム及び方法を提供する。本発明は、特に、単一の磁気回路の中心軸線のボアを通る2つの接続シャフトのルーティングにより生じる問題に対処する。最も基本的なレベルでは、デザインは、一方が他方の内側に同心的に配置された2つの中空の支持チューブからなる。新規な撓み部の取り付けの特徴部分は、内側チューブ(及び外側チューブを幾分)を特定の撓みスタックに接続することを必要とする。
【0019】
上述のように、通常は、コンプレッサのサスペンションは、クライオクーラの磁気回路の一方の側に完全に配置され、ディスプレーサのサスペンションは、これと対向している側に完全に位置される。この代表的な方法は、これらの間にいくつかの間隔を備えた2組の撓み部(撓みスタック)から各可動アセンブリを懸架することである。このような単一のコンプレッサのピストンが、図1に示される。
【0020】
図1は、通常の教示に従う2つの撓みスタックを備えたサスペンションシステムを有するクライオクーラコンプレッサの側断面図である。このシステム10’では、各サスペンションサブアセンブリのそれぞれの撓みスタック14’、16’が、側部荷重力が加えられたときに、ピストン12’のような片持ち式の部分がそらされたり、変形したり、弛んだりしないように、十分な径方向の堅さを与えるために離間されていなければならない。
【0021】
撓みスタックの間の最小距離は、それぞれの撓みスタックの径方向の堅さ、片持ち式の部分の実際の重さ及び適切なクリアランスシール内で、かつ適切な側部荷重の大きさの下で、許容される径方向の歪みによって決定される。実際には、可動アセンブリ12’は、支点として作用する片持ち式の部分に最も近い撓みスタック14’と共に、レバーアームとして機能する。片持ち式の部分12’から離れた撓みスタック16’の径方向の堅さは、レバーアームと支点とによって与えられる機械的倍率によって効果的に高められる。従って、撓みスタックの間の距離が長ければ、片持ち式の部分12’の支持されていない端部の弛みに対する耐性が大きい。
【0022】
当業者は、撓みスタックの間の距離が長いことが、弛みへの耐性の観点から効果的であるが、パッケージの観点から明確な欠点を有することを理解するであろう。なぜならば、撓み部の間の距離により、パッケージの長さが長くなることが明らかだからである。単一の可動要素の撓み部の間に磁気回路を配置することはかなり簡単であるが、2つの可動要素(従って、2つの撓みサスペンションシステム)が存在しているとき、これを果す方法は、かなり明らかではない。
【0023】
本教示は、撓みスタックの間の容積の内部に駆動モータの磁性体を配置することによって、このさらなる必要な長さを減らす方法を提供する。これは、図2に示される。
【0024】
図2は、本教示の例示的な実施の形態に従うサスペンションシステムの簡略化した側断面図である。図2に示されるように、クライオクーラ10は、2つの撓みシステム12/14と16/18とを有し、各々が、モータ20全体に亘って分割されている。このモータ20は、磁気回路22と、コンプレッサコイル及びボビンアセンブリ24と、上で参照された特許出願において説明されるようなデザイン及び構成のディスプレーサコイル及びボビンアセンブリ26とを有する。当業者は、本教示が、図示される配置、又はコンプレッサやディスプレーサコイルの使用に限定されないことを理解するであろう。本教示は、他の軸線を中心とした、又は他の軸線に沿った動きに対して、第1の軸線に沿って動くように設けられた複数の要素を安定させる必要があるいかなるシステムにも適用可能である。
【0025】
図2では、通常の第1及び第2の撓みスタック12、14が、モータの対向している側に配置され、モータ20の中央(長手方向)の軸線の孔を通して送られた第1のシャフトチューブ28に接続されている。この第1のシャフトチューブ28は、接続要素30によって第2のスタック14に接続されている。第2のシャフトチューブ32は、モータの一方の側にある第3の撓みスタック18をモータの対向している側にある第4の撓みスタック16に接続している。第2及び第4の撓みスタック14、18は、「前方」の撓みスタックであり、第1及び第3の撓みスタック12、16は、「後方」の撓みスタックである。これらの名称は、磁気回路の2つの側を区別するのに役立つ。前方の撓みスタックは、クライオクーラ10の磁気アセンブリと熱力学的セクションとの間にある。
【0026】
第4の撓みスタック18は、標準ボルト締めインターフェースで外側支持チューブ32(例示的な実施の形態ではスターリングディスプレーサ)に接続している。第2の撓みスタック14は、一連のスタック可能な撓みクランプ留め具、即ち接続要素30の使用によって、内側支持チューブ28(例示的な実施の形態ではスターリングコンプレッサ)に接続している。以下により詳しく説明するように、これら要素は、外側チューブ内に切られたアクセススロット40を通ってスターリングディスプレーサの外側支持チューブ32を貫通している。接続要素は、支持チューブの開口後部を通して取り付けられる単一のソケットヘッドキャップねじ33によって内側支持チューブ28に取り付けられる。一形態では、このねじ33は、スタック可能なクランプ留め具/ねじ/支持チューブアセンブリ全体がエポキシ接着され、安定化されることができるように、挿入可能である。接続要素を固定する他の選択肢も存在する。磁気アセンブリ(モータ)20は、両支持チューブを収容するために、中心(長手方向)軸線上に孔を含む。
【0027】
後方のコンプレッサの撓みスタック12は、磁気アセンブリの後ろの空間を直接占め、コンプレッサの撓みスタックの内側ボルトサークルと噛合する放射状のスポークを有するハブによって、内側支持チューブ28に接続している。この放射状にスポークを取り付けた特徴部分(spoked feature)は、少なくとも2つの方法で形成されることができる。第1の選択肢は、コンプレッサの支持チューブを備えたスポークを取り付けた特徴部分を統合して、2つが単一のピースとして機械加工されることによるものである。このデザインは、スポークを取り付けた特徴部分が、磁気アセンブリが支持チューブ全体に亘って摺動したときボアを通り抜けることができるように、磁気回路の中心のボアが十分大きい場合にのみ、適用可能である。
【0028】
代わりのデザインは、磁気アセンブリが2つの支持チューブ全体に亘って取り付けられた後、コンプレッサの支持チューブに装着されるという実体のスポークを取り付けた特徴部分を形成する。これは、磁気的なデザインが十分な磁気性能を果すために比較的小さなボアを必要とするのであれば、有用である。この場合、ねじが形成されたリテーナリングは、スポークを取り付けた部分をコンプレッサの支持チューブに緊密にクランプ留めするために使用されることができる。
【0029】
どちらの場合も、スポークを取り付けた特徴部分は、支持チューブを後方のコンプレッサ撓みアセンブリの内側ボルトサークルに取着するために使用される。
【0030】
以下により詳しく開示されるように、エキスパンダの外側支持チューブ32は、コンプレッサの内側支持チューブ28がエキスパンダチューブ内に挿入されたとき、スポークを取り付けた特徴部分の通路を収容するために、溝が付けられている。残りの後方の撓みスタック16は、図3に示されるように、他の全ての撓みスタックが組み立てられた後にチューブに取り付けられる媒介部品41によって、エキスパンダの外側支持チューブの後方に取り付けられている。この部品は、エキスパンダの支持チューブ内の前述のスロットと係合し、このスロットを埋める特徴を示す。いったん部品が装着されると、これは、後方の撓みスタックの内側の孔のパターンをエキスパンダの支持チューブに取り付けるためのボルトサークルを与える。そして、内側の撓みボルトサークルが、エキスパンダの支持チューブに取り付けられることができる。より詳しいアセンブリ及びアラインメント(alignment)の手順が、以下に添えられる。
【0031】
接続要素30を除いて、クライオクーラ10の構成要素は、主に環状である。撓みスタックは、通常のデザイン及び構成である。例示的な実施の形態では、第1及び第2のシャフト又はチューブは、同心的であり、チタニウム又は他の適切な材料で構成されている。
【0032】
図3は、図2のモータおよびサスペンションシステムをより詳細に示す斜視断面図である。図3に示されるように、モータ20の磁気回路22は、バックアイロン(backiron)29内に配置されたセンターポール27によって分けられた第1及び第2の永久磁石23、25を有する。
【0033】
図4aは、例示的な実施の形態のサスペンションシステムのシャフトチューブ、モータコイル及び撓み部の部分的な斜視側面図である。外側シャフトチューブ32内にスロット34、36、38、40が設けられていることに注意する。上側スロット34、36、38は、内側シャフトチューブ28のスポーク29に第1の撓みスタック12を接続させるが、下側のスロット40のみが、接続要素30のために内側シャフトチューブ28から第2の撓みスタック14への動きを結合させる。さらに、シャフトチューブ32の長軸に沿った細長いスロット34、36、38、40が、撓み機構により必要とされ得るような、長軸を中心とした内側及び外側シャフトチューブの相対的な回転を果す。
【0034】
また、図4aには、スターリングディスプレーサのモータコイルのためのボビン及びコイルアセンブリ25が示される。このボビンは、図示される2つの31と33との間に3つのスタンドオフを有する。
【0035】
図4bは、例示的な実施の形態のサスペンションシステムのシャフトチューブ、モータコイル及び撓み部の断面の部分的な斜視側面図である。第2の撓みスタック14は、この見方では、内側シャフトチューブ28(図示されない)に接続している。第4の撓みスタック18は、外側シャフトチューブ32に接続している。
【0036】
図4cは、例示的な実施の形態のサスペンションシステムのシャフトチューブ、モータコイル及び撓み部の部分的な側断面図である。図4cは、内側シャフトチューブ28を第2の撓みスタック14に接続するために使用されている接続要素30を示している。図4aないし図4cは、明確化のために、いかなる後方のサスペンションの構成要素も含んでいないことに注意する。
【0037】
図5は、明確化のために、ハウジング、後方の撓みスタック、モータケージ及びコンプレッサモータコイルを取り除いたサスペンションシステムのシャフト及び撓み部の部分的な斜視端部図である。図5は、内側シャフトチューブ28を第2の撓みスタック14に接続するために、接続要素30が外側シャフトチューブ32の下側スロット(例えば、40)を通ってどのように延びているかを示している。
図6は、本教示の例示的な実施の形態に従う完全な冷却システムの側断面図である。図6に示されるように、このシステム10は、モータ20が配置されたハウジング50を含む。モータ20内には、磁気回路22があり、コンプレッサ及びエキスパンダモータコイル24、26が、この磁気回路の磁束により相互作用する。上で説明されたように、コンプレッサコイル24は、第1の撓みスタック12に接続しており、また、エキスパンダコイル26は、第4の撓みスタック18に接続している。第1の撓みスタック12は、安定化のために内側チューブ28によって第2の撓みスタック14に接続している。第4の撓みスタック18は、安定化のために外側シャフトチューブ32によって第3の撓みスタック16に接続している。冷却ヘッド60が、ハウジング50の端部に設けられている。
【0038】
要約すると、本発明は、単一の磁気回路全体に亘って2つの独立可動撓みサスペンションシステムを分割するためのシステム及び方法を提供する。磁気回路全体に亘って適切な撓みスタックを互いに接続するための機械的なデザインが本教示に従って実行されたとき、パッケージの全体的なサイズを実質的に小さくすることができる。
【0039】
このように、本発明は、特定のアプリケーションのための特定の実施の形態を参照してここに説明される。本教示に触れた当業者は、この範囲内でさらなる修正、アプリケーション並びに実施の形態がなされることを認識するであろう。
【0040】
それ故、添付の特許請求の範囲によって、本発明の範囲内で、全てのこのようなアプリケーション、変更並びに実施の形態をカバーすることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の長軸に沿って移動するように設けられた第1の要素(24)のためのサスペンションシステム(10)において、このシステムは、
前記第1の要素(24)のアラインメントを維持するために、第1の要素の第1の端部で第1の要素に接続された第1のメカニズム(12)と、
前記第1の要素(24)のアラインメントを維持するための第2のメカニズム(14)と、
前記第1のメカニズム(12)を前記第2のメカニズム(14)に機械的に結合させるための第3のメカニズム(28)と、を具備し、
前記第2のメカニズム(14)は、前記第1の要素が、第1と第2のメカニズム(12、14)の間に部分的に又は全体的に位置されるように、第1の要素(24)の第2の端部に配置されていることを特徴とするサスペンションシステム(10)。
【請求項2】
前記第1のメカニズムは、第1の撓みスタック(12)である請求項1の発明。
【請求項3】
前記第2のメカニズムは、第2の撓みスタック(14)である請求項2の発明。
【請求項4】
前記第3のメカニズムは、チューブ(28)である請求項1の発明。
【請求項5】
前記第3のメカニズムは、前記第1の要素のチューブ状の延長部である請求項1の発明。
【請求項6】
前記第1の長軸に沿って移動するように設けられた第2の要素(26)をさらに具備する請求項1の発明。
【請求項7】
前記第2の要素(26)は、前記第1のメカニズム(12)と第2のメカニズム(14)との間に少なくとも部分的に位置されている請求項6の発明。
【請求項8】
前記第2の要素のアラインメントを維持するために、第2の要素の第1の端部で前記第2の要素(26)に結合された第4のメカニズム(18)をさらに具備する請求項7の発明。
【請求項9】
前記第2の要素(26)のアラインメントを維持するための第5のメカニズム(16)をさらに具備し、
前記第5のメカニズム(16)は、前記第2の要素が、前記第4のメカニズム(18)と第5のメカニズム(16)との間に部分的に又は全体的に位置されているように、前記第2の要素(26)の第2の端部に配置されている請求項8の発明。
【請求項10】
前記第4のメカニズム(18)を前記第5のメカニズム(16)に機械的に結合させるための第6のメカニズム(32)をさらに具備する請求項9の発明。
【請求項11】
前記第4のメカニズムは、第3の撓みスタック(18)である請求項10の発明。
【請求項12】
前記第5のメカニズムは、第4の撓みスタック(16)である請求項11の発明。
【請求項13】
前記第6のメカニズムは、チューブ(32)又は前記第2の要素の延長部である請求項10の発明。
【請求項14】
前記第6のメカニズム(32)は、前記第3のメカニズム(28)と同軸である請求項13の発明。
【請求項15】
前記第3のメカニズム(28)は、コンプレッサのピストン又は第3のメカニズムの延長部である請求項10の発明。
【請求項16】
前記第6のメカニズム(32)は、スターリングディスプレーサのピストン又はこの第6のメカニズムの延長部である請求項15の発明。
【請求項17】
前記コンプレッサ(28)及びピストン(32)は、磁気回路(22)の磁場内に設けられたコイルによって駆動される請求項15の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−530517(P2010−530517A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508427(P2010−508427)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/006240
【国際公開番号】WO2008/143939
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】