説明

クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波誘導加熱コイル

【課題】クランクシャフトの軸部とフィレット部とを均一な焼入深さで高周波焼入することができ、且つ、高周波誘導加熱コイルの製造コストを削減することが可能なクランクシャフトの高周波焼入方法及びその高周波誘導加熱コイルを提供する。
【解決手段】断面形状が長方形の加熱導体4を採用して、ギャップ比G2/G1が1.5〜3.0になるように第1コイルギャップG1及び第2コイルギャップG2を設定した。これにより、高周波誘導加熱コイル1の製作及び調整が容易であり、高周波誘導加熱コイル1の製造コストを大幅に削減することができる。さらに、ピン部2とフィレット部3とを均一に昇温させることが可能であり、その結果、クランクシャフトの被焼入部を均一な焼入深さで効率的に高周波焼入することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランクシャフトのフィレット部を高周波焼入する方法及び高周波誘導加熱コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
クランクシャフトを高周波焼入する場合、ピン部両端のフィレット部をピン部に対して均一に昇温させる、すなわち、ピン部とフィレット部との焼入深さを均一化するのは困難である。そこで、特許文献1には、フィレット部に対向する部分の電流密度を高めるため、断面形状を菱形に形成した加熱導体を有する高周波誘導加熱コイル(以下、加熱コイルという)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−124796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、断面形状が菱形の加熱導体を採用した場合、加熱導体及びコア部(磁性体)の製作費並びに精度調整工数が大幅に増大して、加熱コイルの製造コストが上昇する。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、クランクシャフトの軸部とフィレット部とを均一な焼入深さで高周波焼入することができ、且つ、高周波誘導加熱コイルの製造コストを削減することが可能なクランクシャフトの高周波焼入方法及びその高周波誘導加熱コイルを提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のクランクシャフトの高周波焼入方法は、加熱導体をクランクシャフトの被焼入部に対して予め決められたコイルギャップだけ離して高周波誘導加熱コイルを配置して、この状態で前記加熱コイルに通電することで前記被焼入部を高周波誘導加熱させて高周波焼入する方法であって、前記被焼入部は、軸部と該軸部の両端に形成されるフィレット部とを有して、前記加熱導体は、断面形状が長方形に形成されるとともに、全面が露出されて前記被焼入部のフィレット部に対向する第1加熱面と、全面が露出されて前記被焼入部の軸部に対向する第2加熱面と、コア部によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面及び第2被覆面とを有して、前記第1加熱面と前記被焼入部のフィレット部とのコイルギャップを第1コイルギャップG1に設定するとともに、前記第2加熱面と前記被焼入部の軸部とのコイルギャップを前記第1コイルギャップG1よりも大きい第2コイルギャップG2に設定して、この状態で前記加熱コイルに通電することで前記被焼入部のフィレット部と軸部とを高周波誘導加熱させて高周波焼入することを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の高周波誘導加熱コイルは、クランクシャフトの軸部と該軸部の両端に形成されるフィレット部とを有する被焼入部を高周波焼入するための高周波誘導加熱コイルであって、断面形状が長方形に形成される加熱導体を有して、前記加熱導体は、全面が露出されて前記被焼入部のフィレット部に対向する第1加熱面と、全面が露出されて前記被焼入部の軸部に対向する第2加熱面と、コア部によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面及び第2被覆面とを有して、前記第1加熱面と前記被焼入部のフィレット部とのコイルギャップが第1コイルギャップG1に設定されるとともに、前記第2加熱面と前記被焼入部の軸部とのコイルギャップが前記第1コイルギャップG1よりも大きい第2コイルギャップG2に設定されることを特徴とする。
【0007】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(4)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1〜4の各々に相当する。
【0008】
(1)加熱導体をクランクシャフトの被焼入部に対して予め決められたコイルギャップだけ離して高周波誘導加熱コイルを配置して、この状態で加熱コイルに通電することで被焼入部を高周波誘導加熱させて高周波焼入する方法であって、被焼入部は、軸部と該軸部の両端に形成されるフィレット部とを有して、加熱導体は、断面形状が長方形に形成されるとともに、全面が露出されて被焼入部のフィレット部に対向する第1加熱面と、全面が露出されて被焼入部の軸部に対向する第2加熱面と、コア部によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面及び第2被覆面とを有して、第1加熱面と被焼入部のフィレット部とのコイルギャップを第1コイルギャップG1に設定するとともに、第2加熱面と被焼入部の軸部とのコイルギャップを第1コイルギャップG1よりも大きい第2コイルギャップG2に設定して、この状態で加熱コイルに通電することで被焼入部のフィレット部と軸部とを高周波誘導加熱させて高周波焼入することを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入方法。
本項に記載のクランクシャフトの高周波焼入方法によれば、断面形状が長方形に形成された加熱導体を有する高周波誘導加熱コイルを採用したことにより、断面形状が菱形に形成された加熱導体を有する公知の高周波誘導加熱コイルを採用した場合と比較して、高周波誘導加熱コイル(コア部を含む)の製作及び調整が容易であり、高周波誘導加熱コイルの製造コストを大幅に削減することができる。また、加熱導体の全面が露出した第1加熱面を被焼入部のフィレット部に対向させて、且つ加熱導体の全面が露出した第2加熱面を被焼入部の軸部に対向させたことにより、被焼入部のフィレット部と軸部とを同時に高周波焼入することができる。さらに、加熱導体の第1加熱面と被焼入部のフィレット部との間の第1コイルギャップG1を加熱導体の第2加熱面と被焼入部の軸部との間の第2コイルギャップG2よりも小さく設定したことにより、軸部と相対的に昇温し難いフィレット部とを均一に昇温させることが可能であり、その結果、クランクシャフトの被焼入部を均一な焼入深さで高周波焼入することができる。
本項の態様において、加熱導体の長方形の断面は、第1加熱面との交線に一致する辺(以下、第1加熱辺という)の長さが、第2加熱面との交線に一致する辺(以下、第2加熱辺という)の長さよりも長く設定されるが、第1加熱辺及び第2加熱辺の各々の長さは、必要に応じて適宜設定することができる。
【0009】
(2)第1コイルギャップG1及び第2コイルギャップG2は、第1コイルギャップG1に対する第2コイルギャップG2の比率G2/G1が1.5〜3.0になるように設定される(1)のクランクシャフトの高周波焼入方法。
本項に記載のクランクシャフトの高周波焼入方法によれば、軸部とフィレット部とを均一に昇温させることができ、その結果、クランクシャフトの被焼入部を均一な焼入深さで高周波焼入することができる。
【0010】
(3)クランクシャフトの軸部と該軸部の両端に形成されるフィレット部とを有する被焼入部を高周波焼入するための高周波誘導加熱コイルであって、断面形状が長方形に形成される加熱導体を有して、加熱導体は、全面が露出されて被焼入部のフィレット部に対向する第1加熱面と、全面が露出されて被焼入部の軸部に対向する第2加熱面と、コア部によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面及び第2被覆面とを有して、第1加熱面と被焼入部のフィレット部とのコイルギャップが第1コイルギャップG1に設定されるとともに、第2加熱面と被焼入部の軸部とのコイルギャップが第1コイルギャップG1よりも大きい第2コイルギャップG2に設定されることを特徴とする高周波誘導加熱コイル。
本項に記載の高周波誘導加熱コイルによれば、断面形状が長方形に形成された加熱導体を採用したことにより、断面形状が菱形に形成された加熱導体を採用した公知の高周波誘導加熱コイルと比較して、製作及び調整が容易であり、製造コストを大幅に削減することができる。また、加熱導体の全面が露出した第1加熱面を被焼入部のフィレット部に対向させて、且つ加熱導体の全面が露出した第2加熱面を被焼入部の軸部に対向させたことにより、被焼入部のフィレット部と軸部とを同時に高周波焼入することができる。さらに、加熱導体の第1加熱面と被焼入部のフィレット部との間の第1コイルギャップG1を加熱導体の第2加熱面と被焼入部の軸部との間の第2コイルギャップG2よりも小さく設定したことにより、軸部と相対的に昇温し難いフィレット部とを均一に昇温させることが可能であり、その結果、クランクシャフトの被焼入部を均一な焼入深さで高周波焼入することができる。
本項の態様において、加熱導体の長方形の断面は、第1加熱面との交線に一致する第1加熱辺の長さが、第2加熱面との交線に一致する第2加熱辺の長さよりも長く設定されるが、第1加熱辺及び第2加熱辺の各々の長さは、必要に応じて適宜設定することができる。
【0011】
(4)第1コイルギャップG1及び第2コイルギャップG2は、第1コイルギャップG1に対する第2コイルギャップG2の比率G2/G1が1.5〜3.0になるように設定されることを特徴とする請求項3に記載の高周波誘導加熱コイル。
本項に記載の高周波誘導加熱コイルによれば、軸部とフィレット部とを均一に昇温させることができ、その結果、クランクシャフトの被焼入部を均一な焼入深さで高周波焼入することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クランクシャフトの軸部とフィレット部とを均一な焼入深さで高周波焼入することができ、且つ、高周波誘導加熱コイルの製造コストを削減することが可能なクランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波誘導加熱コイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の説明図であり、要部をクランクシャフトのピン部の一軸平面で切断した断面図である。
【図2】適正なギャップ比G2/G1を図解するための、横軸に第1コイルギャップを設定するとともに縦軸に第2コイルギャップを設定したグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。
本実施形態の高周波誘導加熱コイル1は、クランクシャフトのピン部2(軸部)と該ピン部2の両端に形成されるフィレット部3とを同時に且つ均一な焼入深さで高周波焼入することができるように構成されている。なお、高周波電源、チラーユニット等の、高周波誘導加熱コイル1を除く高周波焼入装置のその他の部分は、公知の高周波焼入装置がそのまま使用されている。そこで、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、ここでは高周波焼入装置の詳細な説明を省略する。
【0015】
高周波誘導加熱コイル1は、クランクシャフトのピン部2の周方向(以下、単に周方向という)に沿って延びる半開放鞍型高周波誘導加熱コイルであって、図1に示されるように、加熱導体4とコア部5(磁束集中体)とを有する。なお、図1には、被焼入部のうち、被焼入部の一端側、すなわち、ピン部2の一端側及び該ピン部2の一端に接続されるフィレット部3に対応する加熱導体4及びコア5のみが図解されているが、高周波誘導加熱コイル1が、被焼入部の他端側に対応する加熱導体4及びコア5も備えていることは、当業者に理解されるべきである。
【0016】
図1に示されるように、加熱導体4は、全面が露出されてクランクシャフトのフィレット部3に対向する第1加熱面6と、全面が露出されてクランクシャフトのピン部2に対向する第2加熱面7と、コア部5によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面8及び第2被覆面9とを有しており、周方向の全域にわたって断面形状が長方形に形成されている。加熱導体4の断面は、第1加熱面6との交線に一致する辺(以下、第1加熱辺6という)の長さL1が、第2加熱面7との交線に一致する辺(以下、第2加熱辺7という)の長さL2よりも長く設定されている。なお、加熱導体4の第1加熱面6とコア部5の側面10とは面一(同一平面)に形成されるとともに、加熱導体4の第2加熱面7とコア部5の底面11とは面一に形成される。
【0017】
そして、本実施形態のクランクシャフトの高周波焼入方法では、加熱導体4の第1加熱面6とクランクシャフトのフィレット部3とのコイルギャップ及び加熱導体4の第2加熱面7とクランクシャフトのピン部2とのコイルギャップを、各々、第1コイルギャップG1及び第2コイルギャップG2と定義した場合、第1コイルギャップG1に対する第2コイルギャップG2の比率G2/G1(以下、ギャップ比G2/G1という)が、1.5〜3.0になるように設定される。ここで、横軸に第1コイルギャップG1を設定するとともに縦軸に第2コイルギャップG2を設定した図2に示されるグラフを参照すると、ギャップ比G2/G1が適正である領域R、すなわち、ギャップ比G2/G1が1.5〜3.0である領域Rは、ギャップ比G2/G1(傾き)が3.0である直線L3.0と、ギャップ比G2/G1(傾き)が1.5である直線L1.5との間の、図2において斜線で示される領域である。
【0018】
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、高周波誘導加熱コイル1の加熱導体4をクランクシャフトの被焼入部に対して予め決められたコイルギャップだけ離すようにして、高周波誘導加熱コイル1とクランクシャフトとを相対位置決めさせる。本実施形態における予め決められたコイルギャップは、加熱導体4の第1加熱面6とクランクシャフトのフィレット部3とのコイルギャップが0.7mm(第1コイルギャップG1=0.7mm)、及び、加熱導体4の第2加熱面7とクランクシャフトのピン部2(軸部)とのコイルギャップが1.5mm(第2コイルギャップG2=1.5mm)である。この場合のギャップ比G2/G1は2.14であり、1.5〜3.0の範囲内(図2における領域R内)であり適正である。
【0019】
この状態で、高周波誘導加熱コイル1に通電してクランクシャフトの被焼入部(ピン部2及びフィレット部3)を高周波誘導加熱しつつ、ピン部2を高周波誘導加熱コイル1に対して軸線回りに一方向へ回転させることにより、被焼入部が全周にわたって高周波焼入れされる。
【0020】
この実施形態では以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、全面が露出されてクランクシャフトのフィレット部3に対向する第1加熱面6と、全面が露出されてクランクシャフトのピン部2(軸部)に対向する第2加熱面7と、コア部5によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面8及び第2被覆面9とを有する断面形状が長方形に形成された加熱導体4を有する高周波誘導加熱コイル1を採用して、第1コイルギャップG1(加熱導体4の第1加熱面6とクランクシャフトのフィレット部3とのコイルギャップ)及び第2コイルギャップG2(加熱導体4の第2加熱面7とクランクシャフトのピン部2とのコイルギャップ)を、各々、ギャップ比G2/G1(第1コイルギャップG1に対する第2コイルギャップG2の比率G2/G1)が1.5〜3.0になるように設定したので、断面形状が菱形に形成された加熱導体を有する公知の高周波誘導加熱コイルを採用した場合と比較して、高周波誘導加熱コイル1(コア部5を含む)の製作及び調整が容易であり、高周波誘導加熱コイル1の製造コストを大幅に削減することができ、且つ、クランクシャフトのフィレット部3とピン部2とを同時に高周波焼入することができる。さらに、第1コイルギャップG1を第2コイルギャップG2よりも小さく設定したことにより、ピン部2と相対的に昇温し難いフィレット部3とを均一に昇温させることが可能であり、その結果、クランクシャフトの被焼入部を均一な焼入深さで効率的に高周波焼入することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 高周波誘導加熱コイル、2 ピン部(軸部)、3 フィレット部、4 加熱導体、5 コア部、6 第1加熱面(第1加熱辺)、7 第2加熱面(第2加熱辺)、8 第1被覆面、9 第2被覆面、10 コア部側面、11 コア部底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱導体をクランクシャフトの被焼入部に対して予め決められたコイルギャップだけ離して高周波誘導加熱コイルを配置して、この状態で前記加熱コイルに通電することで前記被焼入部を高周波誘導加熱させて高周波焼入する方法であって、
前記被焼入部は、
軸部と該軸部の両端に形成されるフィレット部とを有して、
前記加熱導体は、
断面形状が長方形に形成されるとともに、全面が露出されて前記被焼入部のフィレット部に対向する第1加熱面と、全面が露出されて前記被焼入部の軸部に対向する第2加熱面と、コア部によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面及び第2被覆面とを有して、
前記第1加熱面と前記被焼入部のフィレット部とのコイルギャップを第1コイルギャップG1に設定するとともに、前記第2加熱面と前記被焼入部の軸部とのコイルギャップを前記第1コイルギャップG1よりも大きい第2コイルギャップG2に設定して、この状態で前記加熱コイルに通電することで前記被焼入部のフィレット部と軸部とを高周波誘導加熱させて高周波焼入することを特徴とするクランクシャフトの高周波焼入方法。
【請求項2】
前記第1コイルギャップG1及び前記第2コイルギャップG2は、前記第1コイルギャップG1に対する前記第2コイルギャップG2の比率G2/G1が1.5〜3.0になるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトの高周波焼入方法。
【請求項3】
クランクシャフトの軸部と該軸部の両端に形成されるフィレット部とを有する被焼入部を高周波焼入するための高周波誘導加熱コイルであって、
断面形状が長方形に形成される加熱導体を有して、
前記加熱導体は、全面が露出されて前記被焼入部のフィレット部に対向する第1加熱面と、全面が露出されて前記被焼入部の軸部に対向する第2加熱面と、コア部によって被覆されて相互に隣り合う第1被覆面及び第2被覆面とを有して、
前記第1加熱面と前記被焼入部のフィレット部とのコイルギャップが第1コイルギャップG1に設定されるとともに、前記第2加熱面と前記被焼入部の軸部とのコイルギャップが前記第1コイルギャップG1よりも大きい第2コイルギャップG2に設定されることを特徴とする高周波誘導加熱コイル。
【請求項4】
前記第1コイルギャップG1及び前記第2コイルギャップG2は、前記第1コイルギャップG1に対する前記第2コイルギャップG2の比率G2/G1が1.5〜3.0になるように設定されることを特徴とする請求項3に記載の高周波誘導加熱コイル。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−23725(P2013−23725A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158887(P2011−158887)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】