説明

クランプ付ワイヤーハーネス及びクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法

【課題】車両解体時、容易にワイヤーハーネスを取り外すことができるクランプ付ワイヤーハーネス及び取り外し方法を提供する。
【解決手段】被取付体41の取付位置に合わせて所定ピッチに複数のクランプ13を保持した片面自己粘着シート15によってワイヤーハーネスが外装され、クランプ13の支軸31を挿通するため片面自己粘着シート15に穿設されたシート穴39には、片面自己粘着シート15に挟まれて保持されたクランプ13の長形状の台座部29の長手方向に直交する方向のスリット43を連続して形成した。クランプ付ワイヤーハーネス11を取り外す際には、片面自己粘着シート15とクランプ13を相対回転させ、クランプ13の台座部29の長手方向を片面自己粘着シート15に穿設されたシート穴39に連続して形成したスリット43に一致させた後、片面自己粘着シート15を引っ張り、ワイヤーハーネスを片面自己粘着シート15ごと取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ付ワイヤーハーネス及びクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題や資源の有効利用から、車両解体時のワイヤーハーネスを車体から容易に取り外せる(易解体性が確保できる)ようにした種々の提案がなされている(特許文献1、2等)。図10に示す例えば特許文献2等に開示されるワイヤーハーネス501は、テープ503で結束された電線の束のうち、その一部の電線の途中部分を外部に露出した状態で一回転させることによりアイ505が形成されている。車両の解体時には、クレーン車のフック507をワイヤーハーネス501のアイ505に掛止し、これを引っ張り上げてワイヤーハーネス501を車体から外す。これにより、車両の解体時に、車両からワイヤーハーネス501を取り外す際の作業性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−160006号公報
【特許文献2】特開2000−207947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のワイヤーハーネス501は、複数のクランプ509を、一つ一つテープ巻きにて固定していたため、車両から取り外す際には、手作業で引っ張って取り外すことは困難であった。このため、フック507をアイ505等に引っ掛け、クレーン車等の大型の牽引機械によって引き剥がしていたが、このような大型の牽引機械を使用しての解体は、解体時間がかかること、容易な解体でないこと、解体後のワイヤーハーネス501が破壊されて均質にならないこと等、易解体性が低いという問題があった。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、車両解体時、大型の牽引機械を用いることなく容易にワイヤーハーネスを取り外すことができるクランプ付ワイヤーハーネス及びクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 被取付体の取付位置に合わせて所定ピッチに複数のクランプを保持した片面自己粘着シートによってワイヤーハーネスが外装され、前記クランプの支軸を挿通するため前記片面自己粘着シートに穿設されたシート穴には、前記片面自己粘着シートに挟まれて保持された前記クランプの長形状の台座部の長手方向に直交する方向のスリットが連続して形成されたことを特徴とするクランプ付ワイヤーハーネス。
【0007】
このクランプ付ワイヤーハーネスによれば、ワイヤーハーネスを外装する片面自己粘着シートがクランプを保持する。即ち、長手方向がスリットに直交する状態で片面自己粘着シートに直接又は間接的に挟まれた台座部はスリットから抜け出すことができず、クランプが片面自己粘着シートに保持される。クランプが被取付体に係止されることで、ワイヤーハーネスは、片面自己粘着シートを介して被取付体に取り付けられる。
そして、片面自己粘着シートとクランプが相対回転され、台座部の長手方向が片面自己粘着シートのスリットに一致すると、台座部がスリットから抜け出し可能となり、クランプが片面自己粘着シートから離脱される。これにより、ワイヤーハーネスは、クランプを被取付体に残したまま、片面自己粘着シートごと被取付体から取り外し可能となる。
【0008】
(2) 被取付体のクランプ穴に係止したクランプから、該クランプを保持した片面自己粘着シートによって外装されたワイヤーハーネスを取り外すクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法であって、前記片面自己粘着シートと前記クランプを相対回転させ、前記片面自己粘着シートに挟まれて保持された該クランプの長形状の台座部の長手方向を前記クランプの支軸を挿通するため前記片面自己粘着シートに穿設されたシート穴に連続して形成したスリットに一致させた後、前記片面自己粘着シートを引っ張り、前記ワイヤーハーネスを前記片面自己粘着シートごと前記被取付体から取り外すクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法。
【0009】
このクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法によれば、クランプ近傍の片面自己粘着シートをワイヤーハーネスごと掴んでクランプに対し相対回転させ、クランプの台座部の長手方向にスリットを一致させる。この状態で、片面自己粘着シートを引っ張ると、片面自己粘着シートに直接又は間接的に挟まれて保持された台座部がスリットから抜け出て、片面自己粘着シートが、被取付体に係止しているクランプから離脱する。これにより、ワイヤーハーネスは、クランプを被取付体に残したまま、片面自己粘着シートごと被取付体から取り外しできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るクランプ付ワイヤーハーネス及びクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法によれば、被取付体からのワイヤーハーネスの取り外しが容易となる。この結果、車両解体時、大型の牽引機械を用いることなく容易にワイヤーハーネスを取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るクランプ付ワイヤーハーネスの平面図である。
【図2】図1に示したクランプの斜視図である。
【図3】図1のC部拡大図である。
【図4】図3のE−E断面矢視図である。
【図5】図1に示したクランプ付ワイヤーハーネスの分解図である。
【図6】図1に示したA部におけるクランプ近傍のワイヤーハーネスと直交する方向の面の分解断面図である。
【図7】図3の片面自己粘着シート回転後の平面図である。
【図8】図7のF−F断面矢視図である。
【図9】クランプ離脱後の側面図である。
【図10】従来のワイヤーハーネスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るクランプ付ワイヤーハーネスの平面図である。
クランプ付ワイヤーハーネス11は、所定ピッチに複数のクランプ13を保持した片面自己粘着シート15によってワイヤーハーネス17が外装されている。ワイヤーハーネス17は、複数本の幹線部19と、この幹線部19から分岐された分岐部21とからなり、これら幹線部19の端末部19a、分岐部21の端末部21aに不図示の車両に搭載された補機等と接続されるコネクタ23が取り付けられている。
【0013】
本実施の形態で用いられる片面自己粘着シート15は、図4に示すように、自身の粘着面(裏面)同士を自己粘着によって貼り合わすことができる。つまり、糊や結束テープを不要にして粘着面(裏面)同士を合わせるだけで簡単に貼ることが可能となる。片面自己粘着シート15は、PP(ポリプロピレン)発泡材からなるシート基材28の表面に表面材22が積層され、裏面に特殊粘着剤層25が積層される。表面材22にはクラフト紙、ライナーボード、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPフィルム、不織布等が使用可能となる。引張強さは、タテ方向が49N/cm幅、ヨコ方向が23N/cm幅(JIS K−6767準拠)、引裂強さは、タテ方向が7.8N、ヨコ方向が6.8N(JIS K−6767準拠)、水蒸気透過率は0.0052g/cm・24hrs(FS−101B)、初期粘着力は2.5N/cm幅(T型剥離試験)等の特性を有する。この片面自己粘着シート15としては例えば米国クロウェル社製のCro−nel(登録商標)等を用いることができる。
【0014】
図2は図1に示したクランプ13の斜視図である。
クランプ付ワイヤーハーネス11に保持されるクランプ13は、長手方向両端に凸片27を有した長円形状の台座部29を有する。この他、台座部29は、長円形状に限らず、短手方向(幅方向)に対して長手方向の長さが長いものであれば、長方形等の他の長形状であってもよい。なお、凸片27は省略しても良いが、この凸片27により台座部29におけるシール面圧生成部29aの面積を実質的に拡大させて、クランプ13の片面自己粘着シート15に対する保持力を増大することができる。台座部29の一方の面であるシール面圧生成部29aには支軸31が立設され、その先端には一対の弾性係止爪33が形成される。
【0015】
図3は図1のC部拡大図、図4は図3のE−E矢視図である。
本実施の形態において、片面自己粘着シート15は、第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37からなる(図5、6参照)。第1の片面自己粘着シート材35は、裏面に特殊粘着剤層25が積層されたシートで、図1のF部以外のコネクタ23付近における自由な端末部19a、21aを除き外形状があらかじめワイヤーハーネス17の経路状に成形される。第2の片面自己粘着シート材37は、第1の片面自己粘着シート材35と同様に、裏面に特殊粘着剤層25が積層されたシートで、第1の片面自己粘着シート材35と粘着面(裏面)同士が合わされる形状に成形される。第2の片面自己粘着シート材37の所定位置にはシート穴39が穿設される。このシート穴39にはクランプ13の弾性係止爪33及び支軸31が挿通される。シート穴39にクランプ13が挿通された第2の片面自己粘着シート材37は、クランプ・シート組立体を構成する。
なお、これら第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37の外形状は、幹線部19や分岐部21等の部位に限らず、目的や用途に合わせ、多種多様に成形される。
図1のF部に示したように、コネクタ23とワイヤーハーネス17の端末部21aをも一括して包囲する形状に片面自己粘着シート15を成形することで、コネクタ23と端末部21aをリジット化したり、端末部21aを被取付体41等との接触から保護したりすることができる。勿論、全てのコネクタ23とワイヤーハーネス17の端末部19a、21aをも一括して包囲する形状に片面自己粘着シート15を成形することもできる。
【0016】
クランプ13は、第2の片面自己粘着シート材37のシート穴39に支軸31及び弾性係止爪33が挿通される。したがって、図1に示したC部、D部においては、台座部29が第2の片面自己粘着シート材37と第1の片面自己粘着シート材35に直接挟まれて保持されることになる(図4参照)。第2の片面自己粘着シート材37と第1の片面自己粘着シート材35に挟まれた台座部29は、これら片面自己粘着シート材35、37の特殊粘着剤層25と直接粘着されないため、一定のモーメントが加えられることによって支軸31を中心に回動が可能となる。
【0017】
クランプ13は、異なる形態で保持される。例えば、ワイヤーハーネス17とクランプ13を縦に積層して取り付けることができる。図1に示したA部、B部がこの取り付け部に相当する。この場合、クランプ13は、台座部29がワイヤーハーネス17を介して第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37に間接的に挟持されることになる。また、シート穴39の位置をワイヤーハーネス17の配索位置Xからずらして(オフセットして)、ワイヤーハーネス17とクランプ13を横に並べて取り付けてもよい。この場合、上述したようにクランプ13は、台座部29が第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37に直接挟持されることになる。クランプ13がワイヤーハーネス17の配索位置Xからオフセット(図1中のΔtで示す離間距離)されることで、クランプ13の高さとワイヤーハーネス17の高さとが積算されなくなり、被取付体41からのワイヤーハーネス17の取付高さが低く抑えられる。図1に示したC部、D部がこの取り付け部に相当する。
【0018】
なお、本実施の形態の片面自己粘着シート15では、二枚の第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37を用いる構成を説明するが、本発明に係るクランプ付ワイヤーハーネス11はこれに限定されるものではなく、ワイヤーハーネス17が片面自己粘着シートによって外装されるものであれば、第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37を一体化させた一枚のものでワイヤーハーネス17を挟み、粘着面同士を貼り合わせても同様の作用・効果が得られる。
【0019】
シート穴39に挿通されるクランプ13の支軸31は、ピッチ調整可能にシート穴39の穴径より細いことが好ましい。この場合、図4及び図8に示すように、シート穴39と支軸31との間に隙間38が生じることによって、シート穴39に対してクランプ13が移動可能となり、クランプピッチの微調整等が可能となる。なお、シート穴39をピッチ調整の方向に長い長穴としても良い。但し、シート穴39の基本的な位置は、第2の片面自己粘着シート材37の外形の成形時に、プレス加工等によって一体的に位置決めされる。これにより、従来の手作業によるクランプ13の取り付けに比べ極めて高い精度でクランプ位置が位置決めされるようになっている。
【0020】
このようにして、クランプ付ワイヤーハーネス11は、ボディやドア等の被取付体41(図4参照)の取付位置に合わせて所定ピッチに複数のクランプ13を保持した片面自己粘着シート15によってワイヤーハーネス17が外装されることになる。
【0021】
ところで、クランプ13の支軸31が挿通する片面自己粘着シート15に穿設されたシート穴39には、図3に示すように、クランプ13の台座部29の長手方向に直交する方向のスリット43が連続して形成されている。本実施の形態において、スリット43は、台座部29の長手方向の中央位置で、長手方向に直交する方向で一対のスリットが連続して形成される。スリット43は、スリット基端部45がシート穴39に開放される切り込みであり、スリット43を挟む両側片部47を捲ることでシート穴39を拡大可能にしている。
【0022】
さらに、本実施の形態では、各スリット43のスリット先端部49に、直交する小スリット51が連続して形成されている。つまり、スリット43は、それぞれがT字形に形成されている。小スリット51は、スリット43における両側片部47の捲れを容易にし、結果、台座部29の離脱を容易にしている。
【0023】
この小スリット51と、スリット43の先端側(スリット先端部49側)は、台座部29の長手方向をスリット43に直交させた方向でクランプ13を取り付けた図3に示す状態では、片面自己粘着シート15における双方の片面自己粘着シート材35、37の特殊粘着剤層25によって接合され開くことはない。
【0024】
次に、図5及び図6を参照して上記のクランプ付ワイヤーハーネス11の組立方法を説明する。
図5は図1に示したクランプ付ワイヤーハーネス11の分解図、図6は図1に示したA部におけるクランプ13近傍のワイヤーハーネス17と直交する方向の面の分解断面図である。
クランプ付ワイヤーハーネス11を組み立てるには、先ず、作業台等に第2の片面自己粘着材シート37が敷かれる。第2の片面自己粘着シート材37は、特殊粘着剤層25を上にする。この第2の片面自己粘着シート材37を下敷きにしてその上にワイヤーハーネス17を置く。第2の片面自己粘着シート材37のシート穴39にはクランプ13があらかじめ挿通されるが、ワイヤーハーネス17の載置と共にクランプ13をシート穴39に挿通して組み付けてもよい。
【0025】
ワイヤーハーネス17を載置したなら、その上から第1の片面自己粘着シート材35を被せる。第1の片面自己粘着シート材35は特殊粘着剤層25を下にする。ワイヤーハーネス17とクランプ13の台座部29とが挟まれた状態で、第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37とを圧着する。これにより、複数のクランプ13が所定ピッチで取り付けられ、同時にワイヤーハーネス17が片面自己粘着シート15に挟着保持されたクランプ付ワイヤーハーネス11が完成する(図1参照)。
【0026】
次に、上記構成を有するクランプ付ワイヤーハーネス11の被取付体41からの取り外し方法を説明する。
図7は図3の片面自己粘着シート回転後の平面図、図8は図7のF−F断面矢視図、図9はクランプ離脱後の側面図である。
車両は、解体時、種々の部品が車体から簡単に取り外しできる(易解体性の高い)ことが望まれる。ワイヤーハーネス17についても例外ではない。上記構成を有するクランプ付ワイヤーハーネス11は、ワイヤーハーネス17を外装する片面自己粘着シート15がクランプ13を保持する。そして、クランプ13の弾性係止爪33が被取付体41に係止されることで、ワイヤーハーネス17は、片面自己粘着シート15を介して被取付体41に取り付けられている。
【0027】
このため、車両の解体時、クランプ13近傍の片面自己粘着シート15をワイヤーハーネス17ごと掴んでクランプ13に対し相対回転させ、図7,図8に示すように、前記片面自己粘着シート15に挟まれて保持されたクランプ13の長円形状の台座部29の長手方向にスリット43を一致させる。この状態で、片面自己粘着シート15を矢印D方向へ引っ張ると、図8に示すように、クランプ13の台座部29により第2の片面自己粘着シート材37の両側片部47が矢印U1,U2方向へそれぞれ捲られる。すると、図9に示すように、第1の片面自己粘着シート材35と第2の片面自己粘着シート材37に直接挟まれて保持された台座部29がスリット43から抜け出て、片面自己粘着シート15が、被取付体41に係止しているクランプ13から離脱する。これにより、ワイヤーハーネス17は、クランプ13を被取付体41に残したまま、片面自己粘着シート15ごと被取付体41から極めて容易に取り外されることになる。
【0028】
このように、クランプ13に対し片面自己粘着シート15を相対回転させ、台座部29の長手方向にスリット43を一致させることで、台座部29がスリット43から抜け出し可能となり、片面自己粘着シート15からクランプ13が離脱する。なお、片面自己粘着シート15とクランプ13の相対回転は、上記のように、被取付体41に取付けられたクランプ13に対して片面自己粘着シート15を回転させるだけではなく、第1の片面自己粘着シート材35の台座部29に対応する部分を破いて露出した台座部29を回したり、被取付体41の背面側から弾性係止爪33を摘んでクランプ13を回したりして片面自己粘着シート15とクランプ13を相対回転させてもよい。弾性係止爪33を回すことにより、被取付体41の裏面側からの取り外しも可能となる。第1の片面自己粘着シート材35を破いて台座部29を露出させる場合には、台座部29の位置を見つけやすくするために、第1の片面自己粘着シート材35の表面に台座部29の位置を示す印を設けておいてもよい。
【0029】
したがって、本実施の形態に係るクランプ付ワイヤーハーネス11、及びクランプ付ワイヤーハーネス11の被取付体41からの取り外し方法によれば、被取付体41からのワイヤーハーネス17の取り外しが容易となる。この結果、車両解体時、大型の牽引機械を用いることなく容易にワイヤーハーネス17を車体から取り外すことができる。
【符号の説明】
【0030】
11 クランプ付ワイヤーハーネス
13 クランプ
15 片面自己粘着シート
17 ワイヤーハーネス
22 表面材
25 特殊粘着剤層
28 シート基材
29 台座部
31 支軸
39 シート穴
41 被取付体
43 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付体の取付位置に合わせて所定ピッチに複数のクランプを保持した片面自己粘着シートによってワイヤーハーネスが外装され、
前記クランプの支軸を挿通する前記片面自己粘着シートに穿設されたシート穴には、前記片面自己粘着シートに挟まれて保持された前記クランプの長形状の台座部の長手方向に直交する方向のスリットが連続して形成されたことを特徴とするクランプ付ワイヤーハーネス。
【請求項2】
被取付体のクランプ穴に係止したクランプから、該クランプを保持した片面自己粘着シートによって外装されたワイヤーハーネスを取り外すクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法であって、
前記片面自己粘着シートと前記クランプを相対回転させ、前記片面自己粘着シートに挟まれて保持された該クランプの長形状の台座部の長手方向を前記クランプの支軸を挿通するため前記片面自己粘着シートに穿設されたシート穴に連続して形成したスリットに一致させた後、前記片面自己粘着シートを引っ張り、
前記ワイヤーハーネスを前記片面自己粘着シートごと前記被取付体から取り外すクランプ付ワイヤーハーネスの被取付体からの取り外し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−156067(P2012−156067A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15721(P2011−15721)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】