説明

クリーニング装置、転写装置、感光体装置、画像形成装置、及び、画像形成システム

【課題】シール部材をトナー移動体から離間した際に回収部から漏出したトナーによるセンサの誤検出を抑える。
【解決手段】トナーを媒体に転写するためにトナーを担持して移動させるためのトナー移動体から離間された、トナー移動体に当接してトナー移動体と収容部との間隙を塞ぐためのシール部材を延長した仮想面と、シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、センサの検出部を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既に知られている。かかる画像形成装置は、例えば、トナー(トナー像)を媒体に転写するためにトナー(トナー像)を担持した状態で回転してトナー(トナー像)を移動させるトナー移動体と、媒体に転写されずにトナー移動体上に残されたトナーを回収するための回収部と、を備えている。
【0003】
上記の回収部には、掻き取りブレードが設けられており、当該掻き取りブレードは、トナー移動体上に残されたトナーを回収するために、トナー移動体に当接して、トナー移動体上のトナー(トナー移動体の回転に伴って移動するトナー)を掻き取る。また、回収部には、シール部材が設けられており、当該シール部材は、トナー移動体に接触して、掻き取りブレードにより掻き取られた現像剤の回収部外への漏出を防止する。また、当該掻き取りブレード及びシール部材は、現像剤移動体に対して接離可能となるように構成されている。すなわち、掻き取りブレードは、当接位置と非当接位置との間を往復移動し、シール部材は、接触位置と非接触位置との間を往復移動することができるようになっている。
【0004】
ところで、画像形成装置内には装置の状態を検出するためのセンサが設けられている。これらのセンサは検出精度を高めるための上記回収部の近傍に設けられているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−61858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、シール部材及び掻き取りブレードは、トナー移動体に形成されたトナー像を媒体に転写した後にトナー移動体上に残されたトナーを回収部に回収する際にトナー移動体に当接される。すなわち、トナー移動体上に残存するトナーを掻き取るために掻き取りブレードはトナー移動体に当接され、掻き取られたトナーが回収部に落とされる際に飛散することを防止するために、シール部材がトナー移動体に接触される。そして、シール部材及び掻き取りブレードは、トナー移動体に新たにトナー像が形成される際には、トナー移動体から離間される。このため、掻き取りブレードにてトナーを掻き落とした後に、シール部材がトナー移動体から離間されると、回収部内で浮遊し充満しているトナーがシール部材とトナー移動体との間から漏れ、回収部外に飛散することがある。このとき、各種センサが、回収部近傍においてシール部材とトナー移動体との間からトナーが漏れ出やすい領域に配置されていると、回収部から漏れ出たトナーがセンサの検出部等に付着して誤検出する畏れがあるという課題があった。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シール部材をトナー移動体から離間した際に回収部から漏出したトナーによるセンサの誤検出を抑えることが可能な画像形成装置、及び、画像形成システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
主たる本発明は、トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】プリンタを構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】図2Aは、パッチセンサユニットの一例を説明するための正面図である。図2Bは、図2AのA矢視図である。
【図3】図1のプリンタの制御ユニットを示すブロック図である。
【図4】上シールと中間転写体クリーニングブレードとが中間転写体に当接している状態を説明するための断面図である。
【図5】上シールが中間転写体から離間した状態を説明するための断面図である。
【図6】上シールと中間転写体クリーニングブレードとが中間転写体から離間した状態を説明するための断面図である。
【図7】上シール及び中間転写対クリーニングブレードが中間転写体に当接しているときの接離機構の状態を示す模式図である。
【図8】上シールが中間転写体から離間しはじめる際の接離機構の状態を示す模式図である。
【図9】上シール及び中間転写対クリーニングブレードが中間転写体から離間しているときの接離機構の状態を示す模式図である。
【図10】表面電位計を用いた状態を示す図である。
【図11】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図12】図11に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0012】
トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有することを特徴とする画像形成装置。
【0013】
ブレードがトナー移動体に当接してトナー移動体上のトナーを掻き落とすと、掻き落とされたトナーが収容部内に散乱する。そして、トナー移動体上のトナーが掻き落とされ、次のトナー像をトナー移動体上に形成するために、シール部材がトナー移動体から離間すると、収容部内に散乱していたトナーがシール部材とトナー移動体との間隙から収容部の外側に舞出る場合がある。このとき、収容部外に舞出たトナーがセンサの検出部に付着するとセンサが誤検出する畏れがある。しかしながら、上記画像形成装置によれば、センサの検出部が、トナー移動体から離間されたシール部材を上流側に延長した仮想面と、シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近いトナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に配置されているので、収容部から舞出たトナーが直接センサの検出部に至る可能性は少ないため、センサの誤検出を抑えることが可能である。
【0014】
かかる画像形成装置において、前記トナー移動体から離間された前記シール部材の上流側端部を通る前記トナー移動体の接線より、前記トナー移動体側に前記センサの前記検出部が配置されていることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、シール部材の上端とトナー移動体との間に生じる間隙と、センサの検出部とを繋ぐ直線状に、トナー移動体が存在することになる。このため、センサの検出部がシール部材の上端とトナー移動体との間に生じる間隙と対向しないので、収容部から間隙を通って舞出たトナーが検出部側に至ることを効果的に抑えることが可能である。
【0015】
かかる画像形成装置において、前記センサは、当該センサを取り付けるための取り付け部材とともにセンサユニットを構成しており、前記センサユニットが前記仮想領域の外側に配置されていることが望ましい。
センサユニットを構成する部材のいずれかが仮想領域内に配置されている場合には、仮想領域内に配置されている部位にトナーが付着し、付着したトナーがトナー移動体の回転等による気流によって検出部に付着する畏れがある。しかしながら上記画像形成装置のように、取り付け部材を含むセンサユニットが仮想領域の外側に配置されている場合には、検出部のみならず、取り付け部材などのセンサユニット全体が、収容部から舞出たトナーが付着しにくい位置に配置されていることになる。このため、より効果的に検出部にトナーが付着することを防止し、適切なセンサの出力を得ることが可能である。
【0016】
かかる画像形成装置において、前記トナー移動体は、間隔を隔てた複数のローラに巻き掛けられた環状のベルトであり、前記ブレード及びシール部材は、前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位に当接され、前記センサの検出部は前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位と対向していることを特徴とする。
センサがトナー移動体と対向する際には、トナー移動体の状態を検出する場合が多いが、トナー移動体が間隔を隔てた複数のローラに巻き掛けられた環状のベルトである場合には、ローラ間のベルトの位置が変位してトナー移動体の状態を正確に検出できない畏れがある。このため、検出部はベルトの位置が変位し難い、巻き掛けられた部位に対向させることが望ましい。ところが、ベルトの巻き掛けられた位置にはシール部材が当接されるので、シール部材がトナー移動体から離間した際には、検出部側にトナーが舞出る畏れがある。このため、上記画像形成装置のように、仮想領域の外側に検出部が配置されていると、センサにトナーが付着し難く、且つ、適切なセンサの出力を得ることが可能である。
【0017】
かかる画像形成装置において、前記シール部材が離間された後に、前記ブレードが離間されることを特徴とする。
ブレードはシール部材より回転方向において下流側に設けられているので、シール部材より先にブレードが離間すると、シール部材の周辺に積もったトナーが、シール部材が離間する動作によりこぼれ落ちて、ブレードとトナー移動体との間隙から外部に漏出する畏れがある。このため、シール部材が離間された後にブレードが離間されることが望ましいが、シール部材が先に離間された場合には、収容部内のトナーがシール部材とトナー移動体との間隙から舞出てセンサの検出部に付着する可能性が高くなる。このため、仮想領域の外側に検出部を配置した上記画像形成装置によれば、検出部を仮想領域外に配置したことにより検出部にトナーが付着しにくいので、ブレードより先にシール部材をトナー移動体から離間させることが可能であり、ブレードより下流側にトナーが漏出することを防止することが可能である。
【0018】
かかる画像形成装置において、前記センサは、前記トナー移動体に担持されたトナーの濃度を検出するためのセンサであることを特徴とする。
このような画像形成装置によれば、検出部にトナーが付着しにくいので、適切なセンサ出力が得られ、トナー移動体に担持されたトナーの濃度を正確に検出することが可能である。
【0019】
かかる画像形成装置において、前記センサは、発光素子と受光素子とを有し、前記検出部は、前記発光素子と前記受光素子とで構成されていることを特徴とする。
発光素子の表面にトナーが付着すると光量が低下し、受光素子が受光する光量が低下する。一方、受光素子の表面にトナーが付着すると、実際に照射された光量より受光量の方が小さな値として検出される。このため、発光素子と受光素子とを有する光学センサは、トナーが付着することにより誤検出し易いが、発光素子と受光素子が仮想領域外に配置されているので、発光素子と受光素子を検出部とするセンサであっても、正確に検出することが可能である。
【0020】
かかる画像形成装置において、前記センサは、前記トナー移動体の表面電位を検出するためのセンサであることを特徴とする。
このような画像形成装置によれば、検出部にトナーが付着しにくいので、適切なセンサ出力が得られ、トナー移動体の表面電位を正確に検出することが可能である。
【0021】
かかる画像形成装置において、前記センサは、前記トナー移動体の回転周期を検出するためのセンサであることを特徴とする。
このような画像形成装置によれば、検出部にトナーが付着しにくいので、適切なセンサ出力が得られ、トナー移動体の回転周期を正確に検出することが可能である。
【0022】
また、トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有し、前記トナー移動体から離間された前記シール部材の上流側端部を通る前記トナー移動体の接線より、前記トナー移動体側に前記センサの前記検出部が配置され、前記センサは、当該センサを取り付けるための取り付け部材とともにセンサユニットを構成しており、前記センサユニットが前記仮想領域の外側に配置され、前記トナー移動体は、間隔を隔てた複数のローラに巻き掛けられた環状のベルトであり、前記ブレード及びシール部材は、前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位に当接され、前記センサの検出部は前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位と対向しており、前記シール部材が離間された後に、前記ブレードが離間され、前記センサは、前記トナー移動体に担持されたトナーの濃度を検出するためのセンサであり、前記センサは、発光素子と受光素子とを有し、前記検出部は、前記発光素子と前記受光素子とで構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置によれば、既述の効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
【0023】
また、コンピュータ、及び、前記コンピュータに接続され、トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有する画像形成装置、を有する画像形成システムも実現可能である。
【0024】
===画像形成装置の全体構成例===
図1を用いて、画像形成装置としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向(鉛直方向)を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0025】
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、潜像が形成される感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、トナー移動体の一例としての中間転写体70、感光体クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、中間転写体クリーニングユニット85、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0026】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0027】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
【0028】
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容されたトナー、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0029】
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、プリンタ10、より具体的には、YMCK現像ユニット50の前記保持部55a、55b、55c、55d、に対して着脱可能となっている。
【0030】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。
【0031】
中間転写体70は、感光体20上のトナー像を媒体の一例としての記録紙に転写する際の中間媒体であり、トナー(トナー像)を記録紙に転写するために、トナー(トナー像)を担持した状態で回転してトナー(トナー像)を移動させる。この中間転写体70は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層した環状のエンドレスのベルトである。中間転写体70は、駆動ローラ71、従動ローラ72を含む間隔を隔てて配置された複数のローラに巻き掛けられて張架されており、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
【0032】
また、中間転写体70及び後述する中間転写体クリーニングユニット85の近傍には、中間転写体70に担持されたトナー像の濃度を検出するセンサとしてのパッチセンサ77を有するパッチセンサユニット73が設けられている。図2Aは、パッチセンサユニットの一例を説明するための正面図である。図2Bは、図2AのA矢視図である。パッチセンサユニット73は、パッチセンサ77とパッチセンサ77を固定するための取り付け部材としてのセンサ固定ステイ78とを有している。パッチセンサ77は、反射型の光学センサであり、検出部としての発光素子77a及び受光素子77bを有している。発光素子77a及び受光素子77bは、感光体20の軸方向に沿って間隔を隔てて配置されている。また、発光素子77a及び受光素子77bの周りには周囲からの不要な光の進入を防止するためのカバー77cが設けられている。すなわち、パッチセンサ77は、検出部としての発光素子77a及び受光素子77bの周りを覆うカバー77cにて形成された開口77dが中間転写体70の、従動ローラ72に巻き掛けられた部位と対向するようにセンサ固定ステイ78に固定されている。
【0033】
プリンタ10は、所定のタイミングで、画像の濃度を制御するための制御動作を実行するが、かかる際に、当該パッチセンサ77にて検出した情報が用いられる。すなわち、前記制御動作が実行される際には、トナー像としてのパッチ像(テストパターン)が現像され、当該パッチ像が中間転写体70に転写される。そして、中間転写体70に転写されたパッチ像の濃度が、パッチセンサ77により検出され、検出されたパッチ像の濃度に基づいて、画像の濃度が調整される。
【0034】
感光体クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーを感光体クリーニングブレード76により掻き落として回収するための装置である。
【0035】
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を記録紙に転写するための装置である。
中間転写体クリーニングユニット85は、YMCK現像ユニット50の上部に設けられ、記録紙に転写されずに中間転写体70上に残されたトナーを掻き取って回収するための装置である。中間転写体クリーニングユニット85については、後に詳述する。
定着ユニット90は、記録紙上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を記録紙に融着させて永久像とするための装置である。
制御ユニット100は、図3に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
【0036】
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
【0037】
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。
【0038】
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。すなわち、イエロー現像装置54は、感光体20上に担持された潜像をトナーにてトナー像として可視化する。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
【0039】
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0040】
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
【0041】
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録紙に転写される。なお、記録紙は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに、二次転写電圧が当該二次転写ユニット80に印加される。また、記録紙に転写されずに中間転写体70上に残されたトナーは、中間転写体クリーニングユニット85により回収される。
記録紙に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて記録材に融着される。
【0042】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、感光体クリーニングユニット75によって、その表面に付着しているトナーが回収され、次の潜像を形成するための帯電に備える。
【0043】
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図3を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、感光体クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、中間転写体クリーニングユニット85、定着ユニット90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0044】
===中間転写体クリーニングユニット85の構成例===
次に、図4乃至図6を用いて、中間転写体クリーニングユニット85の構成例について説明する。図4は、上シールと中間転写体クリーニングブレードとが中間転写体に当接している状態を説明するための断面図である。図5は、上シールが中間転写体から離間した状態を説明するための断面図である。図6は、上シールと中間転写体クリーニングブレードとが中間転写体から離間した状態を説明するための断面図である。
なお、図4乃至図6においては、図1同様、矢印にて上下方向(鉛直方向)を示している。
【0045】
中間転写体クリーニングユニット85は、記録紙に転写されずに中間転写体70上に残されたトナーを回収するためのものであり、ケース202、収容部の一例としてのトナー収容部205、ブレードの一例としての中間転写体クリーニングブレード210、シール部材の一例としての上シール220、トナー受け部235等を有している。
【0046】
ケース202は、上シール220と協働して、回収されたトナーの中間転写体クリーニングユニット85外への漏出を防止する。このケース202には、トナー収容部205及びトナー受け部235が形成されており、また、中間転写体クリーニングブレード210、中間転写体クリーニングブレード210及び上シール220をカム機構により中間転写体70に接離させるための接離機構300が設けられている。
【0047】
中間転写体クリーニングブレード210は、中間転写体70の、従動ローラ72に巻き掛けられた部位に当接して中間転写体70上のトナー(すなわち、中間転写体70の回転に伴って移動するトナー)を掻き取る機能を有している。この中間転写体クリーニングブレード210は、厚さ約2mmのゴム製ブレードである。中間転写体クリーニングブレード210は、その先端が中間転写体70の回転方向の上流側に向くように配置されている。また、中間転写体クリーニングブレード210は、中間転写体70に当接された状態で、中間転写体70の回転方向における下流側の、中間転写体70とトナー収容部205との間隙βを塞ぎ、トナー収容部205に収容されたトナーの漏出を防止する機能も有している。なお、中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70に当接する当接部210aは、前述した従動ローラ72の中心軸よりも鉛直方向下側に位置している。
【0048】
また、中間転写体クリーニングブレード210は、中間転写体70に対して接離自在に構成されている。すなわち、中間転写体クリーニングブレード210は、これを支持するブレード支持板金212に固定されており、ブレード支持板金212が有する回動軸突起部212bを中心に回動するように構成されている。そして、揺動軸302が所定角度揺動することにより、ブレード支持板金212が回動されて中間転写体クリーニングブレード210が当接位置と非当接位置との間を往復移動する。本実施形態における中間転写体クリーニングブレード210が非当接位置にあっても、中間転写体クリーニングブレード210の上流側の端部が、上シール220が離間した際に中間転写体70との間に形成される間隙βの下方に突き出さないように配置されている。このため、上シール220を中間転写体70から離間する際に、上シール220に付着していたトナーが下方に落下したとしても、落下したトナーが中間転写体クリーニングブレード210の方向に向かうことはない。このため、上シール220から落下したトナーが、中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70から離間した際に、トナー収容部から漏出することはない。なお、図4及び図5には、中間転写体クリーニングブレード210の当接位置を、図6には、中間転写体クリーニングブレード210の非当接位置を示している。また、中間転写体クリーニングブレード210の接離機構300については、後に詳述する。
【0049】
トナー収容部205は、中間転写体クリーニングブレード210によって掻き取られたトナーを収容するためのものである。このトナー収容部205は、ケース202の下部に形成されており、中心軸207aまわりに回転可能なスクリュー部207を備えている。当該スクリュー部207は、回転することにより、トナー収容部205内に収容されたトナーを、不図示の廃トナーボックス(図4の紙面と直交する方向において、スクリュー部207よりも手前側に設けられている)に送りこむ。
【0050】
トナー受け部235は、トナー収容部205に収容されることなく中間転写体クリーニングブレード210より中間転写体70の回転方向において下流側に移動したトナーを受ける機能を有する。このトナー受け部235は、ケース202の下部、かつ、中間転写体70の回転方向において中間転写体クリーニングブレード210より下流側に設けられている。
【0051】
上シール220は、中間転写体70の、従動ローラ72に巻き掛けられた部位に当接部220aにて当接して、回収されたトナーの中間転写体クリーニングユニット85外への漏出を防止する。この上シール220は、厚さ約120μmのシート状の部材である。上シール220は、その先端が中間転写体70の回転方向の下流側に向くように配置されている。また、この上シール220の材質は、中間転写体70の材質と同材質である。すなわち、上シール220は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したものである。
【0052】
また、上シール220は、中間転写体クリーニングブレード210と同様、中間転写体70に対して接離自在に構成されている。すなわち、上シール220は、これを支持するシール支持部材222を介して、回動軸320に固定されており、シール支持部材222が所定角度回動することにより、上シール220が接触位置と非接触位置との間を往復移動する。また、本実施の形態においては、上シール220が、中間転写体クリーニングブレード210の移動に連動して移動するようになっており(後に詳述する)、上シール220が前記接触位置にて中間転写体70に当接した状態から離間した後に、中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70から離間する。図4には、上シール220の当接位置を、図5及び図6には上シール220の非当接位置を示している。上シール220の接離機構300については、後に詳述する。
【0053】
本実施形態のプリンタ10では、図6に示すように、上シール220が中間転写体70から離間した状態にて、離間された上シール220を、中間転写体70の回転方向における上流側に延長した仮想面Sと、当該上シール220の上流側端部220bに最も近い中間転写体70表面上の一点とを通る直線に垂直な平面Tとにて挟まれる仮想領域Rの外側に、パッチセンサユニット73が配置されている。この仮想領域Rは、上シール220が中間転写体70から離間した際に、トナー収容部205内からトナーが巻き上げられやすい領域である。上シール220を中間転写体クリーニングブレード210より先に離間する構成では、中間転写体クリーニングブレード210が離間するまでは、特にトナー収容部205内の気流が乱流となりやすく、上シール220離間時にトナー収容部205内のトナーが仮想領域Rの方向に噴出しやすい。このため、図6に示すように仮想領域Rの外側に、パッチセンサユニット73を配置している。より具体的には、パッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bを、中間転写体70から離間された上シール220の上流側端部220bを通る中間転写体70の接線Xより、中間転写体70側に配置している。このように配置することにより、中間転写体70から離間された上シール220の上流側端部220bと中間転写体70の間に生じた間隙αと、パッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bとの間に、中間転写体70が存在するように構成されている。このため、間隙αと発光素子77a及び受光素子77bとが対向しないばかりでなく、中間転写体70が、間隙αから舞出たトナーが発光素子77a及び受光素子77b側に向かう方向に浮遊する際の障壁としても機能している。
【0054】
<<<中間転写体クリーニングブレード及び上シールの接離タイミングについて>>>
ここでは、中間転写体クリーニングブレード210及び上シール220の接離タイミングについて説明する。
前述したとおり、一次転写ユニット60が感光体20上に形成された各色のトナー像を中間転写体70に順次転写することにより、4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写され、フルカラートナー像が中間転写体70上に形成される。中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録紙に転写される。
そして、記録紙に転写されずに中間転写体70上に残されたトナーが、中間転写体70の回転に伴って、中間転写体クリーニングユニット85に到達する直前に、中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70へ当接し、上シール220が中間転写体70へ当接する。中間転写体クリーニングブレード210が、中間転写体70上に残されたトナーを掻き取り終えると、上シール220が中間転写体70から離間し、続いて、中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70から離間して、一次転写ユニット60による感光体20上の各色のトナー像の次の転写、に備える。
【0055】
<<<接離機構300について>>>
上述したとおり、中間転写体クリーニングブレード210及び上シール220は、中間転写体70に対して接離自在に構成されている。ここでは、中間転写体クリーニングブレード210及び上シール220の接離機構300の一例について、図7乃至図9を用いて説明する。なお、図7は、上シール及び中間転写対クリーニングブレードが中間転写体に当接しているときの接離機構の状態を示す模式図である。図8は、上シールが中間転写体から離間しはじめる際の接離機構の状態を示す模式図である。図9は、上シール及び中間転写対クリーニングブレードが中間転写体から離間しているときの接離機構の状態を示す模式図である。
【0056】
接離機構300は、前述した揺動軸302、レバー306、カム310、引っ張りばね314、前述した回動軸320、引っ張りばね324等を有している。また、この接離機構300は、中間転写体クリーニングユニット85において、中間転写体クリーニングブレード210の長手方向の一方の端部側にて、ケース202の側壁部分に設けられている。
【0057】
揺動軸302は、レバー306を揺動させるための軸であり、中間転写体クリーニングブレード210の長手方向に沿って、ケース202の外側に側壁部分から突設されている。
レバー306は、長手方向の一方の側に穴部306aを有しており、この穴部306aに揺動軸302が挿通されることによりケース202に揺動自在に取り付けられている。また、レバー306の他方の側には、レバー306を、揺動軸302を中心として揺動させつつ図7中時計方向に付勢する引っ張りばね314の一端が取り付けられ、引っ張りばね314の他端はケース202に固定されている。
【0058】
また、ケース202には、レバー306を、揺動軸302を中心として揺動させるためのカム310が設けられており、カム310は引っ張りばね314の近傍に配置されている。そして、引っ張りばね314の付勢力によりレバー306はカム310に押圧されている。このため、カム310が図示しない駆動源により回転すると、レバー306はカム310に押圧されつつ、カム310により揺動軸302を中心として所定の角度だけ揺動する。
【0059】
さらに、レバー306には、中央付近に開口306bが設けられており、この開口306bには、中間転写体クリーニングブレード210が支持されるブレード支持板金212から、中間転写体クリーニングブレード210の長手方向に沿って突出された突起部212bが挿通されている。
【0060】
中間転写体クリーニングブレード210及びブレード支持板金212は、回動軸212aを中心として回動可能であり、ブレード支持板金212の短手方向における中間転写体クリーニングブレード210と反対の側には、引っ張りばね315の一端が掛けられている。引っ張りばね315の他端はケース202に掛けられている。そして、中間転写体クリーニングブレード210と、引っ張りばね315の他端が掛けられている位置のほぼ中間にて、ブレード支持板金212が回動軸212aに回動自在に支持されている。
【0061】
回動軸320に挿通されたシール支持部材222は、回動軸320を中心として回動可能であり、シール支持部材222に固定された上シール220は、回動軸320を中心として一体的に回動するように構成されている。
引っ張りばね324は、回動軸320を図7中反時計方向に付勢する付勢部材である。この引っ張りばね324は、シール支持部材222に装着されており、その一端は、シール支持部材222に連結され、また、他端は、ケース202に取り付けられている。
【0062】
このように構成された接離機構300は、以下のように、中間転写体クリーニングブレード210及び上シール220を、中間転写体70に対して接離させる。
【0063】
図7に示すように、中間転写体クリーニングブレード210、及び、上シール220が中間転写体70に当接している状態では、カムの偏心軸310aとカム面310bとの距離が最小となる位置にて、レバー306がカム310に押圧されている。このとき、シール支持部材222の押圧部222aとレバー306、及び、ブレード支持板金212の突起部212bとレバー306の開口306bは、いずれも接触していない。すなわち、上シール220は、引っ張りばね324に付勢されて中間転写体70に当接され、中間転写体クリーニングブレード210は、引っ張りばね315に付勢されて中間転写体70に当接されている。
【0064】
図7の状態から、カム310を例えば90°回転させると図8に示すように、反時計方向に揺動したレバー306とシール支持部材222の押圧部222aとが接触し、ブレード支持板金212の突起部212bとレバー306の開口306bは接触していない状態となる。このときも、上シール220は、引っ張りばね324に付勢されて中間転写体70に当接され、中間転写体クリーニングブレード210は、引っ張りばね315に付勢されて中間転写体70に当接されている。
【0065】
そして、カム310を回転し続けると、反時計方向に揺動したレバー306がシール支持部材222の押圧部222aを押圧してシール支持部材222を、回動軸320を中心として回動させることにより、上シール220が中間転写体70から離間し始め、その後、レバー306の開口306bの縁がブレード支持板金212の突起部212bと接触する。このとき、中間転写体クリーニングブレード210は中間転写体70に当接している。このため上シール220が中間転写体70から離間しトナー収容部205の内外を連通する間隙αが生じても、中間転写体クリーニングブレード210は中間転写体70に当接している。すなわち、中間転写体クリーニングブレード210より早いタイミングにて上シール220は中間転写体70から離間する。
【0066】
さらに、カム310を回転し続けると、反時計方向に揺動したレバー306の開口306bがブレード支持板金212の突起部212bを押圧してブレード支持板金212及び中間転写体クリーニングブレード210を、揺動軸302を中心として回動させることにより、中間転写体クリーニングブレード210も中間転写体70から離間し始める。そして、図9に示すように、カムの偏心軸310aとカム面310bとの距離が最大となる位置に至ると、上シール220、及び、中間転写体クリーニングブレード210は、中間転写体70から最も離れた位置、すなわち、非当接位置まで移動する。このとき、トナー収容部205と中間転写体70との間には、いずれもトナー収容部205の内外が連通する間隙α、βが生じる。
【0067】
その後、カム310を回転すると、レバー306は引っ張りばね314の付勢力により時計方向に揺動し始める。そして、レバー306の揺動に伴って、シール支持部材222は反時計方向に、また、中間転写体クリーニングブレード210は時計方向に回動し、やがて、中間転写体クリーニングブレード210が、中間転写体70に当接する。中間転写体クリーニングブレード210のさらなる時計方向への回動は、中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70に当接することによって規制される。
【0068】
レバー306は、その後も時計方向に揺動し続け、シール支持部材222は、引っ張りばね324の付勢力により、反時計方向に回動する。そして、シール支持部材222の回動に伴って、上シール220も、反時計方向に回動し、やがて、上シール220が、中間転写体70に当接する。ケース202には、上シール220が中間転写体70に接触した際に回動軸320の回動を規制するためのストッパ328が設けられており、上シール220、及び、シール支持部材222のさらなる反時計方向への回動は、当該ストッパ328により規制される。このとき、トナー収容部205と中間転写体70との間に生じていた間隙α、βは、中間転写体70の回転方向における上流側では上シール220にて、下流側では中間転写体クリーニングブレード210により塞がれている。
【0069】
===本実施の形態に係るプリンタ等の有効性について===
中間転写体クリーニングブレード210が中間転写体70に当接して中間転写体70上のトナーを掻き落とすと、掻き落とされたトナーがトナー収容部205内に散乱する。そして、中間転写体70上のトナーが掻き落とされ、次のトナー像を中間転写体70上に形成するために、上シール220が中間転写体70から離間すると、トナー収容部205内に散乱していたトナーが上シール220と中間転写体70との間隙αからトナー収容部205の外側に舞出る場合がある。このとき、トナー収容部205外に舞出たトナーがパッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bに付着するとパッチセンサ77が誤検出する畏れがある。
【0070】
しかしながら、上述したような本実施の形態に係るプリンタ10においては、中間転写体70から離間された上シール220を中間転写体70の回転方向における上流側に延長した仮想面Sと、上シール220の上流側端部220bと該上流側端部220bに最も近い中間転写体70表面上の一点Qとを通る直線に垂直な平面Tとにて挟まれる仮想領域Rの外側にパッチセンサユニット73が配置されているので、トナー収容部205から舞出たトナーが直接パッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bに至る可能性は少ない。このため、トナー収容部205から舞出たトナーによるパッチセンサ77の誤検出を抑えることが可能である。
【0071】
このとき、中間転写体70から離間された上シール220の上流側端部220bを通る中間転写体70の接線より中間転写体70側に、パッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bが配置されている。すなわち、上シール220の上流側端部220bと中間転写体70との間に形成される間隙αと、パッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bとを繋ぐ直線上に中間転写体70が存在することになる。このため、パッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bが上シール220の上流側端部220bと中間転写体70との間に形成される間隙αと対向しないばかりでなく、中間転写体70が、間隙αから舞出たトナーが発光素子77a及び受光素子77b側に向かう方向に浮遊する際の障壁としても機能しているので、トナー収容部205から間隙αを通って舞出たトナーが発光素子77a及び受光素子77b側に至ることを効果的に抑えることが可能である。
【0072】
ところで、パッチセンサユニット73を構成する部材のいずれかが仮想領域R内に配置されている場合には、仮想領域R内に配置されている部位にトナーが付着し、付着したトナーが中間転写体70の回転等による気流によって発光素子77a及び受光素子77bに付着する畏れがある。しかしながら本実施形態のプリンタ10のように、パッチセンサユニット73が仮想領域Rの外側に配置されている場合には、発光素子77a及び受光素子77bのみならず、センサ固定ステイ78などのパッチセンサユニット73全体が、トナー収容部205から舞出たトナーが付着しにくい状態に配置される。このため、より効果的に発光素子77a及び受光素子77bにトナーが付着することを防止し、適切なパッチセンサ77の出力を得ることが可能である。
【0073】
本実施形態のプリンタ10においては、中間転写体クリーニングブレード210は上シール220より回転方向において下流側に設けられているので、上シール220より先に中間転写体クリーニングブレード210が離間する場合には、上シール220の周辺にトナーが積もったトナーが、上シール220が離間する動作により落下して、中間転写体クリーニングブレード210と中間転写体70との間隙βから外部に漏出する畏れがある。このため、上シール220が離間された後に中間転写体クリーニングブレード210が離間されることが望ましい。しかしながら、上シール220が先に離間された場合には、トナー収容部205内のトナーが舞出てパッチセンサ77の発光素子77a及び受光素子77bに付着する可能性が高くなる。
【0074】
このため、仮想領域Rの外側にパッチセンサユニット73を配置した本実施形態のプリンタ10によれば、パッチセンサユニット73を仮想領域R外に配置したことによりトナーが付着しにくいので、中間転写体クリーニングブレード210より先に中間転写体70から離間させることが可能であり、中間転写体クリーニングブレード210より下流側にトナーが漏出することを防止することが可能である。
【0075】
本実施形態においては、センサを中間転写体70上に担持されたトナーの濃度を検出するためのパッチセンサ77としたので、トナー収容部205から舞出たトナーが発光素子77a及び受光素子77bに付着しにくいことにより、適切なセンサ出力が得られると、中間転写体70に担持されたトナーの濃度を正確に検出することが可能である。また、正確に検出されたセンサの出力に基づいて、より良好な画像を形成することが可能である。特に本実施形態のパッチセンサ77は、発光素子77aと受光素子77bとで構成されているためトナーが付着すると誤検出し易いが、発光素子77aと受光素子77bが共に仮想領域R外に配置されているので、発光素子77aと受光素子77bを検出部とするセンサであっても、正確に検出することが可能である。ここで、本実施形態においては、センサをパッチセンサとしたが、これに限らず、例えば、中間転写体70の表面電位を検出するためのセンサとしての表面電位計79であってもよい。図10は、表面電位計を用いた状態を示す図である。図示するように、表面電位計79を用いたい場合も、仮想領域Rの外側に、センサ固定ステイ98を含む表面電位計ユニットを配置することにより、トナー収容部205から舞出たトナーが検出部79aに付着し難いため、中間転写体70の表面電位を正確に検出することが可能である。また、センサが中間転写体70の回転周期を検出するためのセンサであってもよい。中間転写体70の回転周期を検出するためには、例えば中間転写体70の周方向における所定の位置に付したマークを光学センサにて読み取ることにより検出可能なので、パッチセンサ77とほぼ同様の構成にて実現することが可能である。よって、仮想領域Rの外側に、センサ固定ステイを含む回転周期を検出するためのセンサのユニットを配置することにより、中間転写体70の回転周期を正確に検出することが可能である。
【0076】
また、これら中間転写体70の状態を検出するセンサは、中間転写体70と対向されることが望ましいが、実施形態のプリンタ10のように中間転写体70が間隔を隔てた複数のローラ71、72に巻き掛けられた環状のベルトの場合には、ローラ71,72の中間の位置では、中間転写体70の位置が変位して正確に検出できない畏れがある。このため、発光素子77aと受光素子77bは中間転写体70の位置が変位し難い、巻き掛けられた部位にて対向させることが望ましい。ところが、中間転写体70の巻き掛けられた位置には上シール220が当接されるので、上シール220が中間転写体70から離間した際には、発光素子77aと受光素子77b側にトナーが舞出る畏れがある。このため、本実施形態のプリンタ10のように、仮想領域Rの外側にセンサユニットが配置されていると、発光素子77aと受光素子77bにトナーが付着し難くいため、適切なセンサの出力を得ることが可能である。
【0077】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0078】
上記実施の形態においては、画像形成装置としてフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
【0079】
また、上記実施の形態においては、現像剤移動体として、トナーを媒体としての記録材に転写するためにトナーを担持した状態で回転して該トナーを移動させる中間転写体70を、回収部として、記録材に転写されずに中間転写体70上に残されたトナーを回収するための中間転写体クリーニングユニット85を、例にとって説明したが、これに限定されるものでない。例えば、現像剤移動体は、トナーを中間媒体としての中間転写体70に転写するためにトナーを担持した状態で回転して該トナーを移動させる感光体20であり、回収部は、中間転写体70に転写されずに感光体20上に残されたトナーを回収するための感光体クリーニングユニット75であることとしてもよい。また、かかる際には、本発明を、中間転写型以外のレーザプリンタにも適用することができる。
【0080】
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
【0081】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0082】
図11は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ10と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ10は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0083】
図12は、図11に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0084】
なお、以上の説明においては、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ10から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0085】
また、例えば、プリンタ10が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ10が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0086】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【符号の説明】
【0087】
10 レーザビームプリンタ(プリンタ)、20 感光体、30 帯電ユニット、40 露光ユニット、50 YMCK現像ユニット、50a 中心軸、51 ブラック現像装置、52 マゼンタ現像装置、53 シアン現像装置、54 イエロー現像装置、55a、55b、55c、55d 保持部、60 一次転写ユニット、70 中間転写体、71 駆動ローラ、72 従動ローラ、73 パッチセンサユニット、75 感光体クリーニングユニット、76 感光体クリーニングブレード、77 パッチセンサ、77a 発光素子、77b 受光素子、77c カバー、77d 開口、78 センサ固定ステイ、79 表面電位計、79a 検出部、80 二次転写ユニット、85 中間転写体クリーニングユニット、90 定着ユニット、92 給紙トレイ、94 給紙ローラ、95 表示ユニット、96 レジローラ、100 制御ユニット、101 メインコントローラ、102 ユニットコントローラ、112 インターフェイス、113 画像メモリ、202 ケース、205 トナー収容部、207 スクリュー部、207a 中心軸、210 中間転写体クリーニングブレード、210a 当接部212 ブレード支持板金、212a 回動軸、212b 突起部、220 上シール、220a 当接部、222 シール支持部材、222a 押圧部、235 トナー受け部、300 接離機構、302 揺動軸、306 レバー、306a 穴部、306b 開口、310 カム、310a 偏心軸、310b カム面、314 引っ張りばね、320 回動軸、324 引っ張りばね、328 ストッパ、700 画像形成システム、702 コンピュータ、704 表示装置、708 入力装置、708A キーボード、708B マウス、710 読取装置、710A フレキシブルディスクドライブ装置、710B CD−ROMドライブ装置、802 内部メモリ、804 ハードディスクドライブユニット、Q 中間転写体上の一点、R 仮想領域、S 仮想面、T 平面、X 接線、α,β 間隙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、
前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、
前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナー移動体から離間された前記シール部材の上流側端部を通る前記トナー移動体の接線より、前記トナー移動体側に前記センサの前記検出部が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、
前記センサは、当該センサを取り付けるための取り付け部材とともにセンサユニットを構成しており、
前記センサユニットが前記仮想領域の外側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナー移動体は、間隔を隔てた複数のローラに巻き掛けられた環状のベルトであり、
前記ブレード及びシール部材は、前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位に当接され、前記センサの検出部は前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位と対向していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記シール部材が離間された後に、前記ブレードが離間されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記センサは、前記トナー移動体に担持されたトナーの濃度を検出するためのセンサであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記センサは、発光素子と受光素子とを有し、
前記検出部は、前記発光素子と前記受光素子とで構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記センサは、前記トナー移動体の表面電位を検出するためのセンサであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記センサは、前記トナー移動体の回転周期を検出するためのセンサであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、
前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、
前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有し、
前記トナー移動体から離間された前記シール部材の上流側端部を通る前記トナー移動体の接線より、前記トナー移動体側に前記センサの前記検出部が配置され、
前記センサは、当該センサを取り付けるための取り付け部材とともにセンサユニットを構成しており、前記センサユニットが前記仮想領域の外側に配置され、
前記トナー移動体は、間隔を隔てた複数のローラに巻き掛けられた環状のベルトであり、
前記ブレード及びシール部材は、前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位に当接され、前記センサの検出部は前記トナー移動体の前記ローラに巻き掛けられた部位と対向しており、
前記シール部材が離間された後に、前記ブレードが離間され、
前記センサは、前記トナー移動体に担持されたトナーの濃度を検出するためのセンサであり、
前記センサは、発光素子と受光素子とを有し、
前記検出部は、前記発光素子と前記受光素子とで構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
コンピュータ、及び、
前記コンピュータに接続され、
トナーを媒体に転写するために前記トナーを担持した状態で回転することにより前記トナーを移動させるためのトナー移動体と、
前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記媒体に転写されずに前記トナー移動体上に残されたトナーを、前記トナー移動体に当接して掻き取るためのブレードと、
前記ブレードにて掻き取られたトナーを収容し、前記ブレードが前記トナー移動体に当接することにより、前記トナー移動体の回転方向における下流側にて、前記トナー移動体との間隙が塞がれる収容部と、前記トナー移動体の回転方向における上流側にて前記トナー移動体に対し接離自在に設けられ、前記トナー移動体に当接して、前記上流側における前記トナー移動体と前記収容部との間隙を塞ぐためのシール部材と、前記トナー移動体から離間された前記シール部材を前記上流側に延長した仮想面と、前記シール部材の上流側端部と該上流側端部に最も近い前記トナー移動体表面上の一点とを通る直線に垂直な平面とにて挟まれる仮想領域の外側に、検出部が配置されたセンサと、を有する画像形成装置、を有することを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−59704(P2011−59704A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233309(P2010−233309)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【分割の表示】特願2005−289345(P2005−289345)の分割
【原出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】