説明

クリーンルーム用の物品保管設備

【課題】クリーンルーム内の清浄度を維持しながら、物品保管状態の清浄度を向上し得るクリーンルーム用の物品保管設備を提供する。
【解決手段】物品収納部14を棚横幅方向に並べて備える物品保管棚Sとその物品保管棚Sの前方の搬送車移動空間15を棚横幅方向に移動する物品搬送車Vを備えた物品保管庫Wが、クリーンルーム1内に設けられ、搬送車移動空間15が物品保管棚Sよりも棚横幅方向外方に突出する形態で設けられて、その外方突出部15tと空気流動可能に連通する排気用空間16が、物品保管棚Sの横側部に、その物品保管棚Sと隔壁体17にて空気流動不能に仕切られた状態で設けられ、搬送車移動空間15の外方突出部15t及び排気用空間16をクリーンルーム1内と空気流動不能に区分けするように仕切る仕切り壁25が設けられ、排気用空間16をクリームルーム1外と空気流動可能に連通するクリーンルーム外連通路18が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納部を棚横幅方向に並べて備える物品保管棚とその物品保管棚の前方の搬送車移動空間を棚横幅方向に移動する物品搬送車を備えた物品保管庫が、クリーンルーム内に設けられ、
浄化空気を前記物品保管棚の後部側から前記物品収納部を通過させて前記搬送車移動空間に流動させ且つその搬送車移動空間から前記クリーンルーム外に流動させる浄化空気通風手段が設けられたクリーンルーム用の物品保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるクリーンルーム用の物品保管設備(以下、単に物品保管設備と記載する場合がある)は、物品収納部を棚横幅方向に並べて備える物品保管棚とその物品保管棚の前方の搬送車移動空間を棚横幅方向に移動する物品搬送車を備えた物品保管庫を、クリーンルーム内に設けて、物品搬送車により、半導体製品や液晶表示素子等の製品の仕掛かり品等の物品を物品収納部に搬送したり、物品収納部に保管されている物品をその物品に処理を施す物品処理装置や外部等に搬送するものである。
そして、浄化空気通風手段により、浄化空気を物品保管棚の後部側から物品収納部を通過させて搬送車移動空間に流動させ且つその搬送車移動空間からクリーンルーム外に流動させることにより、物品収納部を塵埃の少ない環境に維持するように構成してある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記特許文献1には明確に記載されていないが、このような物品保管設備においては、仕切り壁にて、搬送車移動空間における棚横幅方向側の端部をクリーンルーム内と空気流動不能に区分けするように仕切っていた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−81406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、搬送車移動空間は、物品搬送車が移動することから塵埃が発生し易いものであるが、従来の物品保管設備では、仕切り壁にて、搬送車移動空間における棚横幅方向側の端部をクリーンルーム内と空気流動不能に区分けするように仕切ってあるので、塵埃が発生し易い搬送車移動空間からクリーンルーム内に浄化空気が流動するのを防止して、クリーンルーム内の清浄度が低下するのを抑制することができる。
【0006】
しかしながら、従来の物品保管設備では、物品搬送車が搬送車移動空間を移動するときに、物品搬送車と搬送車移動空間の棚横幅方向側の端部を仕切る仕切り壁との間で浄化空気が圧縮されて、その物品搬送車と仕切り壁との間の空間の空気圧が上昇するので、浄化空気が搬送車移動空間を仕切り壁の方から物品搬送車に向かって流動して、物品収納部に逆流する虞があった。
そして、浄化空気が搬送車移動空間から物品収納部に逆流すると、搬送車移動空間の浄化空気には塵埃が含まれ易いので、物品収納部にて物品を保管する物品保管状態の清浄度が低下する虞があった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クリーンルーム内の清浄度を維持しながら、物品保管状態の清浄度を向上し得るクリーンルーム用の物品保管設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のクリーンルーム用の物品保管設備は、物品収納部を棚横幅方向に並べて備える物品保管棚とその物品保管棚の前方の搬送車移動空間を棚横幅方向に移動する物品搬送車を備えた物品保管庫が、クリーンルーム内に設けられ、
浄化空気を前記物品保管棚の後部側から前記物品収納部を通過させて前記搬送車移動空間に流動させ且つその搬送車移動空間から前記クリーンルーム外に流動させる浄化空気通風手段が設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記搬送車移動空間が前記物品保管棚よりも棚横幅方向外方に突出する形態で設けられて、その外方突出部と空気流動可能に連通する排気用空間が、前記物品保管棚の横側部に、その物品保管棚と隔壁体にて空気流動不能に仕切られた状態で設けられ、
前記搬送車移動空間の外方突出部及び前記排気用空間を前記クリーンルーム内と空気流動不能に区分けするように仕切る仕切り壁が設けられ、
前記排気用空間を前記クリームルーム外と空気流動可能に連通するクリーンルーム外連通路、又は、前記排気用空間を前記クリームルーム内と空気流動可能に連通し且つ空気浄化手段を備えたクリーンルーム内連通路が設けられている点を特徴とする。
【0009】
即ち、物品搬送車が搬送車移動空間をその外方突出部に向かって移動するときに、物品搬送車と仕切り壁との間で浄化空気が圧縮される傾向となるが、そのように圧縮傾向となる浄化空気は、搬送車移動空間の外方突出部からクリーンルーム内に流動するのが仕切り壁により阻止される状態で、搬送車移動空間の外方突出部から排気用空間に流動し、その排気用空間に流動した浄化空気は、物品保管棚内に流動するのが隔壁体にて阻止される状態で、クリーンルーム外連通路を通ってクリーンルーム外に流動する、又は、クリーンルーム内連通路を通って、空気浄化手段にて浄化された後、クリーンルーム内に流動するので、物品搬送車と仕切り壁との間の空間の空気圧が上昇するのが抑制される。
【0010】
つまり、物品保管棚の横側部に、搬送車移動空間の外方突出部と空気流動可能に連通する排気用空間を設けて、その排気用空間からクリーンルーム外連通路を通ってクリーンルーム外に流動する形態、又は、その排気用空間からクリーンルーム内連通路を通って空気浄化手段にて浄化された後にクリーンルーム内に流動する形態の浄化空気の流動経路を形成してあるので、物品搬送車が搬送車移動空間をその外方突出部に向かって移動するときに、クリーンルーム内の清浄度を維持しながら、物品搬送車と仕切り壁との間の空間の空気圧が上昇するのを抑制することができるものとなって、塵埃が発生し易い搬送車移動空間から浄化空気が物品収納部に逆流するのを抑制することができるのである。
従って、クリーンルーム内の清浄度を維持しながら、物品保管状態の清浄度を向上し得るクリーンルーム用の物品保管設備を提供することができるようになった。
【0011】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記排気用空間と前記搬送車移動空間の外方突出部とを空気流動可能に連通する連通用開口が、前記クリーンルームの床から前記物品保管棚の上端部にわたる状態で設けられ、
前記連通用開口の下方側部分を空気流動可能な状態で閉じる多孔状板状体が設けられている点を特徴とする。
【0012】
即ち、排気用空間と搬送車移動空間の外方突出部とを空気流動可能に連通する連通用開口が、クリーンルームの床から物品保管棚の上端部にわたる状態で設けられ、連通用開口の下方側部分を空気流動可能な状態で閉じる多孔状板状体が設けられているので、クリーンルームの床から物品保管棚の上端部にわたる状態にて十分に広く設けられている連通用開口を通して浄化空気を搬送車移動空間の外方突出部から排気用空間に良好に流動させることができ、又、多孔状板状体により、作業者が連通用開口を通って搬送車移動空間に進入したり、指等を搬送車移動空間に突き出したりするのを防止することが可能となる。
ちなみに、多孔状板状体の孔の大きさは、作業者が手の指等を搬送車移動空間に突き出すのを防止できるように、手の指が通らない大きさにするのが好ましい。
【0013】
つまり、連通用開口を十分に広く設けて、浄化空気を搬送車移動空間の外方突出部から排気用空間に良好に流動させることができるようにすることにより、浄化空気が搬送車移動空間から物品収納部に逆流するのを十分に抑制することができるので、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができる。
【0014】
又、排気用空間はデッドスペースとなるが、その排気用空間に、例えば、物品保管設備の運転を制御する制御装置等を設けることにより、排気用空間を有効利用することができる。
そして、制御装置等を設けて排気用空間を有効活用するようにすることにより、その排気用空間には、制御装置の操作やメンテナンスのために作業者が入り込むことになるが、連通用開口の下方側部分には多孔状板状体が設けられているので、作業者が連通用開口を通って搬送車移動空間に進入したり、指等を搬送車移動空間に突き出したりするのを防止することができるのである。
従って、連通用開口を十分に広く設けることにより、浄化空気が搬送車移動空間から物品収納部に逆流するのを十分に抑制して、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができ、又、排気用空間に制御装置等を設けることにより排気用空間を有効活用しながらも、作業者が連通用開口を通って搬送車移動空間に進入したり、指等を搬送車移動空間に突き出したりするのを防止することができる。
【0015】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記クリーンルームの多孔状の床部を通して吸引した吸引空気を前記クリームルームの天井吹出部から吹き出す形態で、浄化空気を前記クリーンルームに循環させるクリーンルーム用循環通風手段が設けられ、
前記クリーンルーム外連通路が、前記排気用空間の浄化空気を前記多孔状の床部を通して流動させる形態で構成されている点を特徴とする。
【0016】
即ち、クリーンルーム用循環通風手段により、クリーンルーム内を浄化空気が天井側から床に向かって下向きに通流されることになって、クリーンルームが所謂ダウンフロー式に構成される。
そして、クリーンルーム外連通路が、排気用空間の浄化空気を多孔状の床部を通して流動させる形態で構成されているので、物品搬送車が搬送車移動空間を移動するときに、その搬送車移動空間の外方突出部から排気用空間に流動した浄化空気を、多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動させることができる。
【0017】
つまり、クリーンルームをダウンフロー式に構成することにより、そのクリーンルーム内における浄化空気の下向きの流動によって、塵埃をクリーンルーム外に排出し易くなるので、クリーンルーム内の清浄度を向上することができる。
そして、そのようなダウンフロー式のクリーンルーム内に物品保管庫を設置して、物品搬送車が搬送車移動空間をその外方突出部に向かって移動するときにその外方突出部から排気用空間に流動する浄化空気を、その排気用空間から下向きに流動させて多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動させるようにすることにより、搬送車移動空間にて発生する塵埃を、搬送車移動空間における浄化空気の下向きの流動によってクリーンルーム外により一層排出し易くなるので、搬送車移動空間や物品収納部内の清浄度をより一層向上することができて、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができる。
従って、クリーンルーム用の物品保管設備をダウンフロー式のクリーンルームに設置する場合に、そのダウンフロー式の浄化空気の流動形態を有効利用して、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができるようになった。
【0018】
第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記物品保管棚の後部に、前記クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を前記物品収納部に案内するための空気流通空間が、上部が開口され且つ側周囲が流通路形成用仕切り体にて前記クリーンルーム内と空気流動不能に区分けするように仕切られた状態で設けられ、
前記浄化空気通風手段が、前記クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を前記空気流通空間にて案内して前記物品収納部に供給し且つその物品収納部を通過して前記搬送車移動空間に流動する浄化空気をその搬送車移動空間から前記多孔状の床部を通して流動させる形態で、浄化空気を流動させるように構成されている点を特徴とする。
【0019】
即ち、浄化空気通風手段の通風作用により、クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気が、物品保管棚の後部の空気流通空間に案内されて物品収納部にその後部側から供給され、その物品収納部に供給された浄化空気は、その物品収納部を通過して搬送車移動空間に流動して、その搬送車移動空間から多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動する。
【0020】
つまり、ダウンフロー式のクリーンルームにおいて、天井吹出部から吹き出された浄化空気を、物品収納部をその後部側から通過させて搬送車移動空間に流動させ、その搬送車移動空間から多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動させるようにすることにより、クリーンルーム用循環通風手段によりクリーンルームに循環させる浄化空気の一部を、物品収納部を通過させるための浄化空気として用いるので、HEPAフィルタ等からなるエアーフィルタを用いて浄化空気を生成するための構成を簡略化することができる。
従って、浄化空気を生成するための構成を簡略化して、クリーンルーム用の物品保管設備の低廉化を図ることができるようになった。
【0021】
第5特徴構成は、上記第4特徴構成に加えて、
前記搬送車移動空間の上部及び前記物品保管棚の上部が、前記クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を導入するよう開口され、
前記物品保管棚の下端部に、浄化空気の流動用空間が形成され、
前記多孔状の床部における前記物品保管棚の設置箇所に対応する床部分の開口率が、前記多孔状の床部における前記搬送車移動空間に対応する床部分及び前記排気用空間に対応する床部分の開口率よりも小さく形成されている点を特徴とする。
【0022】
即ち、搬送車移動空間の上部が、クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を導入するよう開口されているので、クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気が搬送車移動空間の上部に導入されて、その搬送車移動空間を下向きに流動することとなって、搬送車移動空間にて発生する塵埃を浄化空気の下向きの流動によってクリーンルーム外により一層排出し易くなり、搬送車移動空間の清浄度をより一層向上することができる。
又、物品保管棚の上部も、クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を導入するよう開口され、物品保管棚の下端部に浄化空気の流動用空間が形成されているので、クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気が物品保管棚の上部に導入されて、その物品保管棚を下向きに流動することになり、浄化空気が物品収納部を後部側から前部側に向けて横向きに流動することと合わせて、浄化空気を物品収納部に保管されている物品に流動させ易くなる。
つまり、搬送車移動空間の清浄度を向上することができると共に、浄化空気を物品収納部に保管されている物品に流動させ易くなるので、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができる。
【0023】
又、多孔状の床部における物品保管棚の設置箇所に対応する床部分の開口率が、多孔状の床部における搬送車移動空間に対応する床部分及び排気用空間に対応する床部分の開口率よりも小さく形成されているので、物品保管棚の設置箇所に対応する床部分よりも搬送車移動空間に対応する床部分及び排気用空間に対応する床部分を浄化空気が通過し易い。
つまり、クリーンルーム用循環通風手段の通風作用により、クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を搬送車移動空間及び物品保管棚夫々を下向きに流動させながら、浄化空気を、物品保管棚の後部の空気流通空間に案内して、物品収納部をその後部側から前部側に通過させて搬送車移動空間に流動させ、その搬送車移動空間の下部に対応する多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動させることができ、並びに、浄化空気を、物品収納部に逆流するのを十分に抑制しながら、搬送車移動空間の外方突出部から排気用空間に流動させて、その排気用空間の下部に対応する多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動させることができる。
つまり、クリーンルーム用循環通風手段に備えられる送風機を、浄化空気通風手段用の送風機、及び、浄化空気を排気用空間から多孔状の床部を通してクリーンルーム外に流動させるための送風機として兼用することができるので、クリーンルーム用の物品保管設備の低廉化を図ることができる。
要するに、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができながら、クリーンルーム用の物品保管設備の低廉化を図ることができるようになった。
【0024】
第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、
前記物品保管棚が、前後一対の支柱を棚横幅方向に並べて、棚横幅方向に間隔を隔てて並ぶ左右一対の物品支持枠を、前記支柱にて支持する状態で、棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて構成され。
前記物品収納部が、前記左右一対の物品支持枠にて物品を載置支持する形態で物品を収納するように構成されている点を特徴とする。
【0025】
即ち、物品収納部が、棚横幅方向に隣接するもの同士が空気流動可能に連通し且つ棚上下幅方向に隣接するもの同士が空気流動可能に連通する状態で、棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて設けられることになるので、物品保管能力を向上しながらも、物品保管棚の後部側から物品収納部を通過して搬送車移動空間に流動する浄化空気、及び、物品保管棚の上部側から下方側に向けて物品保管棚を流動する浄化空気を、物品収納部に保管されている物品の外周部のより広い範囲にわたって流動させることができる。
そして、浄化空気を、物品収納部に保管されている物品の外周部のより広い範囲にわたって流動させることにより、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができる。
従って、物品保管能力を向上しながら、物品保管状態の清浄度をより一層向上することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係る物品保管設備は、塵埃の少ない清浄化されたクリーンルーム1内に設置して、例えば、半導体製品や液晶表示素子等の製品の仕掛かり品等の物品を塵埃の少ない環境にて保管するようになっている。ちなみに、この第1実施形態では、物品を容器Cに収容したままの状態で、搬送したり保管したりするように構成してある。
【0027】
図2に示すように、この物品保管設備を設置するクリーンルーム1は、清浄化された浄化空気が天井側から床側に向けて下向きに通流するダウンフロー式に構成してある。
このダウンフロー式のクリーンルーム1について説明を加えると、クリーンルーム1の床部を、通気孔が多数形成された多孔状のグレーティング床2(多孔状の床部に相当する)に形成し、クリーンルーム1の天井に天井吹出部3を形成して、グレーティング床2を通して吸引した吸引空気を天井吹出部3から吹き出す形態で、浄化空気をクリーンルーム1に循環させるクリーンルーム用循環通風手段Fを設けてある。
【0028】
このクリーンルーム用循環通風手段Fについて、説明を加えると、前記グレーティング床2の下方側に、吸気室4を設け、前記天井吹出部3にHEPAフィルタ等からなるエアーフィルタ5を並設し、その天井吹出部3の上方側に空気チャンバ室6を設けて、それら吸気室4と空気チャンバ室6とを接続流路7にて連通接続してある。
又、接続流路7に、循環用送風機8を前記吸気室4に吸引作用するように設け、更に、接続流路7における循環用送風機8の空気吐出側の部分に、プレフィルタ9を設けてある。
つまり、クリーンルーム用循環通風手段Fを、前記グレーティング床2、前記吸気室4、前記接続流路7、前記循環用送風機8、前記プレフィルタ9、前記空気チャンバ室6、前記天井吹出部3及び前記プレフィルタ9等を備えて構成してある。
【0029】
そして、循環用送風機8の通風作用により、クリーンルーム1内の空気がグレーティング床2を通して吸気室4に吸い込まれ、その吸気室4に吸い込まれた空気が接続流路7を流動してプレフィルタ9を通過して清浄化された後、空気チャンバ室6に流入し、更に、天井吹出部3に設けられたエアーフィルタ5を通過して清浄化された後、天井吹出部3からクリーンルーム1内に向けて下向きに吹き出されるように構成してある。
従って、クリーンルーム1内の空気が、プレフィルタ9及びエアーフィルタ5を通過しながら上述の経路を通して循環されることにより、常に浄化空気が天井吹出部3から下方に吹き出される状態でクリーンルーム1に供給されて、クリーンルーム1内が清浄度の高い状態に維持される構成となっている。
【0030】
更に、前記接続流路7における前記循環用送風機8の吸い込み側の部分に、外気取入流路10を接続すると共に、その外気取入流路10に外気取入量調節用ダンパ11を設け、前記接続流路7における前記循環用送風機8の吐出側の部分に、排気流路12を接続すると共に、その排気流路12に排気量調節用ダンパ13を設けてある。
そして、外気取入量調節用ダンパ11及び排気量調節用ダンパ13夫々の開度を調節することにより、前記クリーンルーム用循環通風手段Fにて循環されるクリーンルーム1内の浄化空気のうちの所定量を新鮮な空気と交換するように構成してある。
【0031】
次に、図1ないし図5に基づいて、物品保管設備の構成について説明する。
尚、図2は、図1のイ−イ矢視図、図3は、図1のロ−ロ矢視図、図4は、図1のハ−ハ矢視図である。
この物品保管設備は、物品収納部14を棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて備えた物品保管棚Sとその物品保管棚Sの前方の搬送車移動空間15を棚横幅方向に移動する物品搬送車Vとを備えた物品保管庫Wをクリーンルーム1内に設け、更に、浄化空気を前記物品保管棚Sの後部側から前記物品収納部14を通過させて前記搬送車移動空間15に流動させ且つその搬送車移動空間15から前記クリーンルーム1外に流動させる浄化空気通風手段Bを設けて構成してある。
【0032】
この第1実施形態では、一対の前記物品保管棚Sを夫々の前方側を互いに向かい合わせた状態で、互いの間に前記搬送車移動空間15を形成すべく間隔を隔てて、前記クリーンルーム1のグレーティング床2上に設けてある。
そして、このように設けた一対の物品保管棚Sの側周囲を、矩形筒状の周壁25にて、各物品保管棚Sの両横側部夫々とは後述する搬送車移動空間15の外方突出部15t及び排気用空間16を形成すべく間隔を隔てた状態で、且つ、各物品保管棚Sの後部とは後述する空気流通空間19を形成すべく間隔を隔てた状態で囲んである。
【0033】
つまり、搬送車移動空間15を物品保管棚Sよりも棚横幅方向外方に突出する形態で設けて、その外方突出部15tと空気流動可能に連通する排気用空間16を、物品保管棚Sの横側部に、その物品保管棚Sと隔壁体としての横隔壁体17にて空気流動不能に仕切られた状態で設け、搬送車移動空間15の外方突出部15t及び排気用空間16を、前記周壁25にてクリーンルーム1内と空気流動不能に区分けするように仕切り、排気用空間16をクリームルーム1外と空気流動可能に連通するクリーンルーム外連通路18を設けてある。
前記横隔壁体17は、各物品保管棚Sの棚横幅方向両側の側部夫々に、物品保管棚Sの棚上下幅方向及び棚前後幅方向夫々の全長にわたって設けて、物品保管棚Sとその横側部の前記排気用空間16とを空気流動不能に仕切ってある。
ちなみに、前記周壁25を、前記搬送車移動空間15の外方突出部15t及び前記排気用空間16を前記クリーンルーム1内と空気流動不能に区分けするように仕切る仕切り壁として機能させるように構成してある。
【0034】
つまり、この第1実施形態では、各物品保管棚Sの両横側部に、前記排気用空間16を設け、搬送車移動空間15における棚横幅方向の両端に、前記外方突出部15tを設けてある。
そして、前記周壁25において各排気用空間16に対応する部分には、その排気用空間16に出入りするための開口部を形成すると共に、その開口部を開閉する扉26を設け、前記周壁25において搬送車移動空間15の一方の外方突出部15tに対応する部分には、搬送車移動空間15に出入りするための開口部を形成すると共に、その開口部を開閉する扉27を設けてある。
図示は省略するが、前記排気用空間16には、物品保管設備の運転を制御する制御装置や分電盤等を、前記搬送車移動空間15の外方突出部15tからの浄化空気の流動を妨げない状態で設けてある。
【0035】
又、各物品保管棚Sの後部に、前記クリーンルーム1の天井吹出部3から吹き出された浄化空気を物品収納部14に案内するための空気流通空間19を、上部が開口され且つ側周囲が流通路形成用仕切り体として機能させる前記周壁25にてクリーンルーム1内と空気流動不能に区分けするように仕切られた状態で設けて、前記浄化空気通風手段Bを、前記クリーンルーム1の天井吹出部3から吹き出された浄化空気を前記空気流通空間19にて案内して前記物品収納部14に供給し且つその物品収納部14を通過して前記搬送車移動空間15に流動する浄化空気をその搬送車移動空間15から前記クリーンルーム1のグレーティング床2を通して流動させる形態で、浄化空気を流動させるように構成してある。
【0036】
更に、各物品保管棚Sの各横側部における後端縁部と棚横幅方向側の周壁25との間を、後部隔壁体46にて、物品保管棚Sの上下幅方向全長にわたって仕切って、前記排気用空間16を前記空気流通空間19と空気流動不能に仕切ってある。
【0037】
各物品保管棚Sは、前後一対の支柱21を棚横幅方向に並べて、棚横幅方向に間隔を隔てて並ぶ左右一対の物品支持枠22を、前記支柱21にて支持する状態で、棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて構成し、物品収納部14を、前記左右一対の物品支持枠22にて容器Cを載置支持する形態で容器Cを収納するように構成してある。
つまり、物品収納部14を、棚横幅方向に隣接するもの同士が空気流動可能に連通し且つ棚上下幅方向に隣接するもの同士が空気流動可能に連通する状態で、棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて設けて、物品収納効率を向上するようにしてある。
【0038】
物品保管棚Sについて説明を加えると、棚横幅方向に複数並ぶ前後一対の支柱21の上端を、矩形状の上部枠体23にて一体的に連結し、各前後一対の支柱21における物品収納部内方側、即ち、棚横幅方向側の側部に、複数の前記物品支持枠22を棚上下幅方向に間隔を隔てて支持してある。つまり、棚横幅方向の両端に位置する前後一対の支柱21以外の前後一対の支柱21には、棚横幅方向両側の側部に、前記物品支持枠22を支持してある。
【0039】
棚上下幅方向に並ぶ複数の物品支持枠22のうちの最下部の物品支持枠22は、支柱21の下端よりも上側に支持して、物品保管棚Sの下端部に、浄化空気の流動用空間24を形成してある。
【0040】
そして、上述のように構成した一対の物品保管棚Sを、夫々の前方側を互いに向かい合わせた状態で、互いの間に前記搬送車移動空間15を形成すべく間隔を隔てて配設して、そのように配設した一対の物品保管棚Sの側周囲を周壁25にて囲むことにより、搬送車移動空間15の上部及び各物品保管棚Sの上部を、前記クリーンルーム1の天井吹出部3から吹き出された浄化空気を導入するように開口してある。
【0041】
又、前記排気用空間16を前記グレーティング床2の上部に形成することにより、その排気用空間16を前記クリームルーム1外と空気流動可能に連通する前記クリーンルーム外連通路18を、排気用空間16の浄化空気をグレーティング床2を通して流動させる形態で構成してある。
【0042】
前記グレーティング床2における各物品保管棚Sの設置箇所に対応する床部分及び前記空気流通空間19に対応する床部分の開口率を、前記グレーティング床2における前記搬送車移動空間15に対応する床部分及び前記排気用空間16に対応する床部分の開口率よりも小さく形成してある。
具体的には、グレーティング床2における各物品保管棚Sの設置箇所に対応する床部分及び前記空気流通空間19に対応する床部分の開口率を18%、グレーティング床2における搬送車移動空間15に対応する床部分及び排気用空間16に対応する床部分夫々の開口率を50%に設定してある。
【0043】
又、前記物品保管棚Sの各横側部における前端縁部と前記周壁25との間の開口部分を、前記排気用空間16と前記搬送車移動空間15の外方突出部15tとを空気流動可能に連通する連通用開口28とするように構成して、その連通用開口28を、クリーンルーム1のグレーティング床2から前記物品保管棚Sの上端部にわたる状態で設けてある。
そして、その連通用開口28の下方側部分を空気流動可能な状態で閉じる多孔状板状体29を設けてある。
【0044】
ちなみに、前記多孔状板状体29は、開口率が40%程度になる状態で長円形の孔が多数形成されたパンチングメタルにて、高さが2m程度になるように形成してある。
つまり、前記多孔状板状体29にて、前記連通用開口28における床上2mの範囲を閉じることにより、排気用空間16に入り込んだ作業者が、搬送車移動空間15に進入できないことはもちろんのこと、多孔状板状体29の上方から搬送車移動空間15側に手を大きく突き出すこともできないようにしてある。
又、多孔状板状体29を、前記パンチングメタルにて形成することにより、作業者が指等の体の一部を多孔状板状体29の孔を通して搬送車移動空間15に突き出すことができないようにしてある。
【0045】
尚、図示は省略するが、物品保管棚Sに備えた複数の物品収納部14のうちの1個を用いて、クリーンルーム1から物品保管棚Sに容器Cを搬入するための搬入口を形成し、他の1個を用いて、物品保管棚Sからクリーンルーム1に容器Cを搬出するための搬出口を形成してある。
【0046】
次に、前記物品搬送車Vについて、説明を加える。
図1、図2、図3、図6及び図7に示すように、前記物品搬送車Vは、前後に一対ずつ車輪31を備えて、搬送車移動空間15のグレーティング床2上に設けた一対のガイドレール32および天井側に設けたガイドレール33に案内されて走行モータ(図示省略)の駆動力で走行する台車部分34と、この台車部分34上に立設した昇降案内用支柱35に前記台車部分34における車体前後方向の中央部の上方にて昇降自在なように支持された物品移載手段Tと、その物品移載手段Tを昇降駆動する昇降駆動手段としての昇降モータ30とを備えて構成してある。ちなみに、前記台車部分34は、平面視で略矩形状に形成してある。
【0047】
そして、物品搬送車Vに、その物品搬送車Vの移動方向の前端部に当たって物品保管棚S側に流動する浄化空気を物品搬送車Vの後方側に受け止め案内する整流板41を、物品搬送車Vに対して車体横幅方向に間隔を隔てる状態で設けてある。
【0048】
以下、図6及び図7に基づいて、前記物品搬送車Vの各部について、説明を加える。
前記物品移載手段Tは、前記昇降モータ30にて昇降駆動されるように設けた昇降台36、この昇降台36の上部に車体上下方向に沿う軸心P1周りで旋回モータ(図示省略)にて旋回駆動されるように設けた旋回台37、及び、この旋回台37の上部にリンク機構38によって出退駆動されるように設けた物品載置台39等を備えて構成してある。
【0049】
前記昇降モータ30により前記昇降台36を昇降駆動するための構成は、公知の種々の構成を採用することができるので詳細な説明及び図示は省略するが、例えば、昇降モータ30にて回転ドラムを正逆転させて、昇降台36に接続したワイヤを巻き取り又は巻き出しすることにより、昇降台36を昇降駆動するように構成することができる。
【0050】
前記リンク機構38は、旋回台37の上面側の物品載置台39の横幅方向に並ぶ2箇所に基端側が車体上下方向に沿う軸芯P2まわりで回動自在に連結している操作リンク44、この一対の操作リンク44の遊端側を物品載置台39の基端部の下面側に各別に連動させている一対の揺動リンク45を備えて構成してある。
【0051】
一対の操作リンク44は、旋回台37の下面側に設けた出退電動モータ(図示せず)によって連動させて軸芯P2まわりで揺動操作されるように構成してある。各揺動リンク45は、操作リンク44の遊端側に対しては車体上下方向に沿う軸芯P3まわりで、物品載置台39の基端側に対しては車体上下方向に沿う軸芯P4まわりでそれぞれ相対回動自在に連結している。
【0052】
これにより、リンク機構38は、出退電動モータによって一対の操作リンク44を連動させてそれぞれの軸芯P2まわりで揺動操作し、揺動する一対の操作リンク44によって一対の連動リンク45を介して物品載置台39の基端側を押し操作したり引き操作することにより、物品載置台39を旋回台37に対して物品載置台39の前後方向に出退操作する。すなわち、旋回台37の旋回操作によって物品載置台39の先端側が一方の物品保管棚S又は他方の物品保管棚Sの方に向くように物品載置台39の昇降台36に対する向き調整が行なわれた後において、図7の如く物品載置台39の先端側が物品収納部14に届くように旋回台37から物品保管棚Sの方に長く突出した物品収納や物品取り出しのための突出状態と、図6の如く物品載置台39の全体が前記突出状態の場合よりも旋回台37の方に引退した物品搬送のための引退状態とに切り換え操作するようになっている。
【0053】
図1、図2、図3、図6及び図7に示すように、前記台車部分34の上部における車体前後方向の両端部の夫々に、一対の制御ボックス40を車体横幅方向の両側に振り分けた状態で設けてある。つまり、4つの制御ボックス40を、略矩形状の台車部分34の上部にその4つの角部に振り分けた状態で設けてある。
各制御ボックス40の高さは、例えば、昇降案内用支柱35の高さの1/7〜1/8程度として、各制御ボックス40を、物品搬送車Vの下方側部分に存在させるように構成してある。
図示は省略するが、物品搬送車Vの運転を制御する搬送車制御装置、その搬送車制御装置が地上側の主制御装置等との間で通信を行う通信装置、電源部等を前記制御ボックス40に収容してある。
【0054】
各制御ボックス40の物品保管棚側の側面部に、その4箇所の角部に振り分けた状態で、4本のブラケット43を物品保管棚側に突出するように設けてある。
そして、各制御ボックス40の前記側面部に設けた4本のブラケット43の先端に、矩形状の前記整流板41を、車体前後方向と車体上下方向とに沿わせた姿勢で支持してある。
ちなみに、車体前後方向に沿わせた姿勢とは、平面視で、前記ガイドレール32と平行又は略平行となる姿勢を意味し、車体上下方向に沿わせた姿勢とは、鉛直方向に沿う又は略沿う姿勢を意味する。
【0055】
つまり、前記整流板41を、物品搬送車Vにおける車体前後方向の中央部に物品移載手段Tにて物品の移載を行うための移載用空間42を形成すべく、車体前後方向の両端側夫々に位置させる状態で、且つ、物品搬送車Vの下方側部分の両横外側夫々に位置させる状態で4箇所に設けてある。
【0056】
ところで、この第1実施形態では、物品保管棚Sの下端部に浄化空気の流動用空間24を形成して、その流動用空間24の上方に物品収納部14を設けてあって、物品搬送車Vの台車部分34の横側方には、物品収納部14を存在させないように構成してあるので、台車部分Vの走行方向の前端部に当たった浄化空気が物品保管棚S側に流動するのを抑制する必要がない。
又、前記昇降案内用支柱35における車体横幅方向の物品保管棚S側の端部を、制御ボックス40における車体横幅方向の物品保管棚S側の端部よりも内側に存在させて、昇降案内用支柱35の走行方向の前端部に当たって物品保管棚S側に流動する浄化空気が、物品保管棚Sの前部には達し難いように構成してある。
つまり、物品搬送車Vの移動方向の前端部に当たって物品保管棚S側に流動する浄化空気が物品収納部14に逆流しないようにするには、前記整流板41を、物品搬送車Vの横外側における制御ボックス40の下端部から上端部にわたる範囲に存在させるようにすれば十分である。
そこで、この第1実施形態では、各整流板41を、物品搬送車Vにおける制御ボックス40の下端部から上端部にわたる範囲に対応する下方側部分の両横外側に位置させる状態で設けてある。
【0057】
この物品搬送車による物品の収納及び取り出しは、周知であるので、以下、簡単に説明する。
即ち、物品収納部14から物品を収容した容器Cを取り出すときは、走行モータによる台車部分34の走行駆動、昇降モータ30による昇降台36の昇降駆動、及び、旋回モータによる旋回台37の旋回駆動により、物品載置台39を、容器Cを取り出すべき物品収納部14の前方における容器Cを取り出すための所定の位置に位置させる。
そして、リンク機構38によって物品載置台39を突出状態に切り換え操作して、物品載置台39の先端側を物品収納部14に収納されている容器Cの下側に入り込ませ、次に、昇降モータによって昇降台36を上昇操作することにより物品載置台39を上昇させて、容器Cを物品載置台39上に載置支持し、次に、リンク機構38によって物品載置台39を引退状態に切り換え操作することにより、容器Cを物品収納部14から取り出す。
【0058】
一方、物品を収容した容器Cを物品収納部14に収納するときは、物品載置台39に容器Cを載置支持した状態で、走行モータによる台車部分34の走行駆動、昇降モータ30による昇降台36の昇降駆動、及び、旋回モータによる旋回台37の旋回駆動により、物品載置台39を、容器Cを収納すべき物品収納部14の前方における容器Cを収納するための所定の位置に位置させる。
そして、リンク機構38によって、物品が収容されている容器Cを載置した物品載置台39を突出状態に切り換え操作し、物品載置台39の先端側を物品収納部14に入り込ませ、昇降モータによって昇降台36を下降操作することにより物品載置台39を下降させて、容器Cを一対の物品支持枠22上に載置し、容器Cを物品収納部14に収納する。
【0059】
以下、図1ないし図4に基づいて、上述のように構成した物品保管設備における浄化空気の通風形態について、説明する。尚、図1ないし図4の各図において、浄化空気の流動形態を破線矢印にて示す。
図2ないし図4に示すように、前記循環用送風機8の通風作用により、浄化空気が天井吹出部3からクリーンルーム1内に向けて下向きに吹き出されて、クリーンルーム1内を下向きに流動して、グレーティング床2を通過してクリーンルーム1外に流動する。
【0060】
又、上述したように、前記グレーティング床2における各物品保管棚Sの設置箇所に対応する床部分の開口率を、前記グレーティング床2における前記搬送車移動空間15に対応する床部分及び前記排気用空間16に対応する床部分の開口率よりも小さく形成してあるので、前記循環用送風機8の通風作用により、クリーンルーム1の天井吹出部3から吹き出されて、搬送車移動空間15、物品保管棚Sの上部及びその物品保管棚Sの後部の空気流通空間19に導入された浄化空気は、夫々、以下のような形態で流動する。
【0061】
即ち、図2及び図3に示すように、搬送車移動空間15の上部に導入された浄化空気は、その搬送車移動空間15を下向きに流動してグレーティング床2からクリーンルーム1外に流動する。
【0062】
又、図3に示すように、物品保管棚Sの上部に導入された浄化空気は、上下方向に並ぶ各物品収納部14を前部側に流動して搬送車移動空間15に流動する形態で分散しながら、上下方向に並ぶ各物品収納部14を通過して下方側に向けて流動し、上下方向に並ぶ各物品収納部14から搬送車移動空間15に流動した浄化空気は、その搬送車移動空間15を下方側に向けて流動して、搬送車移動空間15の下部のグレーティング床2からクリーンルーム1外に流動し、上下方向に並ぶ各物品収納部14を通過して、物品保管棚Sの下端部の流動用空間24に達した浄化空気は、その流動用空間24の下部のグレーティング床2からクリーンルーム1外に流動する。
【0063】
又、図3に示すように、空気流通空間19に導入された浄化空気は、上下方向に並ぶ各物品収納部14をその後部側から通過して搬送車移動空間15に流動する形態で分散しながら、空気流通空間19を下方側に向けて流動し、上下方向に並ぶ各物品収納部14から搬送車移動空間15に流動した浄化空気は、その搬送車移動空間15を下方側に向けて流動して、搬送車移動空間15の下部のグレーティング床2からクリーンルーム1外に流動し、空気流通空間19を下方側に向けて流動してその下端部に達した浄化空気は、その空気流通空間19の下部のグレーティング床2からクリーンルーム1外に流動する。
【0064】
つまり、前記浄化空気通風手段Bを、前記空気流通空間19、前記グレーティング床2、前記接続流路7及び前記循環用送風機8等を備えて構成して、前記クリーンルーム用循環通風手段Fを構成する前記循環用送風機8を、浄化空気通風手段B用の送風機に兼用する状態で構成してある。
【0065】
又、図1及び図4に示すように、物品搬送車Vが搬送車移動空間15をその外方突出部15tに向かって移動するときに、物品搬送車Vと外方突出部15tを仕切る周壁25との間で浄化空気が圧縮される傾向となるが、そのように圧縮傾向となる浄化空気は、搬送車移動空間15の外方突出部15tからクリーンルーム1内に流動するのが周壁25により阻止される状態で、搬送車移動空間15の外方突出部15tから連通用開口28を通って排気用空間16に流動し、その排気用空間16に流動した浄化空気は、物品保管棚S内に流動するのが横隔壁体17にて阻止され且つ空気流通空間19内に流動するのが後部隔壁体46にて阻止される状態で、前記循環用送風機8の通風作用により、排気用空間16の下部のグレーティング床2を通ってクリーンルーム1外に流動する。
つまり、前記クリーンルーム用循環通風手段Fを構成する前記循環用送風機8を、排気用空間16に流動した浄化空気をグレーティング床2を通してクリーンルーム1外に流動させるための送風機として兼用するように構成してある。
【0066】
又、図6において破線矢印にて示すように、物品搬送車Vが搬送車移動空間15を移動するときに、その物品搬送車Vの移動方向の前端部に当たって物品保管棚S側に流動する浄化空気は、整流板41によって、物品搬送車Vの後方側に受け止め案内されて、整流板14よりも物品保管棚S側に流動するのが抑制されるので、移動する物品搬送車Vと物品保管棚Sとの間の空間の気流を乱し難い。
つまり、移動する物品搬送車Vと物品保管棚Sとの間の空間の気流を、浄化空気が物品収納部14から搬送車移動空間15へ流動する形態の適正な状態に維持し易いので、搬送車移動空間15から物品収納部14に浄化空気が逆流するのを抑制することができる。
【0067】
従って、物品搬送車Vが移動するときに、その物品搬送車Vの移動方向の前端部に当たって物品保管棚S側に流動する浄化空気は、整流板41によって、物品搬送車Vの後方側に受け止め案内され、並びに、その物品搬送車Vと外方突出部15tを仕切る周壁25との間で圧縮傾向となる浄化空気は、排気用空間16からクリーンルーム外連通路18を通ってクリーンルーム1外に流動するので、クリーンルーム1内の清浄度を維持しながら、塵埃が発生し易い搬送車移動空間15から浄化空気が物品収納部14に逆流するのを抑制することができて、物品収納部14での物品保管状態の清浄度を向上することができる。
【0068】
〔第2実施形態〕
以下、図8ないし図9に基づいて、本発明の第2実施形態を説明するが、この第2実施形態は、浄化空気通風手段Bの別の実施形態を説明するものであるので、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付すことにより説明を省略して、主として、浄化空気通風手段B及びその他の第1実施形態と異なる構成について説明する。
尚、図8は、物品保管設備の平面図であり、図9は、図8のニ−ニ矢視図、図10は、図8のホ−ホ矢視図である。
【0069】
上記の第1実施形態では、前記一対の物品保管棚Sの側周囲を、矩形筒状の周壁25にて囲んであるが、この第2実施形態では、図9及び図10に示すように、更に、矩形筒状の周壁25の上部開口部に閉じるように、天井61を設けて、それら周壁25と天井61とによりブース62を形成して、そのブース62にて、一対の物品保管棚Sの側周囲及び上方を囲んである。
そして、第1実施形態と同様に、前記周壁25を、前記搬送車移動空間15の外方突出部15t及び前記排気用空間16を前記クリーンルーム1内と空気流動不能に区分けするように仕切る仕切り壁として機能させるように構成してある。
【0070】
この第2実施形態では、前記排気用空間16と前記物品保管棚Sとを空気流動不能に仕切る前記隔壁体としての前記横隔壁体17は、前記クリーンルーム1の前記グレーティング床2から前記ブース62の天井61にわたるように設けてある。
又、この第2実施形態では、前記空気流通空間19を設けず、前記後部隔壁体46を、前記クリーンルーム1の前記グレーティング床2から前記ブース62の天井61にわたるように設けて、その後部隔壁体46により、排気用空間16とブース62内における物品保管棚Sの後部の空間とを空気流動不能に仕切ってある。
【0071】
図8ないし図10に示すように、各物品保管棚Sは、第1実施形態と同様に、前記物品収納部14を棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて備えてあり、この第2実施形態では、各物品収納部14を、ガラス基板等の板状の複数の物品gを上下方向に間隔を隔てて保持可能な物品保持体Kを収納自在に構成してある。
【0072】
更に、この第2実施形態では、図8及び図9に示すように、各物品保管棚Sにおける最下段の物品収納部14の一部に代えて、物品gに所定の処理を施す物品処理装置63に対する物品gの搬出入を行う物品搬出入部64を設けてある。この物品搬出入部64では、物品保持体Kから物品gを一つずつ取り出して物品処理装置63に供給すると共に、物品処理装置63から一つずつ物品gを物品保持体Kに保持させるように構成してある。
前記物品搬出入部64には、物品保持体Kを昇降自在に載置支持する左右一対の昇降支持体65と、物品gを載置支持自在で且つ載置支持した物品gを搬送自在な複数の駆動ローラを備えた搬送体66とを設けてある。
【0073】
図8ないし図10に示すように、この第2実施形態では、前記ブース62の周壁25における各物品保管棚Sの後方に対応する部分に、複数の物品収納部14の後部の開口部に各別に対向させた状態で、複数のファンフィルタユニット67を設け、更に、前記ブース62の周壁25における一方の物品保管棚Sの後方に対応する部分の下端部に、前記流動用空間24に対向させた状態で、複数の排気用開口部68を設けてある。
各ファンフィルタユニット67は、塵埃を除去する除塵フィルタ67fと、ブース62外の浄化空気を吸引して除塵フィルタ67fを通過させる状態で物品収納部14の後部側から物品収納部14を通過させるように浄化空気を通風させる送風ファン67bにて構成してある。
【0074】
ブース62内では、ファンフィルタユニット67の送風ファン67bにより浄化空気が通風されるので、その浄化空気の圧力が高くなり、それに対して、排気用開口部68により浄化空気が排気されるので、その浄化空気の圧力が低くなる。そして、この浄化空気の圧力差により、ブース62内の浄化空気は、物品収納部14の後部側から前部側に向けて流動して搬送車移動空間15を上方側から下方側に向けて流動するダウンフローとなる。搬送車移動空間15を上方側から下方側に向けて流動する浄化空気は、その一部が、排気用開口部68に向けて流動してブース62外に排気された後、下方側に向けて流動してグレーティング床2を通して吸気室4に至り、残部が、そのまま下方側に流動してグレーティング床2を通して吸気室4に至る。
【0075】
そして、この第2実施形態では、前記浄化空気通風手段Bを、前記複数のファンフィルタユニット67にて、前記クリーンルーム1内の浄化空気を清浄化してブース62内に通風させる状態で浄化空気を各物品収納部14の後部側から各物品収納部14を通過させ、且つ、その物品収納部14を通過して搬送車移動空間15を下方側に向けて流動する浄化空気の一部を排気用開口部68からブース62外に流動させた後、グレーティング床2を通して流動させ、残部をそのまま下方に流動させた後、グレーティング床2を通して流動させる形態で、浄化空気を流動させるように構成してある。
つまり、前記浄化空気通風手段Bを、前記複数のファンフィルタユニット67、前記排気用開口部68、前記グレーティング床2、前記接続流路7及び前記循環用送風機8等を備えて構成して、前記クリーンルーム用循環通風手段Fを構成する前記循環用送風機8を、浄化空気通風手段B用の送風機に兼用する状態で構成してある。
【0076】
図8ないし図10に示すように、前記物品搬送車Vは、前記グレーティング床2上に設けた1本のガイドレール32および天井側に設けた1本のガイドレール33にて案内される点、及び、前記整流板41を設けていない点で異なる以外は、上記の第1実施形態と同様に構成してある。
【0077】
図8に示すように、物品搬送車Vが搬送車移動空間15をその外方突出部15tに向かって移動するときに、物品搬送車Vと外方突出部15tを仕切る周壁25との間で浄化空気が圧縮される傾向となるが、そのように圧縮傾向となる浄化空気は、搬送車移動空間15の外方突出部15tからクリーンルーム1内に流動するのが周壁25により阻止される状態で、搬送車移動空間15の外方突出部15tから連通用開口28を通って排気用空間16に流動し、その排気用空間16に流動した浄化空気は、物品保管棚S内に流動するのが横隔壁体17にて阻止され且つ物品保管棚Sの後部に流動するのが後部隔壁体46にて阻止される状態で、前記循環用送風機8の通風作用により、排気用空間16の下部のグレーティング床2を通ってクリーンルーム1外に流動する。
従って、物品搬送車Vが移動するときに、その物品搬送車Vと外方突出部15tを仕切る周壁25との間で圧縮傾向となる浄化空気は、排気用空間16からクリーンルーム外連通路18を通ってクリーンルーム1外に流動するので、クリーンルーム1内の清浄度を維持しながら、塵埃が発生し易い搬送車移動空間15から浄化空気が物品収納部14に逆流するのを抑制することができて、物品収納部14での物品保管状態の清浄度を向上することができる。
【0078】
更に、この第2実施形態では、上述のように、前記浄化空気通風手段Bを、前記複数のファンフィルタユニット67にて、前記クリーンルーム1内の浄化空気を清浄化してブース62内に通風させる状態で浄化空気を各物品収納部14の後部側から各物品収納部14を通過させる構成としてあるので、各物品収納部14を通過させる浄化空気を一段と清浄化することができるものとなり、物品保管状態の清浄化を一段と向上することができる。
【0079】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の第1及び第2の各実施形態において設けたクリーンルーム外連通路18に代えて、図11及び図12に示すように、前記排気用空間16を前記クリームルーム1内と空気流動可能に連通し且つ空気浄化手段としてのファンフィルタユニット51を備えたクリーンルーム内連通路52を設けても良い。尚、図11及び図12は、この別実施形態を第1実施形態に適用した場合を示し、第2実施形態に適用した場合の図示は、省略する。
説明を加えると、前記後部隔壁体46を省略し、前記横隔壁体17を、物品保管棚Sの後方へ周壁25にまで延びるように設ける。
そして、前記仕切り壁として機能させる前記周壁25において、前記排気用空間16における物品保管棚Bの後方側に対応する部分を仕切る部分に、連通開口53を形成し、この連通開口53に、排気用空間16に吸引作用する送風機(図示省略)及びこの送風機により通風される浄化空気を清浄化するフィルタ(図示省略)を備えた前記ファンフィルタユニット51を設ける。
つまり、前記クリーンルーム内連通路52を、排気用空間16の浄化空気を前記連通開口53を通して流動させる形態で構成してある。
【0080】
この場合は、図12に破線矢印にて示すように、物品搬送車Vが移動するときに、その物品搬送車Vと外方突出部15tを仕切る周壁25との間で圧縮傾向となる浄化空気は、搬送車移動空間15の外方突出部15tから連通用開口28を通って排気用空間16に流動して、その排気用空間16から、ファンフィルタユニット51を通過して浄化される状態で、クリーンルーム内連通路53を通ってクリーンルーム1内に流動する。
【0081】
(ロ) 前記浄化空気通風手段Bの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではなく、種々の構成が可能である。
例えば、物品保管棚Sの後部に、クリーンルーム1の天井吹出部3から吹き出された浄化空気を物品収納部14に案内するための空気流通空間19を、上部が開口され且つ側周囲が流通路形成用仕切り体にてクリーンルーム1内と空気流動不能に区分けするように仕切られた状態で設けて、浄化空気通風手段Bを、クリーンルーム1の天井吹出部3から吹き出された浄化空気を空気流通空間19にて案内して物品収納部14に供給し且つその物品収納部14を通過して搬送車移動空間15に流動する浄化空気をその搬送車移動空間15からクリーンルーム1のグレーティング床2を通して流動させる形態で、浄化空気を流動させるように構成する場合に、上記の第1実施形態では、上述のような形態で浄化空気を流動させるための送風機を、クリーンルーム用循環通風手段Fを構成する循環用送風機8にて兼用するように構成したが、浄化空気通風手段B専用に設けても良い。
【0082】
又、上記の第1実施形態において、各物品収納部14の後部の開口部に、ファンフィルタユニットを、クリーンルーム1内の浄化空気を物品収納部14に取り入れてその物品収納部14を通過させて搬送車移動空間15に流動させるように設けて、前記浄化空気通風手段Bを各物品収納部14に設けたファンフィルタユニットを備えて構成しても良い。
【0083】
(ハ) 上記の第1及び第2の各実施形態において、搬送車移動空間15の外方突出部15tから排気用空間16に流動した浄化空気をグレーティング床2を通してクリーンルーム1外に流動させるために、専用の送風機を設けても良い。
【0084】
(ニ) 前記整流板41の設置形態は、車体前後方向と車体上下方向との両方に沿わせた姿勢に限定されるものではなく、車体前後方向には沿わせる必要があるが、車体上下方向には多少傾斜させた姿勢でも良い。
【0085】
(ホ) 前記整流板41を物品搬送車Vの下方側部分の両横外側に位置させる状態で設けるに当たって、その車体上下方向での存在範囲は、上記の実施形態において例示した範囲、即ち、制御ボックス40の下端部から上端部にわたる範囲に限定されるものではない。
例えば、台車部分34の横側方に物品収納部14が存在する場合は、台車部分34の横外側にも存在するように設けても良い。
又、昇降案内用支柱35の横外側にも存在するように設けても良い。
【0086】
(ヘ) 上記の第1及び第2の各実施形態においては、物品を容器Cや物品保持体Kに収容した状態で、物品収納部14に収納したり、物品搬送車Vにより移載並びに搬送する場合について例示したが、物品そのものを物品収納部14に収納したり、物品搬送車Vにより移載並びに搬送するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の平面図
【図2】図1におけるイ−イ矢視図
【図3】図1におけるロ−ロ矢視図
【図4】図1におけるハ−ハ矢視図
【図5】第1実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の要部の斜視図
【図6】第1実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の物品搬送車を示す平面図
【図7】第1実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の物品搬送車を示す平面図
【図8】第2実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の平面図
【図9】図8におけるニ−ニ矢視図
【図10】図8におけるホ−ホ矢視図
【図11】別実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の縦断正面図
【図12】別実施形態に係るクリーンルーム用の物品保管設備の縦断側面図
【符号の説明】
【0088】
1 クリーンルーム
2 多孔状の床部
3 天井吹出部
14 物品収納部
15 搬送車移動空間
15t 外方突出部
16 排気用空間
17 隔壁体
18 クリーンルーム外連通路
19 空気流通空間
21 支柱
22 物品支持枠
24 流動用空間
25 仕切り壁、流通路形成用仕切り体
28 連通用開口
29 多孔状板状体
51 空気浄化手段
52 クリーンルーム内連通路
B 浄化空気通風手段
F クリーンルーム用循環通風手段
S 物品保管棚
V 物品搬送車
W 物品保管庫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収納部を棚横幅方向に並べて備える物品保管棚とその物品保管棚の前方の搬送車移動空間を棚横幅方向に移動する物品搬送車を備えた物品保管庫が、クリーンルーム内に設けられ、
浄化空気を前記物品保管棚の後部側から前記物品収納部を通過させて前記搬送車移動空間に流動させ且つその搬送車移動空間から前記クリーンルーム外に流動させる浄化空気通風手段が設けられたクリーンルーム用の物品保管設備であって、
前記搬送車移動空間が前記物品保管棚よりも棚横幅方向外方に突出する形態で設けられて、その外方突出部と空気流動可能に連通する排気用空間が、前記物品保管棚の横側部に、その物品保管棚と隔壁体にて空気流動不能に仕切られた状態で設けられ、
前記搬送車移動空間の外方突出部及び前記排気用空間を前記クリーンルーム内と空気流動不能に区分けするように仕切る仕切り壁が設けられ、
前記排気用空間を前記クリームルーム外と空気流動可能に連通するクリーンルーム外連通路、又は、前記排気用空間を前記クリームルーム内と空気流動可能に連通し且つ空気浄化手段を備えたクリーンルーム内連通路が設けられているクリーンルーム用の物品保管設備。
【請求項2】
前記排気用空間と前記搬送車移動空間の外方突出部とを空気流動可能に連通する連通用開口が、前記クリーンルームの床から前記物品保管棚の上端部にわたる状態で設けられ、
前記連通用開口の下方側部分を空気流動可能な状態で閉じる多孔状板状体が設けられている請求項1記載のクリーンルーム用の物品保管設備。
【請求項3】
前記クリーンルームの多孔状の床部を通して吸引した吸引空気を前記クリームルームの天井吹出部から吹き出す形態で、浄化空気を前記クリーンルームに循環させるクリーンルーム用循環通風手段が設けられ、
前記クリーンルーム外連通路が、前記排気用空間の浄化空気を前記多孔状の床部を通して流動させる形態で構成されている請求項1又は2記載のクリーンルーム用の物品保管設備。
【請求項4】
前記物品保管棚の後部に、前記クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を前記物品収納部に案内するための空気流通空間が、上部が開口され且つ側周囲が流通路形成用仕切り体にて前記クリーンルーム内と空気流動不能に区分けするように仕切られた状態で設けられ、
前記浄化空気通風手段が、前記クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を前記空気流通空間にて案内して前記物品収納部に供給し且つその物品収納部を通過して前記搬送車移動空間に流動する浄化空気をその搬送車移動空間から前記多孔状の床部を通して流動させる形態で、浄化空気を流動させるように構成されている請求項3記載のクリーンルーム用の物品保管設備。
【請求項5】
前記搬送車移動空間の上部及び前記物品保管棚の上部が、前記クリーンルームの天井吹出部から吹き出された浄化空気を導入するよう開口され、
前記物品保管棚の下端部に、浄化空気の流動用空間が形成され、
前記多孔状の床部における前記物品保管棚の設置箇所に対応する床部分の開口率が、前記多孔状の床部における前記搬送車移動空間に対応する床部分及び前記排気用空間に対応する床部分の開口率よりも小さく形成されている請求項4記載のクリーンルーム用の物品保管設備。
【請求項6】
前記物品保管棚が、前後一対の支柱を棚横幅方向に並べて、棚横幅方向に間隔を隔てて並ぶ左右一対の物品支持枠を、前記支柱にて支持する状態で、棚横幅方向及び棚上下幅方向に複数並べて構成され、
前記物品収納部が、前記左右一対の物品支持枠にて物品を載置支持する形態で物品を収納するように構成されている請求項5記載のクリーンルーム用の物品保管設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−269489(P2007−269489A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176720(P2006−176720)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】